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特開2024-20988振分装置、振分方法、及び振分プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020988
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】振分装置、振分方法、及び振分プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240207BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240207BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
G07G1/12 321Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123589
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 伸助
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA07
3E142DA08
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA04
3E142GA18
3E142GA32
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】効率的な精算処理を可能とする。
【解決手段】精算待レーンに並ぶ顧客を複数の精算カウンタに振り分ける振分装置であって、精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグのデータを読み取り、読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知し、特定商品に付された無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、特定商品に付された無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から特定商品に付された無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する、制御部を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精算待レーンに並ぶ顧客を複数の精算カウンタに振り分ける振分装置であって、
前記精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグのデータを読み取り、
読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知し、
前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、前記特定商品に付された前記無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する、
制御部を備える、振分装置。
【請求項2】
請求項1に記載の振分装置であって、
前記制御部は、前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタに応対者を呼び出すための通知を行う、
振分装置。
【請求項3】
請求項2に記載の振分装置であって、
前記制御部は、精算カウンタに呼び出す前記応対者に対して、前記特定商品の商品情報又は当該商品情報に関連付けられる関連情報を通知する、
振分装置。
【請求項4】
請求項3に記載の振分装置であって、
前記精算待レーンに並ぶ顧客が所持する前記特定商品はダミー商品であり、前記関連情報は前記特定商品の実物の保管場所を含む、
振分装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の振分装置であって、
前記特定商品に付された前記無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能への変更は、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働する精算レジを非セルフレジとして稼働可能とするための機能変更、及び当該精算カウンタで精算する顧客の待機人数のカウントを行うか否かの機能変更のうちから選ばれる一以上の変更を含む、
振分装置。
【請求項6】
請求項1に記載の振分装置であって、
前記制御部は、
前記精算待レーンに並ぶ複数の顧客に対して前記特定商品に付された前記無線タグの読み取りを行い、
前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客に対して、精算する精算カウンタを当該顧客が位置する前記精算待レーンの先頭からの順番と共に報知する、
振分装置。
【請求項7】
請求項5に記載の振分装置であって、
前記制御部は、前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの数を、前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客の数に応じて定める、
振分装置。
【請求項8】
精算待レーンに並ぶ顧客を複数の精算カウンタに振り分ける振分装置のコンピュータが実行する振分方法であって、
前記精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグのデータを読み取るステップと、
読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知するステップと、
前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、前記特定商品に付された前記無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更するステップと、
を含む、振分方法。
【請求項9】
精算待レーンに並ぶ顧客を複数の精算カウンタに振り分ける振分装置のコンピュータが実行可能な振分プログラムであって、
前記精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグのデータを読み取る手順と、
読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知する手順と、
前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、前記特定商品に付された前記無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する手順と、
を前記コンピュータに実行させる振分プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振分装置、振分方法、及び振分プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、セルフチェックアウトシステムが開示されている。
【0003】
このセルフチェックアウトシステムは、セルフPOS端末で精算する商品の中にアルコール飲料が含まれる場合、その旨を通知して店員を呼び出す。呼び出された店員は、顧客が成人であることを確認した後に、所定の解除操作を行うことで精算を可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-140813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなシステムにあっては、セルフPOS端末で顧客が商品に付されたバーコードをスキャンし、精算商品にアルコール飲料が含まれていることを検出するまで、店員等の応対者による応対が必要であるか否かを判断できないという技術的課題が存在する。
【0006】
このため、複数設置された総てのセルフPOS端末において、精算商品にアルコール飲料が含まれていた場合、各セルフPOS端末に応対者が出向き解除操作を完了するまで、総てのセルフPOS端末で精算処理ができなくなる。
【0007】
これにより、他の顧客がいずれのセルフPOS端末も使用することができず、効率的な精算処理の妨げとなり得る。
【0008】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、効率的な精算処理を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、精算待レーンに並ぶ顧客を複数の精算カウンタに振り分ける振分装置であって、前記精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグのデータを読み取り、読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知し、前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、前記特定商品に付された前記無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から前記特定商品に付された前記無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する、制御部を備える、振分装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、制御部は、精算待レーンに並ぶ顧客が所持する特定商品に付された無線タグを読み取る。無線タグを読み取る読取技術を用いることによって、精算待レーンに並んだ段階において、顧客が特定商品を所持するか否かの判別が可能となる。
【0011】
また、制御部は、読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知する。これにより、精算待レーンに並んだ段階で判別した特定商品を所持する顧客を、所定の精算カウンタに案内することが可能となる。
【0012】
制御部は、特定商品に付された無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能を、特定商品に付された無線タグを所持しない顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能から特定商品に付された無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する。このため、特定商品を所持した顧客が案内される精算カウンタは、特定商品に付された無線タグを所持する顧客を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更されるので、特定商品に対応した処理が可能となる。
【0013】
このように、特定商品を所持する顧客と所持しない顧客とが精算待レーンに並んでいる場合であっても、特定商品を所持する顧客を所定の精算カウンタに案内することで、特定商品以外の商品の精算を他の精算カウンタでスムーズに行うことができる。したがって、効率的な精算処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る振分装置の使用例を示す説明図である。
図2】特定商品(ダミー商品)の一例を示す斜視図である。
図3】特定商品(実物)の保管棚の一例を示す正面図である。
図4】振分装置を備えた振分システムの構成図である。
図5】振分装置で使用されるデータテーブルの一例を示す図である。
図6】振分装置のプロセッサであるCPUの制御によって実施される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図7】実施形態に係る振分処理の一例を示すフローチャートである。
図8】携帯端末での表示例を示す図である。
図9】実施形態における案内ディスプレイの表示例を示す図である。
図10】顧客応対状態の一例を示す説明図である。
図11】第一変形例に係る振分装置の使用例を示す説明図である。
図12】第一変形例における案内ディスプレイの表示例を示す図である。
図13】第二変形例に係る振分処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第二変形例に係る振分装置の使用例を示す説明図である。
図15図14に続く変化状況を示す説明図である。
図16図15に続く変化状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係る振分装置10(図1参照)について説明する。なお、各図面において、後述する応対者は「P」で示す。また、後述する特定商品28を所持する顧客は「C1」で示し、特定商品28を所持しない顧客は「C0」で示す。そして、実施形態の説明において、特定商品28を所持するか否かを特定できない場合、顧客の符号は割愛する。
【0016】
振分装置10は、ドラッグストア等の店舗において、精算待レーン(12、14)に並ぶ顧客に対し、特定商品の有無に応じて精算カウンタ(20、22、24)を選択的に案内することで、精算処理を効率的に行う。これにより、振分装置10は、精算カウンタ(20、22、24)の稼働効率を高め、精算待時間の短縮を可能とする。
【0017】
まず、図1を参照して、振分装置10の使用例について説明する。図1は、実施形態に係る振分装置10の使用例を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、振分装置10は、店舗に設置される。振分装置10が設置される店舗としては、ドラッグストアが挙げられる。ドラッグストアの店舗内には、複数の商品棚26が設けられている(一つの商品棚26のみ図示)。
【0019】
顧客は、商品棚26から商品を選んで、例えば買い物かごに入れて持ち運ぶ。そして、顧客は、精算待レーン(12、14)に並んで精算カウンタ(20、22、24)へ進み、精算カウンタ(20、22、24)で商品の精算を行う。
【0020】
(商品棚)
商品棚26には、特定商品28の陳列棚がある。特定商品28としては、販売時に年齢の確認が必要な酒類又はタバコが挙げられる。また、特定商品28としては、販売時に薬剤師又は登録販売者などの有資格者による説明及び対面販売を要する医薬品が挙げられる。
【0021】
本実施形態における特定商品28は、有資格者による説明及び対面販売を要する第1類医薬品及び第2類医薬品である。商品棚26には、第1類医薬品の箱形状又は第2類医薬品の箱形状のダミー商品が特定商品28として陳列される。
【0022】
なお、本実施形態では、特定商品28が医薬品の場合を例に挙げて説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、特定商品28は、前述した酒類又はタバコであってもよい。
【0023】
(特定商品(ダミー商品))
図2は、ダミー商品である特定商品28の一例を示す斜視図である。
【0024】
図2に示すように、ダミー商品である特定商品28は、第1類医薬品又は第2類医薬品の空箱で構成される。特定商品28には、商品名30及び薬の種類32が記されている。また、特定商品28には、無線タグ34が取付けられている。
【0025】
無線タグ34としては、RFIDタグが用いられる。RFIDタグは、電波を用いて離れた場所からデータを非接触で読み書きすることができるタグである。
【0026】
この無線タグ34には、取り付けられた特定商品28に対応する商品ID36(図5参照)が読み出し可能に記憶されている。なお、無線タグ34は、他の商品にも取り付けられており、無線タグ34には、取り付けられた商品に対応する商品ID36(図5参照)が読み出し可能に記憶されている。
【0027】
(精算待レーン)
図1に示すように、精算待レーンは、第一精算待レーン12と第二精算待レーン14とを含む。各精算待レーン12、14は、例えば精算待の顧客の立ち位置を示す複数の四角印40で構成され、四角印40は、直線を描くように床面に並んで配置される。
【0028】
第一精算待レーン12の先頭部の側部には、第一読取装置42が設置されている。第一読取装置42は、振分装置10に接続される。第一読取装置42は、第一精算待レーン12の先頭部の第一通信エリア44に存在する無線タグ34と無線通信して当該無線タグ34に記憶された商品ID36を読み取る装置であり、読み取った商品ID36を振分装置10へ送る。
【0029】
第二精算待レーン14の先頭部の側部には、第二読取装置46が設置されている。第二読取装置46は、振分装置10に接続される。第二読取装置46は、第二精算待レーン14の先頭部の第二通信エリア48に存在する無線タグ34と無線通信して当該無線タグ34に記憶された商品ID36を読み取る装置であり、読み取った商品ID36を振分装置10へ送る。
【0030】
これにより、振分装置10は、第一通信エリア44内の顧客が所持する商品の商品ID36を第一読取装置42から取得することで、精算カウンタ(20、22、24)に案内する顧客が所持する商品を把握する。また、振分装置10は、第二通信エリア48内の顧客が所持する商品の商品ID36を第二読取装置46から取得することで、精算カウンタ(20、22、24)に案内する顧客が所持する商品を把握する。
【0031】
(精算カウンタ)
各精算待レーン12、14の先には、第一精算カウンタ20、第二精算カウンタ22、及び第三精算カウンタ24が並設されている。第一精算カウンタ20は、第一精算レジ50を備える。第二精算カウンタ22は、第二精算レジ52を備える。第三精算カウンタ24は、第三精算レジ54を備える。
【0032】
各精算レジ50、52、54は、例えば商品に付されたバーコードを読み込んで購入商品を登録する登録機と、登録機に登録された商品の精算を行う精算機とで構成される(図示省略)。なお、登録機と精算機とは、別体であっても、一体であってもよい。
【0033】
各精算レジ50、52、54は、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働するセルフレジ機能と、非セルフレジとして稼働する非セルフレジ機能とを備える。各精算レジ50、52、54は、セルフレジ機能と非セルフレジ機能とを切り替え可能である。
【0034】
セルフレジとは、顧客が自ら商品に付されたバーコードを読み込んで商品を登録した後、顧客が自ら精算操作を行う精算レジである。セミセルフレジとは、店員が商品に付されたバーコードを読み込んで商品を登録した後、顧客が精算操作を行う精算レジである。非セルフレジとは、店員が商品に付されたバーコードを読み込んで商品を登録した後、店員が精算操作を行う精算レジである。
【0035】
各精算レジ50、52、54は、セルフレジ機能が選択された場合、顧客による操作が可能となる一方、店員による操作は不能となる。また、各精算レジ50、52、54は、非セルフレジ機能が選択された場合、顧客による操作は不能となる一方、店員による操作は可能となる。
【0036】
各精算レジ50、52、54は、非セルフレジ機能が選択された場合にレジ操作を可能とする者が予め定められており、レジ操作可能者がレジ操作を行う際には、レジ操作可能者が有する名札のバーコードの入力を要する。各精算レジ50、52、54は、入力されたバーコードによってレジ操作可能者か否かを判断してレジ操作の可否を決める。
【0037】
各精算レジ50、52、54は、振分装置10に接続される。各精算レジ50、52、54は、振分装置10からの信号に従って、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働するセルフレジ機能と、非セルフレジとして稼働可能とするための非セルフレジ機能とに切り替えられる。
【0038】
第一精算カウンタ20の近傍には、第一精算カウンタ20で精算する顧客の待機人数を検出する第一人数カウントセンサ60が設置されている。第二精算カウンタ22の近傍には、第二精算カウンタ22で精算する顧客の待機人数を検出する第二人数カウントセンサ62が設置されている。第三精算カウンタ24の近傍には、第三精算カウンタ24で精算する顧客の待機人数を検出する第三人数カウントセンサ64が設置されている。各人数カウントセンサ60、62、64は、振分装置10に接続される。
【0039】
各人数カウントセンサ60、62、64は、振分装置10からの信号に従って、対応する精算カウンタ(20、22、24)で精算する顧客の待機人数をカウントするか否かの切り替えが可能である。
【0040】
(案内ディスプレイ)
各精算カウンタ20、22、24の近傍には、案内ディスプレイ70が設置されている。案内ディスプレイ70は、各精算待レーン12、14から見える位置に配置されている。案内ディスプレイ70は、振分装置10に接続されており、振分装置10からの信号に従って表示を行う。
【0041】
(保管棚)
第一精算カウンタ20の近くには、保管棚80が設置されている。保管棚80は、ダミー商品である特定商品28に各々対応する実物の特定商品28Rが保管される。
【0042】
図3は、実物の特定商品28Rの保管棚80の一例を示す正面図である。
【0043】
図3に示すように、保管棚80には、実物の特定商品28R毎に分けて保管する六段五列の保管場所82を備える。第一段一列目の保管場所には「82-1-1」、第一段二列目の保管場所には「82-1-2」、第二段一列目の保管場所には「82-2-1」、第二段二列目の保管場所には「82-2-2」の符号を付して表す。
【0044】
各保管場所82の上部には、発光部84が設けられている。各発光部84は、振分装置10からの信号に従って点灯又は消灯する。
【0045】
[概略構成]
次に、図4を参照して、振分システム90の概略構成について説明する。図4は、振分装置10を備えた振分システム90の構成図である。
【0046】
図4に示すように、振分システム90は、前述した振分装置10と、前述した各精算レジ50、52、54(一つの精算レジ50のみ図示)と、管理装置100と、携帯端末102とを備える。振分装置10と各精算レジ50、52、54と管理装置100と携帯端末102とは、回線網104を介して、互いに通信可能に接続される。回線網104は、例えば、インターネットやイントラネットである。
【0047】
(振分装置)
振分装置10は、有線通信又は無線通信を行うための通信部110と、各種演算処理を行う制御部を構成するプロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)112と、各種情報を格納するデータベース及び各種プログラム等を記憶する記憶部124とを備える。また、振分装置10は、CPU112が出力した各種情報を表示する表示部126と、外部からデータ等の入力を行う入力部128とを備える。
【0048】
記憶部124は、メモリ又はハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部124は、振分プログラムを記憶する記憶媒体を構成する。振分装置10は、CPU112が記憶部124に記憶された振分プログラムを実行することで、振分プログラムに従って動作する。
【0049】
振分装置10には、前述した第一人数カウントセンサ60、第二人数カウントセンサ62、及び第三人数カウントセンサ64と、前述した第一読取装置42及び第二読取装置46と、前述した案内ディスプレイ70と、発光部84とが接続されている。
【0050】
振分装置10は、各人数カウントセンサ60、62、64から各精算カウンタ20、22、24で精算する顧客の待機人数を取得する。
【0051】
また、振分装置10は、各読取装置42、46で取得するデータから各精算カウンタ20、22、24に案内する顧客が所持する商品を把握するとともに、取得したデータを管理装置100のデータテーブル166(図5参照)と照合して商品名30等を取得する。
【0052】
また、振分装置10は、各精算待レーン12、14に並んだ顧客に案内する精算カウンタ(20、22、24)を案内ディスプレイ70に表示して報知する。さらに、振分装置10は、所定の発光部84を点灯することで、所定の保管場所82を示す。
【0053】
また、振分装置10は、電子メールを作成するとともに、当該電子メールを、通信部110を介して携帯端末102に送信する。
【0054】
(精算レジ)
各精算レジ50、52、54は、有線通信又は無線通信を行うための通信部130と、各種演算処理を行うプロセッサであるCPU132と、各種情報を格納するデータベース及び各種プログラム等を記憶する記憶部134とを備える。また、各精算レジ50、52、54は、CPU132が出力した各種情報を表示する表示部136と、外部からデータ等の入力を行う入力部138とを備える。さらに、各精算レジ50、52、54は、商品に付されたバーコード等を読み取るスキャナ140と、現金の出し入れやクレジットカードによる精算を行う精算処理部142とを備える。
【0055】
記憶部134は、メモリ又はハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部134は、精算プログラムを記憶する記憶媒体を構成する。
【0056】
各精算レジ50、52、54は、CPU132が記憶部134に記憶された精算プログラムを実行することで、精算プログラムに従って動作する。これにより、各精算レジ50、52、54は、精算レジとして機能する。
【0057】
各精算レジ50、52、54は、商品の値段等を入力部138から入力する。また、各精算レジ50、52、54は、商品に付されたバーコードをスキャナ140で読み込むことによって当該バーコードが示す商品名30や値段などを取得する。そして、各精算レジ50、52、54は、商品の合計金額等を表示部136に表示するとともに、精算処理部142によって精算を行う。
【0058】
(携帯端末)
携帯端末102は、各精算カウンタ20、22、24において顧客と応対する応対者Pが携帯する携帯装置である。
【0059】
応対者Pとしては、販売時に年齢の確認を行う場合には、店員が応対者Pとなる。また、販売時に薬剤師又は登録販売者などの有資格者による説明及び対面販売を要する場合は、有資格者が応対者Pとなる。例えば、販売する医薬品が第1類医薬品の場合には、薬剤師を応対者Pとし、第2類医薬品の場合には、薬剤師及び登録販売者を応対者Pとすることができる。
【0060】
携帯端末102は、スマートデバイスで構成される。スマートデバイスとしては、例えば、タブレット端末、ウェアラブルディスプレイ、又はスマートフォン等が挙げられる。
【0061】
携帯端末102は、無線通信を行うための通信部150と、各種演算処理を行うプロセッサであるCPU152と、各種情報を格納するデータベースや各種プログラム等を記憶する記憶部154と、各種情報を表示する表示部156と、スピーカ158とを備える。
【0062】
記憶部154は、メモリやハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部154は、アプリケーションプログラム等のプログラムを記憶する記憶媒体を構成する。
【0063】
携帯端末102は、CPU152が記憶部154に記憶されたプログラムを実行することで、例えば電子メールを送受信するメール機能を実現する。これにより、携帯端末102は、例えば振分装置10が送信した電子メールを受信して表示部156に表示する。
【0064】
(管理装置)
管理装置100は、管理者が管理する装置である。管理装置100は、有線通信又は無線通信を行うための通信部160と、各種演算処理を行うプロセッサであるCPU162と、各種情報を格納するデータベース及び各種プログラム等を記憶する記憶部164とを備える。管理装置100は、データベースとして後述するデータテーブル166(図5参照)を備える。
【0065】
管理装置100は、例えば、サーバとして機能するコンピュータであるが、クラウド環境に設けられてもよい。つまり、ソフトウェア及びデータベースがその実体である。そのため、管理装置100の設置場所は店舗の内外を問わず、仮想化技術によって実現できる仮想サーバであってもよい。また、回線網104は、いわゆるイントラネットであってもよく、店舗の中に管理装置100が設けられる形態も採用可能である。
【0066】
記憶部164は、メモリ又はハードディスク、その他既知の記憶装置である。記憶部164は、サーバプログラムを記憶する記憶媒体を構成する。この記憶部164に記憶されたサーバプログラムをCPU162が実行することで、管理装置100は、サーバプログラムに従って動作する。
【0067】
また、記憶部164には、後述するデータテーブル166(図5参照)が読み書き可能に記憶される。データテーブル166は、例えば記憶装置の操作権限を有する管理者によって書き換え可能である。また、データテーブル166は、通信部160及び回線網104を介して、振分装置10で読み取り可能である。
【0068】
(データテーブル)
図5は、振分装置10で使用されるデータテーブル166の一例を示す図である。
【0069】
このデータテーブル166には、各無線タグ34に記憶された商品ID36と、商品情報170と、関連情報172とが関連付けられて記憶されている。商品情報170は、商品名30と商品の種類32とを含む。関連情報172は、商品の保管場所82を含む。
【0070】
このデータテーブル166を用いることによって、例えば、無線タグ34から読み出された商品ID36が「A01」の場合、当該無線タグ34が付された商品の商品名30は「薬A」であることが分かる。また、「薬A」の種類32は「風邪薬」、「薬A」は、保管棚80の第一段一列目の保管場所82-1-1に保管されていることが分かる。なお、取得した商品名30から当該商品は、医薬品であること及び当該医薬品が第1類医薬品又は第2類医薬品であることを把握することができる。
【0071】
また、無線タグ34から読み出された商品ID36が「A02」の場合、当該無線タグ34が付された商品の商品名30は「薬B」、「薬B」の種類32は「頭痛薬」、「薬B」は、保管棚80の第二段三列目の保管場所82-2-3に保管されていることが分かる。
【0072】
また、無線タグ34から読み出された商品ID36が「A04」の場合、当該無線タグ34が付された商品の商品名30は「コーラ」、「コーラ」の種類32は「飲料」であることが分かる。なお、商品が医薬品などの特定商品以外の場合、保管場所82のデータは記憶されていない。
【0073】
[機能ブロック]
次に、図6を参照しながら振分装置10の機能について詳しく説明する。
【0074】
図6は、振分装置10のプロセッサであるCPU112の制御によって実施される機能の一例を示す機能ブロック図である。この機能ブロックで示す各機能は、振分装置10のプロセッサであるCPU112の制御によって実現される。
【0075】
なお、図6は振分装置10の機能の一部をブロック図として表したものであり、各ブロックは必ずしも物理的な構成を意味するものではない。
【0076】
また、本実施形態では、振分装置10のCPU112が実施する機能について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、図6に示した各機能の少なくとも一部を振分装置10の他の装置で実施してもよい。
【0077】
図6に示すように、振分装置10は、読取部180と、報知部182と、変更部184と、呼出通知部186と、情報通知部188とを有する。各部の機能は、振分装置10のCPU112が記憶部124から読み込んだ振分プログラムを実行することで実現される。
【0078】
読取部180は、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客が所持する特定商品28に付された無線タグ34のデータを読み取る。
【0079】
具体的に説明すると、振分装置10のCPU112は、第一読取装置42による無線タグ34からの商品ID36の読み取りと、第二読取装置46による無線タグ34からの商品ID36の読み取りとを交互に行う。
【0080】
これにより、CPU112は、第一読取装置42によって第一精算待レーン12に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36を取得する。また、CPU112は、第二読取装置46によって第二精算待レーン14に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36を取得する。
【0081】
報知部182は、読取部180による読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタ(20、22、24)を特定して報知する。
【0082】
具体的に説明すると、振分装置10のCPU112は、第一読取装置42によって無線タグ34からの商品ID36を読み取る。また、CPU112は、第一読取装置42から取得したデータに基づいて、第一精算待レーン12に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36の中に、特定商品28である医薬品を示す商品ID36があるか否かを判断する。
【0083】
第一精算待レーン12に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36の中に特定商品28である医薬品を示す商品ID36がある場合、CPU112は、医薬品を購入する顧客と応対する為の精算カウンタ(20、22、24)を、例えば保管棚80に一番近い第一精算カウンタ20に設定する。そして、CPU112は、第一精算待レーン12に並ぶ先頭の顧客が特定商品28である医薬品を所持する場合、当該顧客に対して第一精算カウンタ20へ進む旨の案内を案内ディスプレイ70に表示する。
【0084】
また、振分装置10のCPU112は、第二読取装置46によって無線タグ34から商品ID36を読み取る。そして、CPU112は、第二読取装置46から取得したデータに基づいて、第二精算待レーン14に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36の中に、特定商品28である医薬品を示す商品ID36があるか否かを判断する。
【0085】
ここで、特定商品28である医薬品に付された無線タグ34を所持する顧客を振り分ける精算カウンタを第一精算カウンタ20として説明する。
【0086】
CPU112は、第二精算待レーン14に並ぶ先頭の顧客が特定商品28である医薬品を所持すると判断した場合、当該顧客に対して第一精算カウンタ20へ進む旨の案内を案内ディスプレイ70に表示する。
【0087】
変更部184は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客を振り分ける精算カウンタに関する機能を、特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客を振り分ける精算カウンタに関する機能から変更する。
【0088】
第一精算カウンタ20が、特定商品28である医薬品を所持しない顧客が振り分ける一般の精算カウンタの機能に設定されている場合、第一精算カウンタ20の機能を、特定商品28である医薬品を所持する顧客が振り分けられる精算カウンタの機能に変更する。なお、他の精算カウンタ22、24の場合も同様とする。
【0089】
特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客を振り分ける精算カウンタの機能から特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客を振り分ける精算カウンタの機能への変更は、例えば次に示す二つの機能変更が挙げられる。振分装置10のCPU112は、次に示す二つの機能変更のうちから選ばれる一以上の機能変更を行う。
【0090】
第一機能変更としては、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働する精算レジを非セルフレジとして稼働させるための機能変更が挙げられる。第二機能変更としては、精算カウンタで精算する顧客の待機人数のカウントを行わない状態から待機人数のカウントを行う状態への機能変更が挙げられる。
【0091】
第一機能変更を行う場合、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働中の第一精算カウンタ20の第一精算レジ50を非セルフレジとして稼働可能とするための機能への変更を許可する。また、第一精算カウンタ20の第一精算レジ50を、当該第一精算カウンタ20で精算する顧客の待機人数のカウントを行わない状態から当該第一精算カウンタ20で精算する顧客の待機人数のカウントを行う状態に機能変更する。
【0092】
呼出通知部186は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客を振り分ける精算カウンタに応対者Pを呼び出すための通知を行う。
【0093】
具体的に説明すると、第一精算カウンタ20が特定商品28である医薬品を所持する顧客が振り分けられる精算カウンタであって、当該第一精算カウンタ20に特定商品28を購入する顧客に対して応対する応対者Pがいない場合、応対者Pを呼び出すための通知を行う。
【0094】
通知する応対者Pとしては、医薬品の対面販売が可能な有資格者が挙げられる。医薬品が第1医薬品の場合、通知する応対者Pは薬剤師とする。また、医薬品が第2医薬品の場合、通知する応対者Pは薬剤師又は販売登録者とすることができる。
【0095】
応対者Pを呼び出すための通知としては、例えば電子メールが用いられる。振分装置10のCPU112は、応対者Pが携帯する携帯端末102に対して当該第一精算カウンタ20へ出向くように電子メールを送信する。
【0096】
情報通知部188は、精算カウンタに呼び出す応対者Pに対して、特定商品28の商品情報170又は当該商品情報170に関連付けられる関連情報172を通知する。
【0097】
具体的に説明すると、振分装置10のCPU112は、精算カウンタに呼び出す応対者Pが携帯する携帯端末102に対して電子メールを送信する。この際、CPU112は、当該電子メールに特定商品28の商品情報170又は当該商品情報170に関連付けられる関連情報172を付加して送信する。
【0098】
付加する特定商品28の商品情報170は、例えば無線タグ34から得られた商品ID36に関連付けられた商品名30である医薬品の名称及び当該医薬品の種類32が挙げられる。また、付加する関連情報172は、例えば無線タグ34から得られた商品ID36に関連付けられた商品の保管場所82が挙げられる。
【0099】
[動作説明]
次に、振分装置10の動作を、図7から図10を用いるとともに、振分装置10のプロセッサであるCPU112が実行する処理手順に従って説明する。なお、CPU112が、この処理手順を実行することで、振分方法が実施される。
【0100】
図7は、実施形態に係る振分処理の一例を示すフローチャートである。図8は、携帯端末102での表示例を示す図である。図9は、実施形態における案内ディスプレイ70の表示例を示す図である。図10は、顧客応対状態の一例を示す説明図である。
【0101】
図7に示すように、振分装置10のプロセッサであるCPU112は、記憶部124に記憶された振分プログラムに従って振分処理を実行する。
【0102】
振分処理を開始すると、CPU112は、各人数カウントセンサ60、62、64からデータを取得して各精算カウンタ20、22、24で精算する顧客の待機人数を検出し、待機人数が「0」の精算カウンタがあるか否かを判断する(ステップS1)。ステップS1において、待機人数が「0」の精算カウンタが無い場合には、ステップS1の判断を繰り返す。
【0103】
一方、ステップS1において、待機人数が「0」の精算カウンタが有ると判断した場合(図1参照)、CPU112は、第一読取装置42及び第二読取装置46よる無線タグ34からの商品ID36の読み取りを交互に行う(ステップS2)。
【0104】
第一読取装置42による読み取りと第二読取装置46による読み取りとを交互に行う方法としては、例えば記憶部124に設定された読取フラグを、読み取りを行う毎に「1」又は「0」に入れ替える。そして、例えば読取フラグが「0」の場合、CPU112は、第一読取装置42による読み取りを行った後、読取フラグを「1」にする。また、読取フラグが「1」の場合、CPU112は、第二読取装置46による読み取りを行った後、読取フラグを「0」にする。
【0105】
ステップS2において、読取フラグが「0」の場合、CPU112は、第一読取装置42による読み取りを行う。これにより、CPU112は、第一読取装置42によって第一精算待レーン12に並ぶ先頭の顧客が所持する商品の商品ID36を取得する。
【0106】
CPU112は、管理装置100と通信して管理装置100の記憶部164に記憶されたデータテーブル166を取得し、データテーブル166に基づいて第一読取装置42から取得した商品ID36に対応する商品名30を取得する(ステップS3)。そして、CPU112は、取得した商品名30に医薬品が含まれるか否を判断する(ステップS4)。
【0107】
第一読取装置42で読み取った商品ID36の中に「A02」が含まれる場合を例に挙げて説明する。CPU112は、データテーブル166から「A02」に関連付けられた商品情報170である商品名「薬B」を取得する。この商品名は、「薬B」であり、医薬品であることが分かる。なお、CPU112は、データテーブル166から「A02」に関連付けられた商品情報170の種類32である「頭痛薬」と、関連情報172の保管場所82である「第二段三列目」とを取得する。
【0108】
ステップS4において、取得した商品名30に医薬品が含まれると判断した場合、CPU112は、特定商品28である医薬品を所持する顧客が振り分けられる精算カウンタを薬用カウンタとして設定する(ステップS5)。
【0109】
具体的に説明すると、CPU112は、薬用カウンタ及び一般用カウンタに設定可能な精算カウンタを記憶する記憶部124のカウンタ変更記憶領域の内容に従って、薬用カウンタを設定する。
【0110】
なお、カウンタ変更記憶領域には、第一精算カウンタ20を薬用カウンタに設定可能とするとともに、第二精算カウンタ22及び第三精算カウンタ24を一般用カウンタとする旨が初期値として記憶されているものとして説明する。また、カウンタ変更記憶領域への書き込みについては後述する。
【0111】
CPU112は、保管棚80に近い第一精算カウンタ20を薬用カウンタとして設定する。また、CPU112は、後述するように薬用カウンタを複数設定する際には、第二精算カウンタ22、第三精算カウンタ24の順に薬用カウンタとして設定する。
【0112】
そして、CPU112は、通知情報を作成する(ステップS6)。
【0113】
すなわち、CPU112は、薬用カウンタに設定された第一精算カウンタ20に応対者Pを呼び出すための呼出文190(図8参照)を有する電子メールを作成する。この電子メールには、応対者Pに通知する特定商品28である医薬品の商品情報170を示す商品情報文192(図8参照)と、当該商品情報170に関連付けられる関連情報172を示す関連情報文194(図8参照)とが追加される。
【0114】
具体的に説明すると、呼出文190は「第一精算カウンタにお越しください。」という文章が挙げられる。商品情報文192としては、「薬B、頭痛薬の対面受渡と説明をお願いします。」という文章が挙げられる。関連情報文194としては、「薬Bは、保管棚の第二段三列目に保管されています。」という文章が挙げられる。
【0115】
ここで、CPU112は、電子メールに関連情報文194を追加する際に、保管棚80の発光部84に制御信号を送信し、保管棚80の第二段三列目の発光部84を発光させる。これにより、CPU112は、点灯した発光部84によって薬Bの保管場所82-2-3を応対者Pに知らせる。
【0116】
次に、CPU112は、呼出処理を実行する(ステップS7)。この呼出処理は、ステップS6で作成した電子メールを、精算カウンタに呼び出す応対者Pが携帯する携帯端末102に設定されたメールアドレス宛に送信する。
【0117】
電子メールの送り先であるメールアドレスは、ステップS3で取得した商品名30の医薬品の説明及び対面販売が可能な薬剤師に付与されたメールアドレスである。
【0118】
なお、本実施形態では、電子メールを薬剤師のメールアドレス宛に送信する場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ステップS3で取得した商品名30の医薬品が、第1類医薬品の場合には電子メールを薬剤師のメールアドレス宛に送信する一方、第2類医薬品の場合には薬剤師又は登録販売者のメールアドレス宛に送信してもよい。
【0119】
図8に示すように、このメールを受信した携帯端末102の表示部156には、第一精算カウンタ20に呼び出された旨の呼出文190が表示される。また、携帯端末102の表示部156には、特定商品28である医薬品の商品情報170を示す商品情報文192と、当該商品情報170に関連付けられる関連情報172を示す関連情報文194とが表示される。
【0120】
具体的に説明すると、携帯端末102の表示部156には、呼出文190として「第一精算カウンタにお越しください。」が表示される。商品情報文192として「薬B、頭痛薬の対面受渡と説明をお願いします。」という文章が表示される。関連情報文194として「薬Bは、保管棚の第二段三列目に保管されています。」という文章が表示される。
【0121】
このメールを受信した応対者Pは、携帯端末102の表示部156に表示された呼出文190に従って第一精算カウンタ20に出向く。このとき、応対者Pは、第一精算カウンタ20で受渡を行う「薬B」の保管場所82-2-3を知得している。
【0122】
このため、応対者Pは、保管棚80の第二段三列目から薬Bを取り出して第一精算カウンタ20へ持って行くことができる。また、保管棚80では、薬Bが保管された第二段三列目の保管場所82-2-3の発光部84が点灯している。このため、薬Bの取り出しを容易に行うことができる。
【0123】
次に、CPU112は、第一精算待レーン12の先頭に並ぶ顧客を薬用カウンタに設定された第一精算カウンタ20に案内する旨を案内ディスプレイ70に表示する(ステップS8)。
【0124】
図9に示すように、案内ディスプレイ70には、「第一精算待レーンの1番目の方は、第一精算カウンタにお進み下さい。」と表示される。
【0125】
図10に示すように、この表示を見た第一精算待レーン12の先頭に並ぶ顧客C1は、薬用カウンタに設定された第一精算カウンタ20へ進む。
【0126】
そして、CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタの機能を、特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客C0を振り分ける精算カウンタの機能から変更する(ステップS9)。
【0127】
この機能変更は、第一機能変更として、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働する精算レジを非セルフレジとして稼働させるための機能変更が挙げられる。また、第二機能変更としては、精算カウンタで精算する顧客C1の待機人数のカウントを行わない状態から待機人数のカウントを行う状態への機能変更が挙げられる。
【0128】
第一機能変更を行う際にCPU112は、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働中の第一精算カウンタ20の第一精算レジ50を非セルフレジとして稼働させるための機能変更を許可する為の信号を第一精算レジ50へ送信する。
【0129】
すると、第一精算レジ50は、呼び出された応対者Pが第一精算レジ50を操作するとともに、応対者Pが有する名札のバーコードを第一精算レジ50に入力することで、第一精算レジ50を、非セルフレジとして稼働開始させる。
【0130】
これにより、第一精算カウンタ20に案内された顧客C1は、第一精算カウンタ20の応対者Pである薬剤師から薬Bの説明を受けるとともに、所持するダミー商品である特定商品28と引き換えに実物の特定商品28Rである薬Bを薬剤師から受け取ることができる。
【0131】
また、第二機能変更を行う際にCPU112は、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数のカウントを行わない状態から待機人数のカウントを行う状態に機能変更するための信号を、第一人数カウントセンサ60に送信する。
【0132】
すると、第一人数カウントセンサ60は、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数のカウントを開始する。
【0133】
そして、CPU112は、第一人数カウントセンサ60によって薬用カウンタに設定された第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数を取得して例えば記憶部124に確保された記憶領域nに記憶する(ステップS10)。
【0134】
なお、薬用カウンタに設定されてない各精算カウンタ22、24の待機人数が「0」の場合、ステップS1において、各精算待レーン12、14に並ぶ特定商品28を所持した顧客C1が第一精算カウンタ20に案内されることがあり、記憶領域nの値は、1以上になり得る。
【0135】
次に、CPU112は、記憶領域nの値がN1以上であるか否かを判断する(ステップS11)。ステップS11において、記憶領域nの値がN1以上の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数が予め定めた閾値であるN1以上である。このため、CPU112は、第一精算カウンタ20、第二精算カウンタ22、及び第三精算カウンタ24を薬用カウンタに設定可能とする旨を記憶部124のカウンタ変更記憶領域に記憶して(ステップS12)、ステップS1へ移行する。
【0136】
具体的に説明すると、N1が「5」の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数が5人以上である。このように特定商品28を所持する顧客C1が多い場合には、第一精算カウンタ20、第二精算カウンタ22、及び第三精算カウンタ24は、薬用カウンタに設定可能となる。
【0137】
ステップS11において記憶領域nの値がN1未満の場合、CPU112は、記憶領域nの値がN2以上N1未満であるか否かを判断する(ステップS13)。ここで、N2は、N1よりも数の小さな値である。
【0138】
ステップS13において、記憶領域nの値がN2以上N1未満の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数が予め定めた閾値であるN2以上N1未満である。このため、CPU112は、第一精算カウンタ20及び第二精算カウンタ22を薬用カウンタに設定可能とし、第三精算カウンタ24を一般用カウンタとする旨を記憶部124のカウンタ変更記憶領域に記憶して(ステップS14)、ステップS1へ移行する。
【0139】
具体的に説明すると、N1が「5」でN2が「3」の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数が3人以上5人未満である。このように特定商品28を所持する顧客が比較的多い場合には、第一精算カウンタ20及び第二精算カウンタ22は、薬用カウンタに設定可能となり、第三精算カウンタ24は、一般用カウンタに設定可能となる。
【0140】
ステップS13において記憶領域nの値がN1を超えるか記憶領域nの値がN2未満の場合、具体的には、記憶領域nの値がN2未満の場合、CPU112は、記憶領域nの値が「0」を超えるN2未満であるか否かを判断する(ステップS15)。
【0141】
ステップS15において、記憶領域nの値が0を超えるとともにN2未満の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数が「1」以上の予め定めた閾値であるN2未満である。このため、CPU112は、第一精算カウンタ20を薬用カウンタに設定可能とし、第二精算カウンタ22及び第三精算カウンタ24を一般用カウンタとする旨を記憶部124のカウンタ変更記憶領域に記憶して(ステップS16)、ステップS1へ移行する。
【0142】
具体的に説明すると、N2が「3」の場合、第一精算カウンタ20で精算する顧客の待機人数が1人以上3人未満である。このように特定商品28を所持する顧客が比較的少ない場合には、第一精算カウンタ20は、薬用カウンタに設定可能となり、第二精算カウンタ22及び第三精算カウンタ24は、一般用カウンタに設定可能となる。
【0143】
ステップS15において、記憶領域nの値がN2を超えるか「0」以下の場合、具体的には記憶領域nの値が「0」以下の場合、CPU112は、各精算カウンタ20、22、24を一般用カウンタに設定可能とする旨を記憶部124のカウンタ変更記憶領域に記憶する(ステップS17)。そして、CPU112は、ステップS1から処理を続ける。
【0144】
具体的に説明すると、第一精算カウンタ20で精算する顧客の待機人数は「0」である。このように特定商品28を所持する顧客C1がいない場合には、第一精算カウンタ20、第二精算カウンタ22、及び第三精算カウンタ24は、一般用カウンタに設定可能となる。
【0145】
このように、CPU112は、第一精算カウンタ20の待機人数に応じて薬用カウンタに設定される精算カウンタの数を変動する。これにより、CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客を振り分ける精算カウンタの数を、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客の数に応じて定めることができる。
【0146】
なお、一般カウンタから薬用カウンタへの設定変更は、前述したステップS5において、カウンタ変更記憶領域の記憶内容に従って行われる。また、薬用カウンタから一般カウンタへの設定変更は、各ステップS14、S16、S17で行ってもよい。
【0147】
一方、前述したステップS4において、取得した商品名30に医薬品が含まれないと判断した場合、CPU112は、一般用カウンタに設定された各精算カウンタ22、24に、第一精算待レーン12の先頭に並ぶ顧客C0を案内する旨を案内ディスプレイ70に表示する(ステップS18)。すると、案内ディスプレイ70には、例えば「第一精算待レーンの1番目の方は、第二精算カウンタにお進み下さい。」と表示される(図示省略)。
【0148】
そして、CPU112は、前述したステップS10以降の処理を行う。
【0149】
(作用及び効果)
以上のように構成された振分装置10の主な作用効果についてまとめて説明する。
【0150】
本実施形態の振分装置10は、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客を複数の精算カウンタ(20、22、24)に振り分ける振分装置10である。振分装置10は、制御部であるCPU112を備える。CPU112は、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客が所持する特定商品28に付された無線タグ34のデータを読み取り、読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタを特定して報知する。CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタに関する機能を、特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客C0を振り分ける精算カウンタ用の機能から特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する。
【0151】
これによれば、制御部であるCPU112は、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客が所持する特定商品28に付された無線タグ34を第一読取装置42及び第二読取装置46を介して読み取る。この無線タグ34を読み取る読取技術を用いることによって、顧客が各精算待レーン12、14に並んだ段階において、離れた位置から対象となる顧客が特定商品28を所持するか否かの判別が可能となる。
【0152】
また、CPU112は、各読取装置42、46の読み取り結果に基づいて顧客を振り分ける精算カウンタ(20)を特定して報知する。これにより、各精算待レーン12、14に並んだ段階で判別した特定商品28を所持する顧客C1を、所定の精算カウンタ(20)に案内することが可能となる。このとき、例えば特定商品28を販売する応対者Pが配置される精算カウンタ(20)を案内先とすることで、特定商品28の販売及び精算をスムーズに行うことができる。
【0153】
さらに、CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ(20)の機能を、特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客C0を振り分ける精算カウンタ用の機能から特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ用の機能に変更する。このため、特定商品28を所持した顧客C1が案内される精算カウンタ(20)は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ(20)の機能に変更されるので、特定商品28に対応した処理が可能となる。
【0154】
このように、特定商品28を所持する顧客C1と所持しない顧客C0とが各精算待レーン12、14に並んでいる場合であっても、特定商品28を所持する顧客C1を所定の精算カウンタ(20)に案内することで、特定商品28以外の商品の精算を他の精算カウンタ(22、24)でスムーズに行うことができる。したがって、効率的な精算処理が可能となる。
【0155】
また、本実施形態の振分装置10において、CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ(20)に応対者Pを呼び出すための通知を行う。
【0156】
これによれば、特定商品28を所持する顧客C1が案内される精算カウンタ(20)に、例えば応対者Pがいない場合であっても、当該精算カウンタ(20)に応対者Pを呼び出すことができる。これにより、特定商品28の精算処理をスムーズに行うことが可能となる。
【0157】
特に、特定商品28が販売時に対面受渡及び説明を要する医薬品の場合、応対者Pとして薬剤師等を呼び出すことによって、薬剤師等によって医薬品の対面受渡及び説明が可能となる。
【0158】
また、本実施形態の振分装置10において、CPU112は、精算カウンタ(20)に呼び出す応対者Pに対して、特定商品28の商品情報170又は当該商品情報170に関連付けられる関連情報172を通知する。
【0159】
これによれば、精算カウンタ(20)に呼び出される応対者Pは、精算カウンタ(20)に出向く前に特定商品28の商品情報170又は関連情報172を知ることができる。このため、応対者Pは、精算カウンタ(20)に出向く前に顧客C1と応対する為の準備を行うことができる。
【0160】
また、本実施形態の振分装置10において、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客C1が所持する特定商品28はダミー商品であり、関連情報172は実物の特定商品28Rの保管場所82-2-3を含む。
【0161】
これによれば、応対者Pは、関連情報172として通知された実物の特定商品28Rの保管場所82-2-3から実物の特定商品28Rを取得することができる。また、顧客C1は、案内された精算カウンタ(20)において、例えば所持するダミー商品である特定商品28と引き換えに実物の特定商品28Rを受け取ることができる。
【0162】
特に、特定商品28が販売時に対面受渡及び説明を要する医薬品の場合、顧客C1に医薬品の実物を引き渡す際に、薬剤師等が顧客C1に必要な説明を確実に行うことができる。
【0163】
また、本実施形態の振分装置10において、特定商品28に付された無線タグ34を所持しない顧客C0を振り分ける精算カウンタ用の機能から特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタ用の機能への変更は、セミセルフレジ又はセルフレジとして稼働する精算レジを非セルフレジとして稼働可能とするための機能変更、及び当該精算カウンタで精算する顧客C1の待機人数のカウントを行うか否かの機能変更のうちから選ばれる一以上の変更を含む。
【0164】
これによれば、特定商品28を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタ(20)の精算レジ(50)がセミセルフレジ又はセルフレジとして稼働していた場合であっても、応対者Pが操作する非セルフレジとして稼働可能とすることができる。
【0165】
あるいは、特定商品28を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタとして設定された精算カウンタ(20)において、精算する顧客C1の待機人数のカウントを行うことができる。これにより、特定商品28を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタ(20)において、精算する顧客C1の待機人数をカウントすることができるので、当該精算カウンタ(20)の混雑状態の把握が可能となる。
【0166】
また、本実施形態の振分装置10において、CPU112は、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1を振り分ける精算カウンタの数を、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1の数に応じて定める。
【0167】
これによれば、特定商品28を所持する顧客C1の数が多い場合には、特定商品28を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタの数を増やすことができる。このため、特定商品28を所持する顧客C1が多い場合であっても、特定商品28を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタの数を増やすことができず、顧客C1が振り分けられない精算カウンタ(22、24)に空が生じ得る場合と比較して、精算カウンタ(22、24)の稼働率を高めることができる。
【0168】
<第一変形例>
次に、図11及び図12を用いて、実施形態の第一変形例に係る振分装置200について説明する。
【0169】
第一変形例に係る振分装置200は、各精算待レーン12、14に並ぶ複数の顧客に対して、無線タグ34の読み取りを行う点が異なり、前述した振分装置10と異なる部分についてのみ説明する。
【0170】
図11は、第一変形例に係る振分装置200の使用例を示す説明図である。
【0171】
この振分装置200には、第一精算待レーン12の第一番目の立ち位置210を通信エリアとする第一読取装置212と、第二番目の立ち位置214を通信エリアとする第二読取装置216とが接続されている。また、振分装置200には、第二精算待レーン14の第一番目の立ち位置220を通信エリアとする第三読取装置222と、第二番目の立ち位置224を通信エリアとする第四読取装置226とが接続されている。
【0172】
振分装置200のプロセッサであるCPU112は、各読取装置212、216、222、226を介して、各精算待レーン12、14に並ぶ複数の顧客に対して、所持する商品に付された無線タグ34から商品ID36を取得する。これにより、CPU112は、特定商品28を所持する顧客を把握する。そして、CPU112は、特定商品28を所持する顧客に対して、精算する精算カウンタ(20、22、24)を顧客が位置する各精算待レーン12、14の先頭からの順番と共に報知する。
【0173】
その一例について説明すると、CPU112は、前述した振分処理を四回繰り返す。この繰り返し処理において、CPU112は、各読取装置212、216、222、226による無線タグ34からの読み取り処理を順番に行う。この繰り返し処理で行う各振分処理において、CPU112は、各顧客に対して精算する精算カウンタ(20、22、24)の案内は行わず、各顧客が精算する精算カウンタ(20、22、24)を各顧客に関連付けて記憶部124に記憶する。
【0174】
具体的に説明すると、CPU112は、第一精算待レーン12の1番目の顧客C1が特定商品28を所持すると判断した場合、第一精算待レーン12の1番目の顧客C1を第一精算カウンタ20に案内する旨を記憶部124に記憶する。また、CPU112は、第二精算待レーン14の1番目の顧客C0が特定商品28を所持しないと判断した場合、第二精算待レーン14の1番目の顧客C0を第二精算カウンタ22に案内する旨を記憶部124に記憶する。
【0175】
また、CPU112は、第一精算待レーン12の2番目の顧客C0が特定商品28を所持しないと判断した場合、第一精算待レーン12の2番目の顧客C0を第三精算カウンタ24に案内する旨を記憶部124に記憶する。また、CPU112は、第二精算待レーン14の2番目の顧客C0が特定商品28を所持しないと判断した場合、第二精算待レーン14の2番目の顧客C0を第二精算カウンタ22に案内する旨を記憶部124に記憶する。
【0176】
そして、CPU112は、前述の繰り返し処理を終了した際に、記憶部124の記憶内容に基づいて、各顧客が精算する精算カウンタ(20、22、24)を案内する案内文を作成して、案内ディスプレイ70に送信する。これにより、案内文は、案内ディスプレイ70の同一画面に同時に表示される。その表示について図12を用いて説明する。
【0177】
図12は、第一変形例における案内ディスプレイ70の表示例を示す図である。
【0178】
図12に示すように、案内ディスプレイ70には、第一案内表示230である「第一精算待レーンの1番目の方は、第一精算カウンタにお進み下さい。」が表示される。また、案内ディスプレイ70には、第二案内表示232である「第二精算待レーンの1番目の方は、第二精算カウンタにお進み下さい。」が表示され、第三案内表示234である「第一精算待レーンの2番目の方は、第三精算カウンタにお進みください。」が表示される。さらに、案内ディスプレイ70には、第三案内表示236である「第二精算待レーンの2番目の方は、第二精算カウンタにお進み下さい。」が表示される。
【0179】
これにより、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客に対して、精算するカウンタを示す精算カウンタを当該顧客が位置する各精算待レーン12、14の先頭からの順番と共に報知される。
【0180】
(作用及び効果)
第一変形例の振分装置200において、制御部であるCPU112は、各精算待レーン12、14に並ぶ複数の顧客に対して特定商品28に付された無線タグ34の読み取りを行い、特定商品28に付された無線タグ34を所持する顧客C1に対して、精算する精算カウンタ(20、22、24)を当該顧客が位置する各精算待レーン12、14の先頭からの順番と共に報知する。
【0181】
これによれば、各精算待レーン12、14に並ぶ複数の顧客に対して、特定商品28の所持状況を個別に把握することができる。
【0182】
そして、精算するカウンタを示す精算カウンタ(20、22、24)を、複数の顧客に対して同時に報知することができる。このため、精算するカウンタを示す精算カウンタ(20、22、24)を各精算待レーン12、14に並ぶ先頭の顧客のみに報知する場合と比較して、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客の数を減らすことができる。これにより、例えば売り場を広く使用することが可能となる。
【0183】
<第二変形例>
次に、図13から図15を用いて、実施形態の第二変形例に係る振分装置300(図14参照)について説明する。
【0184】
第二変形例に係る振分装置300は、実施形態の図7のフローチャートと比較してステップS1の処理が削除された点が大きく異なり、実施形態の振分装置10と異なる部分についてのみ説明する。
【0185】
図13は、第二変形例に係る振分処理の一例を示すフローチャートである。図14は、第二変形例に係る振分装置300の使用例を示す説明図である。図15は、図14に続く変化状況を示す説明図である。図16は、図15に続く変化状況を示す説明図である。
【0186】
図13に示すように、第二変形例に係る振分装置300の振分処理は、図7に示した実施形態の振分装置10の振分処理と比較して、待機人数が「0」の精算カウンタ(20、22、24)の有無に関わらず、ステップS2以降の処理を行う。このため、各精算カウンタ20、22、24には、複数の顧客が並ぶ場合がある。
【0187】
また、第二変形例に係る振分装置300の振分処理において、CPU112は、例えば第一精算カウンタ20を薬用カウンタとして設定した後に(ステップS5)、案内ディスプレイ70の表示によって対象となる顧客を第一精算カウンタ20に案内する(ステップS100)。
【0188】
具体的に説明すると、振分装置10のCPU112が記憶部124に記憶された振分プログラムに従って振分処理を開始すると、CPU112は、各読取装置42、46よる無線タグ34からの商品ID36の読み取りを交互に行う(ステップS2)。
【0189】
そして、CPU112は、データテーブル166に基づいて読み取った商品ID36に対応する商品名30を取得し(ステップS3)、取得した商品名30に医薬品が含まれるか否を判断する(ステップS4)。
【0190】
ステップS4において、取得した商品名30に医薬品が含まれると判断した場合、CPU112は、特定商品28である医薬品を所持する顧客C1が振り分けられる精算カウンタを薬用カウンタとして設定する(ステップS5)。そして、CPU112は、案内ディスプレイ70の表示によって対象となる顧客C1を第一精算カウンタ20に案内する(ステップS100)。
【0191】
ここで、この第二変形例では、待機人数が「0」の精算カウンタ(20、22、24)の有無に関わらず、顧客を精算カウンタ(20、22、24)に案内する。このため、特定商品28を所持する顧客C1の第一精算カウンタ20への案内を開始する際に、第一精算カウンタ20に特定商品28を所持しない顧客C0が並んでいる場合がある(図14参照)。
【0192】
第一精算カウンタ20に特定商品28を所持しない顧客C0が並んでいる状態で、応対者Pの呼出及び第一精算カウンタ20の機能変更処理を行うとする。この場合、応対者Pは、先行する特定商品28を所持しない顧客C0が特定商品28を所持する顧客C1であると間違える虞がある。
【0193】
このため、ステップS6で通知情報を作成する際にCPU112は、第一人数カウントセンサ60から第一精算カウンタ20で精算する顧客C1の待機人数を取得する。そして、CPU112は、待機人数が「0」になった際に通知情報を作成して(ステップS6)、応対者Pの呼出処理(ステップS7)、カウンタの機能変更処理(ステップS9)等を行う。なお、ステップS10以降は、前述と同じ処理なので説明を割愛する。
【0194】
これにより、CPU112は、一般用カウンタを薬用カウンタに変更する際には、薬用カウンタに設定される精算カウンタ(20)での待機人数に応じて応対者Pの呼出処理及びカウンタの機能変更処理を遅延させることができる。なお、薬用カウンタを一般用カウンタに変更する際には、待機人数に関わらず、薬用カウンタを一般用カウンタに変更するものとする。
【0195】
そして、特定商品28を所持する顧客C1が第一精算カウンタ20で精算するタイミングに合わせて応対者Pが呼び出され、カウンタの機能が変更される。このため、例えば、応対者Pが特定商品28を所持しない顧客C0に応対してしまうといった無駄を省くことが可能となる。
【0196】
図14には、第一精算カウンタ20に、特定商品28を所持しない顧客C0、特定商品28を所持しない顧客C0、特定商品28を所持する顧客C1の順に並んだ状態が示されている。第一精算カウンタ20は、当該第一精算カウンタ20に特定商品28を所持する顧客C1を案内した際に薬用カウンタに設定されている(ステップS5参照)。そして、第一精算カウンタ20は、薬用カウンタに設定されている間において、特定商品28を所持する顧客C1が第一精算カウンタ20に案内される(ステップS100参照)。
【0197】
第二精算カウンタ22及び第三精算カウンタ24には、特定商品28を所持しない二名の顧客C0がそれぞれ並んでいる。また、各精算待レーン12、14の先頭には、それぞれ特定商品28を所持しない顧客C0が並んでいる。
【0198】
第二変形例に係る振分装置300の振分処理では、待機人数が「0」の精算カウンタ(20、22、24)の有無に関わらず、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客が順番に各精算カウンタ20、22、24に案内される。
【0199】
このため、図14から図15に示すように、第一精算待レーン12の先頭の顧客C0は、例えば第二精算カウンタ22に案内され(ステップS18参照)、第一精算待レーン12の先頭には、特定商品28を所持した顧客C1が並ぶ。第二精算待レーン14の先頭の顧客C0は、例えば第三精算カウンタ24に案内され(ステップS18参照)、第二精算待レーン14の先頭には、特定商品28を所持しない顧客C0が並ぶ。
【0200】
そして、図16に示すように、特定商品28を所持する顧客C1が、第一精算待レーン12の先頭に並んだ際には、当該顧客C1は、第一精算カウンタ20に案内される(ステップS100参照)。
【0201】
(作用及び効果)
第二変形例の振分装置300では、待機人数が「0」の精算カウンタ(20、22、24)の有無に関わらず、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客を各精算カウンタ20、22、24に案内することができる。このため、各精算待レーン12、14に並ぶ顧客の数を減らすことができるので、売り場を広く使用することが可能となる。
【0202】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0203】
上記実施形態では、データテーブル166が管理装置100の記憶部164に記憶されている場合について説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、データテーブル166は、振分装置10、200、300の記憶部124に記憶しておいてもよい。
【0204】
この振分システム90の各種プログラムは、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体に記憶されたものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0205】
10、200、300 振分装置
12 第一精算待レーン
14 第二精算待レーン
20 第一精算カウンタ
22 第二精算カウンタ
24 第三精算カウンタ
26 商品棚
28 特定商品
28R 特定商品
30 商品名
32 種類
34 無線タグ
40 四角印
42 第一読取装置
44 第一通信エリア
46 第二読取装置
48 第二通信エリア
50 第一精算レジ
52 第二精算レジ
54 第三精算レジ
60 第一人数カウントセンサ
62 第二人数カウントセンサ
64 第三人数カウントセンサ
70 案内ディスプレイ
80 保管棚
82 保管場所
84 発光部
90 振分システム
100 管理装置
102 携帯端末
104 回線網
110 通信部
112 CPU
124 記憶部
126 表示部
128 入力部
130 通信部
134 記憶部
136 表示部
138 入力部
140 スキャナ
142 精算処理部
150 通信部
154 記憶部
156 表示部
158 スピーカ
160 通信部
164 記憶部
166 データテーブル
170 商品情報
172 関連情報
180 読取部
182 報知部
184 変更部
186 呼出通知部
188 情報通知部
190 呼出文
192 商品情報文
194 関連情報文
210、214、220、224 立ち位置
212 第一読取装置
216 第二読取装置
222 第三読取装置
226 第四読取装置
230 第一案内表示
232 第二案内表示
234 第三案内表示
236 第三案内表示
C0 顧客(特定商品所持無)
C1 顧客(特定商品所持有)
P 応対者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16