(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020861
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】オゾンを含有する泡塊の生成方法
(51)【国際特許分類】
A61H 33/14 20060101AFI20240207BHJP
A61L 9/015 20060101ALI20240207BHJP
B01F 23/235 20220101ALI20240207BHJP
B01F 33/501 20220101ALI20240207BHJP
【FI】
A61H33/14 Z
A61L9/015
B01F23/235
B01F33/501
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123376
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】500446926
【氏名又は名称】有限会社ウィンズプランニング Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】太田 良栄
(72)【発明者】
【氏名】樋田 雅男
【テーマコード(参考)】
4C094
4C180
4G035
4G036
【Fターム(参考)】
4C094AA10
4C094BC18
4C094DD03
4C094DD15
4C094EE25
4C094GG05
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA10
4C180BB11
4C180BB15
4C180CA01
4C180EA17X
4C180FF03
4G035AB29
4G036AC61
(57)【要約】
【課題】殺菌作用及び消毒作用を有する泡塊を生成すると共に、使用後に洗い流す必要のない泡塊を生成すること。
【解決手段】オゾンを含有する泡塊の生成方法は、洗い流し不要な石鹸2を熱湯に溶かした水溶液4を生成する生成ステップS1と、生成ステップS1により生成した水溶液4をオゾンを放出するスティック6にかけることによりオゾンを含有するオゾン含有溶液7を生成すると共に、オゾン含有溶液7を容器5に貯留する貯留ステップS2と、貯留ステップS2により容器5に貯留したオゾン含有溶液7を、スティック6によりオゾンを放出しながら混練することによってオゾンを含有するムース状の泡塊8を生成する混練ステップS3と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い流し不要な石鹸を熱湯に溶かした水溶液を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成した前記水溶液をオゾンを放出する混練部材にかけることによりオゾンを含有するオゾン含有溶液を生成すると共に、前記オゾン含有溶液を容器に貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップにより前記容器に貯留した前記オゾン含有溶液を、前記混練部材によりオゾンを放出しながら混練することによってオゾンを含有するムース状の泡塊を生成する混練ステップと、
を有することを特徴とするオゾンを含有する泡塊の生成方法。
【請求項2】
前記洗い流し不要な石鹸は、
植物油を主成分とする、
ことを特徴とする請求項1記載のオゾンを含有する泡塊の生成方法。
【請求項3】
前記混練ステップは、
前記混練部材を常に前記オゾン含有溶液に浸した状態で円を描くように移動させて前記オゾン含有溶液を混練する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のオゾンを含有する泡塊の生成方法。
【請求項4】
前記混練ステップは、
前記オゾン含有溶液を混練することにより前記泡塊にオゾンを閉じ込める、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のオゾンを含有する泡塊の生成方法。
【請求項5】
前記混練ステップは、
前記貯留ステップにより前記容器に貯留した前記オゾン含有溶液を、前記混練部材により混練を開始してから前記泡塊の体積が減少し始めるまでの所定時間内において混錬する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のオゾンを含有する泡塊の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンを含有する泡塊の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンは、細菌及びウィルス等の病原性微生物を殺す殺菌作用があり、従来より治療を目的とした人間への補助療法又はペット等の飼育動物の衛星管理等に使用されている。また、従来、人が触れても飲んでも害とならない油にオゾンを含ませたオゾン含有油を、消毒液又は殺菌剤として用いている。
【0003】
特許文献1は、植物油を収容及び密封した容器内に下方からオゾンを供給することにより、オゾン化植物油を生成する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、オゾン化植物油を人又はペット等の飼育動物の体に使用した際に、体に植物油の臭いがついてしまうと共に体がべとついた状態になり、このような臭いを消臭すると共にべとついた植物油を取り除くためには植物油を洗い流す必要があるという課題を有する。
【0006】
本発明の目的は、殺菌作用及び消毒作用を有する泡塊を生成することができると共に、使用後に洗い流す必要のない泡塊を生成することができるオゾンを含有する泡塊の生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法は、洗い流し不要な石鹸を熱湯に溶かした水溶液を生成する生成ステップと、前記生成ステップにより生成した前記水溶液をオゾンを放出する混練部材にかけることによりオゾンを含有するオゾン含有溶液を生成すると共に、前記オゾン含有溶液を容器に貯留する貯留ステップと、前記貯留ステップにより前記容器に貯留した前記オゾン含有溶液を、前記混練部材によりオゾンを放出しながら混練することによってオゾンを含有するムース状の泡塊を生成する混練ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、殺菌作用及び消毒作用を有する泡塊を生成することができると共に、使用後に洗い流す必要のない泡塊を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法を示すフロー図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の生成ステップを示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の貯留ステップを示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の混錬ステップを示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の混錬ステップにおけるスティックの移動方向を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法により生成した泡塊を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法によって生成する泡塊の体積の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法につき、詳細に説明する。
【0011】
<オゾンを含有する泡塊の生成方法>
本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法につき、
図1を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0012】
まず、熱湯3に洗い流し不要な石鹸2を溶かした水溶液4を生成する生成ステップを実行する(S1)。
【0013】
次に、生成ステップにより生成した水溶液4をオゾンを放出するスティック6にかけることにより、オゾンを含有するオゾン含有溶液7を生成すると共に、オゾン含有溶液7を容器5に貯留する貯留ステップを実行する(S2)。
【0014】
次に、貯留ステップにより容器5に貯留したオゾン含有溶液7を、スティック6によりオゾンを放出しながら混練することによってオゾンを含有するムース状の泡塊8を生成する混練ステップを実行する(S3)。
【0015】
上記の各ステップを実行することにより、泡塊8を生成する。
【0016】
<生成ステップ>
本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の生成ステップS1につき、
図2を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0017】
生成ステップS1では、熱湯を貯めた容器1を用意し、細かくカットした洗い流し不要な石鹸2を、容器1に貯めた熱湯3に溶かすことにより水溶液4を生成する。生成ステップS1において使用する洗い流し不要な石鹸2は、エタノールを含んでいると共に植物油を主成分としている。ここで、植物油としては、ステアリン酸、スクロース、パルミチン酸、ミリスチン酸、グリセリン、イソステアリン酸PEG-60グリセリル、ソルビトール、スクワラン、コメ胚芽油、グリチルリチン酸2K及びシアノコバラミン等である。
【0018】
ステアリン酸は、大豆油又はサトウキビから抽出可能である。スクロースは、サトウキビから抽出可能である。パルミチン酸は、パーム油から抽出可能である。ミリスチン酸は、ヤシ油又はパーム油から抽出可能である。グリセリンは、ヤシ油又はパーム油から抽出可能である。イソステアリン酸PEG-60グリセリルは、大豆から抽出可能である。ソルビトールは、トウモロコシから抽出可能である。スクワランは、オリーブから抽出可能である。コメ胚芽油は、米ぬかから抽出可能である。グリチルリチン酸2Kは、甘草の根から抽出可能である。シアノコバラミンは、さとうだいこんから抽出可能である。
【0019】
<貯留ステップ>
本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の貯留ステップS2につき、
図3を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0020】
貯留ステップS2では、大きめの容器5を準備して、生成ステップS1により生成した水溶液4を、図示しないオゾン発生器に接続されたスティック6にかけながらオゾン含有溶液7を生成して、生成したオゾン含有溶液7を容器5に貯留する。この際に、スティック6からは、オゾン発生器より供給される所定濃度のオゾンが外部に放出されている。
【0021】
<混錬ステップ>
本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法の混錬ステップS3につき、
図4から
図7を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0022】
混錬ステップS3では、容器5に貯留したオゾン含有溶液7をスティック6によって混錬することにより泡塊8を生成する。この際に、スティック6からは、オゾン発生器より供給される所定濃度のオゾンが外部に放出されており、スティック6を常にオゾン含有溶液7に浸した状態で、容器5の内壁5aに沿って円を描くようにスティック6を移動させると共に、移動方向を時計回りS2及び反時計回りS1に交互に変える。このように、オゾンを外部に放出するスティック6によってオゾン含有溶液7を混練することにより、泡塊8にオゾンを閉じ込めることができる。
【0023】
また、本発明者の実験によれば、混錬ステップS3において、
図7に示すように、混錬を開始した時刻t0から所定時間Tが経過するまでは泡塊8の体積は増加するものの、所定時間T経過後には泡塊8の体積は減少する。従って、混錬ステップS3では、所定時間T内の時間において混錬することが好ましい。
【0024】
混錬ステップS3において生成した泡塊8は、ムース状であり、角8aが立った状態に保つことが可能であると共に、容器5より取り出して底の浅い皿9に移し替えることが可能である。
【0025】
<泡塊の使用方法>
本発明の実施形態に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法により生成した泡塊8の使用方法につき、以下に詳細に説明する。
【0026】
上記のオゾンを含有する泡塊の生成方法により生成した泡塊8には、気体のオゾンを閉じ込めることが可能であるため、泡塊8に閉じ込めるオゾンの濃度を低濃度にすることができる。このため、オゾンを含有する泡塊の生成方法によって生成した泡塊8を粘膜等のデリケートな箇所に使用することができると共に、オゾンの匂いを抑制することができる。
【0027】
また、油を使用していないことにより、泡塊8を体に付けた後に、泡塊8を温水等で洗い流すことなくふき取るのみでよいと共に体を乾燥させる必要もないため、水道光熱費を抑制することができると共に飼育動物に対してストレスを与えることなく体を殺菌することができる。
【0028】
上記のオゾンを含有する泡塊の生成方法により生成した泡塊8は、除菌及び消臭等に使用することができ、介護での入浴の代用、アトピー等の治療及びアンチエイジング等において効果が期待できる。
【0029】
このように、本実施形態によれば、洗い流し不要な石鹸2を熱湯3に溶かした水溶液4を生成する生成ステップS1と、生成ステップS1により生成した水溶液4をオゾンを放出するスティック6にかけることによりオゾンを含有するオゾン含有溶液7を生成すると共に、オゾン含有溶液7を容器5に貯留する貯留ステップS2と、貯留ステップS2により容器5に貯留したオゾン含有溶液7を、スティック6によりオゾンを放出しながら混練することによってオゾンを含有するムース状の泡塊8を生成する混練ステップS3と、を有することにより、殺菌作用及び消毒作用を有すると共に、使用後に洗い流す必要のないオゾンを含有する泡塊8を生成することができる。
【0030】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【0031】
具体的には、上記の実施形態において、スティック6を使用したが、これに限らず、オゾンを外部に放出可能でオゾン含有溶液7を混錬可能なスティック6以外の混錬部材を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係るオゾンを含有する泡塊の生成方法は、オゾンを含有する泡塊を生成するのに好適である。
【符号の説明】
【0033】
1 容器
2 洗い流し不要な石鹸
3 熱湯
4 水溶液
5 容器
5a 内壁
6 スティック
7 オゾン含有溶液
8 泡塊
8a 角
9 皿