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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021040
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】圧電振動素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03H 3/02 20060101AFI20240207BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240207BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20240207BHJP
【FI】
H03H3/02 B
G03F7/20 501
H10N30/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023076967
(22)【出願日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】111129015
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506413591
【氏名又は名称】台灣晶技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】黄 博聲
(72)【発明者】
【氏名】卓 介仁
(72)【発明者】
【氏名】薛 世峰
(72)【発明者】
【氏名】莊 青叡
(72)【発明者】
【氏名】陳 子帆
(72)【発明者】
【氏名】陳 秋華
【テーマコード(参考)】
2H197
5J108
【Fターム(参考)】
2H197AB20
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA10
5J108MM08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】圧電振動素子の正確性の要件を維持しながら製造コストを削減する圧電振動素子の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電振動素子の製造方法は、少なくとも以下の工程を含む。石英ウェーハ110が提供される。第1の金属材料層及び第2の金属材料層122が、石英ウェーハの第1の表面111及び第2の表面112上にそれぞれ完全に形成される。第1のフォトレジスト材料層及び第2のフォトレジスト材料層が、第1の金属材料層及び第2の金属材料層上にそれぞれ完全に形成される。第1のフォトレジスト材料層のみに露光及び現像工程が実施されて、第1のパターン化されたフォトレジスト層が形成される。第1の金属材料層の一部は、第1のパターン化されたフォトレジスト層によって除去され、金属パターン121aを形成する。第1のパターン化されたフォトレジスト層及び第2のフォトレジスト材料層が除去される。
【選択図】図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1の表面及び第2の表面を有する石英ウェーハを提供することと、
前記第1の表面及び前記第2の表面上に第1の金属材料層及び第2の金属材料層をそれぞれ完全に形成することと、
前記第1の金属材料層及び前記第2の金属材料層上に第1のフォトレジスト材料層及び第2のフォトレジスト材料層をそれぞれ完全に形成することと、
前記第1のフォトレジスト材料層のみに露光及び現像工程を実施して、第1のパターン化されたフォトレジスト層を形成することと、
前記第1のパターン化されたフォトレジスト層によって前記第1の金属材料層の一部を除去して、金属パターンを形成することと、
前記第1のパターン化されたフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジスト材料層を除去することと、
を備える、
圧電振動素子の製造方法。
【請求項2】
前記金属パターン及び前記第2の金属材料層上に第3のフォトレジスト材料層及び第4のフォトレジスト材料層を完全に形成することと、
前記第3のフォトレジスト材料層及び前記第4のフォトレジスト材料層に露光及び現像工程をそれぞれ実施して、第2のパターン化されたフォトレジスト層及び第3のパターン化されたフォトレジスト層を形成することと、
をさらに備える
請求項1に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項3】
前記金属パターン及び前記第2のパターン化されたフォトレジスト層によって前記石英ウェーハの第1の部分を除去して、前記第1の表面から前記石英ウェーハ内に延在する溝パターンを形成することと、
をさらに備える、
請求項2に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項4】
前記溝パターンを形成した後、さらに、
前記第2のパターン化されたフォトレジスト層によって前記金属パターンの一部を除去することと、
前記第3のパターン化されたフォトレジスト層によって前記第2の金属材料層の一部を除去することと、
前記複数の溝パターンが第2の表面まで延在して貫通するように、前記石英ウェーハの第2の部分を除去することと、
をさらに備える、
請求項3に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項5】
前記石英ウェーハの前記第2の部分が除去された後に、素子領域、支持領域、及び分割領域が形成され、前記分割領域は、前記素子領域と前記支持領域との間に位置する、
請求項4に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項6】
前記第2のパターン化されたフォトレジスト層、前記第3のパターン化されたフォトレジスト層、前記金属パターンの別の部分、前記第2の金属材料層の別の部分は、前記素子領域、前記支持領域、及び前記分割領域が形成された後に除去される、
請求項5に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項7】
前記石英ウェーハの前記第2の部分が除去された後、前記支持領域上の支持構造及び前記素子領域上の前記圧電振動素子は、H構造を形成する、
請求項5に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項8】
前記圧電振動素子が平板である、
請求項1に記載の圧電振動素子の製造方法。
【請求項9】
前記圧電振動素子の厚さは、少なくとも50マイクロメートル未満である、
請求項1に記載の圧電振動素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製造方法に関し、特に、圧電振動素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の小型化の趨勢に伴い、圧電振動素子(水晶振動子など)の製造方法では、水晶振動子の精密な要件を満たすために切断及び研磨工程に代わる露光現像工程が使用されることが良くある。しかし、用いられる露光や現像の工程が多ければ多いほど、人手、マスク、機械の面で製造コストが高くなる。したがって、水晶発振器の正確性の要件を維持しながら、製造コストを削減することが課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、圧電振動素子の正確性の要件を維持しながら製造コストを削減する、圧電振動素子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の圧電振動素子の製造方法は、少なくとも以下の工程を含む。石英ウェーハが提供される。第1の金属材料層及び第2の金属材料層が、石英ウェーハの第1の表面及び第2の表面上にそれぞれ完全に形成される。第1のフォトレジスト材料層及び第2のフォトレジスト材料層が、第1の金属材料層及び第2の金属材料層上にそれぞれ完全に形成される。第1のフォトレジスト材料層のみに露光及び現像工程が実施されて、第1のパターン化されたフォトレジスト層が形成される。第1の金属材料層の一部は、第1のパターン化されたフォトレジスト層によって除去され、金属パターンを形成する。第1の表面及び第2の表面のフォトレジストは完全に除去される。
【0005】
本発明の一実施形態において、前記製造方法は、以下の工程をさらに含む。第3のフォトレジスト材料層及び第4のフォトレジスト材料層が、第1の金属材料層及び第2の金属材料層上にそれぞれ完全に形成される。第3のフォトレジスト材料層及び第4のフォトレジスト材料層に露光及び現像工程がそれぞれ実施されて、第2のパターン化されたフォトレジスト層及び第3のパターン化されたフォトレジスト層が形成される。
【0006】
本発明の一実施形態において、前記製造方法は、以下の工程をさらに含む。石英ウェーハの第1の部分は、金属パターンと第2のパターン化されたフォトレジスト層によって除去され、第1の表面から石英ウェーハ内に延在する溝パターンが形成される。
【0007】
本発明の一実施形態において、溝パターンが形成された後、前記製造方法は、以下の工程をさらに含む。金属パターンの一部は、第2のパターン化されたフォトレジスト層によって除去される。第2の金属材料層の一部は、第3のパターン化されたフォトレジスト層によって除去される。複数の溝パターンが第2の表面まで延在して貫通するように、石英ウェーハの第2の部分が除去される。
【0008】
本発明の一実施形態において、前掲のように、石英ウェーハの第2の部分が除去された後、素子領域、支持領域、及び分割領域が形成される。分割領域は、素子領域と支持領域との間に位置する。
【0009】
本発明の一実施形態において、第2のパターン化されたフォトレジスト層、第3のパターン化されたフォトレジスト層、金属パターンの別の部分、第2の金属材料層の別の部分は、素子領域、支持領域、及び分割領域が形成された後に除去される。
【0010】
本発明の一実施形態において、石英ウェーハの第2の部分が除去された後、支持領域上の支持構造及び素子領域上の圧電振動素子がH構造に形成される。
【0011】
本発明の一実施形態において、圧電振動素子は平板である。
【0012】
本発明の一実施形態において、圧電振動素子は音叉状ではない。
【0013】
本発明の一実施形態において、圧電振動素子の厚さは、少なくとも50マイクロメートル未満である。
【発明の効果】
【0014】
以上に基づき、本発明の圧電振動素子の製造方法は、工程の簡略化を図るものである。すなわち、本発明の圧電振動素子の製造方法は、石英ウェーハの一面のフォトレジスト材料層に対して露光及び現像工程を1回のみ行い、石英ウェーハの両面のフォトレジスト材料層に同時に二次露光及び現像工程を実施しない。露光及び現像工程後にフォトレジスト層によって画定された金属パターンは、圧電振動素子の一面の平面サイズを画定するために引き続き使用することができ、これにより、圧電振動素子の正確性の要件を維持しながら製造コストを削減することができる。
【0015】
上述した本発明の特徴及び利点を理解できるようにするために、図面を伴う実施形態を以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1B】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1C】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1D】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1E】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1F】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1G】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1H】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1I】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図1J】本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。
図2】本発明の別の実施形態に係る圧電振動素子に製造された水晶ウエハの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用される方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上部、下部)は、専ら図面参照用に提供されるものであり、絶対的な向きを意図するものではない。
【0018】
特に明示されない限り、本発明で提供される任意の方法は、その中の工程が特定の順序で実施される必要があると解釈されるべきではない。
【0019】
本発明は、本実施形態の図を参照してより十分に説明される。しかしながら、本発明はまた、様々な異なる形態で実施することができ、本明細書の実施形態に限定されない。図面中の層または領域の厚さ、寸法、及びサイズは、明確にするために誇張されている。以下の実施形態では、同一または類似の部分を示すために、図面及び説明において同一の符号が使用され、それらは繰り返されない。
【0020】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
図1Aから図1Jは、本発明の一実施形態に係る圧電振動素子の製造方法の部分断面概略図である。本実施形態において、圧電振動素子の製造方法は、以下の工程を含んでいてもよい。図2は、本発明の別の実施形態に係る圧電振動素子に製造された水晶ウエハの概略上面図である。
【0022】
図1Aを参照すると、まず、石英ウェーハ110が提供される。石英ウェーハ110は、互いに対向する第1の表面111及び第2の表面112を有する。石英ウェーハ110は、3インチウェーハまたは4インチウェーハであってよく、厚さは、例えば、80マイクロメートルから100マイクロメートルの間であるが、本発明はこれに限定されない。石英ウェーハ110のサイズ及び厚さは、実際の設計要件に従って決定することができる。
【0023】
引き続き図1Aを参照すると、第1の金属材料層121及び第2の金属材料層122が、第1の表面111及び第2の表面112上にそれぞれ完全に形成される。「完全に形成される」とは、石英ウェーハ110の表面を完全に覆うことを意味しうる。次に、第1のフォトレジスト材料層131及び第2のフォトレジスト材料層132が、第1の金属材料層121及び第2の金属材料層122上にそれぞれ完全に形成される。第1の金属材料層121及び第2の金属材料層122の材料は、例えば、金または他の適切な金属材料である。第1の金属材料層121及び第2の金属材料層122は、金属蒸着工程または他の適切な工程によって形成することができる。また、第1フォトレジスト材料層131及び第2フォトレジスト材料層132の材料は、例えば、ポジ型フォトレジスト又はネガ型フォトレジストである。第1のフォトレジスト材料層131及び第2のフォトレジスト材料層132は、コーティング工程または他の適切な工程によって形成することができる。
【0024】
図1Bを参照すると、第1フォトレジスト材料層131のみに露光及び現像工程が行われて第1のパターン化されたフォトレジスト層PR1が形成される。つまり、第2のフォトレジスト材料層132に対して露光及び現像工程は実施されない。したがって、露光及び現像工程は、この製造段階で1回だけ実施され、第2のフォトレジスト材料層132は第2の金属材料層122を完全に覆うことができる。さらに、第1のパターン化されたフォトレジスト層PR1は、第1の金属材料層121の一部を露出させるための複数の開口部OP1を有していてもよい。
【0025】
図1Cを参照すると、第1の金属材料層121の一部が第1のパターン化されたフォトレジスト層PR1によって除去されて、金属パターン121aが形成される。例えば、第1のフォトレジスト材料層PR1をエッチングマスクとして使用し、第1の金属材料層121にエッチング工程を行って、第1のパターン化されたフォトレジスト層PR1の開口部OP1によって露出された第1金属材料層121を除去し、金属パターン121aを形成することができる。開口部OP1に対応して、金属パターン121aも開口部OP2を形成して、一部の石英ウェーハ110の第1の表面111を露出させることができる。
【0026】
図1Dを参照すると、第1のパターン化されたフォトレジスト層PR1及び第2のフォトレジスト材料層132が除去される。したがって、本実施形態の圧電振動素子の製造方法は、工程の簡略化を図るものである。すなわち、本実施形態の圧電振動素子の製造方法は、石英ウェーハ110の一面(例えば第1の表面111)上のフォトレジスト材料層に対して露光及び現像工程を1回のみ行い、二次露光を行わない。石英ウェーハの両面(第1の表面111及び第2の表面112など)上のフォトレジスト材料層に対して二次露光及び現像工程を同時に行わない。露光及び現像工程後にフォトレジスト層によって画定された金属パターン121aは、一面で後続の圧電振動素子100(図1Jに示される通り)の平面サイズを画定するために引き続き使用されることができ、これによって、圧電振動素子100の正確性の要件を維持しながら、製造コストを削減することができる。
【0027】
以下、本実施形態の圧電振動素子の製造方法についてさらに説明する。図1Eを参照すると、第3のフォトレジスト材料層 141及び第4のフォトレジスト材料層142が、金属パターン121a及び第2金属材料層122上にそれぞれ完全に形成される。例えば、第3フォトレジスト材料層141の一部を金属パターン121a上に形成し、第3フォトレジスト材料層141の別の一部を金属パターン121aの開口部OP2内に形成することができるが、本発明はこれに限定されない。第3のフォトレジスト材料層141及び第4のフォトレジスト材料層142の材料は、例えば、ポジ型フォトレジスト又はネガ型フォトレジストであり、第3のフォトレジスト材料層141及び第4のフォトレジスト材料層142は、コーティング工程または他の適切な工程によって形成することができる。
【0028】
図1Fを参照すると、第3のフォトレジスト材料層141及び第4のフォトレジスト材料層142に対してそれぞれ露光及び現像工程を実施し(二次露光及び現像工程を実施する)、第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2及び第3のパターン化されたフォトレジスト層PR3を形成する。例えば、第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2は、金属パターン121aの一部と金属パターン121aの開口部OP2を露出させる開口部OP3を有し、第3のパターン化されたフォトレジスト層PR3は、第2の金属材料層を露出させる開口部OP4を有する。ここで、第1の表面111の一部のみが露出され、第2の表面112は完全に覆われてもよい。
【0029】
図1Gを参照すると、石英ウェーハ110の第1の部分(石英ウェーハ110aを形成する)は、金属パターン121a及び第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2によって除去され、第1の表面111から石英ウェーハ110内に延在する溝パターン150を形成する。溝パターン150が形成された後の石英ウェーハ110aは完全に貫通されなくてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、金属パターン121a及び第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2をエッチングマスクとして使用することができ、金属パターン121aの開口部OP2によって露出された石英ウェーハ110を除去するために石英ウェーハ110にエッチング工程が実施される。開口部OP2は、溝パターン150を連結することができる。一方、石英ウェーハ110の第2の表面 112は、第2の金属材料層122によって完全に覆われているので、この製造段階における第2の表面112のエッチング挙動は回避される。このように、圧電振動素子100の平面サイズ(例えば、1ミリメートル(mm)×1ミリメートル)は、先に単一の表面上でのみ定義されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
図1Hを参照すると、金属パターン121aの一部が第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2によって除去され、第2の金属材料層122の一部が第3のパターン化されたフォトレジスト層PR3によって除去される。例えば、第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2及び第3のパターン化されたフォトレジスト層 PR3をエッチングマスクとして使用することができ、エッチング工程が、金属パターン121a及び第2の金属材料層122に対してそれぞれ実施され、石英ウェーハ110の表面の別の部分を露出させる。したがって、金属パターン121a及び第2金属材料層122は、石英ウェーハー110aの両側に位置する一部のみを残すことができ、すなわち、金属パターン121b及び第2の金属材料層122aのみを残すことができる。第1の表面111は、溝パターン150内に突出したプラットフォーム形状であってよいが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
図1Iを参照すると、石英ウェーハ110aの第2の部分が除去され、これにより、複数の溝パターン150が第2の表面112まで延在して貫通する。したがって、素子領域R1、支持領域R2、及び分割領域 R3が形成され、分割領域R3は、素子領域R1と支持領域R2との間に位置する。圧電振動素子100は素子領域R1に形成され、支持構造体160は支持領域R2に形成される。また、圧電振動素子100の厚さTは、この製造段階で規定される。例えば、圧電振動素子100の厚さTは、少なくとも50マイクロメートル未満であるが、本発明はこれに限定されない。
【0033】
図1Jを参照すると、素子領域R1、支持領域R2、及び分割領域R3が形成された後、第2のパターン化されたフォトレジスト層PR2、第3のパターン化されたフォトレジスト層PR3、金属パターン121b、及び第2金属材料層122aが除去される。以上の製造により、圧電振動素子100の製造が概ね完了する。上記製造方法により製造された圧電振動素子100は、平板状であってもよい。つまり、圧電振動素子100は音叉状ではない。また、支持領域R2上の支持構造体160と素子領域R1上の圧電振動素子100は、H型構造(例えば、両側の厚さが中央の厚さよりも大きく、両側の幅は中央の幅よりも小さい)を形成してもよい。このように、支持構造160は、工程中の構造強度を改善し、ウェーハ破損のリスクを低減するように構成されるが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、支持領域R2は、分割領域R3によって分割された複数の素子領域R1を囲むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
なお、図中の第1面111は石英ウェーハ110の上面であるが、本発明はこれに限定されない。図示されていない実施形態では、第1の表面は石英ウェーハの下面であってもよい。圧電振動素子の平面サイズを形成するための金属パターンを形成するために、露光及び現像工程が一面のみに実施される限り、それはすべて本発明の保護範囲内に入る。
【0036】
まとめると、本発明の圧電振動素子の製造方法は、工程を簡略化するように設計されている。つまり、本発明の圧電振動素子の製造方法は、石英ウェーハの一面のフォトレジスト材料層に対して露光及び現像工程を1回のみ行い、石英ウェーハの両面のフォトレジスト材料層に対して二次露光及び現像工程を同時に行わない。露光及び現像工程後にフォトレジスト層によって画定された金属パターンは、他面の圧電振動素子の平面サイズを画定するために使用することがすることができ、圧電振動素子の正確性の要件を維持しながら製造コストを削減することができる。
【0037】
以上、実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明したが、これらは本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更及び修正を行うことが可能であることを理解すべきである。したがって、開示の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の製造方法は、圧電振動素子の製造に応用することができる。
【符号の説明】
【0039】
110: 石英ウェーハ
111: 第1の表面
112: 第2の表面
121a: 金属パターン
122: 第2の金属材料層
OP2: 開口部
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図2
【外国語明細書】