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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020954
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/04 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
B65D39/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123531
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 攻一郎
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC09
3E084FD12
3E084GA10
3E084GB12
3E084GB17
3E084HA03
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD04
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
(57)【要約】
【課題】蓋の開閉が容易でありかつ運搬時に蓋が外れることが抑制される容器を提供する。
【解決手段】本発明によれば、容器本体と、蓋と、保持部材を備え、前記蓋は、前記容器本体の開口を閉塞するように前記容器本体に装着可能に構成され、前記保持部材は、環状部と、両端が前記環状部に連結された帯部を備え、前記環状部は、前記容器本体の側面を囲むように前記容器本体に装着され、前記帯部は、前記蓋の上面に当接して前記蓋が外れるのを抑制するように構成される、容器が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、蓋と、保持部材を備え、
前記蓋は、前記容器本体の開口を閉塞するように前記容器本体に装着可能に構成され、
前記保持部材は、環状部と、両端が前記環状部に連結された帯部を備え、
前記環状部は、前記容器本体の側面を囲むように前記容器本体に装着され、
前記帯部は、前記蓋の上面に当接して前記蓋が外れるのを抑制するように構成される、容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
前記帯部は、前記帯部から突出する把持片を備える、容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器であって、
前記環状部及び前記帯部は、ゴムで形成されている、容器。
【請求項4】
請求項1に記載の容器であって、
前記容器本体は、前記環状部が装着される部位よりも前記容器本体の開口端側に隣接した位置に、前記環状部が前記容器本体の開口端に向かって移動することを抑制する係止部を備える、容器。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の容器であって、
前記蓋は、前記容器本体内に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部には、環状パッキンが装着されており、
前記環状パッキンは、環状ベースと、前記環状ベースから径方向外側に突出する環状凸部を備え、
前記環状凸部は、先細りであり、
前記蓋が前記容器本体に装着された状態で、前記環状凸部が前記容器本体の内面に当接し、かつ前記環状ベースが前記容器本体の内面に当接しないように構成される、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。この容器は、生活雑貨、食品容器、保存容器、量り売り容器、リユース容器などとして好適に利用可能であり、特に鞄に入れて持ち歩き中の密閉を要する用途に好適に利用可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネジ式の蓋(キャップ)を口部に装着することによって密閉することが可能なプラスチック製容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-273597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなネジ式の蓋を備えた容器は、開閉に手間がかかったり、口部の雄ネジ部とキャップの雌ネジ部が適切に噛み合わずに蓋が斜めに装着されてしまったりする場合がある。一方、栓式の蓋を備える容器は、開閉が容易であるが、運搬時に蓋が外れやすいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、蓋の開閉が容易でありかつ運搬時に蓋が外れることが抑制される容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]容器本体と、蓋と、保持部材を備え、前記蓋は、前記容器本体の開口を閉塞するように前記容器本体に装着可能に構成され、前記保持部材は、環状部と、両端が前記環状部に連結された帯部を備え、前記環状部は、前記容器本体の側面を囲むように前記容器本体に装着され、前記帯部は、前記蓋の上面に当接して前記蓋が外れるのを抑制するように構成される、容器。
[2][1]に記載の容器であって、前記帯部は、前記帯部から突出する把持片を備える、容器。
[3][1]又は[2]に記載の容器であって、前記環状部及び前記帯部は、ゴムで形成されている、容器。
[4][1]~[3]の何れか1つに記載の容器であって、前記容器本体は、前記環状部が装着される部位よりも前記容器本体の開口端側に隣接した位置に、前記環状部が前記容器本体の開口端に向かって移動することを抑制する係止部を備える、容器。
[5][1]~[4]の何れか1つに記載の容器であって、前記蓋は、前記容器本体内に挿入される挿入部を備え、前記挿入部には、環状パッキンが装着されており、前記環状パッキンは、環状ベースと、前記環状ベースから径方向外側に突出する環状凸部を備え、前記環状凸部は、先細りであり、前記蓋が前記容器本体に装着された状態で、前記環状凸部が前記容器本体の内面に当接し、かつ前記環状ベースが前記容器本体の内面に当接しないように構成される、容器。
【0007】
本発明の容器では、保持部材の帯部が蓋の上面に当接して蓋が外れるのを防ぐので、蓋と容器本体の間にネジを設けなくても、運搬時に蓋が外れることが抑制される。また、保持部材の環状部が容器本体の側面を囲むように容器本体に装着されているので、帯部を蓋から外した状態で保持部材を容器本体に装着した状態にしておくことができ、容器本体から内容物を取り出した後は、速やかに帯部が蓋の上面に当接する状態に復帰させることができる。このため、本発明の容器は、蓋の開閉が容易でありかつ運搬時に蓋が外れることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の容器1の斜視図である。図中の一点鎖線は、表面形状を構成する面の曲率が変化する境界線を表す。他の図についても同様である。
図2図1の容器1から保持部材4を外した状態の斜視図である。
図3図2の容器本体2から蓋3を外した状態の斜視図である。
図4図4Aは、図3の蓋3の正面図であり、図4Bは、図4Aの蓋3についての、蓋3の中心を通りかつ紙面に垂直な断面図である。
図5図5Aは、蓋3を製造するための第1部材3g及び第2部材3hの斜視図であり、図5Bは、の第1部材3g及び第2部材3hの、図4Bに対応する断面図である。
図6図6Aは、図1の容器1についての、保持部材4の把持片4cの厚さ方向の中心面を通る断面図であり、図6Bは、図6A中の領域Bの拡大図である。
図7図1の容器1の正面図である。
図8図7の状態から帯部4bの位置をずらして蓋3を取り外し可能にした状態の正面図である。
図9】本発明の第2実施形態の容器1の容器本体2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0010】
1.第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態の容器1は、容器本体2と、蓋3と、保持部材4を備える。本明細書での「上」、「下」は、容器本体2の底部2fを水平面に接地させたときの「上」と「下」を意味する。「上下方向」とは、言い換えると、容器本体2の開口端2dによって規定される面に垂直な方向を意味する。
【0011】
図3に示すように、容器本体2は、有底筒状であり、側面2aと開口2bを備える。図2図3に示すように、蓋3は、容器本体2の開口2bを閉塞するように容器本体2に装着可能に構成されている。図2に示すように、保持部材4は、環状部4aと、両端が環状部4aに連結された帯部4bを備える。図1図2に示すように、環状部4aは、容器本体2の側面2aを囲むように容器本体2に装着される。帯部4bは、蓋3の上面3aに当接して蓋が外れるのを抑制するように構成される。
【0012】
このような構成の容器1では、容器1の運搬時には、図1及び図7に示すように、帯部4bが蓋3の上面3aに当接している状態にすることによって、蓋3が外れることが抑制される。また、容器1から内容物を取り出す際には、図8に示すように、帯部4bの位置をずらして帯部4bが上面3aに当接しない状態とすることによって、蓋3を容易に取り外すことができるようになるので、蓋3を外して内容物を速やかに取り出すことができる。内容物を取り出した後は、蓋3を再装着した上で、帯部4bを元の位置に復帰させることによって、蓋3が外れることを抑制することができる。帯部4bの位置をずらした状態でも、環状部4aが容器本体2に装着されたままになっているので、保持部材4を紛失することが抑制される。
【0013】
環状部4a及び帯部4b(好ましくは保持部材4の全体が)は、ゴム(好ましくはシリコーンゴム)で形成されていることが好ましい。環状部4aがゴムで形成されていると、環状部4aを弾性的に拡径させることによって環状部4aを側面2aに着脱することが容易になる。これによって、保持部材4を容器本体2に容易に着脱することが可能になり、保持部材4及び容器本体2を洗浄しやすくなる。
【0014】
また、環状部4aを側面2aに装着した状態で、環状部4aは、原形状(外力が加わっていない状態での形状)よりも拡径された状態であることが好ましい。これによって、環状部4aに収縮力が発生し、環状部4aが側面2aを締め付けることによって、環状部4aが安定的に側面2aに保持される。
【0015】
帯部4bがゴムで形成されていると、帯部4bを弾性的に引き伸ばすことによって帯部4bの位置をずらすことが容易になる。また、帯部4bを蓋3の上面3aに当接させた状態で、帯部4bが蓋3を容器本体2に押圧することによって蓋3が外れることが特に抑制される。このため、帯部4bを蓋3の上面3aに当接させた状態で、帯部4bは、原形状よりも引き伸ばされた状態であることが好ましい。これによって、帯部4bに収縮力が発生し、蓋3が容器本体2に押し付けられる。
【0016】
帯部4bには、帯部4bから突出する把持片4cが設けられていることが好ましい。これによって把持片4cを指でつまんで帯部4bの位置をずらすことが容易になる。把持片4cは、帯部4bの主面に垂直な方向に突出するすることが好ましい。また、把持片4cには、把持片4cの把持を容易にする凹凸形状が設けられていることが好ましい。本実施形態では、凹凸形状は、貫通孔4dによって構成されている。把持片4cは、帯部4bの長手方向の中央に設けられることが好ましい。さらに、把持片4cは、帯部4bの幅方向(長手方向に垂直な方向)の中央に設けられることが好ましい。
【0017】
帯部4bは、中央部4b1と、一対の連結部4b2を備えることが好ましい。中央部4b1は、一対の連結部4b2の間に配置される。また、連結部4b2によって中央部4b1と環状部4aが連結される。中央部4b1は、蓋3の上面3aに当接する部位であり、上面3aに沿った形状を有することが好ましい。連結部4b2は、容器本体2及び蓋3の側面に沿って配置される。把持片4cは、中央部4b1に設けられることが好ましい。中央部4b1と連結部4b2の間には、屈曲部4b3が設けられることが好ましい。屈曲部4b3は、曲率半径が中央部4b1と連結部4b2の何れよりも小さい。屈曲部4b3の曲率半径をR1とし、中央部4b1の曲率半径をR2とすると、R2/R1は、5以上が好ましく、15以上がさらに好ましい。R2/R1は、例えば5~100であり、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0018】
連結部4b2は、中央部4b1に向かって幅が徐々に大きくなることが好ましい。これによって、連結部4b2の根本での幅が狭くなり、中央部4b1の位置をずらしやすくなる。連結部4b2のうち幅が最も狭い部分での幅をW1とし、中央部4b1の長手方向の中央での幅をW2とすると、W2/W1は、例えば1.0~3.0であり、1.2~1.8が好ましい。この値は、具体的には例えば、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、2.0、2.5、3.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0019】
図3に示すように、容器本体2のうち環状部4aが装着される部位を装着部2cとすると、容器本体2は、装着部2cよりも容器本体2の開口端2d側に隣接した位置に係止部2eを備えることが好ましい。係止部2eは、環状凸部で構成されることが好ましい。係止部2eによって、環状部4aが開口端2dに向かって移動することが抑制されるので、意図せずして環状部4aが開口端2dから外れてしまうことが抑制される。容器本体2は、装着部2cから底部2fに向かって拡径している拡径部2gを有することが好ましい。これによって帯部4bを蓋3の上面3aに当接させていない状態で環状部4aが底部2fに向かって移動することが抑制される。拡径部2gよりも底部2f側には、底部2fに向かって外径が変化しない直胴部2hを備えていることが好ましい。
【0020】
図4に示すように、蓋3は、栓式であること、つまり容器本体2内に挿入される挿入部3bを備えることが好ましい。蓋3と容器本体2の嵌合部には、ネジがないことが好ましい。挿入部3bには、環状パッキン5が装着されていることが好ましい。図6に示すように、挿入部3bを容器本体2内に挿入すると、環状パッキン5が容器本体2の内面に当接することが好ましい。これによって、容器本体2内を密閉することが可能である。環状パッキン5は、挿入部3bに設けた環状溝3cに設けることが好ましい。これによって、環状パッキン5が適切な位置に配置される。容器本体2の内面は、段差がない平滑面であることが好ましい。これによって、挿入部3bを挿入しやすくなるとともに、容器本体2の内部を洗浄しやすくなる。
【0021】
環状パッキン5は、環状ベース5aと、環状ベース5aから径方向外側に突出する環状凸部5bを備えることが好ましい。環状凸部5bは、先細りであることが好ましい。また、図6に示すように、蓋3が容器本体2に装着された状態で、環状凸部5bが容器本体2の内面に当接し、かつ環状ベース5aが容器本体2の内面に当接しないように構成されることが好ましい。この場合、比較的変形しやすい環状凸部5bのみが容器本体2の内面に当接することによって挿入部3bを挿入する際の抵抗力が小さくなる。
【0022】
環状凸部5bの根本での幅(上下方向の長さ)をT1とし、環状凸部5bの先端の曲率半径をR3とすると、R3/T1は、0.2以下が好ましく、0.1以下がさらに好ましい。この値は、具体的には例えば、0、0.01、0.05、0.1、0.15、0.2であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。環状凸部5bの先端は、尖っていることが好ましい。環状凸部5bの断面は、先端が丸みを帯びていてもよい三角形(好ましくは鋭角三角形)状であることが好ましい。環状凸部5bの高さ(径方向の長さ)をH1とすると、H1/T1は、1.0以上が好ましく、1.2以上がさらに好ましい。この値は、例えば1.0~3.0であり、具体的には例えば、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。三角形の先端の角度は、60度以下が好ましく、45度以下がさらに好ましい。この角度は、例えば、10~60度であり、具体的には例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60度であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような構成の場合、環状凸部5bの先端近傍が一層変形しやすくなる。環状凸部5bは、上下方向に離間されて複数(本実施形態では2つ)設けられることが好ましい。これによって、容器本体2の密閉性が一層向上する。
【0023】
環状パッキン5は、ゴム(好ましくはシリコーンゴム)で形成されていることが好ましい。環状パッキン5がゴムで形成されていると、環状パッキン5を弾性的に拡径させることによって環状パッキン5を挿入部3bに着脱することが容易になる。これによって、環状パッキン5を挿入部3bに容易に着脱することが可能になり、蓋3及び環状パッキン5を洗浄しやすくなる。
【0024】
蓋3は、ベース部3dを備えることが好ましい。ベース部3dは、容器本体2内に挿入されない。上面3aは、ベース部3dに設けられる。挿入部3bは、ベース部3dの下面3eから突出するように設けられる。挿入部3bを容器本体2内に挿入したとき、ベース部3dの下面3eが開口端2dに当接することによって、蓋3が容器本体2に対して上下方向に位置決めされる。
【0025】
ベース部3dの外周面には、環状凸部3fが設けられていることが好ましい。これによって、ベース部3dを把持して蓋3を持ち上げやすくなる。環状凸部3fの根本での幅(上下方向の長さ)をT2とし、環状凸部3fの先端の曲率半径をR4とすると、R4/T2は、0.3以上が好ましく、0.4以上がさらに好ましい。この値は、例えば0.3~1.0であり、具体的には例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。環状凸部5bの高さ(径方向の長さ)をH2とすると、H2/T2は、0.5以下が好ましく、0.3以下がさらに好ましい。この値は、例えば0.05~0.5であり、具体的には例えば、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以下であってもよい。このような形状であれば、ベース部3dを特に把持しやすい。環状凸部3fは、上下方向に離間されて複数(本実施形態では2つ)設けられることが好ましい。これによって、ベース部3dを一層把持しやすくなる。
【0026】
ベース部3dの外径は、例えば、15~100mmであり、15~50mmが好ましい。この外径は、具体的には例えば、15、20、25、30、35、40、50、100mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ベース部3dの上面3aは、平坦であってもよいが、上に凸の湾曲形状であることが好ましい。この場合、帯部4bによって蓋3が容器本体2に押し付けられやすい。ベース部3dの外径をD1とし、上面3aの曲率半径をR5とすると、R5/D1は、例えば、1~10であり、2~5が好ましい。この値は、具体的には例えば、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上若しくは以下であってもよい。
【0027】
容器本体2の肉厚は、例えば1~3mmであり、1.5~2.5mmが好ましい。容器本体2は、ブロー成形や射出成形などによって形成することができる。ブロー成形は、溶融パリソンを用いたダイレクトブロー成形であってもよく、プリフォームを用いた二軸延伸ブロー成形であってもよい。一例では、200mL以下の容器本体2は、射出成形で形成し、これよりも大型の容器本体2は、射出成形で形成した容器本体2をプリフォームとして用いて二軸延伸ブロー成形することによって形成することができる。容器本体2は、熱可塑性樹脂で形成することが好ましい。熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、非晶質熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリスルホン(PSU)又はポリフェニルスルホン(PPSU)などのスルホン基を有するスルホン系樹脂がさらに好ましい。このような材料は、耐熱性が特に優れているからである。容器本体2を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、170~250℃であり、180~230℃が好ましい。Tgは、具体的には例えば、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。Tgは、ISO11357-1/-2に準拠して、昇温速度10℃/分で測定することができる。
【0028】
容器本体2は、好ましくは、琥珀色である。また、容器本体2に対してブルーイング処理を行うことによって、重量感、質感、耐久性を高めることが好ましい。
【0029】
蓋3は、一例では、第1部材3gと、第2部材3hを接合することによって形成することができる。第1部材3gと第2部材3hは、それぞれ、有底筒状であり、第1部材3gと第2部材3hを接合することによって中空の蓋3を形成することができる。接合方法としては、接着剤、嵌合、螺合、溶着などが挙げられる。溶着方法としては、超音波溶着が挙げられる。第1部材3gと第2部材3hは、それぞれ、例えば、射出成形によって製造することができる。このような方法で蓋3を製造することによって、蓋3を軽量化することができるとともに、蓋3にひけが発生することを抑制することができる。また、蓋3を中空にしない場合には、蓋3を射出成形によって一部材で形成することができる。本実施形態では、本実施形態では、第1部材3g及び第2部材3hは、それぞれ、ベース部3d及び挿入部3bに対応するが、例えば、別の形状であってもよい。また、第1部材3g及び第2部材3hの少なくとも一方は、有底筒状でなくてもよい。例えば、第1部材3gを上面3aに対応する形状とし、第2部材3hを蓋3から上面3aを除いた有底筒状としてもよい。
【0030】
蓋3は、例えば、ブロー成形によって製造してもよい。この場合、一部材で中空の蓋3を形成することができ、接合の手間が不要になるという利点がある。
【0031】
蓋3は、熱可塑性樹脂で形成することが好ましい。熱可塑性樹脂は、特に限定されず、容器本体2と同じ樹脂で形成してもよく、ポリオレフィン(例:ポリエチレンやポリプロピレン)のような汎用樹脂を用いて形成してもよい。
【0032】
2.第2実施形態
図9を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態の内容は、その趣旨に反しない限り、本実施形態にも当てはまる。図9に示す容器本体2には、第1実施形態と同様の蓋3及び保持部材4と組み合わせて使用することができる。
【0033】
本実施形態では、容器本体2は、装着部2cから底部2fに向かって拡径しておらず、底部2fに向かって外径が変化しない直胴部2hになっている。この場合であっても、環状部4aによる締め付けと、それに伴って発生する摩擦力によって環状部4aを適切な位置に保持することは可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 :容器
2 :容器本体
2a :側面
2b :開口
2c :装着部
2d :開口端
2e :係止部
2f :底部
2g :拡径部
2h :直胴部
3 :蓋
3a :上面
3b :挿入部
3c :環状溝
3d :ベース部
3e :下面
3f :環状凸部
3g :第1部材
3h :第2部材
4 :保持部材
4a :環状部
4b :帯部
4b1 :中央部
4b2 :連結部
4b3 :屈曲部
4c :把持片
4d :貫通孔
5 :環状パッキン
5a :環状ベース
5b :環状凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9