(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021057
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】発熱構造及び電子霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240207BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240207BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118215
(22)【出願日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210923967.1
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】文 治華
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ 鳳雷
(72)【発明者】
【氏名】張 大志
(72)【発明者】
【氏名】厳 若飛
(72)【発明者】
【氏名】何 丹充
(72)【発明者】
【氏名】沈 丕▲發▼
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC02
4B162AC10
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】消費電力が抑制された加熱構造及びこれを備えた電子霧化装置を提供する。
【解決手段】発熱構造100は、軸方向の両端に開口部が設けられた中空構造として構成された加熱管10と、加熱管の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、加熱管の軸方向の一端の開口部を遮蔽するベース30と、を備え、加熱管及びベースの少なくとも一方には、断熱孔60が設けられる。これにより、断熱孔によって加熱管上の熱が外部に伝達される際の伝熱経路を遮断し、加熱管から伝達された熱が再び外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、降低加熱管の熱損失、電子霧化装置の消費電力を低減して電力を節約し、更に電子霧化装置の待機時間を長くする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の両端に開口部が設けられた中空構造として構成された加熱管と、
前記加熱管の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、前記加熱管の軸方向の一端の開口部を遮蔽するベースと、を備え、
前記加熱管及び前記ベースの少なくとも一方には、断熱孔が設けられる
ことを特徴とする発熱構造。
【請求項2】
前記加熱管は、加熱管本体とガイド部材とを含み、前記ガイド部材は、前記加熱管本体の軸方向の一端に外嵌されるとともに、前記加熱管本体の内部に連通するガイド孔を有し、
前記加熱管本体、前記ガイド部材、及び前記ベースの少なくとも一方には、断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の発熱構造。
【請求項3】
前記加熱管本体には、前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の発熱構造。
【請求項4】
前記加熱管本体には、自体の周方向に沿って間隔をあけて複数の前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の発熱構造。
【請求項5】
前記ベースには、前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の発熱構造。
【請求項6】
前記ベースは、第1の部分と前記第1の部分の外側を囲む第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記加熱管本体の軸方向の一端の開口部を遮蔽し、前記第2の部分は、前記加熱管本体の径方向に沿って前記加熱管本体から突出して設けられ、
前記第2の部分には、前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の発熱構造。
【請求項7】
前記第2の部分には、前記第1の部分を取り囲んで間隔をあけて配置された複数の前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の発熱構造。
【請求項8】
前記ガイド部材には、前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の発熱構造。
【請求項9】
前記ガイド部材は、ガイドリングと凸状リングとを含み、前記ガイドリングは、前記加熱管本体の軸方向の一端に外嵌されるとともに、前記ガイド孔を有し、前記凸状リングは、前記ガイドリングの外側を囲んで設けられ、前記凸状リングには、前記断熱孔が設けられる
ことを特徴とする請求項8に記載の発熱構造。
【請求項10】
前記ガイド部材及び前記ベースの少なくとも一方には、支持突起が突出して設けられ、
前記支持突起は、前記加熱管本体の軸方向又は前記加熱管本体の径方向に沿って外側に突出して設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の発熱構造。
【請求項11】
前記支持突起は、前記ガイド部材に設けられた第1の支持突起を含み、前記第1の支持突起は、前記加熱管本体の軸方向に沿って前記ベースから離れる方向に前記ガイド部材から突出して設けられる
ことを特徴とする請求項10に記載の発熱構造。
【請求項12】
前記支持突起は、前記ベースに設けられた第2の支持突起を含み、前記第2の支持突起は、前記加熱管本体の軸方向に沿って前記ガイド部材から離れる方向に前記ベースから突出して設けられる
ことを特徴とする請求項10に記載の発熱構造。
【請求項13】
前記支持突起は、前記ベースに設けられた第3の支持突起を含み、前記第3の支持突起は、前記加熱管本体の径方向に沿って前記ベースから突出して設けられる
ことを特徴とする請求項10に記載の発熱構造。
【請求項14】
ハウジングと、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の発熱構造と、を備え、前記発熱構造は、前記ハウジング内に嵌設される
ことを特徴とする電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化技術分野に関し、特に、発熱構造及び電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルは、固体又は液体の小さな粒子が気体媒体中に分散・浮遊して形成されるコロイド分散体であり、エアロゾルは呼吸器系から人体に吸収されるので、ユーザに新しい代替吸収手段を提供する。例えば、液体又は固体のエアロゾル発生基質を加熱してエアロゾルを生成する電子霧化装置は、様々な分野に適用され、従来の製品形態及び吸収手段の代わりに、ユーザに吸入可能なエアロゾルを供給する。
【0003】
一般的に、電子霧化装置は、霧化されてエアロゾルを生成することができる基質材料であるエアロゾル発生基質を霧化する。関連する技術において、エアロゾル発生基質を加熱する加熱管本体から発生した熱は、ハウジングに伝達して放出されやすく、その結果、電子霧化装置は霧化加熱の過程で熱を外部に放出し続け、製品の消費電力を増加させ、製品の待機の使用時間を短縮する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、電子霧化装置の消費電力がより高いという問題に対して、加熱構造及び電子霧化装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記発熱構造は、軸方向の両端に開口部が設けられた中空構造として構成された加熱管と、前記加熱管の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、前記加熱管の軸方向の一端の開口部を遮蔽するベースと、を備え、前記加熱管及び前記ベースの少なくとも一方には、断熱孔が設けられる。
【0006】
上記の加熱構造において、ベースは、加熱管の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、加熱管の軸方向の一端の開口部を遮蔽することにより、ベースは加熱管の軸方向の一端に固定され、ベースと加熱管との間に囲まれてエアロゾル発生基質を収容する収容キャビティが形成される。ここで、加熱管及びベースの少なくとも一方には、断熱孔が設けられ、断熱孔によって加熱管上の熱が外部に伝達される際の伝熱経路を遮断し、加熱管から伝達された熱が再び外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、加熱管の熱損失を低減し、電子霧化装置の消費電力を低減して電力を節約し、更に電子霧化装置の待機時間を長くする。
【0007】
一実施例において、前記加熱管は、加熱管本体とガイド部材とを含み、前記ガイド部材は、前記加熱管本体の軸方向の一端に外嵌されるとともに、前記加熱管本体の内部に連通するガイド孔を有し、前記加熱管本体、前記ガイド部材、及び前記ベースの少なくとも一方には、断熱孔が設けられる。
【0008】
一実施例において、前記加熱管本体には、断熱孔が設けられる。
【0009】
一実施例において、前記加熱管本体には、自体の周方向に沿って間隔をあけて複数の前記断熱孔が設けられる。
【0010】
一実施例において、前記ベースには、前記断熱孔が設けられる。
【0011】
一実施例において、前記ベースは、第1の部分と前記第1の部分の外側を囲む第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記加熱管本体の軸方向の一端の開口部を遮蔽し、前記第2の部分は、前記加熱管本体の径方向に沿って前記加熱管本体から突出して設けられ、前記第2の部分には、前記断熱孔が設けられる。
【0012】
一実施例において、前記第2の部分には、前記第1の部分を取り囲んで間隔をあけて配置された複数の前記断熱孔が設けられる。
【0013】
一実施例において、前記ガイド部材には、前記断熱孔が設けられる。
【0014】
一実施例において、前記ガイド部材は、ガイドリングと凸状リングとを含み、前記ガイドリングは、前記加熱管本体の軸方向の一端に外嵌されるとともに、前記ガイド孔を有し、前記凸状リングは、前記ガイドリングの外側を囲んで設けられ、前記凸状リングには、前記断熱孔が設けられる。
【0015】
一実施例において、前記ガイド部材及び前記ベースの少なくとも一方には、支持突起が突出して設けられ、前記支持突起は、前記加熱管本体の軸方向又は前記加熱管本体の径方向に沿って外側に突出して設けられる。
【0016】
一実施例において、前記支持突起は、前記ガイド部材に設けられた第1の支持突起を含み、前記第1の支持突起は、前記加熱管本体の軸方向に沿って前記ベースから離れる方向に前記ガイド部材から突出して設けられる。
【0017】
一実施例において、前記支持突起は、前記ベースに設けられた第2の支持突起を含み、前記第2の支持突起は、前記加熱管本体の軸方向に沿って前記ガイド部材から離れる方向に前記ベースから突出して設けられる。
【0018】
一実施例において、前記支持突起は、前記ベースに設けられた第3の支持突起を含み、前記第3の支持突起は、前記加熱管本体の径方向に沿って前記ベースから突出して設けられる。
【0019】
電子霧化装置は、ハウジングと上記の発熱構造とを備え、前記発熱構造は、前記ハウジング内に嵌設される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施例の発熱構造の一視点による構造模式図である。
【
図2】
図1に示された発熱構造の別の視点による構造模式図である。
【
図3】
図1に示された発熱構造の断面模式図である。
【
図4】
図1に示された発熱構造の加熱管本体の構造模式図である。
【
図5】
図1に示された発熱構造のベースの構造模式図である。
【
図6】
図1に示された発熱構造のガイド部材の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0022】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0023】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0024】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的接続であってもよいし、電気的に接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0026】
説明すべきものとして、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0027】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施例において、発熱構造100を提供し、前記発熱構造100は、加熱管10とベース30とを備え、加熱管10は、軸方向の両端に開口部が設けられた中空構造であり、ベース30は、加熱管10の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、加熱管10の軸方向の一端の開口部を遮蔽する。このようにすると、ベース30は加熱管10の軸方向の一端に固定され、ベース30と加熱管10との間に囲まれてエアロゾル発生基質を収容する収容キャビティが形成される。
【0028】
発熱構造100が動作すると、加熱管10は、熱を発生させて、加熱管10の内部のエアロゾル発生基質を加熱して霧化させる。選択的に、加熱管10は、電気抵抗によって発熱し、例えば、加熱管10に電気抵抗線が設けられ、電気抵抗線によって発生した熱を加熱管10に伝達し、加熱管10からエアロゾル発生基質に熱を伝達する。また、選択的に、加熱管10は、電磁誘導原理によって発熱し、例えば加熱管10の外側に電磁誘導コイルが外嵌され、加熱管10は電磁誘導コイルの作用により発熱する。加熱管10によって熱を発生させる方式については、ここでは限定されない。
【0029】
ここで、加熱管10及びベース30の少なくとも一方には、断熱孔60が設けられ、断熱孔60によって加熱管10上の熱が外部に伝達される際の伝熱経路を遮断し、加熱管10から伝達された熱が再び外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、加熱管10の熱損失を低減し、電子霧化装置の消費電力を低減して電力を節約し、更に電子霧化装置の待機時間を長くする。
【0030】
更に、断熱孔60の形状は、円形、四角形、又はトラック状であり、断熱孔60の具体的な形状については、ここでは限定されない。
【0031】
いくつかの実施例において、加熱管10は、加熱管本体12とガイド部材50とを含み、ガイド部材50は、加熱管本体12の軸方向の他端に外嵌されるとともに、加熱管本体12の内部に連通するガイド孔51を有し、エアロゾル発生基質がガイド孔51を介して加熱管本体12の内部の収容キャビティ内にスムーズに挿入可能である。選択的に、ガイド部材50と加熱管本体12とは、別個に又は一体的に成形される。ここで、ガイド部材50は、ガイド管又は他のガイド構造であってもよく、ガイド部材50の具体的な設計については、ここでは限定されない。理解されるように、他のいくつかの実施例において、加熱管10は、ガイド部材50を含まない。ガイド部材50を設けるか否かについては、ここでは限定されない。
【0032】
図4を参照すると、いくつかの実施例において、加熱管本体12には、断熱孔60が設けられる。このように、断熱孔60によって加熱管本体12上の熱が外部に伝達される経路を遮断し、加熱管本体12上の熱が外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、電子霧化装置の消費電力を低下し、使用時間を長くする。
【0033】
更に、加熱管本体12には、自体の周方向に沿って間隔をあけて複数の断熱孔60が設けられ、複数の断熱孔60によって加熱管本体12の周方向における各々の方位から断熱を行い、加熱管本体12の周方向において、熱が外部に伝達されるのを均一に遮断する。選択的に、断熱孔60から加熱管本体12の底端までの距離は、1~10mmであり、断熱孔60と断熱孔60との間を結ぶ脛の幅は、0.4~3mmである。また、選択的に、断熱孔60は、加熱管本体12の径方向に貫通して設けられた貫通孔、又は加熱管本体12の径方向に凹んだブラインドビアである。断熱孔60の深さについては、ここでは限定されない。
【0034】
図1~
図3、及び
図5を参照すると、いくつかの実施例において、ベース30には、断熱孔60が設けられ、断熱孔60によって加熱管10上の熱がベース30を介して外部に伝達される経路を遮断し、加熱管10上の熱が外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、電子霧化装置の消費電力を低下し、使用時間を長くする。
【0035】
更に、ベース30は、第1の部分32と第1の部分32の外側を囲む第2の部分34とを含み、第1の部分32は、加熱管本体12の軸方向の一端の開口部を遮蔽し、第2の部分34は、加熱管本体12の径方向に沿って加熱管本体12から突出して設けられ、第2の部分34には、断熱孔60が設けられる。このようにすると、第1の部分32は、加熱管本体12の一端の開口部を遮蔽し、第1の部分32と加熱管本体12とが囲んでエアロゾル発生基質を収容する収容キャビティが形成される。選択的に、第1の部分32は、加熱管本体12の軸方向の端部の開口部内に嵌設され、第1の部分32は、開口部を遮蔽すると同時に加熱管本体12上に固定される。
【0036】
また、第1の部分32の外周には、第2の部分34が設けられ、第2の部分34には、断熱孔60が設けられる。このようにして、第2の部分34を利用して加熱管本体12の外側に電磁誘導コイル等の他の部材を固定することができ、且つ、第2の部分34に設けられた断熱孔60を利用して、加熱部材がベース30を介して外部に熱を伝達する経路を遮断し、熱が外部に拡散するのを防止する。
【0037】
具体的に、第2の部分34には、第1の部分32を取り囲んで間隔をあけて配置された複数の断熱孔60が設けられ、複数の断熱孔60によってベース30の周方向における各々の方位から断熱を行い、ベース30の周方向において、熱が外部に伝達されるのを均一に遮断する。選択的に、断熱孔60から第2の部分34の外縁までの距離は、0.5~5mmであり、断熱孔60と断熱孔60との間を結ぶ脛の幅は、0.4~3mmである。また、選択的に、断熱孔60は、ベース30の軸方向に貫通して設けられた貫通孔、又はベース30の軸方向に凹んだブラインドビアである。断熱孔60の深さについては、ここでは限定されない。
【0038】
図1~
図3、及び
図5を参照すると、いくつかの実施例において、ガイド部材50には、断熱孔60が設けられる。断熱孔60によって加熱管本体12上の熱がガイド部材50を介して外部に伝達される経路を遮断し、加熱管本体12上の熱が外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、電子霧化装置の消費電力を低下し、使用時間を長くする。
【0039】
更に、ガイド部材50は、ガイドリング52と凸状リング54とを含み、ガイドリング52は、加熱管本体12の軸方向の一端に外嵌されるとともに、ガイド孔51を有し、凸状リング54は、ガイドリング52の外側を囲んで設けられ、凸状リング54には、断熱孔60が設けられる。このようにして、凸状リング54を利用して加熱管本体12の外側に他の部材を固定することができ、例えば電磁誘導コイルを凸状リング54と第2の部分34との間に固定することができる。また、凸状リング54に設けられた断熱孔60を利用して、加熱部材がガイド部材50を介して熱を外部に伝達する経路を遮断し、熱が外部に拡散するのを防止する。
【0040】
図1及び
図5~
図6を参照すると、いくつかの実施例において、ガイド部材50及びベース30の少なくとも一方には、支持突起80が突出して設けられ、支持突起80は、加熱管本体12の軸方向又は加熱管本体12の径方向に沿って外側に突出して設けられ、支持突起80は、発熱構造100全体の最外側の支持点であり、発熱構造100がハウジング内に嵌め込まれると、発熱構造100は支持突起80を介してハウジングに局所的に点接触し、発熱構造100とハウジングとの間の接触面積が減少し、更に熱がハウジングに伝達される伝達経路が減少し、更に熱が外部に拡散するのを防止する。
【0041】
図1及び
図6を参照すると、更に、支持突起80は、ガイド部材50に設けられた第1の支持突起82を含み、第1の支持突起82は、加熱管本体12の軸方向に沿ってベース30から離れる方向にガイド部材50から突出して設けられる。つまり、ガイド部材50の頂部に第1の支持突起82が設けられることにより、ガイド部材50は第1の支持突起82を介して加熱管本体12の軸方向においてハウジングと点接触し、加熱管本体12の軸方向において発熱構造100の頂部に対する伝熱の遮断を行い、更に熱が加熱管本体12の軸方向の頂部からハウジングに伝達されるのを防止し、熱拡散を減少する。
【0042】
図1及び
図5を参照すると、更に、支持突起80は、ベース30に設けられた第2の支持突起84を含み、第2の支持突起84は、加熱管本体12の軸方向に沿ってガイド部材50から離れる方向にベース30から突出して設けられる。つまり、ベース30の底部に第2の支持突起84が設けられることにより、ベース30は第2の支持突起84を介して加熱管本体12の軸方向においてハウジングと点接触し、加熱管本体12の軸方向において発熱構造100の底部に対する伝熱の遮断を行い、更に熱が加熱管本体12の軸方向の底部からハウジングに伝達されるのを防止し、熱拡散を減少する。
【0043】
具体的に、支持突起80は、ベース30に設けられた第3の支持突起86を含み、第3の支持突起86は、加熱管本体12の径方向に沿ってベース30から突出して設けられる。つまり、ベース30の外周に第3の支持突起86が突出して設けられることにより、ベース30は第3の支持突起86を介して加熱管本体12の径方向においてハウジングと点接触し、加熱管本体12の径方向において発熱構造100に対する伝熱の遮断を行い、更に熱が加熱管本体12の径方向に沿ってハウジングに伝達されるのを防止し、熱拡散を減少する。
【0044】
具体的に、本実施例において、支持突起80は、第1の支持突起82と第2の支持突起84と第3の支持突起86とを含み、第1の支持突起82と第2の支持突起84は、加熱管本体12の軸方向において対向する両端で発熱構造100を支持し、第3の支持突起86は、加熱管本体12の径方向に沿って発熱構造100を点支持する。このようにして、発熱構造100全体の上端、下端、及び外周はいずれもハウジングと点接触するようになり、発熱構造100の各々の外周とハウジングの接触面積がいずれもより小さくなり、ハウジングへの熱伝達を効果的に遮断又は緩和する。
【0045】
本発明の一実施例において、電子霧化装置を提供し、前記電子霧化装置は、ハウジングと上記の任意の実施例の発熱構造100とを備え、発熱構造100は、ハウジング内に嵌設され、ハウジングによって発熱構造100を保護する。発熱構造100は、加熱管10とベース30とを備え、加熱管10は、軸方向の両端に開口部が設けられた中空構造として構成され、ベース30は、加熱管10の軸方向の一端に固定して設けられるとともに、加熱管10の軸方向の一端の開口部を遮蔽する。このようにすると、ベース30は加熱管10の軸方向の一端に固定され、ベース30と加熱管10との間に囲まれてエアロゾル発生基質を収容する収容キャビティが形成される。
【0046】
発熱構造100が動作すると、加熱管10は、熱を発生させて、加熱管10の内部のエアロゾル発生基質を加熱して霧化させる。選択的に、加熱管10は、電気抵抗によって発熱し、例えば、加熱管10に電気抵抗線が設けられ、電気抵抗線によって発生した熱を加熱管10に伝達し、加熱管10からエアロゾル発生基質に熱を伝達する。また、選択的に、加熱管10は、電磁誘導原理によって発熱し、例えば加熱管10の外側に電磁誘導コイルが外嵌され、加熱管10は電磁誘導コイルの作用により発熱する。加熱管10によって熱を発生させる方式については、ここでは限定されない。
【0047】
ここで、加熱管10及びベース30の少なくとも一方には、断熱孔60が設けられ、断熱孔60によって加熱管10上の熱が外部に伝達される際の伝熱経路を遮断し、加熱管10から伝達された熱が再び外部に伝達されるのを遮断又は緩和し、熱が外部に放出されるのを防止し、加熱管10の熱損失を低減し、電子霧化装置の消費電力を低減して電力を節約し、更に電子霧化装置の待機時間を長くする。
【0048】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0049】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0050】
100 発熱構造;10 加熱管;12 加熱管本体;30 ベース;32 第1の部分;34 第2の部分;50 ガイド部材;51 ガイド孔;52 ガイドリング;54 凸状リング;60 断熱孔;80 支持突起;82 第1の支持突起;84 第2の支持突起;86 第3の支持突起。