(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000209
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】充電制御装置および充電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231225BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20231225BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20231225BHJP
B60L 58/26 20190101ALI20231225BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/00 P
H02J7/10 H
B60L53/30
B60L58/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098861
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 大輝
(72)【発明者】
【氏名】小栗 良貴
(72)【発明者】
【氏名】丸山 史温
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503DA08
5G503EA08
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125CA18
5H125CC07
5H125CD03
5H125CD07
5H125CD10
5H125DD02
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE55
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】外部充電装置から車載バッテリへの給電量が減少する場合に、充電時間が長くなることを抑制することができる充電制御装置および充電制御方法を提供する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る充電制御装置は、外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置である。充電制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、課金方式が時間課金方式での外部充電装置による車載バッテリの充電中に、外部充電装置から車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、車両のユーザへの通知を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置であって、
課金方式が時間課金方式での前記外部充電装置による前記車載バッテリの充電中に、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、前記車両のユーザへの通知を行う、コントローラを備える、
充電制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
課金方式が不明である場合も、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に前記ユーザへの通知を行う、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記給電量が前記給電量閾値未満となった場合に、課金方式が時間課金方式で、前記車載バッテリの蓄電量が蓄電量閾値以上である場合には、充電を停止させる、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記車載バッテリの蓄電量が蓄電量閾値未満である場合には、前記ユーザへの通知を行った上で、充電を継続する、
請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記蓄電量閾値は、前記給電量が前記給電量閾値未満となる異常が発生せず正常に充電を完了させる際の前記蓄電量の閾値よりも低い、
請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記蓄電量閾値は、
前記ユーザによって設定される値、
予め定められる距離または時間前記車両を走行可能にする蓄電量の値、
現在地からカーナビゲーション装置に設定された目的地までの距離または前記現在地から前記目的地までの所要時間時間前記車両を走行可能にする蓄電量の値、
充電開始時の蓄電量に予め定められる蓄電量が加算された値
のうちの少なくともいずれか1つである、
請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項7】
コントローラは、
前記給電量が前記給電量閾値未満となった要因が前記車載バッテリの温度である場合には、充電を停止させて前記車載バッテリの温度を調整させ、
前記車載バッテリの温度が所定温度範囲になると、充電を再開させる、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項8】
前記給電量が前記給電量閾値未満となった要因が前記外部充電装置の問題である場合には、充電を停止させる、
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項9】
外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置のコントローラが行う充電制御方法であって、
課金方式が時間課金方式での前記外部充電装置による前記車載バッテリの充電中に、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、前記車両のユーザへの通知を行う、
充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、充電制御装置および充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車およびプラグインハイブリッド自動車は、外出先で蓄電量が不足する場合、例えば、充電スタンドに設置された外部充電装置の充電プラグが車両の充電口に接続されて車載バッテリの充電が行われる。外部充電装置による充電の課金方式として、充電時間に応じて課金される時間課金方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、時間課金方式では、何らかの要因によって外部充電装置から車載バッテリへの給電量が減少する場合、充電量に対して充電時間が長くなり課金金額が高くなる。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、外部充電装置から車載バッテリへの給電量が減少する場合に、充電時間が長くなることを抑制することができる充電制御装置および充電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る充電制御装置は、外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置である。充電制御装置は、コントローラを備える。前記コントローラは、課金方式が時間課金方式での前記外部充電装置による前記車載バッテリの充電中に、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、前記車両のユーザへの通知を行う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様に係る充電制御装置および充電制御方法は、外部充電装置から車載バッテリへの給電量が減少する場合に、充電時間が長くなることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る充電制御方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る充電制御方法の概要を示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る充電制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る充電制御装置のコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態の変形例に係る充電制御装置のコントローラが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、充電制御装置および充電制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[1.充電制御方法の概要]
まず、
図1および
図2を参照して、実施形態に係る充電制御方法の概要について説明する。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る充電制御装置1は、外部充電装置200によって車載バッテリ(以下、「バッテリ12」と記載する)が充電される電気自動車(以下、「車両100」と記載する)、または、プラグインハイブリッド自動車に設けられる。車両100は、例えば、充電スタンドなどに設置される外部充電装置200の充電プラグが車両100側の充電口に接続された状態で充電される。外部充電装置200からの充電は、有線(充電プラグを車両に接続)での充電でもよいし、非接触充電でもよい。
【0012】
外部充電装置200による充電の課金方式として、充電時間に応じて課金される時間課金方式と、充電量(充電した電力量[Wh])に応じて課金される充電量課金方式とがある。時間課金方式では、何らかの要因によって外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する場合がある。
【0013】
例えば、充電制御装置1は、バッテリ12の温度が異常に高い場合、または、バッテリ12の温度が異常に低い場合、バッテリ12を保護するために、外部充電装置200に対して、給電量を抑制する指示を送信する。その結果、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する。
【0014】
外部充電装置200からバッテリ12への給電量は、例えば、瞬間の電流値[A]や電力値[W]、所定時間(例えば、数秒~数分)における平均の電流量[A]や電力値[W]、または、所定時間(例えば、数秒~数分)における電力量[Wh]である。
【0015】
また、インフラストラクチャの問題、または、外部充電装置200側の問題が要因となって、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する場合がある。この場合、本来の正当な給電量による充電の場合に比べ、充電量に対して充電時間が長くなり課金金額が高くなる。
【0016】
そこで、充電制御装置1は、外部充電装置200によるバッテリ12の充電が開始されると(ステップS1)、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満か否かを判定する(ステップS2)。給電量閾値は、例えば、外部充電装置200が給電可能な最大給電量マイナス10%の給電量の値である。なお、給電量閾値は、これに限定されるものではない。
【0017】
給電量閾値は、外部充電装置200が給電可能な最大給電量以外にも、車両が対応可能な最大給電量、充電プランで設定されている給電量、ユーザが充電開始時に設定した給電量等であってもよい。
【0018】
そして、充電制御装置1は、給電量が給電量閾値未満であると判定した場合(ステップS3)、その旨を車両100のユーザ10へ通知する(ステップS4)。例えば、充電制御装置1は、給電量が低下していること示すメッセージをユーザ10の携帯端末11へ送信することによって通知する。
【0019】
これにより、ユーザ10は、例えば、充電中に、何らかの要因によって、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する場合に、そのことを即座に知ることができるため、充電を中止して、他の充電スタンドで充電するなどの対応を取ることができる。したがって、充電制御装置1は、充電時間が長くなることを抑制することができる。
【0020】
その後、
図2に示すように、充電制御装置1は、給電量が給電量閾値未満であると判定した場合に、外部充電装置200から充電の課金方式を取得する(ステップS5)。そして、充電制御装置1は、課金方式が時間課金方式または不明であると判定すると(ステップS6)、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値以上か否かを判定する(ステップS7)。蓄電量は、例えば、SOC(State Of Charge)である。
【0021】
蓄電量閾値は、例えば、ユーザ10が必要する最小限の蓄電量である。蓄電量閾値の具体例については、後述する。なお、課金方式の取得は、外部充電の開始時等、給電量の低下を検出する前に行ってもよい。
【0022】
その後、充電制御装置1は、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値以上と判定した場合(ステップS8)、満充電になっていなくても充電を停止させる(ステップS9)。これにより、充電制御装置1は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する場合に、無駄に充電時間が長くなり、課金金額が高くなることを抑制することができる。
【0023】
[2.充電制御装置1の構成例]
次に、
図3を参照して、実施形態に係る充電制御装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る充電制御装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
図3に示す構成要素のうち、外部充電装置200は、車両100の外に設けられる。また、ユーザ10の携帯端末11も、車両100の外に設けられることが想定される。これ以外の充電制御装置1等の構成要素は、車両100に設けられる。
【0024】
図3に示すように、充電制御装置1は、充電する場合に、外部充電装置200と接続される。また、充電制御装置1は、ユーザ10の携帯端末11と無線にて接続される。携帯端末11は、例えば、スマートフォンまたはタブレット型端末装置である。また、充電制御装置1は、バッテリ12と、入力操作部13と、カーナビゲーションシステム(以下、「カーナビ14」と記載する)と、温度調整器15とに接続される。
【0025】
バッテリ12は、例えば、車両100を走行させるモータに電力を供給するリチウムイオンバッテリである。なお、バッテリ12は、リチウムイオンバッテリ以外の2次電池であってもよい。入力操作部13は、ユーザ10による各種情報の入力操作を受け付け、操作に応じた情報を充電制御装置1に出力するユーザインターフェースである。
【0026】
カーナビ14は、現在地からユーザ10によって設定される目的地までの経路案内を行う装置である。温度調整器15は、バッテリ12の温度を調整する装置である。温度調整器15は、バッテリ12を冷却するファンと、バッテリ12を加熱するヒータとを含む。
【0027】
充電制御装置1は、コントローラ2を備える。コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。コントローラ2は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する複数の処理部を備える。
【0028】
例えば、コントローラ2は、充電検知部21と、給電量判定部22と、通知部23と、課金方式取得部24と、蓄電量判定部25と、蓄電量閾値設定部26と、要因判定部27と、温度調整部28とを備える。なお、コントローラ2が備える複数の処理部は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0029】
コントローラ2が備える各処理部は、それぞれ以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、コントローラ2の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0030】
充電検知部21は、外部充電装置200の充電ケーブルを介して、PLC(Power Line Communication)通信を行うことにより、双方向に各種情報の送受信を行うことができる。コントローラ2は、PLC通信以外に、例えば、CAN(Controller Area Network)通信等、さまざまな通信を用いて、外部充電装置200との間で情報の送受信を行うように構成されてもよい。
【0031】
充電検知部21は、充電の開始を検知する。また、充電検知部21は、充電の停止および再開を外部充電装置200に対して指示する。充電検知部21は、充電の開始を検知すると、その旨を給電量判定部22へ通知する。
【0032】
給電量判定部22は、充電の開始が開始されたとの通知を受け付けると、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電閾値未満か否かを判定する。給電量判定部22は、給電量が給電量閾値未満であると判定した場合、その旨を通知部23、課金方式取得部24、および要因判定部27へ通知する。
【0033】
通知部23は、給電量が給電量閾値未満との通知を受け付けると、外部充電装置200による給電量が減少していることをユーザ10の携帯端末11へ通知する。課金方式取得部24は、給電量が給電量閾値未満との通知を受け付けると、充電検知部21を介して外部充電装置200から充電の課金方式を取得する。課金方式取得部24は、取得した課金方式が時間課金方式または不明の場合に、その旨を通知部23および蓄電量判定部25へ通知する。
【0034】
課金方式取得部24は、充電予約の管理等を行うセンターから課金方式を取得するように構成されてもよい。また、課金方式取得部24は、ユーザからの入力によって課金方式を取得するように構成されてもよい。
【0035】
通知部23は、課金方式が時間課金方式の通知を受け、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満になった場合に、外部充電装置200による給電量が減少していることをユーザへの通知を行う。また、課金方式が不明である場合も、ユーザへの通知を行うようにしてもよい。
【0036】
これにより、ユーザ10は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が減少する場合に、充電を中止して他の充電スタンドで充電するなどの対応を取ることができる。したがって、充電制御装置1は、充電時間が長くなることを抑制することができる。また、課金方式が不明の場合にも通知するようにすることで、より確実に充電時間が長くなることを抑制することができる。
【0037】
蓄電量判定部25は、課金方式が時間課金方式または不明との通知を受け付けると、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値以上であるか否かを判定する。蓄電量閾値は、蓄電量閾値設定部26によって設定される。
【0038】
蓄電量閾値は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満となる異常が発生せず正常に充電を完了(例えば、満充電等)させる際の蓄電量の閾値、つまり、充電完了(満充電等)を判定する蓄電量の閾値よりも低く設定されている。
【0039】
蓄電量判定部25は、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値未満であると判定した場合、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電の継続を指示する。つまり、コントローラ2は、12バッテリの蓄電量が蓄電量閾値未満である場合には、外部充電装置200による給電量が減少していることをユーザへの通知を行った上で、充電を継続する。これにより、充電制御装置1は、充電時間が長くなることをユーザに認識させつつ、最低限の充電を継続できる。
【0040】
蓄電量判定部25は、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値以上になったと判定した場合、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電の終了を指示する。これにより、充電制御装置1は、例えば、バッテリ12が満充電になった後に、無駄な充電が継続されることを防止できる。
【0041】
蓄電量閾値設定部26は、入力操作部13またはカーナビ14から入力される情報に基づいて、蓄電量閾値を設定できる。蓄電量閾値設定部26は、例えば、ユーザ10によって設定される蓄電量の値を蓄電量閾値として設定できる。
【0042】
これにより、充電制御装置1は、ユーザ10が所望する蓄電量になった時点で充電を終了させることができるので、時間課金方式の場合に、不必要に長い時間充電が継続されることを防止できる。
【0043】
また、蓄電量閾値設定部26は、予め定められる距離、または、予め定められる時間、車両100を走行可能にする蓄電量の値を蓄電量閾値として設定できる。予め定められる距離または時間は、デフォルトとして設定しておいてもよい。また、予め定められる距離または時間は、ユーザ10によって設定されてもよい。
【0044】
これにより、充電制御装置1は、必要最小限の蓄電量が確保された時点で充電を終了させることができるので、時間課金方式の場合に、不必要に長い時間充電が継続されることを防止できる。
【0045】
具体的には、給電量の低下を検出した際に、正常時に充電が行われた場合に充電を完了する蓄電量(満充電等)まで充電をできていなくても、最低限の充電量である蓄電量閾値を超えて充電できている場合には、その時点で充電を終了するので、最低限の蓄電量を確保した上で、想定外の課金を防ぐことが可能となる。
【0046】
また、蓄電量閾値設定部26は、現在地からカーナビ14に設定された目的地までの距離、または、現在地から目的地までの所要時間時間、車両100を走行可能にする最低限の蓄電量の値を蓄電量閾値として設定できる。なお、蓄電量閾値設定部26は、現在地からカーナビ14に設定された目的地までの距離または所要時間をカーナビ14から取得できる。最低限の蓄電量は、上記のカーナビ情報の他に、ユーザの予定表データにおける過去の実績データや充電後の車両の利用予定から推定するようにしてもよい。
【0047】
これにより、蓄電量閾値設定部26は、現在地からカーナビ14に設定された目的地までの距離または所要時間、車両100を走行可能とする蓄電量が確保された時点で充電を終了させることができるので、時間課金方式の場合に、不必要に長い時間充電が継続されることを防止できる。
【0048】
また、蓄電量閾値設定部26は、充電開始時の蓄電量に予め定められる蓄電量が加算された値を蓄電量閾値として設定できる。例えば、蓄電量閾値設定部26は、充電開始時点のバッテリ12のSOCをバッテリ12から取得し、充電開始時点のSOCに10%を加算したSOCの値を充電量閾値として設定できる。
【0049】
これにより、充電制御装置1は、必要最小限の蓄電量が確保された時点で充電を終了させることができるので、時間課金方式の場合に、不必要に長い時間充電が継続されることを防止できる。
【0050】
要因判定部27は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満となった要因を判定する。要因判定部27は、充電判定部を介して外部充電装置200の状態を取得し、外部充電装置200の状態に基づいて、要因が外部充電装置200の問題であると判定した場合に、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電を停止させる指示を送信する。これにより、充電制御装置1は、車両100側で給電量の減少を改善できない場合に、時間課金方式によって不必要に長い時間充電が継続されることを防止できる。
【0051】
また、要因判定部27は、バッテリ12からバッテリ12の温度を取得する。そして、要因判定部27は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満となった要因が、バッテリ12の異常高温であると判定した場合、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電を停止させる指示を送信する。さらに、要因判定部27は、バッテリ12への給電量が給電量閾値未満となった要因が、バッテリ12の異常高温である旨を温度調整部28へ通知する。
【0052】
温度調整部28は、バッテリ12が異常高温であるとの通知を受け付けると、温度調整器15によってバッテリ12を冷却する。その後、要因判定部27は、バッテリ12の温度が所定温度範囲内になると、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電を再開させる指示を送信する。
【0053】
所定温度範囲は、外部充電装置200が給電可能な最大給電量で充電を行ってもバッテリ12に支障をきたさない温度の範囲であり、充電制御装置1から外部充電装置200へ給電量の抑制を指示しない温度の範囲である。
【0054】
所定温度範囲は、外部充電装置200が給電可能な最大給電量で充電可能な温度範囲以外にも、車両が対応可能な最大給電量、充電プランで設定されている給電量、ユーザが充電開始時に設定した給電量等で充電可能な温度範囲であってもよい。これにより、充電制御装置1は、充電が終了するまでの時間は長くなるかもしれないが、料金が充電量に対して高くなることを抑制できる。
【0055】
また、要因判定部27は、外部充電装置200からバッテリ12への給電量が給電量閾値未満となった要因が、バッテリ12の異常低温であると判定した場合、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電を停止させる指示を送信する。さらに、要因判定部27は、バッテリ12への給電量が給電量閾値未満となった要因が、バッテリ12の異常低温である旨を温度調整部28へ通知する。
【0056】
温度調整部28は、バッテリ12が異常低温であるとの通知を受け付けると、温度調整器15によってバッテリ12を加熱する。その後、要因判定部27は、バッテリ12の温度が所定温度範囲内になると、充電検知部21を介して外部充電装置200へ充電を再開させる指示を送信する。
【0057】
所定温度範囲は、外部充電装置200が給電可能な最大給電量で充電を行ってもバッテリ12に支障をきたさない温度の範囲であり、充電制御装置1から外部充電装置200へ給電量の抑制を指示しない温度の範囲である。
【0058】
所定温度範囲は、外部充電装置200が給電可能な最大給電量で充電可能な温度範囲以外にも、車両が対応可能な最大給電量、充電プランで設定されている給電量、ユーザが充電開始時に設定した給電量等で充電可能な温度範囲であってもよい。これにより、充電制御装置1は、充電が終了するまでの時間は長くなるかもしれないが、料金が充電量に対して高くなることを抑制できる。
【0059】
[3.充電制御装置1のコントローラ2が実行する処理]
次に、
図4および
図5を参照して、実施形態に係る充電制御装置1のコントローラ2が実行する処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係るコントローラ2が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態の変形例に係る充電制御装置1のコントローラ2が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
コントローラ2は、車両100が起動されている期間(IGオフ状態やREADYオフ状態のような車両のメイン電源がオフ状態で、外部充電に関する一部の制御装置だけが起動している状態である期間を含む)に、
図4に示す処理を繰り返し実行する。
【0061】
具体的には、
図4に示すように、コントローラ2は、車両100が起動されると、まず、充電が開始されたか否かを判定する(ステップS101)。コントローラ2は、車両100の充電口に外部充電装置200の充電プラグが接続され、外部充電装置200からの給電を検知すると、充電が開始されたと判定する。
【0062】
コントローラ2は、充電が開始されていないと判定した場合(ステップS101,No)処理を終了し、ステップS101から再度処理を開始する。コントローラ2は、充電が開始されたと判定した場合(ステップS101,Yes)、外部充電装置200からの給電量が給電量閾値未満か否かを判定する(ステップS102)。
【0063】
コントローラ2は、給電量が給電閾値未満であると判定した場合(ステップS102,Yes)、その旨をユーザ10に通知し(ステップS103)、外部充電装置200から課金方式を取得する(ステップS104)。これらのステップS103およびステップS104の処理は、1回の外部充電処理で実行された場合、スキップされてもよい。つまり、ステップS103およびステップS104の処理は、2回目以降は実行されなくてもよい。
【0064】
続いて、コントローラ2は、課金方式が時間課金または不明であるか否かを判定する(ステップS105)。コントローラ2は、課金方式が時間課金または不明であると判定した場合(ステップS105,Yes)、バッテリ12の蓄電量が蓄電量閾値以上か否かを判定する(ステップS106)。
【0065】
コントローラ2は、蓄電量が蓄電量閾値以上でないと判定した場合(ステップS106,No)、蓄電量が蓄電量閾値以上になるまで、ステップS106の判定処理を繰り返す。そして、コントローラ2は、蓄電量が蓄電量閾値以上であると判定した場合(ステップS106,Yes)、充電を停止し(ステップS107)、処理を終了する。
【0066】
また、コントローラ2は、外部充電装置200からの給電量が給電量閾値未満でないと判定した場合(ステップS102,No)、および、課金方式が時間課金または不明ではないと判定した場合(ステップS105,No)、充電が終了したか否かを判定する(ステップS108)。
【0067】
コントローラ2は、外部充電装置200からの給電が停止され、車両100の充電口から外部充電装置200の充電プラグが抜き取られると、充電が終了したと判定する。コントローラ2は、充電プラグが抜かれた場合の他に、蓄電量があらかじめ設定された蓄電量(満充電等)まで充電された場合に、充電が終了したと判定するように構成されてもよい。
【0068】
コントローラ2は、充電が終了していないと判定した場合(ステップS108,No)、処理をステップS102へ移す。コントローラ2は、充電が終了したと判定した場合(ステップS108,Yes)、充電を停止し(ステップS107)、処理を終了する。
【0069】
また、コントローラ2は、
図4に示す処理に代えて、または、
図4に示す処理と並行して、
図5に示す処理を実行することもできる。具体的には、
図5に示すように、コントローラ2は、車両100が起動されると、まず、充電が開始されたか否かを判定する(ステップS201)。コントローラ2は、車両100の充電口に外部充電装置200の充電プラグが接続され、外部充電装置200からの給電を検知すると、充電が開始されたと判定する。
【0070】
コントローラ2は、充電が開始されていないと判定した場合(ステップS201,No)、処理を終了し、ステップS101から再度処理を開始する。コントローラ2は、充電が開始されたと判定した場合(ステップS201,Yes)、外部充電装置200からの給電量が給電量閾値未満か否かを判定する(ステップS202)。
【0071】
コントローラ2は、給電量が給電閾値未満であると判定した場合(ステップS202,Yes)、その旨をユーザ10に通知する(ステップS203)。このステップS203の処理は、1回の外部充電処理で実行された場合、スキップされてもよい。つまり、ステップS203の処理は、2回目以降は実行されなくてもよい。その後、コントローラ2は、給電量が給電量閾値未満となった要因が外部充電装置200の問題か否かを判定する(ステップS204)。
【0072】
コントローラ2は、要因がバッテリ12の異常高温であると判定した場合(ステップS204,Yes)、充電を停止させ(ステップS205)、処理を終了する。また、コントローラ2は、要因が外部充電装置200の問題でないと判定した場合(ステップS204,No)、要因がバッテリ12の異常高温か否かを判定する(ステップS206)。
【0073】
コントローラ2は、要因がバッテリ12の異常高温でないと判定した場合(ステップS206,No)、要因がバッテリ12の異常低温か否かを判定する(ステップS207)。コントローラ2は、要因がバッテリ12の異常低温でないと判定した場合(ステップS207,No)、処理をステップS212へ移す。
【0074】
なお、
図5に示すフローチャートでは、給電量の低下原因が不明の場合(ステップS207,No)、通常どおり充電を続けるようになっているが、給電量の低下原因が不明の場合(ステップS207,No)においても、ステップS204,Yesの場合と同様に、充電を終了(ステップS205)させてもよい。
【0075】
また、コントローラ2は、要因がバッテリ12の異常高温であると判定した場合(ステップS206,Yes)、または、要因がバッテリ12の異常低温であると判定した場合(ステップS207,Yes)、充電を停止させる(ステップS208)。
【0076】
続いて、コントローラ2は、バッテリ12の温度を調整する(ステップS209)。例えば、コントローラ2は、バッテリ12が異常高温の場合、バッテリ12を冷却させる。また、コントローラ2は、バッテリ12が異常低温の場合、バッテリ12を冷却させる。
【0077】
その後、コントローラ2は、バッテリ12の温度が所定範囲内になったか否かを判定する(ステップS210)。コントローラ2は、バッテリ12の温度が所定範囲内になっていないと判定した場合(ステップS210,No)、処理をステップS209へ移す。
【0078】
コントローラ2は、バッテリ12の温度が所定範囲内になったと判定した場合(ステップS210,Yes)、充電を再開させ(ステップS211)、充電が終了したか否かを判定する(ステップS212)。コントローラ2は、車両100の充電口に外部充電装置200の充電プラグが接続され、外部充電装置200からの給電を検知すると、充電が開始されたと判定する。
【0079】
コントローラ2は、充電が終了したと判定していないと場合(ステップS212,No)、処理をステップS202へ移す。コントローラ2は、充電が終了したと判定した場合(ステップS212,Yes)、充電を停止させ(ステップS205)、処理を終了する。
【0080】
コントローラ2は、充電プラグが抜かれた場合の他に、蓄電量があらかじめ設定された蓄電量(満充電等)まで充電された場合に、充電が終了したと判定するように構成されてもよい。なお、コントローラ2は、
図4および
図5に示す処理を実行中に、ユーザ10によって充電を停止または終了させる操作を受け付けた場合には、その時点で充電を停止または終了させる。
【0081】
[4.付記]
付記として、本発明の特徴を以下の通り示す。
(1)
外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置であって、
課金方式が時間課金方式での前記外部充電装置による前記車載バッテリの充電中に、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、前記車両のユーザへの通知を行う、コントローラを備える、
充電制御装置。
(2)
前記コントローラは、
課金方式が不明である場合も、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に前記ユーザへの通知を行う、
前記(1)に記載の充電制御装置。
(3)
前記コントローラは、
前記給電量が前記給電量閾値未満となった場合に、課金方式が時間課金方式で、前記車載バッテリの蓄電量が蓄電量閾値以上である場合には、充電を停止させる、
前記(1)または(2)に記載の充電制御装置。
(4)
前記コントローラは、
前記車載バッテリの蓄電量が蓄電量閾値未満である場合には、前記ユーザへの通知を行った上で、充電を継続する、
前記(3)に記載の充電制御装置。
(5)
前記蓄電量閾値は、前記給電量が前記給電量閾値未満となる異常が発生せず正常に充電を完了させる際の前記蓄電量の閾値よりも低い、
前記(3)または(4)に記載の充電制御装置。
(6)
前記蓄電量閾値は、
前記ユーザによって設定される値、
予め定められる距離または時間前記車両を走行可能にする蓄電量の値、
現在地からカーナビゲーション装置に設定された目的地までの距離または前記現在地から前記目的地までの所要時間時間前記車両を走行可能にする蓄電量の値、
充電開始時の蓄電量に予め定められる蓄電量が加算された値
のうちの少なくともいずれか1つである、
前記(3)~(5)のいずれか一つに記載の充電制御装置。
(7)
コントローラは、
前記給電量が前記給電量閾値未満となった要因が前記車載バッテリの温度である場合には、充電を停止させて前記車載バッテリの温度を調整させ、
前記車載バッテリの温度が所定温度範囲になると、充電を再開させる、
前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の充電制御装置。
(8)
前記給電量が前記給電量閾値未満となった要因が前記外部充電装置の問題である場合には、充電を停止させる、
前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の充電制御装置。
(9)
外部充電装置によって車載バッテリが充電される車両に設けられる充電制御装置のコントローラが行う充電制御方法であって、
課金方式が時間課金方式での前記外部充電装置による前記車載バッテリの充電中に、前記外部充電装置から前記車載バッテリへの給電量が給電量閾値未満になった場合に、前記車両のユーザへの通知を行う、
充電制御方法。
【0082】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 充電制御装置
2 コントローラ
10 ユーザ
11 携帯端末
12 バッテリ
13 入力操作部
14 カーナビ
15 温度調整器
21 充電検知部
22 給電量判定部
23 通知部
24 課金方式取得部
25 蓄電量判定部
26 蓄電量閾値設定部
27 要因判定部
28 温度調整部
100 車両
200 外部充電装置