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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021007
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/10 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
D06F58/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123628
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】田中 正昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 肇
(72)【発明者】
【氏名】川島 曉
(72)【発明者】
【氏名】永井 孝之
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AB24
3B168AB29
3B168AE01
3B168AE04
3B168AE05
3B168AE07
3B168BA55
3B168BA78
3B168JM02
3B168JM03
3B168WA08
(57)【要約】
【課題】衣類に防虫効果を持たせることができ得る衣類処理装置を提供する。
【解決手段】衣類処理装置1は、衣類が吊られた状態で収容される収容室200と、収容室200内に温風を供給する第1供給ユニット300と、収容室200内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部と、を備える。防虫処理部は、防虫剤が収容される防虫剤容器250と、防虫剤容器250内の防虫剤から気化した防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる第1供給ユニット300と、収容室200内の吊られた衣類の下方に設けられ、第1供給ユニット300が発生させた風を上方に排出させる第1供給口210と、を含む。防虫剤容器250は、吊られた衣類と第1供給口210との間に位置するように、収容室200内に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が吊られた状態で収容される収容室と、
前記収容室内に温風を供給する温風供給部と、
前記収容室内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部と、
を備えることを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の衣類処理装置において、
前記防虫処理部は、
前記防虫剤が収容される収容部と、
前記収容部内の前記防虫剤から気化した前記防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる風発生部と、を含む、
ことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の衣類処理装置において、
前記防虫処理部は、前記収容室内の吊られた衣類の下方に設けられ、前記風発生部が発生させた風を上方に排出させる排出口を、さらに含み、
前記収容部は、吊られた衣類と前記排出口との間に位置するように、前記収容室内に配置される、
ことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の衣類処理装置において、
前記風発生部は、前記収容室内の空気を吸い込んで前記収容室内に吹き出させ、吹き出した空気を吊られた衣類に向かわせることにより、前記収容室内で空気を循環させる空気循環部を含み、
前記空気循環部は、
吸込口から吸い込んだ空気を吐出口から吹き出させる循環ファンと、
前記吐出口から吹き出した空気に接触して、当該空気を偏向させる偏向部材と、
空気の偏向角度が変わるように前記偏向部材を揺動させる駆動部と、を有し、
前記収容部は、前記収容室において、吊られた衣類側から前記吸込口へと向かう空気が通る位置に配置される、
ことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の衣類処理装置において、
前記収容室内に吊られた衣類を揺らす揺動部と、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記防虫処理部により前記収容室内に吊られた衣類に前記防虫成分を作用させる防虫処理工程を実行し、
前記防虫処理工程の前に、前記揺動部により吊られた衣類を揺らす揺動工程を実行する、
ことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の衣類処理装置において、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記温風供給部から供給された温風により前記収容室内に吊られた衣類を乾燥させる乾燥工程を実行し、
前記乾燥工程の後に、前記防虫処理部により、吊られた衣類に前記防虫成分を作用させる防虫処理工程を実行する、
ことを特徴とする衣類処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類に乾燥等の処理を施す衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容部内に衣類を吊り下げるように収容し、その衣類に少なくとも乾燥の処理を施すようにした衣類処理装置が知られている。このような衣類処理装置の一例が、たとえば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-057413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
季節ものの衣類が、使用されない時期にタンスやクローゼット等の収納庫に収納される際には、衣料害虫がつかないよう、収納庫内に市販の防虫剤が入れられることが多い。
【0005】
そこで、上記のような衣類処理装置において衣類に防虫処理を施すことにより、収納される前の衣類に防虫効果を持たせることができれば、収納中の衣類に衣料害虫がつきにくくなり、便利である。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、衣類に防虫効果を持たせることができ得る衣類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る衣類処理装置は、衣類が吊られた状態で収容される収容室と、前記収容室内に温風を供給する温風供給部と、前記収容室内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部と、を備える。
【0008】
本態様に係る衣類処理装置によれば、収容室内に温風を供給して衣類を乾燥できるだけでなく、防虫剤の防虫成分を作用させることにより衣類に防虫効果を持たせることが可能となる。
【0009】
本態様に係る衣類処理装置において、前記防虫処理部は、前記防虫剤が収容される収容部と、前記収容部内の前記防虫剤から気化した前記防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる風発生部と、を含むような構成とされ得る。
【0010】
なお、請求項2の「気化」との文言は、広義の意味を有し、「昇華」が含まれる。
【0011】
上記の構成によれば、防虫剤から気化した防虫成分を収容室内の衣類に作用させることができる。
【0012】
上記の構成とされた場合、前記防虫処理部は、前記収容室内の吊られた衣類の下方に設けられ、前記風発生部が発生させた風を上方に排出させる排出口を、さらに含むような構成とされ得る。この場合、前記収容部は、吊られた衣類と前記排出口との間に位置するように、前記収容室内に配置され得る。
【0013】
このような構成とされれば、防虫剤から気化した防虫成分が衣類に短い距離で運ばれるので、防虫成分が無駄なく衣類に作用しやすくなる。
【0014】
上記のように前記防虫処理部が収容部と風発生部とを含むような構成とされた場合、前記風発生部は、前記収容室内の空気を吸い込んで前記収容室内に吹き出させ、吹き出した空気を吊られた衣類に向かわせることにより、前記収容室内で空気を循環させる空気循環部を含むような構成とされ得る。この場合、前記空気循環部は、吸込口から吸い込んだ空気を吐出口から吹き出させる循環ファンと、前記吐出口から吹き出した空気に接触して、当該空気を偏向させる偏向部材と、空気の偏向角度が変わるように前記偏向部材を揺動させる駆動部と、を有するような構成とされ得る。前記収容部は、前記収容室において、吊られた衣類側から前記吸込口へと向かう空気が通る位置に配置され得る。
【0015】
このような構成とされれば、収容部内の防虫剤から気化した防虫成分が風で運ばれ、風とともに吸込口に吸い込まれる。そして、防虫成分を含む風が、吐出口から吹き出し、偏向部材で偏向されて衣類へと向かい衣類に接触する。これにより、防虫成分が衣類に付着する。このとき、偏向部材が揺動することにより防虫成分を含む風の偏向角度が変化し、当該風が様々な方向から衣類に接触するので、当該風の衣類への接触効率が良くなり、衣類に満遍なく防虫成分が付着しやすくなる。
【0016】
本態様に係る衣類処理装置において、前記収容室内に吊られた衣類を揺らす揺動部と、制御部と、をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、前記防虫処理部により前記収容室内に吊られた衣類に前記防虫成分を作用させる防虫処理工程を実行し、前記防虫処理工程の前に、前記揺動部により吊られた衣類を揺らす揺動工程を実行するような構成とされ得る。
【0017】
揺動部は、たとえば、収容室内に吊られた状態となるよう衣類を保持する保持部と、保持部を振動させる加振部と、を含むような構成とすることができる。
【0018】
上記の構成によれば、防虫処理工程の前に、収容室内の衣類に付着した埃等の異物を落とすことができるので、防虫成分を異物に妨げられることなく衣類に作用させることが可能となる。また、衣類に衣料害虫が付着していた場合に、当該衣料害虫を衣類から除去することが可能となる。
【0019】
本態様に係る衣類処理装置において、制御部をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記制御部は、前記温風供給部から供給された温風により前記収容室内に吊られた衣類を乾燥させる乾燥工程を実行し、前記乾燥工程の後に、前記防虫処理部により、吊られた衣類に前記防虫成分を作用させる防虫処理工程を実行するような構成とされ得る。
【0020】
上記の構成によれば、乾燥工程により乾燥された衣類に防虫効果を持たせることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、衣類に防虫効果を持たせることができ得る衣類処理装置を提供できる。
【0022】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1(a)は、実施形態1に係る、衣類処理装置の正面図であり、図1(b)は、実施形態1に係る、衣類処理装置の右側面図である。
図2図2は、実施形態1に係る、第1供給ユニットの位置で切断した、衣類処理装置の正面断面図である。
図3図3は、実施形態1に係る、第2供給ユニットの位置で切断した、衣類処理装置の正面断面図である。
図4図4(a)および(b)は、それぞれ、実施形態1に係る、カバーが取り外された状態および取り付けられた状態の衣類処理装置の平面断面図である。
図5図5(a)は、実施形態1に係る、カバーの平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。図5(c)は、実施形態1に係る、防虫剤容器が設置されたカバーの平面図であり、図5(d)は、図5(c)のB-B´断面図である。
図6図6は、実施形態1に係る、第1供給ユニットの吸気ダクトの位置で切断した、衣類処理装置の要部の側面断面図である。
図7図7(a)ないし(d)は、実施形態1に係る、ハンガー掛けと加振機構部の構成について説明するための図である。
図8図8は、実施形態1に係る、衣類処理装置の構成を示すブロック図である。
図9図9(a)は、実施形態1に係る、防虫処理運転で実行される制御部の制御動作を示すフローチャートである。図9(b)は、実施形態1に係る、防虫処理付き乾燥運転で実行される制御部の制御動作を示すフローチャートである。
図10図10(a)は、実施形態2に係る、空気循環ユニットの前方位置で切断した、衣類処理装置の要部の正面断面図であり、図10(b)は、実施形態2に係る、カバーが外された状態の空気循環ユニットの正面図である。
図11図11は、実施形態2に係る、衣類処理装置の要部の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
<実施形態1>
実施形態1に係る衣類処理装置1について説明する。
【0026】
図1(a)は、衣類処理装置1の正面図であり、図1(b)は、衣類処理装置1の右側面図である。図2は、第1供給ユニット300の位置で切断した、衣類処理装置1の正面断面図である。図2では、第2供給ユニット400の図示が省略されている。図3は、第2供給ユニット400の位置で切断した、衣類処理装置1の正面断面図である。図4(a)および(b)は、それぞれ、カバー240が取り外された状態および取り付けられた状態の衣類処理装置1の平面断面図である。図5(a)は、カバー240の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。図5(c)は、防虫剤容器250が設置されたカバー240の平面図であり、図5(d)は、図5(c)のB-B´断面図である。図6は、第1供給ユニット300の吸気ダクト350の位置で切断した、衣類処理装置1の要部の側面断面図である。
【0027】
なお、図2には、脱臭・除菌運転でのオゾンを含む空気、乾燥運転での温風および防虫処理運転での風の流れが実線矢印で示されている。また、図2には、便宜上、防虫剤が一点鎖線で示されている。さらに、図3には、しわ伸ばし運転でのスチームの流れが実線矢印で示されており、結露水の流れが破線矢印で示されている。さらに、図6には、衣類処理装置1の外部からの空気の流れが実線矢印で示されている。さらに、図3には、便宜上、切断面よりも前方にあるハンガー掛け610が、一点鎖線で描かれている。
【0028】
衣類処理装置1は、縦長の直方体形状を有する筐体100を備える。筐体100の外底面には、4つの角部に脚110が設けられる。筐体100の内部には、スーツ、コート等の各種の衣類が吊られた状態で収容される収容室200が配置される。収容室200は、縦長の直方体形状を有する。また、筐体100の内部には、収容室200の下方に、収容室200に風とオゾンとを供給可能な第1供給ユニット300と、収容室200にスチームを供給可能な第2供給ユニット400とが配置される。第1供給ユニット300は、本発明の温風供給部および風発生部に相当する。
【0029】
収容室200の前面は、衣類の投入口201として開口する。筐体100の前面は、投入口201に対応する部分が開口する。筐体100の前面には、ドア500が設けられる。ドア500は、筐体100の前面とほぼ同じ大きさを有する。投入口201がドア500により覆われる。ドア500の右端部は図示しないヒンジ部により筐体100と連結されており、ヒンジ部を支点にしてドア500を前方へ開くことができる。
【0030】
収容室200には、底面の中央部に、第1供給口210と第2供給口220が、互いに隣接するように設けられる。第1供給口210および第2供給口220は、両側に直線部分を有するほぼ半円形の筒状を有する。第1供給口210の円弧状部211と第2供給口220の円弧状部221は、上方から見て、互いに反対方向に湾曲する。これにより、第1供給口210と第2供給口220とを合わせた形状が、図4(a)の一点鎖線のような円形に近い形状となる。第1供給口210と第2供給口220との間には僅かに隙間が設けられており、この隙間に取付穴231を有する取付ボス230が設けられる。
【0031】
第1供給口210および第2供給口220の上方には、これらを覆うように、カバー240が配置される。カバー240は、円盤状の天面部241と、天面部241の周縁から下斜め方向に延びる周面部242とを含む。天面部241は、第1供給口210と第2供給口220とを合わせた大きさよりも大きい。天面部241の裏面中央には、下方に突出する軸243が形成される。カバー240の天面部241と第1供給口210および第2供給口220との間に所定の隙間ができるように、軸243が取付ボス230の取付穴231に取り付けられる。カバー240の外周縁と収容室200の底面との間に、所定の隙間が形成される。
【0032】
カバー240の周面部242には、全周に亘って、複数の第1排出孔244が形成される。第1排出孔244は、カバー240の径方向に長い方形状を有し、第1供給口210および第2供給口220の周囲、即ち、カバー240における第1供給口210および第2供給口220の投影領域よりも外側に位置する。これにより、衣類から落ちた埃等の異物が、第1排出孔244を通じて第1供給口210や第2供給口220に侵入しづらくなる。
【0033】
カバー240の天面部241には、第1供給口210の真上、即ち投影領域に、複数の第2排出孔245が形成される。さらに、天面部241には、第1供給口210の真上位置に、防虫剤容器250が設置される。
【0034】
防虫剤容器250は、有底半円筒形状を有し、底面部251が周面部252の下端より高くなるよう底上げされている。周面部252が天面部241に固定される。
【0035】
底面部251には、複数の通気孔253が形成される。複数の通気孔253は、カバー240の複数の第2排出孔245と上下方向に重ならないように位置している。これにより、衣類から落ちた埃等の異物が、通気孔253および第2排出孔245を通じて第1供給口210に侵入しづらくなる。
【0036】
防虫剤容器250には、後述する防虫処理運転が行われる際に、常温で気化可能な防虫剤が収容される。防虫剤は、常温で昇華可能な個体の防虫剤が使用されてもよいし、揮発性を有する液体の防虫剤が使用されてもよい。液体の防虫剤が使用される場合、当該防虫剤が漏れ出さずに気化した防虫成分が放出される容器に入れられて、防虫剤容器250に収容される。
【0037】
防虫剤容器250は、本発明の収容部に相当し、第1供給口210は、本発明の排出口に相当する。そして、風発生部である第1供給ユニット300、収容部である防虫剤容器250および排出口である第1供給口210により、本発明の防虫処理部が構成される。
【0038】
収容室200の後面には、上部に排出口202が形成される。排出口202には排気ダクト260が繋がっており、排気ダクト260は筐体100の後面から外部に露出する。
【0039】
排出口202には、排気フィルタユニット270が着脱可能に装着される。排気フィルタユニット270は、オゾン除去フィルタ271と、オゾン除去フィルタ271が収容されるフィルタカバー272とを含む。オゾン除去フィルタ271には、活性炭・触媒フィルタが用いられ得る。フィルタカバー272には、複数の排気窓273が設けられる。
【0040】
収容室200の上部には、前後方向における中央部に、衣類が吊られた状態で保持されるとともに衣類を揺らすことができる保持ユニット600が設けられる。保持ユニット600は、本発明の揺動部に相当する。
【0041】
保持ユニット600は、ハンガー掛け610と、2つの支持部620と、加振機構部630と、を含む。ハンガー掛け610は、収容室200内に吊られた状態となるよう衣類を保持する保持部であり、加振機構部630は、保持部を振動させる加振部である。
【0042】
ハンガー掛け610には、衣類が掛けられたハンガーが掛けられる。2つの支持部620は、それぞれ、収容室200の左右の側面に固定される。各支持部620にはレール溝621が形成されており、ハンガー掛け610の左右の端部がレール溝621に嵌り込む。これにより、ハンガー掛け610は、左右方向に水平移動が可能に2つの支持部620に支持される。加振機構部630は、ハンガー掛け610に装着され、ハンガー掛け610を水平方向に振動させる。
【0043】
図7(a)ないし(d)は、ハンガー掛け610と加振機構部630の構成について説明するための図である。図7(a)は、加振機構部630が装着されたハンガー掛け610の正面図であり、図7(a)は、ハンガー掛け610の平面図である。図7(c)および(d)は、それぞれ、加振機構部630によりハンガー掛け610が右方向および左方向に動かされた状態を示す図である。なお、図7(b)では、便宜上、カム溝613に収容された加振機構部630のローラ633が示されている。また、図7(c)および(d)では、ハンガー掛け610が断面で示されている。
【0044】
ハンガー掛け610は、左右方向に長い形状を有する。ハンガー掛け610の下面には、所定の間隔で左右方向に並ぶようにして、ハンガーを掛けるための複数のフック部611が設けられる。ハンガー掛け610の上面には、中央の凹部612に、前後方向に延びる長円形のカム溝613が形成される。また、ハンガー掛け610の上面には、凹部612を囲むように方形筒状のカバー部614が設けられる。
【0045】
加振機構部630は、振動モータ631と、カム軸632と、ローラ633とを含む。カム軸632は、振動モータ631のモータ軸631aに接続される。カム軸632の先端部には、モータ軸631aと垂直な方向に延びるアーム632aが形成される。アーム632aの先端に回転自在にローラ633が取り付けられる。ローラ633は、ハンガー掛け610のカム溝613に収容される。
【0046】
振動モータ631が動作してカム軸632が回転すると、図7(b)の矢印と破線に示すように、ローラ633が円軌道を描いて移動し、カム溝613が左右方向に動かされる。これにより、図7(c)および(d)のように、ハンガー掛け610が、右方向および左方向に交互に動く。即ち、ハンガー掛け610が、振動モータ631の回転数に応じた振動数で左右方向に振動する。
【0047】
図2に示すように、ハンガー掛け610には、衣類の前後の方向がハンガー掛け610の延びる方向となるように、複数の衣類を並べて掛けることができる。加振機構部630は、振動モータ631が収容室200の天面と筐体100の天面との間に配置され、カム軸632が収容室200の天面を貫通して振動モータ631に接続される。カム軸632は、ハンガー掛け610のカバー部614により覆われて隠された状態となる。
【0048】
図2および図6を参照し、第1供給ユニット300は、第1供給ダクト310と、オゾン発生器320と、加熱器330と、送風ファン340と、吸気ダクト350とを含む。
【0049】
第1供給ダクト310は、その導入口311が送風ファン340の吐出口342に接続され、その導出口312が第1供給口210の入口に接続される。第1供給ダクト310内の導入口311の近傍にオゾン発生器320が配置される。第1供給ダクト310は、導入口311から左方に延び、オゾン発生器320の配置位置を過ぎた部分から右方に折り返されるように湾曲した後、上方に延びて第1供給口210へと至るような形状を有する。
【0050】
オゾン発生器320は、放電方式のオゾン発生器であり、一対の電極間にコロナ放電、無声放電等の放電を生じさせ、一対の電極間に通された空気からオゾンを生成する。加熱器330は、第1供給ダクト310内において、オゾン発生器320よりも第1供給口210側に配置され、第1供給ダクト310内を流れる空気を加熱する。加熱器330として、たとえば、PTCヒータを用いることができる。
【0051】
送風ファン340は、遠心ファンであり、側面に吸込口341が設けられ、周面に吐出口342が設けられる。送風ファン340は、吸込口341から空気を取り込み、取り込んだ空気を第1供給ダクト310内へ送る。送風ファン340として、遠心ファン以外のファン、たとえば、軸流ファンが用いられても良い。
【0052】
筐体100の前面には、送風ファン340の吸込口341と対向する位置に吸気口101が形成される。吸気口101には、吸気口101から取り込まれる空気に含まれる埃などを除去するダストフィルタ120が設けられる。
【0053】
吸気ダクト350は、一端が吸気口101に接続され、他端が吸込口341に接続される。ドア500には、後面における筐体100の吸気口101に対応する位置に複数の通気孔501が形成され、底面に空気の取込口502が形成される。ドア500の内部では、取込口502と複数の通気孔501とが連通する。送風ファン340が動作したとき、衣類処理装置1の外部の空気が、取込口502、通気孔501および吸気口101を通じて吸気ダクト350内に取り込まれる。以降、衣類処理装置1の外部を、機外ということとする。
【0054】
図3を参照し、第2供給ユニット400は、第2供給ダクト410と、スチーム発生装置420と、排水装置430とを含む。第2供給ダクト410は、下部が右方に膨らんだ形状を有する。第2供給ダクト410には、上端部に第2供給口220の入口に接続される導出口411が設けられる。また、第2供給ダクト410には、下部の右側面に導入口412が設けられる。さらに、第2供給ダクト410には、導入口412の下方に、その底部を導入口412の位置よりも低くすることにより、貯水部413が設けられる。貯水部413の底面には、排出口414が設けられる。
【0055】
スチーム発生装置420は、給水タンク440と、給水槽450と、ポンプモジュール460と、スチーム発生器470とを含む。給水タンク440には、スチーム発生器470に供給される水が溜められる。給水タンク440は、筐体100内において、図示しない給水タンク設置部に着脱可能に設置される。給水タンク440が給水タンク設置部に設置されると、その供給口441が上方から給水槽450の入口451に接続される。供給口441には開閉弁442が設けられ、供給口441が入口451に接続されると、開閉弁442が開いて給水タンク440から給水槽450に水が供給され、給水槽450内全体が水で満たされる。
【0056】
ポンプモジュール460は、ポンプ461と、接続ホース462と、給水ホース463とを含む。ポンプ461の吸込口は、接続ホース462により給水槽450の出口452に接続される。ポンプ461の吐出口には、給水ホース463が接続される。ポンプ461は、給水槽450内の水を、接続ホース462を通じて吸い込み、給水ホース463を通じてスチーム発生器470に送る。
【0057】
スチーム発生器470は、本体部471と、ヒータ472とを含み、第2供給ダクト410の導入口412に、図示しない断熱部材を介して装着される。本体部471は、アルミダイカスト等の金属材料で形成され、内部にスチーム発生室473を有する。また、本体部471には、スチーム発生室473の上方に、給水ホース463が接続される給水口474が設けられ、スチーム発生室473の右方に、第2供給ダクト410内に繋がる放出口475が設けられる。ヒータ472は、本体部471に埋め込まれる。
【0058】
本体部471は、ヒータ472により加熱されて高温となる。ポンプ461により送られた水がスチーム発生室473の底面に滴下し蒸発することで高温のスチームが発生する。発生したスチームは、放出口475を通じて第2供給ダクト410内へ放出される。
【0059】
排水装置430は、排水タンク480と、排水ホース490とを含む。排水ホース490は、上端部に第2供給ダクト410の排出口414に接続される接続口491を有する。接続口491には、排出口414を塞ぐようにして抵抗板492が配置される。抵抗板492は、例えば、金属製の目の細かな網板であり、脱臭・除菌運転時に収容室200内に供給されたオゾンが排水ホース490を通じて筐体100の内部に漏れにくくするためのものである。
【0060】
排水タンク480は、第2供給ダクト410内で発生した結露水を回収するための容器である。排水タンク480は、筐体100内において、図示しない排水タンク設置部に着脱可能に設置される。排水タンク480が排水タンク設置部に設置されると、その入口481が、排水ホース490の下端の真下に位置づけられる。
【0061】
筐体100の前面には、筐体100内に設置された給水タンク440および排水タンク480の正面位置に、これらタンク440,480の出入口102が設けられている。出入口102は、開閉可能な蓋103で覆われる(図1参照)。ユーザは、ドア500を開いて蓋103を開けることにより、筐体100内に対して給水タンク440および排水タンク480を出し入れできる。
【0062】
図8は、衣類処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0063】
衣類処理装置1は、上記の構成の他、制御部10と、操作部20と、表示部30と、ドアセンサ40と、温度センサ50と、を備える。
【0064】
操作部20は、運転コースを選択するためのコース選択ボタン、運転を開始させるためのスタートボタン等の操作ボタンを含み、ユーザに操作された操作ボタンに応じた操作信号を制御部10に出力する。
【0065】
運転コースとして、脱臭・除菌運転を行う脱臭・除菌コース、乾燥運転を行う乾燥コース、しわ伸ばし運転を行うしわ伸ばしコース、防虫処理運転を行う防虫処理コース、防虫処理付き乾燥運転を行う乾燥・防虫処理コース等が用意される。
【0066】
表示部30は、LED等の発光素子や液晶パネル等のディスプレイを含み、制御部10からの制御信号に従って、選択された運転コースの表示、運転の進行状況の表示、異常の報知などを行う。
【0067】
ドアセンサ40は、ドア500の開閉を検出し、開閉に応じた検出信号を制御部10に出力する。温度センサ50は、収容室200内の温度を検出し、検出した温度に応じた温度信号を制御部10に出力する。
【0068】
制御部10は、マイクロコンピュータ、各種のドライバ回路などを含み、表示部30、第1供給ユニット300のオゾン発生器320、加熱器330および送風ファン340、第2供給ユニット400のポンプ461およびヒータ472、保持ユニット600の振動モータ631などを制御する。
【0069】
本実施の形態の衣類処理装置1では、衣類の脱臭・除菌を行う脱臭・除菌運転と、衣類の乾燥を行う乾燥運転と、衣類のしわを伸ばすしわ伸ばし運転とを行うことができる。なお、これら脱臭・除菌運転、乾燥運転およびしわ伸ばし運転が行われる際には、防虫剤容器250に防虫剤が収容されない。
【0070】
脱臭・除菌運転では、制御部10が、第1供給ユニット300において、送風ファン340とオゾン発生器320を動作させる。
【0071】
図6の矢印に示すように、送風ファン340の動作によって、機外の空気が吸気口101から吸気ダクト350に取り込まれ、第1供給ダクト310内に送り込まれる。
【0072】
図2に示すように、第1供給ダクト310内を流れる空気がオゾン発生器320を通過し、この際に、オゾン発生器320で発生したオゾンが空気に混入される。こうして、オゾンを含む空気が第1供給ダクト310内を通って第1供給口210へと至り、第1供給口210から収容室200内に排出される。排出されたオゾンを含む空気は、カバー240に当たり、その一部が第2排出孔245から排出され、残りが周囲に拡がって、複数の第1排出孔244から排出されるとともにカバー240と収容室200の底面との間から排出される。第2排出孔245から排出されたオゾンを含む空気は、防虫剤容器250の通気孔253を通過する。
【0073】
こうして、オゾンを含む空気は、カバー240により拡散されて上方の衣類へと向かい、広く衣類に当てられる。オゾンの脱臭・除菌作用により衣類が脱臭・除菌される。
【0074】
衣類の脱臭・除菌によりオゾン濃度が低下した空気は、収容室200の上部に設けられた排出口202から排気ダクト260内に排出され、排気ダクト260内を流れて機外へ排出される。排出口202から排出される空気は、オゾン除去フィルタ271を通過する。これにより、空気中のオゾンが除去され、適正なオゾン濃度まで低下した空気が機外に排出される。
【0075】
所定の脱臭・除菌時間が経過すると、制御部10が、オゾン発生器320および送風ファン340を停止させる。こうして、脱臭・除菌運転が終了する。
【0076】
次に、乾燥運転では、制御部10が、第1供給ユニット300において、送風ファン340と加熱器330を動作させる。
【0077】
図6の矢印に示すように、送風ファン340の動作によって、機外の空気が吸気口101から吸気ダクト350に取り込まれ、第1供給ダクト310内に送り込まれる。
【0078】
図2に示すように、第1供給ダクト310内を流れる空気は、加熱器330で加熱され、乾燥に適する温度(たとえば、60℃程度)の温風となる。その後、温風は、第1供給口210へと至り、第1供給口210から収容室200内に排出される。排出された温風は、オゾンを含む空気と同様、カバー240により拡散されて上方の衣類へと向かい、広く衣類に当てられる。これにより、衣類が乾燥する。収容室200内で衣類から水分を奪った空気は、排出口202、排気ダクト260を通じて機外に排出される。
【0079】
乾燥運転では、制御部10が、振動モータ631を回転させる。これにより、ハンガー掛け610が、加振機構部630により加振されて振動する。ハンガー掛け610に吊られた衣類が、その衣類の前後方向に揺らされ、その際に衣類に作用する遠心力により衣類が伸ばされる。これにより、乾燥の進行に伴う衣類のしわ付きが抑制される。なお、衣類は、乾かされて水分が少なくなるにつれて縮んでゆき、表面にしわが形成されやすくなる。よって、衣類は、少なくとも乾燥運転の後半に揺動されるとよい。
【0080】
所定の乾燥時間が経過すると、制御部10が、加熱器330および送風ファン340を停止させる。こうして、乾燥運転が終了する。
【0081】
次に、しわ伸ばし運転では、まず、制御部10が、第2供給ユニット400において、ポンプ461を停止させたままスチーム発生器470のヒータ472を動作させる。これにより、スチーム発生器470の本体部471の温度が上昇していく。
【0082】
スチーム発生器470の本体部471が十分に高温になると、制御部10が、ヒータ472を引き続き動作させた状態でポンプ461を動作させる。図3に示すように、スチーム発生器470で高温のスチームが発生し、第2供給ダクト410内に放出される。放出されたスチームは、第2供給ダクト410内を上昇して第2供給口220へと至り、第2供給口220から収容室200内に排出される。排出されたスチームは、カバー240に当たって周囲に拡がり、その一部は、複数の第1排出孔244から排出され、残りがカバー240と収容室200の底面との間から排出される。こうして、スチームは、カバー240により拡散されて上方の衣類へと向かい、広く衣類に当てられる。スチームが有する水分と熱により、衣類のしわが伸ばされる。
【0083】
スチームが第2供給ダクト410内を流れる際、その一部が結露して結露水が生じ得る。結露水は、下方へ流れて貯水部413に溜まり、排出口414から排出される。排出された結露水は、排水ホース490を通って排水タンク480に回収される。
【0084】
所定のスチーム供給時間が経過すると、制御部10が、ヒータ472とポンプ461を停止させる。その後、制御部10が、送風ファン340と加熱器330を動作させる。これにより、乾燥運転と同様、衣類に温風が当てられ、スチームによって濡らされた衣類が乾燥する。なお、しわ伸ばし運転での乾燥時間は、しわ伸ばし運転に適したものとされ、乾燥運転の乾燥時間とは異なるものとされ得る。
【0085】
さらに、しわ防止運転の乾燥時においても、制御部10が振動モータ631を回転させることにより、ハンガー掛け610が振動してハンガー掛け610に吊られた衣類が揺らされる。これにより、乾燥の進行に伴う衣類のしわ付きが抑制される。
【0086】
所定の乾燥時間が経過すると、制御部10が、送風ファン340と加熱器330を停止させる。こうして、しわ伸ばし運転が終了する。
【0087】
衣類処理装置1では、上着、セータ等の衣類に防虫処理を施す防虫処理運転を行うことができる。さらに、衣類を乾燥した後に乾燥された衣類に防虫処理を施す防虫処理付き乾燥運転を行うことができる。
【0088】
図9(a)は、防虫処理運転で実行される制御部10の制御動作を示すフローチャートである。
【0089】
防虫処理運転を行う場合、ユーザは、収容室200内に衣類を収容するとともに、防虫剤容器250内に防虫剤を投入する。そして、ユーザは、操作部20において、コース選択ボタンにより防虫処理コースを選択し、スタートボタンを押す。これにより、防虫処理運転が開始される。
【0090】
図9(a)を参照して、防虫処理運転が開始されると、まず、制御部10は、揺動工程を実行する(S101)。
【0091】
揺動工程では、制御部10は、振動モータ631を回転させる。これにより、ハンガー掛け610が、加振機構部630により加振されて振動する。ハンガー掛け610に吊られた衣類が揺らされ、衣類に付着している埃等の異物が振り落とされる。衣類に衣料害虫が付いていた場合は、衣料害虫も振り落とされ得る。
【0092】
制御部10は、所定の揺動時間が経過すると、振動モータ631を停止させる。これにより、揺動工程が終了する。
【0093】
次に、制御部10は、防虫処理工程を実行する(S102)。防虫処理工程では、制御部10は、第1供給ユニット300において、送風ファン340を動作させる。
【0094】
図2の矢印に示すように、送風ファン340の回転により起こされた風が第1供給ダクト310内を通って、第1供給口210から上方へ排出される。カバー240の第2排出孔245を通過した風が、通気孔253通じて防虫剤容器250内に入り、防虫剤容器250内を通過する。防虫剤容器520内で防虫剤から気化、即ち揮発あるいは昇華した防虫成分が風で上方に運ばれ、収容室200内で吊られている衣類に付着する。このようにして、衣類に防虫剤の防虫成分が作用し、衣類が防虫効果を持つ。
【0095】
制御部10は、所定の防虫処理時間が経過すると、送風ファン340を停止させる。これにより、防虫処理工程が終了し、防虫処理運転が終了する。
【0096】
図9(b)は、防虫処理付き乾燥運転で実行される制御部10の制御動作を示すフローチャートである。
【0097】
防虫処理付き乾燥運転を行う場合、ユーザは、衣類を収容室200内に収容した後、操作部403において、コース選択ボタンにより乾燥・防虫処理コースを選択し、スタートボタンを押す。これにより、防虫処理付き乾燥運転が開始される。なお、この運転の開始時点では、防虫剤容器250内に防虫剤は投入されない。
【0098】
図9(b)を参照して、防虫処理付き乾燥運転が開始されると、まず、制御部10は、乾燥工程を実行する(S201)。乾燥工程は、上述した乾燥運転と同様である。乾燥工程により、収容室200内に吊られた衣類が乾燥する。
【0099】
次に、制御部10は、送風工程を実行する(S202)。
【0100】
送風工程では、制御部10は、第1供給ユニット300において、加熱器330を動作させることなく送風ファン340を回転させる。収容室200内へ冷風が導入され、収容室200内と衣類とが冷却される。
【0101】
制御部10は、温度センサ50により検出された収容室200内の温度が、所定温度、たとえば40℃まで低下すると、送風ファン340を停止させる。これにより、送風工程が終了する。
【0102】
次に、制御部10は、表示部30や図示しないスピーカに、防虫剤容器250内への防虫剤の投入を促す報知を行わせる(S203)。そして、制御部10は、防虫剤容器250内に防虫剤が投入されたか否かを監視する(S204)。
【0103】
防虫剤容器250内に防虫剤が投入されるときには、ドア500が開放される。よって、制御部10は、ドアセンサ40により、ドア500の開放が検出され、その後にドア500の閉鎖が検出されると、防虫剤容器250内に防虫剤が投入されたと判定する。
【0104】
制御部10は、防虫剤容器250内に防虫剤が投入されたと判定すると(S204:YES)、防虫処理工程を実行する(S205)。これにより、収容室200内で吊られた衣類に防虫剤の防虫成分が作用し、衣類が防虫効果を持つ。このとき、収容室200内および衣類の温度が低下しているので、防虫成分が熱の影響を受けにくい。
【0105】
こうして、防虫処理工程が完了すると、防虫処理付き乾燥運転が終了する。
【0106】
<実施形態1の効果>
本実施の形態によれば、衣類処理装置1は、収容室200内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部として、防虫剤が収容される防虫剤容器250と、防虫剤容器250内の防虫剤から気化した防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる第1供給ユニット300と、を備えている。これにより、衣類に防虫効果を持たせることができるので、当該衣類がタンスやクローゼット等の収納庫に収納された際、収納庫内で当該衣類に衣料害虫がつきにくくなる。
【0107】
さらに、本実施の形態によれば、衣類処理装置1は、収容室200内の吊られた衣類の下方に、第1供給ユニット300が発生させた風を上方に排出させる第1供給口210が設けられ、防虫剤容器250が、吊られた衣類と第1供給口210との間に位置するように、収容室200内に配置されるような構成とされている。
【0108】
この構成によれば、防虫剤容器250が吊られた衣類と第1供給口210との間に位置するため、防虫剤から気化した防虫成分が衣類に短い距離で運ばれる。これにより、防虫成分が無駄なく衣類に作用しやすくなる。
【0109】
さらに、本実施の形態によれば、衣類処理装置1は、収容室200内に吊られた衣類を揺らす保持ユニット600と、制御部10と、をさらに含み、制御部10が、収容室200内に吊られた衣類に防虫成分を作用させる防虫処理工程を実行し、防虫処理工程の前に、保持ユニット600により、収容室200内に吊られた衣類を揺らす揺動工程を実行するような構成とされている。
【0110】
この構成によれば、防虫処理工程の前に、収容室200内の衣類に付着した埃等の異物を落とすことができるので、防虫成分を異物に妨げられることなく衣類に作用させることが可能となる。また、衣類に衣料害虫が付着していた場合に、当該衣料害虫を衣類から除去することが可能となる。
【0111】
さらに、本実施の形態によれば、衣類処理装置1は、制御部10が、第1供給ユニット300から供給された温風により収容室200内に吊られた衣類を乾燥させる乾燥工程を実行し、乾燥工程の後に防虫処理工程を実行するような構成とされている。
【0112】
この構成によれば、乾燥工程により乾燥された衣類に防虫効果を持たせることができる。
【0113】
さらに、本実施の形態によれば、衣類処理装置1は、制御部10が、乾燥工程と防虫処理工程との間に、第1供給ユニット300により収容室200内に冷風を供給して収容室200内を冷却する送風工程を実行するような構成とされている。
【0114】
この構成によれば、送風工程で冷却された衣類に防虫成分を作用させることができるので、防虫成分が熱の影響を受けにくい。
【0115】
<実施形態2>
実施形態2に係る衣類処理装置2について説明する。
【0116】
図10(a)は、空気循環ユニット700の前方位置で切断した、衣類処理装置2の要部の正面断面図であり、図10(b)は、カバー712bが外された状態の空気循環ユニット700の正面図である。図11は、衣類処理装置2の要部の側面断面図である。なお、図10(a)および図11には、空気循環ユニット700から吹き出した空気の流れが実線矢印や破線矢印で示されている。また、図10(a)には、便宜上、切断面よりも前方にあるハンガー掛け610が、一点鎖線にて描かれている。さらに、図11には、便宜上、防虫剤が一点鎖線で示されている。
【0117】
衣類処理装置2では、収容室200内の底部であって後面の近傍に、空気循環ユニット700が配置される。また、衣類処理装置2では、カバー240の天面部241に防虫剤容器250が設置されず、ドア500の裏面の下部に防虫剤容器280が設置される。
【0118】
空気循環ユニット700は、本発明の空気循環部および風発生部に相当し、防虫剤容器280は、本発明の収容部に相当する。そして、風発生部である空気循環ユニット700および収容部である防虫剤容器280により、本発明の防虫処理部が構成される。
【0119】
衣類処理装置2における他の構成は、衣類処理装置1の構成と同様である。
【0120】
空気循環ユニット700は、収容室200内の空気を吸い込んで収容室200内に吹き出し、吹き出した空気を吊られた衣類に向かわせることにより、収容室200内で空気を循環させる。
【0121】
空気循環ユニット700は、循環ファン710と、ルーバー機構720とを備える。循環ファン710は、クロスフローファンであり、ファン711と、ケーシング712と、ファンモータ713とを含む。ファン711は、円筒状に配置されたランナー711aを有し、軸方向の寸法が径方向の寸法よりも大幅に大きい。ファン711には、中心にファン軸714が設けられる。ファン軸714の両端部は、ファン711の両端面から突出する。
【0122】
ファン711はケーシング712内に収容され、ファン軸714の両端部がケーシング712の両側面に回転可能に支持される。ケーシング712は、前面が開口する本体712aと、本体712aの前面を覆うカバー712bとで構成される。ケーシング712には、ファン711の前側、即ちカバー712bの前面に、前方に開口する吸込口715が設けられ、ファン711の後側に上方に開口する吐出口716が設けられる。吸込口715は、収容室200の底面に沿う方向に開口し、その下端が収容室200の底面より僅かに高くなっている。吸込口715には、格子状に走る複数の桟715aが設けられる。吸込口715および吐出口716の軸方向の寸法はファン711の寸法とほぼ同じである。即ち、吸込口715および吐出口716は、軸方向に長い形状を有する。
【0123】
ケーシング712内には、吸込口715とファン711との間に、フィルタ717が配置される。フィルタ717は、空気とともに吸込口715から吸い込まれた埃等の異物を捕集する。
【0124】
ファン軸714の右側の端部は、ケーシング712の右側の側面を貫通し、さらに、収容室200の右側面を貫通する。収容室200の右側面は、空気循環ユニット700に対応する部分が内側に凹んでおり、その部分の外側にファンモータ713が取り付けられる。収容室200の右側面を貫通したファン軸714は、ファンモータ713のロータ(図示せず)に連結される。
【0125】
ファンモータ713は、ファン軸714を介してファン711を回転駆動する。ファン711が回転すると、吸込口715から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気がファン711により送られて吐出口716から吹き出す。
【0126】
ルーバー機構720は、ルーバー721と、ルーバーモータ722とを含む。ルーバー721は、循環ファン710の軸方向に長い方形状を有し、循環ファン710の吐出口716よりもやや大きなサイズを有する。ルーバー721の左右の両端部には庇部723が設けられ、庇部723の下端部にルーバー軸724が設けられる。循環ファン710には、ケーシング712の両側面の後上端部に支持部718が設けられる。ルーバー721の両側のルーバー軸724がケーシング712の両側の支持部718に回転可能に支持される。これにより、ルーバー721は、吐出口716の上方に位置付けられ、上下方向に揺動可能となる。
【0127】
ルーバー軸724の右側の端部は、右側の支持部718を貫通し、さらに、収容室200の右側面を貫通する。収容室200の右側面の外側には、ファンモータ713の上方にルーバーモータ722が取り付けられる。収容室200の右側面を貫通したルーバー軸724は、ルーバーモータ722のロータ(図示せず)に連結される。
【0128】
ルーバーモータ722は、所定の回転角だけ正転および反転することにより、ルーバー軸724を介してルーバー721を揺動させる。循環ファン710の吐出口716から上方に吹き出した空気がルーバー721に接触して偏向される。空気の偏向角度は、揺動するルーバー721の角度に従って変化し、空気、即ち風が向かう方向が変化する。
【0129】
ルーバー721は、本発明の偏向部材に相当し、ルーバーモータ722は、本発明の駆動部に相当する。
【0130】
防虫剤容器280は、ドア500の裏面に取り付けられ、上面が開口するほぼ直方体の箱状を有する。防虫剤容器280の左側面部、右側面部、後面部および底面部には、複数の孔281が形成される。防虫剤容器250には、上記実施形態1の防虫剤容器250と同様、防虫処理運転が行われる際に、常温で気化可能な防虫剤が収容される。防虫剤容器280がドア500に設けられることにより、ユーザは、防虫剤容器280内に防虫剤を投入しやすい。
【0131】
衣類処理装置2では、脱臭・除菌運転において、制御部10が、空気循環ユニット700において、ファンモータ713を駆動して循環ファン710を動作させるとともに、ルーバーモータ722を駆動してルーバー721を上下方向に揺動させる。
【0132】
図10(a)および図11に示すように、収容室200内のオゾンを含む空気が吸込口715からケーシング712内に取り込まれ、オゾン風として吐出口716から吹き出す。吹き出したオゾン風は、ルーバー721で偏向されて衣類へと向かう。このとき、ルーバー721が揺動していることによりオゾン風の偏向角度が変化するため、衣類には、様々な方向からオゾン風が接触するようになる。これにより、衣類へのオゾン風の接触効率が良くなり、衣類が脱臭・除菌されやすくなる。また、様々な方向からのオゾン風により衣類が押されることで吊られた衣類が揺らされる。これにより、衣類の袖と胴体との間など、衣類が静止した状態では行き渡りにくい部分に、オゾンを行き渡らせることができる。また、衣類に付着した埃が落ちやすくなる。
【0133】
また、乾燥運転において、制御部10が、循環ファン710を動作させるとともに、ルーバー721を上下方向に揺動させる。
【0134】
図10(a)および図11に示すように、温風の供給により温まった収容室200内の空気が吸込口715からケーシング712内に取り込まれ、温風として吐出口716から吹き出す。吹き出した温風は、揺動するルーバー721で偏向されることにより、様々な方向から衣類に接触する。これにより、衣類への温風の接触効率が良くなり、衣類が乾燥しやすくなる。また、衣類が揺らされることにより、衣類が静止した状態では行き渡りにくい衣類の部分に温風を行き渡らせることができ、また、衣類に付着した埃が落ちやすくなる。
【0135】
さらに、しわ伸ばし運転において、収容室200内へのスチーム供給時に、制御部10が、循環ファン710を動作させるとともに、ルーバー721を上下方向に揺動させる。図10(a)および図11に示すように、収容室200内の空気が吸込口715からケーシング712内に取り込まれ、風として吐出口716から吹き出す。吐出口716から吹き出してルーバー721により偏向された風により、衣類が揺らされる。衣類が吊られた状態で揺れると、衣類に遠心力等の力が加わりやすくなる。これにより、スチームが当てられた衣類の表面が伸ばされやすくなるので、衣類のしわが伸びやすくなる。
【0136】
本実施の形態に係る衣類処理装置2においても、上記実施形態1に係る衣類処理装置1と同様、図9(a)の防虫処理運転および図9(b)の防虫処理付き乾燥運転が行われる。
【0137】
しかしながら、本実施の形態に係る衣類処理装置2では、防虫処理運転および防虫処理付乾燥運転における防虫処理工程での運転内容が、上記実施形態1の衣類処理装置1の防虫処理工程での運転内容と異なる。
【0138】
即ち、防虫処理工程において、制御部10は、ファンモータ713およびルーバーモータ722を回転させる。循環ファン710が動作するとともに、ルーバー721が上下方向に揺動する。図11に示すように、収容室200内の空気が吸込口715からケーシング712内に取り込まれる。このとき、図11の矢印に示すように、衣類側から吸込口715へと向かう空気の流れ、即ち風が防虫剤容器280内を通過する。防虫剤容器280内に収容されている防虫剤から気化、即ち揮発あるいは昇華した防虫成分が風で運ばれ、風とともに吸込口715からケーシング712内に取り込まれる。そして、防虫成分を含む風が、吐出口716から吹き出し、ルーバー721で偏向されて衣類へと向かい衣類に接触する。これにより、防虫成分が衣類に付着する。
【0139】
このとき、ルーバー721が揺動していることにより防虫成分を含む風の偏向角度が変化するため、衣類には、様々な方向から防虫成分を含む風が接触するようになる。これにより、衣類への防虫成分を含む風の接触効率が良くなり、衣類に満遍なく防虫成分が付着しやすくなる。また、様々な方向からの風により衣類が押されることで吊られた衣類が揺らされる。これにより、衣類の袖と胴体との間など、衣類が静止した状態では行き渡りにくい部分に、防虫成分が行き渡りやすくなる。
【0140】
このようにして、衣類に防虫剤の防虫成分が作用し、衣類が防虫効果を持つ。
【0141】
制御部10は、所定の防虫処理時間が経過すると、ファンモータ713およびルーバーモータ722を停止させる。これにより、防虫処理工程が終了する。
【0142】
<実施形態2の効果>
本実施の形態によれば、衣類処理装置2は、収容室200内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部として、防虫剤が収容される防虫剤容器280と、防虫剤容器280内の防虫剤から気化した防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる空気循環ユニット700と、を備えている。これにより、衣類に防虫効果を持たせることができるので、当該衣類がタンスやクローゼット等の収納庫に収納された際、収納庫内で当該衣類に衣料害虫がつきにくくなる。
【0143】
さらに、本実施の形態によれば、衣類処理装置2は、空気循環ユニット700が、吸込口715から吸い込んだ空気を吐出口716から吹き出させる循環ファン710と、吐出口716から吹き出した空気に接触して、当該空気を偏向させるルーバー721と、空気の偏向角度が変わるようにルーバー721を揺動させるルーバーモータ722と、を有し、防虫剤容器280が、収容室200において、吊られた衣類側から吸込口715へと向かう空気が通る位置に配置されるような構成とされている。
【0144】
この構成によれば、防虫剤容器520内の防虫剤から気化した防虫成分が風で運ばれ、風とともに吸込口715に吸い込まれる。そして、防虫成分を含む風が、吐出口716から吹き出し、ルーバー721で偏向されて衣類へと向かい衣類に接触する。これにより、防虫成分が衣類に付着する。このとき、ルーバー721が揺動することにより防虫成分を含む風の偏向角度が変化し、当該風が様々な方向から衣類に接触するので、当該風の衣類への接触効率が良くなり、衣類に満遍なく防虫成分が付着しやすくなる。
【0145】
この他、本実施の形態によれば、上記実施形態1と同様な構成により、上記実施形態1と同様な効果を奏し得る。
【0146】
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0147】
たとえば、上記実施形態1では、防虫剤容器250がカバー240と別体に設けられ、カバー240に固定されている。しかしながら、防虫剤容器250がカバー240と一体形成されてもよい。この場合、カバー240の天面部241が防虫剤容器250の底面部251として兼用されてもよい。
【0148】
さらに、上記実施形態2では、防虫剤容器280がドア500の裏面に設置されている。しかしながら、防虫剤容器280は、収容室200において、吊られた衣類側から空気循環ユニット700の吸込口715へと向かう空気が通る位置であれば、ドア500の裏面以外に配置されてもよい。たとえば、防虫剤容器280は、カバー240の天面部241に設置されてもよく、収容室200の底面における吸込口715の前方近傍に設置されてもよい。
【0149】
さらに、上記実施形態1では、衣類処理装置1が、収容室200内に吊られた衣類に防虫剤の防虫成分を作用させる防虫処理部として、防虫剤が収容される防虫剤容器250と、防虫剤容器250内の防虫剤から気化した防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる第1供給ユニット300と、を備えている。また、上記実施形態2では、衣類処理装置2が、防虫処理部として、防虫剤が収容される防虫剤容器280と、防虫剤容器280内の防虫剤から気化した防虫成分を吊られた衣類まで運ぶ風を発生させる空気循環ユニット700と、を備えている。しかしながら、防虫処理部の構成は、上記の構成に限られない。たとえば、防虫処理部は、液体または固体の防虫剤が水に溶解した防虫液が貯められる貯液タンクと、貯液タンク内の防虫液を収容室200内の衣類に向けて噴霧する噴霧機構と、を含むような構成とされてもよい。
【0150】
さらに、上記実施形態1では、衣類処理装置1が、水平方向に揺動可能な保持ユニット600を備え、防虫処理運転の揺動工程では、加振機構部630がハンガー掛け610を振動させることにより、衣類を揺動させている。しかしながら、衣類処理装置1が、空気循環ユニット700を備え、揺動工程では、空気循環ユニット700から排出された風を衣類に当てることにより、衣類を揺動させてもよい。同様に、上記実施形態2においても、揺動工程では、空気循環ユニット700からの風により衣類を揺動させるようにしてもよい。なお、これらの場合、揺動工程の後に防虫剤容器250,280内に防虫剤が投入されるよう、揺動工程に続いて防虫剤の投入を促す報知が行われるとよい。この構成では、空気循環ユニット700が、本発明の揺動部に相当する。
【0151】
さらに、上記実施形態1、2では、防虫処理運転において、防虫処理工程の前に揺動工程が実行されるが、防虫処理運転が揺動工程を含まないようにされてもよい。
【0152】
さらに、上記実施形態1、2では、揮発、即ち常温で気化する液体の防虫剤または常温で昇華する個体の防虫剤が用いられる。しかしながら、常温より高い温度で気化する液体の防虫剤または常温より高い温度で昇華する個体の防虫剤が用いられてもよい。
【0153】
さらに、上記実施形態1、2において、脱臭・除菌が行われた衣類に防虫処理を施す防虫処理付き脱臭・除菌運転が実行できるようにされてもよい。同様に、しわ伸ばしが行われた衣類に防虫処理を施す防虫処理付きしわ伸ばし運転が実行できるようにされてもよい。防虫処理付き脱臭・除菌運転では、通常の脱臭・除菌運転の後に、図9(b)のステップS203~S205の処理が実行される。防虫処理付きしわ伸ばし運転では、通常のしわ伸ばし運転の後に、図9(b)のステップS202~S205の処理が実行される。
【0154】
さらに、防虫剤容器250の構成は、上記実施形態1の構成に限られず、防虫剤容器280の構成は、上記実施形態2の構成に限られない。即ち、防虫剤容器250,280は、防虫剤が収容される収容部であって、その内部を風が通過できれば、如何なる構成であってもよい。
【0155】
さらに、上記実施形態1、2では、衣類処理装置1,2は、脱臭・除菌運転を行うことができる構成とされている。しかしながら、衣類処理装置1,2は、脱臭・除菌運転が行われない構成とされ、第1供給ユニット300にオゾン発生器320が配置されないようにされてもよい。
【0156】
さらに、上記実施形態1、2では、衣類処理装置1,2は、しわ伸ばし運転を行うことができる構成とされている。しかしながら、衣類処理装置1,2は、しわ伸ばし運転が行われない構成とされ、第2供給ユニット400が設けられないようにされてもよい。
【0157】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 衣類処理装置
2 衣類処理装置
10 制御部
100 筺体
200 収容室
210 第1供給口(排出口)
250 防虫剤容器(収容部)
280 防虫剤容器(収容部)
300 第1供給ユニット(温風供給部、風発生部)
600 保持ユニット(揺動部)
700 空気循環ユニット(空気循環部、風発生部)
710 循環ファン
715 吸込口
716 吐出口
721 ルーバー(偏向部材)
722 ルーバーモータ(駆動部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11