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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000021
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】空気除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20231225BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20231225BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231225BHJP
【FI】
A61L9/20
F24F8/22
F24F8/80 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098529
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大塚 観月
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH19
4C180LL15
(57)【要約】
【課題】 商品性を高めることが可能な空気除菌装置を提供する。
【解決手段】 空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体20と、除菌室25の中に紫外線を照射する光源50と、筐体20の中に設けられ、吸気口23から吸い込んだ空気を除菌室25に送り出すファン30と、ファン30が吐き出す空気を除菌室25側に向かわせるための案内手段としてのガイドリブ82とを備えているものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体と、
前記除菌室の中に紫外線を照射する光源と、
前記筐体の中に設けられ、前記吸気口から吸い込んだ空気を前記除菌室に送り出すファンと、
前記ファンが吐き出す空気を前記除菌室側に向かわせるための案内手段とを備えていることを特徴とする空気除菌装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記ファンを挟んで互いに対向する第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを繋ぐ曲面状の第3壁部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の空気除菌装置。
【請求項3】
前記ファンを保持するファン保持部を備え、
前記ファン保持部は、前記ファンに備えられる台座部を位置決めするための位置決め部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の空気除菌装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の空気除菌装置は、空気が吸い込まれる吸気口、吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための内部空間(除菌室)、及び内部空間で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体と、内部空間に配設された紫外線照射部と、筐体の下方側に設けられ、吸気口から吸い込んだ空気を内部空間に送り出すファンを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-103032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の空気除菌装置の場合、上述の内部空間には紫外線照射部のみが配置されているだけであるため、ファンから吐き出される空気は内部空間の四方八方へと概ね行き渡ることになり、その結果、場合によっては排気口に送り出される空気の流量が低下することが考えられ、商品性を損ねる原因となっていた。
本発明は、前述の課題に対して対処するため、商品性を高めることが可能な空気除菌装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体と、前記除菌室の中に紫外線を照射する光源と、前記筐体の中に設けられ、前記吸気口から吸い込んだ空気を前記除菌室に送り出すファンと、前記ファンが吐き出す空気を前記除菌室側に向かわせるための案内手段とを備えていることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記案内手段は、前記ファンを挟んで互いに対向する第1壁部及び第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを繋ぐ曲面状の第3壁部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記ファンを保持するファン保持部を備え、前記ファン保持部は、前記ファンに備えられる台座部を位置決めするための位置決め部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、商品性を高めることが可能な空気除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態による空気除菌装置の正面図。
図2】同実施形態による空気除菌装置の分解斜視図。
図3図1のA-A断面図。
図4】同実施形態による光源と基板と第1の反射板とを示す断面図。
図5】同実施形態によるファンがファンケーシングに取り付けられた状態を模式的に示す断面図。
図6】同実施形態による制御基板と外装カバーの一部と筐体の一部とを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
空気除菌装置Sは、図1図2に示すように、外装カバー10と、筐体20と、ファン30と、基板としての光源基板40と、光源50と、第1紫外線漏れ抑制部60と、第2紫外線漏れ抑制部70と、ファンケーシング80と、制御基板90とを備える。
【0012】
外装カバー10は、筐体20を覆うように筐体20の外側に設けられ、略直方体形状に形成されている。具体的には、外装カバー10は、図1の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。図1及び図2に、高さ方向をDh、幅方向をDw、奥行き方向をDdで示した。以下で用いる「高さ方向」、「幅方向」、「奥行き方向」という用語は、図1及び図2に示す各方向に対応するものとする。また、空気除菌装置Sを構成する各部の位置を説明する際に用いる「上」、「下」という用語は、図1における上下に対応する。つまり、前述の高さ方向は、空気除菌装置Sの上下方向に相当する。
【0013】
外装カバー10は、奥行き方向において対をなす表側外装カバー11及び裏側外装カバー12を備える。表側外装カバー11は、筐体20に備えられる後述する第1の筐体に対応して設けられ、筐体20の後述する第1板部を覆う本体部11aと、幅方向において相対するように設けられ、筐体20の後述する第1側板、第2側板を覆う被覆部11b、11cとを有する。表側外装カバー11の下部には筐体20に備えられる後述する吸気口に対応してカバー側吸気口11dが設けられ、表側外装カバー11の上部には筐体20に備えられる後述する排気口に対応してカバー側排気口11eが設けられる(図3参照)。裏側外装カバー12は、略平板状に形成され、筐体20に備えられる後述する第2の筐体に対応して設けられる。
【0014】
カバー側吸気口11dには、指等がファン30に挿入されることを防止するための網目状のガード部材F1と、粉塵の侵入を防止するためのフィルターF2とが設けられている。フィルターF2はガード部材F1とファン30との間に設けられる。カバー側排気口11eには、排出される空気を整流するためのルーバーF3が設けられている。なお、図3に示す断面図においては、ガード部材F1、フィルターF2及びルーバーF3の図示は省略してある。
【0015】
以下では、空気除菌装置Sにおける表側外装カバー11の側を表側と言い、その反対であって、空気除菌装置Sにおける裏側外装カバー12の側を裏側と言う。前述の奥行き方向は、空気除菌装置Sの表裏方向に相当する。つまり、ここでの表側外装カバー11は、裏側外装カバー12を表側から覆う。
【0016】
筐体20は、略直方体形状に形成された金属筐体である。筐体20は、図2の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。
【0017】
筐体20は、図2に示すように第1の筐体21と第2の筐体22との組み合わせにより構成される。第1の筐体21は表側外装カバー11の裏側に位置し、第1の筐体21と対をなすように設けられる第2の筐体22は裏側外装カバー12の表側に位置する。
【0018】
第1の筐体21は、第2の筐体22を表側から覆うように構成され、図2に示すように、矩形状の第1板部21aと、第1板部21aの外縁から裏側に向かう部分として、第1側板21b、第2側板21c及び天板21dと、を有する。第1側板21b及び第2側板21cは、第1板部21aから連なるように設けられ、幅方向において互いに対向している。また、第1側板21b及び第2側板21cは、第2の筐体22に第1の筐体21が取り付けられた状態では、第2の筐体22の後述する第1側板及び第2側板を覆う。天板21dは、第2の筐体22に第1の筐体21が取り付けられた状態では、第2の筐体22の後述する上板を覆う。
【0019】
第2の筐体22は、その表側が開口した箱状をなす。第2の筐体22は、奥行き方向において第1板部21aと対向するように設けられる矩形状の第2板部22aと、第2板部22aの外縁から表側に向かう部分として、第1側板22b、第2側板22c、上板22d及び下板22eと、を備える。第1側板22b及び第2側板22cは幅方向において互いに対向し、第1側板22bは第1側板21bと対をなすように設けられ、第2側板22cは第2側板21cと対をなすように設けられる。上板22d及び下板22eは上下方向において互いに対向する。
【0020】
図3に示すように、筐体20には、吸気口23、排気口24、除菌室25、第1収容室26及び第2収容室27が設けられる。具体的に、吸気口23及び排気口24は、第1板部21aに設けられている。また、除菌室25、第1収容室26及び第2収容室27は、第1板部21aと第2板部22aとの間に形成されている。
【0021】
吸気口23は、ファン30の動作によって外気(筐体20の外部の空気)が吸い込まれる部分である。吸気口23は、カバー側吸気口11dに対応するように筐体20の下部に設けられ、本実施形態では2つ設けられるファン30に対応して2つ設けられている。具体的に、吸気口23は、第1板部21aに形成された円状の孔である。
【0022】
排気口24は、吸気口23から吸い込まれ、除菌室25で除菌された空気が排出される部分である。排気口24は、カバー側排気口11eに対応するように筐体20の上部に設けられている。具体的に、排気口24は、第1板部21aに形成された矩形状の孔である。
【0023】
除菌室25は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、吸気口23から吸い込まれた空気が通過し、通過する空気を除菌するため部分である。除菌室25の中に光源50が実装(配設)された光源基板40が設けられる。光源50は、除菌室25の中に紫外線を照射する。除菌室25の中に紫外線が照射されることにより除菌室25を通過する空気が除菌される。
【0024】
除菌室25は、筐体20の内部であって、組み合わされて筒状(四角筒状)になる第1反射板25a及び第2反射板25bによって囲まれる部分である。第1反射板25a及び第2反射板25bは、紫外線を反射させる部位として機能し、除菌室25内に設けられる。第1反射板25a及び第2反射板25bは、それぞれ、アルミニウム等の金属材料から形成され、除菌室25に向く面には鏡面加工が施されている。これにより、除菌室25の中で紫外線を高い効率で反射させ、除菌室25を通過する空気を良好に除菌することができる。
【0025】
第1反射板25aは、第2の筐体22に取り付けられた略コの字状の金属板である。第1反射板25aには、幅方向に延在する矩形平板状の基部H1と、基部H1の幅方向における両端側から表側に向かって突出した(略直角に折り曲げられた)一対の折曲部H2、H3とが設けられる(図4参照)。第2反射板25bは、矩形状に形成され、第1板部21aに取り付けられる。
【0026】
第1収容室26は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、ファン30、第1紫外線漏れ抑制部60及びファンケーシング80を収容する。第1収容室26は、吸気口23から除菌室25に向かう空気の流路において、吸気口23と除菌室25の間に設けられる。
【0027】
第2収容室27は、図3に示すように筐体20の内部に設けられ、第2紫外線漏れ抑制部70を収容する。第2収容室27は、除菌室25から排気口24に向かう空気の流路において、除菌室25と排気口24の間に設けられる。
【0028】
ファン30は、空気を吸気口23から吸い込んで、除菌室25を経て排気口24から排出するための構成である。ファン30は、吸気口23の裏側に設けられる。ファン30は、例えば遠心ファンを適用することができ、羽根車と、羽根車を筐体20の奥行き方向に沿う軸周りに回転させるモータとを備える。なお、この場合、ファン30は、ファンケーシング80の後述するファン保持部に固定保持される部位として略円盤状の台座部31を備えている(図5参照)。台座部31の裏側には複数個(例えば4つ)のネジ螺合部31aが形成される。なお、台座部31には電源部や上述したモータ等が配置される。
【0029】
図3に示すように、ファン30は、吸気口23から吸い込んだ空気を、羽根車が回転する遠心力によって側面から放射状に吐き出す。つまり、遠心ファンとして構成されるファン30は、筐体20の奥行き方向に沿って吸い込んだ空気を、ファンケーシング80の後述するガイドリブを利用して上下方向に沿って吐き出す。これにより、ファン30から送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口11eから空気除菌装置Sの外部に排出される。なお、図3では、見易さを考慮してファン30の断面を示すハッチングを省略し、ファン30を破線で表した。
【0030】
ファン30は、図2に示すように、2つの吸気口23に対応して2つ設けられる。各吸気口23には、空気を効率よく取り込むためのインレットノズル(図示省略)が取り付けられる。2つのファン30は、筐体20の幅方向に並設されている。2つのファン30の作用は同様であり、それぞれに対応するファンケーシング80の形状も同様である。従って、後述のファンケーシング80の説明では、一方のファン30に対応する構成についてのみ説明する。
【0031】
光源基板40は、導電性材料(例えばアルミニウム等の金属材料)によって形成されたアルミ基板を適用することができ、紫外線によって劣化しにくい材料で形成されていればよい。また、ここでの光源基板40は、幅方向において互いに対向する一対の基板から構成される。
【0032】
光源50は、図2に示すように紫外線を放射(照射)する紫外線LED(Light Emitting Diode)を適用することができ、この実施形態では計6個設けられている。光源50は、筐体20の幅方向において互いに対向する前記一対の基板に3個ずつ実装され、除菌室25の中に紫外線を照射する。
【0033】
なお、前記一対の基板は、一対の折曲部H2、H3の除菌室25に向く面に、サーマルシート(図示省略)を介してそれぞれ載置される。これにより、光源50が作動している際に光源50から発せられる熱をサーマルシートを介して第1反射板25aに放熱することができる。つまり、第1反射板25aはヒートシンクとしても機能する。
【0034】
第1紫外線漏れ抑制部60は、図3に示すように、第1収容室26の中であってファン30と除菌室25との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制する。
【0035】
第1紫外線漏れ抑制部60は、金属により形成された複数の壁61を備える。複数の壁61の各々は、筐体20の幅方向に延び、且つ、筐体20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁61の各々は、筐体20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁61は、4つの壁から構成される。
【0036】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の一方は、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第2板部22aに固定される部分と、第1側板22b及び第2側板22cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第1板部21aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。
【0037】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の他方は、第1板部21aから第2板部22aに向かって設けられ、その先端が第2板部22aと間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第1板部21aに固定される部分と、第1側板21b及び第2側板21cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第2板部22aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。ファン30から送り出される空気は、複数の壁61の各々と、第1板部21aまたは第2板部22aとの間を通ってから除菌室25に至る。
【0038】
第1紫外線漏れ抑制部60は、上記のように第1板部21a側と第2板部22a側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁61によって、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制しつつも、ファン30から除菌室25へ流れる空気の流路を形成する。
【0039】
複数の壁61のうち、最もファン30の近くに位置する壁61aは、図3に示すように、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。そして、壁61aの先端と第1板部21aの間には、ファン30から第1紫外線漏れ抑制部60へ送り出された空気が流入する流入口62が形成される。
【0040】
第2紫外線漏れ抑制部70は、図3に示すように、第2収容室27の中であって除菌室25と排気口24との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制する。
【0041】
第2紫外線漏れ抑制部70は、金属により形成された複数の壁71を備える。複数の壁71の各々は、筐体20の幅方向に延び、且つ、筐体20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁71の各々は、筐体20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁71は、4つの壁から構成される。
【0042】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の一方は、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第2板部22aに固定される部分と、第1側板22b及び第2側板22cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第1板部21aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。
【0043】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の他方は、第1板部21aから第2板部22aに向かって設けられ、その先端が第2板部22aと間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第1板部21aに固定される部分と、第1側板21b及び第2側板21cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第2板部22aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。除菌室25で除菌された空気は、複数の壁71の各々と、第1板部21aまたは第2板部22aとの間を通ってから排気口24に至る。つまり、ファン30によってカバー側吸気口11d、吸気口23から吸い込まれ、送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口11eから空気除菌装置Sの外部に排出される。
【0044】
第2紫外線漏れ抑制部70は、上記のように第1板部21a側と第2板部22a側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁71によって、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制しつつも、除菌室25から排気口24へ流れる空気の流路を形成する。
【0045】
ファンケーシング80は、第1紫外線漏れ抑制部60よりもファン30の近くに設けられ、ファン30から送り出される空気を第1紫外線漏れ抑制部60に誘導する空気誘導部としての機能を有する。ファンケーシング80は、例えば樹脂材料によって形成された樹脂ケースであり、図2図3に示すように、ファン保持部81と、案内手段としてのガイドリブ82と、誘導面83とを備える。ファンケーシング80は、例えば適宜固定手段を用いて第2板部22aに固定される。
【0046】
ファン保持部81は、第2板部22aに沿った概ね板状の部分であり、その表側にファン30が位置するようにファン30を保持する。また、ファン保持部81は、図5に示すようにファン30に備えられる略円盤状の台座部31を位置決めするための略円環状凸部からなる位置決め部81aと、個々のネジ螺合部31aに対応して設けられた貫通孔形状の複数個(例えば4つ)のネジ孔81bとを有している。そして、ファン保持部81の裏側からネジTをネジ孔81bに貫通させつつネジ螺合部31aに螺合することで、台座部31が位置決め部81aに位置決めされた状態で、ファン30をファン保持部81に固定保持することができる。なお、81cは、位置決め部81aの上方側に設けられた切り欠き部であり、この切り欠き部81cは、ファン30と制御基板90とを導通接続するための配線コードPを通すために設けられている(図2参照)。
【0047】
ガイドリブ82は、図2に示すようにファン保持部81から表側に突出する略U字状の部位であり、ファン30が放射状に吐き出す空気を第1紫外線漏れ抑制部60側(除菌室25側)に向かわせるために設けられている。また、ガイドリブ82は、幅方向においてファン30を挟んで互いに対向する第1壁部82a及び第2壁部82bと、第1壁部82aと第2壁部82bとを繋ぐ曲面状の第3壁部82cとを備えている。第1壁部82a及び第2壁部82bは、概ね薄い平板形状をなすように上下方向に沿い設けられる。また、ここでの第1壁部82aは第2壁部82bと平行となっている。第3壁部82cは、略半円環形状の平板にて形成され、その曲率はファン30の外周部分の曲率と概ね一致している。
【0048】
誘導面83は、図3に示すように第1紫外線漏れ抑制部60の壁61aとファン保持部81との間に位置する。誘導面83は、その一端が流入口62に向き、その他端が流入口62よりも第2板部22aの近くに位置する。この実施形態では、誘導面83の一端は流入口62の端に到っており、誘導面83の他端はファン保持部81の表側の面と繋がっている。誘導面83は、第2板部22aに対して傾くとともに前記他端から前記一端に向かって滑らかに曲がる凹曲面である。なお、誘導面83は凹曲面ではなく所定の傾斜角度を有する傾斜面としてもよい。
【0049】
制御基板90は、略長方形形状に形成され、その長辺側が上下方向に沿い、その短辺側が奥行き方向に沿うように設けられる。制御基板90は、図2図6に示すように表側外装カバー11の被覆部11cと第2の筐体22の第2側板22cとの間に位置する空所Gに配設され、詳細図示は省略するが第2側板22cの下部に適宜固定手段(例えばネジ)を用いて固定される。なお、第1の筐体21の第2側板21cには制御基板90の配設位置に対応するように欠落部Nが設けられている。欠落部Nは、第2側板21cの下端側を省いて得られる部位である。
【0050】
制御基板90には、ファン30及び光源50を動作させるマイクロコンピュータからなる制御部91や、コンデンサ等の実装部品(図示せず)とが実装(配設)される。なお、上述したように欠落部Nを設けたことで、制御部91や実装部品は第2側板21cと干渉しないようになっている。
【0051】
制御部91は、被覆部11c側を向く基板面に実装され、空気除菌装置Sを使用する使用者が空気除菌装置Sに備えられる電源ボタン(図示省略)をオンしたことを示す操作信号を受信すると、当該操作信号に基づいて、ファン30を作動させるためのファン作動信号や光源50を作動させるための光源作動信号等を出力する。この場合、光源50は、図示省略した光源用配線コードによって制御基板90に導通接続されている。
【0052】
なお、空気除菌装置Sは、ユーザの操作を受け付け、その操作内容を示す信号を制御部91に伝送する図示せぬ操作部を備えていてもよい。
【0053】
以上のように本実施形態では、空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体20と、除菌室25の中に紫外線を照射する光源50と、筐体20の中に設けられ、吸気口23から吸い込んだ空気を除菌室25に送り出すファン30と、ファン30が吐き出す空気を除菌室25側に向かわせるための案内手段としてのガイドリブ82とを備えているものである。
【0054】
従って、ファン30から放射状に吐き出される空気は、ガイドリブ82によって案内されて下方側から上方側(第1紫外線漏れ抑制部60側)に空気の流量が低下することなく向かうことになる。その結果、上方側(第1紫外線漏れ抑制部60側)に向かう空気の流量ロスが抑制され、商品性を高めることが可能な空気除菌装置Sを提供することができる。
【0055】
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0056】
例えば上述した実施形態では、第1壁部82aは第2壁部82bと平行状態となっていたが、第1壁部82a及び第2壁部82bはファン30を挟んで互いに対向していればよく、例えば第1壁部82aが第2壁部82bに対して非平行となるように設けられてもよい。
【0057】
なお、以上の説明では、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0058】
10 外装カバー
20 筐体
21 第1の筐体
22 第2の筐体
23 吸気口
24 排気口
25 除菌室
26 第1収容室
27 第2収容室
30 ファン
31 台座部
40 光源基板(基板)
50 光源
60 第1紫外線漏れ抑制部
70 第2紫外線漏れ抑制部
80 ファンケーシング
81 ファン保持部
81a 位置決め部
82 ガイドリブ(案内手段)
82a 第1壁部
82b 第2壁部
82c 第3壁部
83 誘導面
90 制御基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6