(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021075
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】工業用フィルタアセンブリの向上
(51)【国際特許分類】
B01D 46/71 20220101AFI20240207BHJP
B01D 46/44 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B01D46/71
B01D46/44
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023126117
(22)【出願日】2023-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】63/394,488
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/119,938
(32)【優先日】2023-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル イー.バシャム
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エム.ブラウス
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA04
4D058KB02
4D058MA15
4D058MA25
4D058MA53
4D058NA01
4D058PA20
4D058QA01
4D058QA19
(57)【要約】
【課題】良好なフィルタアセンブリなどを提供すること。
【解決手段】本明細書において、清浄化パルスのエネルギーをより効果的に利用するフィルタアセンブリは提供される。具体的には、フィルタアセンブリは、フィルタコンポーネント及び支持構造の下流に配置されたフロー制御コンポーネントを含むことによって、清浄化の際に清浄化パルスからの流体流が前記フィルタコンポーネントを通って散逸するのを防ぐが、通常動作中に前記フィルタコンポーネントを通って順方向に流れる十分な流体流を許容する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、
フィルタコンポーネント、及び、
フロー制御コンポーネント、
を含み、
前記フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗を有し、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記第一の流体流及び前記第二の流体流は同じであるか又は異なる、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記第一の流体流は粒子を含むガス流である、請求項1又は2記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記第二の流体流は圧力が0.20~760kPaである、請求項1~3のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記第一の流れ抵抗の前記第二の流れ抵抗に対する比は、0.01%未満~99%の範囲である、請求項1~4のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記フロー制御コンポーネントは、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、前記フィルタコンポーネントを通って流れる前記第二の流体流の量を調節することができる、請求項1~5のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記フィルタアセンブリが前記第二の方向で前記第二の流体流にさらされるときに、前記フィルタアセンブリ内の圧力は、前記フロー制御コンポーネントなしでの同じ第二の流体流と比較して増加される、請求項1~6のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記フロー制御コンポーネントは、前記第一の流体流の第一の方向に対して前記フィルタコンポーネントの下流に配置されている、請求項1~7のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記フロー制御コンポーネントは、前記フィルタコンポーネントに対して弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間で切り替わる、請求項1~8のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
前記フロー制御コンポーネントは拡張マスキング状態にあり、前記フロー制御コンポーネントのフロー制御表面の少なくとも一部は前記フィルタコンポーネントの表面と接触している、請求項9記載のフィルタアセンブリ。
【請求項11】
前記フロー制御コンポーネントは複数のフロー制御通路を含む、請求項1~10のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項12】
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、請求項11記載のフィルタアセンブリ。
【請求項13】
前記フロー制御通路は、平均サイズが0.0001~100,000mm2の開口部を含む、請求項11又は12記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
前記フロー制御コンポーネントは、開状態又は閉状態になることができる少なくとも1つのフロー制御通路を含む、請求項1~13のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのフロー制御通路はフラップを含む、請求項14記載のフィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に第一の速度で通過する前記第一の流体流は第一の流れ抵抗を受け、前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に第二の速度で通過する前記第二の流体流は第二の流れ抵抗を受け、そして前記第一の流れ抵抗は前記第二の流れ抵抗とは異なる、請求項1~15のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
前記第二の流れ抵抗は前記第一の流れ抵抗よりも大きい、請求項1~16のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項18】
前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に通過する前記第一の流体流は、4,000(分×Pa)/m未満の第一の流れ抵抗を受ける、請求項1~17のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項19】
前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に通過する前記第二の流体流は、10(分×Pa)/mを超える第二の流れ抵抗を受ける、請求項1~18のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記フィルタアセンブリは清浄化可能である、請求項1~19のいずれ1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項21】
前記フロー制御コンポーネントはシート状材料を含み、前記シート状材料は多孔質シート状材料、非孔質シート状材料又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~20のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
【請求項22】
前記シート状材料は、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するために緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項21記載のフィルタアセンブリ。
【請求項23】
前記シート状材料は、16.5(分×Pa)/mより大きい流れ抵抗を有する、請求項21又は22記載のフィルタアセンブリ。
【請求項24】
バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法であって、
チューブシートに取り付けられた、1つ以上の請求項1~23のいずれか1項記載のフィルタアセンブリを通して0.20~760kPaの圧力で清浄化流体流を提供し、それによってフロー制御コンポーネントの拡張を引き起こすことを含み、
前記拡張は、清浄化パルスに応答してフィルタコンポーネントに機械的圧力を加えて放散させ、それによって前記フィルタコンポーネントの清浄化を誘発する、方法。
【請求項25】
フィルタアセンブリで使用するためのフロー制御コンポーネントであって、
1つ以上のフロー制御通路を含み、
前記フィルタアセンブリは、流体流にさらされたときに、第一の方向に第一の流れ抵抗と、第二の方向に第二の流れ抵抗とを有する方向依存性流れ抵抗を有することができる、フロー制御コンポーネント。
【請求項26】
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、請求項25記載のフロー制御コンポーネント。
【請求項27】
前記フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、請求項26記載のフロー制御コンポーネント。
【請求項28】
前記フロー制御通路は、0.0001~100,000mm2の平均サイズを有する開口部を含む、請求項25~27のいずれか1項記載のフロー制御コンポーネント。
【請求項29】
前記開口部の平均サイズが減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、請求項28記載のフロー制御コンポーネント。
【請求項30】
前記1つ以上のフロー制御通路は開状態又は閉状態になりうるように1つ以上のフラップをさらに含む、請求項28又は29記載のフロー制御コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般に、フィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含む、方向依存性流れ抵抗を有するフィルタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
流体流から粒子を除去することは、様々な産業分野で長い間行われてきた。流体流から粒子などをろ過するための従来の手段としては、限定するわけではないが、フィルタアセンブリ(例えば、フィルタバッグ)、フィルタチューブ、フィルタカートリッジ及びフィルタパネルが挙げられる。これらのフィルタ要素は、典型的に、そのような粒子をろ過するために、フィルタバッグハウスとしばしば呼ばれるろ過システム内で配向される。このようなろ過システムは、システム操作の要件に応じて、清浄化可能又は清浄化不可能のいずれかであることができる。
【0003】
工業用流体流からの粒子状物質の分離は、しばしば、ラミネートフィルタを使用して達成される。これらのテキスタイル系ラミネートフィルタは、流体流から粒子を除去する。フィルタ上に粒子が蓄積することによってテキスタイルを通る流れの抵抗又は圧力降下が有意になったときに、フィルタを清浄化し、フィルタから粒子を除去しなければならない。
【0004】
工業用ろ過市場では、清浄化方法によってフィルタアセンブリの種類を特徴付けることが一般的である。最も一般的なタイプの清浄化技術は、リバースエア、シェーカ及びパルスジェットである。リバースエア及びシェーカ技術は、低エネルギー清浄化技術と考えられる。
【0005】
リバースエアろ過技術において、粒子はバッグの内部に集まる。清浄化中、空気の穏やかな逆流によってバッグが潰れ、バッグからダストケーキが砕かれ、バッグの底からホッパーに排出される。
【0006】
シェーカ機構も、バッグの内部に集まるダストケーキを清浄化する。バッグの上部は振動アームに取り付けられており、バッグ内に正弦波を発生させてダストケーキを取り除く。
【0007】
パルスジェットろ過において、粒子はバッグの外部で捕捉される。パルスジェット清浄化技術は、フィルタアセンブリの内部上部に入る圧縮空気の短いパルスを使用する。パルスジェットろ過において、フィルタアセンブリは、上部に開放部分(すなわち、内部上部)とともに、垂直方向に配向されることができる。この清浄化パルスのエネルギーによってフィルタアセンブリが拡張し、ダストケーキを叩き落とす。バッグは、典型的には、ケージサポートにスナップバックし、粒子収集サービスにすぐに戻る。
【0008】
3つの清浄化技術のうち、パルスジェットはフィルタコンポーネントに最も応力を与える。 しかしながら、近年、工業法のエンジニアは、次の理由から、集塵用途にパルスジェットバッグハウスを選択することが増えている。
1.以下の理由により、ユニットサイズが小さくなる(シェーカ及びリバースエアろ過のサイズの1/2又は1/4になる場合がある)。
(A)より高い体積空気流量/布面積比(フィルタコンポーネントを通過するより高い動作速度)、及び、
(B)オンライン清浄化により、ユニットを所望の速度で設計できるため、オフライン清浄化を可能にするための追加のフィルタコンポーネント領域を必要としない。
2.可動部品の数は最小限に抑えられる。
3.交換するバッグの数が減る。
【0009】
パルスジェットバッグハウスにおいて、フィルタアセンブリは崩壊しないように内部に金属ケージを備えた状態でバッグハウス内に挿入される。ダストを含む汚れた流体はバッグの外側にあるバッグハウスに入り、そこで、ダストは表面に蓄積する。清浄化された流体(ガスなど)はバッグを通ってバッグハウスから出る。十分な量のダストがバッグの外側に蓄積して圧力が上昇すると、パルスジェットバッグハウスは高圧空気のパルスをバッグの内部上部を通って垂直下方に送る。蓄積されたダストは、高圧空気、及び/又は、フィルタに沿ってバッグの下方に移動する圧力パルスによって引き起こされるバッグ内の動きによってバッグから押し出され、バッグハウスの下部に収集される。バッグ内の動きは、高圧空気によってバッグ内に圧力スパイクを生じさせ、それにより、バッグに応力が加わった結果であることができる。
【0010】
幾つかの例において、圧力パルスはフィルタアセンブリの長さに沿って十分に遠くまで伝わらず、これにより、バッグの底部に向かって不十分な清浄化が行われる可能性がある。さらに、この清浄化プロセスは、バッグを通る十分な流体流を維持するために、1時間に複数回行われることがある。
【0011】
米国特許第6,110,243号明細書は、金属、プラスチックなどの支持ケージなどの支持構造と、バッキング材料又は層のない延伸PTFE膜のフィルタコンポーネントとを含むフィルタアセンブリを対象としている。記載されるように、フィルタアセンブリは、フィルタコンポーネントとケージとの接触を防止するために、支持体又はケージの外面にフィットする支持体カバー又はケージカバーをさらに含む。
【0012】
一般に、より高いエネルギーパルスはより高い圧力をもたらす。業界のガイドラインでは、パルスの範囲は172~690kPa(25~100psi)であってよいことが示唆されている。しかしながら、高圧パルスを使用しても、パルスジェットシステムは依然として表面からダストを効果的に除去し損なう可能性があり、それにより、システムが高い差圧で動作し、その結果、エネルギーコストの上昇又はスループットの損失という形でプロセスの非効率が生じる。さらに、清浄化の有効性と製品寿命との間には一般にトレードオフが存在する。清浄化パルスにより時間の経過とともにフィルタアセンブリの機械的完全性が損なわれるため、より頻繁に清浄化したり、又は、圧力を高めたりすると製品寿命が短くなる可能性がある。
【0013】
フィルタアセンブリには、清浄化効率を改善し、フィルタアセンブリの長さに沿ってより均一な圧力分布を与える必要性が存在する。したがって、上述の制限の1つ以上を克服することを目的とした改良されたフィルタアセンブリを提供することは有利である。
【発明の概要】
【0014】
要旨
本明細書において、清浄化パルスのエネルギーをより効果的に利用するフィルタアセンブリが提供される。具体的には、フィルタアセンブリは、フィルタコンポーネントの下流に配置されたフロー制御コンポーネントを含むことで、方向依存性流れ抵抗を有し、これにより、清浄化パルスからの空気が清浄化しているときにフィルタコンポーネントを通過して放散するのを防ぐが、通常動作中にフィルタコンポーネントを通過する順方向に十分な流体流を流すことができる。
【0015】
1つの実施形態(「実施形態1」)によれば、本開示は、フィルタコンポーネントとフロー制御コンポーネントとを含む、粒子をろ過するためのフィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗を有し、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。
【0016】
実施形態2は、前記第一の流体流と前記第二の流体流が同じであるか又は異なる、実施形態1記載のフィルタアセンブリである。
【0017】
実施形態3は、前記第一の流体流が粒子を含むガス流である、実施形態1又は2記載のフィルタアセンブリである。
【0018】
実施形態4は、前記第二の流体流は圧力が0.20~760kPaである、実施形態1~2記載のフィルタアセンブリである。
【0019】
実施形態5は、前記第二の流体流が1~760kPaの圧力で脈動するパルスジェット空気流である、実施形態4記載のフィルタアセンブリである。
【0020】
実施形態6は、前記第二の流体流が0.20~1kPaの圧力を有するリバースエア流である、実施形態4記載のフィルタアセンブリである。
【0021】
実施形態7は、前記第一の方向が前記第二の方向と反対である、実施形態1~6記載のフィルタアセンブリである。
【0022】
実施形態8は、前記第一の流れ抵抗の前記第二の流れ抵抗に対する比が0.01%未満~99%の範囲である、実施形態1~7記載のフィルタアセンブリである。
【0023】
実施形態9は、前記フロー制御コンポーネントが、前記第二の流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、フィルタコンポーネントを通って流れる第二の流体流の量を調節することができる、実施形態1~8記載のフィルタアセンブリである。
【0024】
実施形態10は、前記フィルタアセンブリが前記第二の方向の前記第二の流体流にさらされると、前記フィルタアセンブリ内の圧力がフロー制御コンポーネントのない同じ第二の流体流に比べて増加される、実施形態1~5及び7~9記載のフィルタアセンブリである。
【0025】
実施形態11は、前記フィルタアセンブリが支持構造をさらに含む、実施形態1~10記載のフィルタアセンブリである。
【0026】
実施形態12は、前記フロー制御コンポーネントが、前記第一の流体流の前記第一の方向に対して前記フィルタコンポーネントの下流に配置されている、実施形態1~10記載のフィルタアセンブリである。
【0027】
実施形態13は、前記フロー制御コンポーネントが、前記フィルタコンポーネントに対して弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間で切り替わる、実施形態1~12記載のフィルタアセンブリである。
【0028】
実施形態14は、フロー制御コンポーネントが拡張マスキング状態にあり、前記フロー制御コンポーネントのフロー制御表面の少なくとも一部が前記フィルタコンポーネントの表面と接触している、実施形態13記載のフィルタアセンブリである。
【0029】
実施形態15は、前記フロー制御コンポーネントが前記フィルタコンポーネントの表面をマスクして、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を10~100%減少させる、実施形態14記載のフィルタアセンブリである。
【0030】
実施形態16は、前記フロー制御コンポーネントが複数のフロー制御通路を含む、実施形態15記載のフィルタアセンブリである。
【0031】
実施形態17は、前記フロー制御コンポーネントが、前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、実施形態16記載のフィルタアセンブリである。
【0032】
実施形態18は、前記フロー制御コンポーネントが前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有するときに、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積が50%~100%減少される、実施形態17記載のフィルタアセンブリである。
【0033】
実施形態19は、前記フロー制御通路が、0.0001~100,000mm2の平均サイズの開口部を含む、実施形態16記載のフィルタアセンブリである。
【0034】
実施形態20は、前記フロー制御通路が、0mを超え10mまでの長さを有するスリットを含む、実施形態16記載のフィルタアセンブリである。
【0035】
実施形態21は、前記フロー制御コンポーネントが、開状態又は閉状態となりうる少なくとも1つのフロー制御通路を含む、実施形態1~20記載のフィルタアセンブリである。
【0036】
実施形態22は、前記少なくとも1つのフロー制御通路がフラップを含む、実施形態21記載のフィルタアセンブリである。
【0037】
実施形態23は、前記第一の方向に第一の速度で前記フィルタアセンブリを通過する前記第一の流体流が第一の流動抵抗を受け、前記第二の方向に第二の速度で前記フィルタアセンブリを通過する第二の流体流が第二の流れ抵抗を受け、前記第一の流れ抵抗は前記第二の流れ抵抗とは異なる、実施形態1~22記載のフィルタアセンブリである。
【0038】
実施形態24は、前記第二の流れ抵抗が前記第一の流れ抵抗よりも大きい、実施形態1~23記載のフィルタアセンブリである。
【0039】
実施形態25は、前記第一の方向に前記フィルタアセンブリを通過する第一の流体流が4,000(分×Pa)/m未満の第一の流れ抵抗を受ける、実施形態1~24記載のフィルタアセンブリである。
【0040】
実施形態26は、前記第二の方向に前記フィルタアセンブリを通過する前記第二の流体流が10(分×Pa)/mを超える第二の流れ抵抗を受ける、実施形態25記載のフィルタアセンブリである。
【0041】
実施形態27は、前記フィルタアセンブリが清浄化可能である、実施形態1~26記載のフィルタアセンブリである。
【0042】
実施形態28は、前記フロー制御コンポーネントがシート状材料を含み、前記シート状材料が、多孔質シート状材料、非孔質シート状材料又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~27のフィルタアセンブリである。
【0043】
実施形態29は、前記非孔質シート状材料が金属又はポリマー膜を含む、実施形態28記載のフィルタアセンブリである。
【0044】
実施形態30は、前記シート状材料が、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、少なくとも一部の細孔を除去するように緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリルレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態28記載のフィルタアセンブリである。
【0045】
実施形態31は、前記多孔質シート状材料が16.5(分×Pa)/mより大きい流れ抵抗を有する、実施形態28記載のフィルタアセンブリである。
【0046】
実施形態32は、前記フィルタコンポーネントは、織布フェルト、不織布フェルト、ポリエステル、綿、ナイロン、ガラス繊維材料、触媒フィルタ材料、吸着性フィルタ材料又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~31記載のフィルタアセンブリである。
【0047】
実施形態33は、前記フィルタコンポーネントが、PTFE、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド又はそれらの組み合わせら作られたフェルト又は繊維を含む、実施形態1~31記載のフィルタアセンブリである。
【0048】
実施形態34は、前記フィルタコンポーネントがガラス繊維及びPTFEを含む混合繊維及びフィラメントを含む、実施形態1~31記載のフィルタアセンブリである。
【0049】
実施形態35は、前記フィルタコンポーネントが400℃を超える高温用途に耐えることができる材料を含み、前記材料は織布PTFE、ガラス繊維又はポリイミドを含む、実施形態1~31記載のフィルタアセンブリである。
【0050】
実施形態36は、入口及び出口を有するハウジング、前記ハウジング内の前記入口と前記出口との間に位置するチューブシート、及び、前記チューブシートに取り付けられた、1つ以上の実施形態1~36のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを含む、バッグハウスフィルタシステムである。
【0051】
実施形態37は、チューブに取り付けられた、1つ以上の実施形態1~36のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを通して、0.20~760kPaの圧力で清浄化流体流を提供し、それによって前記フロー制御コンポーネントの拡張を生じさせることを含む、バッグハウスフィルタシステムの清浄化方法である。幾つかの実施形態において、拡張は、清浄化パルスに応答して前記フィルタコンポーネントに機械的圧力を加えて放散させ、それによって前記フィルタコンポーネントの清浄化を誘発する。
【0052】
実施形態38は、1つ以上のフロー制御通路を含むフィルタアセンブリで使用するためのフロー制御コンポーネントである。幾つかの実施形態において、前記フィルタアセンブリは、流体流にさらされたときに、第一の方向に第一の流れ抵抗と第二の方向に第二の流れ抵抗とを有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。
【0053】
実施形態39は、前記フロー制御コンポーネントが前記フロー制御コンポーネントの総面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、実施形態38記載のフロー制御コンポーネントである。
【0054】
実施形態40は、前記フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との差が増加する、実施形態39記載のフロー制御コンポーネントである。
【0055】
実施形態41は、前記フロー制御通路が0.0001~100,000mm2の平均サイズを有する開口部を含む、実施形態40記載のフロー制御コンポーネントである。
【0056】
実施形態42は、前記開口部の平均サイズが減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との差が増加する、実施形態41記載のフロー制御コンポーネントである。
【0057】
実施形態43は、前記1つ以上のフロー制御通路が開状態又は閉状態になりうるように1つ以上のフラップをさらに含む、実施形態42記載のフロー制御コンポーネントである。
【0058】
実施形態44は、支持構造、チューブ状フィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含む、粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、前記フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗を有し、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有する、方向依存性流れ抵抗を有することができ、前記フロー制御コンポーネントは、多孔質又は非孔質シート状材料を含み、前記フロー制御コンポーネントは前記支持構造と前記チューブ状フィルタコンポーネントとの間に配置され、又は、前記支持構造は前記フロー制御コンポーネントと前記チューブ状フィルタコンポーネントとの間に配置される、粒子をろ過するためのフィルタアセンブリである。
【0059】
実施形態45は、前記第一の流体流が粒子を含むガス流であり、前記第二の流体流が同じか又は異なる、実施形態44記載のフィルタアセンブリである。
【0060】
実施形態46は、前記第二の流体流は圧力が0.20~760kPaである、実施形態44又は45記載のフィルタアセンブリである。
【0061】
実施形態47は、前記第一の流れ抵抗の前記第二の流れ抵抗に対する比が0.01%未満~99%までの範囲である、実施形態44~46記載のフィルタアセンブリである。
【0062】
実施形態48は、前記フロー制御コンポーネントが、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、前記フィルタコンポーネントを通って流れる前記第二の流体流の量を調節する、実施形態44~47記載のフィルタアセンブリである。
【0063】
実施形態49は、前記フィルタアセンブリのフローコンポーネントが、前記第二の方向に流れる前記第二の流体流の圧力を増加させるように構成されている、実施形態44~48記載のフィルタアセンブリである。
【0064】
実施形態50は、前記フロー制御コンポーネントが、前記第一の流体流の前記第一の方向に対して前記フィルタコンポーネントの下流に配置される、実施形態44~49記載のフィルタアセンブリである。
【0065】
実施形態51は、前記フロー制御コンポーネントが、前記フィルタコンポーネントに対して弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間で切り替わるように構成されている、実施形態44~50記載のフィルタアセンブリである。
【0066】
実施形態52は、前記フロー制御コンポーネントが拡張マスキング状態にあるときに、前記フロー制御コンポーネントのフロー制御表面の少なくとも一部が前記フィルタコンポーネントの表面と接触する、実施形態51記載のフィルタアセンブリである。
【0067】
実施形態53は、前記フロー制御コンポーネントが複数のフロー制御通路を含む、実施形態44~52記載のフィルタアセンブリである。
【0068】
実施形態54は、前記フロー制御コンポーネントが、前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、実施形態53記載のフィルタアセンブリである。
【0069】
実施形態55は、複数のフロー制御通路が0.0001~100,000mm2の平均サイズの開口部を含む、実施形態53記載のフィルタアセンブリである。
【0070】
実施形態56は、前記フロー制御コンポーネントが、開状態又は閉状態になりうる少なくとも1つのフロー制御通路を含む、実施形態44~55記載のフィルタアセンブリである。
【0071】
実施形態57は、前記複数のフロー制御通路が1つ以上のフラップを含む、実施形態56記載のフィルタアセンブリである。
【0072】
実施形態58は、前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に通過する前記第一の流体流が、4,000(分×Pa)/m未満の第一の流れ抵抗を受ける、実施形態44~57記載のフィルタアセンブリである。
【0073】
実施形態59は、前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に通過する前記第二の流体流が、10(分×Pa)/mを超える第二の流れ抵抗を受ける、実施形態58記載のフィルタアセンブリである。
【0074】
実施形態60は、前記フィルタアセンブリがリバースエア、シェーカ又はパルスジェット法によって清浄化可能である、実施形態44~59記載のフィルタアセンブリである。
【0075】
実施形態61は、前記シート状材料が、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するように緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態44~60記載のフィルタアセンブリである。
【0076】
実施形態62は、前記シート状材料が16.5(分×Pa)/mより大きい流れ抵抗を有する、実施形態61記載のフィルタアセンブリである。
【0077】
実施形態63は、バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法であって、この方法は、1つ以上の実施形態44~62記載のフィルタアセンブリを通して0.20~760kPaの圧力で清浄化流体流を提供することによって、前記フロー制御コンポーネントの拡張を生じさせることを含み、前記拡張は、清浄化パルスに応答して前記フィルタコンポーネントに機械的圧力を加えて放散させ、それによって前記フィルタコンポーネントの清浄化を誘発する、方法である。
【0078】
実施形態64は、1つ以上のフロー制御通路を含むフィルタアセンブリで使用するためのフロー制御コンポーネントであって、前記フィルタアセンブリは支持構造及びチューブ状フィルタコンポーネントを含み、流体流にさらされたときに、第一の方向に第一の流れ抵抗及び第二の方向に第二の流れ抵抗を特徴とする方向依存性流れ抵抗を有し、前記フロー制御コンポーネントは多孔質又は非孔質シート状材料を含み、前記フロー制御コンポーネントは前記支持構造及びチューブ状フィルタコンポーネントとの間に配置され、又は前記支持構造は前記フロー制御コンポーネントと前記チューブ状フィルタコンポーネントとの間に配置される、フロー制御コンポーネントである。
【0079】
実施形態65は、前記フロー制御コンポーネントが前記フロー制御コンポーネントの総面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、実施形態64記載のフロー制御コンポーネントである。
【0080】
実施形態66は、前記フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との差が増加する、実施形態65記載のフロー制御コンポーネントである。
【0081】
実施形態67は、前記フロー制御通路が0.0001~100,000mm2の平均サイズを有する開口部を含む、実施形態64記載のフロー制御コンポーネントである。
【0082】
実施形態68は、前記開口部の平均サイズが減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、実施形態67記載のフロー制御コンポーネントである。
【0083】
実施形態69は、1つ以上のフロー制御通路が開状態又は閉状態になりうるように1つ以上のフラップをさらに含む、実施形態67記載のフロー制御コンポーネントである。
【0084】
上述の実施形態は、まさに実施形態であり、本開示によって提供される本発明の概念の範囲を限定したり又はさもなければ狭めたりするように解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものとして考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図面の簡単な説明
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0086】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される実施形態によるパルスジェットバッグハウスの概略図である。
【0087】
【
図2A】
図2Aは、従来技術による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための順流(本明細書では「通常流」とも呼ばれる)におけるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0088】
【
図2B】
図2Bは、従来技術による、パルスジェットバッグハウス内で使用される清浄化パルス流(本明細書では「反対流」とも呼ばれる)におけるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0089】
【
図3A】
図3Aは、本明細書に開示される実施形態による、第一の流体流にさらされたときに、パルスジェットバッグハウス内で使用されるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0090】
【
図3B】
図3Bは、本明細書に開示される実施形態による、第二の流体流にさらされたときに、パルスジェットバッグハウス内で使用されるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0091】
【
図3C】
図3Cは、本明細書に開示される実施形態による、第二の流体流にさらされたときに、パルスジェットバッグハウス内で使用されるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0092】
【
図3D】
図3Dは、本明細書に開示される実施形態による、第二の流体流にさらされたときに、パルスジェットバッグハウス内で使用されるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0093】
【
図4A】
図4Aは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用されるフィルタアセンブリの長さに沿った概略断面図である。
【0094】
【
図4B】
図4Bは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。
【
図4C】
図4Cは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。
【
図4D】
図4Dは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。
【0095】
【
図5A】
図5Aは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの長さに沿った概略断面図である。
【
図5B】
図5Bは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの長さに沿った概略断面図である。
【0096】
【
図5C】
図5Cは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。
【
図5D】
図5Dは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。
【0097】
【
図6A】
図6Aは、本明細書に開示される実施形態による、リバースエアフィルタに使用される通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【
図6B】
図6Bは、本明細書に開示される実施形態による、リバースエアフィルタに使用される通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリの概略断面図である。
【0098】
【
図7】
図7は、従来技術によるフィルタアセンブリ内の様々な位置で測定された圧力(KPa)を示す線グラフである。
【0099】
【
図8】
図8は、本明細書に開示される実施形態による、フィルタアセンブリ内の様々な位置で測定された圧力(KPa)を示す線グラフである。
【0100】
【
図9】
図9A~Cは、従来技術によるフィルタアセンブリvs本明細書に開示される実施形態によるフィルタアセンブリの1つの位置で測定された圧力(KPa)vs時間の比較を示す線グラフである。
【0101】
【
図10】
図10は、従来技術によるフィルタアセンブリvs本明細書に開示される実施形態によるフィルタアセンブリの様々な位置で測定された圧力(KPa)の比較を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0102】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図したものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の専門家がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0103】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含む測定値、及び記載された測定値に合理的に近いいずれの測定値も含む測定値を指すために互換的に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さな量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解されうる。
【0104】
本明細書で使用されるときに、「フィルタアセンブリ」は、排気ガス流などの流体流から粒子をろ過するためにバッグハウス内で使用されうる。フィルタアセンブリは、フィルタバッグの形態であってもよい。
【0105】
「フィルタコンポーネント」は、流体流、例えばガス流から粒子を収集するための少なくとも1つのフィルタ媒体を含むことができる。フィルタアセンブリは、1つ以上のフィルタコンポーネントを含むことができる。フィルタコンポーネントは、フィルタコンポーネントの上流表面上及び/又はフィルタコンポーネントの構造内で少なくとも部分的に粒子を収集しながら流体透過性である少なくとも1つのフィルタ媒体を含む。
【0106】
「流体流」という用語は、ガス流又は空気流を網羅することができる。ガス流は、多くの工業プロセスからのガス流、例えば、粒子状物質(ダスト)、硫黄酸化物、窒素酸化物及び一酸化炭素などの燃料と燃焼空気との反応生成物を含む、燃焼プラントからの煙道ガス流又は排ガス流を含むことができる。実施形態において、第一の流体流と第二の流体流が存在しうる。
【0107】
「通常動作」という用語は、流体流中の粒子がフィルタアセンブリによって除去されそして収集されるような方向に流体流がフィルタアセンブリを通って流れていることを意味する。「通常動作」下で流れる流体流は、第一の流体流であることができる。
【0108】
「通常方向」又は「第一の方向」という用語は、通常動作中に流体流が流れる方向である。幾つかの実施形態において、第一の方向と第二の方向が存在しうる。実施形態において、通常方向は、第二の方向とは反対の第一の方向であることができる。通常方向に流れる流体流は第一の流体流であることができる。さらに、フィルタアセンブリの長さに沿って長手方向に流れる流体流の第三の方向も存在しうる。
【0109】
「反対方向」又は「第二の方向」という用語は、清浄化パルス又は清浄化流の間に流体流がフィルタアセンブリを通って流れる方向である。幾つかの実施形態において、第二の方向は反対方向であることができる。反対方向に流れる流体流は第二の流体流であることができる。
【0110】
「順流」とは、通常方向に流れる流体流を記載する。幾つかの実施形態において、流体流は、フィルタアセンブリの中心に向かってフィルタアセンブリの長さに沿って長手方向に対して垂直な方向に流れることができる。
【0111】
「反対流」とは、順流と比較して反対方向に流れる流体流を記載する。
【0112】
「上流流体流」とは、フィルタアセンブリを通って流れる前の粒子を含む流体流を記載する。
【0113】
「下流流体流」とは、フィルタアセンブリを通って流れた後の上流流体流よりも比較的に清浄な流体流を記載する。
【0114】
幾つかの実施形態において、第一の流れと第二の流れが存在し、第一の流れは順流であることができ、第二の流れは反対流であることができる。幾つかの実施形態において、反対流は、フィルタアセンブリの中心から遠ざかるフィルタアセンブリの長さに沿った長手方向に対して垂直な方向に流れる流体流を記載する。さらに、下流流体流(例えば、フィルタアセンブリ内の清浄化された流体)が、フィルタアセンブリを離れるときのフィルタアセンブリの長さに沿って長手方向に流れる第三の流れも存在しうる。
【0115】
「流れ抵抗」という用語は、フィルタアセンブリを通って流れる流体流に対するフィルタアセンブリの抵抗を記載する。
【0116】
「フロー制御コンポーネント」は、フィルタアセンブリが方向依存性流れ抵抗を有するようにフィルタアセンブリ内で使用されうる。
【0117】
「方向依存性流れ抵抗」という用語は、流れの方向に応じて異なる流れ抵抗を有するフィルタアセンブリを記載する。幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリは、通常方向に第一の流れ抵抗を有し、反対方向に第二の流れ抵抗を有することができる。実施形態において、フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗を有することができ、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有することができる。
【0118】
様々な実施形態の説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0119】
本明細書に記載のフィルタアセンブリは、汚染物質の制御又は製品の捕捉が必要な広範な用途に使用することができる。これには、例えば、発電所、製鉄所、化学品製造会社、及び高い粒子捕集効率が所望されるその他の産業会社が挙げられる。本発明による例示的な実施形態は、セメントバッグハウスで使用されるフィルタアセンブリである。本明細書に記載のフィルタアセンブリは、排気ガス流などの流体流から粒子をろ過するためのバッグハウス内で使用することができる。1つの実施形態において、高効率集塵フィルタアセンブリが提供されうる。
【0120】
開示のフィルタアセンブリは、流体流から粒子をろ過するのに有用であり、フィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含み、フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗と、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有する方向依存性流れ抵抗を有することができる。通常動作中、フィルタアセンブリは上流側の表面に粒子を収集することができ、収集された粒子は動作中に清浄化によって数回除去されることができる。例えば、フィルタアセンブリは、リバースエア、シェーカ及びパルスジェットなどの清浄化技術を使用して、フィルタアセンブリ上にダストケーキとして集まる粒子を除去することによって清浄化することができる。
【0121】
本明細書に記載される様々な実施形態は、方向依存性流れ抵抗を有するフィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリはフィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含むことができる。1つの実施形態において、フィルタアセンブリは追加の支持構造を含むことができる。流体流が通常方向に流れている実施形態(例えば、第一の流体流)において、フロー制御コンポーネントはフィルタコンポーネントの下流にあることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、フィルタコンポーネントと支持構造との間に配置されうる。幾つかの実施形態において、支持構造は、フロー制御コンポーネントとフィルタコンポーネントとの間に配置されうる。
【0122】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントをフィルタコンポーネントに統合することができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントを支持構造に統合することができる。幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリは、支持構造に統合されたフロー制御コンポーネントを含んでフロー制御ユニットを形成することができる。
【0123】
フロー制御コンポーネントは、フィルタアセンブリが方向依存性流れ抵抗を有するように構成されうる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、本明細書に開示される構成は、清浄化サイクル中にフィルタアセンブリの長さに沿ってフィルタアセンブリにより均一な圧力分布を提供し、全体の圧力を増加させることによって、清浄化効率及び製品寿命に関連する問題に対処すると考えられる。圧力分布については、下記の
図10に関してさらに詳しく説明する。
【0124】
1つのこのような構成において、フロー制御コンポーネントは、フィルタコンポーネントに通過する空気パルス(第二の流体流)からの反対方向の流れが存在しないように構成されうる。このような構成において、フロー制御コンポーネントは、空気不透過性材料又は非孔質シート状材料を含み、したがって、フィルタコンポーネントの表面に対するフロー制御コンポーネントの拡張及びマスキング動作にパルスエネルギーを完全に利用する。フロー制御コンポーネントの拡張及びマスキング動作により、フィルタコンポーネントに向けて圧力パルスが発生し、フィルタコンポーネントの上流側表面を清浄化する。
【0125】
別の構成において、フロー制御コンポーネントは、流体流がフィルタアセンブリを通って通常方向及び反対方向の両方に流れることを可能にするように構成されうるが、フィルタアセンブリは異なる流れ抵抗を有する。このような構成において、フロー制御コンポーネントは、1つ以上のフロー制御通路又は開口部を含む多孔質シート状材料又は非孔質シート状材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、チューブの形態又は個々のシートもしくはリボンの形態である多孔質又は非多孔質シート状材料を含むことができる。本明細書で使用されるときに、「リボン」とは、幅及び厚さよりもはるかに長い長さを有する材料を意味する。幾つかの実施形態において、長さはリボンの幅の10倍を超える。他の実施形態において、リボンの長さは、リボンの幅の20倍より大きい、又は30倍より大きい、又は50倍より大きい、又は100倍より大きい。他の実施形態において、リボンの長さは、リボンの幅の約10,000倍以下である。さらに別の実施形態において、フロー制御コンポーネントは、通常方向に流れる流体流(第一の流体流)が第一の流れ抵抗を受け、反対方向に流れる流体流(第二の流体流)が第一の流れ抵抗よりも大きい第二の流れ抵抗を受けるように構成されうる。通常動作中、流体流は追加の流れ抵抗を最小限に抑えながらフィルタアセンブリを通って通常方向に流れることができる。
【0126】
フロー制御コンポーネントは、通常動作中(例えば、第一の流体流)、弛緩非マスキング状態で存在することができ、清浄化パルス中又は反対流(例えば、第二の流体流)中に拡張マスキング状態で存在することができる。幾つかの実施形態において、弛緩非マスキング状態において、フロー制御コンポーネントはフィルタコンポーネントをマスキングせず、通常方向にフィルタアセンブリを通って流れる流体流は第一の流れ抵抗を受ける。特定の実施形態において、拡張マスキング状態において、フロー制御コンポーネントの少なくとも一部はフィルタコンポーネントの表面と接触し、したがってフィルタコンポーネントをマスキングし、反対方向にフィルタアセンブリを通って流れる流体流は、フィルタコンポーネントの表面に対するフロー制御コンポーネントの拡張及びマスキング動作のために、第一の流れ抵抗よりも大きい第二の流れ抵抗を受ける。
【0127】
幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリは、多孔質又は非孔質シート状材料、例えば膜であることができるフロー制御コンポーネントを含むことができる。シート状の材料は、流体(例えば、ガス)の通過を可能にする。フィルタアセンブリは、後述するISO 11057試験方法に関して記載される、0.7MPa未満、例えば0.5MPa未満又は0.1MPa未満の差圧上昇を維持することができる。
【0128】
開示のフィルタアセンブリは、フロー制御コンポーネントを含まないフィルタアセンブリの第二の方向の流れ抵抗と比較したときに、第二の方向においてより高い流れ抵抗を有する。第二の方向におけるフロー制御コンポーネントの流れ抵抗は、例えば、フロー制御コンポーネントが非孔質である、及び/又は通路又は開口部を有しない場合に、本質的に無限となりうる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、10(分×Pa)/mを超える、又は11(分×Pa)/mを超える、又は12(分×Pa)/mを超える、又は13(分×Pa)/mを超える、又は14(分×Pa)/mを超える、又は15(分×Pa)/mを超える、又は16(分×Pa)/mを超える、又は16.5(分×Pa)/mを超える、又は16.8(分×Pa)/mを超える、又は17.1(分×Pa)/mを超える、又は17.4(分×Pa)/mを超える、又は17.7(分×Pa)/mを超える、又は18.0(分×Pa)/mを超える、又は18.3(分×Pa)/mを超える、又は18.6(分×Pa)/mを超える、又は18.9(分×Pa)/mを超える、又は19.3(分×Pa)/mを超える、又は20(分×Pa)/mを超える、又は30(分×Pa)/mを超える、又は40(分×Pa)/mを超える、又は50(分×Pa)/mを超える、又は60(分×Pa)/mを超える、又は70(分×Pa)/mを超える、又は80(分×Pa)/mを超える、又は90(分×Pa)/mを超える、又は100(分×Pa)/mを超える、又は150(分×Pa)/mを超える、又は200(分×Pa)/mを超える、又は250(分×Pa)/mを超える、又は300(分×Pa)/mを超える、又は500(分×Pa)/mを超える、又は1000(分×Pa)/mを超える、又は1500(分×Pa)/mを超える、又は2000(分×Pa)/mを超える第二の方向の流れ抵抗を有することができる。
【0129】
第一の方向において、第一の流体流にさらされたときに、フィルタアセンブリは、4000(分×Pa)/m未満の流れ抵抗を有することができる。他の実施形態において、フィルタアセンブリは、3500(分×Pa)/m未満、又は3000(分×Pa)/m未満、又は2500(分×Pa)/m未満、又は2000(分×Pa)/m未満、又は1500(分×Pa)/m未満、又は1000(分×Pa)/m未満、又は900(分×Pa)/m未満、又は800(分×Pa)/m未満、又は700(分×Pa)/m未満、又は600(分×Pa)/m未満、又は500(分×Pa)/m未満、又は400(分×Pa)/m未満、又は300(分×Pa)/m未満、又は200(分×Pa)/m未満、又は150(分×Pa)/m未満、又は125(分×Pa)/m未満、又は100(分×Pa)/m未満、又は90(分×Pa)/m未満、又は80(分×Pa)/m未満、又は70(分×Pa)/m未満、又は60(分×Pa)/m未満、又は50(分×Pa)/m未満、又は40(分×Pa)/m未満、又は30(分×Pa)/m未満 、又は25(分×Pa)/m未満、又は20(分×Pa)/m未満、又は15(分×Pa)/m未満、又は 12.5(分×Pa)/m未満、又は10(分×Pa)/m未満の流れ抵抗を有することができる。
【0130】
幾つかの例において、フロー制御コンポーネントのシート状材料は、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼及び銅)又はポリマー膜を含むことができる。ポリマー膜は、非孔質膜であっても又は多孔質膜であってもよい。非孔質ポリマー膜である適切なシート状材料としては、例えば、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するために緻密化された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート又はそれらの組み合わせもしくはブレンドを挙げることがでできる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、例えば、微孔質ポリマーを含むことができる多孔質シート状材料又は多孔質膜であることができ、ここで、ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、膨張ポリエチレン(ePE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマー、微孔質フルオロポリマーフィルム、テキスタイル状材料、又はそれらの組み合わせである。
【0131】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、PTFE又は延伸PTFE(「ePTFE」)シート状材料であることができる多孔質膜を含むことができる。ePTFE膜は、0.7ミクロン以下、例えば0.5ミクロン以下の平均細孔直径を有することができる。幾つかの実施形態において、多孔質膜はフルオロポリマー膜又はポリエステル膜を含むことができる。適切なフルオロポリマー膜としては、PTFEを延伸して延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を形成することを含む、多くの異なる方法によって調製されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。他の適切なフルオロポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(「FEP」)、テトラフルオロエチレン-(ペルフルオロアルキル)ビニルエーテルコポリマー(「PFA」)などを挙げることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、細孔の少なくとも一部を除去するように緻密化された膨張ポリマーである。
【0132】
ePTFE膜は、細孔を形成する複数のノード及び/又は複数のフィブリルの構造を有することができる。幾つかの実施形態において、ePTFE膜は実質的にフィブリル化されており、幾つかのノードを含む。PTFEの使用により、良好な耐熱性及び化学的不活性が得られる。多孔質ePTFEにより強度及び安定性が向上し、パルスジェットクリーニングによって生じる応力に耐えることができる。膜にかかる応力には2つのタイプがある。1つはパルスジェットクリーニング中の急激な膨張によって引き起こされる。もう1つは、バッグがその支持構造に対して突然崩潰することによって引き起こされる。応力は、数年に及ぶことがあるフィルタアセンブリの寿命にわたって繰り返し発生する。フィルタアセンブリの幾つかの用途では、毎年の動作で100万パルスサイクルを超えることがある。
【0133】
特定の実施形態において、フィルタコンポーネントは、織布フェルト、不織フェルト、ポリエステル、綿、ナイロン、ガラス繊維材料、触媒フィルタ材料又は吸着フィルタ材料から作られたフィルタ媒体、及び、場合により、支持構造を含むことができる。幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、PTFE、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド又はそれらの組み合わせら作られたフェルト又は繊維を含む。特定の実施形態において、フィルタコンポーネントは、ガラス繊維及びPTFEを含む、混合繊維及びフィラメントを含むことができる。幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、400℃を超える高温用途に耐えることができる材料を含み、材料は織布PTFE、ガラス繊維又はポリイミドであることができる。フィルタコンポーネントはまた、多孔質フィルタ膜、例えば、上述したような多孔質ePTFE又はePE膜及び織布又は不織フェルトを含むラミネートを含むことができる。
【0134】
別の実施形態において、フィルタアセンブリはフィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含むことができ、フィルタコンポーネントは細孔を有し、フロー制御コンポーネントは場合によりフロー制御通路を有する。幾つかの実施形態において、フロー制御通路は、フロー制御コンポーネント内の1つ以上の開口部であることができる。各開口部は、独立して、穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせの形態をとることができる。本明細書で使用されるときに、「一方向弁」という語句は、一方向のみの流体流を可能にするデバイスを含むことが意図される。一方向弁の適切な例としては、例えば、スプリング逆止弁、ボール逆止弁、ポペット逆止弁、ダイヤフラム逆止弁、単弁尖逆止弁、二弁尖逆止弁、三弁尖逆止弁、不還弁又はそれらの組み合わせなどを挙げることができる。1つ以上の一方向弁を含むシート状材料を使用するときに、各一方向弁を通る流れが第一の方向のみであり、第二の方向では閉じるように、1つ以上の一方向弁を配向することができる。
【0135】
通常動作中、フロー制御コンポーネントは弛緩状態にあることができる。弛緩状態により、第一の流体流がフィルタアセンブリのフィルタコンポーネントの細孔を通ってフロー制御コンポーネントの表面を横切って流れることが可能になり、第一の流体流の少なくとも一部が場合により存在するフロー制御通路又は開口部を通って流れることができる。
【0136】
さらに別の実施形態において、フィルタアセンブリはフィルタコンポーネント及びフロー制御コンポーネントを含むことができ、フィルタコンポーネントは細孔を有し、フロー制御コンポーネントは1つ以上の個々のタブを含むことができる。例えば、複数の個々のタブをフィルタコンポーネントの内側部分に配置することができる。具体的には、個々のタブは、タブの第一の部分又は上部によってフィルタコンポーネントに取り付けられることができ、一方、タブの第二の取り付けられていない部分は、可撓性で自由に動くままである。動作中、第一の方向の流れはタブをフィルタバッグの中心に向かって内側に曲げることができるが、第二の方向の流れはタブをフィルタ媒体に押し付けるため、その方向の流れが制限される。さらなる実施形態において、フロー制御コンポーネントは、多孔質又は非孔質シート状材料を含む1つ以上のリボンを含むことができる。リボンは、例えば、垂直方向、水平方向、又はフィルタコンポーネントの内側部分でらせん状に巻かれることを含む、あらゆるパターンで配向することができる。例えば、フロー制御コンポーネントをらせん巻きは、リボンの各巻回の間にスリット状の開口部が残り、長いらせん状のスリットとなることができる。同様に、フロー制御コンポーネントは、フィルタに沿って長手方向に、又はフィルタの周囲に配向された1つ以上のリボンを含むことができる。
【0137】
さらに別の代替実施形態において、フロー制御コンポーネントは、多孔質フィルムに接着された弾性基材を含むフロー制御ラミネートを含むことができる。多孔質フィルムは、ノード及びフィブリル構造を有することができ、例えば、ePTFEである。フロー制御ラミネートは、弾性基材が伸長状態であるときに多孔質フィルムを弾性基材に接着することにより形成される。接着すると、弾性基材の張力が解放され、多孔質フィルムは圧縮され、ノード間のフィブリルがフィルム面内で曲がり、しわが寄り、それによってノードが互いに近づき、フィルムの内部構造が変化して細孔が小さくなる。フロー制御ラミネートを再延伸すると、フィブリルが伸びて細孔が開き、未伸長のフロー制御ラミネートと比較して、伸長したフロー制御ラミネートを通る、より多くの流れが可能になる。フロー制御ラミネートは、フィルタコンポーネントに接着されて、フロー制御コンポーネントとして機能することができる。フィルタコンポーネントは、一般に、フロー制御コンポーネント、すなわちフロー制御ラミネートと比較して、比較的小さい量の弾性を有する。動作中、第一の方向の流れによってフロー制御コンポーネントが伸び、細孔が開き、流体流に対する抵抗が低下する可能性がある。第二の方向において、フロー制御ラミネートはフィルタコンポーネントによって拘束され、本質的に伸びることができず、細孔を閉じたままにし、第二の方向の流れを減少させる。
【0138】
フロー制御コンポーネントは、分離可能な構成要素としてフィルタアセンブリに組み込むことができ、あるいは、例えば、接着剤、ラミネート化、熱溶接及び/又は縫合のうちの1つ以上によってフィルタコンポーネントに取り付けることができる。フィルタコンポーネントは、第一の流体流から粒子を除去するための細孔を含むことができ、フロー制御コンポーネントは、フロー制御コンポーネント内の開口部であることができる1つ以上のフロー制御通路を含むことができる。幾つかの実施形態において、各フロー制御通路は、独立して、穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御通路は、チューブ状フロー制御コンポーネントの開放端であることができる。一般に、フィルタアセンブリはチューブ状であり、チューブ状フィルタコンポーネント及びチューブ状フロー制御コンポーネントを含む。フィルタコンポーネントは、一端が開いていて、他端が閉じていることができ、支持構造のサイズに近い直径を有する。フロー制御コンポーネントはチューブ状であることができ、一端が開いて他端が閉じていることができ、あるいは、フロー制御コンポーネントは両端が開いていることができ、支持構造のサイズに近い直径を有する。幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、支持構造との摩擦嵌合を提供できるようなサイズにされるが、他の実施形態において、フィルタコンポーネントは支持構造よりわずかに大きくてよく、支持構造に取り付けるために締結手段を使用してよい。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントはまた、一端に開口部があり、反対端が閉じられたチューブ状の形状である。フロー制御コンポーネントは、フィルタコンポーネントに比べてサイズが大きくなっている。フロー制御コンポーネントをフィルタコンポーネントよりも大きな直径で作製すると、第一の流体流がフロー制御コンポーネントを支持構造の開口領域内に「押す」又は「曲げる」ことが可能になり、それによって第一の流体の少なくとも一部をフィルタコンポーネントとフロー制御コンポーネントとの間に通過させることが可能になる。フロー制御コンポーネントがチューブ状であるときに、フロー制御コンポーネントの長さはフィルタアセンブリの全長に対応することができ、場合により、一端が閉じられていることができる。他の実施形態において、フロー制御コンポーネントの長さは、フィルタアセンブリの長さより短くてもよく、例えば、フロー制御コンポーネントの長さは、フィルタアセンブリの長さの20%~99.9%の範囲であってよい。他の実施形態において、フロー制御コンポーネントの長さは、フィルタアセンブリの長さの25%~99%、又は30%~99%、又は33%~99%、又は35%~99%、又は40%~99%、又は50%~99%、又は55%~99%、又は60%~99%、又は65%~99%、又は70%~99%、又は75%~99%、又は80%~99%、又は85%~99%、又は90%~99%、又は95%~99%の範囲にあってもよい。フィルタアセンブリの長さよりも短い長さを有するフロー制御コンポーネントは、第二の方向の流れ中にフィルタアセンブリの長さに沿った圧力を均一にすることができる。
【0139】
通常動作中、第一の流体流にさらされるときに、フロー制御コンポーネントは弛緩状態にあり、第一の流体流はフィルタコンポーネントを通過することができ、そして第一の流体流の一部(粒子の少なくとも一部が除去された)は、フィルタコンポーネントとフロー制御コンポーネントとの間に流入することができ、第一の流体流の別の部分は、1つ以上のフロー制御通路を通って流れることができる。典型的に、フロー制御コンポーネントは、フィルタコンポーネントの直径と比較したときに、より大きな直径を有する。これにより、フロー制御コンポーネントは支持構造上で比較的緩くなり、フロー制御コンポーネントとフィルタコンポーネントとの間を流れる一部の流体流を促進することができる。弛緩状態において、フロー制御コンポーネントは支持構造の開口領域のいずれかに押し込まれることができる。
【0140】
パルスジェットサイクルのパルス中に、フィルタアセンブリは外側に拡張して拡張状態となり、フロー制御コンポーネント層がフィルタコンポーネントをマスクするように、フロー制御コンポーネント層をフィルタコンポーネント層に対して押し、フロー制御通路又は開口部の領域を除いて、フィルタコンポーネント層の透過性又は細孔を遮断する。言い換えれば、清浄化サイクル中、フィルタアセンブリの2つの層が互いに圧縮して、フロー制御通路又は開口部、又はフィルタコンポーネントとフロー制御コンポーネントの間の界面を横切る経路の外側の透過性を遮断する。フィルタコンポーネントの表面積の大部分又はすべてがフロー制御コンポーネントによってマスク又はブロックされると、フロー制御コンポーネント内の場合により存在するフロー制御通路又は開口部の量に応じて、清浄化空気流パルスはフィルタアセンブリの長さに沿って逸らされ、より均一な機械的動きに変換される。機械的動きがより均一になると、フィルタコンポーネントをより効率的に拡張することができ、したがって、フィルタコンポーネントのより効率的な清浄化を誘発することができる。
【0141】
図1は、本明細書に開示される実施形態によるバッグハウス100の概略図である。
図1に示されるように、反対方向を矢印(t)で示している。反対方向は、フィルタアセンブリの長さと非平行であるフィルタアセンブリの周方向幅の方向であることができ、幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリの長さに対して垂直であることができる。図示されるように、長手方向は線(L)で示されており、フィルタアセンブリの長さに沿った方向である。
【0142】
バッグハウスは、幾つかのフィルタアセンブリを含むことができる。典型的なバッグハウス(例えば、
図1のバッグハウス100)において、各フィルタアセンブリは、0.3m~10mの長さ及び5cm~30cmの内径を有することができる。フィルタアセンブリは、フィルタアセンブリがバッグハウスに取り付けられるか、支持構造の上にフィットされるか、又は支持構造とともに取り付けられることを可能にする寸法を有することができる。これらの寸法は本開示の目的を必ずしも限定するものではなく、本明細書に開示される実施形態は多種多様なバッグハウスに使用できることを理解されたい。1つの実施形態において、フィルタアセンブリのフィルタコンポーネントにプリーツを付けることができる。幾つかの実施形態において、プリーツ付きフィルタコンポーネントは、フィルタアセンブリのフィルタ面積及び厚さを増加させることができ、流れ中のプリーツのないフィルタコンポーネントと比較して、所与のフィルタ半径についてフィルタ面積当たりのフィルタコンポーネントがさらされる粒子の数が少なくなる。
【0143】
本開示のフィルタアセンブリは、方向依存性流れ抵抗をフィルタアセンブリに与えるフロー制御コンポーネントを含むことができる。これにより、フィルタアセンブリを簡単かつ効率的に清浄化できると同時に、より高い通気性を備えたフィルタアセンブリを使用できるようになる。フロー制御コンポーネントは、通常流中にフィルタコンポーネントの下流に配置することができる。フィルタアセンブリは、操作及び清浄化技術に応じて様々な形状及び特徴を有することができる。1つの実施形態において、パルスジェット清浄化用のフィルタアセンブリは、一端にカフを有し、他端に開口部を有することができ、フィルタアセンブリが支持構造を少なくとも部分的に取り囲むことを可能にする。
【0144】
図1に示されるように、パルスジェット清浄化シーケンスを有するバッグハウス100が示されている。ホッパー20の内部で、粒子を含んだ流体流21が入口22でホッパーに入り、フィルタコンポーネントを有するフィルタアセンブリ23を通過する。フィルタコンポーネントは、織布フェルト、不織フェルト、ポリエステル、綿、ナイロン、ガラス繊維材料、触媒フィルタ材料、多孔質膜、吸着性フィルタ材料、又はそれらの任意の組み合わせら作られたフィルタ媒体、及び、場合により、支持構造を含む。
【0145】
幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、例えば、PTFE、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド又はそれらの組み合わせら作られたフェルト又は繊維を含む。特定の実施形態において、フィルタコンポーネントは、ガラス繊維及びPTFEを含む、混合された繊維及びフィラメントを含むことができる。幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、400℃を超える高温用途に耐えることができる材料を含み、材料は織布PTFE、ガラス繊維又はポリイミドであることができる。幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリ23のフィルタコンポーネントは、高い流体流及び良好なダストケーキ解放を提供するために、1つ以上の多孔質膜を含むことができる。多孔質膜は、接着剤、ラミネート化、溶接、縫製、タッキング、クランプ加工又は他の適切な取り付け手段を使用してフィルタコンポーネントに取り付けることができる。幾つかの実施形態において、多孔質膜はポリマー(例えば、フルオロポリマー)を含むことができる。幾つかの実施形態において、多孔質膜はePTFEを含むことができる。
【0146】
図1に戻って、ホッパー20内のチューブシート25は、流体流21がフィルタアセンブリ23を迂回するのを防止する。フィルタアセンブリ23は、ケージの形態の内部支持構造26を含むことができる。ろ過された流体流24は、フィルタアセンブリ23を通過してバッグ出口29から出た後に、出口27で清浄空気コンパートメントから出る。動作中、図の左側のバッグに示されているように、粒子はフィルタコンポーネントの外側にダストケーキ28を形成する。ダストケーキ28を除去するための清浄化の際に、パルスパイプ30からの空気はフィルタアセンブリに入る。長手方向(L)に沿って移動するこの空気のパルス32は、フィルタアセンブリ23を拡張させ、ダストケーキを緩め、したがって粒子31をホッパー20の底部に集めさせる。
【0147】
幾つかの実施形態において、粒子を含む流体流21は第一の流体流であることができ、空気パルス32は第二の流体流であることができ、第一の流体流と第二の流体流は異なっていてもよい。特定の実施形態において、例えば、第二の流体流がリバースエア流であるときに、第一の流体流と第二の流体流は同じであってよい。リバースエア流の他の実施形態において、第一の流体流と第二の流体流は異なる。
【0148】
図1の右側のバッグに見られるように、パルスジェットはフィルタアセンブリを拡張させる。フィルタアセンブリは拡張と収縮を繰り返すと摩耗が発生する。他の清浄化技術もフィルタアセンブリに応力を与えることを理解されたい。本明細書に記載されるフィルタアセンブリの利点には、少なくとも1)方向依存性流れ抵抗を有すること、2)フィルタアセンブリの長さに沿ってより均一な圧力分布をフィルタアセンブリに提供すること、及び3)フィルタアセンブリの長さに沿ってフィルタアセンブリに増加したより均一な圧力分布を提供することが挙げられる。
【0149】
幾つかの実施形態において、バッグハウス100は、入口22と出口27との間のハウジング(例えば、ホッパー20)内に配置されたチューブシートと、本開示に開示される実施形態による、チューブシートに取り付けられた1つ以上のフィルタアセンブリとを含むことができる。
【0150】
バッグハウス(例えば、
図1のバッグハウス100)において、フィルタコンポーネントは分解することなく高温に耐えることができるべきである。流体流の化学物質及び/又は水分含有量、その温度及び他の条件に応じて、フィルタコンポーネントは、例えば、ガラス繊維、ポリエステル、綿、ナイロン又は他の材料を含むフィルタ媒体から構築されうる。PTFE、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリイミド又はそれらの組み合わせら作られたフェルト及び繊維も、フィルタコンポーネントのためのフィルタ媒体として使用することができる。ガラス繊維及びPTFEなどの繊維とフィラメントの混合もフィルタコンポーネントとして使用できる。例えば、400℃を超える高温用途において、織布PTFE、ガラス繊維又はポリイミドをフィルタコンポーネントとして使用することができる。
【0151】
幾つかの実施形態において、フィルタコンポーネントは、市販の布帛、例えばフェルトであることができる。これらのフェルトは重量が、1平方メートル当たり300~1200グラム(g/m2)、又は400~1100g/m2、又は500~1000g/m2、又は650~900g/m2であることができる。フェルトは、100~250g/m2、又は110~240g/m2、又は120~230g/m2、又は130~210g/m2の重さのマルチフィラメント織布スクリムで強化することができる。スクリム要素は、いずれかのポリテトラフルオロエチレン(例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン又は多孔質ポリテトラフルオロエチレン)から作ることができる。フェルトはステープル繊維から作られることができ、約1cm~約30cm、又は約2cm~約28cm、又は約3cm~約26cm、又は約4cm~約24cm、又は5cm~約22cmの長さであることができ、又はこれらの範囲内に含まれる長さを有することができる。幾つかの実施形態において、フェルトは、約1~約20デニール/フィラメント、又は約2~約18デニール/フィラメント、又は約3~約16デニール/フィラメント、又は約4~約14デニール/フィラメント、又は約5~約12デニール/フィラメント、又は約6~約10デニール/フィラメントを有するステープル繊維から作られることができ、又はこれらの範囲内に含まれるデニール/フィラメントを有することができる。幾つかの実施形態において、フェルトは、PTFEフェルト、ポリエステルフェルト、アラミドフェルト、ポリプロピレンフェルト、ポリフェニレンスルフィドフェルト、ポリイミドフェルト又はこれらのポリマーの組み合わせら作られたフェルトであることができる。場合により、これらのフェルトは、ガラス繊維、金属繊維又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上をさらに含むことができる。
【0152】
1つの実施形態において、フィルタコンポーネントの下流側でろ過される、水銀、他の重金属、揮発性有機化合物(VOC)又はその他の所望の成分を捕捉するための、ポリプロピレン不織材料のラップ又は吸着剤成分などのさらなる層がフィルタコンポーネントに追加されてもよい。別の実施形態において、フィルタコンポーネントは1つ以上の触媒を含んでもよい。例えば、触媒は、NOx、NH3、CO、ダイオキシン、フラン又はオゾンなどの汚染物質を転化させるのに適している可能性がある。触媒は、TiO2、V2O 3、V2O5、WO3、MnO2、Pt又はAl2O3などの活性物質を含むことができる。触媒を使用すると、ダイオキシン、フラン、NOx、COなどの汚染物質を流体流から効果的に除去できる。
【0153】
図2Aは、従来技術による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための順流(本明細書では「通常流」とも呼ばれる)におけるフィルタアセンブリ200の概略図であり、
図2Bは、従来技術による、パルスジェットバッグハウス内で使用される清浄化パルス流(本明細書では「反対流」とも呼ばれる)におけるフィルタアセンブリの概略図である。
【0154】
図示されているように、フィルタアセンブリ200は、フィルタ媒体と、場合により、前記フィルタ媒体に取り付けられた多孔質膜(図示せず)とを有するフィルタコンポーネント202を含むことができる。フィルタアセンブリ200は、支持構造204をさらに含むことができる。フィルタアセンブリ200において使用されうる支持構造204は、フィルタアセンブリ200の構成、ろ過される材料のタイプ、フィルタアセンブリ200が組み込まれるろ過システム、清浄化機構などを含む、多くの条件に応じて幅広く変化しうる。例えば、適切な支持構造204としては、金属、プラスチック、及び、スパンボンドポリエステル又は不織アラミドフェルト材料などの織布又は不織布材料を含む天然繊維などの材料から製造されうるケージ、リング又はブレースを含むことができる。1つの実施形態において、支持構造204は金属メッシュ又はプラスチックメッシュであることができる。ワイヤーサポートケージも支持構造として使用することができる。幾つかの実施形態において、支持構造204は、比較的に可撓性の材料から作製されうる。他の実施形態において、支持構造204は、剛性の自己支持構造であることができる。フィルタコンポーネント202は、典型的に、フィルタコンポーネント202が比較的に堅固に保持されるように支持構造204と接触し、それにより、フィルタアセンブリ方向のたわみ、曲がり及びねじれは最小限に抑えられるが、排除されない。
【0155】
1つの実施形態において、支持構造204は、1つの単一片として構築されるか、又は複数片から組み立てられることができるケージを含む。ケージは、支持構造204とフィルタコンポーネント202との間にバリアを提供するカバー(図示せず)を有してよい。カバーは、フィルタコンポーネント202と支持構造204との間の接触を低減することができる。
【0156】
通常動作中、フィルタアセンブリ200を通過する流体流206Aは第一の方向にある。
図2Aに示されるように、流体流からの粒子又は特定の物質がフィルタコンポーネントによって収集されるにつれて、ダストケーキ208がフィルタコンポーネント202上に蓄積しうる。パルスジェット清浄化サイクル中、空気パルス又は空気流206Bは、フィルタアセンブリ200を通って第二の方向に流れることができる。流体流206Aの第一の方向は、空気パルス又は空気流206Bの第二の方向と反対であることができる。
【0157】
幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリ200の長さに沿って分布するパルス流の圧力を測定するために、1つ以上の圧力計210a~dは長手方向212に沿って配置されうる。フィルタアセンブリ200の長さに沿った長手方向のパルス流にフィルタアセンブリ200がさらされたときに、以下にさらに詳細に説明するように、圧力計210a~dのそれぞれで測定される圧力が比較的に低いことが容易に理解されうる。
【0158】
図3A~3Dは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリ300の概略図である。図示されるように、フィルタアセンブリ300は、フィルタコンポーネント302a及びフロー制御コンポーネント306aを含むことができる。フィルタコンポーネント302aは、フィルタ媒体と、場合により、前記フィルタ媒体に取り付けられた多孔質膜(図示せず)とを含むことができる。フィルタアセンブリ300はまた、支持構造304を含んでもよい。フィルタアセンブリ300は、流体流308から粒子307a~307dをろ過するために使用されうる。
【0159】
フィルタアセンブリ300は、フロー制御コンポーネント306aをさらに含む。フロー制御コンポーネント306aは、フロー制御コンポーネントがフィルタコンポーネント302aの表面に対して拡張及びマスキング動作を行うようにする伝播清浄化パルスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント306aはシート状材料を含むことができる。特定の実施形態において、シート状材料は非孔質であることができる。幾つかの実施形態において、シート状材料は空気不透過性であることができる。特定の実施形態において、非孔質シート状材料は空気不透過性であることができる。幾つかの実施形態において、シート状材料は、金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼及び銅)、又はポリマーの非孔質膜を含むことができる。
【0160】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント306aは、一端が閉じられ、反対端が開いたチューブ状コンポーネントである。あるいは、フロー制御コンポーネント306cは両端が開いていてもよい。フロー制御コンポーネント306aは、支持構造304の上に配置されうる。次に、フィルタコンポーネント302aを、支持構造304が最も内側の要素となり、フロー制御コンポーネント306aが支持構造304及びフィルタコンポーネント302aとの間にあるように、フロー制御コンポーネント306aの上に配置されうる。フロー制御コンポーネント306aは、フィルタコンポーネント302aと比較したときに、比較的に緩いフィッティングコンポーネントとすることができる。このようにして、フロー制御コンポーネント306aは、第一の方向又は通常方向に動作するときに、第一の流体流308aの少なくとも一部がフロー制御コンポーネント306aとフィルタコンポーネント302aとの間を通過して流れることを可能にする。また、第一の流体流にさらされるときに、フロー制御コンポーネントは、第一の流体流308aによって加えられる圧力により、支持構造304の支持要素間の空間に「押し込まれる」又は「曲げられる」ことができ、それによって、フロー制御コンポーネント306aとフィルタコンポーネント302aとの間の空間301が形成される。空間301は、例えば、流体流308aの流入圧力、フィルタコンポーネント302aと比較したフロー制御コンポーネント306aの相対的な緩さ、及びフロー制御コンポーネント306aの可撓性に応じて可変の距離dであることができる。
【0161】
通常流の間に、
図3Aの矢印で示すように、流体流308aは、フィルタコンポーネント302aを通って第一の方向(例えば、通常方向)に流れ、次いで、フィルタコンポーネント302aとフロー制御コンポーネント306aとの間の空間又は距離301を進む。
図3Aに示されるように、流体流からの粒子又は特定の物質がフィルタコンポーネント302aによって収集されるにつれて、ダストケーキ、すなわち粒子307aはフィルタコンポーネント302a上に蓄積しうる。空間301は、フロー制御コンポーネント306aとフィルタコンポーネント302aとの間の距離dによって形成される。フロー制御コンポーネント306aが空気不透過性及び/又は非孔質シート状材料を含む実施形態において、流体流308aはフィルタコンポーネント302aを通って流れ、フロー制御コンポーネント306aを通過しない。清浄化された流体流310は、空間301に沿って長手方向に流れている。
【0162】
図3Bに矢印で示すように、反対流又はパルスジェット清浄化パルスの間に、第二の流体流308bは、
図3Aに示される通常方向とは反対の第二の方向に流れる。フロー制御コンポーネント306bが空気不透過性及び/又は非孔質シート状材料を含む実施形態において、流体流308bはフロー制御コンポーネント306bを貫通しない。したがって、第二の流体流308bは、フロー制御コンポーネント306bの拡張及びマスキング動作を誘発し、フィルタコンポーネント302bに向かう圧力パルスを引き起こして、収集された粒子307bをフィルタコンポーネント302bの上流表面312から解放し、このようにして、フィルタコンポーネントの上流側表面312を清浄化する。
【0163】
図3Cは、フロー制御コンポーネント306cが両端で開いている実施形態を示している。
図3Cに矢印で示されるように、第二の流体流308cは、
図3Aに示される通常方向とは反対の第二の方向に流れる。フロー制御コンポーネント306cが空気不透過性及び/又は非孔質シート状材料を含み、両端が開いている実施形態において、流体流308cはフロー制御コンポーネント306cを貫通しない。したがって、第二の流体流308cは、フロー制御コンポーネント306cの拡張及びマスキング動作を誘発し、フィルタコンポーネント302cに向かう圧力パルスを引き起こして、収集された粒子307cをフィルタコンポーネント302cの上流表面312から解放し、フィルタコンポーネントの上流側表面312を清浄化する。
【0164】
図3Dは、フロー制御コンポーネント306dが両端で開いており、フロー制御コンポーネントの長さがフィルタアセンブリ300の長さより短い実施形態を示している。例えば、
図3Dに示されるようにそして点線で示されるように、フロー制御コンポーネント306dの長さは、フィルタアセンブリの長さの約30%、50%又は75%であることができる。
図3Dに矢印で示されるように、第二の流体流308dは、
図3Aに示される通りの通常方向とは反対の第二の方向に流れる。フロー制御コンポーネント306dが空気不透過性及び/又は非孔質シート状材料を含み、両端が開いている実施形態において、流体流308dはフロー制御コンポーネント306dを貫通しない。したがって、第二の流体流308dは、フロー制御コンポーネント306dの拡張及びマスキング動作を誘発し、フィルタコンポーネント302dに向かう圧力パルスを引き起こして、収集された粒子307dをフィルタコンポーネント302dの上流表面312から解放し、このようにして、フィルタコンポーネントの上流側表面312を清浄化する。
【0165】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント306を有するフィルタアセンブリ300は、流体流にさらされたときに、第一の方向における第一の流れ抵抗と第二の方向における第二の流れ抵抗とを有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。第一の方向(例えば、通常方向)は、流体が通常流(第一の流体流)にあるときにろ過中であることができ、一方、第二の方向は、反対流又はパルスジェット清浄化パルス中(第二の流体流)であることができ、第一の方向の反対である。
【0166】
図4Aは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用されるフィルタアセンブリ400の長さに沿った概略断面図である。
図4B~4Dは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウス内で使用するための通常方向及び反対方向の流体流におけるフィルタアセンブリの概略水平断面図である。フィルタアセンブリ400は、流体流から粒子をろ過するために使用することができ、清浄化可能(例えば、リバースエア、シェーカ及びパルスジェット)とすることができる。
【0167】
図4Aは、フィルタコンポーネント404、支持構造408、フィルタコンポーネント404の下流でフィルタコンポーネント404と支持構造408との間に配置されたフロー制御コンポーネント406aを有するフィルタアセンブリ400の断面図を示す。フィルタコンポーネント404は、フィルタ媒体と、場合により、前記フィルタ媒体に取り付けられた多孔質膜(図示せず)とを有する。フロー制御コンポーネント406aは、フロー制御コンポーネント材料の側部に沿って、また、場合により、底部に分布された幾つかのフロー制御通路又は開口部410を含む。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406aを有するフィルタアセンブリ400は、流体流にさらされたときに、第一の方向における第一の流れ抵抗と第二の方向における第二の流れ抵抗とを有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。第一の方向は、流体流402aが通常流にあるときのろ過中であることができる。
【0168】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406aは、1つ以上のフロー制御通路又は開口部410を含み、一端が閉じられ、反対端が開いたチューブ状コンポーネントである。フロー制御コンポーネント406aは、支持構造408の上に配置されうる。その後、フィルタコンポーネント404を、支持構造408が最も内側の要素となり、フロー制御コンポーネント406aが支持構造408とフロー制御コンポーネント406aとの間にあるように、フロー制御コンポーネント406aの上に配置されうる。フロー制御コンポーネント406aは、フィルタコンポーネント404と比較するときに、比較的に緩いフィッティングコンポーネントとすることができる。このようにして、フロー制御コンポーネント406aは、第一の方向又は通常方向で動作するときに、少なくとも 第一の流体ストリーム402aの一部が、フロー制御コンポーネント406aとフィルタコンポーネント404との間を通過して流れることを可能にする。清浄化された流体流403aの別の部分は、フロー制御コンポーネント406aの1つ以上のフロー制御通路又は開口部410を通過することができる。第一の流体流402aにさらされるときに、フロー制御コンポーネントは、第一の流体流402aによって加えられる圧力により、支持構造408の支持要素間の空間に「押し込まれる」又は「曲げられる」ことができ、それによってフロー制御コンポーネント406aとフィルタコンポーネント404との間に空間401を形成する。空間401は、例えば、流体流402aの流入圧力、フィルタコンポーネント404と比較したフロー制御コンポーネント406aの相対的な緩み及びフロー制御コンポーネント406aの可撓性などに応じて可変の距離dとすることができる。
【0169】
通常流の間に、
図4Aに矢印で示されるように、流体流402aの少なくとも一部はフィルタコンポーネント404を通って流れ、次いで少なくとも一部はフィルタコンポーネント404とフロー制御コンポーネント406aとの間の空間又は距離401を通って移動し、次いで、最終的にフロー制御コンポーネント406aを通って移動する。空間401は、フロー制御コンポーネント406aとフィルタコンポーネント404との間の距離dによって形成される。フロー制御コンポーネント406aが幾つかの開口部410を含むため、流体流402aの別の部分は、開口部410を通って流れ、フロー制御コンポーネント406aを通って流れる。したがって、清浄化された流体流403aは、部分的には空間401に沿って流れ、部分的にフロー制御コンポーネント406aの内部の空間及び支持構造408に沿って長手方向に流れる。
【0170】
フロー制御コンポーネント406aは、フロー制御コンポーネント406aをフィルタコンポーネント404の表面に対して拡張及びマスキング動作させる伝播清浄化パルスの応力によって引き起こされる構造的破損に耐えることができる。フロー制御コンポーネント406aの拡張及びマスキング動作により、フィルタコンポーネント404に向かう圧力パルスが生じ、収集された粒子がフィルタコンポーネント404の上流表面から解放され、フィルタコンポーネントの上流表面が清浄化される。言い換えると、フロー制御コンポーネント406aは、フィルタコンポーネント404が拡張して、収集された粒子を解放する間、清浄化パルスの圧力応力を管理する。
【0171】
ここで
図4B~4Dを参照すると、幾つかの例において、フィルタコンポーネント404は、支持構造408を少なくとも部分的に取り囲む。幾つかの実施形態において、
図4B~4Dに示されるように、フロー制御コンポーネント406は、少なくとも1つのフロー制御通路又は開口部410を含むことができる。フロー制御コンポーネント406は、流体流の方向に基づいて、流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、フィルタコンポーネント404を通って流れる流体流の量を調節することができる。幾つかの例において、例えば、
図4A~4Dに示されるように、少なくとも1つのフロー制御通路又は開口部410は、穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁、又はそれらの組み合わせなどの開口部を含むことができる。
【0172】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406は、1つ以上の穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせを含む膜であることができる。他の実施形態において、フロー制御コンポーネント406は、1つ以上の穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせを有するシート状金属材料を含むことができる。なおもさらなる実施形態において、フロー制御コンポーネントは、膜と1つ以上の金属強化材料との組み合わせであることができ、1つ以上の穴、スリット、穿孔、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせをさらに含む。フロー制御コンポーネント406a~dは、支持構造408とフィルタコンポーネント404との間に位置するように取り付けられることができる。他の実施形態において、フロー制御コンポーネントは、支持構造408の内側、すなわち、支持構造408のフィルタコンポーネント404に隣接しない側に取り付けられることができる。
【0173】
幾つかの実施形態において、例えば、
図4A~
図4Cに示されるように、流体流402a~bは第一の方向(例えば、通常方向)にあり、フロー制御コンポーネント406a~cは弛緩状態にあり、フロー制御コンポーネント406a~cの外面は0%~99%フィルタコンポーネント404の内面と接触している。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406a~cとフィルタコンポーネント404との間の接触は、約0%~約90%、又は約0%~約80%、又は約0%~約70%、又は約0%~約60%、又は約0%~約50%、又は約0%~約40%、又は 約0%~約30%、又は約0%~約20%、又は約0%~約10%の範囲であることができ、あるいは接触はこれらの範囲内に含まれる範囲であることができる。
【0174】
特定の実施形態において、フロー制御コンポーネント406は、フィルタコンポーネント404に接着されることによってフィルタコンポーネント404に接触することができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406は、フィルタコンポーネント404に(例えば、溶接によって、あるいは、ステッチ又は接着剤のドットもしくは接着剤のラインを使用することによって)取り付けられるか、又は接着されることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406は、フィルタコンポーネント404の少なくとも過半を覆うことができる。
【0175】
フロー制御コンポーネント406a~cがフィルタコンポーネント404の内面領域の一部をカバー/マスキングしていない、又はカバーしているだけであるときに、弛緩状態は、「非マスキング」状態とも呼ばれることがある。幾つかの実施形態において、非マスキング又は弛緩状態において、フロー制御コンポーネント406a及びフィルタコンポーネント404は、支持構造408の要素に対応する領域で互いに接触することができ、すなわち、支持構造408は、フロー制御コンポーネント406a及びフィルタコンポーネント404に摩擦フィッティングを提供し、したがって、支持構造408、フロー制御コンポーネント406a及びフィルタコンポーネント404の間に比較的に緊密なフィットを提供する。支持構造408がフロー制御コンポーネント406aと直接接触しない領域において、フロー制御コンポーネント406aの一部はフィルタコンポーネント404と直接接触してよく、フロー制御コンポーネント406aの一部は、空間401及び距離d、又はその両方によってフィルタコンポーネント404から分離されてよい。
【0176】
例えば、弛緩状態において、フロー制御コンポーネントの外面上の点とフィルタコンポーネントの内面との間の距離dは、0.0~約100mm、約0.001~約100mm、又は約0.002~約95mm、又は約0.003~約90mm、又は約0.004~約85mm、又は約0.005~約80mm、又は約0.006~約75mm、又は約0.007~約70mm、又は約0.008~約65mm、又は約0.009~約60mm、又は約0.01~約55mmの範囲のいずれかであることができる。
【0177】
幾つかの実施形態において、例えば、
図4Cに示されるように、流体流は方向を変える過程にあることがあり、フロー制御コンポーネント406cは弛緩状態のままであり、フロー制御コンポーネント406cの少なくとも一部はフィルタコンポーネント404の内面に接触することができる。フロー制御コンポーネント406cの一部は、弛緩状態にあるときにフィルタコンポーネント404に接触することができるが、弛緩状態ではフロー制御コンポーネント406cとフィルタコンポーネント404との間に圧力は存在しない。
【0178】
幾つかの実施形態において、例えば、
図4Dに示されるように、流体流402dは第二の方向(例えば、通常方向と反対の方向)にあり、フロー制御コンポーネント406dは拡張状態にあり、フロー制御コンポーネント406dの外面は、フィルタコンポーネント404の内面と接触している。第二の流体流402dの第二の方向は、第一の流体流402a~bの第一の方向と反対であることができる。幾つかの実施形態において、流体流402dはリバースエア流であり、流体流402a~cと同じであっても又は異なっていてもよい。幾つかの実施形態において、流体流402dはパルスジェット空気流であってよく、流体流402a~cとは異なっていてよい。幾つかの実施形態において、流体流402dはろ過された流れであり、ろ過されていないために、より多くの粒子を有する流体流402a~cとは組成が異なる。幾つかの実施形態において、流体流402dは、流体流402a~cとは方向が異なる(例えば、反対)。
【0179】
拡張状態は、フロー制御コンポーネント406dが、流体流402dにさらされたフィルタコンポーネント404の内面領域の少なくとも一部をマスキング又はカバーしているので、「マスキング」状態とも呼ばれることもある。フロー制御コンポーネント406は、フィルタコンポーネント404に対して、弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間を切り替えることができる。
【0180】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント406を有するフィルタアセンブリは、流体流にさらされたときに、第一の方向における第一の流れ抵抗と第二の方向における第二の流れ抵抗とを有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる。フロー制御通路又は開口部410の平均サイズ又は数が減少するにつれて、第一の流れ抵抗と第二の流れ抵抗との差が増加し、第二の流れ抵抗は第一の流れ抵抗よりも大きくなる。第一の流れ抵抗と第二の流れ抵抗との間の差の増加は、フロー制御コンポーネントがフィルタコンポーネントの内面のより広い領域をマスキングし、このようにして、流体流にさらされるフィルタコンポーネント404の表面積が減少する結果である。
【0181】
幾つかの例において、第一の流れ抵抗の第二の流れ抵抗に対する比は、0.01%未満~約99%、又は約0.1%~約99%、又は約0.5%~約99%、又は約1%~約99%、又は約2%~約95%、又は約3%~約90%、又は約4%~約85%、又は約5%~約80%、又は約6%~約75%、又は約7%~約70%、又は約8%~約65%、又は約9%~約60%、又は約10%~約55%、又は0.01%未満~約50%、又は約0.1%~約50%、又は約0.5%~約50%の範囲である。
【0182】
実施形態において、フロー制御通路410は、約0.0001~約100,000mm2、又は約0.001~約80,000mm2、約0.01~約60,000mm2、約0.1~約40,000mm2、約1~約30,000mm2、約2~約20,000mm2、約3~約10,000mm2、約4~約8,000mm2、約5~約6,000mm2、約6~約4,000mm2、約7~約2,000mm2、約8~約1,000mm2、約9~約500mm2、約10~約200mm2の平均開口サイズを有する開口部を有することができ、又はこれらの範囲内に含まれる平均開口サイズを有する開口部を有することができる。
【0183】
実施形態において、フロー制御通路410は、0を超えて約10mまで、又は約0.1~約9.5m、又は約0.2~約9.0m、又は約0.3~約8.5m、又は約0.4~約8.0m、又は約0.5~約7.5m、又は約0.6~約7.0m、又は約0.7~約6.5m、又は約0.8~約6.0m、又は 約0.9~約5.5m、又は約1.0~約5.0mの長さを有するスリットを有することができる。
【0184】
幾つかの例において、0.001m/秒を超える第一の速度でフロー制御コンポーネントを第一の方向に通過する流体流は、約33分/m未満、又は約30分/m未満、又は約27分/m未満、又は約24分/m未満、又は約21分/m未満、又は約18分/m未満、又は約15分/m未満、又は約12分/m未満、又は約9分/m未満、又は約6分/m未満の第一の流れ抵抗を受ける。
【0185】
幾つかの例において、0.05m/秒未満の第二の速度でフロー制御コンポーネントを第二の方向に通過する流体流は、約0.08分/mを超える、又は約0.09分/mを超える又は約0.1分/mを超える、又は約0.11分/mを超える、又は約0.12分/mを超える、又は約0.13分/mを超える、又は約0.14分/mを超える、又は約0.15分/mを超える、又は約0.16分/mを超える、又は約0.17分/mを超える第二の流れ抵抗を受ける。
【0186】
図5A~5Bは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリ500の長さに沿った概略断面図である。
図5C~5Dは、本明細書に開示される実施形態による、パルスジェットバッグハウスで使用するための通常流及び反対流におけるフィルタアセンブリ500の概略水平断面図である。フィルタアセンブリ500は、流体流502から粒子をろ過するために使用されうる。
【0187】
幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリ500は、フィルタコンポーネント504、支持構造508及びフィルタコンポーネント504と支持構造508との間に配置されたフロー制御コンポーネント506aを含むことができる。幾つかの例において、フィルタコンポーネント504は、少なくとも部分的に支持構造508を取り囲む。幾つかの実施形態において、例えば、
図5C~5Dに示されるように、フロー制御コンポーネント506の外面の少なくとも一部は、フィルタコンポーネント504の内面と接触している。フロー制御コンポーネント506は、少なくとも1つのフロー制御通路510を含むことができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント506は、複数のフロー制御通路510を含むことができる。複数のフロー制御通路510は、穴、スリット、フラップ、一方向弁又はそれらの組み合わせなどの開口部から選択されうる。開口部は、様々な幾何学的形状(例えば、円形、楕円形、三角形又は矩形)であってよい。
【0188】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント506aは、1つ以上のフロー制御通路510a、1つ以上のフラップ512aを含み、フロー制御コンポーネント506aは、一端が閉じられ、反対端が開いたチューブ状コンポーネントである。あるいは、フロー制御コンポーネントは両端が開いていてよい。フロー制御コンポーネント506aは、支持構造508の上に配置されうる。その後、フィルタコンポーネント504を、支持構造408が最も内側の要素となり、フロー制御コンポーネント506aが支持構造506aとフィルタコンポーネント504との間にあるように、フロー制御コンポーネント506aの上に配置することができる。フロー制御コンポーネント506aは、フィルタコンポーネント504と比較すると、比較的に緩めのフィッティングコンポーネントとすることができる。このようにして、フロー制御コンポーネント506aは、第一の方向又は通常方向で動作するときに、第一の流体流502aの少なくとも一部がフロー制御コンポーネント506aとフィルタコンポーネント504との間を通過して流れることができる。第一の流体流502aの別の部分は、1つ以上のフロー制御通路又は開口部510aを通過して、1つ以上のフラップ512aをフロー制御コンポーネント506aの開位置に開くことができる。第一の流体流502aにさらされるときに、フロー制御コンポーネントは、第一の流体流502aによって加えられる圧力により、支持構造508の支持要素間の空間に「押し込まれる」又は「曲げられる」ことができ、それによってフロー制御コンポーネント506aとフィルタコンポーネント504との間に空間501が形成される。空間501は、例えば、流体流502aの流入圧力、フィルタコンポーネント504と比較したフロー制御コンポーネント506aの相対的な緩み、及び、フロー制御コンポーネント506aの可撓性に応じて可変の距離dとすることができる。
図5Bにおいて、フロー制御コンポーネント506bは、反対方向に動作するときに第二の流体流502bを受け、1つ以上のフラップ512bが閉位置に押され(例えば、閉じたフロー制御通路510bとして示される)、1つ以上のフロー制御通路又は開口部510を通って流れることができる第二の流体流502bの量を制限する。
【0189】
幾つかの実施形態において、例えば、
図5A~5Dに示されるように、フロー制御通路510は1つ以上のフラップ512を含むことができる。フロー制御コンポーネント506は、フロー制御コンポーネントの総面積と比較して約0.01%~約50%、又は約0.02%~約48%、0.03%~約46%、約0.04%~約44%、約0.05%~約42%、約0.06%~約40%、約0.07%~約38%、約0.08%~約36%、約0.09%~約34%、約0.10%~約32%、約0.11%~約30%、約0.12%~約28%の%開口面積を有することができる。本明細書で使用されるときに、%開口面積は、フロー制御コンポーネントの%開口面積によって決定される。%開口面積は、フロー制御コンポーネントの開口部の総開口面積をフロー制御コンポーネントの総面積で割ったものを決定することによって決定することができる。1つ以上の開口部がフラップの形状であるならば、各開口部の面積は、各フラップの材料が存在していないかのようにして決定される。
【0190】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントが、フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.0%~50%の%開口面積を有するときに、第二の流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積は、50%~100%、又は50%~99.99%だけ減少される。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、第一の流れ抵抗と第二の流れ抵抗との間の差が増加する。言い換えると、フロー制御コンポーネント上の%開口面積が小さいほど、第一の流れ抵抗と第二の流れ抵抗との間の差が大きくなる。
【0191】
特定の実施形態において、フロー制御コンポーネント506は、フィルタコンポーネント504の内側領域(例えば、第一の流体流の下流)に配置されうる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント506は、フロー制御コンポーネントのないフィルタコンポーネントと比較して、フィルタコンポーネント504を通る第二の方向502dの全体の流れを50%を超えて減少させることができる。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント506は、フロー制御コンポーネントのないフィルタコンポーネントと比較して、フィルタコンポーネント504を通る第二の方向502dの全体の流れを55%を超えて、又は60%を超えて、又は70%を超えて、又は80%を超えて、又は80%を超えて、又は90%を超えて、又は95%を超えて、又は99%を超えて減少させることができる。
【0192】
フロー制御コンポーネント506の外面上の点とフィルタコンポーネント504の内面との間の距離(d)は、約0~約100mm、又は約0.001~約90mm、又は約0.005~約80mm、又は約0.01~約70mm、又は約0.1~約60mm、又は約0.2~約50mm、又は約0.5~約40mm、又は約1.0~約30mm、又は約2.0~約20mm、又は約3.0~約10mmであり、又はこれらの範囲内に含まれる距離であってもよい。
【0193】
フロー制御コンポーネント506は、フィルタコンポーネント504の内面をマスキング又はカバーして、フロー制御コンポーネントのないフィルタコンポーネントと比較したときに、第二の流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積を約10~約100%、又は約12~約98%、又は約14~約96%、又は約16~約94%、又は約18~約92%、又は約20~約90%、又は約22~約88%、又は約24~約86%、又は約26~約84%、又は約28~約82%だけ減少させることができ、又はこれらの範囲内に含まれる%だけ第二の流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積を減少させることができる。
【0194】
幾つかの実施形態において、例えば、
図5A又は5Cに示されるように、流体流502a又は502cは第一の方向(例えば、通常方向)にあり、1つ以上のフラップ512を含むフロー制御コンポーネント506a又は506cは弛緩した開いた状態にあり、1つ以上のフラップ512は、複数のフロー制御通路510a又は510cをカバーしない。フロー制御通路510a又は510cを第一の速度で通過する流体流502a又は502cは第一の流れ抵抗を受ける。幾つかの実施形態において、第一の流体流は、0.1メートル/分(m/分)~5m/分の範囲の速度でフィルタアセンブリを通って流れる。他の実施形態において、第一の流体流は、0.2m/分~4m/分、又は0.25m/分~3.5m/分、又は0.25m/分~3m/分、又は0.3m/分~3m/分、又は0.3m/分~2.5m/分、又は0.25m/分~2.5m/分、又は0.25m/分~2.4m/分の範囲の速度でフィルタアセンブリを通って流れる。
【0195】
幾つかの実施形態において、例えば、
図5B又は5Dに示されるように、流体流502b又は502dは第二の方向(例えば、通常方向と反対の方向)にあり、フロー制御コンポーネント506b又は506dはマスクされて閉じた状態にあり、1つ以上のフラップ512は複数のフロー制御通路510b及び510dの少なくとも一部をカバーしている。フロー制御コンポーネント506が流体透過性である幾つかの実施形態において、流体流502b又は502dは、第二の流速で第二の方向にフロー制御コンポーネント506b又は506dを通過し、第一の方向よりも低い速度である流速で第二の流れ抵抗を受ける。フロー制御コンポーネント506が流体不透過性である幾つかの実施形態において、流体流502b又は502dは、フロー制御コンポーネント506bのようにはフロー制御通路510b又は510dを通過せず、流体流が第二の方向に流れているときに閉状態にある。
【0196】
幾つかの実施形態において、第一の流れ抵抗は第二の流れ抵抗とは異なる。例示的な実施形態において、第一の流れ抵抗は第二の流れ抵抗よりも小さい。
【0197】
図3~
図5によるフロー制御コンポーネントを含むフィルタアセンブリは、第二の流体流にさらされるフィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、フィルタコンポーネントを通って流れる第二の流体流の量を調節することができる。幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリが第二の方向で第二の流体流にさらされるときに、フィルタアセンブリ内の圧力は、フロー制御コンポーネントなしでの同じ第二の流体流と比較して増加される。さらなる実施形態において、フィルタアセンブリが第二の方向で第二の流体流にさらされるときに、フロー制御コンポーネントは、フィルタアセンブリを通って流れる第二の流体流の流れを減少させ、それによってフィルタアセンブリ内の圧力を増加させることができる。本明細書で使用されるときに、「フィルタアセンブリ内(の内部)」という語句は、流体流が第一の方向にあるときのフィルタアセンブリの下流側を意味する。また、フィルタアセンブリ内の圧力の増加は、フィルタアセンブリがフロー制御コンポーネントを含まないときの、同じ第二の流体流圧力下の同じフィルタアセンブリと比較したものである。本明細書で使用されるように、フィルタアセンブリ内の圧力の増加は、1つ以上の方法で測定することができる。例えば、フィルタアセンブリの長手方向軸に沿って比較的均一に間隔を開けた少なくとも3つのセンサは、フィルタアセンブリの長さに沿った圧力を測定することができる。圧力の増加は、圧力曲線の下の面積の差として表すことができる(すなわち、
図10)。他の実施形態において、圧力の増加は、フィルタアセンブリの長手軸に沿った少なくとも1つの圧力測定値が、フロー制御コンポーネントのないフィルタアセンブリの圧力測定値と比較して増加することを測定することができる(すなわち、
図9A、9B又は9C)。さらに別の実施形態において、圧力の増加は、フィルタアセンブリの長手方向軸に沿った少なくとも3点での圧力の差異を比較したときに、
図10に示されるように、フロー制御コンポーネントなしの同じフィルタアセンブリと比較してより均一である、すなわち、例6vsフロー制御コンポーネントなしの比較例。
【0198】
図6A~6Bは、本開示の実施形態による、リバースエアフィルタに使用される例示的なフィルタアセンブリ600の概略断面図である。
【0199】
フィルタアセンブリ600は、流体流602から粒子をろ過するために使用されうる。幾つかの実施形態において、フィルタアセンブリ600は、フィルタコンポーネント604、支持構造608、フィルタコンポーネント604の順方向での下流で、フィルタコンポーネント604と支持構造608との両方の外側に配置されたフロー制御コンポーネント606を含むことができる。支持構造608は、複数の支持リングであることができる。流体流602から収集された粒子は、フィルタコンポーネント604の内部にダストケーキ28を形成することができる。
【0200】
幾つかの例において、フィルタコンポーネント604は、支持構造608を少なくとも部分的に取り囲む。幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネント606は、フロー制御通路を含むことができる。フロー制御通路は、開口部(例えば、
図4を参照されたい)、フラップ(例えば、
図5を参照されたい)、又は一方向弁のいずれかを含むことができる。
【0201】
幾つかの実施形態において、フロー制御コンポーネントは、多孔質又は非孔質シート状材料の1つ以上の個々のタブを含むことができる。個々のタブは、各個々のタブの一部分のみがフィルタコンポーネントに取り付けられるように、フィルタコンポーネント(302a、404、504)の内側部分に取り付けられることができる。取り付け部分は、第一の方向の流れの間に、個々のタブの非取り付け部分が自由に移動することができる、例えば、タブが流れを妨げないようにフィルタコンポーネントから離れるように動くことができるように配向されている。流れが第二の方向にあるときに、タブはフィルタコンポーネントに向かって移動し、流体の外向きの流れを妨げることができる。例えば、垂直方向に配向されたフィルタアセンブリにおいて、清浄化流体流がフィルタアセンブリにアセンブリの上部から入り、下方に流れ、個々のタブは、それぞれの個々のタブの上部にのみ取り付けられていることができる。流体が第一の方向に流れるときに、個々のタブの取り付けられていない部分は、流体流から離れるように動くことができる。第二の方向において、個々のタブの取り付けられていない部分はフィルタコンポーネントと接触するように押され、第二の方向に移動する流体が個々のタブでフィルタアセンブリの外に出ることを許容しない。
【0202】
個々のタブの数は、フィルタアセンブリのサイズ、個々のタブのサイズ及び第二の方向の所望の流体流量/圧力に依存することができる。一般に、個々のタブが大きくなるほど、必要な個々のタブの数は少なくなる。幾つかの実施形態において、個々のタブは、フィルタコンポーネントの内側部分の面積の少なくとも50%を覆うように、いずれのパターンで配置されてもよい。他の実施形態において、個々のタブは、フィルタコンポーネントの内側部分の少なくとも60%、又は70%、又は80%、又は90%、又は95%、又は97%、又は98%、又は99%を覆うように配置されうる。
【0203】
別の実施形態において、フロー制御コンポーネントは1つ以上のリボンを含むことができる。リボンは、任意のパターン、例えば、垂直方向、水平方向、すなわち、フィルタコンポーネントの長さに沿って周方向又はらせん状に巻かれるように配向されうる。例えば、リボンが垂直方向に配向されているときに、1つのリボンと隣接する各リボンとの間の間隔は、前述したスリットとして機能することができる。同様に、リボンが周方向に配向されているときに、各リボン間の間隔は、前述のようにスリットとして機能することができる。同様に、リボンはフィルタコンポーネントの内側部分の周りにらせん状に巻かれ、らせんの各隣接する巻回の間の間隔は上述のようにスリットとして機能することができる。幾つかの実施形態において、リボンは、フィルタコンポーネントの内側部分の面積の少なくとも50%を覆うように配置されうる。他の実施形態において、リボンは、フィルタコンポーネントの内側部分の少なくとも60%、又は70%、又は80%、又は90%、又は95%、又は97%、又は98%、又は99%を覆うように配置されうる。
【0204】
本開示はまた、入口及び出口を有するハウジングと、入口と出口との間でハウジング内に配置されたチューブシートと、本明細書に記載される1つ以上のフィルタアセンブリとを含むバッグハウスフィルタシステムにも関する。
【0205】
本開示は、バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法にも関し、この方法は、チューブシートに取り付けられた、1つ以上の本明細書に記載されたフィルタアセンブリを通して、0.20~760kPaの圧力で清浄化流体(すなわち、第二の流体流)を提供することを含み、それによってフロー制御コンポーネントの拡張を引き起こし、前記拡張は清浄化パルスに応答してフィルタコンポーネントに機械的圧力を加えそして放散させ、それによってフィルタコンポーネントの清浄化を誘発する。幾つかの実施形態において、バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法は、約0.20kPa~約1kPa、又は約0.25kPa~約1kPa、又は約0.3kPa~約1kPa、又は約0.4kPa~約1kPa、又は約0.4kPa~約0.9kPa、又は約0.25kPa~約0.9kPa、又は約0.3kPa~約0.9kPa、又は約0.4kPa~約0.9kPa、又は約0.4kPa~約0.85kPaの圧力で、チューブシートに取り付けられた1つ以上のフィルタアセンブリ(例えば、
図3~
図5に記載のフィルタアセンブリ)を通してリバースエアを提供し、それによってフロー制御コンポーネントの拡張を引き起こすことを含む。特定の実施形態において、バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法は、約1~約760kPa、又は約10~約760kPa、又は約50~約760kPa、又は約70~約750kPa、又は約70~約700kPa、又は約100~約700kPa、又は約125~約700kPa、又は約150~約700kPa、又は約170kPa~ ~約700kPa、又は約170~約650kPaの圧力で1つ以上のフィルタアセンブリを通して脈動する第二の流体流を提供することを含み、又は、これらの範囲内に含まれる圧力で脈動することができる。
【0206】
幾つかの実施形態において、チューブシート(例えば、
図1のチューブシート)は、1つ以上のフィルタアセンブリを取り付けるための1つ以上の開口部を含むことができる。幾つかの実施形態において、バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法は、1つ以上のフィルタアセンブリ(例えば、
図6に記載のフィルタアセンブリ)を通るリバースエア流を提供することを含む。
【0207】
実施形態において、拡張は、清浄化パルスに応答してフィルタコンポーネントに機械的圧力を加えそして放散させ、それによってフィルタコンポーネントの清浄化を誘発させる。
【0208】
試験方法
特定の方法及び装置を以下に説明するが、当業者によって適切と判断される他の方法又は装置を代替的に利用できることを理解されたい。
【0209】
小サンプルの測定
ISO 11057規格に記載されているとおりの装置を、直径140mmのサンプルの小サンプル測定に使用した。この装置を差圧測定に使用し、ISO 11057規格に記載されている設定を使用してバックパルス中に生成される圧力の指標を提供することができる。差圧測定において面速度が2m/分になるように圧力を調整した。空気透過性は、差圧あたりの面速度としてm/(分*Pa)の単位で報告される。バックパルスを60ミリ秒間、0.5MPaに設定した。バックパルスの間の圧力は、バックパルスの有効性を評価するためにフィルタアセンブリのすぐ下流に配置された追加の圧力トランスデューサ、モデル番号MMCG001BIV10K4A0T1A1(コネチカット州ノーウォークのOmega Engineeringから入手可能)によって測定された。圧力トランスデューサは範囲の下限が-7kPaであり、範囲の上限が7kPaであった。
【0210】
バッグハウス測定
実際のフィルタアセンブリの測定は、実験室規模のバッグハウス内で行った。このバッグハウスは、直径117mm、長さ2.4mのバッグを9個収容することができ、バッグを通過する合計空気流は85~340m
3/hrであった。空気流を160S-18PM「S」型ピトー管(インディアナ州ミシガンのDwyer Instrumentsから入手可能)によって測定し、圧力損失はマグネヘリック圧力トランスデューサ(インディアナ州ミシガンのDwyer Instrumentsから入手可能)によって圧力損失測定用のバッグの上流及び下流で測定した。空気透過性は、差圧あたりの面速度としてm/(分*Pa)の単位で報告される。バッグハウスにはバッグパルスシステムが装備されており、3つのバッグからなる3つのグループを同時にバックパルスした。バッグの上部開口部にある直径12.7mmのオリフィスノズルを通してバックパルスを導入した。パルスの圧力及び持続時間は、Goyen T シリーズスレッドバックパルス制御システム(ミネソタ州セントポール、Pentair Goyen Mecair) によって制御した。ノズルの位置は、バックパルス流の望ましい体積に基づいて調整した。1つのバッグには、
図2Aに示すように、バッグの長さの内側に部品番号SSCDRRN005PDAA5(ノースカロライナ州シャーロットのHoneywell Internationalから入手可能)の4つの追加の圧力トランスデューサが装備されていた。圧力センサの位置は、それぞれバッグの上部開口部から0.4、1.0、1.6、2.2mであった。これらの圧力センサは、フィルタアセンブリの長さに沿った圧力分布を測定するために使用した。すべての実験において、特定のフィルタアセンブリの流量及び圧力を正確に測定するために、バッグハウス内で9つのフィルタアセンブリではなく、1つのフィルタアセンブリのみを使用した。これらの測定データは、Dataq Instruments データ ロガーモデルDI-2108を使用して取得した。
【0211】
流れ抵抗
流れ抵抗は、空気透過率の逆数として測定された。流動抵抗の値は、式「流れ抵抗=1/空気透過率」を使用して計算でき、空気透過率は上記の小サンプル測定テストで提供されるものとして測定されるときに、単位は(分*Pa)/mになる。
【0212】
ポリエステルフィルタバッグの製造
【0213】
542グラム/メートル2(gsm)(16オンス/ヤード2)のポリエステルフェルト(部品番号R4417 PE-16/G-FPES、サウスカロライナ州オーガスタのSouthern Felt Companyから入手可能)の矩形部分を切断して、長さ2.5m、直径約11.7センチメートル(4.6インチ)のフィルタバッグを製造した。フィルタバッグは、矩形材料をチューブ形状に縫製することにより作製した。上下の袖口をチューブに縫い付けた。スナップバンドを上部の袖口に追加してフィルタバッグを作成した。
【0214】
支持構造
【0215】
支持構造は、ノースカロライナ州シャーロットのRoyal Wire Products, Inc.によって製造された、長さ2,438ミリメートル(mm)及び直径幅約114.3mm(4.5インチ)を有するスチールワイヤフィルタバッグケージであった。各ケージは、長手方向に配向されほぼ等間隔に配置された16本のワイヤと、水平方向に配向されほぼ等間隔に配置された12本のワイヤを有してケージを形成する。各支持構造の上部は、幅寸法よりわずかに幅が広く、ベンチュリが取り付けられたロールフランジであった。ベンチュリは、13.3cm×15.2cmの寸法を有し、最小スロート直径は4.52cm(5.25インチ×6.00インチ、最小スロート直径は1 25/32インチ)であった。
【0216】
フロー制御コンポーネント#1の調製
【0217】
重量50グラム/メートル2(gsm)及び密度2.0グラム/立方センチメートル3 (g/cc)を有するペルフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)/ePTFE複合フィルムの矩形セクションを切り出し、長さ2.5m及び直径約119mm(±3mm)を有するチューブを製造した。矩形セクションを約406mm(±6mm)の幅を有するように切断し、次いで長さ方向に半分に折り畳んだ。次に、折り畳まれた端を約16mm(±1mm)のシールアローアンスでヒートシールした。9.5ミリメートル(mm)の直径を有する円形の穴を、9.5mmのダイパンチを使用して約230開口部/平方メートル(約1.64%の開口面積)の頻度で穴を打ち抜くことによって作製した。フィルムを熱接着して、長さ方向に延在するシームを有するチューブを製造した。フロー制御コンポーネントは、支持構造及びフィルタバッグと比較してわずかにオーバーサイズであった。
【0218】
フロー制御コンポーネント#2の調製
【0219】
重量50gsm及び密度2.0g/ccを有するPFA/ePTFE複合フィルムの矩形セクションを切り出し、長さ2.5m及び直径約119mm(±3mm)を有するチューブを製造した。矩形セクションを約406mm(±6mm)の幅を有するように切断し、次いで長さ方向に半分に折り畳んだ。次に、折り畳まれた端を約16mm(±1mm)のシームアローアンスでヒートシールした。直径9.5ミリメートル(mm)を有する円形の穴は、9.5mmのダイパンチを用いて約216開口部/平方メートル(約1.54%の開口面積)の頻度で穴を打ち抜くことによって作製した。フィルムを熱接着して、長さ方向に延在するシームを有するチューブを製造した。フロー制御コンポーネントは、支持構造及びフィルタバッグと比較してわずかにオーバーサイズであった。
【実施例0220】
例
例1(比較)
バッグハウスをシミュレートするために、ポリエステルフィルタバッグを
図2A及び2Bに記載されるように支持構造上に取り付けた。バックパルスノズルを、低圧かつ高体積パルスを発生させるために、フィルタバッグの開口部の15cm上の距離に調整した。バックパルスは、250ミリ秒間の持続時間172kPa(25psi)の圧力からなった。上記の実験室規模のバッグハウス内で、バッグの上部開口部から0.4、1.0、1.6及び2.2mの距離にある4つの圧力計によってデータを測定した。
図7は、フィルタアセンブリ内の4つの異なる位置で測定された圧力を示しており、フィルタアセンブリの長手方向に沿った4つの圧力計の位置にほぼ対応している。従来技術によるこの実施形態で測定された圧力は、各位置で比較的に低かった。
【0221】
例2
図4A~
図4Dに示されるようなバッグハウスをシミュレートするために、フロー制御コンポーネント#1を支持構造に取り付け、次いでポリエステルフィルタバッグに取り付けた。低圧かつ高体積パルスを発生させるために、バックパルスノズルをバッグ開口部の15cm上に調整した。バックパルスは、250ミリ秒間の持続時間172kPa(25psi)の圧力からなった。
図8に示されるように、この実施形態で測定された圧力は、
図7の従来技術と比較して各位置で高かった。
【0222】
例3
この例のデータは、上述のように実験室規模バッグハウスを使用して測定された。ポリエステルフィルタバッグを支持構造に取り付けた。バックパルスノズルをフィルタバッグの開口部に配置した。テスト1(
図9A)では、207kPa(30psi)のパルスを使用した。テスト2(
図9B)では、414kPa(60psi)のパルスを使用した。テスト3(
図9C)では、620kPa(90psi)のパルスを使用した。これらの各パルスの持続時間は100ミリ秒であった。各テストにおいて、フィルタアセンブリの開口部から1.6mの位置にある第三の圧力トランスデューサのみがアクティブであった。
【0223】
次に、フロー制御コンポーネント#2を支持構造に取り付け、次いでポリエステルフィルタバッグに取り付けて、実験を繰り返した。次に、フロー制御コンポーネントを所定の位置に備えたこのフィルタアセンブリを、上で使用したのと同じ207、414及び620kPa及び100ミリ秒の持続時間で試験し、結果をそれぞれ
図9A、9B及び9Cにプロットした。これらの各テストにおいて、フィルタアセンブリの開口部から1.6mの位置にある第三の圧力トランスデューサのみがアクティブであった。
【0224】
上記の各試験の結果を
図9A~Cにプロットし、フィルタアセンブリの長さに沿って第三の圧力トランスデューサの位置で測定された圧力(kPa)vs時間を示す。
図9A~Cの結果は、フロー制御コンポーネントを含むフィルタアセンブリ内で測定された圧力が、フロー制御コンポーネントを含まない従来技術のフィルタアセンブリと比較してはるかに高いことを示している。
【0225】
例4
例4では、上述した小サンプル測定及び流れ抵抗法を使用して、様々なフィルタアセンブリについて、順方向及び反対方向の流れ抵抗及びバックパルス中の圧力を測定した。その結果を表1に示す。測定上限7kPaのOmega圧力センサを使用した。
【0226】
サンプル1(比較)は、542gsm(16オンス/平方ヤード)の重量を有するポリエステルフェルト材料であった(サウスカロライナ州オーガスタのSouthern Felt Companyから入手可能)。直径140mmの円形サンプルをポリエステルフェルトのバルクサンプルから切り出した。
【0227】
サンプル2は、ポリエステルフェルトの下流側に配置された重量50gsm及び密度2.0g/ccを有するPFA/ePTFE複合フィルムから作製された140mm円形フロー制御コンポーネントを含む、サンプル1の140mm円形ポリエステルフェルトであった。フロー制御コンポーネントには、開口部直径サイズが15.875mmの単一の円形の穴を有した。フロー制御コンポーネントをフィルタコンポーネントの下流に配置した。
【0228】
サンプル3(比較)は、多孔質膜を含む高耐久性フィルタアセンブリ(メリーランド州エルクトンのW.L.Gore&Associatesから入手可能)であるGORE(登録商標)フィルタバッグ4427であった。直径140mmの円形サンプルをGORE(登録商標)フィルタバッグ4427のバルクサンプルから切り出した。
【0229】
サンプル4は、サンプル3について説明したのと同じGORE(登録商標)フィルタバッグ4427であったが、重量50gsm及び密度2.0g/ccを有するPFA/ePTFE複合フィルムから作られ、高耐久フィルタアセンブリの下流側に配置されたフロー制御コンポーネントを含んだ。フロー制御コンポーネントは、直径15.875mmの単一の円形の穴を有した。
【0230】
サンプル5(比較)は、GORE(登録商標)LOW DRAGフィルタバッグ4470(メリーランド州エルクトンのW.L.Gore&Associatesから入手可能)であった。直径140mmの円形サンプルをGORE(登録商標)LOW DRAGフィルタバッグ4470のバルクサンプルから切り出した。
【0231】
サンプル6は、同じGORE(登録商標)LOW DRAGフィルタバッグ4470低抵抗フィルタアセンブリであったが、50gsmの重量及び2.0g/ccの密度を有するPFA/ePTFE複合フィルムから作られ、ゴア高耐久性フィルタアセンブリの下流側に配置されたフロー制御コンポーネントを含んだ。フロー制御コンポーネントは、直径 15.875mmの単一の円形の穴を有した。
【0232】
各サンプルを、小サンプル測定装置を使用して、順方向(すなわち、通常又は順方向)及び反対(すなわち、第二の)方向の流れ抵抗(分*Pa/m)について試験した。表1は順方向の流れ抵抗及び反対方向の流れ抵抗を示す。フロー制御コンポーネントを有するサンプル(2、4及び6)は、フロー制御コンポーネントを有しない比較サンプル(1、3及び5)と比較すると、第二の方向の流れに対してはるかに高い抵抗を生成することが分かる。この効果により、3つのアセンブリすべてでバックパルス中の圧力が大幅に上昇した。
【表1】
【0233】
例5
フィルタアセンブリ7~15を製造した。フィルタアセンブリ11は、フロー制御コンポーネントを含まずに、上述のポリエステルフィルタバッグ及び支持構造を使用して作製された比較フィルタアセンブリであった。フィルタアセンブリ7~10及び12~15は、支持構造の上に配置され、次いでポリエステルフィルタバッグに配置されたフロー制御コンポーネントをさらに含んだ。フロー制御コンポーネントのそれぞれは、フロー制御コンポーネント#1及び#2について上述したのと同じ方法で同じフィルムを使用して作製されたが、直径9.5mm及び異なる%開口面積を有するフロー制御コンポーネントを形成する頻度(数)を有する円形開口部を有した。ただし、フロー制御コンポーネント12には開口部がなかった。フロー制御コンポーネントの開口頻度は以下のとおりである。
フロー制御コンポーネント7-開口頻度122開口/m2、
フロー制御コンポーネント8-開口頻度149開口/m2、
フロー制御コンポーネント9-開口頻度176開口/m2、
フロー制御コンポーネント10-開口頻度230開口/m2、
フロー制御コンポーネント13-開口頻度108開口/m2、
フロー制御コンポーネント14-開口頻度216開口/m2、
フロー制御コンポーネント15-開口頻度324開口/m2、
フロー制御コンポーネント16-開口頻度446開口/m2。
【0234】
各フィルタアセンブリ7~10及び比較例11について、通常動作中(すなわち、第一の方向)の流れ抵抗及び面速度は、上述のバッグハウス測定手順を使用して測定された。面速度及び流れ抵抗のデータを表2に要約する。分*Pa/m単位の流れ抵抗を、一定のファン速度で通常方向(第一の方向)で測定し、その結果、異なるサンプルごとに異なる面速度が得られた。
【0235】
フィルタアセンブリ12~16及び比較例11のそれぞれについて、207kPa、414kPa及び620kPaのパルスジェット圧力(すなわち、第二の方向)を使用して、第三のセンサ位置(1.6m)で圧力データを測定した。圧力は、バックパルス中にバッグの長さに沿った第三の圧力センサの位置(1.6m)で測定した。
【表2】
【表3】
【0236】
2つの表が示すように、フロー制御コンポーネントは、順方向の流れ方向に低い追加の流れ抵抗を加え、反対方向の流れ抵抗を大幅に増加させた。この効果により、すべてのアセンブリのバックパルス中の圧力が大幅に上昇した。
【0237】
例6
例6は、2つのフィルタアセンブリにおいて、フィルタアセンブリの長手方向軸に沿った様々な深さでパルス圧力を測定した。フロー制御コンポーネントを含まない比較例は、GORE(登録商標)フィルタバッグ4427であり、本例は、同じGORE(登録商標)フィルタバッグ4427に、重量50gsm及び密度2.0g/ccを有するPFA/ePTFE複合フィルムから作られたフロー制御コンポーネントを追加したものであった。フィルムは9.525mm(3/8インチ)の開口部を有し、開口面積3.92%で開口頻度549/m
2であった。これらのフィルタアセンブリは、バックパルスが12.7mmのオリフィスの代わりに6.35mmの直径を有するオリフィスノズルを通して導入されたことを除いて、上記の小バッグハウス試験手順を使用して試験された。フロー制御コンポーネントを使用した例では482kPa(70psi)、フロー制御コンポーネントを使用しない比較例では682kPa(90psi)のバックパルス圧力を使用して、1.6mに位置するセンサで同様の圧力に到達させようと試みた。
図10は、本明細書に開示される実施形態による、比較フィルタアセンブリvsフロー制御コンポーネントを含むフィルタアセンブリの様々な位置で測定された圧力(KPa)の比較を示す線グラフである。y軸は圧力を示し、x軸はフィルタアセンブリの下で測定された長さを示す。この例から、フロー制御コンポーネントを含む例は、比較例と比較したときに、より低いバックパルス圧力を使用したにもかかわらず、フィルタアセンブリの長手方向軸に沿ってより高くより均一な圧力を生成したことが分かる。
【0238】
ライン1002で示されるように、本明細書に開示される実施形態によるフィルタアセンブリは、ライン1004で示される従来技術と比較して、フィルタアセンブリの長さに沿ってより均一な圧力分布を有する。したがって、フロー制御コンポーネントの使用はフィルタアセンブリの入口でのピーク圧力を高め、フィルタアセンブリの出口での圧力も増加させて、フィルタアセンブリの長さに沿ってより均一な圧力分布を可能にし、そのようにして、より効率的な清浄化を可能にする。
【0239】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上で説明された。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関して上で説明された。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
粒子をろ過するためのフィルタアセンブリであって、
フィルタコンポーネント、及び、
フロー制御コンポーネント、
を含み、
前記フィルタアセンブリは、第一の流体流にさらされたときに第一の方向に第一の流れ抵抗を有し、第二の流体流にさらされたときに第二の方向に第二の流れ抵抗を有する、方向依存性流れ抵抗を有することができる、フィルタアセンブリ。
(態様2)
前記第一の流体流及び前記第二の流体流は同じであるか又は異なる、態様1記載のフィルタアセンブリ。
(態様3)
前記第一の流体流は粒子を含むガス流である、態様1又は2記載のフィルタアセンブリ。
(態様4)
前記第二の流体流は圧力が0.20~760kPaである、態様1~3のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様5)
前記第一の流れ抵抗の前記第二の流れ抵抗に対する比は、0.01%未満~99%の範囲である、態様1~4のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様6)
前記フロー制御コンポーネントは、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、前記フィルタコンポーネントを通って流れる前記第二の流体流の量を調節することができる、態様1~5のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様7)
前記フィルタアセンブリが前記第二の方向で前記第二の流体流にさらされるときに、前記フィルタアセンブリ内の圧力は、前記フロー制御コンポーネントなしでの同じ第二の流体流と比較して増加される、態様1~6のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様8)
前記フロー制御コンポーネントは、前記第一の流体流の第一の方向に対して前記フィルタコンポーネントの下流に配置されている、態様1~7のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様9)
前記フロー制御コンポーネントは、前記フィルタコンポーネントに対して弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間で切り替わる、態様1~8のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様10)
前記フロー制御コンポーネントは拡張マスキング状態にあり、前記フロー制御コンポーネントのフロー制御表面の少なくとも一部は前記フィルタコンポーネントの表面と接触している、態様9記載のフィルタアセンブリ。
(態様11)
前記フロー制御コンポーネントは複数のフロー制御通路を含む、態様1~10のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様12)
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、態様11記載のフィルタアセンブリ。
(態様13)
前記フロー制御通路は、平均サイズが0.0001~100,000mm
2
の開口部を含む、態様11又は12記載のフィルタアセンブリ。
(態様14)
前記フロー制御コンポーネントは、開状態又は閉状態になることができる少なくとも1つのフロー制御通路を含む、態様1~13のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様15)
前記少なくとも1つのフロー制御通路はフラップを含む、態様14記載のフィルタアセンブリ。
(態様16)
前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に第一の速度で通過する前記第一の流体流は第一の流れ抵抗を受け、前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に第二の速度で通過する前記第二の流体流は第二の流れ抵抗を受け、そして前記第一の流れ抵抗は前記第二の流れ抵抗とは異なる、態様1~15のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様17)
前記第二の流れ抵抗は前記第一の流れ抵抗よりも大きい、態様1~16のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様18)
前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に通過する前記第一の流体流は、4,000(分×Pa)/m未満の第一の流れ抵抗を受ける、態様1~17のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様19)
前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に通過する前記第二の流体流は、10(分×Pa)/mを超える第二の流れ抵抗を受ける、態様1~18のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様20)
前記フィルタアセンブリは清浄化可能である、態様1~19のいずれ1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様21)
前記フロー制御コンポーネントはシート状材料を含み、前記シート状材料は多孔質シート状材料、非孔質シート状材料又はそれらの組み合わせを含む、態様1~20のいずれか1項記載のフィルタアセンブリ。
(態様22)
前記シート状材料は、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するために緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、態様21記載のフィルタアセンブリ。
(態様23)
前記シート状材料は、16.5(分×Pa)/mより大きい流れ抵抗を有する、態様21又は22記載のフィルタアセンブリ。
(態様24)
バッグハウスフィルタシステムを清浄化する方法であって、
チューブシートに取り付けられた、1つ以上の態様1~23のいずれか1項記載のフィルタアセンブリを通して0.20~760kPaの圧力で清浄化流体流を提供し、それによってフロー制御コンポーネントの拡張を引き起こすことを含み、
前記拡張は、清浄化パルスに応答してフィルタコンポーネントに機械的圧力を加えて放散させ、それによってフィルタコンポーネントの清浄化を誘発する、方法。
(態様25)
フィルタアセンブリで使用するためのフロー制御コンポーネントであって、
1つ以上のフロー制御通路を含み、
前記フィルタアセンブリは、流体流にさらされたときに、第一の方向に第一の流れ抵抗と、第二の方向に第二の流れ抵抗とを有する方向依存性流れ抵抗を有することができる、フロー制御コンポーネント。
(態様26)
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、態様25記載のフロー制御コンポーネント。
(態様27)
前記フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、態様26記載のフロー制御コンポーネント。
(態様28)
前記フロー制御通路は、0.0001~100,000mm
2
の平均サイズを有する開口部を含む、態様25~27のいずれか1項記載のフロー制御コンポーネント。
(態様29)
前記開口部の平均サイズが減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、態様28記載のフロー制御コンポーネント。
(態様30)
前記1つ以上のフロー制御通路は開状態又は閉状態になりうるように1つ以上のフラップをさらに含む、態様28又は29記載のフロー制御コンポーネント。
前記フロー制御コンポーネントは、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、前記フィルタコンポーネントを通って流れる前記第二の流体流の量を調節する、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記シート状材料は、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するために緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フロー制御コンポーネントは、前記第二の流体流にさらされる前記フィルタコンポーネントの表面積を変更することによって、前記フィルタコンポーネントを通って流れる前記第二の流体流の量を調節する、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フィルタアセンブリの前記フロー制御コンポーネントは、前記第二の方向に流れる前記第二の流体流の圧力を増加させるように構成されている、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フロー制御コンポーネントは、前記フィルタコンポーネントに対して弛緩非マスキング状態と拡張マスキング状態との間で切り替わるように構成されている、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フロー制御コンポーネントは拡張マスキング状態にあるときに、前記フロー制御コンポーネントのフロー制御表面の少なくとも一部は前記フィルタコンポーネントの表面と接触している、請求項8記載のフィルタアセンブリ。
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総表面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、請求項10記載のフィルタアセンブリ。
前記フィルタアセンブリを前記第一の方向に通過する前記第一の流体流は、4,000(分×Pa)/m未満の第一の流れ抵抗を受ける、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フィルタアセンブリを前記第二の方向に通過する前記第二の流体流は、10(分×Pa)/mを超える第二の流れ抵抗を受ける、請求項15記載のフィルタアセンブリ。
前記シート状材料は、シリコーン、シリコーンエラストマー、フルオロカーボン、フルオロカーボンエラストマー、細孔の少なくとも一部を除去するために緻密化又は充填された微孔質ポリマー、ポリアクリレート、エチレン(メタ)アクリルコポリマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、微孔質ポリマー(前記ポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、延伸PTFE、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アクリレートコポリマーである)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1記載のフィルタアセンブリ。
前記フロー制御コンポーネントは、前記フロー制御コンポーネントの総面積と比較して0.01%~50%の%開口面積を有する、請求項21記載のフロー制御コンポーネント。
前記フロー制御コンポーネントの%開口面積が減少するにつれて、前記第一の流れ抵抗と前記第二の流れ抵抗との間の差が増加する、請求項22記載のフロー制御コンポーネント。