(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020890
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
G01V 8/20 20060101AFI20240207BHJP
H01L 31/12 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G01V8/20 N
G01V8/20 Q
H01L31/12 D
H01L31/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123427
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公丈
(72)【発明者】
【氏名】小寺 祥平
(72)【発明者】
【氏名】岩城 禄憲
【テーマコード(参考)】
2G105
5F889
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC01
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF02
2G105FF04
2G105FF12
2G105GG01
2G105GG03
2G105HH04
5F889AB01
5F889AB03
5F889CA06
(57)【要約】
【課題】検出対象物の有無を適切に検出することが可能な検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置1は、所定のエリア12に向けて光を照射する照射部20と、エリア12に検出対象物2が存在している場合に、当該検出対象物2で反射された光を検出する反射光検出部30と、エリア12に検出対象物2が存在していない場合に、光を検出する透過光検出部40と、反射光検出部30が光を検出した場合、及び、透過光検出部40が光を検出していない場合のうち、少なくともいずれか一方が成立した場合にエリア12に検出対象物2が存在していると判定する判定部60と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアに向けて光を照射する照射部と、
前記エリアに検出対象物が存在している場合に、当該検出対象物で反射された前記光を検出する反射光検出部と、
前記エリアに前記検出対象物が存在していない場合に、前記光を検出する透過光検出部と、
前記反射光検出部が前記光を検出した場合、及び、前記透過光検出部が前記光を検出していない場合のうち、少なくともいずれか一方が成立した場合に前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定する判定部と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記反射光検出部が前記光を検出し、且つ、前記透過光検出部が前記光を検出していない場合に前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定する請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
所定時間内に、前記反射光検出部が前記光の検出を行うと共に前記透過光検出部が前記光の検出を停止する第1状態と、前記反射光検出部が前記光の検出を停止すると共に前記透過光検出部が前記光の検出を行う第2状態とが含まれるように、前記反射光検出部及び前記透過光検出部の状態を切り替える状態切替部を更に備え、
前記判定部は、最新の前記第1状態における前記反射光検出部の検出結果及び前記第2状態における前記透過光検出部の検出結果のうちの一方と、直前の前記第1状態における前記反射光検出部の検出結果及び前記第2状態における前記透過光検出部の検出結果のうちの他方とに基づいて判定する請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定している状態が継続している場合において、前記反射光検出部の検出結果及び前記透過光検出部の検出結果のうちの一方が変わったときは、当該変わった時点における前記検出対象物の量が、前記存在していると判定した時点における前記検出対象物の量よりも減少していると判定する請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記照射部は、前記エリアからの高さが前記反射光検出部及び前記透過光検出部の夫々の前記エリアからの高さとは異なるように設けられている請求項4に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を検出する検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体を検出する検出装置が利用されてきた。このような検出装置として、光を利用して検出物対象物を検出するものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には光結合装置が記載されている。この光結合装置は、検出対象物が通る通路に対して発光する発光素子と、通路における検出対象物を透過した発光素子の光を受光する透過用受光素子と、通路における検出対象物によって反射された発光素子の光を受光する反射用受光素子とを備え、透過用受光素子及び反射用受光素子の夫々の受光量に基づいて検出対象物を識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の光結合装置は、透過用受光素子の受光量に応じた出力電圧と、反射用受光素子の受光量に応じた出力電圧とに基づいて、通路を通る白紙と光沢用紙と透明用紙とを識別している。すなわち、特許文献1に記載の光結合装置では、透過用受光素子の受光量に応じた出力電圧と、反射用受光素子の受光量に応じた出力電圧とのうちの一方により識別(判定)している。例えば、光結合装置の構成や設置場所等によっては、検出対象物を識別(検出)する場所に、発光素子以外からの光が照射されている場合があり、透過用受光素子の受光量に応じた出力電圧と、反射用受光素子の受光量に応じた出力電圧とのうちの一方による識別(判定)では、検出対象物の有無を適切に検出することができない可能性がある。
【0006】
そこで、検出対象物の有無を適切に検出することが可能な検出装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る検出装置の特徴構成は、所定のエリアに向けて光を照射する照射部と、前記エリアに検出対象物が存在している場合に、当該検出対象物で反射された前記光を検出する反射光検出部と、前記エリアに前記検出対象物が存在していない場合に、前記光を検出する透過光検出部と、前記反射光検出部が前記光を検出した場合、及び、前記透過光検出部が前記光を検出していない場合のうち、少なくともいずれか一方が成立した場合に前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定する判定部と、を備えている点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、反射光検出部及び透過光検出部の少なくともいずれか一方の検出結果によって所定のエリアに検出対象物が存在しているか否かを判定することができる。このため、反射光検出部の検出結果のみによって所定のエリアに検出対象物が存在していることが判定可能である場合や、透過光検出部の検出結果のみによって所定のエリアに検出対象物が存在していることが判定可能である場合はもちろん、例えば外乱光が存在するような状況においては、反射光検出部及び透過光検出部の双方の検出結果によって所定のエリアに検出対象物が存在しているか否かを判定することができる。したがって、適切に検出対象物の有無を検出することが可能となる。
【0009】
また、前記判定部は、前記反射光検出部が前記光を検出し、且つ、前記透過光検出部が前記光を検出していない場合に前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定すると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、反射光検出部及び透過光検出部の双方の検出結果によって所定のエリアに検出対象物が存在しているか否かを判定することができる。したがって、例えば外乱光が存在するような状況であっても、適切に検出対象物の有無を検出することが可能となる。
【0011】
また、前記検出装置は、所定時間内に、前記反射光検出部が前記光の検出を行うと共に前記透過光検出部が前記光の検出を停止する第1状態と、前記反射光検出部が前記光の検出を停止すると共に前記透過光検出部が前記光の検出を行う第2状態とが含まれるように、前記反射光検出部及び前記透過光検出部の状態を切り替える状態切替部を更に備え、前記判定部は、最新の前記第1状態における前記反射光検出部の検出結果及び前記第2状態における前記透過光検出部の検出結果のうちの一方と、直前の前記第1状態における前記反射光検出部の検出結果及び前記第2状態における前記透過光検出部の検出結果のうちの他方とに基づいて判定すると好適である。
【0012】
このような構成とすれば、反射光検出部及び透過光検出部の双方を、同時に光を検出することが可能な状態とする必要がないので、検出装置の消費電力を低減することが可能となる。
【0013】
また、前記判定部は、前記エリアに前記検出対象物が存在していると判定している状態が継続している場合において、前記反射光検出部の検出結果及び前記透過光検出部の検出結果のうちの一方が変わったときは、当該変わった時点における前記検出対象物の量が、前記存在していると判定した時点における前記検出対象物の量よりも減少していると判定するように構成することが可能である。
【0014】
このような構成とすれば、検出対象物の残量の判定を行うことが可能となる。したがって、検出対象物が補充を要するようなものである場合には、検出対象物が空になる前に補充を行うことが可能となる。
【0015】
また、前記照射部は、前記エリアからの高さが前記反射光検出部及び前記透過光検出部の夫々の前記エリアからの高さとは異なるように設けられていると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、照射部から照射された光を検出対象物が反射し易いように照射部を配置することで、反射光検出部の検出精度を高めることが可能なる。また、照射部から照射された光を検出対象物が遮り易いように照射部を配置することで、透過光検出部の検出精度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態の検出装置を備えたディスペンサの透過斜視図である。
【
図3】第2の実施形態の検出装置の構成を示す模式図である。
【
図4】第2の実施形態の検出装置による検出対象物の一例である。
【
図5】反射光検出部及び透過光検出部の動作を説明する図である。
【
図7】残量が少なくなった場合の判定を説明する図である。
【
図9】その他の実施形態に係る照射部、反射光検出部、及び透過光検出部の配置について示した図である。
【
図10】その他の実施形態に係る判定部による判定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1の実施形態
本発明に係る検出装置は、所定のエリアにおける検出対象物の有無を検出することが可能である。以下、本実施形態の検出装置1について説明する。
【0019】
図1は本実施形態の検出装置1を備えたディスペンサ101の斜視図である。
図2は
図1の検出装置1のII-II線の断面図である(検出装置1以外の部分は平面図である)。本実施形態の検出装置1は、検出対象物2として、歯ブラシ2Aを検出する。このため、以下の説明では、検出対象物2を歯ブラシ2Aとして説明する。なお、
図1では、理解を容易にするために、ディスペンサ101は筐体100を透かした状態で示している。
【0020】
図1及び
図2に示されるように、検出装置1は、照射部20、反射光検出部30、透過光検出部40、及び判定部60を備えて構成され、各機能部は、歯ブラシ2Aの有無の検出に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。本実施形態では、判定部60は、基板3に実装される。
【0021】
照射部20は、所定のエリア12に向けて光を照射する。所定のエリア12とは、検出装置1における歯ブラシ2Aの存在を検出するために設けられた空間(検出空間)にあたる。照射部20は、例えば赤外線LED(light-emitting diode)を用いて構成するとよい。照射部20は、このようなエリア12に向けて光を照射する。照射部20から照射される光(本実施形態では、赤外線)は、エリア12において集光された状態になると好適である。これにより、エリア12に向けて強度が大きい光を照射することができるので、後述する反射光検出部30及び透過光検出部40での誤検出を防止することが可能となる。
【0022】
反射光検出部30は、エリア12に歯ブラシ2Aが存在している場合に、当該歯ブラシ2Aで反射された光を検出する。上述したように、照射部20は、エリア12に向けて光を照射する。反射光検出部30は、エリア12に、上述した歯ブラシ2Aが存在している場合には、照射部20から照射された後、歯ブラシ2Aで反射された光を検出する位置であって、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していない場合には、照射部20から照射された光を検出しない位置に設けられる。なお、反射光検出部30は、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していない場合には、歯ブラシ2Aで反射された光の強度よりも低い強度の光(外乱光)が入力されていてもよい。これにより、エリア12に歯ブラシ2Aが存在している状態と、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していない状態とで、反射光検出部30に、互いに異なる検出結果を出力させることが可能となる。このような反射光検出部30は、例えば、フォトディテクタを用いて構成するとよい。
【0023】
本実施形態では、反射光検出部30は、検出した光の強度に応じた電圧値の電圧を出力するように構成される。すなわち、反射光検出部30は、歯ブラシ2Aで反射された光が入力されていない場合には予め設定された値以下の電圧値(例えば0V)の電圧を出力し、歯ブラシ2Aで反射された光が入力された場合にはその強度に比例した電圧値の電圧を出力するように構成される。
【0024】
透過光検出部40は、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していない場合に、光を検出する。透過光検出部40は、エリア12に、上述した歯ブラシ2Aが存在していない場合には、照射部20から照射された光を検出する位置であって、エリア12に歯ブラシ2Aが存在している場合には、照射部20から照射された光が歯ブラシ2Aで遮られ、透過光検出部40に入力されない位置に設けられる。なお、透過光検出部40は、エリア12に歯ブラシ2Aが存在している場合には、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していない場合における照射部20から照射された光の強度よりも低い強度の光(外乱光)が入力されていてもよい。これにより、エリア12に歯ブラシ2Aが存在している状態と、エリア12に歯ブラシ2Aが存在してない状態とで、透過光検出部40に、互いに異なる検出結果を出力させることが可能となる。このような透過光検出部40も、反射光検出部30と同様に、例えば、フォトディテクタを用いて構成するとよい。
【0025】
本実施形態では、透過光検出部40は、検出した光の強度に応じた電圧値の電圧を出力するように構成される。すなわち、透過光検出部40は、歯ブラシ2Aがエリア12に存在している場合には予め設定された値以下の電圧値(例えば0V)の電圧を出力し、歯ブラシ2Aがエリア12に存在していない場合にはその強度に比例した電圧値の電圧を出力するように構成される。
【0026】
判定部60は、反射光検出部30が光を検出した場合、及び、透過光検出部40が光を検出していない場合のうち、少なくともいずれか一方が成立した場合にエリア12に歯ブラシ2Aが存在していると判定する。反射光検出部30が光を検出した場合とは、照射部20から照射された光が歯ブラシ2Aで反射され、その反射された光を反射光検出部30が検出した場合である。透過光検出部40が光を検出していない場合とは、照射部20から照射された光が歯ブラシ2Aで遮られて、照射部20から照射された光を透過光検出部40が検出していない場合である。したがって、判定部60は、照射部20から照射された光が歯ブラシ2Aで反射され、その反射された光を反射光検出部30が検出した場合にエリア12に歯ブラシ2Aが存在していると判定し、また、照射部20から照射された光が歯ブラシ2Aで遮られて、照射部20から照射された光を透過光検出部40が検出していない場合にエリア12に歯ブラシ2Aが存在していると判定する。
【0027】
これにより、歯ブラシ2Aを構成する材料の光の反射特性にかかわらず(すなわち、光を反射する材料を用いて歯ブラシ2Aが作製されている場合でも、光を透過する材料を用いて歯ブラシ2Aが作製されている場合でも)、検出装置1のエリア12における歯ブラシ2Aの存在を検出することが可能となる。
【0028】
ここで、本実施形態では、検出装置1は、泡状歯磨きを吐出するディスペンサ101に組み込まれている。ディスペンサ101は、液体歯磨きが貯留されるボトル102と、ボトル102から液体歯磨きを吸い込み、吸い込んだ液体歯磨きを吐出すると共に所定の圧力の空気を吐出するポンプ103と、泡状歯磨きを吐出する吐出口104とを備えている。
【0029】
上述したように、検出装置1によりエリア12において、歯ブラシ2Aの存在が検出されると、ポンプ103が吸込管105を介して所定量の液体歯磨きをボトル102から吸い込む。ポンプ103は、吸い込んだ液体歯磨きを、吐出管106に吐出すると共に、吐出管106に連通する空気吐出管107に所定の圧力の空気を吐出する。これにより、吐出管106に吐出された液体歯磨きが吐出管106における空気吐出管107との合流部108において泡状にされる。泡状歯磨き(泡状にされた液体歯磨き)は、吐出口104から吐出される。
【0030】
このように検出装置1は、当該検出装置1が検出対象物2の存在を検出した場合に所定の物体(例えば泡状歯磨き)を吐出するディスペンサ101に組み込んで構成すること可能である。また、ディスペンサ101は、泡状歯磨きだけでなく、例えばハンドソープを吐出する装置であってもよいし、例えばアルコールなどの消毒用液体を吐出する装置であってもよい。もちろん、ディスペンサ101は、液体だけでなく、固体を吐出する装置であってもよいし、気体を吐出する装置であってもよい。
【0031】
ここで、検出装置1が備えられる場所によっては、照射部20による光とは異なる光(外乱光)が存在する場合がある。このような場所においては、検出装置1は、照射部20が光を照射している時と光を照射していない時との夫々において、定期的に反射光検出部30及び透過光検出部40が光を検出しておき、これらの検出結果に基づいて判定するとよい。
【0032】
具体的には、反射光検出部30は、照射部20が光を照射している時と、照射部20が光を照射してない時との双方において光を検出する。ここでは、照射部20が光を照射している時の反射光検出部30の検出結果をV1ONとし、照射部20が光を照射していない時の反射光検出部30の検出結果をV1OFFとする。
【0033】
同様に、透過光検出部40も、照射部20が光を照射している時と、照射部20が光を照射してない時との双方において光を検出する。ここでは、照射部20が光を照射している時の透過光検出部40の検出結果をV2ONとし、照射部20が光を照射していない時の透過光検出部40の検出結果をV2OFFとする。
【0034】
判定部60は、反射光検出部30及び透過光検出部40から検出結果を取得し、V10FFとV10Nとの差(すなわち、V10FF-V10N)をD1として算定し、V20FFとV20Nとの差(すなわち、V20FF-V20N)をD2として算定する。
【0035】
反射光検出部30により歯ブラシ2Aの検出を行う際、歯ブラシ2Aがエリア12に存在していないときは照射部20による光の照射の有無にかかわらず、反射光検出部30には外乱光のみが入射されるため、D1の値は零に近くなる(略零となる)。一方、歯ブラシ2Aがエリア12に存在しているときは照射部20による光の照射時に、反射光検出部30に光が入射されるため、D1の値は大きくなる。したがって、D1の値が所定の閾値を超えると、歯ブラシ2Aが存在していると判定することが可能となる。
【0036】
一方、透過光検出部40により歯ブラシ2Aの検出を行う際、歯ブラシ2Aがエリア12に存在していないときは照射部20が光を照射した時のみ、透過光検出部40に光が入射されるため、D2の値は大きくなる。一方、歯ブラシ2Aがエリア12に存在しているときは照射部20による光の照射の有無にかかわらず、透過光検出部40には外乱光のみが入射されるため、D2の値は零に近くなる(略零となる)。したがって、D2の値が所定の閾値を下回ると、歯ブラシ2Aが存在していると判定することが可能となる。
【0037】
このように、本実施形態の検出装置1によれば、反射光による検出及び透過光による検出のうちの一方、又は、双方で歯ブラシ2Aを検出した場合に、エリア12に歯ブラシ2Aが存在していると判定することが可能である。また、透過光による検出が困難なもの(例えば透明な物体等、光を透過するもの)は反射光を用いて検出し、反射光による検出が困難なもの(例えば不透明で黒系色の物体等)は透過光を用いて検出することが可能である。すなわち、検出装置1は、反射光検出部30及び透過光検出部40の双方を備えて構成されているため、反射光検出部30及び透過光検出部40のうちの一方が検出し難い物体を、反射光検出部30及び透過光検出部40のうちの他方が検出することができ、また、外乱光が存在するような環境においても適切に検出することが可能となる。
【0038】
なお、検出装置1の生産(製造)時に、特定の条件下で照射部20が照射する光の強度(発光強度)を変化させて検出限界を確認し、予め調整する(キャリブレーションを行う)ことで、検出装置1にアセンブリされた照射部20と、反射光検出部30及び透過光検出部40との組み合わせによるばらつきを吸収し、安定した検出確度(検出精度)を維持することが可能となる。
【0039】
2.第2の実施形態
次に、検出装置1の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態の検出装置1の構成を模式的に示した模式図である。
図3に示されるように、本実施形態の検出装置1は、ステージ10、照射部20、反射光検出部30、透過光検出部40、状態切替部50、判定部60、及び報知部70を備えて構成され、各機能部は、検出対象物2の有無の検出に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0040】
ステージ10は、検出対象物2を載置可能に構成されている。検出対象物2とは、検出装置1によって、有無を検出する対象とされている物体である。
図4には、検出装置1によって検出可能な検出対象物2の一例が示される。
図4に示されるように、検出装置1では、検出対象物2として、ミルクコーヒーが入ったペットボトル、ミルクティーが入ったペットボトル、紙コップ、白色のアルミ缶、赤色の油性ペンで描いた白い紙、厚さが5mm程度の段ボール、厚さが11μm程度のアルミホイル、持ち手が不透明な材料で構成されている歯ブラシ、人の指の有無を検出可能である。本実施形態では、検出対象物2として、紙コップ2Bを例に挙げて説明する。
【0041】
図3では、ステージ10は、土台部11上に設けられ、この土台部11よりも小型に構成されている。ステージ10と土台部11とは、一体的に成形されていてもよいし、互いに別体で成形され、土台部11上にステージ10を固定するように構成してもよい。また、ステージ10と土台部11は平面視が同じサイズであってもよいが、この場合、土台部11を設けずに構成してもよい。
【0042】
照射部20は、所定のエリア12に向けて光を照射する。本実施形態では、エリア12は、ステージ10の上方に設定される。したがって、照射部20は、ステージ10の上方に設定されたエリア12に向けて光を照射する。照射部20は、例えば赤外線LED(light-emitting diode)を用いて構成するとよい。また、照射部20から照射される光(本実施形態では、赤外線)は、エリア12において集光された状態になると好適である。これにより、エリア12に向けて強度が大きい光を照射することができるので、後述する反射光検出部30及び透過光検出部40での誤検出を防止することが可能となる。
【0043】
反射光検出部30は、エリア12に紙コップ2Bが存在している場合に、当該紙コップ2Bで反射された光を検出する。上述したように、照射部20は、エリア12に向けて光を照射する。反射光検出部30は、エリア12に、上述した検出対象物2が存在している場合には、照射部20から照射された後、紙コップ2Bで反射された光を検出する位置であって、エリア12に検出対象物2が存在していない場合には、照射部20から照射された光を検出しない位置に設けられる。なお、反射光検出部30は、エリア12に紙コップ2Bが存在していない場合には、紙コップ2Bで反射された光の強度よりも低い強度の光(外乱光)が入力されていてもよい。これにより、エリア12に紙コップ2Bが存在している状態と、エリア12に紙コップ2Bが存在していない状態とで、反射光検出部30に、互いに異なる検出結果を出力させることが可能となる。このような反射光検出部30は、例えば、フォトディテクタを用いて構成するとよい。
【0044】
本実施形態では、反射光検出部30は、検出した光の強度に応じた電圧値の電圧を出力するように構成される。すなわち、反射光検出部30は、紙コップ2Bで反射された光が入力されていない場合には予め設定された値以下の電圧値(例えば0V)の電圧を出力し、紙コップ2Bで反射された光が入力された場合にはその強度に比例した電圧値の電圧を出力するように構成される。
【0045】
透過光検出部40は、エリア12に紙コップ2Bが存在していない場合に、光を検出する。透過光検出部40は、エリア12に、上述した紙コップ2Bが存在していない場合には、照射部20から照射された光を検出する位置であって、エリア12に紙コップ2Bが存在している場合には、照射部20から照射された光が紙コップ2Bで遮られ、透過光検出部40に入力されない位置に設けられる。なお、透過光検出部40は、エリア12に紙コップ2Bが存在している場合には、エリア12に紙コップ2Bが存在していない場合における照射部20から照射された光の強度よりも低い強度の光(外乱光)が入力されていてもよい。これにより、エリア12に紙コップ2Bが存在している状態と、エリア12に紙コップ2Bが存在していない状態とで、透過光検出部40に、互いに異なる検出結果を出力させることが可能となる。このような透過光検出部40も、反射光検出部30と同様に、例えば、フォトディテクタを用いて構成するとよい。
【0046】
本実施形態では、透過光検出部40は、検出した光の強度に応じた電圧値の電圧を出力するように構成される。すなわち、透過光検出部40は、紙コップ2Bがエリア12に存在している場合には予め設定された値以下の電圧値(例えば0V)の電圧を出力し、紙コップ2Bがエリア12に存在していない場合にはその強度に比例した電圧値の電圧を出力するように構成される。
【0047】
状態切替部50は、所定時間内に、第1状態と第2状態とが含まれるように、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を切り替える。反射光検出部30及び透過光検出部40の状態とは、反射光検出部30及び透過光検出部40の駆動状態であって、具体的には、光を検出することが可能な状態と光の検出を停止している状態とが相当する。第1状態とは、反射光検出部30が光の検出を行うと共に透過光検出部40が光の検出を停止する状態である。このため、第1状態では、反射光検出部30及び透過光検出部40のうち、反射光検出部30のみが光を検出することが可能な状態とされる。第2状態とは、反射光検出部30が光の検出を停止すると共に透過光検出部40が光の検出を行う状態である。このため、第2状態では、反射光検出部30及び透過光検出部40のうち、透過光検出部40のみが光を検出することが可能な状態とされる。
【0048】
所定時間内に、第1状態と第2状態とが含まれるとは、1つの第1状態と1つの第2状態とが含まれる状態を、1つの状態とした場合に、このような1つの状態が周期的に繰り返されることを意味する。この周期は、例えば数十μ秒~数百m秒程度とするとよい。したがって、状態切替部50は、所定時間内に、このような第1状態と第2状態とが含まれる状態を、周期的に繰り返すように、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を切り替える。
【0049】
図5には、検出装置1における処理を示すタイミングチャートが示される。
図5では、横軸が時間軸として示される。
図5の(A)に示されるように、照射部20がt0でエリア12に向けて光の照射を開始する。光の照射の開始に伴い、状態切替部50がt0からt1までの間に、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を第1状態(
図5では、第1状態を「X」として示している)にする。すなわち、t0からt1までの間は、
図5の(B)に示されるように、反射光検出部30が光を検出することが可能な状態とされ、
図5の(C)に示されるように、透過光検出部40が光の検出を停止している状態とされる。このとき、エリア12に紙コップ2Bが存在していなければ、照射部20から照射された光は紙コップ2Bで反射されないことから、反射光検出部30には光(外乱光を除く)が入力されない。したがって、
図5の(E)に示されるように、反射光検出部30の出力(電圧)は、予め設定された値以下(以下「0」とする)となる。なお、このとき、上述したように、透過光検出部40は光の検出を停止している状態となるため、
図5の(F)に示されるように、透過光検出部40の出力(電圧)は、予め設定された値以下(以下「0」とする)となる。
【0050】
続いて、状態切替部50はt1からt2までの間に、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を第2状態(
図5では、第2状態を「Y」として示している)にする。すなわち、t1からt2までの間は、
図5の(B)に示されるように、反射光検出部30が光の検出を停止している状態とされ、
図5の(C)に示されるように、透過光検出部40が光を検出することが可能な状態とされる。このとき、照射部20から照射された光は紙コップ2Bで遮られないことから、透過光検出部40には照射部20から照射された光が入力される。したがって、
図5の(F)に示されるように、透過光検出部40の出力(電圧)は、予め設定された値より大きくなる(以下「1」とする)。なお、このとき、上述したように、反射光検出部30は光の検出を停止している状態となるため、
図5の(E)に示されるように、反射光検出部30の出力(電圧)は、0となる。
【0051】
本実施形態では、状態切替部50は、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を第2状態に切り替えてから、次に第1状態に切り替えるまでの間に、待機期間が設けられる。
図5の例では、待機期間は反射光検出部30及び透過光検出部40の双方が光の検出を停止している状態とされる。この状態は待機状態であって、
図5では、この状態を「Z」として示している。すなわち、t2からt3までの間は、
図5の(B)に示されるように、反射光検出部30が光の検出を停止している状態とされ、
図5の(C)に示されるように、透過光検出部40が光の検出を停止している状態とされる。したがって、
図5の(F)に示されるように、透過光検出部40の出力(電圧)及び反射光検出部30の出力(電圧)は、0となる。以下同様に、照射部20が光を照射している間、状態切替部50は、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を、第1状態と第2状態と待機状態とに、順次、切り替える。
【0052】
図3に戻り、判定部60は、反射光検出部30が光を検出し、且つ、透過光検出部40が光を検出していない場合にエリア12に紙コップ2Bが存在していると判定する。反射光検出部30が光を検出し、且つ、透過光検出部40が光を検出していない場合とは、照射部20から照射された光が紙コップ2Bで反射され、その反射された光を反射光検出部30が検出した場合であって、且つ、照射部20から照射された光が紙コップ2Bで遮られて、照射部20から照射された光を透過光検出部40が検出していない場合である。したがって、判定部60は、照射部20から照射された光が紙コップ2Bで反射され、その反射された光を反射光検出部30が検出した場合であって、且つ、照射部20から照射された光が紙コップ2Bで遮られて、照射部20から照射された光を透過光検出部40が検出していない場合に、エリア12に紙コップ2Bが存在していると判定する。
【0053】
ここで、上述したように、本実施形態では、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態は、状態切替部50によって第1状態と第2状態と待機状態とに切り替えられる。このため、反射光検出部30及び透過光検出部40とは、同時に光を検出することが可能な状態となることはない。そこで、本実施形態では、判定部60は、最新の第1状態における反射光検出部30の検出結果及び第2状態における透過光検出部40の検出結果のうちの一方と、直前の第1状態における反射光検出部30の検出結果及び第2状態における透過光検出部40の検出結果のうちの他方とに基づいて、エリア12に紙コップ2Bが存在しているか否かを判定する。
【0054】
最新の第1状態における反射光検出部30の検出結果及び第2状態における透過光検出部40の検出結果のうちの一方とは、反射光検出部30及び透過光検出部40の現在の状態が、状態切替部50によって第1状態に切り替えられている場合には、反射光検出部30の検出結果が相当し、反射光検出部30及び透過光検出部40の現在の状態が、状態切替部50によって第2状態に切り替えられている場合には、透過光検出部40の検出結果が相当する。直前の第1状態における反射光検出部30の検出結果及び第2状態における透過光検出部40の検出結果のうちの他方とは、反射光検出部30及び透過光検出部40の現在の状態が、状態切替部50によって第1状態に切り替えられている場合には、直前の第2状態における透過光検出部40の検出結果が相当し、反射光検出部30及び透過光検出部40の現在の状態が、状態切替部50によって第2状態に切り替えられている場合には、直前の第1状態における反射光検出部30の検出結果が相当する。したがって、上述したように、1つの第1状態と1つの第2状態とを1つの状態とした場合に、判定部60は、当該1つの状態における反射光検出部30及び透過光検出部40の夫々の検出結果に基づいて、エリア12に紙コップ2Bが存在しているか否かを判定する。
【0055】
例えば、
図5の(D)に示されるように、t5でエリア12に紙コップ2Bが置かれたとする。t6からt7の間は、反射光検出部30は光を検出し、透過光検出部40は光の検出を停止している第1状態であるので、
図5の(E)に示されるように、t6からt7の間において、紙コップ2Bによって反射された光が反射光検出部30によって検出される。このとき、上述したように、透過光検出部40は光の検出を停止している状態となるため、
図5の(F)に示されるように、透過光検出部40の出力(電圧)は、0となる。この場合、t6からt7の間の第1状態の直前のt4からt5の間の第2状態では、透過光検出部40に照射部20から照射された光が入力され、光を検出している。したがって、判定部60は、
図5の(G)に示されるように、t7において、紙コップ2Bがエリア12に存在していないと判定する。
【0056】
続いて、t7からt8の間は、反射光検出部30は光の検出を停止している状態とされ、透過光検出部40は光を検出することが可能な状態とされる第2状態にある。このとき、照射部20から照射された光は、紙コップ2Bで遮られる。したがって、
図5の(F)に示されるように、t7からt8の間における透過光検出部40の出力は0となる。この場合、t7からt8の間の第2状態の直前のt6からt7の間の第1状態では、上述したように、反射光検出部30が、紙コップ2Bで反射された光を検出している。したがって、判定部60は、
図5の(G)に示されるように、t8において、紙コップ2Bがエリア12に存在していると判定する。
【0057】
更に、t8からt9の間の待機状態の後、t9からt10の間は、
図5の(E)に示されるように、紙コップ2Bによって反射された光が反射光検出部30によって検出される。また、直前の第2状態である、t7からt8の間は、上述したように、照射部20から照射された光は紙コップ2Bで遮られ、透過光検出部40の出力は0となっている。したがって、判定部60は、
図5の(G)に示されるように、t10において、紙コップ2Bがエリア12に存在していると判定する。判定部60は、以下同様に判定する。
【0058】
図6には、反射光検出部30の検出結果、及び透過光検出部40の検出結果に応じた判定部60による判定結果が示される。
図6では、反射光検出部30が反射光を検出したときの検出結果を「検出」として示され、反射光検出部30が反射光を検出していないときの検出結果を「非検出」として示される。また、透過光検出部40が照射部20から照射された光を検出しているときの検出結果が「検出」として示され、照射部20から照射された光が遮られ、透過光検出部40が光を検出していないときの検出結果が「非検出」として示される。
【0059】
図6に示されるように、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である場合にのみ、エリア12に紙コップ2Bが存在していると判定する。判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「非検出」であるか、又は、透過光検出部40の検出結果が「検出」である場合には、エリア12に紙コップ2Bが存在していないと判定する。判定部60の判定結果は、後述する報知部70に伝達される。なお、本実施形態では、上述したように、反射光検出部30及び透過光検出部40は、同時に光を検出するのではなく、状態切替部50により光を検出する状態が交互に切り替えられている。したがって、上述した反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である場合とは、互いに連続する第1状態及び第2状態において、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」であることを意味する。
【0060】
図3に戻り、報知部70は、判定部60がエリア12に紙コップ2Bが存在していると判定した場合に報知する。報知部70は、例えばライトを点灯あるいは点滅させて報知するように構成してもよいし、スピーカから音声を出力して報知するように構成してもよい。また、表示装置を備えている場合には、表示装置の画面にエリア12に紙コップ2Bが存在していることを示す表示を行ってもよい。
【0061】
ここで、本実施形態では、検出対象物2が紙コップ2Bを例に挙げて説明したが、検出対象物2が、例えばミルクコーヒーが入ったペットボトル2Cや、ミルクティーが入ったペットボトル2Cである場合に、判定部60はペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの量が減少しているか否かを判定することが可能である。
【0062】
判定部60は、エリア12に検出対象物2が存在していると判定している状態が継続している場合において、反射光検出部30の検出結果及び透過光検出部40の検出結果のうちの一方が変わったときは、当該変わった時点における検出対象物2の量が、存在していると判定した時点における検出対象物2の量よりも減少していると判定する。エリア12に検出対象物2が存在していると判定している状態が継続している場合とは、
図7の(A)に示されるように、照射部20と反射光検出部30及び透過光検出部40との間の高さまで、ペットボトル2Cにミルクコーヒーやミルクティーが入っている状態である。この状態は、
図6において、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である場合にあたり、具体的には、反射光検出部30が検出対象物2で反射された光を検出し、且つ、透過光検出部40が照射部20から照射された光を検出していない場合にあたる。なお、
図7の例では、照射部20における光を照射する部分の土台部11からの高さH1と、透過光検出部40における光を検出する部分の土台部11からの高さH2とは、互いに等しく構成されている。
【0063】
反射光検出部30の検出結果及び透過光検出部40の検出結果のうちの一方が変わったときとは、
図7の(B)に示されるように、照射部20と反射光検出部30及び透過光検出部40との間の高さより低い位置に、ペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの液面が低下した状態である。この状態では、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「検出」に変わる。具体的には、反射光検出部30が反射光を検出し、且つ、透過光検出部40がペットボトル2Cを透過した照射部20から照射された光を検出する。また、検出対象物2によっては、反射光検出部30の検出結果が「非検出」に変わり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」のままとなることもある。具体的には、反射光検出部30が反射光を検出しなくなり、且つ、透過光検出部40がペットボトル2Cを透過した照射部20から照射された光を検出しない状態となる。
【0064】
判定部60は、このような反射光検出部30が反射光を検出したまま、且つ、透過光検出部40がペットボトル2Cを透過した照射部20から照射された光を検出するようになったとき、或いは、反射光検出部30が反射光を検出しなくなり、且つ、透過光検出部40がペットボトル2Cを透過した照射部20から照射された光を検出しないままのときのペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの量が、反射光検出部30が検出対象物2で反射された光を検出し、且つ、透過光検出部40が照射部20から照射された光を検出していないときのペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの量よりも減少していると判定する。
【0065】
図8には、反射光検出部30の検出結果、及び透過光検出部40の検出結果に応じた判定部60による残量の判定結果が示される。
図8でも
図6と同様に、反射光検出部30が反射光を検出しているときの検出結果が「検出」として示され、反射光検出部30が反射光を検出していないときの検出結果が「非検出」として示される。また、透過光検出部40が検出対象物2を透過した光を検出しているときの検出結果が「検出」として示され、透過光検出部40が光を検出していないときの検出結果が「非検出」として示される。
【0066】
図8に示されるように、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から、反射光検出部30及び透過光検出部40のいずれか一方の検出結果が変わった場合、すなわち、反射光検出部30の検出結果が「検出」のままであり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から「検出」に変わったときに、ペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの残量が少なくなったと判定する。また、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」である状態から「非検出」に変わり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」のままである状態に変わったときに、ペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの残量が少なくなったと判定する。
【0067】
なお、
図8に示されるように、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態が継続している場合には、ペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの残量が少なくなっていないと判定する。また、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から、反射光検出部30の検出結果が「非検出」に変わり、透過光検出部40の検出結果が「検出」に変わったときは、ミルクコーヒーやミルクティーが入っているペットボトル2Cがエリア12から取り除かれたと判定する。
【0068】
図5では、t15からt16の間において、反射光検出部30が光を検出し、t16からt17の間において透過光検出部40が照射部20から照射された光を検出している。このため、判定部60は、t17において、それまでの残量に比べて減少していると判定する。
図5の(G)では、理解を容易にするために、判定結果の波高値を、t17以前の波高値よりも低い波高値で示している。
【0069】
3.その他の実施形態
上記第1の実施形態では、検出対象物2として歯ブラシ2Aを挙げ、第2の実施形態では、検出対象物2として紙コップ2Bを挙げて説明した。しかしながら、歯ブラシ2Aや紙コップ2Bは、検出対象物2の一例であって、検出装置1が検出対象物2として歯ブラシ2Aや紙コップ2Bとは異なる物を検出するように構成することも可能である。
【0070】
上記実施形態では、検出装置1が、1つの照射部20を備えている場合の例を挙げて説明したが、検出装置1は2つの照射部20を備えて構成することも可能である。この場合には、2つの照射部20のうちの一方を、検出対象物2で反射させる光を照射するために用い、2つの照射部20のうちの他方を、検出対象物2を透過させる光を照射するために用いるとよい。
【0071】
上記実施形態では、照射部20が赤外線LEDを用いて構成されるとして説明したが、照射部20は可視光を照射するLEDを用いて構成することも可能である。この場合には、反射光検出部30及び透過光検出部40は、可視光を検出することができるものを用いるとよい。
【0072】
上記実施形態では、検出装置1が、所定時間内に、第1状態と第2状態とが含まれるように、反射光検出部30及び透過光検出部40の状態を切り替える状態切替部50を備えているとして説明したが、検出装置1は状態切替部50を備えずに構成することも可能である。この場合には、反射光検出部30及び透過光検出部40は継続して光を検出するように構成し、同じタイミングで、反射光検出部30が反射光を検出し、且つ、透過光検出部40が照射部20から照射された光を検出していない場合に、判定部60がエリア12に検出対象物2が存在していると判定するとよい。
【0073】
上記実施形態では、判定部60は、エリア12に検出対象物2が存在していると判定している状態が継続している場合において、反射光検出部30の検出結果及び透過光検出部40の検出結果のうちの一方が変わったときは、当該変わった時点における検出対象物2の量が、存在していると判定した時点における検出対象物2の量よりも減少していると判定するとして説明した。しかしながら、判定部60は、エリア12に検出対象物2が存在していると判定している状態が継続している場合において、反射光検出部30の検出結果及び透過光検出部40の検出結果のうちの一方が変わっても、当該変わった時点における検出対象物2の量が、存在していると判定した時点における検出対象物2の量よりも減少していると判定しなくてもよい。この場合、判定部60は、エリア12から検出対象物2が取り除かれたと判定してもよい。
【0074】
上記実施形態では、
図7において、照射部20、反射光検出部30、及び透過光検出部40の夫々のエリア12からの高さが一様である、すなわち、照射部20における光を照射する部分の土台部11からの高さH1と、透過光検出部40における光を検出する部分の土台部11からの高さH2とは、互いに等しく構成されているとして説明した。例えば、照射部20は、エリア12からの高さが反射光検出部30及び透過光検出部40の夫々のエリア12からの高さとは異なるように設けることも可能である。この場合、例えば
図9の(A)に示されるように、照射部20における光を照射する部分の土台部11からの高さH1が、透過光検出部40における光を検出する部分の土台部11からの高さH2よりも高くなるように構成してもよいし、
図9の(B)に示されるように、照射部20における光を照射する部分の土台部11からの高さH1が、透過光検出部40における光を検出する部分の土台部11からの高さH2よりも低くなるように構成してもよい。
【0075】
上記実施形態では、
図7の例において、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から、反射光検出部30の検出結果が「検出」のままであり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から「検出」に変わったときに、ペットボトル2Cに入っているミルクコーヒーやミルクティーの残量が少なくなったと判定するとして説明した。例えば、検出対象物2を、ペットボトル2Cに代えて光を反射しない容器に貯留した場合であって、
図10に示されるように、照射部20における光を照射する部分の土台部11からの高さH1が、透過光検出部40における光を検出する部分の土台部11からの高さH2よりも高くなるように構成する。このような構成において、照射部20から照射された光が、
図10に示されるように検出対象物2の液面で反射する場合には、反射光検出部30の検出結果が「検出」であり、透過光検出部40の検出結果が「非検出」である状態から、判定部60は、反射光検出部30の検出結果が「検出」である状態から「非検出」に変わり、且つ、透過光検出部40の検出結果が「非検出」のままである状態に変わったとき、検出対象物2の残量が減少したと判定するように構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、物体を検出する検出装置に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1:検出装置
2:検出対象物
2A:歯ブラシ
2B:紙コップ
2A:ペットボトル
12:エリア
20:照射部
30:反射光検出部
40:透過光検出部
50:状態切替部
60:判定部