(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021004
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/34 20060101AFI20240207BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240207BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240207BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240207BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240207BHJP
H10B 41/70 20230101ALI20240207BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20240207BHJP
【FI】
G11C16/34 103
G11C16/04 170
H01L27/11582
H01L27/11573
H01L29/78 371
H01L27/1156
H01L27/11526
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123623
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐野 京佑
(72)【発明者】
【氏名】池上 一隆
(72)【発明者】
【氏名】前田 高志
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA02
5B225BA19
5B225CA11
5B225DC03
5B225DC08
5B225DC10
5B225DE20
5B225EA05
5B225FA02
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA11
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA13
5F083KA18
5F083LA03
5F083LA05
5F083LA10
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA20
5F083ZA21
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE02
5F101BE05
5F101BF05
(57)【要約】
【課題】メモリセルへの書き込み動作後の閾値分布の広がりを抑制すること。
【解決手段】一実施形態に係る半導体記憶装置は、第1ワード線と第2ワード線とによって挟まれ、第3ワード線と第4ワード線とによって挟まれ、第5ワード線と第6ワード線とによって挟まれ、第1ワード線に対向する第1メモリセル、第2ワード線に対向する第2メモリセル、第3ワード線に対向する第3メモリセル、第4ワード線に対向する第4メモリセル、第5ワード線に対向する第5メモリセル、及び第6ワード線に対向する第6メモリセルを含むと共に、第1ビット線に電気的に接続される第1のメモリピラーと、ロジック制御回路と、を含み、ロジック制御回路は、第1メモリセル乃至第6メモリセルに対して消去動作を実行可能に制御し、第1メモリセルに対する1次書き込み動作と第2メモリセルに対する1次書き込み動作とを異なるタイミングで実行可能に制御する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に配置され、前記第1方向に交差する第2方向に延在する第1ビット線と、
前記第1方向及び前記第2方向に延在する第1層に設けられた第1ワード線と、
前記第1層に設けられ、前記第1ワード線とは独立して制御される第2ワード線と、
前記第1方向及び前記第2方向に延在し、前記第1層に隣接する第2層に設けられた第3ワード線と、
前記第2層に設けられ、前記第3ワード線とは独立して制御される第4ワード線と、
前記第1方向及び前記第2方向に延在し、前記第1層に対して前記第2層が隣接する側と反対側に隣接する第3層に設けられた第5ワード線と、
前記第3層に設けられ、前記第5ワード線とは独立して制御される第6ワード線と、
前記第1ワード線と前記第2ワード線とによって挟まれ、前記第3ワード線と前記第4ワード線とによって挟まれ、前記第5ワード線と前記第6ワード線とによって挟まれ、前記第1ワード線に対向する第1メモリセル、前記第2ワード線に対向する第2メモリセル、前記第3ワード線に対向する第3メモリセル、前記第4ワード線に対向する第4メモリセル、前記第5ワード線に対向する第5メモリセル、及び前記第6ワード線に対向する第6メモリセルを含み、前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第1ビット線に電気的に接続される第1のメモリピラーと、
前記第3メモリセル、前記第1メモリセル及び前記第5メモリセルに電気的に直列に接続する第1選択トランジスタと、
前記第4メモリセル、前記第2メモリセル及び前記第6メモリセルに電気的に直列に接続する第2選択トランジスタと、
前記第3方向に積層され、前記第1方向に延在し、前記第1選択トランジスタに電気的に接続された第1セレクトゲート線と、
前記第3方向に積層され、前記第1方向に延在し、前記第2選択トランジスタに電気的に接続された第2セレクトゲート線と、
前記第1メモリセル乃至前記第6メモリセルに対して、消去状態の閾値電圧を読み出し動作時に供給される最低電圧以上にする消去動作、及び、前記消去動作のあとの1次書き込み動作、前記1次書き込み動作のあとの2次書き込み動作、及び前記2次書き込み動作のあとの3次書き込みを実行可能に制御するロジック制御回路と、
を含み、
前記ロジック制御回路は、
前記第1メモリセル乃至前記第6メモリセルに対して前記消去動作を実行可能に制御し、
前記第1メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第2メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御し、
前記第3メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第4メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御し、
前記第5メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第6メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御する、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記ロジック制御回路は、
前記第1メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第2メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御し、
前記第3メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第4メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御し、
前記第5メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第6メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
第1方向に配置され、前記第1方向に交差する第2方向に延在する第2ビット線と、
前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第2ビット線に電気的に接続された第2メモリピラーと、
前記第3方向に積層され、前記第1方向に延在する第3セレクトゲート線と、
をさらに含み、
前記第2メモリピラーは、
前記第1ワード線と前記第2ワード線とによって挟まれ、前記第3ワード線と前記第4ワード線とによって挟まれ、前記第5ワード線と前記第6ワード線とによって挟まれ、前記第1ワード線に対向する第7メモリセルと、前記第2ワード線に対向する第8メモリセルと、前記第3ワード線に対向する第9メモリセルと、前記第4ワード線に対向する第10メモリセルと、前記第5ワード線に対向する第11メモリセルと、及び前記第6ワード線に対向する第12メモリセルと、
前記第2セレクトゲート線に電気的に接続し、前記第10メモリセル、前記第8メモリセル及び前記第12メモリセルに電気的に直列に接続する第3選択トランジスタと、
前記第3セレクトゲート線に電気的に接続し、前記第9メモリセル、前記第7メモリセル及び前記第11メモリセルに電気的に直列に接続する第4選択トランジスタと、
を含み、
前記ロジック制御回路は、
前記第7メモリセル乃至前記第12メモリセルに対して前記消去動作を実行し、
前記第7メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第8メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御し、
前記第9メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第10メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御し、
前記第11メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第12メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、交互に実行可能に制御する、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記1次書き込み動作はベリファイ動作及びプログラム動作を含み、
前記ロジック制御回路は、前記消去動作を完了したのち、前記1次書き込み動作、前記2次書き込み動作及び前記3次書き込み動作を一連の動作として実行可能に制御する、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ロジック制御回路は、前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルに対して前記1次書き込み動作を実行したのち、前記第1メモリセルに対して2次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ロジック制御回路は、
前記第5メモリセル、前記第6メモリセル、前記第3メモリセル、及び前記第4メモリセルに前記1次書き込み動作を実行したのち、
前記第2ワード線、前記第4ワード線及び前記第6ワード線に負電圧を印加し、前記第1ワード線に第1電圧を印加し、前記第1メモリセルに対する前記ベリファイ動作を実行し、
前記第2ワード線乃至前記第6ワード線に第2電圧を印加し、前記第1ワード線に第3電圧を印加し、前記第1メモリセルに対する前記2次書き込み動作を実行したのち、前記第1メモリセルに対する前記3次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記ロジック制御回路は、
前記第5メモリセル、及び前記第6メモリセルに前記1次書き込み動作を実行したのち、
前記第2ワード線及び前記第6ワード線に負電圧を印加し、前記第1ワード線に第1電圧を印加し、前記第1メモリセルに対する前記ベリファイ動作を実行し、
前記第2ワード線乃至前記第6ワード線に第2電圧を印加し、前記第1ワード線に第3電圧を印加し、前記第1メモリセルに対する前記2次書き込み動作を実行したのち、
前記第1メモリセルに対する前記3次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ロジック制御回路は、前記第3層及び前記第1層に設けられたワード線に対向するメモリセルに対して前記1次書き込みを実行したのち、前記第1層に設けられたワード線に対向するメモリセルに対して2次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記ロジック制御回路は、前記第1セレクトゲート線を制御した状態で、前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルの各々に対して前記1次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記ロジック制御回路は、
前記第5メモリセル及び前記第6メモリセルに対して前記1次書き込み動作を実行したのち、前記第2ワード線、前記第4ワード線及び前記第6ワード線に負電圧を印加し、前記第1ワード線に第1電圧を印加し、前記第1メモリセルに対して前記ベリファイ動作を実行し、前記ベリファイ動作を実行したのち、前記第3メモリセルに対して前記プログラム動作を実行することによって、前記1次書き込み動作を実行可能に制御し、
前記1次書き込み動作を実行したのち、前記第6メモリセルに前記2次書き込み動作を実行可能に制御する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記1次書き込み動作はベリファイ動作及びプログラム動作を含み、
前記第1ビット線に電気的に接続されると共に、第1回目の前記ベリファイ動作及び前記第1回目のベリファイ動作に続く2回目の前記ベリファイ動作において、前記第1メモリセルから読み出された閾値電圧を保持可能な第1のラッチ回路、及び、前記第2メモリセルから読み出された閾値電圧を保持可能な第2のラッチ回路を含むセンスアンプモジュールをさらに含む、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記1次書き込み動作はベリファイ動作及びプログラム動作を含み、
前記第1ビット線に電気的に接続されると共に、第1回目の前記ベリファイ動作及び前記第1回目のベリファイ動作に続く2回目の前記ベリファイ動作において、前記第1メモリセルから読み出された閾値電圧、及び、前記第2メモリセルから読み出された閾値電圧を保持可能なラッチ回路を含むセンスアンプモジュールをさらに含み、
前記ロジック制御回路は、前記第2回目の前記ベリファイ動作において、前記第1メモリセルから読み出された閾値電圧、及び、前記第2メモリセルから読み出された閾値電圧を前記ラッチ回路に保持するまえに、前記ラッチ回路に保持された、前記第1回目の前記ベリファイ動作において、前記第1メモリセルから読み出された閾値電圧、及び、前記第2メモリセルから読み出された閾値電圧をリセットする、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記1次書き込み動作はベリファイ動作及びプログラム動作を含み、
前記ロジック制御回路は、前記ベリファイ動作を前記プログラム動作より前に実行可能に制御する、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-164070号公報
【特許文献2】特開2017-168163号公報
【特許文献3】特開2020-198141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリセルへの書き込み動作後の閾値分布の広がりを抑制可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る半導体記憶装置は、第1方向に配置され、前記第1方向に交差する第2方向に延在する第1ビット線と、前記第1方向及び前記第2方向に延在する第1層に設けられた第1ワード線と、前記第1層に設けられ、前記第1ワード線とは独立して制御される第2ワード線と、前記第1方向及び前記第2方向に延在し、前記第1層に隣接する第2層に設けられた第3ワード線と、前記第2層に設けられ、前記第3ワード線とは独立して制御される第4ワード線と、前記第1方向及び前記第2方向に延在し、前記第1層に対して前記第2層が隣接する側と反対側に隣接する第3層に設けられた第5ワード線と、前記第3層に設けられ、前記第5ワード線とは独立して制御される第6ワード線と、前記第1ワード線と前記第2ワード線とによって挟まれ、前記第3ワード線と前記第4ワード線とによって挟まれ、前記第5ワード線と前記第6ワード線とによって挟まれ、前記第1ワード線に対向する第1メモリセル、前記第2ワード線に対向する第2メモリセル、前記第3ワード線に対向する第3メモリセル、前記第4ワード線に対向する第4メモリセル、前記第5ワード線に対向する第5メモリセル、及び前記第6ワード線に対向する第6メモリセルを含み、前記第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第1ビット線に電気的に接続される第1のメモリピラーと、前記第3メモリセル、前記第1メモリセル及び前記第5メモリセルに電気的に直列に接続する第1選択トランジスタと、前記第4メモリセル、前記第2メモリセル及び前記第6メモリセルに電気的に直列に接続する第2選択トランジスタと、前記第3方向に積層され、前記第1方向に延在し、前記第1選択トランジスタに電気的に接続された第1セレクトゲート線と、前記第3方向に積層され、前記第1方向に延在し、前記第2選択トランジスタに電気的に接続された第2セレクトゲート線と、前記第1メモリセル乃至前記第6メモリセルに対して、消去状態の閾値電圧を読み出し動作時に供給される最低電圧以上にする消去動作、及び、前記消去動作のあとの1次書き込み動作、前記1次書き込み動作のあとの2次書き込み動作、及び前記2次書き込み動作のあとの3次書き込みを実行可能に制御するロジック制御回路と、を含み、前記ロジック制御回路は、前記第1メモリセル乃至前記第6メモリセルに対して前記消去動作を実行可能に制御し、前記第1メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第2メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御し、前記第3メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第4メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御し、前記第5メモリセルに対する前記1次書き込み動作と、前記第6メモリセルに対する前記1次書き込み動作とを、異なるタイミングで実行可能に制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置中のメモリセルアレイの回路構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るセレクトゲート線、ビット線、及びメモリピラーの平面レイアウトを示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るワード線及びメモリピラーの平面レイアウトを示す図である。
【
図5】
図4に示される半導体記憶装置のA1-A2に沿った断面図である。
【
図6】
図4に示される半導体記憶装置のB1-B2に沿った断面図である。
【
図7】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線又はワード線の電気的接続を説明するための図である。
【
図8】第1の例において、
図5に示されるメモリセルトランジスタのC1-C2線に沿った断面図である。
【
図9】
図8に示されるメモリセルトランジスタのD1-D2線に沿った断面図である。
【
図10】第2の例において、
図5に示されるメモリセルトランジスタのC1-C2線に沿った断面図である。
【
図11】
図10に示されるメモリセルトランジスタのE1-E2線に沿った断面図である。
【
図12】第1実施形態に係る半導体記憶装置において、隣接するストリングの等価回路を示す図である。
【
図13】第1実施形態に係るメモリセルトランジスタの閾値分布を示す図である。
【
図14】第1実施形態に係る半導体記憶装置のプログラム動作におけるプログラム電圧を説明する図である。
【
図15】比較例に係る半導体記憶装置におけるベリファイ動作を説明する図である。
【
図16】比較例に係る半導体記憶装置におけるプログラム動作を説明する図である。
【
図17】第1実施形態に係る半導体記憶装置における1次書き込み動作を説明する図である。
【
図18】第1実施形態に係る半導体記憶装置における1次書き込み動作後のメモリセルトランジスタの閾値分布を説明する図である。
【
図19】第1実施形態に係る半導体記憶装置における2ステージ書き込み動作を説明する図である。
【
図20】第1実施形態に係る半導体記憶装置における3層カットオフ読み出し動作を説明する図である。
【
図21】第1実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み動作を示すフローチャートである。
【
図22】第1実施形態に係る半導体記憶装置の1次書き込み動作を説明するための図である。
【
図23】第1実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した1次書き込み動作を説明する図である。
【
図24】第1実施形態に係る半導体記憶装置の隣接するストリングの等価回路を参照した1次書き込み動作を示す図である。
【
図25】第1実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照したる1次書き込み動作を説明する図である。
【
図26】第1実施形態に係る半導体記憶装置の隣接するストリングの等価回路を参照した1次書き込み動作を示す図である。
【
図27】第1実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照したる1次書き込み動作を説明する図である。
【
図28】第1実施形態に係る半導体記憶装置の隣接するストリングの等価回路を参照した1次書き込み動作を示す図である。
【
図29】第1実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み順序を示す図である。
【
図30】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるEPベリファイ動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。
【
図31】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるEPプログラム動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。
【
図32】第1実施形態に係る半導体記憶装置の書き込みシーケンスを示す図である。
【
図33】
図33(A)、
図33(B)及び
図33(C)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の1次書き込み動作のシーケンスを示す図である。
【
図34】第2実施形態に係る半導体記憶装置における2層カットオフ読み出し動作を説明する図である。
【
図35】第2実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み順序を示す図である。
【
図36】第2実施形態に係る半導体記憶装置におけるEPベリファイ動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。
【
図37】第3実施形態に係る半導体記憶装置の1次書き込み動作を説明するための図である。
【
図38】第3実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み順序を示す図である。
【
図39】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図40】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図41】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図42】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図43】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図44】第3実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図45】第4実施形態に係る半導体記憶装置の1次書き込み動作を説明するための図である。
【
図46】第4実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み順序を示す図である。
【
図47】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図48】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図49】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図50】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図51】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図52】第4実施形態に係る半導体記憶装置のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。
【
図53】第4実施形態に係る半導体記憶装置の書き込みシーケンスを示す図である。
【
図54】第5実施形態に係る半導体記憶装置の1次書き込み動作を説明するための図である。
【
図55】第5実施形態に係る半導体記憶装置の書き込み順序を示す図である。
【
図56】第6実施形態に係るセンスアンプユニットの回路構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一、又は類似する機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字(、例えば、アルファベットの大文字、アルファベットの大文字、数字、ハイフンとアルファベットの大文字と数字など)を付して区別する。
【0008】
以下の説明では、信号X<p:0>(pは自然数)とは、(p+1)ビットの信号であり、各々が1ビットの信号である信号X<0>、X<1>、・・・、及びX<p>の集合を意味する。構成要素Y<p:0>とは、信号X<p:0>の入力又は出力に1対1に対応する構成要素Y<0>、Y<1>、・・・、及びY<p>の集合を意味する。
【0009】
<第1実施形態>
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1について説明する。
【0010】
<1-1.構成例>
<1-1―1.メモリシステム>
図1は、半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示されるように、メモリシステム3は、半導体記憶装置1及びメモリコントローラ2を含む。メモリシステム3は、例えば、SSD(solid state drive)、SDTMカードのようなメモリカード等である。メモリシステム3は、ホストデバイス(図示は省略)を含んでもよい。
【0011】
半導体記憶装置1は、例えば、メモリコントローラ2に接続し、メモリコントローラ2を用いて制御される。メモリコントローラ2は、例えば、ホストデバイスから半導体記憶装置1の動作に必要な命令を受信し、当該命令を半導体記憶装置1に送信する。メモリコントローラ2は、当該命令を半導体記憶装置1に送信し、半導体記憶装置1からのデータの読み出し動作、半導体記憶装置1へのデータの書き込み動作、及び半導体記憶装置1のデータの消去動作を制御する。第1実施形態において、半導体記憶装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
【0012】
<1-1-2.半導体記憶装置の構成>
図1に示されるように、半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ(memory cell array)21、入出力回路(input/output)22、ロジック制御回路(logic control)23、シーケンサ(sequencer)24、レジスタ(register)25、レディ/ビジー制御回路(ready/busy circuit)26、電圧生成回路(voltage generation)27、ドライバセット(driver set)28、ロウデコーダ(row decoder)29、センスアンプモジュール(sense amplifier)70、入出力用パッド群71、及びロジック制御用パッド群72を含む。半導体記憶装置1では、書き込みデータDATをメモリセルアレイ21に記憶させる書き込み動作、読み出しデータDATをメモリセルアレイ21から読み出す読み出し動作等の、各種動作が実行される。
【0013】
メモリセルアレイ21は、例えば、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、及びドライバセット28と接続される。メモリセルアレイ21は、ブロックBLKO、BLK1、・・・、BLKn(nは1以上の整数)を含む。詳細は後述するが、ブロックBLKの各々は、複数のメモリグループMG(MG0、MG1、MG2、・・・)を含む。メモリグループMGの各々は、ビット線及びワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを含む。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位となる。同一ブロックBLK内に含まれるメモリセルトランジスタMTe0~MTe7及びMTo0~MTo7(
図2)の保持するデータは、一括して消去される。なお、半導体記憶装置1では、メモリセルトランジスタMTは、単にメモリセルといわれる場合がある。
【0014】
半導体記憶装置1では、例えば、QLC(Quadruple Level Cell)方式を適用可能である。QLC方式では、各メモリセルに4ビットのデータが保持される。なお、各メモリセルに、3ビット(8値)のデータが保持されてよく、2ビット(4値)以下のデータが保持されてよく、5ビット以上のデータが保持されてもよい。
【0015】
入出力回路22は、例えば、レジスタ25、ロジック制御回路23、及びセンスアンプモジュール70に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ2と半導体記憶装置1との間で、データ信号DQ<7:0>の送受信を制御する。
【0016】
データ信号DQ<7:0>は、8ビットの信号である。データ信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信されるデータの実体であり、コマンドCMD、データDAT、アドレス情報ADD、及びステータス情報STS等を含む。コマンドCMDは、例えば、ホストデバイスから、メモリコントローラ2を介して、半導体記憶装置1に送信される命令を実行するための命令を含む。データDATは、半導体記憶装置1への書き込みデータDAT又は半導体記憶装置1からの読み出しデータDATを含む。アドレス情報ADDは、例えば、ビット線及びワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを選択するためのカラムアドレス及びロウアドレスを含む。ステータス情報STSは、例えば、書き込み動作及び読み出し動作に関する半導体記憶装置1のステータスに関する情報を含む。
【0017】
具体的には、入出力回路22は、入力回路及び出力回路を備え、入力回路及び出力回路が次に述べる処理を行う。入力回路は、メモリコントローラ2から、書き込みデータDAT、アドレス情報ADD、及びコマンドCMDを受信する。入力回路は、受信した書き込みデータDATをセンスアンプモジュール70に送信し、受信したアドレス情報ADD及びコマンドCMDをレジスタ25に送信する。一方、出力回路は、レジスタ25からステータス情報STSを受け取り、センスアンプモジュール70から読み出しデータDATを受け取る。出力回路は、受け取ったステータス情報STS及び読み出しデータDATを、メモリコントローラ2に送信する。
【0018】
ロジック制御回路23は、例えば、メモリコントローラ2及びシーケンサ24に接続される。ロジック制御回路23は、メモリコントローラ2から、例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、及びライトプロテクト信号WPnを受信する。ロジック制御回路23は、受信される信号に基づいて、入出力回路22及びシーケンサ24を制御する。
【0019】
チップイネーブル信号CEnは、半導体記憶装置1をイネーブル(有効)にするための信号である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがコマンドCMDであることを入出力回路22に通知するための信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがアドレス情報ADDであることを入出力回路22に通知するための信号である。ライトイネーブル信号WEn及びリードイネーブル信号REnはそれぞれ、例えばデータ信号DQの入力及び出力を入出力回路22に対して命令するための信号である。ライトプロテクト信号WPnは、データの書き込み及び消去の禁止を半導体記憶装置1に指示するための信号である。
【0020】
シーケンサ24は、例えば、レディ/ビジー制御回路26、センスアンプモジュール70、及びドライバセット28に接続される。シーケンサ24は、コマンドレジスタに保持されるコマンドCMDに基づいて、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ24は、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、電圧生成回路27、及びドライバセット28等を制御して、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作等の各種動作を実行する。
【0021】
レジスタ25は、例えば、ステータスレジスタ(図示は省略)、アドレスレジスタ(図示は省略)、コマンドレジスタ(図示は省略)などを含む。ステータスレジスタは、シーケンサ24からステータス情報STSを受信し、保持し、当該ステータス情報STSを、シーケンサ24の指示に基づいて入出力回路22に送信する。アドレスレジスタは、入出力回路22からアドレス情報ADDを受信し、保持する。アドレスレジスタは、アドレス情報ADD中のカラムアドレスをセンスアンプモジュール70に送信し、アドレス情報ADD中のロウアドレスをロウデコーダ29に送信する。コマンドレジスタは、入出力回路22からコマンドCMDを受信し、保持し、コマンドCMDをシーケンサ24に送信する。
【0022】
レディ/ビジー制御回路26は、シーケンサ24による制御に従ってレディ/ビジー信号R/Bnを生成し、生成したレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に送信する。レディ/ビジー信号R/Bnは、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態にあるか、又は命令を受け付けないビジー状態にあるかを通知するための信号である。
【0023】
電圧生成回路27は、例えば、ドライバセット28等に接続される。電圧生成回路27は、シーケンサ24による制御に基づいて、書き込み動作及び読み出し動作等に使用される電圧を生成し、生成した電圧をドライバセット28に供給する。
【0024】
ドライバセット28は、例えば、偶数ワード線ドライバ(Even word line driver)28A(
図7)、及び奇数ワード線ドライバ(Odd word line driver)28B(
図7)を含む。ドライバセット28は、メモリセルアレイ21、センスアンプモジュール70、及びロウデコーダ29に接続される。ドライバセット28は、電圧生成回路27から供給される電圧、又はシーケンサ24から供給される制御信号に基づいて、例えば、読み出し動作及び書き込み動作等の各種動作でセレクトゲート線SGD(
図2)、ワード線WL(
図2)、ソース線SL(
図2)、及びビット線BL(
図2)等に供給する各種電圧又は各種制御信号を生成する。ドライバセット28は、生成した電圧又は制御信号を、センスアンプモジュール70、ロウデコーダ29、ソース線SLなどに供給する。
【0025】
ロウデコーダ29は、アドレスレジスタからロウアドレスを受け取り、受け取ったロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ29は、当該デコードの結果に基づいて、読み出し動作及び書き込み動作等の各種動作を実行する対象のブロックBLKを選択する。ロウデコーダ29は、当該選択したブロックBLKに、ドライバセット28から供給される電圧を供給可能である。
【0026】
センスアンプモジュール70は、例えば、アドレスレジスタからカラムアドレスを受信し、カラムアドレスに基づいて、メモリコントローラ2とメモリセルアレイ21との間でのデータDATの送受信動作を実行する。センスアンプモジュール70は、例えば、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)毎に設けられたセンスアンプユニットSAU(
図56)を含む。詳細は後述するが、センスアンプユニットSAUはビット線BLに電圧を供給可能に電気的に接続される。また、センスアンプモジュール70は、読み出し動作に係る命令に基づき、メモリセルアレイ21から読み出されたデータ(閾値電圧)をセンスし、読み出されたデータ(閾値電圧)を一時的に保持することが可能である。また、センスアンプモジュール70は、一時的に保存したデータに基づき、論理演算をすることが可能である。また、センスアンプモジュール70は、読み出されたデータ(読み出しデータ)DATを、入出力回路22を介してメモリコントローラ2に送信する。さらに、センスアンプモジュール70は、書き込み動作に係る命令に基づき、メモリコントローラ2から入出力回路22を介して書き込みデータDATを受信し、書き込みデータDATを、メモリセルアレイ21に送信する。
【0027】
入出力用パッド群71は、メモリコントローラ2から受信するデータ信号DQ<7:0>を入出力回路22に送信する。入出力用パッド群71は、入出力回路22から受信するデータ信号DQ<7:0>をメモリコントローラ2に送信する。
【0028】
ロジック制御用パッド群72は、メモリコントローラ2から受信するチップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、及びリードイネーブル信号REnをロジック制御回路23に転送する。ロジック制御用パッド群72は、レディ/ビジー制御回路26から受信するレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に転送する。
【0029】
<1-1-3.メモリセルアレイ>
図2は、
図1に示したメモリセルアレイ21の回路構成の一例である。
図2は、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKの回路構成を示す図である。例えば、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKの各々は、
図2に示す回路構成を有する。
図2の説明において、
図1と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0030】
図2に示されるように、ブロックBLKは、複数のメモリグループMG(MG0、MG1、MG2、MG3、・・・)を含む。本実施形態では、メモリグループMGの各々は、複数のメモリストリング50を含む。例えば、メモリグループMG0及びMG2は、複数のメモリストリング50eを含み、メモリグループMG1及びMG3は、複数のメモリストリング50oを含む。
【0031】
メモリストリング50の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)及び選択トランジスタST1、ST2を含む。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。
【0032】
メモリグループMGの各々における選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD(SGD0、SGD1、SGD2、SGD3、SGD4(
図3)、SGD5(
図3)、・・・)に接続される。セレクトゲート線SGDは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。また、偶数番目のメモリグループMGe(MG0、MG2、・・・)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば、偶数セレクトゲート線SGSeに接続され、奇数番目のメモリグループMGo(MG1、MG3、・・・)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。偶数セレクトゲート線SGSe及び奇数セレクトゲート線SGSoは、例えば、互いに接続され、同様に制御されて良く、それぞれ独立に設けられ、独立に制御可能であっても良い。
【0033】
同一のブロックBLK内のメモリグループMGeに含まれるメモリセルトランジスタMT(MTe0~MTe7)の制御ゲートは、それぞれ偶数ワード線WLe(WLe0~WLe7)に共通に接続される。同一のブロックBLK内のメモリグループMGoに含まれるメモリセルトランジスタMT(MTo0~MTo7)の制御ゲートは、それぞれ奇数ワード線WLo(WLo0~WLo7)に共通に接続される。偶数ワード線WLe及び奇数ワード線WLoは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。
【0034】
各メモリグループMGは、複数のワード線WLにそれぞれ対応する複数のページを含む。例えば、メモリグループMG0又はメモリグループMG2においては、偶数ワード線WLe0~WLe7のいずれかに制御ゲートが共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTがページに対応する。また、メモリグループMG1又はメモリグループMG3においては、奇数ワード線WLo0~WLo7のいずれかに制御ゲートが共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTがページに対応する。書き込み動作及び読み出し動作は、ページを単位として実行される。
【0035】
メモリセルアレイ21内において同一列にあるメモリストリング50の選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)に共通に接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のメモリグループMG間でメモリストリング50を共通に接続される。複数の選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。ソース線SLは、例えば、ドライバセット28に電気的に接続され、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27又はドライバセット28から電圧を供給される。また、半導体記憶装置1は、複数のソース線SLを備えてもよい。例えば、複数のソース線SLのそれぞれは、ドライバセット28に電気的に接続され、複数のソース線SLのそれぞれは、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27又はドライバセット28から互いに異なる電圧を供給されてもよい。
【0036】
メモリグループMGは、異なるビット線BLに接続され、かつ、同一のセレクトゲート線SGDに接続されたメモリストリング50を複数含む。ブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のメモリグループMGを複数含む。メモリセルアレイ21は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKを含む。メモリセルアレイ21内において、上述したセレクトゲート線SGS、ワード線WL、及びセレクトゲート線SGDがソース線層の上方に積層され、メモリセルトランジスタMTが三次元に積層される。
【0037】
<1-1-4.メモリセルアレイの平面レイアウト>
図3は、あるブロックBLKのソース線層に平行な面内(XY平面)における、セレクトゲート線SGD、ビット線BL、及びメモリピラーMPの平面レイアウトを示す図である。
図3に示されるように、半導体記憶装置1では、例えば、1つのブロックBLK内に6つのセレクトゲート線SGDが含まれる。
図3の説明において、
図1及び
図2と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0038】
図3に示されるように、半導体記憶装置1では、例えば、X方向に延びる配線層10-0a、10-0b、10-0cは、Y方向に延びる第1接続部(1st connecting section)10-0dを用いて接続される。配線層10-0a、10-0cはY方向の両端に設けられる。配線層10-0aと配線層10-0bとは、配線層10-1aを挟んでY方向に隣接している。第1接続部10-0dはX方向の一端に設けられる。3つの配線層10-0a、10-0b、10-0cがセレクトゲート線SGD0として機能する。
【0039】
X方向に延びる配線層10-1a、10-1bは、Y方向に延びる第2接続部(2nd connecting section)10-1dを用いて接続される。配線層10-1aは、配線層10-0a、10-0bの間に設けられている。配線層10-1bは、配線層10-0bと配線層10-2aとの間に設けられる。第2接続部10-1dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-1a、10-1bがセレクトゲート線SGD1として機能する。
【0040】
X方向に延びる配線層10-2a、10-2bは、Y方向に延びる第1接続部10-2dを用いて接続される。配線層10-2aは、配線層10-1bと配線層10-3aとの間に設けられる。配線層10-2bは、配線層10-3aと配線層10-3bとの間に設けられる。第1接続部10-2dは、X方向において第1接続部10-0dと同じ側の一端に位置する。2つの配線層10-2a、10-2bがセレクトゲート線SGD2として機能する。
【0041】
X方向に延びる配線層10-3a、10-3bは、Y方向に延びる第2接続部10-3dを用いて接続される。配線層10-3aは、配線層10-2aと配線層10-2bとの間に設けられる。配線層10-3bは、配線層10-2bと配線層10-0cとの間に設けられる。第2接続部10-3dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-3a、10-3bがセレクトゲート線SGD3として機能する。
【0042】
X方向に延びる配線層10-4a、10-4bは、Y方向に延びる第1接続部10-4dを用いて接続される。配線層10-4aは、配線層10-3bと配線層10-5aとの間に設けられる。配線層10-4bは、配線層10-5aと配線層10-5bとの間に設けられる。第1接続部10-4dは、X方向において第1接続部10-0dと同じ側の一端に位置する。2つの配線層10-4a、10-4bがセレクトゲート線SGD4として機能する。
【0043】
X方向に延びる配線層10-5a、10-5bは、Y方向に延びる第2接続部10-5dを用いて接続される。配線層10-5aは、配線層10-4aと配線層10-4bとの間に設けられる。配線層10-5bは、配線層10-4bと配線層10-0cとの間に設けられる。第2接続部10-5dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-5a、10-5bがセレクトゲート線SGD5として機能する。
【0044】
第1実施形態では、各々の配線層が第1接続部10-0d、10-2d、10-4d、又は第2接続部10-1d、10-3d、10-5dを用いて接続された構成が例示されるが、各々の配線層の構成は第1実施形態で示される構成に限定されない。例えば、各々の配線層が独立しており、配線層10-0a、10-0b、10-0cに同じ電圧が供給され、配線層10-1a、10-1bに同じ電圧が供給され、配線層10-2a、10-2bに同じ電圧が供給され、配線層10-3a、10-3bに同じ電圧が供給され、配線層10-4a、10-4bに同じ電圧が供給され、配線層10-5a、10-5bに同じ電圧が供給されるように制御されてもよい。
【0045】
ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10は絶縁される。隣り合う配線層10を絶縁する領域を、スリットSLT2という。スリットSLT2では、例えばソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域が絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれている。また、メモリセルアレイ21内には、例えば、
図3に示されるブロックBLKがY方向に複数配置される。ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10と同様に、Y方向で隣り合うブロックBLKの間は、絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれており、Y方向で隣り合うブロックBLK間も絶縁される。隣り合うブロックBLKを絶縁する領域を、スリットSLT1という。スリットSLT2と同様に、スリットSLT1では、絶縁膜が、ソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域を、埋め込んでいる。
【0046】
Y方向で隣り合う配線層10間には、複数のメモリピラーMP(MP0~MP23)が設けられる。複数のメモリピラーMPはメモリセル部(memory cell section)に設けられる。複数のメモリピラーMPの各々はZ方向に沿って設けられる。第1実施形態において、例えば、Y方向はX方向に直交、又は略直交する方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に直交、又は略直交する方向であり、ソース線層に平行な方向に対して垂直、又は略垂直な方向である。第1実施形態において、メモリピラーMPは「半導体ピラー」といわれる場合があり、X方向は「第1方向」といわれる場合があり、Y方向は「第2方向」といわれる場合があり、Z方向は「第3方向」といわれる場合がある。
【0047】
具体的には、配線層10-0a、10-1aの間にはメモリピラーMP6、MP18が設けられる。配線層10-1a、10-0bの間にはメモリピラーMP0、MP12が設けられる。配線層10-0b、10-1bの間にはメモリピラーMP7、MP19が設けられる。配線層10-1b、10-2aの間にはメモリピラーMP1、MP13が設けられる。配線層10-2a、10-3aの間にはメモリピラーMP8、MP20が設けられる。配線層10-3a、10-2bの間にはメモリピラーMP2、MP14が設けられる。配線層10-2b、10-3bの間にはメモリピラーMP9、MP21が設けられる。配線層10-3b、10-4aの間にはメモリピラーMP3、MP15が設けられる。配線層10-4a、10-5aの間にはメモリピラーMP10、MP22が設けられる。配線層10-5a、10-4bの間にはメモリピラーMP4、MP16が設けられる。配線層10-4b、10-5bの間にはメモリピラーMP11、MP23が設けられる。配線層10-5b、10-0cの間にはメモリピラーMP5、MP17が設けられる。
【0048】
メモリピラーMPは、選択トランジスタST1、ST2及びメモリセルトランジスタMTを形成する構造体である。メモリピラーMPの詳細な構造は後述する。
【0049】
メモリピラーMP0~MP5は、Y方向に沿って配置される。メモリピラーMP12~MP17は、メモリピラーMP0~MP5にX方向で隣り合う位置において、Y方向に沿って配置される。すなわち、メモリピラーMP0~MP5と、メモリピラーMP12~MP17とが並行に配置される。
【0050】
メモリピラーMP6~MP11及びメモリピラーMP18~MP23は、それぞれY方向に沿って配置される。メモリピラーMP6~MP11は、X方向において、メモリピラーMP0~MP5とメモリピラーMP12~MP17との間に位置する。メモリピラーMP18~MP23は、X方向において、メモリピラーMP6~MP11と共にメモリピラーMP12~MP17を挟むように位置する。すなわち、メモリピラーMP6~MP11と、メモリピラーMP18~MP23とが並行に配置される。
【0051】
メモリピラーMP0~MP5の上方には、2つのビット線BL0及びBL1が設けられる。ビット線BL0はメモリピラーMP1、MP3及びMP5に共通に接続される。ビット線BL1はメモリピラーMP0、MP2及びMP4に共通に接続される。メモリピラーMP6~MP11の上方には、2つのビット線BL2及びBL3が設けられる。ビット線BL2はメモリピラーMP7、MP9及びMP11に共通に接続される。ビット線BL3はメモリピラーMP6、MP8、及びMP10に共通に接続される。
【0052】
メモリピラーMP12~MP17の上方には、2つのビット線BL4及びBL5が設けられる。ビット線BL4はメモリピラーMP13、MP15及びMP17に共通に接続される。ビット線BL5はメモリピラーMP12、MP14及びMP16に共通に接続される。メモリピラーMP18~MP23の上方には、2つのビット線BL6及びBL7が設けられる。ビット線BL6はメモリピラーMP19、MP21及びMP23に共通に接続される。ビット線BL7はメモリピラーMP18、MP20及びMP22に共通に接続される。
【0053】
半導体記憶装置1では、メモリピラーMP1、MP3、及びMP5に接続されたビット線BL0、並びに、メモリピラーMP13、MP15及びMP17に接続されたビット線BL4を第1グループGR1といわれる場合がある。メモリピラーMP0、MP2、MP4、及びMP6~11に接続されたビット線BL1~BL3、並びに、メモリピラーMP12、MP14、MP16、及びMP18~MP23に接続されたビット線BL5~BL7を第2グループGR2といわれる場合がある。
【0054】
上述のように、メモリピラーMPは、Y方向において2つの配線層10を跨ぐ位置に設けられると共に、複数のスリットSL2のうち、いずれかのスリットSLT2の一部に埋め込まれるように設けられる。また、Y方向で隣り合うメモリピラーMP間には1つのスリットSLT2が設けられる。
【0055】
なお、スリットSLT1を挟んで隣り合う配線層10-0aと配線層10-0cとの間の領域には、メモリピラーMPは設けられない。ただし、プロセス安定性の観点から、当該領域に、BLに接続されないダミーのメモリピラーMPが設けられてもよい。
【0056】
図4は、XY平面におけるワード線WL、ビット線BL、及びメモリピラーMPの平面レイアウトを示す図である。
図4に示されるレイアウトは、
図3の1ブロック分の領域のレイアウトに対応し、
図3に示される配線層10よりも下層に設けられる配線層11のレイアウトである。
図4の説明において、
図1~
図3と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0057】
図4に示されるように、X方向に延びる9個の配線層11(配線層11-0a、11‐0b、及び11-1~11-11)が、Y方向に沿って配置される。配線層11-0a、11-0b、及び11-1~11-11は、Z方向に対して配線層10-0~10-7の下層に配置される。配線層11-0a、11-0b、及び11-1~11-11と配線層10-0~10-7との間には、絶縁膜が設けられる。
【0058】
各配線層11は、ワード線WL7として機能する。その他のワード線WL0~WL6もワード線WL7と同様の構成及び機能を有する。
図4に示す例では、配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-8、11-10、及び11-0bが偶数ワード線WLe7として機能する。配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-8、11-10、及び11-0bは、Y方向に延びる第1接続部11-12を用いて接続される。第1接続部(1st connecting section)11-12はX方向の一端に設けられる。配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-8、11-10、及び11-0bは、第1接続部11-12を用いてロウデコーダ29に接続される。半導体記憶装置1では、第1接続部11-12及び配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-8、11-10、11-0bをまとめて配線層11eという場合がある。
【0059】
また、配線層11-1、11-3、11-5、11-7、11-9、及び11-11が、奇数ワード線WLo7として機能する。配線層11-1、11-3、11-5、11-7、11-9、及び11-11は、Y方向に延びる第2接続部(2nd connecting section)11-13を用いて接続される。第2接続部11-13は、X方向において第1接続部11-12の反対側の他端に設けられる。配線層11-1、11-3、11-5、11-7、11-9、及び11-11は、第2接続部11-13を用いてロウデコーダ29に接続される。半導体記憶装置1では、第2接続部11-13及び配線層11-1、11-3、11-5、11-7、11-9、及び11-11をまとめて配線層11oという場合がある。
【0060】
メモリセル部(memory cell section)が第1接続部11-12と第2接続部11-13との間に設けられる。メモリセル部では、Y方向で隣り合う配線層11は、
図3に示されるスリットSLT2によって離隔される。また、Y方向で隣り合うブロックBLK間の配線層11は、スリットSLT2と同様に、スリットSLT1によって離隔される。メモリセル部は、
図3と同様に、メモリピラーMP0~MP23を含む。
【0061】
セレクトゲート線SGS及びワード線WL0~WL6は、
図4に示すワード線WL7と同様の構成及び機能を有する。
【0062】
<1-1-5.メモリセルアレイの断面構造>
図5は、
図4に示すA1-A2断面を示す図である。
図5の説明において、
図1~
図4と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0063】
図5に示されるように、配線層12が、Z方向に沿って半導体基板13のp型ウェル領域(p-well)の上方に設けられる。半導体基板13は、例えば、ソース線SLとして機能する。配線層12はセレクトゲート線SGSとして機能する。8層の配線層11が、Z方向に沿って配線層12の上方に積層される。また、8層の配線層11は、ワード線WL0~WL7に1対1で対応する。
図4がワード線WLとして機能する配線層11の平面レイアウトを示す図であり、
図3がセレクトゲート線SGDとして機能する配線層10の平面レイアウトを示す図である。セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12の平面レイアウトは、例えば、
図4に示すセレクトゲート線SGDとして機能する配線層10を、セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12に置き換えたレイアウトである。
【0064】
配線層12は、偶数セレクトゲート線SGSe又は奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する。偶数セレクトゲート線SGSe、及び奇数セレクトゲート線SGSoは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接する偶数セレクトゲート線SGSeと奇数セレクトゲート線SGSoとの間にはメモリピラーMPが設けられる。なお、偶数セレクトゲート線SGSe及び奇数セレクトゲート線SGSoは、電気的に独立に駆動される必要はない。偶数セレクトゲート線SGSe及び奇数セレクトゲート線SGSoは、電気的に接続されてもよい。
【0065】
配線層11は、偶数ワード線WLe又は奇数ワード線WLoとして機能する。偶数ワード線WLe、及び奇数ワード線WLoは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接する偶数ワード線WLe、及び奇数ワード線WLoの間にはメモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPと偶数ワード線WLeとの間、及びメモリピラーMPと奇数ワード線WLoとの間には後述するメモリセルが設けられる。
【0066】
Y方向で隣り合うブロックBLK間にはスリットSLT1が設けられる。スリットSLT1には、例えば、絶縁層が設けられる。スリットSLT1のY方向に沿った幅は、スリットSLT2のY方向に沿った幅と略同じ大きさである。
【0067】
半導体記憶装置1では、ソース線SLは、半導体基板13の主面上に設けられる。ソース線SLは、パターニングされていない導電層がメモリセルアレイ21の領域に広がった構成であってよく、線状にパターニングされた導電層が当該領域に広がった構成であってもよい。換言すると、ソース線SLは、X方向及びY方向に広がっている。
【0068】
メモリピラーMP上には、ビット線BL1、及びBL2が設けられている。コンタクトプラグ16が各メモリピラーMPとビット線BLとの間に設けられる。コンタクトプラグ16が各メモリピラーMPとビット線BLとを接続する。例えば、メモリピラーMP0、メモリピラーMP2、メモリピラーMP4、及びビット線BL1が、コンタクトプラグ16を介して接続される。また、メモリピラーMP7、メモリピラーMP7、メモリピラーMP9、メモリピラーMP11、及びビット線BL2が、コンタクトプラグ16を介して接続される。その他のメモリピラーMPは、
図5に示される断面以外の領域で、コンタクトプラグ16を介して、ビット線BL0、又はビット線BL3~ビット線BL7と接続されている。
【0069】
図6は、
図4に示される半導体記憶装置1のB1-B2断面を示す図である。
図6の説明において、
図1~
図5と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。配線層12、配線層11、及び配線層10の積層構造、メモリセル部の構成は
図5を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。なお、
図6では、B1-B2断面の奥行き方向に存在する構成が点線で描かれている。
【0070】
図6に示されるように、第1接続部(1st connecting section)17dでは、配線層10、配線層11、及び配線層12が階段状に形成されている。すなわち、XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面が第1接続部17dにおいて露出される。第1接続部17dにおいて露出された配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面に、コンタクトプラグ17が設けられる。コンタクトプラグ17は金属配線層18に接続される。例えば、金属配線層18を用いて、偶数セレクトゲート線SGD0、SGD2及びSGD4として機能する配線層10、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11、及び偶数セレクトゲート線SGSeとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、偶数ワード線ドライバ28A及びに電気的に接続される。
【0071】
第1接続部17dと同様に、第2接続部(2nd connecting section)19dでは、配線層10、配線層11、及び配線層12が、階段状に形成されている。XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面が第2接続部19dにおいて露出される。第2接続部19dにおいて露出された配線層10の端部の上面、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部上面上に、コンタクトプラグ19が設けられ、コンタクトプラグ19は金属配線層20に接続される。例えば、金属配線層20を用いて、奇数セレクトゲート線SGD1、SGD3及びSGD5、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11、及び奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続される。
【0072】
配線層10は、第1接続部17dの代わりに第2接続部19dを介してロウデコーダ29、又は、偶数ワード線ドライバ28A及び奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良く、第1接続部17d及び第2接続部19dの両方を介してロウデコーダ29、又は、偶数ワード線ドライバ28A及び奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良い。
【0073】
図7は、第1実施形態に係る電圧生成回路27、ドライバセット28、セレクトゲート線SGD又はワード線WLの電気的接続を説明するための図である。
図7の説明において、
図1~
図6と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0074】
図7に示されるように、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11は偶数ワード線ドライバ28Aに接続され、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11は奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されてもよい。「1-1-2.半導体記憶装置の構成」において説明した通り、偶数ワード線ドライバ28A、及び奇数ワード線ドライバ28Bは、ドライバセット28に含まれる。ドライバセット28は、電圧生成回路27に電気的に接続される。偶数ワード線ドライバ28A、及び奇数ワード線ドライバ28Bは、電圧生成回路27から供給される電圧を用いて各種電圧を生成し、偶数ワード線ドライバ28Aは生成した電圧を偶数ワード線WLeに供給し、奇数ワード線ドライバ28Bは、生成した電圧を奇数ワード線WLoに供給してもよい。
【0075】
<1-1-6.メモリピラーMP及びメモリセルトランジスタMTの断面>
<1-1-6-1.第1の例>
メモリセルトランジスタMTの構造には、
図8及び
図9に示される第1の例の構造が用いられる。
図8は
図5のC1-C2線に沿った断面を示す図であり、
図9は
図8に示されるメモリセルトランジスタMTのD1-D2線に沿った断面を示す図である。
図8及び
図9は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す断面図である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、導電膜である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTがフローティングゲート型のメモリセルトランジスタMTである。
図8及び
図9の説明において、
図1~
図7と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0076】
図8及び
図9に示されるように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層48及び絶縁層43、半導体層40、絶縁層41、導電層42、及び絶縁層46a~46cを含む。絶縁層48は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層40は、絶縁層48の周囲を取り囲むようにして設けられる。半導体層40はメモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層40は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層40は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で連続して設けられ、メモリセルトランジスタMT間で分離されない。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0077】
半導体層40は、対向する2つのメモリセルトランジスタMT間で連続している。したがって、対向する2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。具体的には、
図8及び
図9において、互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)及び右側のメモリセルトランジスタMT(第3メモリセル)において、第1メモリセルで形成されるチャネル(第1チャネル)及び第3メモリセルで形成されるチャネル(第2チャネル)は、メモリピラーMPの一部を共有する。ここで、2つのチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するとは、2つのチャネルが同一のメモリピラーMPに形成され、且つ、2つのチャネルが一部重なっていることを意味する。半導体記憶装置1では、上記の構成を、2つのメモリセルトランジスタMTがチャネル共有する、又は2つのメモリセルトランジスタMTが対向する、という場合がある。
【0078】
絶縁層41は、半導体層40の周囲に設けられ、各メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、
図8に示すXY平面内において、2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層41のそれぞれが、同一メモリピラーMP内の2つのメモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。
【0079】
導電層42は、絶縁層41の周囲に設けられ、かつ、絶縁層43によって、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された導電層42のそれぞれは、上記2つのメモリセルトランジスタMTの各々の電荷蓄積層として機能する。導電層42は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。
【0080】
絶縁層43は例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。導電層42の周囲には、絶縁層46a、絶縁層46b、及び絶縁層46cが導電層42に近い側から順次設けられる。絶縁層46a及び絶縁層46cは例えばシリコン酸化膜を用いて形成され、絶縁層46bは例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層46a、絶縁層46b、及び絶縁層46cはメモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層46a、絶縁層46b、及び絶縁層46cは、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層46cの間には絶縁層43が設けられる。また、スリットSLT2内には絶縁層43が埋め込まれる。絶縁層43は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0081】
メモリピラーMPの第1の例の周囲には、例えばAlO層45が設けられる。AlO層45の周囲には、例えばバリアメタル層47が設けられる。バリアメタル層47は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層47の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。第1実施形態に係るメモリピラーMPの配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0082】
図8及び
図9に示すメモリセルトランジスタMTの構成では、1つのメモリピラーMP内には、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMTが設けられている。選択トランジスタST1及びST2はメモリセルトランジスタMTと同様の構成を有している。Z方向に隣接するメモリセルトランジスタMT間には図示されていない絶縁層が設けられ、この絶縁層と絶縁層43、絶縁層46によって、導電層42は個々のメモリセルトランジスタMT毎に絶縁されている。
【0083】
<1-1-6-2.第2の例>
メモリセルトランジスタMTには、
図10及び
図11に示される第2の例の構造が用いられてもよい。
図10は
図5のC1-C2線に沿った断面を示す図であり、
図11は
図10に示すメモリセルトランジスタMTのE1-E2断面を示す図である。
図10及び
図11は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す断面図である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、絶縁膜である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTがMONOS型のメモリセルトランジスタMTである
図10及び
図11の説明において、
図1~
図7と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0084】
図10及び
図11に示されるように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層30、半導体層31、絶縁層32、絶縁層33、及び絶縁層34を含む。絶縁層30は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層31は、絶縁層30の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層31は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層31は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0085】
絶縁層32は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層32は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。絶縁層33は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。絶縁層33は、例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層34は、絶縁層33の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層34は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。メモリピラーMP部を除くスリットSLT2内には、絶縁層37が埋め込まれる。絶縁層37は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0086】
第2の例に係るメモリピラーMPの周囲には、例えばAlO層35が設けられる。AlO層35の周囲には、例えばバリアメタル層36が設けられる。バリアメタル層36は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層36の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0087】
第1の例と同様に、第2の例に係る1つのメモリピラーMPは、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMTを含む。1つのメモリピラーMPと同様に、選択トランジスタST1及びST2はY方向に沿って2つのトランジスタを含む。
【0088】
<1-1-7.ストリングの等価回路>
図12は、半導体記憶装置1において隣接するストリングの等価回路図である。
図12の説明において、
図1~
図11と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0089】
図12に示されるように、1つのメモリピラーMPには、2つのメモリストリング50e、50oが形成されている。具体的には、メモリピラーMPの第1側(第3側)にメモリストリング50oが設けられている。メモリピラーMPの第2側(第4側)にメモリストリング50eが設けられている。
【0090】
メモリストリング50oは、電気的に直列に接続された選択トランジスタSTo1、i(iは2以上の整数)個のメモリセルトランジスタMTo、及び選択トランジスタSTo2を有する。また、メモリストリング50eは、電気的に直列に接続された選択トランジスタSTe1、i個のメモリセルトランジスタMTe、及び選択トランジスタSTe2を有する。
【0091】
メモリストリング50e及びメモリストリング50oは対向するように設けられる。よって、メモリストリング50eに含まれる選択トランジスタSTe1、メモリセルトランジスタMTe0~MTe7、及び選択トランジスタSTo2と、メモリストリング50oに含まれる選択トランジスタSTo1、メモリセルトランジスタMTo0~MTo7、及び選択トランジスタSTo2とは、1対1で対向するように設けられる。
【0092】
ソース線SLに対してZ方向に、1層の奇数セレクトゲート線SGSo、偶数セレクトゲート線SGSe、i層の奇数ワード線WLo、i層の偶数ワード線WLe、及び1層のセレクトゲート線SGD0、SGD1が設けられている。
【0093】
第1実施形態では、iは8である。8個のメモリセルトランジスタMTo0~MTo7は、選択トランジスタSTo1と選択トランジスタSTo2の間に電気的に接続され、8個のメモリセルトランジスタMTe0~MTe7は、選択トランジスタSTe1と選択トランジスタSTe1との間に電気的に接続され、奇数ワード線WLo0~WLo7及び偶数ワード線WLe0~WLe7が設けられている。
【0094】
半導体記憶装置1では、例えば、メモリストリング50o、50eを区別する必要がない場合は、単に「メモリストリング50」という場合がある。メモリストリング50に含まれる部材及び当該部材に接続された配線についても、メモリストリング50o、50eを区別する場合と同様に表現する。例えば、メモリセルトランジスタMTo、MTeを区別する必要がない場合は、単に「メモリセルトランジスタMT」という場合がある。
【0095】
メモリストリング50oの選択トランジスタSTo1は、例えば、セレクトゲート線SGD1に接続される。メモリストリング50eの選択トランジスタSTe1は、例えば、セレクトゲート線SGD0に接続される。選択トランジスタSTo1及びSTe1は、2n個のセレクトゲート線SGD0~SGD5のうち、いずれかのセレクトゲート線SGDに接続される。
【0096】
メモリストリング50oのメモリセルトランジスタMTo0~MTo7は、電気的に直列に接続され、Z方向に沿って配置され、i層の奇数ワード線WLo0~WLo7にそれぞれ接続される。メモリストリング50eのメモリセルトランジスタMTe0~MTe7は、電気的に直列に接続され、Z方向に沿って配置され、i層の偶数ワード線WLe0~WLe7にそれぞれ接続される。メモリストリング50oの選択トランジスタSTo2は、例えば、奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。メモリストリング50eの選択トランジスタSTe2は、例えば、偶数セレクトゲート線SGSeに接続される。第1メモリピラーMPにおいて、i個のメモリセルトランジスタMTo0~MTo7(第1メモリセル)及びi個のメモリセルトランジスタMTe0~MTe7(第2メモリセル)、選択トランジスタSTo1及びSTe1、並びに、選択トランジスタSTo2及びSTe2は半導体層を共有する。第1メモリピラーMPと同様に、第2メモリピラーMPにおいても、i個のメモリセルトランジスタMTo0~MTo7(第3メモリセル)及びi個のメモリセルトランジスタMTe0~MTe7(第4メモリセル)、選択トランジスタSTo1及びSTe1、並びに、選択トランジスタSTo2及びSTe2は半導体層を共有する。
【0097】
メモリストリング50e、50oにおいて、対向する選択トランジスタSTo1及びSTe1のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、それぞれ対向するメモリセルトランジスタMTo0~MTo7及びメモリセルトランジスタMTe0~MTe7のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向する選択トランジスタSTo2及びSTe2のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続される。上述した電気的な接続は、対向するトランジスタにおいて形成されるチャネルがメモリピラーMPの一部を共有することに起因する。
【0098】
同一のメモリピラーMP内の2つのメモリストリング50e、50oは、同一のビット線BL及び同一のソース線SLに接続される。
【0099】
8層の奇数ワード線WLo0~WLo7(第1ワード線)のうち1番目の奇数ワード線WLo0の位置がソース線SLの位置に最も近いと共にビット線BLの位置から最も遠く、8番目の奇数ワード線WLo7の位置がソース線SLの位置から最も遠いと共にビット線BLの位置に最も近い。同様に、8層の偶数ワード線WLe0~WLe7(第2ワード線)のうち1番目の偶数ワード線WLe0の位置がソース線SLの位置に最も近いと共にビット線BLの位置から最も遠く、8番目の偶数ワード線WLe7の位置がソース線SLの位置から最も遠いと共にビット線BLの位置に最も近い。
【0100】
<1-1-8.メモリセルトランジスタMTの閾値分布>
図13を用いて、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧分布の一例として、Triple Level Cell (TLC)について説明する。メモリシステム3では、Quad Level Cell (QLC)、Multi Level Cell (MLC)、Single Level Cell (SLC)が用いられてもよい。
【0101】
図13は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧分布、データの割り付け、読み出し電圧、及びベリファイ電圧の一例をそれぞれ示す。
図13に示す閾値電圧分布の縦軸はメモリセルトランジスタMTの個数(Number of cells)に対応し、横軸はメモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vth(Threshold voltage)に対応している。
【0102】
図13に示すように、TLC方式において複数のメモリセルトランジスタは、8個の閾値電圧分布を形成する。メモリシステム3では、8個の閾値電圧分布を書き込みレベルという場合がある。当該書き込みレベルを、閾値電圧の低い方から順に“Er”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、“G”レベルと称する。これらの書き込みレベルには、例えば以下に示すような、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。この3ビットデータを下位ビット(Lower)、中位ビット(Middle)、上位ビット(Upper)という。
【0103】
“Er”レベル:“111”データ
“A”レベル:“110”データ
“B”レベル:“100”データ
“C”レベル:“000”データ
“D”レベル:“010”データ
“E”レベル:“011”データ
“F”レベル:“001”データ
“G”レベル:“101”データ
なお、上記のデータは、Upper、Middle、Lowerの順で表記されている。
【0104】
同一ワード線に接続されたメモリセルトランジスタMTが保持するLowerビットの集合をLowerページといい、Middleビットの集合をMiddleページといい、Upperビットの集合をUpperページという。データの書き込み動作及び読み出し動作は、上記のページ単位で行われる。
【0105】
書き込み動作では、プログラム動作及びベリファイ動作が繰り返し実行される。プログラム動作は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を所定の電圧ずつ高電圧化する動作である。プログラム動作が実行される度にベリファイ動作が実行され、プログラム動作後のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が読み出され、所望の閾値電圧に達しているか否かが評価される。ベリファイ動作によって、所望の閾値電圧に達していないと判断された場合、再度プログラム動作が実行される。メモリシステム3では、所定の電圧を電圧ステップ幅という。
【0106】
隣接する閾値電圧分布の間には、それぞれのベリファイ動作における判断基準となるベリファイ電圧が設定される。具体的には、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルにそれぞれ対応して、ベリファイ電圧AV、BV、CV、DV、EV、FV、及びGVが設定される。
【0107】
例えば、ベリファイ電圧AVは、“Er”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。メモリセルトランジスタにベリファイ電圧AVが印加されると、閾値電圧が“Er”レベルに含まれるメモリセルトランジスタがオン状態になり、閾値電圧が“A”レベル以上の閾値電圧分布に含まれるメモリセルトランジスタが非導通状態(オフ状態)になる。
【0108】
その他のベリファイ電圧BV、CV、DV、EV、FV、及びGVもベリファイ電圧AVと同様に設定される。ベリファイ電圧BVは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定される。ベリファイ電圧CVは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定される。ベリファイ電圧DVは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定される。ベリファイ電圧EVは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定される。ベリファイ電圧FVは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定される。ベリファイ電圧GVは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
【0109】
例えば、ベリファイ電圧AVは0.8Vに設定され、ベリファイ電圧BVは1.6Vに設定され、ベリファイ電圧CVは2.4Vに設定され、ベリファイ電圧DVは3.1Vに設定され、ベリファイ電圧EVは3.8Vに設定され、ベリファイ電圧FVは4.6Vに設定され、ベリファイ電圧GVは5.6Vに設定されてもよい。しかし、これらのベリファイ電圧AV~GVは、上記の電圧値に限定されない。ベリファイ電圧AV~GVは、例えば、0.0V~7.0Vの範囲で、適宜、段階的に設定されてもよい。
【0110】
隣接する閾値電圧分布の間には、それぞれの読み出し動作で使用される読み出し電圧が設定される。例えば、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が“Er”レベルに含まれるのか、“A”レベル以上に含まれるのかを判定する読み出し電圧ARは、“Er”レベルにおける最大の閾値電圧と“A”レベルにおける最小の閾値電圧との間に設定される。
【0111】
その他の読み出し電圧BR、CR、DR、ER、FR、及びGRも読み出し電圧ARと同様に、隣接するレベル間に設定される。例えば、読み出し電圧BRは、“A”レベルと“B”レベルとの間に設定される。読み出し電圧CRは、“B”レベルと“C”レベルとの間に設定される。読み出し電圧DRは、“C”レベルと“D”レベルとの間に設定される。読み出し電圧ERは、“D”レベルと“E”レベルとの間に設定される。読み出し電圧FRは、“E”レベルと“F”レベルとの間に設定される。読み出し電圧GRは、“F”レベルと“G”レベルとの間に設定される。
【0112】
読み出し動作時に非選択WLに印可する電圧VREADは、最も高い閾値電圧分布(例えば“G”レベル)の最大の閾値電圧よりも高い電圧値に設定される。VREADがゲートに印加されたメモリセルトランジスタMTは、記憶するデータに依らずにオン状態になる。
【0113】
ベリファイ電圧AV、BV、CV、DV、EV、FV、及びGVは、それぞれ読み出し電圧AR、BR、CR、DR、ER、FR、及びGRよりも高い電圧に設定される。すなわち、ベリファイ電圧AV~GVは、それぞれ“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、及び“G”レベルの閾値電圧分布の下裾近傍に設定される。
【0114】
上記のデータの割り付けが適用された場合、読み出し動作において下位ビットの1ページデータ(Lowerページのデータ)は、読み出し電圧AR及びERを用いた読み出し結果によって確定する。中位ビットの1ページデータ(Middleページのデータ)は、読み出し電圧BR、DR、及びFRを用いた読み出し結果によって確定する。上位ビットの1ページデータ(Upperページのデータ)は、読み出し電圧CR及びGRを用いた読み出し結果によって確定する。このように、Lowerページ、Middleページ、及びUpperページのデータが、それぞれ2回、3回、及び2回の読み出し動作によって確定するため、このデータの割り付けは“2-3-2コード”と称される。
【0115】
<1-1-9.消去状態の閾値電圧分布>
図13及び
図14を用いて、書き込み動作が実行されたメモリセルトランジスタMTに対して消去動作が実行された直後の閾値電圧分布を説明する。消去動作(Erase)が実行されると、消去対象の全てのメモリセルトランジスタMTは、“Er0”状態に遷移する。“Er0”状態のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧は、電圧VVFYER未満であり、電圧VVFYMIN以上である。電圧VVFYERは、電圧AV以下であり且つ電圧VNEGより高い電圧(例えば、0V)である。電圧VVFYMINは、消去動作によってメモリセルトランジスタMTが取り得る最低の閾値電圧であり、電圧VNEGより低い電圧である。電圧VNEGは、例えば、負電圧(<0V)であり、半導体記憶装置1内で生成可能な最低の電圧である。
図13に示す“Er0”状態は電圧Vnn未満の閾値電圧を有する状態を含む。一方、“Er”状態は電圧Vnn未満の閾値電圧を有する状態を含まない。上記の点において、“Er0”状態と“Er”状態とは相違する。
【0116】
“Er0”状態に属するメモリセルトランジスタMTは、閾値電圧が電圧VVFYER以下に制御されるため、“A”状態~“G”状態のいずれの状態にも属さない。当該メモリセルトランジスタMTは、電圧VNEGよりも低い閾値電圧を有するため、半導体記憶装置1内で生成可能な電圧のうち最低電圧がワード線WLに印加された場合であっても、当該メモリセルトランジスタMTはオン状態となる。
【0117】
以下、閾値電圧が電圧VNEGより低いメモリセルトランジスタMTを、「過消去セル」という。過消去セルの閾値電圧は読み出し動作時に供給される最低電圧よりも低い。すなわち、ワード線WLに最低電圧を印加しても過消去セルをオフ状態に制御することができないため、誤書き込み及び誤読み出しの原因となり得る。メモリシステム3では、過消去セルの数を低減するために、過消去セルであると判定されたメモリセルトランジスタMTに対して、過消去セルの閾値電圧を高電圧化させるプログラム動作が行われる。メモリシステム3では、過消去セルの数を低減するために実行されるプログラム動作を、通常の書き込み動作時のプログラム動作と区別して「過消去セル用プログラム動作(1次書き込み動作)」という。また、メモリシステム3では、通常の書き込み動作におけるプログラム動作及びベリファイ動作と区別するために、1次書き込み動作におけるプログラム動作及びベリファイ動作を「EPプログラム動作(EP Program)」及び「EPベリファイ動作(EP Verify)」という。
【0118】
メモリシステム3では、全てのメモリセルトランジスタMTに対して消去動作及び1次書き込み動作が一連の動作として実行されたのち、2次書き込み動作及び3次書き込み動作が実行されてよい。また、全てのメモリセルトランジスタMTに対して消去動作が完了したのち、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作が一連の動作として実行されてよい。例えば、第1実施形態に係るメモリシステム3の書き込み動作は、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作を含むものとする。また、例えば、第1実施形態に係るメモリシステム3では、全てのメモリセルトランジスタMTに対して消去動作及び1次書き込み動作が一連の動作として実行されたのち、2次書き込み動作及び3次書き込み動作が実行される動作を、第1の動作とし、全てのメモリセルトランジスタMTに対して消去動作が完了したのち、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作が一連の動作として実行される動作を、第2の動作とする。第1の動作では、消去動作及び1次書き込み動作が一連の動作として実行されるため、第1の動作の消去動作に要する時間は、例えば、消去動作の時間に、セレクトゲート線SGD0~SGD5に属する全てのメモリセルトランジスタMTの1次書き込み動作の時間を加算した時間と見なされる。一方、第2の動作では、消去動作が実行されたのち、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作一連の動作として実行されるため、第1実施形態に係るメモリシステム3の消去動作+書き込み動作に要する時間は、セレクトゲート線SGDに属する全てのメモリセルトランジスタMTごとの時間と見なすことができる。例えば、第2の動作では、第1実施形態に係るメモリシステム3の消去動作+書き込み動作に要する時間は、セレクトゲート線SGD0に属する全てのメモリセルトランジスタMTの消去動作に要する時間に、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作一連の動作に要する時間を加算した時間と見なすことができる。その結果、メモリシステム3では、第2の動作を用いた場合には、消去動作、並びに、1次書き込み動作、2次書き込み動作及び3次書き込み動作一連の動作に要する時間のオーバヘッドを抑制可能である。
【0119】
1次書き込み動作において、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を高くするためにメモリセルトランジスタMTに印加される電圧をプログラム電圧という。1次書き込み動作におけるEPプログラム動作はEPベリファイ動作と交互に行われ、プログラム電圧はEPプログラム動作の度に所定の電圧幅(ΔVPGM)で段階的に高くなる(
図14参照)。
図14において、横軸(time)はプログラム動作を行う回数であり、縦軸(voltage)はメモリセルトランジスタMTに印加されるプログラム電圧である。
【0120】
<1-1-10.1次書き込み動作>
メモリシステム3のように対向するメモリセルトランジスタMTにおいて、メモリセルトランジスタMTo4が過消去セルである場合、メモリセルトランジスタMTo4をオフ状態にすることができないため、メモリセルトランジスタMTo4に対してEPベリファイ動作を行っても、メモリセルトランジスタMTe4に対してEPベリファイ動作を行ってもメモリセルトランジスタMTo4を介して電流が流れてしまう。そのため、対向するメモリセルトランジスタMTのうち、どちらのメモリセルトランジスタMTが過消去セルであるのかを判定することは困難である。
【0121】
はじめに、
図15及び
図16を用いて、比較例に係る1次書き込み動作(1st write operation)について説明する。
図15は、比較例に係るEPベリファイ動作及びEPベリファイ動作後のメモリセルトランジスタMTの閾値分布を説明するための図である。
図16は、比較例に係るEPプログラム動作及び1次書き込み動作後のメモリセルトランジスタMTの閾値分布説明する図である。なお、
図15及び
図16に示される閾値電圧分布の上側の縦軸は、メモリストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMToの個数(50o Number of cells)に対応し、
図15及び
図16に示される閾値電圧分布の下側の縦軸は、メモリストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMTeの個数(50e Number of cells)に対応し、横軸はメモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vth(Threshold voltage)に対応している。
【0122】
比較例に係る1次書き込み動作は、1回の1次書き込み動作によって過消去セルを解消する動作である。過消去セルの問題を解消するために、対向するメモリセルトランジスタMTに対して一括でEPベリファイ動作が行われる。具体的には、
図15に示されるように、対向するメモリセルトランジスタMTの両方(例えば、MTo4及びMTe4)に対してベリファイ電圧VPVFYが供給され、それ以外のメモリセルトランジスタMTには電圧VREADが供給される。半導体記憶装置1では、電圧VPVFYは「第1電圧」という場合がある。
【0123】
上記の比較例に係るEPベリファイ動作において過消去セルが検出された場合、対向するメモリセルトランジスタMTに対して一括でEPプログラム動作が行われる。具体的には、EPプログラム動作が行われるメモリセルトランジスタMTに対して過消去セル用プログラム電圧(EP電圧)VPGMが供給され、それ以外のメモリセルトランジスタMTには電圧VPASSが供給される。半導体記憶装置1では、電圧VPASSは「第2電圧」という場合がある。
【0124】
上述のとおり、1次書き込み動作は、過消去セルであると判定されたメモリセルトランジスタMTに対して、閾値電圧を高電圧化させるプログラム動作である。比較例に係る1次書き込み動作によって、例えば
図15に示される“Er”状態の閾値電圧分布のうち、電圧VNEGよりも低い閾値電圧を有するメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が高電圧化される。その結果、
図16に示されるように、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧が全て電圧VNNVFYより高くなる。
【0125】
比較例に係るEPベリファイ動作において、対向するメモリセルトランジスタMTの両方に同時にベリファイ電圧VPVFYが供給される。例えば、メモリセルトランジスタMTo4が過消去セルであり、メモリセルトランジスタMTo4に対向するメモリセルトランジスタMTe4が過消去セルでない場合であっても、メモリセルトランジスタMTo4及びMTe4に同時にベリファイ電圧VPVFYが供給される。したがって、メモリセルトランジスタMTo4の閾値電圧は電圧VNEGより大きくなり、過消去な状態が改善される。しかしながら、過消去セルでないメモリセルトランジスタMTe4には、過剰な電圧が書き込まれるため、メモリセルトランジスタMTe4の閾値電圧がさらに大きくなる。
【0126】
対向するメモリセルトランジスタMTの両方の閾値が電圧VNNVFY超えるまで、1次書き込み動作(EPプログラム動作及びEPベリファイ動作)が実行される。即ち、対向するメモリセルトランジスタMTの閾値電圧分布は、閾値電圧が低いメモリセルトランジスタMTに制約される。したがって、比較例に係る1次書き込み動作後の閾値電圧分布の形状は、EPプログラム動作における電圧幅に加えて、Er状態の閾値電圧分布に依存した形状になる。
図16に示される閾値電圧分布では、(A)の範囲のプロファイルは、EPプログラム動作における電圧幅に依存するプロファイルであり、相対的に幅の小さい分布である。一方、(B)の範囲のプロファイルは、比較例に係る1次書き込み動作を行う前の“Er”状態の閾値電圧分布(
図15参照)に依存するプロファイルであり、相対的に幅の大きい分布である。
【0127】
上記のように、比較例では、1次書き込み動作が、対向するメモリセルトランジスタMTに対して一括で行われるため、過消去セルではないメモリセルトランジスタMTにも1次書き込み動作が行われる。その結果、上記の(B)の範囲のプロファイルが形成され、1次書き込み動作後に閾値電圧分布の幅を小さくすることが難しい。
【0128】
詳細は後述するが、ここでは、
図17及び
図18を用いて、本実施形態に係る1次書き込み動作(1st write operation)を簡単に説明する。
図17は半導体記憶装置1における1次書き込み動作を説明する図である。
図18は、半導体記憶装置1における1次書き込み動作後のメモリセルトランジスタMTの閾値分布を説明する図である。
図17に示されるように、本実施形態に係る1次書き込み動作では、メモリストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作(EPベリファイ動作及びEPプログラム動作)と、メモリストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作(EPベリファイ動作及びEPプログラム動作)とが交互に複数回実行される。複数回は例えばN回であり、数値Nは2以上の整数である。
【0129】
例えば、メモリセルトランジスタMTe4が電圧VPVFYを印加されると共に、メモリセルトランジスタMTe4に対向するメモリセルトランジスタMTo4が電圧VNEGを印加され、メモリストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMTe4に対してEPベリファイ動作が実行され、メモリセルトランジスタMTe4が電圧VPRGを印加されると共に、メモリセルトランジスタMTe4に対向するメモリセルトランジスタMTo4が電圧VPASSを印加され、メモリストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMTe4に対してEPプログラム動作が実行される。続いて、メモリセルトランジスタMTo4が電圧VPVFYを印加されると共に、メモリセルトランジスタMTo4に対向するメモリセルトランジスタMTe4が電圧VNEGを印加され、メモリストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMTo4に対してEPベリファイ動作が実行され、メモリセルトランジスタMTo4が電圧VPRGを印加されると共に、メモリストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMTo4に対向するメモリセルトランジスタMTe4が電圧VPASSを印加され、メモリセルトランジスタMTo4に対してEPプログラム動作が実行される。半導体記憶装置1では、電圧VPRGは「第3電圧」という場合がある。
【0130】
本実施形態に係る1次書き込み動作では、例えば、メモリセルトランジスタMTo4が過消去セルであり、メモリセルトランジスタMTo4に対向するメモリセルトランジスタMTe4が過消去セルでない場合であっても、メモリセルトランジスタMTo4に対する1次書き込み動作と、メモリセルトランジスタMTe4に対する1次書き込み動作とが交互に実行されるため、比較例のように一括で同一の電圧が印加されることが無い。その結果、メモリセルトランジスタMTo4の過消去な状態を低減しつつ、1次書き込み動作後の閾値電圧分布の幅を小さくすることができる。
【0131】
<1-1-11.2ステージ書き込み動作>
図19を用いて、半導体記憶装置1に係る2ステージ書き込み動作を説明する。メモリシステム3では、1つのメモリセルに対する書き込み動作が複数回の書き込み動作によって実現される。このような書き込み動作をマルチステージ書き込み動作という。書き込み動作のステージ数によって、書き込み動作は異なる。
【0132】
メモリシステム3(半導体記憶装置1)では、1次書き込み動作の後に、2ステージ書き込み動作が実行される。2ステージ書き込み動作は、第1ステージ(1st stage)の書き込み動作(2次書き込み動作(2nd write operation))と第2ステージ(2nd stage)の書き込み動作(3次書き込み動作(3rd write operation))とを含む。
【0133】
1次書き込み動作と同様に、2次書き込み動作は、プログラム動作及びベリファイ動作を含む。2次書き込み動作のプログラム動作は、“Er1”レベル、“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルに応じた電圧をメモリセルトランジスタMTにプログラムする動作である。2次書き込み動作のベリファイ動作は、“Er1”レベル、“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルのそれぞれのプログラム動作後に、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がそれぞれのレベルに到達していることを確認するための動作である。1次書き込み動作と同様に、“Er1”レベル、“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルに応じた電圧が、メモリセルトランジスタMTにプログラムされていない場合、“Er1”レベル、“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルに応じた電圧が、メモリセルトランジスタMTにプログラムされるまで、2次書き込み動作が複数回実行される。2次書き込み動作によって、“Er1”レベル、“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルが形成される。
【0134】
1次書き込み動作と同様に、3次書き込み動作は、プログラム動作及びベリファイ動作を含む。3次書き込み動作のプログラム動作は、“Er”レベル~“G”レベルに応じた電圧をメモリセルトランジスタMTにプログラムする動作である。3次書き込み動作のベリファイ動作では、“Er”レベル~“G”レベルのそれぞれのプログラム動作後に、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がそれぞれのレベルに到達していることを確認するための動作である。1次書き込み動作と同様に、“Er”レベル~“G”レベルに応じた電圧が、メモリセルトランジスタMTにプログラムされていない場合、“Er”レベル~“G”レベルに応じた電圧が、メモリセルトランジスタMTにプログラムされるまで、3次書き込み動作が複数回実行される。2次書き込み動作の後の3次書き込み動作によって、“Er”レベル~“G”レベルが形成される。
【0135】
2次書き込み動作後の“B1”レベル、“D1”レベル、及び“F1”レベルは、それぞれ3次書き込み動作後の“B”レベル、“D”レベル、及び“F”レベルよりも閾値電圧分布の幅が大きい。2次書き込み動作後の書き込みレベル数(4)は、3次書き込み動作後の書き込みレベル数(8)よりも小さい。なお、干渉効果及びプログラムディスターブの影響に起因する意図しない閾値電圧の上昇によって、3次書き込み動作後の“Er”レベルは2次書き込み動作後の“Er1”レベルよりも閾値電圧分布の幅が大きい。
【0136】
2ステージ書き込み動作では、2次書き込み動作でラフな書き込み動作を行い、3次書き込み動作で詳細な書き込み動作を行う。具体的には、最終的な書き込みレベル(3次書き込み動作後の書き込みレベル)が“Er”レベル又は“A”レベルである場合、2次書き込み動作によって“Er1”レベルに書き込まれた後に、3次書き込み動作によって“Er”レベル又は“A”レベルに書き込まれる。
【0137】
上記と同様に、2次書き込み動作によって“B1”レベルに書き込まれた後に、3次書き込み動作によって“B”レベル又は“C”レベルに書き込まれる。同様に、2次書き込み動作によって“D1”レベルに書き込まれた後に、3次書き込み動作によって“D”レベル又は“E”レベルに書き込まれる。同様に、2次書き込み動作によって“F1”レベルに書き込まれた後に、3次書き込み動作によって“F”レベル又は“G”レベルに書き込まれる。
【0138】
2次書き込み動作後の1つのレベルから分離した3次書き込み動作後の複数のレベルのうち最も小さいレベルにおける閾値分布の上端は、分離前のレベル(2次書き込み動作後のレベル)における閾値分布の上端よりも高電圧側に位置している。具体的には、“B”レベルにおける閾値分布の上端は、“B1”レベルにおける閾値分布の上端よりも高電圧側に位置している。各ステージにおける書き込み動作では、閾値電圧を高くすることしかできないため、上記のような書き込み動作を行う。
【0139】
半導体記憶装置1に含まれるメモリセルトランジスタMTでは、書き込み済みのメモリセルトランジスタMT(対象のメモリセルトランジスタMT)の閾値電圧は、当該メモリセルトランジスタMTの書き込み動作の後に行われる他のメモリセルトランジスタMTの書き込み動作によって変化する。このように、対象のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が他のメモリセルトランジスタMTの書き込み動作によって変化することを、干渉が発生するという場合がある。
【0140】
書き込み動作を複数のステージに分けて行うことで、他のメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作による干渉の影響を小さくすることができる。
【0141】
<1-1-12.3層カットオフ>
図20を用いて、3層カットオフを説明する。
図12に示されるように、対向するメモリセルトランジスタMTのチャネルはメモリピラーMPの一部を共有する。すなわち、対向するメモリセルトランジスタMTのソース同士及びドレイン同士は電気的に接続されている。例えば、
図20に示されるように、メモリストリング50eのメモリセルトランジスタMTe4に対して、EPベリファイ動作を行う場合、少なくともメモリストリング50oのメモリセルトランジスタMTo4を強制的にオフ状態にしておく必要がある。これによって、メモリセルトランジスタMTo4のカットオフ特性を向上させることができる。
【0142】
理想的には、EPベリファイ動作を行うメモリセルトランジスタMTに対向するメモリセルトランジスタMTだけを強制的にオフ状態にすればよい。しかしながら、例えば、メモリセルトランジスタのゲート長が短いと、当該対向するメモリセルトランジスタMTのカットオフ特性では、当該対向するメモリセルトランジスタMTから当該書き込み動作を行うメモリセルトランジスタMTに流れる電流を十分に抑制できない場合があり得る。その場合は、当該対向するメモリセルトランジスタMTだけでなく、その上下に位置するメモリセルトランジスタMT又はその上下の一方に位置するメモリセルトランジスタMTも強制的にオフ状態にすることでカットオフ特性を補うことができる。当該対向するメモリセルトランジスタMT及びその上下に位置するメモリセルトランジスタMTを強制的にオフ状態にする場合、3層のワード線に属するメモリセルトランジスタMTがオフ状態になるため、「3層カットオフ」という。
【0143】
図20は、一例として、3層カットオフのEPベリファイ動作を示す。EPベリファイ対象である、メモリセルトランジスタMTe4のゲートには、メモリセルトランジスタMTのデータを読み出す電圧VPVFYが供給されている。メモリセルトランジスタMTe0~MTe3及びMTe5~MTe7のゲートには、各メモリセルトランジスタMTを強制的にオン状態にするVREADが供給されている。メモリセルトランジスタMTo3~MTo5のゲートには、メモリセルトランジスタMTを強制的にオフ状態にする電圧VNEGが供給されている。メモリセルトランジスタMTo0~MTo2及びMTo6~MTo7のゲートには、電圧VREADが供給されている。すなわち、上記のように、3層カットオフのEPベリファイ動作では、EPベリファイ対象のメモリセルトランジスタMTに対向するメモリセルトランジスタMT及びその上下に隣接する層に設けられたメモリセルトランジスタMTが強制的にオフ状態になる。
【0144】
<1-2.書き込み動作>
図21~
図33を用いて、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作の順を説明する。第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作は、「1-1―1.メモリシステム」及び「1-1-2.半導体記憶装置の構成」で説明したとおり、メモリコントローラ2から半導体記憶装置1に送信される信号等に基づき、シーケンサ24を用いて制御される。また、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作は、1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作を含む。
図21、又は、
図22では、「SGD0」~「SGD5」は、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0~SGD5に相当し、「GR1」及び「GR2」は、
図3に示される第1グループGR1及び第2グループGR2に相当し、「WL0」~「WL7」、「WLe」、「WLo」は、
図5及び
図13に示される奇数ワード線WLo0~WLo7、偶数ワード線WLe0~WLe7に相当する。
図29に示される「1st」、「2nd」及び「3rd」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-1-12.2ステージ書き込み動作」に示される、1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作に相当する。
図21~
図33の説明において、
図1~
図20と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0145】
<1-2-1.書き込み動作の概要>
図21に示されるように、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作が開始されると、1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作が、繰り返し実行される。3次書き込み動作が終了すると、半導体記憶装置1の書き込み動作は完了する。なお、半導体記憶装置1では、ワード線WL7、ワード線WL6、ワード線WL5、ワード線WL4、ワード線WL3、ワード線WL2、ワード線WL1、ワード線WL0の順に、1次書き込み動作を実行する。
【0146】
1次書き込み動作は、ステップ1(STEP1)、ステップ2(STEP2)、及びステップ3(STEP3)を含む。1次書き込み動作のシーケンスでは、例えば、ステップ2はステップ1の後に実行され、ステップ3はステップ2の後に実行される。ステップ1は、ステップ1A(STEP1A)、ステップ1B(STEP1B)、ステップ1C(STEP1C)、及びステップ1D(STEP1D)を含み、ステップ2は、ステップ2A(STEP2A)、ステップ2B(STEP2B)、ステップ2C(STEP2C)、及びステップ2D(STEP2D)を含み、ステップ3は、ステップ3A(STEP3A)、ステップ3B(STEP3B)、ステップ3C(STEP3C)、及びステップ3D(STEP3D)を含む。具体的には、STEP1では、STEP1A及びSTEP1Bが複数回実行されたのち、STEP1C及びSTEP1Dが複数回実行される。STEP2では、STEP2A及びSTEP2Bが複数回実行されたのち、STEP2C及びSTEP2Dが複数回実行される。STEP3では、STEP3A及びSTEP3Bが複数回実行されたのち、STEP3C及びSTEP3Dが複数回実行される。なお、STEP1A、STEP1B、STEP1C、STEP1D、STEP2A、STEP2B、STEP2C、STEP2D、STEP3A、STEP3B、STEP3C及びSTEP3Cの各ステップはEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を含む。
【0147】
詳細は後述されるが、各ステップでは、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が、例えば、N回実行される。
【0148】
1次書き込み動作に続けて、「1-1-12.2ステージ書き込み動作」で説明された2次書き込み動作、及び3次書き込み動作が、それぞれ複数回実行される。複数回は、例えば、N回である。なお、1次書き込み動作の実行回数がN回であるが、1次書き込み動作のN回は、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作のN回と同じであってよく、異なっていてもよい。書き込み対象のメモリセルトランジスタMTの閾値電圧が、所定のレベルに設定される書き込み動作であれば、1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作のそれぞれの実行回数は、同じであってよく、異なっていてもよい。
【0149】
図22は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作の各ステップの概略を説明するための図である。以下の「1-2-2.ステップ1A及びステップ1B」、「1-2-3.ステップ1C及びステップ1D」では、各ステップの動作が
図22を用いて説明される。
図22では、「EPV」は、EPベリファイ動作(EP Verify)に相当し、「EPP」は、EPプログラム動作(EP Program)に相当する。「VFY」は電圧VSGVFYに相当し、EPベリファイ動作を実行するセレクトゲート線SGD0~SGD5に対して印加される電圧であり、「V」は電圧VPVFYに相当し、EPベリファイ動作を実行するワード線WLe及びWLoに対して印加される電圧であり、「P」は電圧VPGMに相当し、EPプログラム動作を実行するワード線WLe及びWLoに対して印加される電圧である。「S」は「SELECT」を示し、「US」は「UNSELECT」を示す。各ステップにおいて「S」が記載された第1グループGR1、又は第2グループGR2では、EPベリファイ動作、又はEPプログラム動作が実行され、各ステップにおいて「US」が記載された第1グループGR1、又は第2グループGR2では、EPベリファイ動作、又はEPプログラム動作が実行されない。
【0150】
<1-2-1-1.ステップ1A及びステップ1B>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ1A及びステップ1Bを1セット(第1番目のセット)として、第1番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第2グループGR2に属する3本のビット線BL1~BL3に属するメモリセルトランジスタMT、又は、3本のビット線BL5~BL7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第1番目のセットが実行される。また、第1番目のセットでは、ワード線WLe及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0151】
具体的には、ステップ1Aでは、ワード線WLe及び第2グループGR2は選択(S)であり、セレクトゲート線SGD0の第2グループGR2に属すると共に、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLo及び第1グループGR1は非選択(US)であり、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPRGを印加される。第2グループGR2、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18及びMP19のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0152】
ステップ1Bでは、セレクトゲート線SGD1の第2グループGR2に属すると共に、ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLe及び第1グループGR1は非選択(US)であり、ワード線WLe及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD1は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD0、及びSGD2~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLoは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD1は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD0、及びSGD2~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLoは電圧VPRGを印加される。第2グループGR2、セレクトゲート線SGD1及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18及びMP19のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0153】
<1-2-1-2.ステップ1C及びステップ1D>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ1C及びステップ1Dを1セット(第2番目のセット)として、第2番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第1グループGR1に属する1本のビット線BL0に属するメモリセルトランジスタMT、又は、1本のビット線BL4に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第2番目のセットが実行される。また、第2番目のセットでは、ワード線WLe及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0154】
具体的には、ステップ1Cでは、ワード線WLe及び第1グループGR1は選択(S)であり、セレクトゲート線SGD0の第1グループGR1に属すると共に、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLo及び第1グループGR1は非選択(US)であり、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。ステップ1Cでは、ステップ1Aの第2グループGR2を、第1グループGR1に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Aと異なる点が説明される。第1グループGR1、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP5、及びMP17のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0155】
ステップ1Dでは、セレクトゲート線SGD5の第1グループGR1に属すると共に、ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLe及び第2グループGR2は非選択(US)であり、ワード線WLe及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD5は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD0~SGD4は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLoは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD5は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD0~SGD4は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLoは電圧VPRGを印加される。セレクトゲート線SGD5及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP5、及びMP17のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0156】
<1-2-1-3.ステップ2A及びステップ2B>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ2A及びステップ2Bを1セット(第3番目のセット)として、第3番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第1番目のセットと同様に、第2グループGR2に属する3本のビット線BL1~BL3に属するメモリセルトランジスタMT、又は、3本のビット線BL5~BL7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第3番目のセットが実行される。また、第3番目のセットでは、第1番目のセットと同様に、ワード線WLe及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0157】
具体的には、ステップ2Aでは、ステップ1Aのセレクトゲート線SGD0を、セレクトゲート線SGD2に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Aと異なる点が説明される。第1グループGR2、セレクトゲート線SGD2及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP2、MP8、MP9、MP14、MP20及びMP21のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0158】
ステップ2Bでは、ステップ1Bのセレクトゲート線SGD1を、セレクトゲート線SGD3に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Bと異なる点が説明される。第2グループGR2、セレクトゲート線SGD3及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP2、MP8、MP9、MP14、MP20及びMP21のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0159】
<1-2-1-4.ステップ2C及びステップ2D>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ2C及びステップ2Dを1セット(第4番目のセット)として、第4番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第2番目のセットと同様に、第1グループGR1に属する1本のビット線BL0に属するメモリセルトランジスタMT、又は、1本のビット線BL4に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第4番目のセットが実行される。また、第4番目のセットでは、第2番目のセットと同様に、ワード線WLe及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0160】
具体的には、ステップ2Cでは、ステップ1Cのセレクトゲート線SGD0を、セレクトゲート線SGD2に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Cと異なる点が説明される。第1グループGR1、セレクトゲート線SGD2及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP1、及びMP13のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0161】
ステップ2Dでは、ステップ1Dのセレクトゲート線SGD5を、セレクトゲート線SGD1に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Dと異なる点が説明される。セレクトゲート線SGD1及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP1、及びMP13のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0162】
<1-2-1-5.ステップ3A及びステップ3B>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ3A及びステップ3Bを1セット(第5番目のセット)として、第5番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第1番目のセットと同様に、第2グループGR2に属する3本のビット線BL1~BL3に属するメモリセルトランジスタMT、又は、3本のビット線BL5~BL7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第5番目のセットが実行される。また、第5番目のセットでは、第1番目のセットと同様に、ワード線WLe及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0163】
具体的には、ステップ3Aでは、ステップ1Aのセレクトゲート線SGD0を、セレクトゲート線SGD4に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Aと異なる点が説明される。第1グループGR2、セレクトゲート線SGD4及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP4、MP10、MP11、MP16、MP22及びMP23のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0164】
ステップ3Bでは、ステップ1Bのセレクトゲート線SGD1を、セレクトゲート線SGD5に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Bと異なる点が説明される。第2グループGR2、セレクトゲート線SGD5及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP4、MP10、MP11、MP16、MP22及びMP23のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0165】
<1-2-1-6.ステップ3C及びステップ3D>
第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ3C及びステップ3Dを1セット(第6番目のセット)として、第6番目のセットがN回実行される。4本のビット線BL0~BL3又はBL4~BL7に着目した場合、第2番目のセットと同様に、第1グループGR1に属する1本のビット線BL0に属するメモリセルトランジスタMT、又は、1本のビット線BL4に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第6番目のセットが実行される。また、第6番目のセットでは、第2番目のセットと同様に、ワード線WLe及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作と、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対する動作とが交互に実行される。
【0166】
具体的には、ステップ3Cでは、ステップ1Cのセレクトゲート線SGD0を、セレクトゲート線SGD4に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Cと異なる点が説明される。第1グループGR1、セレクトゲート線SGD4及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP3、及びMP15のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0167】
ステップ3Dでは、ステップ1Dのセレクトゲート線SGD5を、セレクトゲート線SGD3に置き換えた動作が実行される。ここでは、主にステップ1Dと異なる点が説明される。セレクトゲート線SGD3及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP3、及びMP15のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0168】
<1-2-2.1次書き込み動作の一例>
図3、
図23~
図28、
図30及び
図31を用いて、1次書き込み動作のステップ1(STEP1)、ステップ2(STEP2)、及びステップ3(STEP3)のうち、ステップ1のシーケンスの例を説明する。
図23、
図25、
図27及び
図28は、半導体記憶装置1の1次書き込み動作を説明する図であり、
図24及び
図26は、半導体記憶装置1の隣接するストリングの等価回路を参照した書き込み動作を説明する図である。
図30は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のEPベリファイ動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図であり、
図31は第1実施形態に係る半導体記憶装置のEPプログラム動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。
【0169】
<1-2-2-1.1次書き込み動作の概要>
1次書き込み動作が行われる場合、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0~SGD5のいずれかが選択される。選択されたセレクトゲート線に対応する選択トランジスタST1と同じメモリストリング50o又は50eに属するメモリセルトランジスタMTに対して書き込み動作が行われる。
【0170】
なお、
図23、
図25、
図27及び
図28では、メモリピラーMP(MP0~MP23)及びワード線WL(最上層のワード線WLe7、WLo7)が示されている。メモリピラーMPとワード線WLとが対向する領域にメモリセルトランジスタMTが形成される。
【0171】
各セレクトゲート線に対応する1つの配線層10-0~10-3には、選択トランジスタST1がビット線BLに供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態となる電圧が供給される。
【0172】
各ワード線WL0~7のうち、書き込み動作の対象となるメモリセルトランジスタMTに対応する配線層11e又は11oには、メモリセルトランジスタMTに書き込み動作を行うための電圧(例えば、チャネルとしての半導体層31から電荷蓄積層としての絶縁層33へ電子を注入させるための電圧)が供給される。
【0173】
セレクトゲート線SGD0(配線層10-0)が選択され、最上層のワード線WLe7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP0、MP5、MP6、MP7、MP12、MP17、MP18、MP19におけるメモリストリング50eのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0174】
セレクトゲート線SGD1(配線層10-1)が選択され、最上層のワード線WLo7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP0、MP1、MP6、MP7、MP12、MP13、MP18、MP19におけるメモリストリング50oのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0175】
セレクトゲート線SGD2(配線層10-2)が選択され、最上層のワード線WLe7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21におけるメモリストリング50eのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0176】
セレクトゲート線SGD3(配線層10-3)が選択され、最上層のワード線WLo7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP2、MP3、MP8、MP9、MP14、MP15、MP20、MP21におけるメモリストリング50oのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0177】
セレクトゲート線SGD4(配線層10-4)が選択され、最上層のワード線WLe7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22、MP23におけるメモリストリング50eのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0178】
セレクトゲート線SGD5(配線層10-5)が選択され、最上層のワード線WLo7に書き込み動作を行うための電圧が供給された場合、メモリピラーMP4、MP5、MP10、MP11、MP16、MP17、MP22、MP23におけるメモリストリング50oのうち最上層に位置するメモリセルトランジスタMTに対する書き込み動作がなされる。
【0179】
ブロックBLKにおいて、同時に書き込み動作の対象となるメモリセルトランジスタMTのグループのことを「ページ」という場合がある。
【0180】
セレクトゲート線SGD0は「第1セレクトゲート線」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD1は「第2セレクトゲート線」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD2は「第3セレクトゲート線」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD3は「第4セレクトゲート線」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD4は「第5セレクトゲート線」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD5は「第6セレクトゲート線といわれる場合がある。
【0181】
セレクトゲート線SGD0に接続された選択トランジスタST1は「第1選択トランジスタ」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD1に接続された選択トランジスタST1は「第2選択トランジスタ」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD2に接続された選択トランジスタST1は「第3選択トランジスタ」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD3に接続された選択トランジスタST1は「第4選択トランジスタ」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD4に接続された選択トランジスタST1は「第5選択トランジスタ」といわれる場合があり、セレクトゲート線SGD5に接続された選択トランジスタST1は「第6選択トランジスタ」といわれる場合がある。
【0182】
配線層11eに設けられたワード線WLeを「第1ワード線」という場合がある。配線層11oに設けられたワード線WLoを「第2ワード線」という場合がある。第1ワード線及び第2ワード線が設けられた配線層を「第1層」という場合がある。第1ワード線と第2ワード線とは互いに独立して制御される。各メモリピラーMPはワード線WLe(第1ワード線)とワード線WLo(第2ワード線)とによって挟まれている。メモリピラーMPに設けられたメモリセルトランジスタMTのうち、ワード線WLe(第1ワード線)と対向するメモリセルトランジスタを「第1メモリセル」又は「第7メモリセル」といい、ワード線WLo(第2ワード線)と対向するメモリセルトランジスタを「第2メモリセル」又は「第8メモリセル」という。複数のメモリピラーMPは、Z方向に延在し、X方向及びY方向に配置されている。例えば、第1ワード線はワード線WLe5であり、第2ワード線はワード線WLo5である。
【0183】
上記の「第1層」の上方向に隣接する「第2層」の配線層11eに設けられたワード線WLeを「第3ワード線」という場合がある。「第2層」の配線層11oに設けられたワード線WLoを「第4ワード線」という場合がある。「第11層」の下方向に隣接する「第3層」の配線層11eに設けられたワード線WLeを「第5ワード線」という場合がある。「第3層」の配線層11oに設けられたワード線WLoを「第6ワード線」という場合がある。例えば、第3ワード線はワード線WLe6であり、第4ワード線はワード線WLo6であり、第5ワード線はワード線WLe4であり、第6ワード線はワード線WLo4である。
【0184】
第3ワード線と第4ワード線とは互いに独立して制御される。第5ワード線と第6ワード線とは互いに独立して制御される。各メモリピラーMPは、ワード線WLe(第3ワード線)とワード線WLo(第4ワード線)とによって挟まれ、ワード線WLe(第5ワード線)とワード線WLo(第6ワード線)とによって挟まれている。
【0185】
メモリピラーMPに設けられたメモリセルトランジスタMTのうち、第3ワード線と対向するメモリセルトランジスタを「第3メモリセル」又は「第9メモリセル」という。第4ワード線と対向するメモリセルトランジスタを「第4メモリセル」又は「第10メモリセル」という。第5ワード線と対向するメモリセルトランジスタを「第5メモリセル」又は「第11メモリセル」という。第6ワード線と対向するメモリセルトランジスタを「第6メモリセル」又は「第12メモリセル」という。
【0186】
なお、半導体記憶装置1では、ワード線WLoと対向するメモリセルトランジスタMTに対して書き込み動作を行った後に、ワード線WLeと対向するメモリセルトランジスタMTに対して書き込み動作を行う場合、第1層、第2層、第3層のワード線WLoをそれぞれ第1ワード線、第3ワード線、第5ワード線といい、第1層、第2層、第3層のワード線WLeをそれぞれ第2ワード線、第4ワード線、第6ワード線ということができる。同様に、第1層、第2層、第3層のワード線WLoと対向するメモリセルトランジスタMTをそれぞれ第1メモリセル又は第7メモリセル、第3メモリセル又は第9メモリセル、第5メモリセル又は第11メモリセルといい、第1層、第2層、第3層のワード線WLeと対向するメモリセルトランジスタMTをそれぞれ第2メモリセル又は第8メモリセル、第4メモリセル又は第10メモリセル、第6メモリセル又は第12メモリセルということができる。
【0187】
<1-2-2-2.1次書き込み動作の一例>
図23を用いて、ステップ1A(STEP1A)を説明する。ステップ1Aでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0によって選択されるメモリストリング50eに属すると共に、最上層のワード線WLe7及び第2グループGR2(例えば、3本のビット線BL1~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0188】
具体的には、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-0a及び10-0bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL1~BL3及びBL5~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図23において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-0a、10-0b、10-0cが配置された領域に対応する。
【0189】
セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-0a及び10-0bに対応するセレクトゲート線SGD0(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18、MP19の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図23では、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18、MP19の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0190】
図23を用いて説明されたSTEP1AのEPベリファイ動作では、例えば、
図24の右側の等価回路、及び
図30のタイミングチャートに示されるように、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。
図24又は
図30に示されるように、
図30のPV0期間において、選択セレクトゲート線SEL-SGD(ここでは、セレクトゲート線SGD0)及びSGD0に接続された選択トランジスタSTe1、並びに、セレクトゲート線SGSe及びSGSeに接続された選択トランジスタSTe2、には電圧VSGVFYが供給され、非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、GD1、SGD2、SGD3、SGD4、SGD5)及び非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、SGD1)に接続された選択トランジスタSTo1、並びに、セレクトゲート線SGSo及びSGSoに接続された選択トランジスタSTo2には電圧VSSが供給される。選択ワード線SEL-WLe_n(ここでは、WLe7)及びWLe7に接続されたメモリセルトランジスタMTe7は、電圧VPVFYが供給される。第1実施形態では、3層カットオフが実行されるため、選択されたワード線に対向する非選択ワード線及び非選択ワード線に接続されたメモリセルトランジスタMT、並びに、非選択ワード線の下層のワード線及び当該下層のワード線に接続されたメモリセルトランジスタMTには電圧VNEG又は電圧VBBが供給される。具体的には、ワード線SEL-WLo_n、n±1(ここでは、WLo7及びWLo6)並びにWLo7及びWLo6に接続されたメモリセルトランジスタMTo6及びMTo7は、電圧VNEGが供給される。非選択ワード線USEL-WLe_n(ここでは、WLe6~WLe0)及びWLe6~WLe0に接続されたメモリセルトランジスタMTe6~0、並びに、ワード線WLo_n±2以上(ここでは、WLo5~WLo0)及びWLo5~WLo0に接続されたメモリセルトランジスタMTo5~0に電圧VREADが供給される。また、第2グループGR2(例えば、ビット線BL1~3)には電圧VBLが供給され、ソース線SLには電圧VSSが供給される。なお、
図30のPV0期間以外の期間では、各信号線又は各トランジスタには、電圧VSSが供給される。
【0191】
なお、ここでは、
図30に示された選択ワード線SEL-WLe_nのWLe4をWLe7に置き換えて、選択ワード線SEL-WLe_nがWLe7の例を説明した。
図30に示されるように、選択ワード線SEL-WLe_nがWLe4の場合には、ワード線SEL-WLo_n、n±1はWLo3~WLo5であり、非選択ワード線USEL-WLe_nは、WLe7~WLe5及びWLe3~WLe0であり、ワード線WLo_n±2以上は、WLo7、WLo6、及びWLo2~WLo0である。また、電圧VPVFYは、EPベリファイ動作が実行されるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧に依存し、例えば、電圧VPVFYMIN以上、電圧VPVFY以下の電圧値に設定される。
【0192】
図23を用いて説明されたSTEP1AのEPプログラム動作では、例えば、
図24の左側の等価回路、及び
図31のタイミングチャートに示されるように、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。
図24又は
図31に示されるように、
図31のPP0期間において、選択セレクトゲート線SEL-SGD(ここでは、SGD0)及びSGD0に接続された選択トランジスタSTe1、並びに、非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、GD1、SGD2、SGD3、SGD4、SGD5)及び非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、SGD1)に接続された選択トランジスタSTo1には電圧VSGPCHが供給される。セレクトゲート線SGSe及びSGSeに接続された選択トランジスタSTe2、並びに、セレクトゲート線SGSo及びSGSoに接続された選択トランジスタSTo2には電圧VSSが供給される。選択ワード線SEL-WLe_n(ここでは、WLe7)及びWLe7に接続されたメモリセルトランジスタMTe7、非選択ワード線USEL-WLe_n(ここでは、WLe6~WLe0)及びWLe6~WLe0に接続されたメモリセルトランジスタMTe6~0、並びに、ワード線WLo0~7及びWLo0~7に接続されたメモリセルトランジスタMTo0~7には電圧VCHPCHが供給される。
【0193】
図24又は
図31に示されるように、
図31のPP0期間に続くPP1期間において、選択セレクトゲート線SEL-SGD(ここでは、SGD0)及びSGD0に接続された選択トランジスタSTe1には電圧VSGが供給される。非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、GD1、SGD2、SGD3、SGD4、SGD5)及び非選択セレクトゲート線USEL-SGD(ここでは、SGD1)に接続された選択トランジスタSTo1、セレクトゲート線SGSe及びSGSeに接続された選択トランジスタSTe2、並びに、セレクトゲート線SGSo及びSGSoに接続された選択トランジスタSTo2には電圧VSSが供給される。選択ワード線SEL-WLe_n(ここでは、WLe7)及びWLe7に接続されたメモリセルトランジスタMTe7には電圧VPASSが供給されたのち、電圧VPRGが供給される。電圧VPRGは電圧VPASSより高い。
【0194】
なお、
図24又は
図31に示されるように、第1グループGR1(例えば、非選択ビット線BL0(
図31ではInhibit BL))には、
図31に示されるPP0期間で電圧VSSから電圧VDDが供給され、
図31に示されるP1期間を過ぎて電圧VDDから電圧VSSが供給される。
図31に示される動作期間では、第2グループGR2(例えば、選択されたビット線BL1~3(
図31ではProgram BL))、及びソース線SLには電圧VSSが供給される。
図31に示されるPP0及びPP1期間以外の期間では、Inhibit BL、Program BL、及びソース線以外の各信号線又は各トランジスタには、電圧VSSが供給される。
【0195】
なお、
図23~
図31を用いた説明では、メモリストリング50e及びメモリストリング50oが説明される場合、メモリストリング50e及びメモリストリング50oの構成及び機能は
図13を用いて説明した構成及び機能と同様である。
【0196】
図25を用いて、ステップ1B(STEP1B)を説明する。ステップ1Bでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD1によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、最上層のワード線WLo7及び第2グループGR2(例えば、3本のビット線BL1~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0197】
具体的には、セレクトゲート線SGD1、ワード線WLo7及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-1a及び10-1bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL1~BL3及びBL5~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図25において、配線層11oのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-1a及び10-1bが配置された領域に対応する。
【0198】
セレクトゲート線SGD1、ワード線WLo7及び第2グループGR2が選択されると、配線層11oのうち配線層10-1a及び10-1bに対応するセレクトゲート線SGD1(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18、MP19の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図25では、メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18、MP19の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0199】
図25を用いて説明されたSTEP1BのEPベリファイ動作では、例えば、
図26の右側の等価回路に示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。なお、
図26の右側の等価回路に示される構成は、
図24及び
図30において、メモリストリング50eに係る構成(例えば、選択トランジスタSTe1及びSTe2、メモリセルトランジスタMTe0~MTe7、ワード線WLeなど)と、メモリストリング50oに係る構成(例えば、選択トランジスタSTo1及びSTo2、メモリセルトランジスタMTo0~MTe7、ワード線WLoなど)とを置き換えた構成と同様であるから、ここでの説明は省略される。
【0200】
図25を用いて説明されたSTEP1AのEPプログラム動作では、例えば、
図26の左側の等価回路、及び
図31のタイミングチャートに示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。なお、
図26の左側の等価回路、
図24及び
図31において、メモリストリング50eに係る構成(例えば、選択トランジスタSTe1及びSTe2、メモリセルトランジスタMTe0~MTe7、ワード線WLeなど)と、メモリストリング50oに係る構成(例えば、選択トランジスタSTo1及びSTo2、メモリセルトランジスタMTo0~MTe7、ワード線WLoなど)とを置き換えた構成と同様であるから、ここでの説明は省略される。
【0201】
図27を用いて、ステップ1C(STEP1C)を説明する。ステップ1Cでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、最上層のワード線WLe7及び第1グループGR1(例えば、1本のビット線BL0)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0202】
具体的には、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び第1グループGR1が選択されると、
図3に示される配線層10-0cに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0及びBL4に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図27において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-0a、10-0b、10-0cが配置された領域に対応する。
【0203】
セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び第1グループGR1が選択されると、配線層11eのうち配線層10-0cに対応するセレクトゲート線SGD0(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP5、MP17の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図27では、メモリピラーMP5、MP17の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0204】
図27を用いて説明されたSTEP1CのEPベリファイ動作では、例えば、
図24の右側の等価回路、及び
図30のタイミングチャートに示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。また、
図27を用いて説明されたSTEP1CのEPプログラム動作では、例えば、
図24の左側の等価回路、及び
図31のタイミングチャートに示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。
図24、
図30及び
図31の説明は、上述の通りであるから、ここでの説明は省略される。
【0205】
図28を用いて、ステップ1D(STEP1D)を説明する。ステップ1Dでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD5によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、最上層のワード線WLo7及び第1グループGR1(例えば、1本のビット線BL0)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0206】
具体的には、セレクトゲート線SGD5、ワード線WLo7及び第1グループGR1が選択されると、
図3に示される配線層10-5a及び10-5bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0及びBL4に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図28において、配線層11oのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-5a及び10-5bが配置された領域に対応する。
【0207】
セレクトゲート線SGD5、ワード線WLo7及び第1グループGR1が選択されると、配線層11oのうち配線層10-5a及び10-5bに対応するセレクトゲート線SGD5(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP5、MP17の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図28では、メモリピラーMP5、MP17の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0208】
図28を用いて説明されたSTEP1DのEPベリファイ動作では、例えば、
図26の右側の等価回路、及び
図30のタイミングチャートに示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。また、
図28を用いて説明されたSTEP1DのEPプログラム動作では、例えば、
図26の左側の等価回路、及び
図31のタイミングチャートに示される構成及び機能と同様に、各信号線及びトランジスタに電圧が印加される。なお、
図28を用いて説明されたSTEP1DのEPベリファイ動作及びEPプログラム動作では、
図26、
図30、又は
図31の選択セレクトゲート線SEL-SGDのSGD0をSGD5に置き換え、
図26、
図30、又は
図31の非選択セレクトゲート線USEL-SGDのSGD1~SGD5を、SGD0~SGD4に置き換えた構成と同様であるから、ここでの説明は省略される。
【0209】
<1-2-3.書き込み動作の順序の一例>
図29は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順を示す図である。
図29の各項目に記載された数値は書き込み動作が行われる順序を示す。すなわち、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」・・・の順序で書き込み動作が実行される。なお、
図29の括弧書きの順序の動作は、括弧の無い順序の動作と同じ動作が実行される。例えば、「(1,2)」は、ステップ1及びステップ2の両方が実行される動作の順序を示し、セレクトゲート線SGD1に属すると共にワード線WL7に属するメモリセルトランジスタMT(メモリピラーMP0、MP6、MP7、MP12、MP18及びMP19に属するメモリセルトランジスタMT)に対して1次書き込み動作が実行される。
【0210】
はじめに、
図29を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」及び「5」の動作を説明する。「1」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-2-2.1次書き込み動作の一例」で説明されたステップ1が実行される動作の順序を示し、「2」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-1.書き込み動作の概要」、「1-2-1-3.ステップ2A及びステップ2B」及び「1-2-1-4.ステップ2C及びステップ2D」で説明されたステップ2が実行される動作の順序を示し、「3」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-1.書き込み動作の概要」、「1-2-1-5.ステップ3A及びステップ3B」及び「1-2-1-6.ステップ3C及びステップ3D」で説明されたステップ3が実行される動作の順序を示す。「1」、「2」及び「3」によって、ワード線WL7に対する1次書き込み動作が実行される。
【0211】
「3」に続く「4」では、「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL6に対して実行される。「4」に続く「5」では、セレクトゲート線SGD0及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作(2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作)が実行される。
【0212】
よって、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、ワード線WL6に属するメモリセルトランジスタの1次書き込み動作が実行されたのち、ワード線WL7に属するメモリセルトランジスタの2次書き込み動作が実行される。第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、所望のワード線に属するメモリセルトランジスタの1次書き込み動作が終了し、所望のワード線に属するメモリセルトランジスタの2次書き込み動作を実行する場合、所望のワード線の下層のワード線に属するメモリセルトランジスタの1次書き込みを実行することによって、所望のワード線の下層のワード線に属するメモリセルトランジスタが過消去な状態であること、及び、過剰な電圧が書き込まれて閾値電圧がさらに大きくなった状態であることを解消することができる。換言すると、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、所望のワード線に属するメモリセルトランジスタの2次書き込み動作を実行する場合、所望のワード線の下層のワード線に属するメモリセルトランジスタの1次書き込みを実行することによって、所望のワード線の下層のワード線に属するメモリセルトランジスタの閾値電圧を、
図18に示されるような閾値分布内に納めることができる。その結果、誤書き込み及び誤読み出しを抑制した上で、正確な2次書き込み動作を実現することができる。
【0213】
続いて、1次書き込み動作の順序を説明する。「13」、「28」及び「43」は「4」と同様の動作が実行され、「6」、「15」、「30」及び「45」は「2」と同様の動作が、「2」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行され、「8」、「17」、「32」及び「47」は「3」と同様の動作が、「3」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行される。「4」、「6」及び「8」によって、ワード線WL6に対する1次書き込み動作が実行され、「13」、「15」及び「17」によって、ワード線WL5に対する1次書き込み動作が実行され、「28」、「30」及び「32」によって、ワード線WL5に対する1次書き込み動作が実行され、「43」、「45」及び「47」によって、ワード線WL4に対する1次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL4に対する1次書き込み動作と同様に、ワード線WL3~WL0に対しても1次書き込み動作が実行される。
【0214】
続いて、2次書き込み動作の順序を説明する。「10」、「7」、「11」、「9」及び「12」では、「5」と同じワード線WL7、かつ、
図29に示される「5」と異なるセレクトゲート線SGD(SGD1~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「14」、「19」、「16」、「20」、「18」及び「21」では、ワード線WL6に対して、それぞれ異なるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。なお、「14」、「19」、「16」、「20」、「18」及び「21」では、それぞれ、
図29に示される「5」、「10」、「7」、「11」、「9」及び「12」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に対して、2次書き込み動作が実行される。「29」、「34」、「31」、「35」、「33」及び「36」では、それぞれ、
図29に示される「5」、「10」、「7」、「11」、「9」及び「12」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)、かつ、同じワード線WL5に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「44」、「49」、「46」、「50」、「48」及び「51」では、それぞれ、それぞれ、
図29に示される「5」、「10」、「7」、「11」、「9」及び「12」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)、かつ、同じワード線WL4に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL4に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL3~WL0に対しても2次書き込み動作が実行される。
【0215】
続いて、3次書き込み動作(3次書き込み動作のベリファイ動作及びプログラム動作)の順序を説明する。所望のワード線の3次書き込み動作は、所望のワード線の2次書き込み動作が完了し、所望のワード線の下層の2次書き込み動作が完了したのち、実行される。具体的には、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「5」、「10」、「7」、「11」、「9」及び「12」)が完了し、ワード線WL7の下層であるワード線WL6に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「14」、「19」、「16」、「20」、「18」及び「21」)が完了したのち、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの3次書き込み動作(「22」、「25」、「23」、「26」、「24」及び「27」)が実行される。「37」、「40」、「38」、「41」、「39」及び「42」では、ワード線WL6に対して、それぞれ異なるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。なお、「37」、「40」、「38」、「41」、「39」及び「42」では、それぞれ、
図29に示される「22」、「25」、「23」、「26」、「24」及び「27」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に対して、3次書き込み動作が実行される。「52」、「55」、「53」、「56」、「54」及び「57」では、それぞれ、
図29に示される「22」、「25」、「23」、「26」、「24」及び「27」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)、かつ、同じワード線WL5に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL5に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL4~WL0に対しても3次書き込み動作が実行される。
【0216】
<1-2-4.書き込み動作のシーケンスの一例>
図32は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込みシーケンスを示す図であり、
図33(A)、
図33(B)及び
図33(C)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のシーケンスの一例を示す図である。
図32及び
図33の説明において、
図1~
図31と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0217】
図32を用いて、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込みシーケンスを説明する。1次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第1のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行すること、及び、セレクトゲート線SGDn+1、ワード線WLo及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第2のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行することを一組として、N回実行し、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行すること、及び、セレクトゲート線SGDn+1、ワード線WLo及び第1グループGR1に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第4のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行することを一組として、N回実行する。
【0218】
第1のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図22に示されるステップ1A(STEP1A)であり、第2のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図22に示されるステップ1B(STEP1B)であり、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図22に示されるステップ1C(STEP1C)であり、第4のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図22に示されるステップ1D(STEP1D)である。セレクトゲート線SGDnは例えばSGD0であり。セレクトゲート線SGDn+1は例えばSGD1である。
【0219】
2次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作がN回実行される。2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作では、例えば、セレクトゲート線SGDnはSGD1であり、
図29に示される2次書き込み動作の「5」に相当する。
【0220】
3次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作がN回実行される。3次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作では、例えば、セレクトゲート線SGDnはSGD1であり、
図29に示される3次書き込み動作の「22」に相当する。
【0221】
図33(A)、
図33(B)、及び
図33(C)を用いて、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のシーケンスを説明する。
【0222】
図33(A)に示される通り、半導体記憶装置1の1次書き込み動作では、第1のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、第2のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、及び、第4のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作の、それぞれのEPベリファイ動作とEPプログラム動作の順番が
図32に示される1次書き込み動作に対して入れ替わっていてもよい。
【0223】
図33(B)に示される通り、半導体記憶装置1の1次書き込み動作では、第1のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、並びに第2のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作において、第1のEPベリファイ動作及び第2のベリファイ動作が実行されたのち、第1のプログラム動作及び第2のプログラム動作が実行されてよい。また、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、並びに、第4のEPベリファイ動作及び第4のEPベリファイ動作EPプログラム動作において、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行されたのち、第4のEPプログラム動作及び第4のEPプログラム動作が実行されてよい。
【0224】
図33(C)に示される通り、半導体記憶装置1の1次書き込み動作では、
図33(B)に対して、第1のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、並びに第2のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作において、第1のプログラム動作及び第2のプログラム動作が実行されたのち、第1のEPベリファイ動作及び第2のベリファイ動作が実行されてよい。また、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、並びに、第4のEPベリファイ動作及び第4のEPベリファイ動作EPプログラム動作において、第4のEPプログラム動作及び第4のEPプログラム動作が実行されたのち、第3のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行されてよい。
【0225】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の3層カットオフが2層カットオフに置き換わり、書き込み動作の順序が異なる例について説明する。それ以外の構成及び機能は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と同様であるから、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の説明では、主に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と異なる点を説明する。
【0226】
<2-1.2層カットオフ>
図34を用いて、2層カットオフを説明する。
図34は第2実施形態に係る半導体記憶装置1における2層カットオフ読み出し動作を説明する図である。
図20を用いて説明した「1-1-12.3層カットオフ」に対して、対向するメモリセルトランジスタMT及びその上の一方に位置するメモリセルトランジスタMTを強制的にオフ状態にする場合、2層のワード線に属するメモリセルトランジスタMTがオフ状態になるため、「2層カットオフ」という。
【0227】
図34に示されるように、EPベリファイ対象であるメモリセルトランジスタMTe4のゲートには、メモリセルトランジスタMTのデータを読み出す電圧VPVFYが供給されている。メモリセルトランジスタMTe0~MTe3及びMTe5~MTe7のゲートには、各メモリセルトランジスタMTを強制的にオン状態にするVREADが供給されている。メモリセルトランジスタMTo4及びMTo5のゲートには、メモリセルトランジスタMTを強制的にオフ状態にする電圧VNEGが供給されている。メモリセルトランジスタMTo0~MTo5及びMTo6~MTo7のゲートには、電圧VREADが供給されている。すなわち、2層カットオフのEPベリファイ動作では、EPベリファイ対象のメモリセルトランジスタMTに対向するメモリセルトランジスタMT及びその上に隣接する層に設けられたメモリセルトランジスタMTが強制的にオフ状態になる。
【0228】
<2-2.書き込み動作の順序の一例>
図35は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序を示す図である。
図29と同様に、
図35の各項目に記載された数値は書き込み動作が行われる順序を示す。すなわち、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」・・・の順序で書き込み動作が実行される。なお、
図29と同様に、
図35の括弧書きの順序の動作は、括弧の無い順序の動作と同じ動作が実行される。
【0229】
はじめに、
図35を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」及び「5」の動作を説明する。「1」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-2-2.1次書き込み動作の一例」で説明されたステップ1が実行される動作の順序を示す。「2」、「4」は、2次書き込み動作(2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作)が実行される順序を示す。「3」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-1.書き込み動作の概要」、「1-2-1-3.ステップ2A及びステップ2B」及び「1-2-1-4.ステップ2C及びステップ2D」で説明されたステップ2が実行される動作の順序を示す。「5」は、「1-11-10.1次書き込み動作」、及び「1-2.書き込み動作」~「1-2-1.書き込み動作の概要」、「1-2-1-5.ステップ3A及びステップ3B」及び「1-2-1-6.ステップ3C及びステップ3D」で説明されたステップ3が実行される動作の順序を示す。
【0230】
第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、「1」、「3」及び「5」によって、ワード線WL7に対する1次書き込み動作が実行される。
【0231】
第2実施形態に係る半導体記憶装置1では、第1実施形態と異なり、2層カットオフが適用されるため、例えば、所望のワード線WLe_nに属するメモリセルトランジスタMTの1次書き込み動作が完了し、所望のワード線WLe_nに属するメモリセルトランジスタMTの1次書き込み動作が完了すると、カットオフ電流は抑制されるため、所望のワード線WLe_nに属するメモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作を実行することができる。
【0232】
すなわち、「1」において、セレクトゲート線SGD0及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、1次書き込み動作が実行されると、「2」においてセレクトゲート線SGD0及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作を実行することができる。また、同様にして、「3」において、セレクトゲート線SGD2及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、1次書き込み動作が実行されると、「4」においてセレクトゲート線SGD2及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作を実行することができる。
【0233】
「3」に続く「4」では、「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL6に対して実行される。「4」に続く「5」では、セレクトゲート線SGD0及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作(2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作)が実行される。
【0234】
続いて、1次書き込み動作の順序を説明する。「10」及び「25」は「1」と同様の動作が実行され、「12」及び「27」は「3」と同様の動作が、「3」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行され、「14」及び「29」は「5」と同様の動作が、「5」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行される。「10」、「12」及び「14」によって、ワード線WL6に対する1次書き込み動作が実行され、「25」、「27」及び「29」によって、ワード線WL5に対する1次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL5に対する1次書き込み動作と同様に、ワード線WL4~WL0に対しても1次書き込み動作が実行される。
【0235】
続いて、2次書き込み動作の順序を説明する。「7」、「8」、「6」及び「9」では、「2」及び「4」と同じワード線WL7、かつ、
図35に示される「2」及び「4」と異なるセレクトゲート線SGD(SGD1、SGD3~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「11」、「16」、「13」、「17」、「15」及び「18」では、ワード線WL6に対して、それぞれ異なるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。なお、「11」、「16」、「13」、「17」、「15」及び「18」では、それぞれ、
図35に示される「2」、「7」、「4」、「8」、「6」及び「9」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に対して、2次書き込み動作が実行される。「26」、「31」、「28」、「32」、「30」及び「33」では、それぞれ、
図35に示される「2」、「7」、「4」、「8」、「6」及び「9」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)、かつ、同じワード線WL5に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL5に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL4~WL0に対しても2次書き込み動作が実行される。
【0236】
続いて、3次書き込み動作(3次書き込み動作のベリファイ動作及びプログラム動作)の順序を説明する。所望のワード線の3次書き込み動作は、第1実施形態と同様に、所望のワード線の2次書き込み動作が完了し、所望のワード線の下層の2次書き込み動作が完了したのち、実行される。具体的には、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「2」、「7」、「4」、「8」、「6」及び「9」)が完了し、ワード線WL7の下層であるワード線WL6に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「11」、「16」、「13」、「17」、「15」及び「18」)が完了したのち、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの3次書き込み動作(「19」、「22」、「20」、「23」、「21」及び「24」)が実行される。「34」、「37」、「35」、「38」、「36」及び「39」では、ワード線WL6に対して、それぞれ異なるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。なお、「34」、「37」、「35」、「38」、「36」及び「39」では、それぞれ、
図35に示される「19」、「22」、「20」、「23」、「21」及び「24」と同じセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に対して、3次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL6に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL5~WL0に対しても3次書き込み動作が実行される。
【0237】
<2-3.EPベリファイ動作のタイミングチャートの一例>
図36は、第2実施形態に係る半導体記憶装置1におけるEPベリファイ動作時における、各種信号のタイミングチャートを示す図である。第2実施形態に係る半導体記憶装置1におけるEPベリファイ動作では、
図30に示される第1実施形態に係る半導体記憶装置1におけるEPベリファイ動作に対して、ワード線WLo_n及びワード線WLo_nに接続されたメモリセルトランジスタMTに供給される電圧が異なる。それ以外の信号線又はメモリセルトランジスタMTに供給される電圧は、
図30に示された電圧と同様である。
【0238】
具体的には、
図35のPV0期間において、選択ワード線SEL-WLe_n(ここでは、WLe7)及びWLe7に接続されたメモリセルトランジスタMTe7は、電圧VPVFYが供給される。第1実施形態では、2層カットオフが実行されるため、選択されたワード線に対向する非選択ワード線及び非選択ワード線に接続されたメモリセルトランジスタMTには電圧VNEG又は電圧VBBが供給される。具体的には、ワード線SEL-WLo_n、n+1(ここでは、WLo7)並びにWLo7に接続されたメモリセルトランジスタMTo7は、電圧VNEGが供給される。ワード線WLo_n-1以下1+2以上(ここでは、WLo6~WLo0)及びWLo6~WLo0に接続されたメモリセルトランジスタMTo6~0に電圧VREADが供給される。
【0239】
なお、ここでは、
図35に示された選択ワード線SEL-WLe_nのWLe4をWLe7に置き換えて、選択ワード線SEL-WLe_nがWLe7の例を説明した。
図35に示されるように、選択ワード線SEL-WLe_nがWLe4の場合には、ワード線SEL-WLo_n、n+1はWLo4及びWLo5であり、ワード線WLo_n-1以下1+2以上は、WLo7、WLo6、及びWLo3~WLo0である。
【0240】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み、並びに、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込みが、第1実施形態に係る半導体記憶装置1における1次書き込みと異なる。それ以外の構成及び機能は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と同様であるから、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の説明では、主に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と異なる点を説明する。
【0241】
<3-1.書き込み動作の概要>
図37を用いて、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作の例を説明する。
図37の説明において、
図1~
図36と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0242】
第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込みが実行される。すなわち、4本のビット線BL0~BL3に着目すると、第1実施形態に係る半導体記憶装置1では、3本のビット線BL2~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込みと、1本のビット線BL0に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込みとが交互に実行されるのに対し、第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込みが同一のタイミングで実行される。すなわち、ページを分割すること無く、4本のビット線BL0~BL3及びワード線WLeに属するメモリストリング50eへの書き込み動作と、4本のビット線BL0~BL3及びワード線WLoに属するメモリストリング50oへの書き込み動作とが、交互に実行される。第3実施形態では、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)のうち、主に、4本のビット線BL0~BL3に着目して説明する。
【0243】
第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、4本のビット線BL0~BL3を第1グループGR1又は第2グループGR2に分けることなく、4本のビット線BL0~BL3をまとめて、書き込みを実行することができる。
【0244】
<3-1-1.ステップ1>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1(STEP1)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1A(STEP1A)及びステップ1C(STEP1C)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1では、ステップ1に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第7番目のセット)として、第7番目のセットがN回実行される。
【0245】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1では、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2は選択(S)であり、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLoは非選択(US)であり、ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPRGを印加される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP5、MP6、MP7、MP12、MP17、MP18及びMP19のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0246】
<3-1-2.ステップ2>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2(STEP2)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2A(STEP2A)及びステップ2C(STEP2C)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2では、ステップ2に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第8番目のセット)として、第8番目のセットがN回実行される。
【0247】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1に対して、セレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD2に変わった点が異なる。ここでは、主に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1と異なる点が説明される。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2では、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD2及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20及びMP21のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0248】
<3-1-3.ステップ3>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3(STEP3)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3A(STEP3A)及びステップ3C(STEP3C)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3では、ステップ3に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第9番目のセット)として、第9番目のセットがN回実行される。
【0249】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1に対して、セレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD4に変わった点が異なる。ここでは、主に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1と異なる点が説明される。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3では、セレクトゲート線SGD4、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD4及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP3、MP4、MP8、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22及びMP23のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0250】
<3-1-4.ステップ4>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4(STEP4)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1B(STEP1B)及びステップ2D(STEP2D)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4では、ステップ4に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第10番目のセット)として、第10番目のセットがN回実行される。
【0251】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4では、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2は選択(S)であり、セレクトゲート線SGD1、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLeは非選択(US)であり、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD1は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD0、及びSGD2~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLoは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD1は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD0、及びSGD2~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPRGを印加される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD1及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP1、MP6、MP7、MP12、MP13、MP18及びMP19のワード線WLoに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0252】
<3-1-5.ステップ5>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ5(STEP5)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2B(STEP2B)及びステップ3D(STEP3D)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ5では、ステップ5に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第11番目のセット)として、第11番目のセットがN回実行される。
【0253】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ5では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4に対して、セレクトゲート線SGD1がセレクトゲート線SGD3に変わった点が異なる。ここでは、主に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4と異なる点が説明される。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ5では、セレクトゲート線SGD3、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD3及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP2、MP3、MP8、MP9、MP14、MP15、MP20及びMP21のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0254】
<3-1-6.ステップ6>
第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ6(STEP6)は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1D(STEP1D)及びステップ3B(STEP3B)を組み合わせた動作である。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ6では、ステップ6に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第12番目のセット)として、第12番目のセットがN回実行される。
【0255】
具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ6では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ4に対して、セレクトゲート線SGD1がセレクトゲート線SGD5に変わった点が異なる。ここでは、主に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1と異なる点が説明される。第3実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ6では、セレクトゲート線SGD5、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD5及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP4、MP5、MP10、MP11、MP16、MP17、MP22及びMP23のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0256】
<3-2.書き込み動作の順序の一例>
図38は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序を示す図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序が示される
図29と同様に、
図38の各項目に記載された数値は書き込み動作が行われる順序を示す。すなわち、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」・・・の順序で書き込み動作が実行される。
【0257】
はじめに、
図38を用いて、「1」~「9」の動作を説明する。「1」は「3-1-1.ステップ1」で説明されたステップ1が実行される動作の順序を示し、「2」は「3-1-2.ステップ2」で説明されたステップ2が実行される動作の順序を示し、「3」は「3-1-3.ステップ3」で説明されたステップ3が実行される動作の順序を示す。「4」及び「7」は「3-1-4.ステップ4」で説明されたステップ4が実行される動作の順序を示し、「5」は「3-1-5.ステップ5」で説明されたステップ5が実行される動作の順序を示し、「6」及び「8」は「3-1-6.ステップ6」で説明されたステップ3が実行される動作の順序を示す。「1」~「6」によって、ワード線WL7に対する1次書き込み動作が実行される。
【0258】
「6」に続く「7」では、「4」と同様の動作が、「4」に対して実行されたワード線WLo7の下層のワード線WLo6に対して実行される。具体的には、4本のビット線BL0~BL3、セレクトゲート線SGD0及びWLe6に属するメモリセルトランジスタMTに対向するセレクトゲート線SGD1及びWLo6に属するメモリセルトランジスタMTに対して、1次書き込み動作が実行される。
【0259】
「7」に続く「8」では、「6」と同様の動作が、「6」に対して実行されたワード線WLo7の下層のワード線WLo6に対して実行される。具体的には、4本のビット線BL0~BL3、セレクトゲート線SGD0及びWLe6に属するメモリセルトランジスタMTに対向するセレクトゲート線SGD5及びWLo6に属するメモリセルトランジスタMTに対して、1次書き込み動作が実行される。
【0260】
「8」に続く「9」では、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLe7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作(2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作)が実行される。
【0261】
第3実施形態では、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタの1次書き込み動作が終了し、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタの2次書き込み動作を実行する場合、ワード線WLeの下層のワード線WLeに対向するワード線WLoに属するメモリセルトランジスタの1次書き込みを実行する。
【0262】
よって、第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、「7」~「9」において説明したとおり、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLe7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作を実行する場合、4本のビット線BL0~BL3、セレクトゲート線SGD1及びWLo6に属するメモリセルトランジスタMTに対して、1次書き込み動作が実行される。また、4本のビット線BL0~BL3、セレクトゲート線SGD0及びWLe7に属するメモリセルトランジスタMTに対向する、セレクトゲート線SGD5及びWLo6に属するメモリセルトランジスタMTに対して、1次書き込み動作が実行される。
【0263】
こうして、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLe7に属するメモリセルトランジスタに対して2次書き込み動作を実行する場合、セレクトゲート線SGD1及びWLo7に属するメモリセルトランジスタMT、並びに、セレクトゲート線SGD5及びWLo7に属するメモリセルトランジスタMTに、電圧VNEGを供給することができる。このとき、「4」及び「6」において、セレクトゲート線SGD1及びワード線WLo7に属するメモリセルトランジスタ、並びに、セレクトゲート線SGD5及びWLo7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、1次書き込み動作は実行済みである。よって、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLe7に属するメモリセルトランジスタに対して2次書き込み動作を実行する場合、セレクトゲート線SGD1及びワード線WLo7に属するメモリセルトランジスタ、並びに、セレクトゲート線SGD5及びWLo7に属するメモリセルトランジスタMTに対して、電圧VNEGを供給することができる。その結果、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLe7に属するメモリセルトランジスタに対して2次書き込み動作を実行する場合、3層カットオフに相当する動作が実行される。
【0264】
第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、ページを分割すること無く、4本のビット線BL0~BL3及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作、及び、4本のビット線BL0~BL3及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作を実行することができると共に、所望のワード線の下層のワード線に属するメモリセルトランジスタが過消去な状態であること、及び、過剰な電圧が書き込まれて閾値電圧がさらに大きくなった状態であることを解消した上で、所望のワード線に属するメモリセルトランジスタの2次書き込み動作を実行することができる。よって、第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、ページを分割した場合より高速で、1次書き込み動作及び2次書き込み動作を実行することができる。
【0265】
続いて、1次書き込み動作の順序を説明する。「13」、「25」、「43」及び「61」は「1」と同様の動作が実行され、「14」、「26」、「44」及び「62」は「2」と同様の動作が、「2」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行され、「16」、「28」、「46」及び「64」は「3」と同様の動作が「3」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行され、「19」、「37」及び「55」は「4」及び「7」と同様の動作が「4」に対して実行されたワード線WL7及び「7」に対して実行されたワード線WL6と異なるワード線に対して実行され、「10」、「22」、「40」及び「58」は「5」と同様の動作が「5」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線に対して実行され、「20」、「38」及び「56」は「6」及び「8」と同様の動作が「6」に対して実行されたワード線WL7及び「8」に対して実行されたワード線WL6と異なるワード線に対して実行される。
【0266】
「13」、「7」、「14」、「10」、「16」及び「8」によって、ワード線WL6に対する1次書き込み動作が実行され、「25」、「19」、「26」、「22」、「28」及び「20」によって、ワード線WL5に対する1次書き込み動作が実行され、「43」、「37」、「44」、「40」、「46」及び「38」によって、ワード線WL4に対する1次書き込み動作が実行され、「61」、「55」、「62」、「58」、「64」及び「56」によって、ワード線WL3に対する1次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL3に対する1次書き込み動作と同様に、ワード線WL2~WL0に対しても1次書き込み動作が実行される。
【0267】
続いて、2次書き込み動作の順序を説明する。「15」、「11」、「17」、「12」及び「18」では、「9」と同じワード線WL7、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD1~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「21」、「27」、「23」、「29」、「24」及び「30」では、ワード線WL6に対して、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「39」、「45」、「41」、「47」、「42」及び「48」では、ワード線WL5、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「57」、「63」、「59」、「65」、「60」及び「66」では、ワード線WL4、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL4に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL3~WL0に対しても2次書き込み動作が実行される。
【0268】
続いて、3次書き込み動作(3次書き込み動作のベリファイ動作及びプログラム動作)の順序を説明する。所望のワード線の3次書き込み動作は、所望のワード線の2次書き込み動作が完了し、所望のワード線の下層の2次書き込み動作が完了したのち、実行される。具体的には、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「9」、「15」、「11」、「17」、「12」及び「18」)が完了し、ワード線WL7の下層であるワード線WL6に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「21」、「27」、「23」、「29」、「24」及び「30」)が完了したのち、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの3次書き込み動作(「31」、「34」、「32」、「35」、「33」及び「36」)が実行される。「49」、「52」、「50」、「53」、「51」及び「54」では、ワード線WL6、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。「67」、「70」、「68」、「71」、「69」及び「72」では、ワード線WL5、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL5に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL4~WL0に対しても3次書き込み動作が実行される。
【0269】
第3実施形態に係る半導体記憶装置1では、最上層のワード線WL7では無く、ワード線WL7より下層のワード線(例えば、ワード線WL5、WL4など)の定常状態において、ある2次書き込み動作を実行する直前に実行される1次書き込み動作の数が「2回、1回、0回」となる。例えば、
図38に示されるように、ワード線WL5に属するメモリセルトランジスタMTに対して2次書き込み動作が実行される場合、2次書き込み動作の「39」の直前では、「37」及び「38」で示される2回の1次書き込み動作が実行され、2次書き込み動作の「41」の直前では、「40」で示される1回の1次書き込み動作が実行され、2次書き込み動作の「42」の直前では、1次書き込み動作が実行されず(すなわち、0回)、2次書き込み動作の「45」の直前では、「43」及び「44」で示される2回の1次書き込み動作が実行され、2次書き込み動作の「47」の直前では、「46」で示される1回の1次書き込み動作が実行され、2次書き込み動作の「48」の直前では、1次書き込み動作が実行されない(すなわち、0回)。
【0270】
<3-3.書き込み動作の一例>
図3、
図39~
図44を用いて、「37」~「42」を例に、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の定常状態における1次書き込み動作及び2次書き込み動作を説明する。
図39~
図44は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。なお、
図39~
図44の説明では、「1-2-2-1.1次書き込み動作の概要」で説明した構成と同様の構成を使用することができる。
図39~
図44の説明では、
図1~
図38と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0271】
図3及び
図39を用いて、「37」に係る1次書き込み動作を説明する。「37」に係る1次書き込み動作では、
図3に示されるセレクトゲート線SGD1によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0272】
具体的には、セレクトゲート線SGD1、ワード線WLo7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-1a及び10-1bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図39において、配線層11oのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-1a及び10-1bが配置された領域に対応する。
【0273】
セレクトゲート線SGD1、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11oのうち配線層10-1a及び10-1bに対応するセレクトゲート線SGD1(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP1、MP6、MP7、MP12、MP13、MP18、MP19の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図39では、メモリピラーMP0、MP1、MP6、MP7、MP12、MP13、MP18、MP19の各々のワード線WLo4側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0274】
図3及び
図40を用いて、「38」に係る1次書き込み動作を説明する。「38」に係る1次書き込み動作では、
図3に示されるセレクトゲート線SGD5によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0275】
具体的には、セレクトゲート線SGD5、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-5a及び10-5bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図40において、配線層11oのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-5a及び10-5bが配置された領域に対応する。
【0276】
セレクトゲート線SGD5、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11oのうち配線層10-5a及び10-5bに対応するセレクトゲート線SGD5(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP4、MP5、MP10、MP11、MP16、MP17、MP22、MP23の各々のワード線WLo4側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図40では、メモリピラーMP4、MP5、MP10、MP11、MP16、MP17、MP22、MP23の各々のワード線WLo4側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0277】
図3及び
図41を用いて、「39」に係る2次書き込み動作を説明する。「39」に係る2次書き込み動作では、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作が実行される。
【0278】
具体的には、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-0cに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図41において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-0a、10-0b、10-0cが配置された領域に対応する。
【0279】
セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-0cに対応するセレクトゲート線SGD0(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLe5側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図41では、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLe5側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0280】
図3及び
図42を用いて、「40」に係る1次書き込み動作を説明する。「40」に係る1次書き込み動作では、
図3に示されるセレクトゲート線SGD3によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0281】
具体的には、セレクトゲート線SGD3、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-3a及び10-3bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図42において、配線層11oのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-3a及び10-3bが配置された領域に対応する。
【0282】
セレクトゲート線SGD3、ワード線WLo4、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11oのうち配線層10-3a及び10-3bに対応するセレクトゲート線SGD3(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP2、MP3、MP8、MP9、MP14、MP15、MP20、MP21の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図42では、メモリピラーMP2、MP3、MP8、MP9、MP14、MP15、MP20、MP21の各々のワード線WLo4側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0283】
図3及び
図43を用いて、「41」に係る2次書き込み動作を説明する。「41」に係る2次書き込み動作では、
図3に示されるセレクトゲート線SGD2によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作が実行される。
【0284】
具体的には、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-0cに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図41において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-2a、10-2bが配置された領域に対応する。
【0285】
セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe5、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-2a、10-2bに対応するセレクトゲート線SGD2(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLe5側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対して2次書き込み動作のベリファイ動作及びプログラム動作が実行される。
図43では、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLe5側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0286】
なお、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作では、書き込みが実行されるワード線WLe(例えば、WLe4)に対向する3層のワード線WLo(例えば、WLo3、WLo4、WLo5)に負電圧(電圧VNEG)が供給される例(3層カットオフの例)を説明した。第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作では、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作に示した2層カットオフの例と同様に、書き込みが実行されるワード線WLe(例えば、WLe4)に対向する2層のワード線WLo(例えば、WLo4、WLo5)に負電圧(電圧VNEG)が供給されてもよい。この場合、
図38に示された1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作の順番は、適宜、調整される。
【0287】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、偶数セレクトゲート線SGDe、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込みと、偶数セレクトゲート線SGDe、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込みとが、交互に実行される。それ以外の構成及び機能は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と同様であるから、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の説明では、主に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と異なる点を説明する。
【0288】
<4-1.書き込み動作の概要>
図45を用いて、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作の例を説明する。
図45の説明において、
図1~
図44と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0289】
第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、同一のメモリピラーMPに含まれる2つのメモリセルトランジスタMTがチャネル共有する。換言すると、同一のメモリピラーMPに含まれる2つのメモリセルトランジスタMTが対向する。この特性を利用し、奇数セレクトゲート線SGDoを選択せずに、偶数セレクトゲート線SGDeを選択することによって、偶数セレクトゲート線SGDe、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)に属するメモリストリング50e及び50oに含まれるメモリセルトランジスタMTへの書き込みが実行される。その結果、書き込み動作を高速化することができる。
【0290】
また、第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1と同様に、4本のビット線BL0~BL3に着目すると、4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込みが同一のタイミングで実行される。
【0291】
すなわち、第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、奇数セレクトゲート線SGDoを選択せずに、偶数セレクトゲート線SGDeのみを選択することによって、ワード線WLe及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、ワード線WLo及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、を交互に実行することができる。なお、第4実施形態では、第1グループGR1及び第2グループGR2(ビット線BL0~BL7)のうち、主に、4本のビット線BL0~BL3に着目して説明する。
【0292】
<4-1-1.ステップ1>
第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1(STEP1)は、ステップ1E(STEP1E)及びステップ1F(STEP1F)を含む。ステップ1Eは、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1A(STEP1A)及びステップ1C(STEP1C)を組み合わせた動作である。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1では、ステップ1に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第13番目のセット)として、第13番目のセットがN回実行される。
【0293】
具体的には、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1Eでは、第1グループGR1及び第2グループGR2は選択(S)であり、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。ワード線WLoは非選択(US)であり、ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作は実行されない。EPベリファイ動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGVFYを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPVFYを印加される。EPプログラム動作では、セレクトゲート線SGD0は電圧VSGを印加され、セレクトゲート線SGD1~SGD5は電圧VSSを印加され、所定のワード線WLeは電圧VPRGを印加される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0294】
第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1Fでは、ステップ1Eに係るワード線WLeをワード線WLoに置き換えた動作であるから、ここでの、詳細な説明は省略される。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1Fでは、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD0及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0295】
<4-1-2.ステップ2>
第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2(STEP2)は、ステップ2E(STEP2E)及びステップ2F(STEP2F)を含む。ステップ2Eは、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2A(STEP2A)及びステップ2C(STEP1C)を組み合わせた動作である。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2では、ステップ2に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第14番目のセット)として、第14番目のセットがN回実行される。
【0296】
具体的には、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2では、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1に対して、セレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD2に変わった点が異なる。ここでは、主に、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1と異なる点が説明される。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2Eでは、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD2及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20及びMP21のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0297】
具体的には、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ2Fでは、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD2及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20及びMP21のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0298】
<4-1-3.ステップ3>
第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3(STEP3)は、ステップ3E(STEP3E)及びステップ3F(STEP3F)を含む。ステップ3Eは、第1実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3A(STEP3A)及びステップ3C(STEP3C)を組み合わせた動作である。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3では、ステップ3に係るEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1セット(第15番目のセット)として、第15番目のセットがN回実行される。
【0299】
具体的には、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3では、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1に対して、セレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD4に変わった点が異なる。ここでは、主に、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ1と異なる点が説明される。第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3Eでは、セレクトゲート線SGD4、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD4及びワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22及びMP23のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0300】
第4実施形態に係る半導体記憶装置1のステップ3Fでは、セレクトゲート線SGD4、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。第1グループGR1、第2グループGR2、セレクトゲート線SGD4及びワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTは、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22及びMP23のワード線WLeに対向するメモリセルトランジスタMTである。
【0301】
<4-2.書き込み動作の順序の一例>
図46は、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序を示す図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序が示される
図29と同様に、
図46の各項目に記載された数値は書き込み動作が行われる順序を示す。なお、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序と同じである。第4実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序の説明では、主に、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序と異なる点が説明される。
【0302】
はじめに、
図46を用いて、「1」~「5」の動作を説明する。「1」は「4-1-1.ステップ1」で説明されたステップ1が実行される動作の順序を示し、「2」は「4-1-2.ステップ2」で説明されたステップ2が実行される動作の順序を示し、「3」は「4-1-3.ステップ3」で説明されたステップ3が実行される動作の順序を示す。
【0303】
「1」では、セレクトゲート線SGD1及びSGD5は電圧VSSを供給され選択されていない。しかし、セレクトゲート線SGD0が電圧VSGVFY又はVSGを供給され選択されることによって、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、ワード線WLo7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、を交互に実行することができる。
【0304】
「1」と同様に、「2」では、セレクトゲート線SGD1及びSGD3は電圧VSSを供給され選択されていない。しかし、セレクトゲート線SGD2が電圧VSGVFY又はVSGを供給され選択されることによって、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、ワード線WLo7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、を交互に実行することができる。
【0305】
「1」と同様に、「3」では、セレクトゲート線SGD3及びSGD5は電圧VSSを供給され選択されていない。しかし、セレクトゲート線SGD4が電圧VSGVFY又はVSGを供給され選択されることによって、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、ワード線WLo7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの書き込み動作と、を交互に実行することができる。
【0306】
「1」~「3」によって、ワード線WL7に対する1次書き込み動作が実行される。「3」に続く「4」では、「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL6に対して実行される。「4」に続く「5」では、セレクトゲート線SGD0及びワード線WL7に属するメモリセルトランジスタに対して、2次書き込み動作(2次書き込み動作におけるベリファイ動作及びプログラム動作)が実行される。
【0307】
第4実施形態に係る半導体記憶装置1の「6」以降の動作は、上述の第4実施形態に係る半導体記憶装置1の「1」~「5」、及び第1実施形態に係る半導体記憶装置1と同様であるから、ここでの説明は省略される。
【0308】
<4-3.書き込み動作の一例>
図3、
図47~
図52を用いて、1次書き込み動作のステップ1(STEP1)、ステップ2(STEP2)、及びステップ3(STEP3)のシーケンスの例を説明する。
図47~
図52は、第4実施形態に係る半導体記憶装置1のワード線及びメモリピラーのレイアウトを参照した書き込み動作を説明する図である。なお、
図47~
図52の説明では、「1-2-2-1.1次書き込み動作の概要」で説明した構成と同様の構成を使用することができる。
図47~
図52の説明では、
図1~
図46と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0309】
図3及び
図47を用いて、ステップ1Eを説明する。ステップ1Eでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD0によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0310】
具体的には、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-0cに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図47において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-0a、10-0b、10-0cが配置された領域に対応する。
【0311】
セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-0cに対応するセレクトゲート線SGD0(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図47では、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0312】
図3及び
図48を用いて、ステップ1Fを説明する。ステップ1Fでは、ステップ1Eのワード線WLe7をワード線WLo7に置き換えた構成と同様である。ここでは、主に、
図3及び
図47を用いて説明されたステップ1Eの構成と異なる点が説明される。
【0313】
ステップ1Fでは、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLo7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-0cに対応するセレクトゲート線SGD0(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図48では、メモリピラーMP0、MP5~MP7、MP12、MP17~MP19の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0314】
図3及び
図49を用いて、ステップ2Eを説明する。ステップ2Eでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD2によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0315】
具体的には、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-2cに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図41において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-2a、10-2bが配置された領域に対応する。
【0316】
セレクトゲート線SGD2、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-2a及び10-2bに対応するセレクトゲート線SGD2(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図49では、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0317】
図3及び
図50を用いて、ステップ2Fを説明する。ステップ2Fでは、ステップ2Eのワード線WLe7をワード線WLo7に置き換えた構成と同様である。ここでは、主に、
図3及び
図49を用いて説明されたステップ2Eの構成と異なる点が説明される。
【0318】
ステップ2Fでは、セレクトゲート線SGD2、ワード線WLo7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-2a、10-2bに対応するセレクトゲート線SGD2(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図50では、メモリピラーMP1、MP2、MP8、MP9、MP13、MP14、MP20、MP21の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0319】
図3及び
図51を用いて、ステップ3Eを説明する。ステップ3Eでは、
図3に示されるセレクトゲート線SGD4によって選択されるメモリストリング50oに属すると共に、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2(例えば、4本のビット線BL0~BL3)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、EPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
【0320】
具体的には、セレクトゲート線SGD4、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、
図3に示される配線層10-4a及び10-4bに対向する選択トランジスタST1が、ビット線BL0~BL7に供給される電圧に応じてオン状態又はオフ状態になる。
図51において、配線層11eのうち斜線のハッチングで示された領域は、
図3に示された配線層10-4a及び10-4bが配置された領域に対応する。
【0321】
セレクトゲート線SGD4、ワード線WLe7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-4a及び10-4bに対応するセレクトゲート線SGD4(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22、MP23の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図51では、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22、MP23の各々のワード線WLe7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)は、狭い斜線で示されている。
【0322】
図3及び
図52を用いて、ステップ3Fを説明する。ステップ3Fでは、ステップ3Eのワード線WLe7をワード線WLo7に置き換えた構成と同様である。ここでは、主に、
図3及び
図51を用いて説明されたステップ3Eの構成と異なる点が説明される。
【0323】
ステップ3Fでは、セレクトゲート線SGD4、ワード線WLo7、第1グループGR1及び第2グループGR2が選択されると、配線層11eのうち配線層10-4a、10-4bに対応するセレクトゲート線SGD4(
図3参照)に接続された選択トランジスタST1が選択され、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22、MP23の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)に対してEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が実行される。
図52では、メモリピラーMP3、MP4、MP10、MP11、MP15、MP16、MP22、MP23の各々のワード線WLo7側に設けられたメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)は、広い斜線で示されている。
【0324】
<4-4.書き込み動作のシーケンスの一例>
図53は、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込みシーケンスを示す図である。
図53の説明において、
図1~
図52と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0325】
図53を用いて、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込みシーケンスを説明する。1次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe、ページ分割をすることなく第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第5のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行すること、及び、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLo、ページ分割をすることなく第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、第6のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作を1回実行することを一組として、N回実行する。すなわち、第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTに対するEPベリファイ動作及びEPプログラム動作、及び、ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対するEPベリファイ動作及びEPプログラム動作が、ページ分割をすることなく、同一のセレクトゲート線SGDnを選択し、実行される。第4実施形態に係る半導体記憶装置1では、少なくともこの点が、第1実施形態に係る半導体記憶装置1と異なる。
【0326】
第5のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図45に示されるステップ1E(STEP1E)であり、第6のEPベリファイ動作及びEPプログラム動作は、例えば、
図45に示されるステップ1F(STEP1F)である。セレクトゲート線SGDnは例えばSGD0である。
【0327】
2次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作がN回実行される。2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作では、例えば、セレクトゲート線SGDnはSGD0であり、
図46に示される2次書き込み動作の「5」に相当する。
【0328】
3次書き込み動作では、セレクトゲート線SGDn、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作がN回実行される。3次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作では、例えば、セレクトゲート線SGDnはSGD0であり、
図45に示される3次書き込み動作の「22」に相当する。
【0329】
なお、第4実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作では、第1実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作に示した3層カットオフの例と同様に、書き込みが実行されるワード線WLe(例えば、WLe4)に対向する3層のワード線WLo(例えば、WLo3、WLo4、WLo5)に負電圧(電圧VNEG)が供給されてよい。また、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作では、第2実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のEPベリファイ動作に示した2層カットオフの例と同様に、書き込みが実行されるワード線WLe(例えば、WLe4)に対向する2層のワード線WLo(例えば、WLo4、WLo5)に負電圧(電圧VNEG)が供給されてもよい。この場合、
図46に示された1次書き込み動作、2次書き込み動作、及び3次書き込み動作の順番は、適宜、調整される。
【0330】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る半導体記憶装置1は、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作に対して、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のステップ1(STEP1)~ステップ6(STEP6)の各ステップを1回実行することを1セットとして、当該1セットをN回実行する点が異なる。具体的には、第5実施形態に係る半導体記憶装置1では、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のステップ1(STEP1)~ステップ6(STEP6)のそれぞれが、ステップ1E(STEP1E)、ステップ2E(STEP2E)、ステップ3E(STEP3E)、ステップ4E(STEP4E)、ステップ5E(STEP5E)及びステップ6E(STEP6E)に対応し、ステップ1E、ステップ2E、ステップ3E、ステップ4E、ステップ5E及びステップ6Eがこの順序で実行される。第5実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のステップ1E~ステップ6Eは、第3実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のステップ1~ステップ6と同様であるから、第5実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作のステップ1E~ステップ6Eの説明は省略される。第5実施形態に係る半導体記憶装置1の説明では、主に、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置1と異なる点を説明する。
【0331】
<5-1.書き込み動作の概要>
図54を用いて、第5実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作の例を説明する。
図54の説明において、
図1~
図53と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0332】
図54に示される通り、第5実施形態に係る半導体記憶装置1では、ステップ1E~ステップ6Eのそれぞれのステップを1回実行することを1セット(第16番目のセット)として、第16番目のセットがN回実行される。
【0333】
図54に示されるとおり、第5実施形態に係る半導体記憶装置1の1次書き込み動作では、ワード線WLe、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作(ステップ1E~ステップ3E)が実行されたのち、ワード線WLo、第1グループGR1及び第2グループGR2に属するメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作(ステップ4E~ステップ6E)が実行される。すなわち、第5実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み動作では、ページ分割をすることが無いと共に、偶数ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作をまとめて実行すること、及び、奇数ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMTに対する1次書き込み動作をまとめて実行することを交互に実行することができる。第5実施形態に係る半導体記憶装置1では、ページ分割をすることなく、偶数ワード線WLe又は奇数ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタの1次書き込み動作をまとめて実行しない場合と比較して、高速で動作させることができる。
【0334】
<5-2.書き込み動作の順序の一例>
図55は、第5実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序を示す図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1の書き込み順序が示される
図29と同様に、
図55の各項目に記載された数値は書き込み動作が行われる順序を示す。すなわち、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」・・・の順序で書き込み動作が実行される。なお、
図29と同様に、
図55の括弧書きの順序の動作は、括弧の無い順序の動作と同じ動作が実行される。
【0335】
はじめに、
図55を用いて、「1」~「9」の動作を説明する。「1」及び「2」は、「3-1-1.ステップ1」、「3-1-2.ステップ2」、「3-1-3.ステップ3」、「3-1-4.ステップ4」、「3-1-5.ステップ5」、「3-1-6.ステップ6」で説明されたステップ1~ステップ6(1次書き込み動作)に対応する「5-1.書き込み動作の概要」で説明されたステップ1E~ステップ6E(1次書き込み動作)が実行される動作の順序を示し、「3」~「8」は、2次書き込み動作が実行される動作の順序を示す。
【0336】
「1」では、セレクトゲート線SGD0、SGD2、及びSGD4が、この順番で、電圧VSGVFY又はVSGを供給され選択されることによって、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作(EPベリファイ動作及びEPプログラム動作)を実行したのち、セレクトゲート線SGD1、セレクトゲート線SGD3、及びセレクトゲート線SGD5が、この順番で、電圧VSGVFY又はVSGを供給され選択されることによって、ワード線WLo7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作(EPベリファイ動作及びEPプログラム動作)を実行すること(第16番目のセット)がN回実行される。「1」によって、ワード線WL7に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作が完了する。
【0337】
「2」では、「1」と同様の動作が、ワード線WLe6及びワード線WLo6に属するメモリセルトランジスタMTに対して実行される。「2」によって、ワード線WL6に属するメモリセルトランジスタMTへの1次書き込み動作が完了する。
【0338】
「3」では、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの2次書き込み動作(2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作)と、セレクトゲート線SGD0、ワード線WLe7及び4本のビット線BL0~BL3に属するメモリセルトランジスタMTへの2次書き込み動作(2次書き込み動作に係るベリファイ動作及びプログラム動作)とが実行される。
【0339】
「4」では、「3」のセレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD2に置き換えらえた動作が実行される。「5」では、「3」のセレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD4に置き換えらえた動作が実行される。「6」では、「3」のセレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD1に置き換えらえた動作が実行される。「7」では、「3」のセレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD3に置き換えらえた動作が実行される。「8」では、「3」のセレクトゲート線SGD0がセレクトゲート線SGD5に置き換えらえた動作が実行される。「3」~「8」によって、ワード線WL7に属するメモリセルトランジスタMTへの2次書き込み動作が完了する。
【0340】
また、第5実施形態では、所望のワード線(例えば、WL7)の下層のワード線(例えば、WL6)に属するメモリセルトランジスタMTに対して1次書き込み動作が実行されたのちに、所望のワード線に属するメモリセルトランジスタMTに対して2次書き込み動作が実行される。
【0341】
続いて、1次書き込み動作の順序を説明する。「9」は「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL5に対して実行される。「22」は「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL4に対して実行される。「35」は「1」と同様の動作が、「1」に対して実行されたワード線WL7と異なるワード線WL3に対して実行される。ワード線WL7~WL3に対する1次書き込み動作と同様に、ワード線WL2~WL0に対しても1次書き込み動作が実行される。
【0342】
続いて、2次書き込み動作の順序を説明する。「3」、「6」、「4」、「7」、「5」、「8」及び「9」と同様に「10」、「13」、「11」、「14」、「12」及び「15」では、ワード線WL6に対して、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「3」、「6」、「4」、「7」、「5」、「8」及び「9」と同様に、「23」、「26」、「24」、「27」、「25」及び「28」では、ワード線WL5、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。「3」、「6」、「4」、「7」、「5」、「8」及び「9」と同様に、「36」、「39」、「37」、「40」、「38」及び「41」では、ワード線WL4、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、2次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL4に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL3~WL0に対しても2次書き込み動作が実行される。
【0343】
続いて、3次書き込み動作(3次書き込み動作のベリファイ動作及びプログラム動作)の順序を説明する。所望のワード線の3次書き込み動作は、所望のワード線の2次書き込み動作が完了し、所望のワード線の下層の2次書き込み動作が完了したのち、実行される。具体的には、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「3」、「6」、「4」、「7」、「5」、「8」及び「9」)が完了し、ワード線WL7の下層であるワード線WL6に属する各メモリセルトランジスタMTの2次書き込み動作(「10」、「13」、「11」、「14」、「12」及び「15」)が完了したのち、ワード線WL7に属する各メモリセルトランジスタMTの3次書き込み動作(「16」、「19」、「17」、「20」、「18」及び「21」)が実行される。同様にして、「29」、「32」、「30」、「33」、「31」及び「34」では、ワード線WL6、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。「42」、「45」、「43」、「46」、「44」及び「47」では、ワード線WL5、かつ、それぞれの動作におけるセレクトゲート線SGD(SGD0~SGD5)に属するメモリセルトランジスタMTに対して、3次書き込み動作が実行される。ワード線WL7~WL5に対する2次書き込み動作と同様に、ワード線WL4~WL0に対しても3次書き込み動作が実行される。
【0344】
<第6実施形態>
第6実施形態では、「1-1-2.半導体記憶装置の構成」で説明されたセンスアンプモジュール70の一例を詳細に説明する。センスアンプモジュール70は、ビット線BL0~BL(L-1)にそれぞれ関連付けられた複数のセンスアンプユニットSAUを含む。
図56には、1つのセンスアンプユニットSAUの回路構成の一例示されている。センスアンプユニットSAUの説明において、
図1~
図55と同一、又は類似する構成の説明は省略されることがある。
【0345】
センスアンプユニットSAUは、例えば、対応するビット線BLに読み出された閾値電圧に対応するデータを一時的に保持することが可能である。また、センスアンプユニットSAUは、一時的に保存したデータを用いて、論理演算をすることが可能である。半導体記憶装置1は、センスアンプユニットSAUを用いて、読み出し動作、及び書き込み動作を実行可能である。
【0346】
図56に示されるように、センスアンプユニットSAUは、センスアンプ部SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLを含んでいる。センスアンプ部SA、並びにラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLは、互いにデータを送受信可能なようにバスLBUSによって接続される。センスアンプ部SAは、電源線とノードSRCとの間に接続される。ノードSRCは電源線に供給される電圧より小さい電圧を供給される。電源線はセンスアンプ部SAにハイレベル(High Level)の電圧を供給する電圧供給線である。ノードSRCはセンスアンプ部SAにローレベル(Low Level)の電圧を供給するノードである。センスアンプ部SAは、電源線及びノードSRCに電圧を供給され、動作する。なお、電源線及びノードSRCは、センスアンプユニットSAU内のセンスアンプ部SA以外の素子に電圧を供給するように構成されてもよい。ハイレベルの電圧は、例えば、電圧VDDであり、ローレベルの電圧は、例えば、電圧VSSである。
【0347】
センスアンプ部SAは、例えば、読み出し動作において、対応するビット線BLに読み出された読み出しデータDAT(閾値電圧)をセンスして、当該閾値電圧に対応するデータが”0“であるか”1”であるかを判定する。センスアンプ部SAは、例えばpチャネルMOSトランジスタ120、nチャネルMOSトランジスタ121~128、及びキャパシタ129を含んでいる。
【0348】
例えば、読み出しデータDATが、EPベリファイ動作に対して読み出されたデータの場合には、センスアンプ部SAは、読み出しデータDATをセンスし、当該閾値電圧が”0“であるか”1”であるかを判定する。例えば、読み出しデータDATが”0”の場合は、所望の閾値電圧に達していると判定(判断)し、センスアンプ部SAは、当該読み出しデータDATを「書き込み済み」と判定し、「書き込み済み」と判定した結果を、例えば、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLに、一時的に保持してよい。また、例えば、読み出しデータDATが”1”の場合は、所望の閾値電圧に達していないと判定(判断)し、センスアンプ部SAは、当該読み出しデータDATを「未書き込み」と判定し、「未書き込み」と判定した結果を、例えば、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLに、一時的に保持してよい。
【0349】
トランジスタ120の一端は電源線に接続され、トランジスタ120のゲートはラッチ回路SDL内のノードINVに接続される。トランジスタ121の一端はトランジスタ120の他端に接続され、トランジスタ121の他端はノードSCOMに接続され、トランジスタ121のゲートには制御信号BLXが入力される。トランジスタ122の一端はノードSCOMに接続され、トランジスタ122のゲートには制御信号BLCが入力される。トランジスタ123は、高耐圧のMOSトランジスタであり、トランジスタ123の一端はトランジスタ122の他端に接続され、トランジスタ123の他端は対応するビット線BLに接続され、トランジスタ123のゲートには制御信号BLSが入力される。
【0350】
トランジスタ124の一端はノードSCOMに接続され、トランジスタ124の他端はノードSRCに接続され、トランジスタ124のゲートはノードINVに接続される。トランジスタ125の一端はトランジスタ120の他端に接続され、トランジスタ125の他端はノードSENに接続され、トランジスタ125のゲートには制御信号HHLが入力される。トランジスタ126の一端はノードSENに接続され、トランジスタ126の他端はノードSCOMに接続され、トランジスタ126のゲートには制御信号XXLが入力される。
【0351】
トランジスタ127の一端は接地され、トランジスタ127のゲートはノードSENに接続されている。トランジスタ128の一端はトランジスタ127の他端に接続され、トランジスタ128の他端はバスLBUSに接続され、トランジスタ128のゲートには制御信号STBが入力される。キャパシタ129の一端はノードSENに接続され、キャパシタ129の他端にはクロックCLKが入力される。例えば、クロックCLKには、電圧VSSが供給される。
【0352】
制御信号BLX、BLC、BLS、HHL、XXL、STI、STL及びSTBは、例えばシーケンサ24によって生成される。また、トランジスタ120の一端に接続された電源線には、例えば半導体記憶装置1の内部電源電圧である電圧VDDが供給され、ノードSRCには、例えば半導体記憶装置1の接地電圧である電圧VSSが供給される。
【0353】
ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLは、読み出しデータDATを一時的に保持する。ラッチ回路XDLは、例えば、レジスタ25に接続され、センスアンプユニットSAUと入出力回路22との間のデータの入出力に使用される。
【0354】
ラッチ回路SDLは、例えばインバータ130及び131、並びにnチャネルMOSトランジスタ132及び133を含んでいる。インバータ130の入力ノードはノードLATに接続され、インバータ130の出力ノードはノードINVに接続される。インバータ131の入力ノードはノードINVに接続され、インバータ131の出力ノードはノードLATに接続される。トランジスタ132の一端はノードINVに接続され、トランジスタ132の他端はバスLBUSに接続され、トランジスタ132のゲートには制御信号STIが入力される。トランジスタ133の一端はノードLATに接続され、トランジスタ133の他端はバスLBUSに接続され、トランジスタ133のゲートには制御信号STLが入力される。例えば、ノードLATにおいて保持されるデータがラッチ回路SDLに保持されるデータに相当し、ノードINVにおいて保持されるデータはノードLATに保持されるデータの反転データに相当する。ラッチ回路ADL、BDL、CDL、及びXDLの回路構成は、例えばラッチ回路SDLの回路構成と同様のため、説明を省略する。
【0355】
「1-1-8.メモリセルトランジスタMTの閾値分布」、「1-1-9.消去状態の閾値電圧分布」などで説明したとおり、1次書き込み動作におけるEPプログラム動作はEPベリファイ動作と交互に行われ、プログラム電圧はEPプログラム動作の度にΔVPGMで段階的に高くなる。例えば、メモリシステム3では、段階的に高くなることは「ステップアップ」といい、ΔVPGMはステップアップ電圧という。また、「1-1-10.1次書き込み動作」などで説明したとおり、1次書き込み動作では、奇数ワード線WLo(例えば、WLo4)に属するメモリセルトランジスタMToに対する1次書き込み動作と、偶数ワード線WLe(例えば、WLe4)に属するメモリセルトランジスタMTeに対する1次書き込み動作とが交互に実行される。
【0356】
例えば、ラッチ回路ADLは、奇数ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMToに対するEPベリファイ動作において、ステップアップ前に「書き込み済み」と判定した結果、及び、ステップアップ前に「未書き込み」と判定した結果、並びに、ステップアップ後に「書き込み済み」と判定した結果、及びステップアップ後に「未書き込み」と判定した結果を保存してよい。また、ラッチ回路BDLは、偶数ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTeに対するEPベリファイ動作において、ステップアップ前に「書き込み済み」と判定した結果、及び、ステップアップ前に「未書き込み」と判定した結果、並びに、ステップアップ後に「書き込み済み」と判定した結果、及びステップアップ後に「未書き込み」と判定した結果を保存してよい。
【0357】
すなわち、センスアンプユニットSAUが、複数のラッチ回路を有することによって、奇数ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMToの閾値電圧のステップアップ前後の判定結果、及び、偶数ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTeの閾値電圧のステップアップ前後の判定結果を、それぞれ異なるラッチ回路に保持することができる。その結果、「書き込み済み」と判定した結果がリセットされないため、各メモリセルトランジスタMToにおけるステップアップ前の判定結果は、ステップアップ後に引き継ぐことができる。
【0358】
また、メモリシステム3では、ラッチ回路SDL、ADL、BDL、CDL、及びXDLに保持されたデータは、複数回実行される1次書き込み動作の各回ごとに、リセットされてもよい。この場合、奇数ワード線WLoに属するメモリセルトランジスタMToの閾値電圧の判定結果、及び、偶数ワード線WLeに属するメモリセルトランジスタMTeの閾値電圧の判定結果は、常に更新され、更新されたデータがラッチ回路に保存される。よって、奇数ワード線WLoに対する判定結果及び偶数ワード線WLeに対する判定結果を、個別のラッチ回路に保持する必要がない。その結果、ラッチ回路の使用量を低減することができると共に、場合によっては、ラッチ回路の個数を低減することができる。
【0359】
センスアンプユニットSAUにおいて、各センスアンプユニットSAUがビット線BLに読み出された閾値電圧に対応するデータを判定するタイミングは、制御信号STBがアサートされたタイミングに基づいている。半導体記憶装置1において「シーケンサ24が制御信号STBをアサートする」とは、シーケンサ24が制御信号STBを”L”レベルから”H”レベルに変化させることに対応している。
【0360】
センスアンプユニットSAUの構成は、
図56を用いて説明された構成及び機能に限定されない。例えば、センスアンプユニットSAUにおいて、ゲートに制御信号STBが入力されるトランジスタ128は、pチャネルMOSトランジスタで構成されてもよい。この場合、「シーケンサ24が制御信号STBをアサートする」とは、シーケンサ24が制御信号STBを”H”レベルから”L”レベルに変化させることに対応する。
【0361】
また、センスアンプユニットSAUが備えるラッチ回路の個数は、任意の個数に設計することが可能である。この場合にラッチ回路の個数は、例えば1つのメモリセルトランジスタMTが保持するデータのビット数に基づいて設計される。また、1つのセンスアンプユニットSAUには、セレクタを介して複数のビット線BLが接続されてもよい。
【0362】
上記各実施形態において、同一及び一致という表記を用いている場合、同一及び一致には、設計の範囲での誤差が含まれている場合を含んでいてもよい。
【0363】
以上、本開示の不揮発性半導体記憶装置のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせて実施してよく、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0364】
1:半導体記憶装置、2:メモリコントローラ、3:メモリシステム、8:配線層、10:配線層、10-0:配線層、10-0a:配線層、10-0b:配線層、10-0c:配線層、10-0d:第1接続部(1st connecting section)、10-1:配線層、10-1a:配線層、10-1b:配線層、10-1d:第2接続部(2nd connecting section)、10-2:配線層、10-2a:配線層、10-2b:配線層、10-2c:配線層、10-2d:第1接続部、10-3:配線層、10-3a:配線層、10-3b:配線層、10-3d:第2接続部、10-4:配線層、10-4a:配線層、10-4b:配線層、10-4d:第1接続部、10-5:配線層、10-5a:配線層、10-5b:配線層、10-5d:第2接続部、10-6:配線層、10-7:配線層、11:配線層、11-0a:配線層、11-0b:配線層、11-1:配線層、11-10:配線層、11-12:第1接続部(1st connecting section)、11-13:第2接続部(2nd connecting section)、11-2:配線層、11-3:配線層、11-4:配線層、11-5:配線層、11-6:配線層、11-7:配線層、11-8:配線層、11-9:配線層、11e:配線層、11o:配線層、12:配線層、13:半導体基板、16:コンタクトプラグ、17:コンタクトプラグ、17d:第1接続部(1st connecting section)、18:金属配線層、19:コンタクトプラグ、19d:第2接続部(2nd connecting section)、20:金属配線層、21:メモリセルアレイ(memory cell array)、22:入出力回路(input/output)、23:ロジック制御回路(logic control)、24:シーケンサ(sequencer)、25:レジスタ(register)、26:ビジー制御回路(ready/busy circuit)、27:電圧生成回路(voltage generation)、28:ドライバセット(driver set)、28A:偶数ワード線ドライバ(Even word line driver)、28B:奇数ワード線ドライバ(Odd word line driver)、29:ロウデコーダ(row decoder)、30:絶縁層、31:半導体層、32:絶縁層、33:絶縁層、34:絶縁層、35:AlO層、36:バリアメタル層、37:絶縁層、40:半導体層、41:絶縁層、42:導電層、43:絶縁層、45:AlO層、46:絶縁層、46a:絶縁層、46b:絶縁層、46c:絶縁層、47:バリアメタル層、48:絶縁層、50:メモリストリング、50e:メモリストリング、50o:メモリストリング、70:センスアンプモジュール(sense amplifier)、71:入出力用パッド群、72:ロジック制御用パッド群、120:トランジスタ、121:トランジスタ、122:トランジスタ、123:トランジスタ、124:トランジスタ、125:トランジスタ、126:トランジスタ、127:トランジスタ、128:トランジスタ、129:キャパシタ、130:インバータ、131:インバータ、132:トランジスタ、133:トランジスタ