(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020894
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】えのきたけのフライ菓子及びその製造方法。
(51)【国際特許分類】
A23G 3/34 20060101AFI20240207BHJP
A23G 3/48 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A23G3/34 108
A23G3/48
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123433
(22)【出願日】2022-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】511012145
【氏名又は名称】宮崎食研有限会社
(72)【発明者】
【氏名】坂元 浩一
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GG09
4B014GG14
4B014GK02
4B014GK03
4B014GK05
4B014GL01
4B014GL10
4B014GP02
4B014GP12
4B014GP15
4B014GP16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来には無い、甘くパリパリ、サクサクとした食感を有し、老若男女が喫食可能なえのきたけのフライ菓子、かつ、夏場に供給過多になり冷凍保管してある冷凍えのきたけを利用可能な製造方法を開発する。
【解決手段】課題を解決するために、えのきたけ若しくは冷凍えのきたけを攪拌加熱し、えのきたけの水分が出てきたら砂糖、食塩を加え加熱混合し、さらに水気が無くなるまで攪拌加熱した後、それを食用油脂でフライし、脱油し製造する事で得られる、甘味とパリパリ、サクサクとした食感を有する事を特徴とするえのきたけのフライ菓子及びその製造方法を発明するに至った。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
えのきたけ若しくは冷凍えのきたけを主原料とする、甘味とパリパリ、サクサクとした食感を有する事を特徴とするフライ菓子。
【請求項2】
えのきたけ若しくは冷凍えのきたけを攪拌加熱し、えのきたけの水分が出てきたら砂糖、食塩を加え加熱混合し、さらに水気が無くなるまで攪拌加熱し、それを食用油脂でフライし、脱油し製造する事を特徴とする請求項1のえのきたけのフライ菓子の製造方法。
【請求項3】
砂糖等を加え加熱混合する工程で、調味料、スパイス類を同時に加え、味付けして製造する事を特徴とする請求項2の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘味とパリパリ、サクサクとした食感を有する事を特徴とするえのきたけのフライ菓子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
農林水産省統計部の特用林産物生産統計調査によると、令和二年度の実績でえのきたけは、127,914トンとキノコ類の一位の生産量を誇り、また、えのきたけの利用法は、鍋物、煮物、和え物、天ぷら、なめたけ等種々多岐に渡る。
【0003】
えのきたけは、その大部分を菌床栽培法で人工的に栽培されており、通年供給が可能であるが、鍋物、煮物、和え物、天ぷら等といった利用のされ方の為、夏場の消費量は減少し、えのきたけの生産調整を行う必要がある。
【0004】
本発明者は、えのきたけの通年利用並びにえのきたけの夏場の需要と供給のアンバランスの解消の一助足らんと鋭意研究の結果、本発明を開発するに至った。
【背景技術】
【0005】
既存のえのきたけ加工品には、えのきたけに小麦粉、片栗粉、調味料等をまぶし、揚げて得られるおつまみや乾燥えのきたけを揚げ、調味料等をまぶして得られるおつまみがあり、甘いえのきたけ加工品は無い。
【0006】
これら既存のえのきたけ加工品は、おつまみの為、利用者や利用場面が限られてしまい、また、外観から受ける印象とは異なるシナシナとした柔らかい食感である。
【0007】
さらに、既存のえのきたけ加工品は、夏場に供給過多になり冷凍保管してある、冷凍えのきたけの利用は出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
見当たらず。
【非特許文献】
【0009】
えのきたけチップス、https://www.kurashiru.com/recipes/78ec2c7b-4cee-4a23-a761-947046341a14
【0010】
えのきチップス、http://373kinoko.com/?pid=140489176
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
既存品とは異なるえのきたけ加工品で、甘くパリパリ、サクサクとした食感を有し、老若男女が通年喫食可能なえのきたけのフライ菓子、かつ、夏場に供給過多になり冷凍保管してある冷凍えのきたけを利用可能な製造方法を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
先述の課題を解決するため鋭意研究の結果、えのきたけ若しくは冷凍えのきたけを攪拌加熱し、えのきたけの水分が出てきたら砂糖、食塩を加え加熱混合し、さらに水気が無くなるまで攪拌加熱した後、それを食用油脂でフライし、脱油し製造する事で得られる、甘味とパリパリ、サクサクとした食感を有する事を特徴とするえのきたけのフライ菓子及びその製造方法を発明するに至った。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、従来には無い、老若男女が通年喫食できる甘くパリパリ、サクサクとした食感のえのきたけのフライ菓子を提供し、えのきたけの通年利用を促進し、さらに、夏場に供給過多になり冷凍保管してある冷凍えのきたけも利用可能となり、えのきたけ生産者の安定生産の為の一助に成り得る事が期待できる。
【0014】
以下、実施例でその詳細を説明する。
【実施例0015】
石づきを除去したえのきたけ若しくは石づきを除去した冷凍えのきたけ500gをばらばらにほぐし、それをフライパンに入れガスコンロで加熱しながら攪拌し、えのきたけの水分が出てきたら、えのきたけ100部に対し0.22部乃至0.44部の食塩及びえのきたけ100部に対し6.52部乃至13.04部の砂糖を投入し混合、加熱し、えのきたけの水気が無くなるまで、具体的には重量が約250gになるまで攪拌加熱を続け、その後、130℃乃至150℃の食用油脂で約3分間カラカラになるまで揚げ、それを約5分間遠心分離機で脱油し製品115gを得た。
【0016】
0015の石づきを除去したえのきたけ若しくは石づきを除去した冷凍えのきたけは、カットせずそのままの長さでも良いが、食べ易いように3cm乃至5cmの長さにカットしても構わない。
【0017】
0015のえのきたけを加熱、攪拌する方法は、フライパンをガスコンロで加熱する方法に限らず、撹拌機付きガス釜や撹拌機付き蒸気二重釜を用いる方法等いずれの方法でも良い。
【0018】
0015の食塩並びに砂糖の添加量は、任意に変更できるが、0015の添加量が食味と食感に優れており、また、砂糖の代わりに他の糖質に変更も可能であるが、砂糖が一番食味と食感に優れていた。
【0019】
0015のえのきたけの水気が無くなるまで攪拌加熱する程度は、任意に変更できるが、フライ工程での投入操作のし易さの為、原料えのきたけの半量程度になるまで攪拌加熱するのが好ましい。
石づきを除去したえのきたけ若しくは石づきを除去した冷凍えのきたけ500gをばらばらにほぐし、それをフライパンに入れガスコンロで加熱しながら攪拌し、えのきたけの水分が出てきたら、えのきたけ100部に対し1.2部乃至2.4部の醤油及びえのきたけ100部に対し6.52部乃至13.04部の砂糖を投入し混合、加熱し、えのきたけの水気が無くなるまで、具体的には重量が約250gになるまで攪拌加熱を続け、その後、130℃乃至150℃の食用油脂で約3分間カラカラになるまで揚げ、それを約5分間遠心分離機で脱油し製品117gを得た。