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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020899
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】横形製袋充填機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/067 20120101AFI20240207BHJP
【FI】
B65B9/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123442
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘人
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 崇文
(72)【発明者】
【氏名】中川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 圭亮
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA04
3E050CA01
3E050CB01
3E050DB01
3E050DD03
3E050DF03
3E050FB02
3E050FB07
3E050HA01
3E050HA02
3E050HA04
3E050HB10
(57)【要約】
【課題】筒状包装材の送り停止時に、シール体の熱影響を包装材に及ぼさないようにすると共に、停止後の送り再開により筒状包装材から切り離された包装品の搬送位置を追跡可能な横形製袋充填機を提供する。
【解決手段】筒状フィルム10の送りを停止する際に、シール体19,20がフィルムに熱影響を及ぼす位置で停止する場合、制御手段は、シール体19,20をフィルムに熱影響を及ぼさない開放位置まで移動して停止し、シールユニットの往復移動は、フィルム送りを停止するまで同期して停止する。フィルム送りを再開する際は、フィルム送りの再開前にシール体19,20を閉じ始め、フィルム送りとの同期タイミングで筒状フィルム10をシール体19,20で挟持してシールユニットがフィルム送り方向へ移動するように、フィルム送りに合わせた同期運転が再開されるように開閉移動手段と往復移動手段を作動制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給コンベヤによって筒状包装材に所定間隔毎に供給された各物品間において、一対のシール体で筒状包装材を挟持して包材送り方向へ移動してエンドシールを施すエンドシール機構を備えた横形製袋充填機において、
前記シール体を支持して包材送り方向に沿って往復移動可能なシールユニットと、
該シールユニットを包材送り方向に沿って往復動する往復移動手段と、
前記一対のシール体を開閉する開閉移動手段と、
前記往復移動手段および前記開閉移動手段を作動制御する制御手段と、を備え、
該制御手段は、前記筒状包装材の送り停止時に、前記シール体が包装材に熱影響を及ぼす停止位置となる場合に、前記エンドシール機構の動作軌跡において、該シール体が相互に最も離間する位置から噛合位置に向けて移動するまでの間で、包装材に熱影響を及ぼさない開放位置でシール体が停止するよう前記開閉移動手段を制御すると共に、前記シールユニットの往復動を停止するよう前記往復移動手段を制御し、
前記供給コンベヤで搬送されてくる物品が搬送停止された筒状包装材への受け渡しを終える位置まで送り込まれる時期に対応して、包材送りが再開され、前記開放位置で停止したシール体を前記開閉移動手段で閉じて予め設定されている噛合タイミングより前のタイミングで筒状包装材をシール体で挟持してシールユニットを包材送り方向へ移動するように、包材送りに合わせた同期運転が再開されるよう前記往復移動手段および前記開閉移動手段を作動制御するようにした
ことを特徴とする横形製袋充填機。
【請求項2】
前記エンドシール機構は、N基の前記シールユニットを包材送り方向に並べて配設し、N包装分の物品が筒状包装材に供給されてから、N基の各シールユニットのシール体を、1カットピッチに対応する前後間隔にした等間隔として、筒状包装材を挟持することでエンドシールを施すよう、1/Nサイクルずつに分割して1包装サイクルを構成し、1包装分の物品を供給コンベヤから筒状包装材へ送り込む時期に対応して、1カットピッチ分ずつの包材送りをN回繰り返すよう、前記往復移動手段および前記開閉移動手段を前記制御手段が作動制御し、
該制御手段は、包材送りがN回繰り返される間の前記筒状包装材の送り停止時に、前記N基のシールユニットの内の何れかのシールユニットにおけるシール体の停止位置が包装材に熱影響を及ぼす位置となる場合に、該シール体が包装材に熱影響を及ぼさない前記開放位置で停止すると共に、全てのシールユニットの往復動を停止するよう、前記開閉移動手段および前記往復移動手段を作動制御し、
前記供給コンベヤからN包装分の物品が筒状包装材へ受け渡される時期に対応して、包材送りが再開され、前記開放位置で停止した全てのシール体を前記開閉移動手段で閉じて予め設定されている噛合タイミングより前のタイミングで筒状包装材をシール体で挟持してシールユニットを包材送り方向へ移動するように、包材送りに合わせた同期運転が再開されるよう前記往復移動手段および前記開閉移動手段を作動制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の横形製袋充填機。
【請求項3】
前記供給コンベヤで搬送される物品を検知する検知センサを備え、
該検知センサは、少なくとも前記筒状包装材へ物品の受け渡しを完了する位置に対して、供給コンベヤによる物品の搬送間隔で1間隔以上離間する上流側へ配設し、
前記制御手段は、前記検知センサにより物品が検知されない場合に、包材送りを停止すると共に前記エンドシール機構における前記往復移動手段および前記開閉移動手段を作動制御する空袋防止制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の横形製袋充填機。
【請求項4】
前記シール体の前記開放位置は、一対のシール体の動作軌跡において、シール体が最も離間する位置から噛合位置に向けてわずかに移動した相互に接近する位置に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の横形製袋充填機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状包装材を挟持した状態で筒状包装材と共に包材送り方向へ移動してエンドシールを施すようにしたエンドシール機構を備えた横形製袋充填機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製袋器により筒状に成形されながら水平に送られる筒状フィルム中に、供給コンベヤによって物品を順次供給すると共に、前記筒状フィルムにおける長手方向端縁部の重合部にセンターシールを施し、更に筒状フィルムの物品を挟む前後に、エンドシール機構によって夫々エンドシール・切断を施すことにより、所謂ピロー包装品(包装品)を製造する横形製袋充填機(包装機)が知られている。このような包装機において運転を休止する際には、供給コンベヤから筒状フィルムへの物品の受け渡しが完了した位置で停止するように設定されていることが好ましい。これにより、当該包装機の停止時または停止後の起動時の動作によって、供給コンベヤから筒状フィルムに物品が一定間隔毎に供給されないといった事態の発生を防ぐことができる。
【0003】
また、包装機の停止時においては、筒状フィルムにエンドシールを施すエンドシール機構における一対のシール体は、フィルムに接触しない位置で停止するようなタイミングに設定されていることが好ましい。これにより停止時に、加熱されたシール体からの熱影響を受けてフィルムが溶けたりすることなく、良好な包装品を得ることができる。しかしながら、包装機において供給コンベヤによって物品が筒状フィルムへ受け渡された位置からエンドシール機構までの機械的寸法は一定となっているため、設定される1包装分のフィルム長さに対応した筒状フィルムのエンドシール間隔によっては、前記物品が筒状フィルムに受け渡された位置と、エンドシール機構におけるシール体の移動位置との関係で、包装機の停止時における前記シール体の停止位置が、フィルムに接触した位置等、シール体の熱によってフィルムに悪影響を及ぼす位置で停止することになってしまうことがある。
【0004】
これに対処するため、ボックスモーション式のエンドシール機構において、シール体の開閉移動を行う駆動手段と、該シール体をフィルム送り方向の前後に水平移動させる駆動手段とを備え、シール体の水平移動と開閉移動とを独立して行う構成を採用し、包装機が停止する際には、前記供給コンベヤから筒状フィルムに物品の受け渡しが完了した位置で停止し、かつ、一対のシール体をフィルムに熱影響のない開放位置で停止し得るようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
特許文献1に開示のエンドシール機構では、空袋防止動作時や包装機の停止時におけるシール体が停止する停止位置が、筒状フィルムの噛合位置であることに応答して、エンドシール機構が前記停止位置で停止してから定められたシール時間が経過した後に、シール体を少なくとも上下方向に開いて筒状フィルムから離間した位置に移動させるようにしている。また、特許文献2に開示のエンドシール機構では、包装機の運転停止時に、供給コンベヤから筒状フィルムに物品の受け渡しが完了した位置でフィルム送りを停止すると共に、一対のシール体は、物品間において筒状フィルムをシール・切断した後に上下方向に最も離間した開放位置まで移動して停止することで、一対のシール体をフィルムに熱影響のない開放位置で停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5955542号公報
【特許文献2】特許第4497363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の装置では、空袋防止動作時などにおいてエンドシール機構が停止(休止)した時に、ヒータブロックがフィルムを間に挟む噛合位置で停止することに応答して、上下駆動用サーボモータに指令してヒータブロックを上下方向に開いた退避位置に移行させるようにしている。この装置は、ヒータブロックにおける噛合位置だけで対応可能な装置であって、噛合位置前後で包装材にヒータブロックが接触してしまう位置に限らず、筒状フィルムが溶けたり熱変形したりして不良包装品となってしまうような、ヒータブロックの熱がフィルムに悪影響を及ぼす停止位置となる場合にまで対応できる装置として案出されたものではない。また、エンドシール機構の停止によって、ヒータブロックがフィルムを間に挟む噛合位置で停止してからヒータブロックを開くまでの間は、フィルム送りは停止状態にあり、また、エンドシール・切断された包装品を下流側に搬送する搬出コンベヤの走行もすでに停止状態となっていることが一般的である。そして、走行停止状態にある搬出コンベヤにより、物品が供給されている筒状フィルムに対して下流側へ引っ張り力が作用されることがないので、ヒータブロックが筒状フィルムを絞り込んでエンドシール・切断される時の、包装品の搬送上流への戻り量が通常時とは変化してばらつき、搬出コンベヤの載置位置が変化してしまう。また、仮に、エンドシール・切断時において、搬出コンベヤの走行を継続している場合であっても、筒状フィルムの送り方向に向けたヒータブロックの水平移動を伴うことなく筒状フィルムから切り離されるので、その際の包装品の搬送慣性などが変化するなど、連続運転時とは異なったシール条件となる。このようにして搬出される包装品の位置にはバラツキが生じるばかりでなく、エンドシール・切断されて筒状フィルムから切り離される、切り離しタイミングが異なるので、包装品の下流への搬出タイミングを変更しないと、後工程まで搬送された包装品を位置合わせして適正に処理することができない。
【0008】
また、特許文献2に開示のエンドシール機構では、製袋手段からエンドシール機構の移動中心までの距離を変更するので、シール体の移動中心の調節範囲には限界があり、場合によっては調節範囲外となってしまう包装条件もある。
【0009】
本発明の目的は、筒状包装材の送り停止時に、シール体の熱影響を包装材に及ぼさないようにすると共に、停止後の送り再開により筒状包装材から切り離されて下流側に搬送されていった包装品の搬送位置を見失うことなく追跡可能で、下流側の処理装置などへ位置情報を適正に伝達することができるので、例えば、不良包装品を適切に系外に排出することができる横形製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1に係る発明の横形製袋充填機は、
供給コンベヤ(13)によって筒状包装材(10)に所定間隔毎に供給された各物品間において、一対のシール体(19,20)で筒状包装材(10)を挟持して包材送り方向へ移動してエンドシールを施すエンドシール機構(16)を備えた横形製袋充填機において、
前記シール体(19,20)を支持して包材送り方向に沿って往復移動可能なシールユニット(21)と、
該シールユニット(21)を包材送り方向に沿って往復動する往復移動手段(23)と、
前記一対のシール体(19,20)を開閉する開閉移動手段(22)と、
前記往復移動手段(23)および前記開閉移動手段(22)を作動制御する制御手段(26)と、を備え、
該制御手段(26)は、前記筒状包装材(10)の送り停止時に、前記シール体(19,20)が包装材に熱影響を及ぼす停止位置となる場合に、前記エンドシール機構(16)の動作軌跡において、該シール体(19,20)が相互に最も離間する位置から噛合位置に向けて移動するまでの間で、包装材に熱影響を及ぼさない開放位置でシール体(19,20)が停止するよう前記開閉移動手段(22)を制御すると共に、前記シールユニット(21)の往復動を停止するよう前記往復移動手段(23)を制御し、
前記供給コンベヤ(13)で搬送されてくる物品(12)が搬送停止された筒状包装材(10)への受け渡しを終える位置まで送り込まれる時期に対応して、包材送りが再開され、前記開放位置で停止したシール体(19,20)を前記開閉移動手段(22)で閉じて予め設定されている噛合タイミングより前のタイミングで筒状包装材(10)をシール体(19,20)で挟持してシールユニット(21)を包材送り方向へ移動するように、包材送りに合わせた同期運転が再開されるよう前記往復移動手段(23)および前記開閉移動手段(22)を作動制御するようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、空袋防止制御の動作時や包装機の運転休止時における筒状包装材の送りが停止された待機状態では、シール体から包装材に熱影響を及ぼさないようにすると共に、筒状包装材の送りを再開する際には、エンドシールのための適正なシール時間を確保し得る所定時間分について、予め設定されている噛合タイミングの前のタイミングでシール体を閉じて包装材を挟持し、その後、包装材の搬送手段とシールユニットにおける開閉移動手段と往復移動手段とが通常運転時の動作と同様に同期制御されて、シールユニットが往復動を開始し、その後シール体が相互に離間し、シール体の旋回動作中に筒状包装材の終端部から切り離された包装品が搬出コンベヤによって下流側へ搬送される。この動作時において、シール体で筒状包装材の終端部から包装品として切り離される際の動作条件は、連続運転中の包装材の搬送手段の動作、シールユニットのシール体の開閉動作および横移動動作と変化なく行われるので、切り離されて下流側へ搬送されていく包装品の搬送条件が変わることなく通常運転時に設定された包装品の搬送位置を元に追跡検出することができる。このため、例えば、その切り離されて送り出されるまでにエラー検出された包装品が不良包装品として取り扱い処理されるために系外に排出する搬送位置管理を適正に行うことができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、前記エンドシール機構(16)は、N基の前記シールユニット(21)を包材送り方向に並べて配設し、N包装分の物品(12)が筒状包装材(10)に供給されてから、N基の各シールユニット(21)のシール体(19,20)を、1カットピッチに対応する前後間隔にした等間隔として、筒状包装材(10)を挟持することでエンドシールを施すよう、1/Nサイクルずつに分割して1包装サイクルを構成し、1包装分の物品(12)を供給コンベヤ(13)から筒状包装材(10)へ送り込む時期に対応して、1カットピッチ分ずつの包材送りをN回繰り返すよう、前記往復移動手段(23)および前記開閉移動手段(22)を前記制御手段(26)が作動制御し、
該制御手段(26)は、包材送りがN回繰り返される間の前記筒状包装材(10)の送り停止時に、前記N基のシールユニット(21)の内の何れかのシールユニット(21)におけるシール体(19,20)の停止位置が包装材に熱影響を及ぼす位置となる場合に、該シール体(19,20)が包装材に熱影響を及ぼさない前記開放位置で停止すると共に、全てのシールユニット(21)の往復動を停止するよう、前記開閉移動手段(22)および前記往復移動手段(23)を作動制御し、
前記供給コンベヤ(13)からN包装分の物品(12)が筒状包装材(10)へ受け渡される時期に対応して、包材送りが再開され、前記開放位置で停止した全てのシール体(19,20)を前記開閉移動手段(22)で閉じて予め設定されている噛合タイミングより前のタイミングで筒状包装材(10)をシール体(19,20)で挟持してシールユニット(21)を包材送り方向へ移動するように、包材送りに合わせた同期運転が再開されるよう前記往復移動手段(23)および前記開閉移動手段(22)を作動制御するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、複数のシールユニットを備えるエンドシール機構においても、シール不良とならないように空袋防止制御の動作時や包装機の運転休止時などの待機状態で、シール体の熱影響を包装材に及ぼさない位置となるように作動制御でき、その際のシール不良を回避することができる。また、筒状包装材から切り離されて、不良包装品となった包装品が下流へ搬送されていく位置を把握することができるので、包装品が不良包装品として取り扱い処理されるために系外に排出する搬送位置管理を適正に行うことができる。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記供給コンベヤ(13)で搬送される物品(12)を検知する検知センサ(25)を備え、
該検知センサ(25)は、少なくとも前記筒状包装材(10)へ物品(12)の受け渡しを完了する位置に対して、供給コンベヤ(13)による物品(12)の搬送間隔で1間隔以上離間する上流側へ配設し、
前記制御手段(26)は、前記検知センサ(25)により物品(12)が検知されない場合に、包材送りを停止すると共に前記エンドシール機構(16)における前記往復移動手段(23)および前記開閉移動手段(22)を作動制御する空袋防止制御を行うようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、筒状包装材への物品の受け渡しが完了した位置に対し、上流側に離間して配設した検知センサにより物品の有無を検知して空袋防止制御を行うことで、高速処理する場合であっても、シール不良の包装とならない適正シールがなされた包装品を良好に得ることができ、空袋の発生が防止でき、包装の無駄がなくなる。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記シール体(19,20)の前記開放位置は、一対のシール体(19,20)の動作軌跡において、シール体(19,20)が最も離間する位置から噛合位置に向けてわずかに移動した相互に接近する位置に設定したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、一対のシール体の動作軌跡において、シール体が相互に最も離間する位置を過ぎた直後の位置を開放位置とすることで、空袋防止制御を行う包装サイクルを、直前の包装サイクルと区別した簡単な制御により行うことができる。また、シール体が相互に最も離間する位置に近い位置を開放位置とすることで、品種変更等によって筒状包装材の高さ寸法が変わった場合であっても、開放位置を変更することなく包装材に熱影響を及ぼさないようにできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空袋防止制御の動作時や包装機の運転休止時において筒状包装材の送りが停止する待機状態で、シール体の熱影響を包装材に及ぼさないようにすると共に、筒状包装材へ適正にエンドシールを施すことができる。また、筒状包装材の送りを再開する際には、エンドシールのための適正なシール時間を確保し得る所定時間分について、予め設定されている噛合タイミングの前のタイミングでシール体を閉じて包装材を挟持し、その後、包装材の搬送手段とシールユニットにおける開閉移動手段と往復移動手段とが通常運転時の動作と同様に同期制御されて、シールユニットが往復動を開始し、その後シール体が相互に離間し、シール体の旋回動作中に筒状包装材の終端部から切り離された包装品が搬出コンベヤによって下流側へ搬送される。この動作時において、シール体で筒状包装材の終端部から包装品として切り離される際の動作条件は、連続運転中の包装材の搬送手段の動作、シールユニットのシール体の開閉動作および横移動動作と変化なく行われるので、切り離されて下流側へ搬送されていく包装品の搬送条件が変わることなく通常運転時に設定された包装品の搬送位置を元に追跡検出することができる。このため、例えば、その切り離されて送り出されるまでにエラー検出された包装品が不良包装品として取り扱い処理されるために系外に排出する搬送位置管理を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】横形製袋充填機の概略図である。
図2】シールユニットの概略斜視図である。
図3】シールユニットの概略側面図である。
図4】横形製袋充填機の制御ブロック図である。
図5】空袋防止制御時などにおけるフィルム送りとシール体の往復動作および開閉動作の関係を示す説明図である。
図6】空袋防止制御時のシール体の動きを示す説明図である。
図7】3基のシールユニットを備えたエンドシール機構を示す概略図である。
図8】3基のシールユニットを備えたエンドシール機構における空袋防止制御時のシール体の停止位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る横形製袋充填機の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0017】
図1に示す如く、横形製袋充填機(包装機)は、原反ロールから引き出した帯状フィルム(包装材)を、その長手方向両端縁部を合掌状に重合して筒状フィルム(筒状包装材)10として成形する製袋手段11と、筒状フィルム10に向けて物品12を所定間隔毎に供給する供給コンベヤ13と、前記合掌状に重合した筒状フィルム10の重合部にフィルムの送り方向(以後、フィルム送り方向(包材送り方向)と称す)に向けたセンターシール(縦シール)を施す縦シール装置14と、前記筒状フィルム10の重合部を挟持して縦シール装置14に向けて筒状フィルム10を送るフィルム搬送手段15と、筒状フィルム10中に所定間隔毎に供給された物品12の前後位置で筒状フィルム10を挟持し、フィルム送り方向と交差する方向(幅方向)にエンドシール・切断を施すエンドシール機構16と、の夫々を備える。また、包装機は、エンドシール機構16のフィルム送り方向の前後となるエンドシール機構16の上流と下流には、筒状フィルム10中に供給された物品12が載置されて、筒状フィルム10を下方から支持して下流側に搬送する搬送コンベヤ17と搬出コンベヤ18とが設けられ、エンドシール・切断されて上流側の筒状フィルム10から切り離された袋詰め製品(ピロー包装品59)を搬出コンベヤ18によって次工程に搬出するよう構成される。
【0018】
図2図3に示す如く、前記エンドシール機構16は、搬送コンベヤ17で搬送される筒状フィルム10の搬送路を挟んで上下に対向する一対のシール体19,20が配設されたシールユニット21を備える。シールユニット21は、一対のシール体19,20を相互に接近・離間移動する開閉移動手段22と、シールユニット21をフィルム送り方向に沿って往復移動する往復移動手段23と、を備える。シールユニット21は、開閉移動手段22および往復移動手段23を作動することで、一対のシール体19,20が、前記搬送路を挟んで相互に最も離間する初期位置から相互に接近して筒状フィルム10における物品間の位置を挟持(噛合位置で挟持)し、その挟持状態で筒状フィルム10のフィルム送り方向の下流側に移動した後に、相互に離間して初期位置に復帰する所謂ボックスモーション動作を行うよう構成される。シールユニット21は、フィルム搬送手段15で送られる筒状フィルム10をシール体19,20で挟持してフィルム送り方向の下流側に移動する間に、筒状フィルム10の幅方向にエンドシールを施すと共に、一方のシール体19に内装した切断刃24によって筒状フィルム10を幅方向に切断するよう構成される。
【0019】
図1に示す如く、前記供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ物品12の受け渡しが完了した位置より上流側であって、製袋手段11で成形される筒状フィルム10へ供給コンベヤ13によって物品12が送り込まれる少なくとも1包装サイクル(供給コンベヤ13による物品12の搬送間隔で1間隔)分以上前の位置で物品12の有無を検知可能な検知センサ25が設けられる。該検知センサ25は、供給コンベヤ13により搬送されてくる物品12が、1包装サイクル毎の予め設定された送り込みタイミングに合わせて到来するか否かを検知し、その検知信号を包装機の制御手段26に出力する。そして、制御手段26では、検知センサ25からの検知信号の入力がない場合に、検知センサ25の配設位置との関係で欠品として検出された包装サイクルより1包装サイクル前の検知物品12が、筒状フィルム10中へ送り込みが完了する位置(受け渡しが完了する位置)まで至ったタイミングに合わせて、フィルム搬送手段15およびエンドシール機構16の動作を一時停止するための動作休止信号が発せられる。そして、その後の動作サイクル(筒状フィルム10が1包装サイクル分移動する周期)において、検知センサ25から検知信号が制御手段26に入力された場合は、フィルム搬送手段15およびエンドシール機構16の作動を開始する作動開始信号が制御手段26から発せられるよう設定される。
【0020】
図1に示す如く、前記搬送コンベヤ17および搬出コンベヤ18は、複数のプーリ17a,18aに無端ベルト17b,18bを巻き掛けたベルトコンベヤから構成され、搬送コンベヤ17の無端ベルト17bにおける終端の転向部と、搬出コンベヤ18の無端ベルト18bにおける始端の転向部とが、シールユニット21を挟んで対向している。そして、両コンベヤ17,18の対向端部(終端の転向部と始端の転向部)は、シールユニット21における一対のシール体19,20の開閉移動に追従して水平移動するよう構成される。すなわち、一対のシール体19,20が接近する際には、両コンベヤ17,18の対向端部が相互に離間移動して、一対のシール体19,20の筒状フィルム10を挟持する噛合位置へ向けた通過を許容し、一対のシール体19,20が離間する際には、両コンベヤ17,18の対向端部が相互に接近して物品12の下流側への搬送を支障なく行い得るよう構成される。
【0021】
図2図3に示す如く、前記エンドシール機構16の機枠27には、前記フィルム送り方向と交差する幅方向に離間して一対のサイドパネル27a,27aが配設され、該一対のサイドパネル27a,27aの間に、前記シールユニット21がフィルム送り方向に沿って移動可能に支持される。シールユニット21は、幅方向に離間する一対の支持部材28,28を備え、該一対の支持部材28,28の間に、前記搬送路を挟んで対向し、各シール体19,20を支持する一対の保持部材29,30が上下方向に移動可能に支持される。各支持部材28に、上下方向に延在するスライドシャフト31が夫々摺動可能に挿通支持されており、一対の支持部材28,28から上方に延出する一対のスライドシャフト31,31の上端部に、筒状フィルム10の搬送路より上方に臨む第1保持部材29が配設されると共に、一対の支持部材28,28から下方に延出する一対のスライドシャフト31,31の下端部が連結部材32で連結される。また、第1保持部材29と支持部材28,28との間のスライドシャフト31,31に、搬送路より下方に臨む第2保持部材30が支持体33,33を介して摺動可能に支持され、第1保持部材29および第2保持部材30は、スライドシャフト31,31によって姿勢を維持したまま相対的に接近・離間し得るように構成される。
【0022】
前記第1保持部材29の下側に、シール面が筒状フィルム10の搬送路を指向する姿勢で、前記一対のシール体19,20の一方である第1シール体19が、上下方向(一対のシール体19,20の対向方向)に移動可能に支持される。すなわち、第1シール体19に、一対の連結シャフト34,34が幅方向に離間して配設され、該一対の連結シャフト34,34が、第1保持部材29にホルダ35,35を介して摺動可能に挿通支持されている。第1保持部材29の上方に延出する連結シャフト34,34は、幅方向に延在する取付部材36に連結されており、該取付部材36は、第1保持部材29に対して第1シール体19と一体で上下方向に移動するよう構成される。また、第1保持部材29と第1シール体19との間の各連結シャフト34の外周に、付勢手段としてのバネ37が配置され、第1シール体19は、第1保持部材29に対して下方への移動が規制され、バネ37,37によって下方(後述する第2シール体20側)に向けて付勢されている。また、第1シール体19に、切断刃24が上下方向に進退移動可能に支持されると共に、該切断刃24を進退移動する進退動手段としてのエアシリンダ38が取付部材36に配設されており、第1シール体19と第2シール体20とで筒状フィルム10を挟持した際に、エアシリンダ38により切断刃24を進退移動して筒状フィルム10を切断するよう構成される。第1シール体19に対して切断刃24は、常には収容されており、エアシリンダ38によって切断刃24を下降させると、第1シール体19のシール面から切断刃24が突出し、その刃先が、第2シール体20の受け溝に進入することで、挟持している筒状フィルム10が切断される。
【0023】
前記第2保持部材30の上側に、シール面が筒状フィルム10の搬送路を指向する姿勢で、前記一対のシール体19,20の他方である第2シール体20が配設固定される。第2シール体20は、第2保持部材30の上側に、第1シール体19と筒状フィルム10の搬送路を挟んで平行に対向するよう配設される。
【0024】
図2図3に示す如く、前記開閉移動手段22は、前記一対の支持部材28,28間に配設された支持フレーム39に、幅方向に延在するように回転可能に支持されたネジ軸40と、該ネジ軸40を回転するサーボモータなどの開閉用駆動モータ41と、ネジ軸40が螺合されると共に第1および第2保持部材29,30を連繋するリンク機構としてのトグル機構42と、を備える。トグル機構42は、ネジ軸40に螺合する雌ネジ部材43を備え、ネジ軸40と平行に配設されたガイドシャフト58に沿ってスライドする移動部材44の一端部となる上端に、第2保持部材30に一端が回転可能に支持された第1リンク杆45の他端部が回転可能に支持されると共に、前記連結部材32に一端が回転可能に支持された第2リンク杆46の他端部が、移動部材44の他端部となる下端に、回転可能に支持されている。第1リンク杆45および第2リンク杆46は、一対のシール体19,20が相互に離間する状態では、第2保持部材30および連結部材32に対して回転可能に支持される一端側が相互に接近するように位置し、開閉用駆動モータ41によりネジ軸40を回転して雌ネジ部材43および移動部材44を、第1リンク杆45および第2リンク杆46の一端が離間するように幅方向に移動することで、一対のシール体19,20が相互に接近するよう構成される。すなわち、開閉用駆動モータ41によりネジ軸40を正転方向および逆転方向に回転することで、第2保持部材30と連結部材32とが相互に接近・離間移動し、これに伴い上下のシール体19,20が前記搬送路を挟んで相互に離間・接近移動する。
【0025】
図2図3に示す如く、前記サイドパネル27a,27aの対向面に、フィルム送り方向に沿って延在するレール部材47が平行に配設されている。また、前記支持部材28,28には、幅方向の外側にブラケット48を介してスライダ49が夫々配設されており、各スライダ49が対応するレール部材47に摺動可能に支持されて、シールユニット21は、一対のレール部材47,47および一対のスライダ49,49によってフィルム送り方向に沿って水平に往復移動可能に支持される。
【0026】
前記往復移動手段23は、移動機構50と、該移動機構50を作動するサーボモータなどの往復用駆動モータ51と、を備える。移動機構50は、前記一対のブラケット48,48間に回転可能に支持された駆動軸52と、該駆動軸52に一体的に回転するように配設されて軸方向に離間する一対の駆動ピニオン53,53と、前記両サイドパネル27a,27aに配設されてフィルム送り方向に延在し、駆動ピニオン53,53が噛合するラック54,54と、を備える。そして、一方のブラケット48にホルダ55を介して配設した往復用駆動モータ51が駆動軸52に連結されており、往復用駆動モータ51によって駆動軸52を正転方向および逆転方向に回転することで、駆動ピニオン53,53とラック54,54との噛合作用下にシールユニット21がフィルム送り方向の前後(上流と下流)に往復移動(往復動)するよう構成される。
【0027】
前記一対のシール体19,20による筒状フィルム10の挟持状態でのシールユニット21のフィルム送り方向の下流側への移動速度は、フィルム送り速度と略同一速度となるよう前記往復用駆動モータ51が回転制御される。また、前記開閉用駆動モータ41および往復用駆動モータ51は、物品12のサイズに対応して設定される筒状フィルム10のカットピッチと、所望の包装速度とから得られる筒状フィルム10の送り速度と、設定包装速度とに応じて変速制御されるように設定される。
【0028】
図4に示す如く、包装機の前記制御手段26には、前記開閉移動手段22の開閉用駆動モータ41および往動移動手段23の往復用駆動モータ51、供給コンベヤ13の駆動モータ13a、搬送コンベヤ17の駆動モータ17c、搬出コンベヤ18の駆動モータ18cおよびフィルム搬送手段15の駆動モータ15aが接続される。また、制御手段26には、前記検知センサ25からの検知信号が入力される。実施例1の包装機では、検知センサ25の検知結果に応答して制御手段26による欠品検出の判定結果に対応して、供給コンベヤ17の動作を継続したまま制御手段26からフィルム搬送手段15へ、フィルムの送り制御信号(フィルムの送り停止信号,送り開始信号)が出力されてフィルムの送り停止、送り開始が繰り返される。そして、フィルム搬送手段15のフィルムの送り停止動作に合わせて、エンドシール機構16の動作を一時停止して、エンドシール・切断して得られる袋内に物品12が供給されていない空袋を発生させない、空袋防止制御が実行される。また、このような空袋防止制御とは別に、制御手段26は、前工程または後工程の処理状況に対応した各種信号入力により、包装機の運転休止信号を発して、供給コンベヤ13を含め、フィルム搬送手段15およびエンドシール機構16の動作停止と再起動を繰り返す、連動運転制御を行う。なお、前記搬送コンベヤ17および搬出コンベヤ18は、空袋防止制御および連動運転制御において、供給コンベヤ13と同期して動作停止と再起動とが行われる。
【0029】
前記制御手段26は、包装機における包装サイクルの起点となる停止位置として、供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ物品12の受け渡しを終える時期(物品12が受け渡しを終える位置(完了した位置)まで供給コンベヤ13から送り込まれる時期)に合わせて、フィルム搬送手段15とエンドシール機構16との動作を停止するよう制御し、その際、前記シールユニット21は、シール体19,20が相互に最も離間した初期位置(図6(a)のP1)となるように、供給コンベヤ13とフィルム搬送手段15とエンドシール機構16とを同期制御する。このように同期制御される包装機において、異なる物品サイズとの関係でフィルムのカットピッチが変更される場合では、前記包装サイクルの起点において、フィルム搬送手段15とエンドシール機構16との停止位置関係が変化してしまう。それにより、供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ物品12の受け渡しを終える時期に、エンドシール機構16におけるシール体19,20が停止する位置について、シール体19,20の停止位置が、筒状フィルム10に接触する位置を含め、シール体19,20の熱によってフィルムに悪影響を及ぼす位置で停止してしまうことがある。そこで、実施例1における空袋防止制御においては、前記検知センサ25からの検知信号が入力されない場合に制御手段26は欠品有として検出すると、前記供給コンベヤ13で搬送される物品12が、筒状フィルム10に受け渡しを終える時期に合わせてフィルム搬送手段15が停止制御されるの応じて、エンドシール機構16におけるシールユニット21のシール体19,20を、該シール体19,20が相互に最も離間した初期位置P1から噛合位置(図6(d)の実線位置)に向けて移動するまでの動作軌跡上であって、初期位置P1をわずかに過ぎてシール体19,20が相互に接近した筒状フィルム10に熱影響を及ぼさない開放位置P2まで移動して停止するシール動作制御を行う。開放位置P2は、任意の位置に設定することができ、設定された開放位置P2は制御手段26に記憶される。
【0030】
図5に示す如く、前記シール動作制御において、制御手段26は、フィルム送りの停止時に、シール体19,20がフィルムに熱影響を及ぼさない開放位置P2で停止するよう前記開閉用駆動モータ41を作動制御すると共に、フィルム送りの停止に合わせて、シール体19,20の下流側への移動が停止されるように、前記往復用駆動モータ51を作動制御する。そして、検知センサ25により後続(次)の物品12の検知信号が入力されて、フィルム送りを再開する際には、前記供給コンベヤ13から搬送停止中の筒状フィルム10へ受け渡しが完了した位置まで送り込まれている物品12と、次に筒状フィルム10内へ送り込まれる物品12との間隔が所定間隔となるように、フィルム送りを再開する時期より予め設定された所定時間前のタイミングで、開放位置P2にある一対のシール体19,20の噛合位置への移動を開始するよう開閉用駆動モータ41を作動制御し、その後のフィルム送りの再開時期に合わせて、エンドシール機構16におけるシール体19,20の開閉移動およびシールユニット21の往復移動について、予め設定された動作軌跡でシール体19,20が動作する同期運転が再開されるよう、開閉用駆動モータ41および往復用駆動モータ51を同期して作動制御する。
【0031】
ここで、シール体19,20の開閉動作とフィルム送り動作についての夫々の動作再開時に、フィルム送りが開始されると共に、シール体19,20の閉動作が開始される。そして、通常の同期運転を行ったとすると、シール体19,20の閉動作タイミングは、図5の点線で表されるように、シール体19,20がフィルム送り開始と共に、開放位置から噛合位置へ向けて移動を開始し、同時に、シールユニット21も前進移動を開始する。そして、これらが同期復帰ポイントにおいて連続運転時と同じ同期動作状態となって、運転再開から所定時間経過した後にシール体19,20が筒状フィルム10を挟持する。このため、図5において点線で表した同期復帰ポイントにおいて、シール体19,20が閉じ位置まで至ることができず、シール体19,20の閉じ期間が通常の連続運転時より減少して適正なエンドシールを行うことができない。これに対し、本例では、シール体19,20の開閉動作タイミングは、通常の同期復帰タイミングより前の動作タイミングであって、フィルム送りと共にシールユニット21が前進移動を開始するより前の時期に、シール体19,20が開放位置から噛合位置へ向けて移動を開始し、また、前記同期復帰ポイントにおいて、シール体19,20の開閉動作とフィルム送りの送り動作とシールユニット21の往復動作との、夫々の動作タイミングの同期が復帰する。この同期の復帰ポイントにおいて、シール体19,20が噛合位置へ至る動作タイミングとなる。このような動作タイミングによって前記開閉用駆動モータ41が作動制御される。このようにして、シール体19,20が筒状フィルム10を挟持した状態でフィルム送りと共に下流側へ移動した後にシール体19,20を開いて筒状フィルム10の挟持が解除されるよう、シール体19,20が動作制御される。このようにして、開閉用駆動モータ41と往復用駆動モータ51とフィルム搬送手段15の駆動モータ15aとの夫々が動作制御される。このことにより、包装運転休止に伴って、フィルム送りが停止して、その運転再開時期に筒状フィルム10を挟持してエンドシールされる時のシール時間が、エンドシールを施し得る適正なシール時間に維持される。前記制御手段26は、供給コンベヤ13の回転系に設けたエンコーダなどによって、検知センサ25で検知された物品12が筒状フィルム10へ受け渡しを終える時期を知ることができる。そして、後続物品12が検知センサ25で検知されて供給コンベヤ13によって搬送されてきた物品12が、停止中の筒状フィルム10へ送り込まれる前の所定タイミングにおいてフィルム送りを再開して、筒状フィルム10内に物品12を定間隔毎に送り込むことができる。そして、制御手段26は、供給コンベヤ13から得られる物品12の搬送位置との関係でエンドシール機構16におけるシール体19,20の開閉移動およびシールユニット21の往復移動についての動作制御が行われ、所定のボックスモーション動作として与えられた動作軌跡と同じシール時間が得られるように、フィルム送りの再開に先立って前記開放位置P2の一対のシール体19,20を閉じるタイミングが設定される。このようなエンドシール機構16のシール動作制御については、実施例1における空袋防止制御に限らず、前記包装機の運転を休止制御する連動運転制御においても同様のシール動作制御を採用することができる。
【0032】
次に、実施例1に係る横形製袋充填機の作用について説明する。
シール体19,20の停止位置が、フィルムに熱影響を及ぼしてしまう位置になる条件において、包装機の空袋防止制御運転中に前記検知センサ25からの信号入力との関係で、制御手段26において欠品有と判定されると、制御手段26は、供給コンベヤ13による物品搬送を継続した状態で、エンドシール機構16のシール動作制御を行う。シール動作制御では、前記開閉用駆動モータ41および往復用駆動モータ51を、シール体19,20が、図6(a)の二点鎖線で示す前記初期位置P1から、記憶された前記開放位置P2(図6(a)でハッチングした位置)までにおいて、予め設定された動作軌跡の下で開閉用駆動モータ41および往復用駆動モータ51の動作を同期制御する。そして、シール体19,20が開放位置P2となったときに、開閉用駆動モータ41を作動制御し、シール体19,20を、フィルムに熱影響を及ぼさない前記開放位置P2に維持したまま、フィルム送り停止タイミングになるまで、往復用駆動モータ51を作動制御する。往復用駆動モータ51の作動制御は、フィルム搬送手段15により筒状フィルム10が送られるのに伴い、シールユニット21がフィルム送り方向の上流側に移動した後に下流側へ移動し、フィルム送り停止時に往復用駆動モータ51を作動制御してシールユニット21の下流側への移動を停止する。往復用駆動モータ51の作動制御により、シール体19,20は、図6(b)の二点鎖線で示す開放位置P2と同じ開き位置に維持されたまま、エンドシール機構16において設定されている動作軌跡の最上流側の横移動位置(図6(b)でハッチングした位置)P3までフィルム送り方向の上流側に向けて水平に横移動する。その後、フィルム送りに伴って、前記横移動位置P3からその同じ開き位置を維持したもとで、フィルム送り方向の下流側に水平に横移動した終点位置(図6(c)でハッチングした位置)P4まで至って、該終点位置P4において横移動が停止されるように往復用駆動モータ5が作動制御される。すなわち、包装機の空袋防止制御運転や、前記連動運転制御において、エンドシール機構16のボックスモーション動作として設定されている各シール体19,20の動作軌跡に沿って、シール体19,20が開閉移動および往復移動する際に、開閉用駆動モータ41の動作のみ停止し、その後に往復用駆動モータ51を停止制御することで、シール体19,20で筒状フィルム10にエンドシールする次のシール位置を挟む上下に離間した開放位置となる、前記終点位置P4においてシール体19,20の動作を停止して待機させる。
【0033】
前記検知センサ25から前記制御手段26に検知信号が入力されたり、前記包装機の運転休止信号を発する条件となる前工程または後工程からの各種信号入力がなくなったりした場合に、制御手段26は、図5に示す如く、フィルム送りを再開する際には、エンドシールのための適正なシール時間を確保し得る所定時間分について、フィルム送りの開始前に、終点位置P4で停止しているシール体19,20を、開閉用駆動モータ41を作動制御して噛合位置に向けて閉じ始めてフィルム送りとの同期タイミングにおいて筒状フィルム10の挟持位置まで至る(図6(d)参照)。そして、シール体19,20で筒状フィルム10を挟持した状態でシールユニット21がフィルム送り方向へ移動するように、前記フィル搬送手段15とシールユニット21における開閉移動手段22と往復移動手段23とが通常運転時の動作と同様に同期制御(同期運転が再開)されて、シールユニット21が往復移動を開始し、その後シール体19,20が相互に離間し、シール体19,20の旋回動作中に筒状フィルム10の終端部から切り離された包装品59が搬出コンベヤ18によって下流側へ搬送される。すなわち、フィルム送りの停止時にシール体19,20は、フィルムに熱影響を及ぼさない開放位置で待機するので、熱影響による不良品の発生を防止することができる。また、フィルム送りを開始する前からシール体19,20を閉じ始めてフィルム搬送手段15と同期運転が復帰することによって筒状フィルム10をシールし始めることで、筒状フィルム10へ適正にエンドシールを施し得るシール時間を確保することができる。
【0034】
また、エンドシール・切断されて包装品59として切り離される時点の包装条件は、通常運転時の条件と全く変わりなく実施され、また、その際の筒状フィルム10の切り離しタイミングも、搬送方向前後に変化することはないので、当該空袋防止制御時において、切り離されて搬送開始される時期や、搬送条件などの変化に対応して、搬送下流側への包装品59の搬送位置の時期の変更などの設定を行う必要はない。このようにして、エンドシール・切断されて後工程まで搬送される包装品59の搬送タイミングが、通常運転時のタイミングと変わることが無い。また、搬出位置の位置ずれが生じることなく、包装品59を安定して搬出することができる。すなわち、空袋防止制御時においても、通常運転時において搬出される包装品59の搬送位置と同じように追跡検出することができる。例えば、切り離されて送り出されるまでにエラー検出された包装品59が不良包装品として取り扱い処理されるために系外に排出する搬送位置管理を適正に行うことができる。物品12を検知する検知センサ25を、筒状フィルム10への物品12の受け渡しが完了した位置に対し、上流側に供給コンベヤ13による物品12の送り込み間隔の1間隔分以上離間した位置に配置し、当該検知センサ25により物品12の有無を検知して空袋防止制御を行うので、高速処理する場合であっても、シール不良の包装とならない適正シールがなされた包装品59を良好に得ることができ、空袋の発生が防止でき、包装の無駄がなくなる。更に、エンドシール機構16のシール動作制御において、シール体19,20の開放位置を、一対のシール体19,20の動作軌跡において、シール体19,20が相互に最も離間する位置を過ぎた直後の位置を開放位置とすることで、空袋防止制御を行う包装サイクルを、直前の包装サイクルと区別した簡単な制御により行うことができる。また、シール体19,20が相互に最も離間する位置に近い位置を開放位置とすることで、品種変更等によって筒状フィルム10の高さ寸法が変わった場合であっても、開放位置を変更することなくフィルムに熱影響を及ぼさないようにできる。
【実施例0035】
図7は、別実施例としての実施例2に係る横形製袋充填機におけるエンドシール機構56を示すものであって、該エンドシール機構56は、2基以上の複数基(N基であって実施例2では3基)のシールユニット21A、21B、21Cが、フィルム送り方向に並べて設けられる。各シールユニット21A、21B、21Cの構成は、実施例1と同じであって、同じ部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。また、複数のシールユニット21A、21B、21Cは、夫々が独立して一対のシール体19,20を相互に接近・離間移動する開閉移動手段22と、夫々を独立してフィルム送り方向に沿って往復移動するよう配設された往復移動手段23と、を備える。
【0036】
3基のシールユニット21A、21B、21Cを備えるエンドシール機構56では、各開閉移動手段22による各シールユニット21A、21B、21Cのシール体19,20の動作位相を僅かに異ならせるようにして、フィルム送り方向の下流側から上流側の順で筒状フィルム10を挟持するよう一対のシール体19,20が接近移動すると共に、下流側から上流側のシールユニット21A、21B、21Cの順に各シール体19,20が筒状フィルム10を解放するよう構成されている。このようにして同時期に複数のシールユニット21A、21B、21Cによって筒状フィルム10を複数個所で挟持してエンドシール・切断することで、一度に複数の包装品59が得られるよう構成される。また、3基のシールユニット21A、21B、21Cの夫々に配設した往復移動手段23として、移動機構50を構成するラック54,54は、共通部材を採用した。
【0037】
実施例2に示す3基の往復移動手段23は、3基のシールユニット21A、21B、21Cにおける各シール体19,20での筒状フィルム10の挟持間隔について、筒状フィルム10のカットピッチ(1包装分の包装材の長さ)に対応した一包長さ(包装品の長さ)で設定されて、筒状フィルム10が所定タイミング毎に挟持される。そして、エンドシール機構56は、予め設定された動作軌跡に基づきシールユニット21A、21B、21Cを往復移動すると共にシール体19,20を開閉動作するよう動作制御される。このようにして、エンドシール機構16を動作制御することで、3カットピッチ分のフィルムが送られるのに伴って、一度に3個の包装品59を同時に得るよう、3基のシールユニット21A、21B、21Cにおける夫々のシール体19,20によって筒状フィルム10を挟持してフィルム送りと共に前進移動する。すなわち、3包装分の物品12が筒状フィルム10に供給されてから、3基の各シールユニット21A、21B、21Cのシール体19,20を、1カットピッチに対応する前後間隔にした等間隔として、筒状フィルム10を挟持することでエンドシールを施すよう、1/3サイクルずつに分割して1包装サイクルを構成し、1包装分の物品12を供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ送り込む時期に対応して、1カットピッチ分ずつのフィルム送りを3回繰り返すよう、開閉移動手段22および往復移動手段23が制御手段26によって作動制御される。そして、筒状フィルム10を挟持した状態でフィルム送り方向の下流側へ移動した3基のシールユニット21A、21B、21Cにおけるシール体19,20が筒状フィルム10を解放した後、3基のシールユニット21A、21B、21Cにおける下流側のシール体19,20から順に、筒状フィルム10におけるフィルム送り方向の最上流に向けて移動して、次の筒状フィルム10の3包装分に対応した筒状フィルム10のシール位置を各シール体19,20で挟持する動作を繰り返す。このようにして、予め設定された動作軌跡に従って、エンドシール機構56の3基のシールユニット21A、21B、21Cにおける各シール体19,20が動作位相をわずかに異ならせて移動することで、同時に3個の包装品59を得るように構成される。このようにして、筒状フィルム10はフィルム搬送手段15によって、カットピッチ×シールユニット21の設置数(実施例2では3倍)のフィルム送りが繰り返し行われる。
【0038】
フィルム送り方向に並ぶシールユニット21A、21B、21Cの間に、両シールユニット間で筒状フィルム10に供給されている物品12を載置して搬送する渡りコンベヤ57が配設される。渡りコンベヤ57は、各シールユニット21A、21B、21Cにおける一対のシール体19,20が接近・離間移動するのに連動して物品搬送部が伸縮し、一対のシール体19,20の噛合を許容すると共に、シール位置前後における物品12の受け渡しを支障なく行って、物品12の下流側への搬送を良好に行い得るよう構成される。フィルム送り方向の最上流のシールユニット21Cに、搬送コンベヤ17における終端の転向部が、該最上流のシールユニット21Cにおける一対のシール体19,20が接近・離間移動するのに追従して水平移動するよう連繋されると共に、フィルム送り方向の最下流に配設したシールユニット21Aに、搬出コンベヤ18における始端の転向部が、該最下流のシールユニット21Aにおける一対のシール体19,20が接近・離間移動するのに追従して水平移動するよう連繋される。
【0039】
実施例2に示すエンドシール機構56の如く、3基のシールユニット21A、21B、21Cを前後に並べて同時期にエンドシール・切断を施すことで一度に包装品59を3つ得ることができる。そして3包装分の物品12として3個の物品12が筒状フィルム10へ供給される毎に、1包装サイクルが終了するよう動作制御される。そして、供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ物品12の受け渡しを終える時期に合わせて設定されるべきシール体19,20の停止位置は、1包装サイクル動作における動作軌跡内でシールユニット21の配設数で等分した3箇所の停止位置となる。そして、実施例2に示すエンドシール機構56において、前記3箇所のシール体19,20の停止位置について、1包装サイクルを360度として角度換算した場合に、各シール体19,20による動作は1/3サイクル単位となって、物品12が欠品となる度に、3基のシールユニット21A、21B、21Cに配設されたシール体19,20の停止位置を設定する場合において、図8に示す如く、シール体19,20の動作軌跡において、シール体19,20が相互に最も離間した位置を0度として120度ずつで等分すると、第1停止位置K1と、第2停止位置K2と、第3停止位置K3として設定する必要がある。そして、何れか1つのシールユニット21のシール体19,20の停止位置を、相互に最も離間した位置としての第2停止位置K2と設定したとすると、その前後のシールユニット21のシール体19,20は、120度ずつ異なる停止位置となり、それらは、いずれもフィルムに熱影響を及ぼす停止位置となってしまう。3基のシールユニット21A、21B、21Cの内で少なくとも2つのシールユニット21の停止位置について、フィルムに熱影響が及ばない停止位置として設定できたとしても、残る1基のシールユニット21については、フィルムに熱影響を及ぼす停止位置となってしまうことが避けられない。そこで、実施例2では、前記空袋防止制御や包装機の運転を休止する前記連動運転制御を行う場合に、3基のシールユニット21A、21B、21Cの内でシール体19,20の停止位置が、フィルムに熱影響を及ぼす位置になる何れかのシールユニット21に配設されたシール体19,20について、制御手段26により、前記実施例1と同様なシール動作制御が行われる。
【0040】
すなわち、フィルム送り停止に伴って、エンドシール機構56の動作が停止される際に、複数のシールユニット21の配設数をN基とした場合に、そのうちの何れか1基以上のシールユニット21が筒状フィルム10に熱影響を及ぼす停止位置になってしまう場合、前記制御手段26は、1/Nカットピッチ分ずつのフィルム送りを繰り返す間において、当該筒状フィルム10に熱影響を及ぼす停止位置となるシールユニット21について、そのシールユニット21に対するフィルム送り時期Naに対応して、物品12を供給コンベヤ13から筒状フィルム10へ送り込む時期にエンドシール機構56を制御して、シール体19,20を、筒状フィルム10に熱影響を及ぼさない前記開放位置で停止すると共に、全てのシールユニット21A、21B、21Cの往復動を停止するよう、前記開閉移動手段22および前記往復移動手段23を作動制御する。また、制御手段26は、送り停止中の筒状フィルム10に、N番目の物品12を受け渡す時期に対応してフィルム送りを再開する時期より予め設定された前の時期の所定タイミングにおいて、前記開放位置で停止している全てのシール体19,20を閉じ始めて、フィルム搬送手段15との同期運転の復帰時には筒状フィルム10を挟持し、N個目の物品12が筒状フィルム10へ受け渡される時期との関係で、フィルム搬送手段15により所定期間前にフィルム送りを再開すると共に、往復移動手段22および開閉移動手段23との動作について、前記同期ポイント以降に同期運転を再開するよう、全てのシールユニット21における各移動手段22,23を作動制御する。
【0041】
このようにして、複数(N基)のシールユニット21を備える実施例2の包装機においても、シール不良とならないように空袋防止制御時や包装機の運転休止時などの待機状態で、筒状フィルム10に熱影響を及ぼさないシール体19,20の停止位置となるようにシールユニット21A、21B、21Cとシール体19,20を作動制御して、シール不良を回避することができる。これにより、複数のシールユニット21を備えて単位時間当りの生産能力を高めた包装機において、フィルム送りの停止時にシール体19,20からの熱影響によってフィルムが溶けたり縮んでしまったりすることなく良好にエンドシールを施すことができる。そして、エンドシール・切断されて包装品59として切り離される時点の包装条件や筒状フィルム10の切り離しタイミングは、通常運転時の条件やタイミングと全く変わりなく実施されるので、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0042】
(変更例)
本発明は各実施例などの構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、各実施例などに記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) シールユニット21における一対のシール体19,20を接近・離間移動する開閉移動手段22は、クランク機構やエアシリンダなど、公知の各種手段を採用しても良い。
(2) シールユニット21を往復移動する往復移動手段23は、各実施例などの形態に限られるものではなく、リニアスライド機構など、公知の各種手段を採用することができる。
(3) エンドシール機構16のシール動作制御におけるシール体19,20の開放位置は、一対のシール体19,20が相互に最も離間する初期位置の近傍が最も好ましいが、当該初期位置から噛合位置までの動作軌跡上で、包装材に熱影響を及ぼさない位置に設定されていればよい。
(4) 実施例2として、複数のシールユニット21を、フィルム送り方向に3基並べた例として現したが、複数のシールユニット21の配設数は3基に限られる必要はない。複数のシールユニット21を備え、欠品検出に対応してシール体19,20の停止位置が複数となるエンドシール機構56では、複数の内の何れか一つのシール体19,20の停止位置を包装材に熱影響を及ぼさない位置とし得るとしても、他のシール体19,20が包装材に熱影響を及ぼす位置で停止してしまうので、本発明のシール動作制御を行うことで、空袋の発生を防止しつつシール不良を回避すると共に、包装能力を向上することができる。
(5) 実施例2では、同じ動作軌跡で動作する各シールユニット21におけるシール体19,20の動作位相をずらして、下流側から上流側に向けた順に筒状フィルム10を挟持して、エンドシールを施す時期を異ならせるように構成したが、全てのシールユニット21のシール体19,20により同時に筒状フィルム10を挟持しても良い。
【符号の説明】
【0043】
10 筒状フィルム(筒状包装材),12 物品,13 供給コンベヤ
16 エンドシール機構,19 第1シール体(シール体)
20 第2シール体(シール体),21 シールユニット,22 開閉移動手段
23 往復移動手段,25 検知センサ,26 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8