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特開2024-21002集合体シート、および、集合体シートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021002
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】集合体シート、および、集合体シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H05K3/00 X
H05K3/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123621
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】福島 厚介
(72)【発明者】
【氏名】藤村 仁人
(72)【発明者】
【氏名】花園 博行
(57)【要約】
【課題】第2端子を破壊することなく配線回路基板の品質検査を実施できる集合体シート、および、その集合体シートの製造方法を提供する。
【解決手段】
集合体シート1は、配線回路基板2と、配線回路基板2から離れて配置される検査部4とを備える。配線回路基板2は、ベース絶縁層22と、厚み方向においてベース絶縁層22の一方側に配置される第1端子231Aと、第1の金属からなり、厚み方向においてベース絶縁層22の他方側に配置される金属支持層21と、厚み方向においてベース絶縁層22の他方側に配置される第2端子241とを有する。第2端子241は、第1の金属からなる端子本体2411と、第2の金属からなる被覆層2412とを有する。検査部4は、第1の金属からなる第1層41と、第2の金属からなる第2層42とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板と、前記配線回路基板から離れて配置される検査部とを備え、
前記配線回路基板は、
絶縁層と、
厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置される第1端子と、
第1の金属からなり、前記厚み方向において前記絶縁層の他方側に配置される金属支持層と、
前記厚み方向における前記絶縁層の他方側において、前記金属支持層から離れて配置される第2端子と
を有し、
前記第2端子は、
前記第1の金属からなる端子本体と、
前記第1の金属とは異なる第2の金属からなり、前記端子本体を被覆する被覆層と
を有し、
前記検査部は、
前記第1の金属からなる第1層と、
前記第2の金属からなり、前記第1層を被覆する第2層と
を有する、集合体シート。
【請求項2】
前記第2の金属は、金またはニッケルである、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項3】
前記第2端子は、
前記第1の金属および前記第2の金属の両方と異なる第3の金属からなり、前記被覆層を被覆する第2被覆層を、さらに有し、
前記検査部は、
前記第3の金属からなり、前記第2層を被覆する第3層を、さらに有する、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項4】
前記第2の金属は、ニッケルであり、
前記第3の金属は、金である、請求項3に記載の集合体シート。
【請求項5】
前記検査部の少なくとも一部の幅は、30μm以上である、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項6】
前記集合体シートは、前記配線回路基板を支持するフレームをさらに有し、
前記検査部は、前記フレームに配置される、請求項1に記載の集合体シート。
【請求項7】
前記フレームは、前記第1の金属からなる金属層を有し、
前記検査部は、前記フレームの前記金属層から離れている、請求項6に記載の集合体シート。
【請求項8】
前記フレームは、前記第1の金属からなる金属層を有し、
前記検査部は、前記フレームの前記金属層と連続する、請求項6に記載の集合体シート。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の集合体シートの製造方法であって、
前記第1の金属からなる金属箔の上に、前記絶縁層と前記第1端子とを順に形成する第1パターン工程と、
前記金属箔の一部をエッチングして、前記第2端子の前記端子本体を形成する第2パターン工程と、
前記第2端子の前記被覆層と、前記検査部の前記第2層とを、メッキにより同時に形成するメッキ工程と
を含む、集合体シートの製造方法。
【請求項10】
前記集合体シートは、前記配線回路基板を支持するフレームをさらに有し、
前記検査部は、前記フレームに配置され、
前記フレームは、前記第1の金属からなる金属層を有し、
前記第2パターン工程において、前記金属箔の一部をエッチングすることにより、前記検査部の前記第1層を、前記フレームの前記金属層から分離させる、請求項9に記載の集合体シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合体シート、および、集合体シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線回路基板の一例として、メタルベースと、メタルベース上に形成された絶縁層と、絶縁層上に所定パターンで形成された導体群とを備えるディスク装置用フレキシャが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
このディスク装置用フレキシャでは、メタルベースの一部に、電路部が形成されている。電路部は、絶縁層の孔を通して導体群の一部と接続される。電路部には、金めっき層が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-119032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるような配線回路基板において、品質検査として、例えば、電路部における金メッキ層の密着性を検査したい場合がある。
【0006】
しかし、電路部を用いて品質検査を実施すると、電路部が破壊されてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、絶縁層と、厚み方向において絶縁層の一方側に配置される第1端子と、厚み方向において絶縁層の他方側に配置される金属支持層と、厚み方向における絶縁層の他方側に配置される第2端子とを有する配線回路基板において、第2端子を破壊することなく配線回路基板の品質検査を実施できる集合体シート、および、その集合体シートの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、配線回路基板と、前記配線回路基板から離れて配置される検査部とを備え、前記配線回路基板が、絶縁層と、厚み方向において前記絶縁層の一方側に配置される第1端子と、第1の金属からなり、前記厚み方向において前記絶縁層の他方側に配置される金属支持層と、前記厚み方向における前記絶縁層の他方側において、前記金属支持層から離れて配置される第2端子とを有し、前記第2端子が、前記第1の金属からなる端子本体と、前記第1の金属とは異なる第2の金属からなり、前記端子本体を被覆する被覆層とを有し、前記検査部が、前記第1の金属からなる第1層と、前記第2の金属からなり、前記第1層を被覆する第2層とを有する、集合体シートを含む。
【0009】
このような構成によれば、配線回路基板の第2端子は、第1の金属からなる層(端子本体)と第2の金属からなる層(被覆層)とからなる層構成を有する。配線回路基板から離れて配置される検査部も、第1の金属からなる層(第1層)と第2の金属からなる層(第2層)とからなる層構成を有する。つまり、検査部は、第2端子と同じ材料からなる同じ層構成を有する。
【0010】
そのため、検査部に対して実施した品質検査の結果に基づいて、第2端子の品質を推測できる。
【0011】
その結果、検査部を用いて、第2端子を破壊することなく配線回路基板の品質検査を実施できる。
【0012】
本発明[2]は、前記第2の金属が、金またはニッケルである、上記[1]の集合体シートを含む。
【0013】
本発明[3]は、前記第2端子が、前記第1の金属および前記第2の金属の両方と異なる第3の金属からなり、前記被覆層を被覆する第2被覆層を、さらに有し、前記検査部が、前記第3の金属からなり、前記第2層を被覆する第3層を、さらに有する、上記[1]または[2]の集合体シートを含む。
【0014】
本発明[4]は、前記第2の金属が、ニッケルであり、前記第3の金属が、金である、上記[3]の集合体シートを含む。
【0015】
本発明[5]は、前記検査部の少なくとも一部の幅が、30μm以上である、上記[1]~[4]のいずれか1つの集合体シートを含む。
【0016】
このような構成によれば、検査部の大きさを確保でき、検査部を用いた品質検査を容易に実施できる。
【0017】
本発明[6]は、前記集合体シートが、前記配線回路基板を支持するフレームをさらに有し、前記検査部が、前記フレームに配置される、上記[1]~[5]のいずれか1つの集合体シートを含む。
【0018】
このような構成によれば、配線回路基板を支持するフレームを利用して、検査部を設ける部分を別途設けることなく、配線回路基板から離れた位置に検査部を設けることができる。
【0019】
本発明[7]は、前記フレームが、前記第1の金属からなる金属層を有し、前記検査部が、前記フレームの前記金属層から離れている、上記[6]の集合体シートを含む。
【0020】
このような構成によれば、第2端子が金属支持層から離れているのと同様に、検査部も、フレームの金属層から離れている。
【0021】
そのため、検査部の構造を、第2端子の構造に、より近似させることができる。
【0022】
本発明[8]は、前記フレームが、前記第1の金属からなる金属層を有し、前記検査部が、前記フレームの前記金属層と連続する、上記[6]の集合体シートを含む。
【0023】
このような構成によれば、検査部を容易に形成することができる。
【0024】
本発明[9]は、上記[1]~[8]のいずれか1つの集合体シートの製造方法であって、前記第1の金属からなる金属箔の上に、前記絶縁層と前記第1端子とを順に形成する第1パターン工程と、前記金属箔の一部をエッチングして、前記第2端子の前記端子本体を形成する第2パターン工程と、前記第2端子の前記被覆層と、前記検査部の前記第2層とを、メッキにより同時に形成するメッキ工程とを含む、集合体シートの製造方法を含む。
【0025】
このような方法によれば、検査部を、第2端子と同じ材料から、第2端子と同じ層構成で形成できる。
【0026】
本発明[10]は、前記集合体シートは、前記配線回路基板を支持するフレームをさらに有し、前記検査部は、前記フレームに配置され、前記フレームは、前記第1の金属からなる金属層を有し、前記第2パターン工程において、前記金属箔の一部をエッチングすることにより、前記検査部の前記第1層を、前記フレームの前記金属層から分離させる、上記[9]の集合体シートの製造方法を含む。
【0027】
このような方法によれば、検査部をフレームの金属層から離すことができ、検査部の構造を、第2端子の構造に、より近似させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の集合体シートによれば、第2端子を破壊することなく配線回路基板の品質検査を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の一実施形態としての集合体シートの平面図である。
図2図2Aは、図1に示す集合体シートのA-A断面図である。図2Bは、図1に示す集合体シートのB-B断面図である。
図3図3Aから図3Cは、図1に示す集合体シートの製造方法の第1パターン工程を説明するための説明図であって、図3Aは、金属箔を準備する工程を示し、図3Bは、金属箔の上にベース絶縁層およびフレームの絶縁層を形成する工程を示し、図3Cは、金属箔の上にベース絶縁層の上に第1端子の端子本体および第1配線を形成し、フレームの絶縁層の上に給電部を形成する工程を示す。
図4図4Aから図4Cは、図3Cに続いて、図1に示す集合体シートの製造方法を説明するための説明図であって、図4Aは、第2パターン工程を示し、図4Bは、第1メッキ工程を示し、図4Cは、第2メッキ工程を示す。
図5図5は、変形例(1)について説明するための説明図である。
図6図6は、変形例(2)について説明するための説明図である。
図7図7Aおよび図7Bは、図6に示す集合体シートの製造方法のメッキ工程を説明する説明図であって、図7Aは、第1端子の端子本体の上に被覆層を形成し、第2端子の端子本体の上に被覆層を形成し、検査部の第1層の上に第2層を形成する工程を示し、図7Bは、第1端子の被覆層の上にさらに被覆層を形成し、第2端子の被覆層の上に第2被覆層を形成し、検査部の第2層の上に第3層を形成する工程を示す。
図8図8は、変形例(3)について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
1.集合体シート
図1に示すように、集合体シート1は、第1方向および第2方向に延びるシート形状を有する。第2方向は、第1方向と直交する。集合体シート1は、複数の配線回路基板2と、フレーム3と、検査部4とを備える。
【0031】
(1)配線回路基板
複数の配線回路基板2は、第1方向に互いに間隔を隔てて並ぶとともに、第2方向に互いに間隔を隔てて並ぶ。複数の配線回路基板2のそれぞれは、同じ構造を有する。そのため、複数の配線回路基板2のうちの1つの配線回路基板2について説明し、その他の配線回路基板2の説明を省略する。
【0032】
配線回路基板2は、第1方向および第2方向に延びる。本実施形態では、配線回路基板2は、略矩形状を有する。なお、配線回路基板2の形状は、限定されない。
【0033】
図2Aおよび図2Bに示すように、配線回路基板2は、金属支持層21(図2B参照)と、絶縁層の一例としてのベース絶縁層22と、第1導体パターン23と、第2導体パターン24と、カバー絶縁層25とを備える。
【0034】
(1-1)金属支持層
金属支持層21は、ベース絶縁層22、第1導体パターン23、および、カバー絶縁層25を支持する。金属支持層21は、第1の金属からなる。第1の金属として、例えば、ステンレス、および、銅合金が挙げられる。
【0035】
金属支持層21の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0036】
(1-2)ベース絶縁層
ベース絶縁層22は、集合体シート1の厚み方向において、金属支持層21の一方側に配置される。言い換えると、金属支持層21は、厚み方向において、ベース絶縁層22の他方側に配置される。厚み方向は、第1方向および第2方向と直交する。詳しくは、ベース絶縁層22は、厚み方向において、金属支持層21の一方面上に配置される。ベース絶縁層22は、厚み方向において、金属支持層21と第1導体パターン23との間、および、第1導体パターン23と第2導体パターン24との間に配置される。ベース絶縁層22は、金属支持層21と第1導体パターン23とを絶縁する。また、ベース絶縁層22は、第1導体パターン23と第2導体パターン24とを絶縁する。ベース絶縁層22は、樹脂からなる。樹脂として、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。ベース絶縁層22は、ビアホール22A(図2B参照)を有する。
【0037】
ベース絶縁層22の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、30μm以下、好ましくは、15μm以下である。
【0038】
(1-3)第1導体パターン
第1導体パターン23は、厚み方向において、ベース絶縁層22の一方側に配置される。詳しくは、第1導体パターン23は、厚み方向において、ベース絶縁層22の一方面上に配置される。第1導体パターン23は、厚み方向において、ベース絶縁層22に対して、金属支持層21および第2導体パターン24の反対側に配置される。第1導体パターン23の形状は、限定されない。
【0039】
本実施形態では、図1に示すように、第1導体パターン23は、複数の第1端子231A,231B,231Cと、複数の第1端子232A,232B,232C,232Dと、複数の第1配線233A,233B,233C,233Dとを有する。なお、第1端子の数、および、第1配線の数は、限定されない。
【0040】
(1-3-1)第1端子
第1端子231A,231B,231Cは、第2方向における配線回路基板2の一端部に配置される。本実施形態では、第1端子231A,231B,231Cは、互いに間隔を隔てて、第1方向に並ぶ。第1端子231A,231B,231Cのそれぞれは、例えば、角ランド形状を有する。図2Aに示すように、第1端子231A,231B,231Cは、厚み方向において、ベース絶縁層22の一方側に配置される。詳しくは、第1端子231A,231B,231Cは、厚み方向において、ベース絶縁層22の一方面上に配置される。
【0041】
第1端子231A,231B,231Cのそれぞれの幅W1は、例えば、20μm以上、好ましくは、25μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
【0042】
第1端子231Aは、端子本体2311と、2つの被覆層2312A,2312Bとを有する。なお、第1端子231Aは、1つの被覆層2312を有してもよい。
【0043】
端子本体2311は、第1端子231Aの本体部分である。端子本体2311は、厚み方向におけるベース絶縁層22の一方面上に配置される。端子本体2311は、金属からなる。金属として、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、および、それらの合金が挙げられる。良好な電気特性を得る観点から、好ましくは、銅が挙げられる。
【0044】
端子本体2311の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0045】
被覆層2312Aは、端子本体2311を被覆する。被覆層2312Bは、被覆層2312Aを被覆する。被覆層2312A,2312Bは、端子本体2311の腐食を抑制する。被覆層2312Aおよび被覆層2312Bのそれぞれは、金属からなる。金属として、例えば、ニッケル、金、および、錫が挙げられる。
【0046】
本実施形態では、被覆層2312Aおよび被覆層2312Bのそれぞれは、端子本体2311の金属とは異なる金属からなる。さらに、被覆層2312Aおよび被覆層2312Bのそれぞれは、互いに異なる金属からなる。具体的には、被覆層2312Aは、ニッケルからなり、被覆層2312Bは、金からなる。
【0047】
被覆層2312Aの厚みと被覆層2312Bの厚みとの総和は、端子本体2311の厚みよりも薄い。被覆層2312Aの厚みと被覆層2312Bの厚みとの総和は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、例えば、5μm以下、好ましくは、4μm以下である。
【0048】
第1端子231B,231Cについての説明は、第1端子231Aについての説明と同様である。そのため、第1端子231B,231Cの説明を省略する。
【0049】
図1に示すように、第1端子232A,232B,232C,232Dは、第2方向における配線回路基板2の他端部に配置される。本実施形態では、第1端子232A,232B,232C,232Dは、互いに間隔を隔てて、第1方向に並ぶ。第1端子232A,232B,232C,232Dのそれぞれは、例えば、角ランド形状を有する。
【0050】
第1端子232A,232B,232C,232Dについての説明は、第1端子231Aについての説明と同様である。そのため、第1端子232A,232B,232C,232Dの説明を省略する。
【0051】
(1-3-2)第1配線
第1配線233Aの一端は、第1端子231Aと接続する。第1配線233Aの他端は、第1端子232Aと接続する。第1配線233Aは、第1端子231Aと第1端子232Aとを電気的に接続する。
【0052】
第1配線233Bの一端は、第1端子231Bと接続する。第1配線233Bの他端は、第1端子232Bと接続する。第1配線233Bは、第1端子231Bと第1端子232Bとを電気的に接続する。
【0053】
第1配線233Cの一端は、第1端子231Cと接続する。第1配線233Cの他端は、第1端子232Cと接続する。第1配線233Cは、第1端子231Cと第1端子232Cとを電気的に接続する。
【0054】
第1配線233Dの一端は、ビアホール22Aを通って、第2導体パターン24の第2配線242と接続する。第1配線233Dの他端は、第1端子232Dと接続する。第1配線233Dは、第2導体パターン24と第1端子232Dとを電気的に接続する。
【0055】
第1配線233A,233B,233C,233Dは、上記した端子本体2311と同じ材料からなる。
【0056】
第1配線233A,233B,233C,233Dのそれぞれの厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0057】
(1-4)第2導体パターン
図2Aおよび図2Bに示すように、第2導体パターン24は、厚み方向において、ベース絶縁層22の他方側に配置される。詳しくは、第2導体パターン24は、厚み方向において、ベース絶縁層22の他方面上に配置される。第2導体パターン24は、金属支持層21から離れて配置される。第2導体パターン24の形状は、限定されない。
【0058】
本実施形態では、図1に示すように、第2導体パターン24は、第2端子241と、第2配線242とを有する。
【0059】
(1-4-1)第2端子
第2端子241は、第2方向における配線回路基板2の一端部に配置される。第2端子241は、例えば、角ランド形状を有する。図2Aに示すように、第2端子241は、厚み方向において、ベース絶縁層22の他方側に配置される。詳しくは、第2端子241は、厚み方向において、ベース絶縁層22の他方面上に配置される。第2端子241は、金属支持層21から離れて配置される。
【0060】
第2端子241の幅W2は、例えば、20μm以上、好ましくは、25μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
【0061】
第2端子241は、端子本体2411と、被覆層2412とを有する。
【0062】
端子本体2411は、第2端子241の本体部分である。端子本体2411は、厚み方向におけるベース絶縁層22の他方面上に配置される。端子本体2411は、上記した第1の金属からなる。言い換えると、端子本体2411は、金属支持層21と同じ材料からなる。
【0063】
端子本体2411の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0064】
被覆層2412は、端子本体2411を被覆する。なお、被覆層2412は、第2配線242(図2B参照)も被覆する。被覆層2412は、端子本体2411の腐食を抑制する。被覆層2412は、第2の金属からなる。第2の金属は、上記した第1の金属と異なる。第2の金属として、例えば、ニッケル、金、および、錫が挙げられる。具体的には、被覆層2412は、金からなる。
【0065】
被覆層2412の厚みは、端子本体2411の厚みよりも薄い。被覆層2412の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、例えば、5μm以下、好ましくは、4μm以下である。
【0066】
(1-4-2)第2配線
図1に示すように、第2配線242の一端は、第2端子241と接続する。第2配線242の他端は、第1導体パターン23の第1配線233Dと接続する。第2配線242は、第2端子241と第1配線233Dとを電気的に接続する。第2配線242は、上記した端子本体2411と同じ材料からなる。
【0067】
第2配線242の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0068】
(1-5)カバー絶縁層
カバー絶縁層25は、第1配線233A,233B,233C,233Dを覆う。カバー絶縁層25は、厚み方向において、ベース絶縁層22の一方面上に配置される。なお、カバー絶縁層25は、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dを覆わない。カバー絶縁層25は、樹脂からなる。樹脂としては、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。
【0069】
(2)フレーム
フレーム3は、集合体シート1の外周に配置される。フレーム3は、複数の配線回路基板2を囲む。本実施形態では、フレーム3は、枠形状を有する。詳しくは、フレーム3は、第1フレーム3A、第2フレーム3B、第3フレーム3C、および、第4フレーム3Dを有する。
【0070】
第1フレーム3Aは、第1方向における集合体シート1の一端部に配置される。第1フレーム3Aは、第2方向に延びる。
【0071】
第2フレーム3Bは、第1方向における集合体シート1の他端部に配置される。第2フレーム3Bは、第1方向において、第1フレーム3Aから離れて配置される。複数の配線回路基板2は、第1方向において、第1フレーム3Aと第2フレーム3Bとの間に配置される。第2フレーム3Bは、第2方向に延びる。
【0072】
第3フレーム3Cは、第2方向における集合体シート1の一端部に配置される。第3フレーム3Cは、第1方向に延びる。第1方向における第3フレーム3Cの一端部は、第2方向における第1フレーム3Aの一端部に接続する。第1方向における第3フレーム3Cの他端部は、第2方向における第2フレーム3Bの一端部に接続する。
【0073】
第4フレーム3Dは、第2方向における集合体シート1の他端部に配置される。第4フレーム3Dは、第2方向において、第3フレーム3Cから離れて配置される。複数の配線回路基板2は、第2方向において、第3フレーム3Cと第4フレーム3Dとの間に配置される。第4フレーム3Dは、第1方向に延びる。第1方向における第4フレーム3Dの一端部は、第2方向における第1フレーム3Aの他端部に接続する。第1方向における第4フレーム3Dの他端部は、第2方向における第2フレーム3Bの他端部に接続する。
【0074】
本実施形態では、集合体シート1は、フレーム3と配線回路基板2との間、および、2つの配線回路基板2の間において、切欠き5を有する。また、集合体シート1は、フレーム3と配線回路基板2とを接続する接続部6A、および、2つの配線回路基板2同士を接続する接続部6Bを有する。複数の配線回路基板2は、接続部6Bによって互いに接続された状態で、接続部6Aにより、フレーム3に接続される。これにより、フレーム3は、複数の配線回路基板2を支持する。
【0075】
図2Aに示すように、フレーム3は、金属層31と、絶縁層32と、給電部33とを有する。
【0076】
金属層31は、上記した第1の金属からなる。言い換えると、金属層31は、配線回路基板2の金属支持層21と同じ金属からなる。金属層31は、貫通穴31Aを有する。
【0077】
絶縁層32は、厚み方向において、金属層31の一方側に配置される。言い換えると、金属層31は、厚み方向において、絶縁層32の他方側に配置される。詳しくは、絶縁層32は、厚み方向において、金属層31の一方面上に配置される。絶縁層32は、配線回路基板2のベース絶縁層22と同じ材料からなる。絶縁層32は、ビアホール32Aを有する。
【0078】
給電部33は、厚み方向において、絶縁層32の一方側に配置される。詳しくは、給電部33は、厚み方向において、絶縁層32の一方面上に配置される。給電部33は、配線回路基板2の第1端子231Aの端子本体2311と同じ材料からなる。給電部33は、ビアホール32Aを通って、検査部4と接続する。
【0079】
(3)検査部
図1に示すように、検査部4は、複数の配線回路基板2から離れて配置される。検査部4は、フレーム3に配置される。図2Aに示すように、検査部4は、厚み方向において、絶縁層32の他方側に配置される。詳しくは、検査部4は、厚み方向において、絶縁層32の他方面上に配置される。検査部4は、貫通穴31A内に配置される。検査部4は、フレーム3の金属層31から離れて配置される。
【0080】
検査部4の形状は、限定されない。図1に示すように、本実施形態では、検査部4は、配線回路基板2の第2端子241と異なる形状を有する。検査部4は、配線回路基板2の第2端子241と同じ形状を有していてもよい。具体的には、本実施形態では、検査部4は、円形状を有する。検査部4は、長方形状であってもよいし、正方形状であってもよい。
【0081】
検査部4の少なくとも一部の幅W3は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上である。
【0082】
検査部4の少なくとも一部の幅W3が上記下限値以上であると、後述する「端子本体2411に対する被覆層2412の密着性の検査」および「被覆層2412の厚みの検査」を安定に実施できる。
【0083】
なお、検査部4の全部の幅は、例えば、100μm以下、好ましくは、80μm以下である。
【0084】
検査部4の全部の幅は、第2端子241の幅W2よりも大きくてもよく、第2端子241の幅W2よりも小さくてもよい。第2端子241の幅W2が小さい(例えば、50μm未満)場合、好ましくは、検査部4の少なくとも一部の幅W3は、第2端子241の幅W2よりも大きい。
【0085】
検査部4は、配線回路基板2の第2端子241と同じ材料からなる同じ層構成を有する。詳しくは、検査部4は、第1層41と、第2層42とを有する。
【0086】
第1層41は、第1の金属からなる。言い換えると、第1層41は、配線回路基板2の第2端子241の端子本体2411と同じ材料からなる。
【0087】
第1層41の厚みは、配線回路基板2の第2端子241の端子本体2411の厚みと、実質的に同じである。なお、「実質的に同じ」とは、互いの寸法に差が全く無い場合だけでなく、後述する品質検査において許容できる寸法公差の範囲内で寸法に差が生じている場合も、「同じ」寸法とみなすという意味である。第1層41の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0088】
第2層42は、第1層41を被覆する。第2層42は、第2の金属からなる。言い換えると、第2層42は、配線回路基板2の第2端子241の被覆層2412と同じ材料からなる。
【0089】
第2層42の厚みは、配線回路基板2の第2端子241の被覆層2412の厚みと、実質的に同じである。第2層42の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、例えば、5μm以下、好ましくは、4μm以下である。
【0090】
2.集合体シート1の製造方法
次に、集合体シート1の製造方法について説明する。
【0091】
図3Aから図4Cに示すように、集合体シート1の製造方法は、第1パターン工程(図3Aから図3C参照)と、第2パターン工程(図4A参照)と、第1メッキ工程(図4B参照)と、第2メッキ工程(図4C参照)とを含む。
【0092】
(1)第1パターン工程
図3Aに示すように、第1パターン工程では、まず、第1の金属からなる金属箔Mを準備する。
【0093】
次に、図3Bに示すように、金属箔Mの上に、ベース絶縁層22および絶縁層32を形成する。
【0094】
詳しくは、ベース絶縁層22および絶縁層32を形成するには、まず、金属箔Mの上に感光性樹脂の溶液(ワニス)を塗布して乾燥し、感光性樹脂の塗膜を形成する。次に、感光性樹脂の塗膜を露光および現像する。これにより、ベース絶縁層22および絶縁層32が、金属箔Mの上に形成される。
【0095】
次に、図3Cに示すように、ベース絶縁層22の上に、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311と、第1配線233A,233B,233C,233Dを形成し、絶縁層32の上に、給電部33を形成する。
【0096】
詳しくは、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33を形成するには、まず、ベース絶縁層22および金属箔Mの表面にシード層を形成する。シード層は、例えば、スパッタリングにより形成される。シード層の材料としては、例えば、クロム、銅、ニッケル、チタン、および、これらの合金が挙げられる。
【0097】
次に、ベース絶縁層22および金属箔Mの上にメッキレジストを貼り合わせて、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33が形成される部分を遮光した状態で、メッキレジストを露光する。
【0098】
次に、露光されたメッキレジストを現像する。すると、遮光された部分のメッキレジストが除去され、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33が形成される部分にシード層が露出する。なお、露光された部分、すなわち、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33が形成されない部分のメッキレジストは、残る。
【0099】
次に、露出したシード層の上に、電解メッキにより、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33を形成する。電解メッキが終了した後、メッキレジストを剥離する。その後、メッキレジストによって覆われていたシード層を、エッチングにより除去する。これにより、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311と、第1配線233A,233B,233C,233Dとが、ベース絶縁層22の上に形成され、給電部33が、絶縁層32の上に形成される。
【0100】
次に、ベース絶縁層22の形成と同様にして、ベース絶縁層22および第1配線233A,233B,233C,233Dの上にカバー絶縁層25(図1および図2B参照)を形成する。
【0101】
以上により、第1パターン工程が完了する。
【0102】
(2)第2パターン工程
次に、図4Aに示すように、第2パターン工程では、金属箔Mの一部をエッチングして、金属支持層21(図2B参照)、第2端子241の端子本体2411、第2配線242(図2B参照)、金属層31、および、検査部4の第1層41を形成する。
【0103】
詳しくは、第2パターン工程では、まず、金属箔Mの上にドライフィルムレジストを貼り付ける。
【0104】
次に、ドライフィルムレジストを露光および現像して、エッチングレジストを形成する。エッチングレジストは、金属箔Mのうち、金属支持層21になる部分、第2端子241の端子本体2411になる部分、第2配線242になる部分、および、金属層31になる部分を覆う。
【0105】
次に、金属箔Mのうち、エッチングレジストから露出された部分をエッチング液でエッチングする。
【0106】
これにより、金属箔Mのうち、エッチングレジストから露出された部分が除去され、金属支持層21、第2端子241の端子本体2411、第2配線242、金属層31、および、検査部4の第1層41が形成される。つまり、第2パターン工程では、金属箔Mの一部をエッチングすることにより、検査部4の第1層41を、フレーム3の金属層31から分離させる。
【0107】
その後、エッチングレジストを剥離する。
【0108】
(3)第1メッキ工程
次に、図4Bに示すように、第1メッキ工程では、第2端子241の被覆層2412と、検査部4の第2層42とを、メッキにより同時に形成する。
【0109】
詳しくは、第2端子241の端子本体2411と、第2配線242と、検査部4の第1層41とが露出され、金属支持層21および金属層31が被覆されるように、金属箔Mの上にメッキレジストを貼り合わせる。また、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311、第1配線233A,233B,233C,233D、および、給電部33が被覆されるように、ベース絶縁層22の上にメッキレジストを貼り合わせる。
【0110】
次に、電解メッキにより、端子本体2411および第2配線242の上に被覆層2412を形成し、第1層41の上に第2層42を形成する。
【0111】
このとき、端子本体2411および第2配線242には、図示しないメッキリード、および、第1配線233D(図2B参照)を通じて、電力が供給される。また、第1層41には、図示しないメッキリード、および、給電部33を通じて、電力が供給される。
【0112】
その後、メッキレジストを剥離する。
【0113】
(4)第2メッキ工程
次に、図4Cに示すように、第2メッキ工程では、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの被覆層2312A,2312Bを、メッキにより、順に形成する。
【0114】
詳しくは、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311が露出され、給電部33が被覆されるように、ベース絶縁層22の上にメッキレジストを貼り合わせる。また、金属支持層21、第2導体パターン24、金属層31、および、検査部4が被覆されるように、金属箔Mの上にメッキレジストを貼り合わせる。
【0115】
次に、電解メッキにより、端子本体2311の上に、被覆層2312A,2312Bを、順に形成する。
【0116】
その後、メッキレジストを剥離する。以上により、集合体シート1が製造される。
【0117】
3.検査部の使用方法
次に、検査部4の使用方法について説明する。
【0118】
検査部4は、製造された集合体シート1の第2導体パターン24の品質検査に使用される。品質検査としては、例えば、端子本体2411に対する被覆層2412の密着性の検査、および、被覆層2412の厚みの検査が挙げられる。
【0119】
(1)端子本体2411に対する被覆層2412の密着性の検査
端子本体2411に対する被覆層2412の密着性を検査するには、例えば、JIS H 8504:1999(めっきの密着性試験方法)に規定される引きはがし試験を、検査部4の第2層42に対して実施する。
【0120】
上記したように、被覆層2412は、第1メッキ工程において、第2層42と同時に形成される。そのため、第2端子241は、第1の金属からなる層(端子本体2411)と、第2の金属からなる層(被覆層2412)とからなる層構成を有し、検査部4も、第1の金属からなる層(第1層41)と、第2の金属からなる層(第2層42)とからなる層構成を有する。つまり、検査部4は、第2端子241と同じ材料からなる同じ層構成を有する。
【0121】
そのため、端子本体2411に対する被覆層2412の密着性は、第1層41に対する第2層42の密着性と同じ、または、近似している。なお、「近似している」とは、品質検査において同じ品質とみなすことができる程度に近似していることを意味する。
【0122】
そのため、第1層41に対する第2層42の密着性を検査することによって、端子本体2411に対する被覆層2412の密着性を推測できる。
【0123】
(2)被覆層2412の厚みの検査
被覆層2412の厚みを検査するには、例えば、蛍光X線分析法で検査部4の第2層42の厚みを測定する。
【0124】
上記したように、被覆層2412は、第1メッキ工程において、第2層42と同時に形成される。そのため、被覆層2412の厚みは、第2層42の厚みと、実質的に同じである。
【0125】
そのため、第2層42の厚みを検査することによって、被覆層2412の厚みを推測できる。
【0126】
4.効果
(1)集合体シート1によれば、図2Aに示すように、配線回路基板2の第2端子241は、第1の金属からなる層(端子本体2411)と第2の金属からなる層(被覆層2412)とからなる層構成を有する。配線回路基板2から離れて配置される検査部4も、第1の金属からなる層(第1層41)と第2の金属からなる層(第2層42)とからなる層構成を有する。つまり、検査部4は、第2端子241と同じ材料からなる同じ層構成を有する。
【0127】
そのため、検査部4に対して実施した品質検査の結果に基づいて、第2端子241の品質を推測できる。
【0128】
その結果、検査部4を用いて、第2端子241を破壊することなく配線回路基板2の品質検査を実施できる。
【0129】
(2)集合体シート1によれば、図2Aに示すように、検査部4の少なくとも一部の幅W3が、30μm以上である。
【0130】
そのため、検査部4の大きさを確保でき、検査部4を用いた品質検査を容易に実施できる。
【0131】
(3)集合体シート1によれば、図1に示すように、検査部4は、フレーム3に配置される。
【0132】
そのため、配線回路基板2を支持するフレーム3を利用して、検査部4を設ける部分を別途設けることなく、配線回路基板2から離れた位置に検査部4を設けることができる。
【0133】
(4)集合体シート1によれば、図2Aに示すように、第2端子241が金属支持層21から離れているのと同様に、検査部4も、フレーム3の金属層31から離れている。
【0134】
そのため、検査部4の構造を、第2端子241の構造に、より近似させることができる。
【0135】
(5)集合体シート1の製造方法によれば、図4Bに示すように、
第1メッキ工程において、第2端子241の被覆層2412と、検査部4の第2層42とを、メッキにより同時に形成する。
【0136】
そのため、検査部4を、第2端子241と同じ材料から、第2端子241と同じ層構成で形成できる。
【0137】
(6)集合体シート1の製造方法によれば、図4Aに示すように、第2パターン工程において、金属箔Mの一部をエッチングすることにより、検査部4の第1層41を、フレーム3の金属層31から分離させる。
【0138】
このような方法によれば、検査部4をフレーム3の金属層31から離すことができ、検査部4の構造を、第2端子241の構造に、より近似させることができる。
【0139】
5.変形例
次に、図5から図8を参照して、変形例について説明する。変形例において、上記した実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0140】
(1)図5に示すように、検査部4は、フレーム3の金属層31と連続してもよい。詳しくは、検査部4の第1層41は、フレーム3の金属層31と連続していてもよい。フレーム3は、絶縁層32および給電部33を有さなくてもよい。
【0141】
この変形例によれば、検査部4を容易に形成することができる。
【0142】
詳しくは、第1パターン工程において、金属箔Mの上に絶縁層32および給電部33を形成しなくてもよい。
【0143】
また、第2パターン工程において、金属層31に貫通穴31Aを形成しなくてもよい。
【0144】
そして、第1メッキ工程において、第2端子241の端子本体2411と、第2配線242と、金属層31の一部(検査部4の第1層41になる部分)とが露出され、金属支持層21および金属層31の残部(検査部4を形成しない部分)が被覆されるように、金属箔Mの上にメッキレジストを貼り合わせる。
【0145】
次に、金属層31に電力を供給し、電解メッキにより、金属層31の一部(メッキレジストから露出している部分)の上に第2層42を形成する。
【0146】
それ以外は、上記した実施形態と同様にして、集合体シート1を製造できる。
【0147】
(2)図6に示すように、第2端子は、被覆層2412を被覆する第2被覆層2413を、さらに有してもよい。この場合、検査部4は、第2層42を被覆する第3層43を有する。第2被覆層2413および第3層43は、第3の金属からなる。第3の金属として、例えば、ニッケル、金、および、錫が挙げられる。第3の金属は、第1の金属および第2の金属の両方と異なる。具体的には、第2の金属が、ニッケルであり、第3の金属が、金である。
【0148】
この変形例によれば、上記した実施形態の第1メッキ工程および第2メッキ工程に代えて、図7Aおよび図7Bに示すように、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの端子本体2311と、第2端子241の端子本体2411と、検査部4の第1層41とを、同時にメッキする(メッキ工程)。
【0149】
詳しくは、図7Aに示すように、第1端子231A,231B,231Cのそれぞれの被覆層2312Aと、第2端子241の被覆層2412と、検査部4の第2層42とを、電解メッキにより、同時に形成する。
【0150】
次に、図7Bに示すように、第1端子231A,231B,231C,232A,232B,232C,232Dのそれぞれの被覆層2312Bと、第2端子241の第2被覆層2413と、検査部4の第3層43とを、電解メッキにより、同時に形成する。
【0151】
それ以外は、上記した実施形態と同様にして、集合体シート1を製造できる。
【0152】
(3)図8に示すように、集合体シート1は、複数の検査部4を有してもよい。1つの配線回路基板に対して1つの検査部4が設けられていてもよい。検査部4は、フレーム3と配線回路基板2との間に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0153】
1 集合体シート
2 配線回路基板
3 フレーム
4 検査部
21 金属支持層
22 ベース絶縁層
31 金属層
41 第1層
42 第2層
43 第3層
231A 第1端子
241 第2端子
2411 端子本体
2412 被覆層
2413 第2被覆層
M 金属箔
W3 検査部の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8