(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021124
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】タンクローリ
(51)【国際特許分類】
B60P 3/22 20060101AFI20240208BHJP
B60R 19/56 20060101ALI20240208BHJP
B65D 88/12 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B60P3/22 C
B60R19/56
B65D88/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123729
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】中井 勝章
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA07
3E170AB29
3E170BA10
3E170GB04
3E170GB08
3E170GB13
3E170QA03
3E170RA20
3E170VA16
3E170VA20
(57)【要約】
【課題】巻込防止装置の構成を簡素化できるタンクローリを提供すること。
【解決手段】巻込防止装置20は、複数の取付部21と、1以上の保護部22とを備える。複数の取付部21は、シャシフレーム12側から左右方向外側へ延びて互いに前後方向に離隔して配置される。保護部22は、それら複数の取付部21を連結し、取出配管40に対し前後方向両側へ延びて取出配管40よりも左右方向外側に配置される。取出配管40の先端の吐出口42が最も上側の保護部22よりも上方に位置する。これにより、吐出口42の位置で巻込防止装置20の保護部22に切り欠きが無くても、左右方向外側から吐出口42に地上側の配管などを接続できる。よって、保護部22に切り欠きを設ける場合と比べて巻込防止装置20の構成を簡素化できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輪により支持されるシャシフレームと、
そのシャシフレームの上に支持されるタンクと、
前記シャシフレームの左右方向外側に配置されて前記タンクの内部の積載物を先端の吐出口から外部へ吐出する取出配管と、
前記シャシフレームに支持される巻込防止装置と、を備え、
その巻込防止装置は、前記シャシフレーム側から左右方向外側へ延びて互いに前後方向に離隔して配置される複数の取付部と、
それら複数の取付部を連結し、前記取出配管に対し前後方向両側へ延びて前記取出配管よりも左右方向外側に配置される1以上の保護部と、を備え、
最も上側の前記保護部よりも上方に前記吐出口が位置することを特徴とするタンクローリ。
【請求項2】
前記保護部よりも左右方向内側に位置して前記取出配管が収容される箱体を備え、
その箱体は、左右方向外側の面に設けた開口部が扉により開閉され、
その開口部は、最も上側の前記保護部よりも上方に位置することを特徴とする請求項1記載のタンクローリ。
【請求項3】
前記扉は、前後方向に延びる回転軸を中心に前記箱体の下方へ回動して開くことを特徴とする請求項2記載のタンクローリ。
【請求項4】
前記扉は、前後方向視において前記回転軸を中心とした円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のタンクローリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリに関し、特に巻込防止装置の内側に取出配管が配置される場合の巻込防止装置の構成を簡素化できるタンクローリに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクローリは、複数の車輪で支持されるシャシフレームの上にタンクが支持された車両である。特許文献1に開示されたタンクローリは、車両側面に取出配管が配置され、その取出配管の先端の吐出口からタンクの内部の積載物が外部へ吐出される。
【0003】
更に、タンクローリには、他の車両や歩行者などを車輪(特に後輪)に巻き込まれ難くするための巻込防止装置を車両側面に装着する必要がある。巻込防止装置は、シャシフレーム側から左右方向外側へ延びた複数の取付部と、それら複数の取付部を連結するように前後方向に延びた保護部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたタンクローリでは、巻込防止装置の保護部の高さと吐出口の高さとが略同一であるため、吐出口に地上側の配管などを接続できるよう、吐出口の位置で巻込防止装置の保護部を切り欠く(分断する)必要があった。しかし、この切り欠きを不要にして巻込防止装置の構成を簡素化することが求められている。
【0006】
本発明は上述した要求を満たすためになされたものであり、巻込防止装置の構成を簡素化できるタンクローリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のタンクローリは、複数の車輪により支持されるシャシフレームと、そのシャシフレームの上に支持されるタンクと、前記シャシフレームの左右方向外側に配置されて前記タンクの内部の積載物を先端の吐出口から外部へ吐出する取出配管と、前記シャシフレームに支持される巻込防止装置と、を備え、その巻込防止装置は、前記シャシフレーム側から左右方向外側へ延びて互いに前後方向に離隔して配置される複数の取付部と、それら複数の取付部を連結し、前記取出配管に対し前後方向両側へ延びて前記取出配管よりも左右方向外側に配置される1以上の保護部と、を備え、最も上側の前記保護部よりも上方に前記吐出口が位置する。
【0008】
なお、タンクや巻込防止装置がシャシフレームに支持されるとは、それらがシャシフレームに直接支持される場合に限らず、別の部材(例えば後述のサブフレーム等)を介してシャシフレームに支持される場合を含む。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のタンクローリによれば、シャシフレームに支持される巻込防止装置は、複数の取付部と、1以上の保護部とを備える。複数の取付部は、シャシフレーム側から左右方向外側へ延びて互いに前後方向に離隔して配置される。保護部は、それら複数の取付部を連結し、取出配管に対し前後方向両側へ延びて取出配管よりも左右方向外側に配置される。取出配管の先端の吐出口が最も上側の保護部よりも上方に位置する。これにより、吐出口の位置で巻込防止装置の保護部に切り欠きが無くても(保護部を分断しなくても)、左右方向外側から吐出口に地上側の配管などを接続できる。よって、保護部に切り欠きを設ける場合と比べて巻込防止装置の構成を簡素化できる。
【0010】
請求項2記載のタンクローリによれば、請求項1記載のタンクローリの奏する効果に加え、次の効果を奏する。タンクローリは、巻込防止装置の保護部よりも左右方向内側に位置して取出配管が収容される箱体を備える。この箱体の左右方向外側の面に設けた開口部が扉によって開閉される。更に、その開口部は、最も上側の保護部よりも上方に位置するので、開口部の位置で巻込防止装置の保護部に切り欠きが無くても、開閉時の扉を巻込防止装置に干渉させ難くできる。
【0011】
請求項3記載のタンクローリによれば、請求項2記載のタンクローリの奏する効果に加え、次の効果を奏する。扉は、前後方向に延びる回転軸を中心に箱体の下方へ回動(回転)することで開く。これにより、開いた状態の扉を巻込防止装置の保護部よりも左右方向内側へ収容できるので、タンクローリの周囲の設備などに扉を干渉させ難くできる。
【0012】
請求項4記載のタンクローリによれば、請求項3記載のタンクローリの奏する効果に加え、次の効果を奏する。前後方向視において、扉の回転軸を中心とした円弧形状に扉が形成されている。これにより、扉の開閉時には、回転軸を中心とした円弧に沿って扉が動くため、この開閉時の扉と周囲の部材との干渉を回避するための設計を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態におけるタンクローリの側面図である。
【
図2】
図1のII部分を拡大したタンクローリの部分拡大側面図である。
【
図3】
図1のIII-III線におけるタンクローリの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず
図1を参照して、タンクローリ10の全体構成について説明する。
図1は、一実施形態におけるタンクローリ10の側面図である。
【0015】
図1に示すように、タンクローリ10は、複数の前輪11a及び後輪11bを備え、積載物としての液化ガス(例えば、LNGやLPG)を運搬する車両として構成される。なお、積載物は、液化ガス以外の液体や固体、気体でも良い。
【0016】
前輪11aは、車両の前方側(
図1の左側)に設けられる車輪であって、本実施形態では1軸で構成される。後輪11bは、車両の後方側(
図1の右側)に設けられる車輪であって、本実施形態では2軸で構成される。これら複数の前輪11a及び後輪11bにより、車体の骨格を形成するシャシフレーム12が支持される。
【0017】
シャシフレーム12は、車体の前後方向に延びて左右方向に幅広のフレームである。前輪11aの上方であってシャシフレーム12の前端部分には、運転席として構成されるキャブ13が配置される。キャブ13の後方側に位置するシャシフレーム12上には、左右一対のサブフレーム14を介してタンク15が支持(架装)される。
【0018】
タンク15は、液化ガスを積載するための円筒状のタンクである。タンク15がシャシフレーム12上に支持される前(架装前)の状態においては、タンク15にサブフレーム14が溶接等により接合(直接固定)されている。シャシフレーム12とサブフレーム14との間にゴム製のライナ16(
図3参照)を挟み、図示しない固定具または溶接によってサブフレーム14をシャシフレーム12に固定することで、シャシフレーム12にタンク15が架装される。
【0019】
タンクローリ10には、シャシフレーム12の左右方向外側であって前輪11aと後輪11bとの間に巻込防止装置20及び箱体30が取り付けられる。これらの巻込防止装置20及び箱体30について
図2及び
図3を参照して説明する。
【0020】
図2は、
図1のII部分を拡大したタンクローリ10の部分拡大側面図である。
図3は、
図1のIII-III線におけるタンクローリ10の部分拡大断面図である。なお、
図3では、タンクローリ10の左側の一部を示している。タンクローリ10には、巻込防止装置20が左右対称に設けられ、箱体30と、その箱体30の内部に収容された取出配管40とが左側のみに設けられる。
【0021】
巻込防止装置20は、他の車両や歩行者などを後輪11bに巻き込まれ難くするための保護装置であり、箱体30に対し前後方向両側へ延びている。なお、巻込防止装置20の形状や強度、位置などは法令で定められている。
【0022】
巻込防止装置20は、前後方向に互いに離隔して配置される複数の取付部21と、それら複数の取付部21同士を繋ぐ複数(本実施形態では3本)の保護部22と、を備える。複数の取付部21は、巻込防止装置20をシャシフレーム12に支持(架装)するための部位であり、箱体30の前後方向両側にそれぞれ1つずつ以上が配置されている。
【0023】
各々の取付部21は、第1部21aと第2部21bと第3部21cとを備える。第1部21aは、一端がサブフレーム14に固定され、その一端から他端へ向かって左右方向外側および下方へ延びた丸パイプ状の部位である。この第1部21aによって、サブフレーム14を介しシャシフレーム12に巻込防止装置20が支持される。
【0024】
第2部21bは、路面やシャシフレーム12に対し垂直(略鉛直)になるように、第1部21aの他端から下方へ延びた丸パイプ状の部位である。第1部21aと第2部21bとは一本の丸パイプを「く」の字に曲げることで一体成形されている。
【0025】
第3部21cは、シャシフレーム12に固定される略鉛直な縦棒と、その縦棒の下端と第2部21bとを繋ぐ略水平な横棒とによってL字状に形成された部位である。この第3部21cによって、左右方向の荷重に対する巻込防止装置20の強度を向上できる。
【0026】
保護部22は、複数の取付部21の第2部21bを連結するように前後方向に延びた丸棒状の部位であり、第2部21bの左右方向外側に固定されている。複数の保護部22は、互いに上下方向に離間しつつ略水平に配置されている。また、保護部22の端部は、接触相手の保護のために左右方向内側へ向けて湾曲している。
【0027】
この保護部22は、図示しないが、上下方向視において最外側の前輪11aと後輪11bとを結んだ直線よりも左右方向外側に配置される。これにより、保護部22よりも左右方向内側へ歩行者などを侵入させ難くでき、後輪11bへの巻き込みを抑制できる。また、保護部22は、箱体30及び取出配管40に対し前後両側へ延び、それらよりも左右方向外側に配置されるので、歩行者などを箱体30に接触させ難くできる。
【0028】
箱体30は、タンク15から液化ガスを吐出するための取出配管40が収容され、取出配管40を外部からの衝撃等から保護する格納箱である。箱体30は、左右方向外側の面に設けた開口部31が扉32によって開閉される。この扉32を開けることで取出配管40の操作または利用が可能となる。
【0029】
箱体30は、サブフレーム14及びタンク15にブラケット(図示せず)を介して取り付けられる。ここで、箱体30をシャシフレーム12に取り付ける場合は、シャシフレーム12の種類(製造メーカ)毎に箱体30の取り付け可能な位置が異なっており設計が手間となる。これに対し、サブフレーム14やタンク15に箱体30を取り付けることで、この設計の手間を省くことができる。
【0030】
また、箱体30の開口部31は、最も上側の保護部22よりも上方に位置する。これにより、開口部31の位置で巻込防止装置20の保護部22に切り欠きが無くても(保護部22を分断しなくても)、扉32の開閉時に扉32を巻込防止装置20に干渉させ難くできる。よって、切り欠きを設ける場合と比べて巻込防止装置20の構成を簡素化できる。
【0031】
扉32は、前後方向に延びる回転軸33を中心に箱体30の下方へ回動(回転)することで開く。この開いた状態の扉32を
図3に二点鎖線で示す。開いた状態の扉32を保護部22よりも左右方向内側へ収容できるので、タンクローリ10の周囲の設備などに扉32を干渉させ難くできる。
【0032】
扉32は、前後方向視において、回転軸33を中心とした円弧形状に形成されている。これにより、扉32の開閉時には、回転軸33を中心とした円弧に沿って扉32が動くため、この開閉時の扉32と周囲の部材との干渉を回避するための設計を容易にできる。
【0033】
また、開口部31だけでなく箱体30の全体が、最も上側の保護部22よりも上方に位置する。保護部22と略同一の高さに箱体30が位置する従来の場合に対し、保護部22を避けるように箱体30が上方へ移動したことで、箱体30の下方にスペースが生じている。開いた扉32がこのスペースに収容されるので、スペースを有効活用できる。更に、扉32をまっすぐ下げる場合と比べて扉32を回動させる方が、同じ開放量において箱体30から下方への扉32の突出量を小さくできる。
【0034】
取出配管40は、上述した通り、タンク15から液化ガスを外部へ吐出するための配管であり、シャシフレーム12の左右方向外側であって箱体30内に配置されている。取出配管40は、管座41a、タンク内配管41b、吐出口42、緊急遮断弁43、手動開閉弁44及び曲管45を備える。液化ガスを吐出する吐出口42が左右方向外側を向いている。
【0035】
管座41aは、タンク15のうちサブフレーム14よりも上方に接続されている。具体的には、前後方向視において円筒状のタンク15の壁面の底を0°とした場合、その壁面の45°の位置に管座41aが接続されている。
【0036】
タンク内配管41bは、タンク15の内部の液化ガスを取出配管40に送る部位であり、略U字状に形成されている。タンク内配管41bの一端に管座41aが取り付けられる。タンク内配管41bの他端は、タンク15の壁面の底に位置している。これにより、サブフレーム14よりも上方のタンク15の壁面に管座41aが接続されていても、タンク15の底に溜まった液化ガスを取出配管40へ送ることができる。
【0037】
緊急遮断弁43は、地震などの異常時に閉じて液化ガス等の流入出を防止するための弁であり、管座41aのうちタンク内配管41bとは反対側(吐出口42側)に接続される。緊急遮断弁43の市販品には、直管に対して90°曲げたものと、45°曲げたものとがある。
【0038】
本実施形態では、90°曲げた緊急遮断弁43の市販品を用い、左右方向内側および下方に向けた緊急遮断弁43の吐出口42側と手動開閉弁44とを、直管に対して135°曲げた曲管45で連結している。これにより、サブフレーム14よりも上方のタンク15の壁面に管座41aを接続しつつ、吐出口42を左右方向外側に向けても、取出配管40を左右方向内側へコンパクトに収めることができる。その結果、取出配管40及び箱体30を保護部22の左右方向内側に収めることができる。加えて、緊急遮断弁43の市販品を用いることで、特注品を用いる場合と比べてタンクローリ10の製造コストを低減し易くできる。
【0039】
吐出口42は、タンク15の内部から取出配管40を通ってきた液化ガスを外部へ吐出するための部位である。具体的な吐出方法としては、まずタンクローリ10を停車させ、作業員が箱体30の扉32を開け、開口部31を通して取出配管40の吐出口42を外部へ露出させる。次いで、吐出口42に地上側の配管(例えばローディングアーム)等を接続し、手動開閉弁44を作業員が開けることにより、吐出口42から地上側の配管へ液化ガスが吐出される。
【0040】
吐出口42は、最も上側の保護部22よりも上方に位置する。これにより、吐出口42の位置で巻込防止装置20の保護部22に切り欠きが無くても、左右方向外側から吐出口42に地上側の配管などを接続できる。よって、切り欠きを設ける場合と比べて巻込防止装置20の構成を簡素化できる。
【0041】
また、最も上側の保護部22は、法令上、路面からの高さを650mm以上とする必要がある。そのため、保護部22の上方に配置した吐出口42及び手動開閉弁44は、路面からの高さが1m程度となることが多い。これにより、吐出口42への地上側の配管などの接続作業や手動開閉弁44の開閉作業を、路面に立った成人が腰を曲げることなく楽な体勢で行うことができる。
【0042】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、タンク15は、円筒状に限らず楕円筒状や角筒状でも良い。
【0043】
上記実施形態では、タンクローリ10の前輪11aが1軸、後輪11bが2軸である場合を説明したが、これに限られない。例えば、前輪11aを2軸以上としても良く、後輪11bを1軸や3軸以上としても良い。
【0044】
また、後輪11bの複数の軸を前後方向に大きく離しても良い。但しこの場合には、大きく離れた後輪11bの間にも巻込防止装置20を配置する必要がある。更に、この後輪11b間に箱体30及び取出配管40を設けても良い。また、最も後方の後輪11bよりも後方に巻込防止装置20や箱体30、取出配管40を設けても良い。
【0045】
上記実施形態では、巻込防止装置20が取付部21の第1部21aによってサブフレーム14に固定され、第3部21cによってシャシフレーム12に固定される場合を説明したが、これに限られない。取付部21の形状を適宜変更して、例えば、巻込防止装置20をサブフレーム14のみに固定しても良く、シャシフレーム12のみに固定しても良い。また、巻込防止装置20をタンク15のみや、タンク15とシャシフレーム12やサブフレーム14とに固定しても良い。
【0046】
同様に、箱体30をタンク15、シャシフレーム12及びサブフレーム14のいずれか1つのみに固定しても良く、複数に固定しても良い。また、それらの間に固定用のブラケットを介しても、介さなくても良い。更に、箱体30及び取出配管40をタンクローリ10の右側のみに設けても良く、左右両側に設けても良い。箱体30及び取出配管40を前後方向に複数設けても良い。
【0047】
上記実施形態では、巻込防止装置20の保護部22が丸棒状である場合を説明したが、これに限られない。例えば、保護部22を、丸棒以外の角棒やパイプ等の棒状に形成しても良く、板状に形成しても良い。複数の保護部22のうちに板状と棒状とを混在させても良い。
【0048】
また、保護部22の数を適宜変更しても良い。例えば、幅広(上下方向寸法が大きい)の板状の保護部22を1枚だけにしても良い。この場合、取付部21の第2部21bを省略して、第1部21aや第3部21cを保護部22に直接固定しても良い。また、車両のサイズにもよるが、棒状の保護部22を1本だけにしても良い。複数の保護部22を互いに交差させて網状に形成しても良い。
【0049】
上記実施形態では、箱体30の扉32が回転軸33を中心に箱体30の下方へ回動することで開く場合を説明したが、これに限られない。扉32を箱体30の左右方向(車両の前後方向)へ回動させることで開くように構成しても良い。この場合の扉32は片開きでも両開き(観音開き)でも良い。また、扉32を上方へ回動させることで開くように構成しても良い。扉32を上下左右の少なくとも一方にスライドさせて開くように構成しても良い。扉32を開く途中で折れるように構成しても良い。
【0050】
上記実施形態では、タンク15が支持されるシャシフレーム12の前端部分にキャブ13が配置され、タンク15とキャブ13とが分離されないタンクローリ10について説明した。これに対し、タンク15とキャブ13とを分離可能なトレーラ型のタンクローリに本発明を適用しても良い。タンク15が支持されるトレーラ部分は、前輪を持たないために補助脚を展開して自立するセミトレーラでも良く、自立可能となる複数の車輪を持ったフルトレーラでも良い。
【0051】
上記実施形態では、箱体30の全体が最も上側の保護部22よりも上方に位置する場合について説明したが、これに限られない。例えば、箱体30の開口部31が最も上側の保護部22よりも上方に位置すれば、その保護部22よりも下方に箱体30の一部が位置しても良い。
【符号の説明】
【0052】
10 タンクローリ
11a 前輪(車輪)
11b 後輪(車輪)
12 シャシフレーム
15 タンク
20 巻込防止装置
21 取付部
22 保護部
30 箱体
31 開口部
32 扉
33 回転軸
40 取出配管
42 吐出口