(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020958
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】忘れ物防止支援プログラム、忘れ物防止支援方法および忘れ物防止支援装置
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20240207BHJP
H04M 1/72403 20210101ALI20240207BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240207BHJP
H04M 1/00 20060101ALN20240207BHJP
【FI】
G08B21/24
H04M1/72403
G06Q50/10
H04M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123535
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】522308864
【氏名又は名称】杉田 宗太郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 宗太郎
【テーマコード(参考)】
5C086
5K127
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086AA52
5C086CA25
5C086CB27
5C086DA08
5C086FA01
5C086FA18
5C086FA20
5K127AA25
5K127BA03
5K127CB02
5K127JA03
5K127JA14
5K127JA31
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】より手軽に忘れ物の防止を支援することができる。
【解決手段】 コンピュータを、忘れ物防止支援装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶する記憶部と、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定部と、前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録部と、所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知部と、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成部と、して機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、忘れ物防止支援装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶する記憶部と、
ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定部と、
前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録部と、
所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知部と、
前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成部と、して機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記忘れ物防止リストに対応する画面情報には、前記対象所持品に対応付けられたチェックボックスが含まれ、
前記記憶部には、前記チェックボックスへの入力に関する履歴が登録されたチェック履歴情報が記憶され、
当該プログラムは、前記コンピュータを、
前記チェックボックスへの入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力を受け付けた日時および位置と、前記入力を受け付けた前記チェックボックスに対応する前記対象所持品と、を前記チェック履歴情報に登録することで、当該チェック履歴情報を更新するチェック履歴更新部と、して更に機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記表示情報生成部は、
前記入力受付部が前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の表示指示を受け付けると、当該画面情報を表示し、
前記報知部および前記表示情報生成部は、
前記忘れ物防止チェックリストに対応する画面情報の表示指示をユーザから再度受け付けた場合を除き、ユーザが次に所定時間以上滞在した場所から移動したと判定されるまで、前記報知情報および前記画面情報を表示しない
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記表示情報生成部は、
前記チェック履歴情報を用いて、前記対象所持品が最後に確認された前記位置を特定し、当該位置を地図上に示した画面情報を表示する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記記憶部には、所定の場所と、ユーザが当該場所に近づいた際に表示する情報の種類が登録されており、
前記表示情報生成部は、
ユーザが前記場所に近づくと、前記種類の情報に対応する画面情報を生成し、表示する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記報知部および前記表示情報生成部は、
前記移動判定部により所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定されると、ユーザが次に所定時間以上滞在した場所において前記報知情報および前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を出力する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記忘れ物防止リストは、当該忘れ物防止リストが利用されるシーン別に前記対象所持品が登録されて前記記憶部に記憶されている
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
忘れ物防止支援装置が行う忘れ物防止支援方法であって、
前記忘れ物防止支援装置は、
ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶するステップと、
ユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定ステップと、
前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録ステップと、
所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知ステップと、
前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成ステップと、を行う
ことを特徴とする忘れ物防止支援方法。
【請求項9】
ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶する記憶部と、
ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定部と、
前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録部と、
所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知部と、
前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成部と、を備える
ことを特徴とする忘れ物防止支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、忘れ物防止支援プログラム、忘れ物防止支援方法および忘れ物防止支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外出時に忘れ物をしたり、滞在場所から移動する際に所持品を滞在場所に置き忘れてしまうことは、多くの者に覚えのある経験である。
【0003】
このような忘れ物を防止するために、従来から忘れ物防止のための様々な方法が提案されている。例えば、近年では、RFID(Radio Frequency Identification)といった近距離無線通信の技術を用いたICタグの存在が知られている。ICタグは、例えば、ユーザが持ち歩く所持品に取り付けられ、スマートフォンなどのモバイル端末との連携により、その所在をユーザに知らせるものである。
【0004】
なお、特許文献1には、所持品に取り付けられたタグと携帯端末との交信に基づき、タグからの応答の有無よって所持品の紛失をユーザに通知する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、「携帯端末は、通信部と、状況監視部と、通信制御部と、を備える。通信部は、外部端末であるタグと通信する。状況監視部は、使用者の行動状況を判定する。通信制御部は、外部端末であるタグと通信部との通信状態を判断する。また、通信制御部は、判断結果と、状況監視部による判定結果に基づいて、外部装置が紛失したか否かを判定する。これにより、携帯端末においては、紛失判定の精度をより高めることができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、所持品に取り付けられたタグに対して、携帯端末から所定のタイミングで問い合わせが行われ、応答が無い場合、所持品を紛失した可能性がユーザに通知される。しかしながら、このようなタグ(ICタグ)を用いた忘れ物の防止方法は、外出時に持ち歩く全ての所持品にタグを取り付けておかなければその効果を享受することができない。そのため、持ち歩く所持品の数に応じてコストが増加してしまう、という問題がある。また、所持品によっては、ICタグを取り付け難い形状の物もある。
【0007】
そこで、本発明は、より手軽に忘れ物の防止を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る忘れ物防止支援プログラムは、コンピュータを、忘れ物防止支援装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶する記憶部と、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定部と、前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録部と、所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知部と、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成部と、して機能させる。
【0009】
また、上記のプログラムにおいて、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報には、前記対象所持品に対応付けられたチェックボックスが含まれ、前記記憶部には、前記チェックボックスへの入力に関する履歴が登録されたチェック履歴情報が記憶され、当該プログラムは、前記コンピュータを、前記チェックボックスへの入力を受け付ける入力受付部と、前記入力を受け付けた日時および位置と、前記入力を受け付けた前記チェックボックスに対応する前記対象所持品と、を前記チェック履歴情報に登録することで、当該チェック履歴情報を更新するチェック履歴更新部と、して更に機能させても良い。
【0010】
また、上記のプログラムにおいて、前記表示情報生成部は、前記入力受付部が前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の表示指示を受け付けると、当該画面情報を表示し、前記報知部および前記表示情報生成部は、前記忘れ物防止チェックリストに対応する画面情報の表示指示をユーザから再度受け付けた場合を除き、ユーザが次に所定時間以上滞在した場所から移動したと判定されるまで、前記報知情報および前記画面情報を表示しないようにしても良い。
【0011】
また、上記のプログラムにおいて、前記表示情報生成部は、前記チェック履歴情報を用いて、前記対象所持品が最後に確認された前記位置を特定し、当該位置を地図上に示した画面情報を表示しても良い。
【0012】
また、上記のプログラムにおいて、前記記憶部には、所定の場所と、ユーザが当該場所に近づいた際に表示する情報の種類が登録されており、前記表示情報生成部は、ユーザが前記場所に近づくと、前記種類の情報に対応する画面情報を生成し、表示しても良い。
【0013】
また、上記のプログラムにおいて、前記報知部および前記表示情報生成部は、前記移動判定部により所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定されると、ユーザが次に所定時間以上滞在した場所において前記報知情報および前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を出力しても良い。
【0014】
また、上記のプログラムにおいて、前記忘れ物防止リストは、当該忘れ物防止リストが利用されるシーン別に前記対象所持品が登録されて前記記憶部に記憶されていても良い。
【0015】
また、本発明の他の形態に係る忘れ物防止支援方法は、忘れ物防止支援装置が行う忘れ物防止支援方法であって、前記忘れ物防止支援装置は、ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶するステップと、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定ステップと、前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録ステップと、所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知ステップと、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成ステップと、を行う。
【0016】
また、本発明の他の形態に係る忘れ物防止支援装置は、ユーザが忘れ物を防止したいと考える対象所持品が登録された忘れ物防止リストを記憶する記憶部と、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報を用いて算出したユーザの移動距離に基づき、当該ユーザが移動したか否かを判定する移動判定部と、前記位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する滞在時間記録部と、所定時間以上滞在した場所からユーザが移動したと判定された場合、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報の確認を促すための報知情報を出力する報知部と、前記忘れ物防止リストに対応する画面情報を表示する表示情報生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、より手軽に忘れ物の防止を支援することができる。
【0018】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】忘れ物防止支援装置の概略構成の一例を示した図である。
【
図3】忘れ物防止チェックリストの画面例を示した図である。
【
図4】利用シーン別の忘れ物防止チェックリストの画面例を示した図である。
【
図6】忘れ物防止支援処理の一例を示したフロー図である。
【
図7】チェック履歴地図画面の一例を示した図である。
【
図8】忘れ物防止支援装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0021】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る忘れ物の防止支援に関する概念図である。図示するように、ユーザが所持するモバイル端末Mには、忘れ物の防止を支援するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「忘れ物防止支援アプリ」という場合がある)がインストールされている。また、当該アプリがバックグラウンドで起動されている状態のモバイル端末(以下、「忘れ物防止支援装置100」という場合がある)は、ユーザが所定時間以上滞在した場所(自宅を含む)から移動すると、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための報知情報を出力し、当該チェックリストをディスプレイに表示する。
【0022】
なお、ユーザは、報知情報が出力された際に、ディスプレイに表示された忘れ物防止チェックリストを参照し、その時点における所持品と照らし合わせることで、滞在場所に忘れ物をしていないかどうかを確認する。これにより、ユーザは、滞在場所に忘れ物をしていた場合には、その事実にいち早く気が付くことができるため、その結果、忘れ物を防止することができる。
【0023】
図2は、忘れ物防止支援装置100の概略構成の一例を示した図である。忘れ物防止支援装置100は、スマートフォンやモバイル端末あるいはスマートウォッチなどのウェアラブル端末であり、忘れ物防止支援アプリが起動されることにより、忘れ物防止支援装置100として機能する。このような忘れ物防止支援装置100は、図示するように、処理部110と、記憶部120と、通信部130と、を有している。
【0024】
処理部110は、忘れ物防止支援装置100で実行される様々な処理を行う機能部である。具体的には、処理部110は、ユーザが所定時間以上(例えば、15分以上、30分以上など)滞在した場所から移動すると、ユーザによって登録された忘れ物防止リストに基づいて、これに対応する忘れ物防止チェックリストの画面情報を生成する。また、処理部110は、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための報知情報を出力装置(例えば、スピーカやディスプレイなど)から出力すると共に、当該忘れ物防止チェックリストの画面情報を表示する。
【0025】
処理部110は、このような処理を行うために、入力受付部111と、忘れ物防止リスト生成部112と、位置情報取得部113と、移動判定部114と、滞在時間記録部115と、報知部116と、表示情報生成部117と、チェック履歴更新部118と、を有している。
【0026】
入力受付部111は、忘れ物防止支援装置100が備える入力装置(例えば、タッチパネルやハードキー)を介して、情報の入力やユーザからの指示を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部111は、忘れ物防止リストの登録指示を受け付ける。また、入力受付部111は、忘れ物防止リストの登録情報として、当該リストが利用されるシーン(例えば、仕事、散歩、ゴルフなどの用途)と、ユーザが忘れ物を防止したいと考える所持品(以下、「対象所持品」という場合がある)の種類(例えば、鍵、財布、定期、カード、資料、ノートPCなど)と、に関する登録情報の入力を受け付ける。
【0027】
また、入力受付部111は、ディスプレイに表示された忘れ物防止チェックリストの画面情報に対し、当該チェックリストに含まれるチェックボックスへの入力(以下、「チェック入力」という場合がある)を受け付ける。
【0028】
忘れ物防止リスト生成部112は、忘れ物防止リストを生成する機能部である。具体的には、忘れ物防止リスト生成部112は、入力受付部111を介してユーザから受け付けた登録情報に基づき忘れ物防止リストを生成する。より具体的には、忘れ物防止リスト生成部112は、当該リストが利用されるシーン別に、対象所持品を登録した忘れ物防止リストを生成し、記憶部120に格納する。
【0029】
位置情報取得部113は、忘れ物防止支援装置100の位置情報を取得する機能部である。具体的には、位置情報取得部113は、一定の時間間隔(例えば、1分毎あるいは5分毎など)で忘れ物防止支援装置100が備えるGPS(Global Positioning System)受信装置から位置情報を取得する。
【0030】
移動判定部114は、ユーザの移動を判定する機能部である。具体的には、移動判定部114は、新たな位置情報が取得される度にユーザが所定の閾値を超える距離(例えば、30mあるいは100mなど、数十メートル~数百メートルの範囲内)を移動したか否かを判定する。より具体的には、移動判定部114は、位置情報取得部113により取得された最新の位置情報と、前回(1つ前)の位置情報と、の差分に基づいてユーザの移動距離Lを算出する。また、移動判定部114は、算出した移動距離Lが閾値以上の場合、ユーザが移動したと判定する。
【0031】
滞在時間記録部115は、位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を記録する機能部である。具体的には、滞在時間記録部115は、移動判定部114によりユーザが移動していないと判定された場合、その都度、記憶部120内の滞在時間情報に所定値(例えば、「+1」)をインクリメントする。なお、滞在時間は、滞在時間情報に記憶されている値と位置情報の取得間隔との乗算により算出される。そのため、例えば、滞在時間情報に「+10」の値が記録されている場合であって、位置情報の取得間隔が「1分毎」の場合、当該滞在時間情報は、ユーザが移動していないと判定された地点に10分間滞在していたことを示している。
【0032】
また、滞在時間記録部115は、ユーザが移動したと判定された場合であって、滞在時間情報の値が所定の閾値(例えば、「+15」など)未満の場合、滞在時間情報の値を0(ゼロ)にリセットする。このようなリセット処理は、例えば、信号待ちなどで短時間立ち止まっていた際に加算された滞在時間情報の値に基づいて、その後ユーザが移動した際に、忘れ物防止チェックリストの確認を促す報知情報が出力されることを回避するために実行される。
【0033】
すなわち、所定時間以上滞在していた場所(例えば、自宅、カフェ、レストランなど)では、ユーザが所持品を使用していた可能性が高いと考えられるため、忘れ物防止支援装置100は、ある程度長い時間(例えば、15分以上あるいは30分以上など)滞在していた場所からユーザが移動した場合に、忘れ物防止チェックリストの確認を促し、かつ、当該リストを表示することでユーザを支援する。
【0034】
報知部116は、ユーザに注意喚起のための報知を行う機能部である。具体的には、報知部116は、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための報知情報を出力する。より具体的には、報知部116は、ユーザが移動したと判定された場合に、音楽、音声または効果音といった所定の報知情報を出力する。なお、報知部116は、忘れ物防止支援装置100が備えるバイブレーション機能を利用した報知を行っても良い。また、報知部116は、表示情報生成部117を介して、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための画面情報(例えば、待機画面におけるプッシュ通知の画面情報)を生成し、これをディスプレイに表示させても良い。
【0035】
なお、報知の方法(音、バイブレーションおよび画面情報の出力)は予めユーザにより予め設定されていれば良い。また、報知情報として出力される音楽、音声または効果音は、予め記憶部120に格納されていれば良い。
【0036】
表示情報生成部117は、ディスプレイに表示する表示情報(画面情報)を生成する機能部である。具体的には、表示情報生成部117は、忘れ物防止リストの登録時に表示される画面情報、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための画面情報(プッシュ通知の画面情報)および各シーンの忘れ物防止リストに対応する忘れ物防止チェックリストの画面情報など、様々な種類の画面情報を生成する。
【0037】
図3は、忘れ物防止チェックリストの画面例300を示した図である。図示するように、忘れ物防止チェックリストには、当該リストが利用されるシーン(例えば、仕事、散歩、ゴルフなど)301と、対象所持品の種類(名称)302と、忘れ物をしていないことが確認された際にユーザのチェック入力を受け付けるためのチェックボックス303と、チェック入力が完了したことを受け付けるための完了ボタン304と、が含まれている。
【0038】
図4は、利用シーン別の忘れ物防止チェックリストの画面例300を示した図である。
図4(a)は、散歩のシーンで利用される忘れ物防止チェックリストの画面例300を示している。
図4(b)は、仕事のシーンで利用される忘れ物防止チェックリストの画面例300を示している。
図4(c)は、ゴルフのシーンで利用される忘れ物防止チェックリストの画面例300を示している。なお、これらのチェックリストの画面情報300は、ユーザが登録したシーン別の忘れ物防止リストを用いて表示情報生成部117により生成され、ディスプレイに表示される。
【0039】
チェック履歴更新部118は、チェック履歴情報を更新する機能部である。具体的には、チェック履歴更新部118は、ディスプレイに表示された忘れ物防止チェックリストに対し、ユーザによる各チェックボックス303へのチェック入力が完了したことを受け付けると、チェック履歴情報を更新する。
【0040】
より具体的には、チェック履歴更新部118は、各チェックボックス303へのチェック入力が行われ、チェック入力が完了したことを受け付ける完了ボタン304がタップされると、その時点における日時および位置を特定する。なお、日時の特定は、例えば、忘れ物防止支援装置100が備える時計機能に基づき実行される。また、位置の特定は、例えば、位置情報取得部113を介してGPS受信装置から取得された位置情報に基づき実行される。
【0041】
また、チェック履歴更新部118は、表示情報生成部117を介して、チェック入力を受け付けた忘れ物防止チェックリストに対応する忘れ物防止リストの種類(シーン)を特定する。また、チェック履歴更新部118は、入力受付部111および表示情報生成部117を介して、チェック入力を受け付けた所持品の種類(名称)を特定する。また、チェック履歴更新部118は、特定したこれらの情報を対応付けてチェック履歴情報に登録することで、当該チェック履歴情報を更新する。
【0042】
次に、記憶部120について説明する。記憶部120は、忘れ物防止支援装置100で実行される処理に用いられる種々の情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部120は、忘れ物防止支援アプリ121と、忘れ物防止リスト122と、滞在時間情報123と、チェック履歴情報124と、地図情報125と、を記憶している。
【0043】
忘れ物防止支援アプリ121は、モバイル端末を忘れ物防止支援装置100として機能させるアプリケーションソフトウェアである。なお、忘れ物防止支援アプリ121が起動されると、忘れ物防止支援装置100では、処理部110内の各機能部による処理が実行可能な状態となる。
【0044】
忘れ物防止リスト122は、対象所持品の種類(名称)が登録された情報である。なお、忘れ物防止リスト122は、当該リスト122が利用されるシーン別に生成されて記憶部120に格納されている。具体的には、忘れ物防止リスト122は、利用されるシーンと、対象所持品の種類(名称)と、が対応付けられて登録されている。
【0045】
滞在時間情報123は、位置情報が示す各地点におけるユーザの滞在時間を示す値が記録された情報である。なお、滞在時間は、滞在時間情報123に記憶されている値と位置情報の取得間隔(例えば、1分毎)との乗算により算出される。そのため、例えば、位置情報の取得間隔が5分毎の場合であって、滞在時間情報123に「+15」が記録されている場合、当該滞在時間情報123は、ユーザが移動していないと判定された地点(滞在場所)に75分間滞在していたことを示している。
【0046】
図5は、チェック履歴情報124の一例を示した図である。チェック履歴情報124は、忘れ物防止チェックリストへのチェック入力の履歴に関する情報である。具体的には、チェック履歴情報124は、チェック入力を受け付けた日時124aと、チェック入力を受け付けた地点の位置124bと、チェック入力を受け付けた忘れ物防止チェックリストに対応する忘れ物防止リスト122の種類124cと、チェック入力を受け付けたチェック済み所持品の種類(名称)124dと、が対応付けられたレコードを有している。なお、チェック履歴情報124は、忘れ物防止チェックリストへのチェック入力に基づき、チェック履歴更新部118により更新される。
【0047】
地図情報125は、位置情報に対応する地点座標上の地図画像を含む情報である。なお、地図情報125は、予め記憶部120に格納されている必要はなく、例えば、所定の処理の実行時に、通信部130を介して、外部装置200から必要な地図領域の地図情報125が取得されても良い。
【0048】
次に、通信部130について説明する。通信部130は、外部装置200との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部130は、忘れ物防止支援アプリ121の更新情報や、処理に用いられる地図領域の地図情報125を外部装置200から取得する。また、通信部130は、必要に応じて、忘れ物防止リスト122やチェック履歴情報124を外部装置200に出力しても良い。
【0049】
なお、通信部130は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などの電気通信回線網(ネットワーク)Nを介して外部装置200との間で情報通信を行う。
【0050】
以上、忘れ物防止支援装置100の機能構成の一例について説明した。
【0051】
[動作の説明]
次に、忘れ物防止支援装置100で実行される忘れ物防止支援処理について説明する。
【0052】
図6は、忘れ物防止支援処理の一例を示したフロー図である。当該処理は、例えば、忘れ物防止支援アプリ121に対するユーザ操作に基づき開始される。例えば、ユーザは、忘れ物防止支援アプリ121を起動させ、利用シーンに応じた忘れ物防止リスト122を選択すると共に、忘れ物防止支援処理の実行指示を入力する。このようなユーザ操作が行われると、忘れ物防止支援装置100は、バックグラウンドで忘れ物防止支援処理を実行する。
【0053】
忘れ物防止支援処理が開始されると、位置情報取得部113は、位置情報を取得する(ステップS001)。具体的には、位置情報取得部113は、忘れ物防止支援装置100の現在位置をGPS受信装置から取得する。
【0054】
次に、移動判定部114は、ユーザの移動距離Lを算出する(ステップS002)。具体的には、移動判定部114は、前回取得された位置情報に基づいて特定された位置から、最新の位置情報に基づいて特定された現在位置までの距離である移動距離Lを算出する。なお、忘れ物防止支援処理の開始後、最初にステップS002の処理が実行される際には、前回取得された位置情報が存在しない。そのため、移動判定部114は、初回のステップS002の処理に限り、任意の値(例えば、「0」m)をユーザの移動距離Lとする。
【0055】
次に、移動判定部114は、移動距離Lが所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS003)。具体的には、移動判定部114は、算出したユーザの移動距離Lが所定の閾値(例えば、30mや100mなど)以上か否かを判定する。なお、移動距離Lの閾値は、予め設定されている所定値が用いられても良く、あるいはユーザにより設定されても良い。例えば、ユーザが閾値を設定する場合、表示情報生成部117は、閾値の入力を受け付けるための画面情報をディスプレイに表示する。また、移動判定部114は、入力受付部111を介してユーザから受け付けた閾値をステップS003の判定に用いる閾値として記憶部120に格納する。このようなユーザによる閾値は、本フローの処理前に予め設定され、設定情報(図示せず)として記憶部120に記憶されていれば良い。
【0056】
そして、移動距離Lが閾値以上と判定した場合(ステップS003でYes)、移動判定部114は、ユーザが前回の位置情報が示す位置から移動したと判定し、処理をステップS004に移行する。一方で、移動距離Lが閾値以上ではないと判定した場合(ステップS003でNo)、移動判定部114は、ユーザが前回の位置情報が示す位置から移動していないと判定し、処理をステップS010に移行する。
【0057】
なお、ユーザの移動距離Lが閾値以上ではないと判定された場合(ステップS003でNo)に移行されるステップS010では、滞在時間記録部115は、滞在時間情報123に所定値(例えば、「+1」など)をインクリメントし、処理をステップS020に移行する。
【0058】
次に、ユーザが移動したと判定された場合に移行されるステップS004では、滞在時間記録部115は、移動前の地点における滞在時間が所定の閾値以上か否かを判定する。具体的には、滞在時間記録部115は、滞在時間情報123を参照し、当該情報に記録されている値が所定の閾値以上か否かを判定する。なお、滞在時間の閾値は、予め設定されている所定値が用いられても良く、あるいはユーザにより設定されても良い。例えば、ユーザが閾値を設定する場合、表示情報生成部117は、閾値の入力を受け付けるための画面情報をディスプレイに表示する。また、移動判定部114は、入力受付部111を介してユーザから受け付けた閾値をステップS004の判定に用いる閾値として記憶部120に格納する。このようなユーザによる閾値は、本フローの処理前に予め設定され、設定情報(図示せず)として記憶部120に記憶されていれば良い。
【0059】
なお、滞在時間は、滞在時間情報123に記憶されている値と位置情報の取得間隔(例えば、1分毎)との乗算により算出される。そのため、例えば滞在時間の閾値が30分に設定されている場合であって、位置情報の取得間隔が5分毎の場合、滞在時間記録部115は、滞在時間情報123の値が「+6」以上か否かを判定する。
【0060】
そして、滞在時間が閾値以上と判定した場合(ステップS004でYes)、滞在時間記録部115は、処理をステップS005に移行する。一方で、滞在時間が閾値以上ではないと判定した場合(ステップS004でNo)、滞在時間記録部115は、処理をステップS030に移行する。
【0061】
次に、ステップS005の処理では、表示情報生成部117は、忘れ物防止チェックリストの画面情報を生成する。具体的には、表示情報生成部117は、ユーザが選択したシーンに対応する忘れ物防止リスト122を用いて、例えば
図3に示す忘れ物防止チェックリストの画面情報を生成する。
【0062】
次に、報知部116は、報知情報を出力すると共に、表示情報生成部117を介して、忘れ物防止チェックリストをディスプレイに表示する(ステップS006)。具体的には、報知部116は、忘れ物防止チェックリストの確認を促すための報知情報(音楽、音声、効果音あるいはバイブレーションやプッシュ通知)をスピーカやディスプレイから出力する。また、報知部116は、表示情報生成部117を介して、生成された忘れ物防止チェックリストの画面情報をディスプレイに表示する。
【0063】
なお、ユーザは、ディスプレイに表示された忘れ物防止チェックリストと、その時点における所持品と、を照らし合わせることで、直前の滞在場所に忘れ物をしていないかどうかを確認する。また、ユーザは、忘れ物をしていないことが確認できた所持品に対応する忘れ物防止チェックリストのチェックボックス303にチェック入力を行う。また、ユーザは、チェック入力が完了すると、当該チェックリストの完了ボタン304をタップする。
【0064】
次に、チェック履歴更新部118は、忘れ物防止チェックリストへのチェック入力が完了したか否かを判定する(ステップS007)。具体的には、チェック履歴更新部118は、入力受付部111が忘れ物防止チェックリストの完了ボタン304へのタップを受け付けると、チェック入力が完了したと判定する。
【0065】
そして、チェック入力が完了したと判定した場合(ステップS007でYes)、チェック履歴更新部118は、チェック履歴情報124を更新する(ステップS008)。具体的には、チェック履歴更新部118は、チェック入力がされた日時および位置を特定する。また、チェック履歴更新部118は、入力受付部111および表示情報生成部117を介して、忘れ物防止チェックリストに対応する忘れ物防止リスト122の種類と、チェック入力を受け付けた対象所持品の種類(名称)と、を特定する。また、チェック履歴更新部118は、特定したこれらの情報を対応付けてチェック履歴情報124に登録することで、当該チェック履歴情報124を更新する。
【0066】
また、チェック履歴更新部118は、チェック履歴情報124を更新すると、処理をステップS030に移行する。
【0067】
なお、移動前の地点における滞在時間が閾値以上ではないと判定された場合(ステップS004でNo)、または、チェック履歴情報124の更新後に移行されるステップS030では、滞在時間記録部115は、滞在時間情報123の値を「0(ゼロ)」にリセットし、処理をステップS020に移行する。
【0068】
ステップS020では、位置情報取得部113は、次の位置情報の取得タイミング(例えば、1分毎あるいは5分毎など、予め設定されている位置情報の取得間隔に従った次の取得タイミング)まで待機する。なお、位置情報取得部113は、次の位置情報の取得タイミングに達すると、処理をステップS001に戻す。
【0069】
以上、忘れ物防止支援処理について説明した。
【0070】
このように、忘れ物防止支援アプリによって実現される忘れ物防止支援装置によれば、より手軽に忘れ物の防止を支援することができる。特に、ユーザは、忘れ物を防止したいと考える所持品をその利用シーンごとに登録しておくことで、所定時間以上滞在した場所から移動した際に、忘れ物防止支援装置から忘れ物防止チェックリストの確認を促すための報知情報が出力される。そのため、ユーザは、忘れ物防止チェックリストの確認自体を忘れてしまうことがない。
【0071】
また、忘れ物防止支援装置100によれば、ユーザが登録した忘れ物防止リスト122に基づき、チェック入力を受け付けるためのチェックボックスを備えた忘れ物防止チェックリストが表示される。そのため、ユーザは、その時点における所持品とチェックリストとを照らし合わせることで、忘れ物をしている場合には、その事実にいち早く気付くことができ、結果的に忘れ物を防止することができる。
【0072】
<第二実施形態>
前述の第一実施形態に係る忘れ物防止支援装置100は、ユーザが所定時間以上滞在した場所から移動した際に忘れ物防止チェックリストの画面情報を表示したが、第二実施形態に係る忘れ物防止支援装置100は、忘れ物防止チェックリストの表示指示をユーザから受け付けた場合にも、忘れ物防止チェックリストを表示する。
【0073】
具体的には、表示情報生成部117は、入力受付部111を介して忘れ物防止チェックリストの表示指示をユーザから受け付けると、忘れ物防止チェックリストの画面情報を生成し、ディスプレイを表示する。また、チェック履歴更新部118は、表示された忘れ物防止チェックリストのチェックボックス303に対してユーザのチェック入力が完了すると、チェック履歴情報124を更新する。また、滞在時間記録部115は、ユーザによるチェック入力が完了すると、滞在時間情報123の値を「0(ゼロ)」にリセットする。なお、表示情報生成部117は、入力受付部111を介して、再度、忘れ物防止チェックリストの表示指示をユーザから受け付けた場合にも同様の処理を行う。
【0074】
すなわち、忘れ物防止支援装置100は、忘れ物防止チェックリストの表示指示をユーザから受け付けた場合、忘れ物防止支援処理におけるステップS005~ステップS008およびステップS030の処理を実行する。また、忘れ物防止支援装置100は、ステップS030における処理の実行後、処理をステップS020に移行する。
【0075】
このような忘れ物防止支援装置によれば、ユーザは、例えば移動前の滞在場所などにおいて、自発的に、忘れ物をしていないかどうかの確認をすることができる。また、忘れ物防止支援装置は、忘れ物防止チェックリストへのチェック入力が完了した後、滞在時間情報の値をリセットする。これにより、忘れ物防止支援装置は、例えば、ユーザが所定時間以上滞在した場所から移動したと判定した後、次の滞在場所までユーザが移動する間(例えば、移動中に忘れ物防止チェックリストの表示指示をユーザから受け付けた場合を除く)に再度、報知情報や忘れ物防止チェックリストを出力しないようにする。すなわち、忘れ物防止支援装置は、ユーザ指示に基づく忘れ物防止チェックリストの表示後、再度ユーザから当該チェックリストの表示指示を受け付けた場合を除き、ユーザが次に所定時間以上滞在した場所から移動したと判定するまで、報知情報および忘れ物防止チェックリストの画面情報を表示しないようにする。その結果、忘れ物防止支援装置は、移動前に確認済みである忘れ物防止チェックリストが再度出力されることでユーザに煩わしさを感じさせてしまうことを回避することができる。
【0076】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る忘れ物防止支援装置100は、忘れ物防止チェックリストの各対象所持品についてチェック入力を受け付けた場所すなわち忘れ物をしていないことが確認された場所を表示する。
【0077】
具体的には、表示情報生成部117は、ユーザ指示に基づいて、対象所持品のチェック入力を受け付けた場所の表示指示をユーザから受け付けるための画面情報を生成し、ディスプレイに表示する。より具体的には、表示情報生成部117は、入力受付部111を介して、チェック入力を受け付けた場所を表示させる対象所持品であって、忘れ物防止リスト122に登録されている対象所持品の入力をユーザから受け付ける。
【0078】
また、表示情報生成部117は、入力を受け付けた対象所持品について、チェック入力を受け付けた最新の日時が登録されているレコードをチェック履歴情報124から特定する。また、表示情報生成部117は、特定したレコードに登録されている位置が示す地点座標に対応する地図領域を地図情報125から特定する。また、表示情報生成部117は、チェック入力を受け付けた位置を当該地図領域上で特定する。
【0079】
そして、表示情報生成部117は、対象所持品の種類(名称)と、チェック入力を受け付けた最新の日時と、特定した地図領域と、当該地図領域上に対象所持品のチェック入力を受け付けた位置を示すマークと、を含む画面情報(以下、「チェック履歴地図画面」という場合がある)を生成し、ディスプレイに表示する。
【0080】
図7は、チェック履歴地図画面400の一例を示した図である。図示するように、チェック履歴地図画面400には、対象所持品の種類(名称)401と、チェック入力を受け付けた最新の日時402と、地
図403と、チェック入力を受け付けた位置を示すマーク404と、が表示されている。
【0081】
このような忘れ物防止支援装置によれば、ユーザは、忘れ物をした可能性のある場所を推測することができる。特に、忘れ物防止支援装置は、忘れ物をした対象所持品についてユーザが確認できていた最後の日時および場所を地図と共に表示する。これにより、ユーザは、対象所持品を最後に確認できた場所を知ることができるため、その後の移動経路などを思い返すこと等によって、忘れ物をした可能性のある場所を推測し、探すことができる。
【0082】
<第四実施形態>
第四実施形態に係る忘れ物防止支援装置100は、予め登録されている場所(例えば、自宅から公共交通機関の駅に向かう経路上にある公園などの所定場所)付近にユーザが到達すると、忘れ物防止チェックリストを含む所定情報(例えば、メモ情報)の確認を促すための報知情報を出力し、当該情報をディスプレイに表示する。すなわち、本実施形態の忘れ物防止支援装置100は、ユーザが所定場所に近づくと、忘れ物防止チェックリスト等の所定情報に関するリマインド処理を実行する。
【0083】
具体的には、忘れ物防止リスト生成部112は、表示情報生成部117を介して、リマインド処理を開始する地点の情報を受け付ける画面情報をディスプレイに表示する。また、忘れ物防止リスト生成部112は、入力受付部111を介して、当該場所を特定するための情報(場所の名称または住所あるいは地図上の位置など)をユーザから受け付ける。なお、当該地点は、ユーザが自宅から出た後、公共交通機関の駅に向かって移動する経路上に存在する場所など、日常の移動において通りかかる可能性の高い場所が好ましい。
【0084】
また、忘れ物防止リスト生成部112は、入力受付部111を介して、リマインド処理で表示する情報の種類(例えば、忘れ物防止リスト122の種類(用途)あるいはモバイル端末のメモ機能により保存されているメモ情報など)の指定をユーザから受け付ける。また、忘れ物防止リスト生成部112は、このようにユーザから受け付けたリマインド処理を開始する場所と、表示する情報の種類と、を対応付けた情報を記憶部120に格納する。
【0085】
また、移動判定部114は、位置情報取得部113により取得された忘れ物防止支援装置100の位置が、ユーザから予め受け付けている所定の場所付近(例えば、所定の場所を中心とした半径数メートルの範囲内を含む)であるか否かを判定する。そして、移動判定部114により所定の場所付近であると判定された場合、表示情報生成部117は、リマインド処理の対象(忘れ物防止リスト122に対応する忘れ物防止チェックリストあるいはメモ情報など)についての画面情報を生成する。また、報知部116は、所定情報の確認を促すための報知情報を出力し、表示情報生成部117は、生成した画面情報をディスプレイに表示する。なお、報知情報の種類および報知の方法は、前述の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0086】
このような忘れ物防止支援装置によれば、予め登録されている場所にユーザが近づくと、所定情報の確認を促すリマインド処理が行われる。そのため、ユーザは、当該情報を確認することで、忘れ物防止リストやメモ情報に記録されている内容を確認することができる。その結果、ユーザは、対象所持品やメモの内容を思い出すことができ、対象所持品やメモ情報に記録した内容(例えば、「**に行く(例えば、銀行に行くなど)」、「**する(例えば、定期を購入するなど)」)について忘れてしまうことを防止することができる。
【0087】
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、前述の第一実施形態に係る忘れ物防止支援装置100は、ユーザが所定時間以上滞在した場所から移動したと判定すると、そのタイミングで報知情報を出力し、忘れ物防止チェックリストの画面情報を表示した。しかしながら、報知情報や画面情報の出力タイミングはこれに限られない。例えば、第1変形例に係る忘れ物防止支援装置100は、ユーザが所定時間以上滞在した場所から移動したと判定した後、次に滞在時間が所定の閾値を超えた地点において報知情報や忘れ物防止チェックリストの画面情報を出力しても良い。
【0088】
このような第1変形例に係る忘れ物防止支援装置によれば、ユーザは、移動中の路上などで忘れ物防止チェックリストを確認するのではなく、次の滞在場所で落ち着いて忘れ物防止チェックリストを確認することができる。
【0089】
また、第2変形例に係る忘れ物防止支援装置100は、ユーザの移動速度に応じて、報知情報や忘れ物防止チェックリストの出力タイミングを変更する。例えば、移動判定部114は、忘れ物防止支援装置100が備える速度センサおよびジャイロセンサ、あるいは、位置情報の変化と経過時間と、に基づいてユーザの移動速度を算出する。また、算出された移動速度が所定の閾値以上の場合(例えば、30km/hなど)、報知部116および表示情報生成部117は、ユーザが自転車や車で移動している可能性を考慮して、次に滞在時間が所定の閾値を超えた地点において報知情報や忘れ物防止チェックリストの画面情報を出力する。なお、移動速度が閾値未満の場合には、第一実施形態と同様のタイミングで報知情報および忘れ物防止チェックリストの画面情報が表示される。
【0090】
このような第2変形例に係る忘れ物防止支援装置によれば、ユーザの移動速度を算出し、ユーザが自転車や自動車を運転している可能性が高い場合には、次の滞在場所まで報知情報や忘れ物防止チェックリストの画面情報を出力しないようにする。これにより、ユーザは、次の滞在場所で落ち着いて忘れ物防止チェックリストを確認することができる。
【0091】
また、第3変形例に係る忘れ物防止支援装置100は、忘れ物防止支援アプリ121の実行中に電源が切れた場合、その後に電源が復帰した際に、自動で当該アプリを起動する。この時、忘れ物防止支援装置100は、電源が切れる直前に行っていたステップから処理を再開する。なお、忘れ物防止支援装置100は、電源復帰後にステップS001の処理から再開しても良い。
【0092】
このような第3変形例に係る忘れ物防止支援装置によれば、例えばバッテリ不足によって電源が切れた場合でも、再充電後の電源復帰時に自動的に忘れ物防止の支援処理が実行されるため、ユーザビリティを向上させることができる。
【0093】
また、第4変形例に係る忘れ物防止支援装置100は、モバイル端末における位置情報の取得機能の設定がOFF状態となっている場合、ON状態に変更するようユーザに通知するための画面情報を表示する。
【0094】
このような第4変形例に係る忘れ物防止支援装置によれば、ユーザは、位置情報の取得機能がOFF状態であることに気付くことができる。その結果、ユーザは、位置情報の取得機能をON状態に変更し、忘れ物防止支援アプリによる処理を実行可能とすることができる。
【0095】
なお、位置情報の取得機能の設定がOFF状態である等、所定の原因により忘れ物防止支援装置100が位置情報を取得できない場合、当該装置100は、忘れ物防止支援処理におけるステップS001以降の処理を実施しない。そのため、位置情報を取得できない状況下において、忘れ物防止支援装置100は、ユーザがある場所(地点)に滞在している場合でも、滞在時間情報に記録される値を増加させない(所定値をインクリメントしない)。
【0096】
次に、忘れ物防止支援装置100のハードウェア構成について説明する。
【0097】
図8は、忘れ物防止支援装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。忘れ物防止支援装置100は、スマートフォンおよびタブレット端末といったモバイル端末あるいはスマートウォッチ等のウェアラブル端末により実現される。
【0098】
図示するように、忘れ物防止支援装置100は、入力装置510と、出力装置520と、処理装置530と、主記憶装置540と、補助記憶装置550と、通信装置560と、GPS受信装置570と、各種センサ580と、これらの各装置およびセンサを電気的に相互接続するバス590と、を有している。
【0099】
入力装置510は、タッチパネルやハードキーといった入力デバイスである。出力装置520は、ディスプレイなどの表示装置やスピーカなどの音声出力装置である。
【0100】
処理装置530は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。主記憶装置540は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。
【0101】
補助記憶装置550は、デジタル情報を記憶可能なフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0102】
通信装置560は、外部装置200との間で無線通信を行う通信ユニットである。
【0103】
GPS受信装置570は、GPS信号を受信可能なレシーバである。各種センサ580は、加速度センサやジャイロセンサである。加速度センサは、忘れ物防止支援装置100の加速度を計測し、当該装置の移動速度を算出する。ジャイロセンサは、忘れ物防止支援装置100の向き等を特定する。
【0104】
以上、忘れ物防止支援装置100のハードウェア構成について説明した。
【0105】
このような忘れ物防止支援装置100は、処理装置530に処理を行わせるプログラム(忘れ物防止支援アプリ121)によって実現される。このプログラムは、主記憶装置540あるいは補助記憶装置550に記憶され、プログラムの実行にあたって主記憶装置540上にロードされ、処理装置530により実行される。なお、記憶部120は、主記憶装置540または補助記憶装置550あるいはこれらの組合せにより実現される。また、通信部130は、通信装置560により実現される。
【0106】
なお、忘れ物防止支援装置100の各機能ブロックは、本実施形態において実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、忘れ物防止支援装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0107】
また、忘れ物防止支援装置100の各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0108】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0109】
100・・・忘れ物防止支援装置、110・・・処理部、111・・・入力受付部、112・・・忘れ物防止リスト生成部、113・・・位置情報取得部、114・・・移動判定部、115・・・滞在時間記録部、116・・・報知部、117・・・表示情報生成部、118・・・チェック履歴更新部、120・・・記憶部、121・・・忘れ物防止支援アプリ、122・・・忘れ物防止リスト、123・・・滞在時間情報、124・・・チェック履歴情報、125・・・地図情報、130・・・通信部、200・・・外部装置、510・・・入力装置、520・・・出力装置、530・・・処理装置、540・・・主記憶装置、550・・・補助記憶装置、560・・・通信装置、570・・・GPS受信装置、580・・・各種センサ、590・・・バス、N・・・ネットワーク