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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021146
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20240208BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240208BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240208BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/569
H01M50/548 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123774
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】中井 昌之
(72)【発明者】
【氏名】柳原 康宏
(72)【発明者】
【氏名】中川 史也
(72)【発明者】
【氏名】井澤 貴美
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA07
5H040AT02
5H040AY05
5H040CC15
5H040DD26
5H043AA19
5H043CA05
5H043GA30
(57)【要約】
【課題】電圧検出装置及び収容体を互いに確実に固定しやすくする。
【解決手段】電池モジュール1Aは、複数の電池セル100と、複数の電池セル100の電圧を検出する前方電圧検出装置20Aと、複数の電池セル100及び前方電圧検出装置20Aが収容された収容体30Aと、を備えている。前方電圧検出装置20A及び収容体30Aの一方は、所定方向に並ぶ複数の突起を有している。前方電圧検出装置20A及び収容体30Aの他方は、複数の突起を位置合わせする複数の位置合わせ構造を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの電圧を検出する電圧検出装置と、
前記複数の電池セル及び前記電圧検出装置が収容された収容体と、
を備え、
前記電圧検出装置及び前記収容体の一方が、所定方向に並ぶ複数の突起を有しており、
前記電圧検出装置及び前記収容体の他方が、前記複数の突起を位置合わせする複数の位置合わせ構造を有している、電池モジュール。
【請求項2】
前記収容体が、前記複数の電池セルのうちの一の電池セルのタブの少なくとも一部分を露出する露出構造を有しており、
前記露出構造及び前記複数の位置合わせ構造が前記所定方向に並んでいる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電圧検出装置及び前記収容体が、前記電圧検出装置及び前記収容体を互いに係止する係止構造を有する、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電池セルを備える様々な電池モジュールが開発されている。例えば、特許文献1に記載されている電池モジュールは、一対のバスバーアセンブリ、一対のエンドカバー及び一対のサイドプレートを備えている。一対のバスバーアセンブリは、複数の電池セルの前方及び後方に配置されている。一対のエンドカバーは、一対のバスバーアセンブリの前方及び後方に配置されている。サイドプレートは、複数の電池セルの両側方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-520067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載されているように、エンドカバー、サイドプレート等のプレートを有する収容体によって電池セルが収容されることがある。電池セルには、バスバーアセンブリ等の電圧検出装置が設けられることがある。この場合、電圧検出装置及び収容体を互いに確実に固定しやすくすることが望ましい。
【0005】
本発明の目的の一例は、電圧検出装置及び収容体を互いに確実に固定しやすくすることにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、以下のとおりである。
[1]
複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの電圧を検出する電圧検出装置と、
前記複数の電池セル及び前記電圧検出装置が収容された収容体と、
を備え、
前記電圧検出装置及び前記収容体の一方が、所定方向に並ぶ複数の突起を有しており、
前記電圧検出装置及び前記収容体の他方が、前記複数の突起を位置合わせする複数の位置合わせ構造を有している、電池モジュール。
[2]
前記収容体が、前記複数の電池セルのうちの一の電池セルのタブの少なくとも一部分を露出する露出構造を有しており、
前記露出構造及び前記複数の位置合わせ構造が前記所定方向に並んでいる、[1]に記載の電池モジュール。
[3]
前記電圧検出装置及び前記収容体が、前記電圧検出装置及び前記収容体を互いに係止する係止構造を有する、[1]又は[2]に記載の電池モジュール。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様によれば、電圧検出装置及び収容体を互いに確実に固定しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る電池モジュールの分解斜視図である。
図2】実施形態1に係る電池モジュールの一部分の拡大図である。
図3図2から前方プレートが取り除かれた状態の図である。
図4】実施形態2に係る電池モジュールの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態1に係る電池モジュール1Aの分解斜視図である。
【0011】
各図には、説明のため、X方向、Y方向及びZ方向を示す矢印が示されている。X方向は、電池モジュール1Aの前後方向である。以下、特に断りがない限り、X方向を示す矢印の先端側を電池モジュール1Aの後側とする。以下、特に断りがない限り、X方向を示す矢印の基端側を電池モジュール1Aの前側とする。Y方向は、X方向に直交している。Y方向は、電池モジュール1Aの左右方向である。以下、特に断りがない限り、Y方向を示す矢印の先端側を、電池モジュール1Aの左側とする。以下、特に断りがない限り、Y方向を示す矢印の基端側を、電池モジュール1Aの右側とする。Z方向は、X方向及びY方向の双方に直交している。Z方向は、電池モジュール1Aの上下方向である。以下、特に断りがない限り、Z方向を示す矢印の先端側を電池モジュール1Aの上側とする。以下、特に断りがない限り、Z方向を示す矢印の基端側を電池モジュール1Aの下側とする。以下、必要に応じて、X方向に垂直な方向をYZ平面方向という。以下、必要に応じて、Y方向に垂直な方向をZX平面方向という。以下、必要に応じて、Z方向に垂直な方向をXY平面方向という。なお、X方向、Y方向及びZ方向の各々と、電池モジュール1Aの前後方向、左右方向及び上下方向の各々と、の関係は、上述した例に限定されない。
【0012】
電池モジュール1Aは、セル積層体10、前方電圧検出装置20A、後方電圧検出装置20A´及び収容体30Aを備えている。
【0013】
セル積層体10は、複数の電池セル100及び複数のコンプレッションパッド110を有している。複数の電池セル100及び複数のコンプレッションパッド110は、Y方向に交互に配列されている。各電池セル100のY方向の両側には、コンプレッションパッド110が配置されている。複数の電池セル100及び複数のコンプレッションパッド110は、後述する右方プレート330A及び左方プレート340AによってY方向に圧縮されている。これによって、電池セル100のZX平面方向のずれを抑制することができる。
【0014】
各電池セル100の長手方向は、X方向に略平行となっている。各電池セル100の短手方向は、Z方向に略平行となっている。各電池セル100の厚み方向は、Y方向に略平行となっている。複数の電池セル100は、Y方向に積層されている。なお、各電池セル100の形状は、この例に限定されない。
【0015】
各電池セル100は、不図示の電池要素、外装材102、正極タブ104及び負極タブ106を含んでいる。電池要素は、Y方向に交互に積層された不図示の複数の正極及び複数の負極と、Y方向に隣り合う正極及び負極の間に位置する不図示のセパレータと、を含んでいる。外装材102は、電池要素と、不図示の電解液と、を封止している。正極タブ104は、電池要素の正極に電気的に接続されている。正極タブ104は、外装材102のX方向の両側の辺の一方から引き出されている。負極タブ106は、電池要素の負極に電気的に接続されている。負極タブ106は、外装材102のX方向の両側の辺の他方から引き出されている。ただし、各電池セル100の構造は、この例に限定されない。
【0016】
実施形態1では、複数のセル群100Gが、Y方向の一端に位置するセル群100GからY方向の他端に位置するセル群100Gにかけて直列に接続されている。各セル群100Gは、並列に接続された複数の電池セル100を含んでいる。実施形態1において、各セル群100Gは、Y方向に隣り合う2つの電池セル100を含んでいる。各セル群100Gに含まれる2つの電池セル100から引き出された2つの正極タブ104は、X方向の同じ側に向けられている。各セル群100Gに含まれる2つの電池セル100から引き出された2つの負極タブ106は、X方向の同じ側に向けられている。Y方向に隣り合うセル群100Gの一方から引き出された正極タブ104及び負極タブ106と、Y方向に隣り合うセル群100Gの他方から引き出された正極タブ104及び負極タブ106と、はX方向において互いに反対側に向けられている。Y方向に隣り合う2つのセル群100Gは、当該2つのセル群100Gの前方又は後方に位置するタブ群108を含んでいる。タブ群108は、互いに接合された正極タブ104及び負極タブ106を含んでいる。タブ群108に含まれる正極タブ104及び負極タブ106は、例えばレーザ溶接によって互いに接合されている。これによって、セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108と、セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108と、が互い違いに配置されている。
【0017】
実施形態1では、セル積層体10の右端に位置する電池セル100から前方に向けて正極タブ104が引き出されている。以下、必要に応じて、この正極タブ104を終端正極タブ104Tという。また、セル積層体10の左端に位置する電池セル100から後方に向けて負極タブ106が引き出されている。以下、必要に応じて、この負極タブ106を終端負極タブ106Tという。
【0018】
セル積層体10の構成は、上述の例に限定されない。例えば、各セル群100Gは、3つ以上の並列に接続された電池セル100を含んでいてもよい。或いは、単一の電池セル100が複数、Y方向の一端に位置する電池セル100からY方向の他端に位置する電池セル100にかけて直列に接続されていてもよい。また、終端正極タブ104T及び終端負極タブ106Tが配置される位置は、上述の例に限定されない。終端正極タブ104T及び終端負極タブ106Tの位置は、セル群100Gの数に応じて変化する。例えば、セル群100Gの数によっては、終端正極タブ104T及び終端負極タブ106Tの双方がセル積層体10の前方又は後方に配置される。
【0019】
前方電圧検出装置20Aは、前方保持体210A、複数の前方電圧検出部220A、複数の前方電圧検出線222A、前方コネクタ224A及び正極バスバー230Aを有している。
【0020】
前方保持体210Aは、セル積層体10の前方に配置されている。前方保持体210Aには、複数の前方開口210aAが設けられている。セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108の各々は、複数の前方開口210aAの各々を通して前方向に向けて露出されている。前方保持体210Aは、複数の前方電圧検出部220A及び複数の前方電圧検出線222Aを一体的に保持している。
【0021】
複数の前方電圧検出部220Aは、前方保持体210Aに取り付けられている。複数の前方電圧検出部220Aの各々は、セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108の各々の前面に例えばレーザ溶接によって接合されている。複数の前方電圧検出部220Aは、複数の前方電圧検出線222Aを介して前方コネクタ224Aに電気的に接続されている。複数の前方電圧検出線222Aは、前方保持体210Aを介して配策されている。実施形態1では、前方保持体210Aをセル積層体10に対して適当な位置に設置することで、複数の前方電圧検出部220Aの各々を、セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108の各々に対して適当な位置に配置することができる。
【0022】
正極バスバー230Aは、前方保持体210Aの右端部に配置されている。正極バスバー230Aは、略L字状となっている。具体的には、正極バスバー230Aは、前方横導体232A及び前方縦導体234Aを含んでいる。前方横導体232Aは、Y方向に略平行に延在している。前方縦導体234Aは、前方横導体232Aの右端部から下方に向けて、Z方向に略平行に延在している。
【0023】
前方横導体232Aは、他の電池モジュール等の外部装置に電気的に接続するためのターミナルとして機能している。具体的には、前方横導体232Aの左端部には、締結孔232aAが設けられている。締結孔232aAには、他の電池モジュール等の不図示の外部装置と電気的に接続されている不図示のバスバーを締結するための不図示の締結具が設置可能になっている。
【0024】
前方縦導体234Aは、終端正極タブ104Tに電気的に接続されている。終端正極タブ104Tは、前方縦導体234Aの右方に位置している。実施形態1において、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aは、レーザ溶接によって接合されている。ただし、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aの接合方法は、レーザ溶接に限定されない。
【0025】
後方電圧検出装置20A´は、以下の点を除いて、前方電圧検出装置20Aと同様である。後方電圧検出装置20A´は、後方保持体210A´、複数の後方電圧検出部220A´、複数の後方電圧検出線222A´、後方コネクタ224A´及び負極バスバー230A´を有している。
【0026】
後方保持体210A´は、セル積層体10の後方に配置されている。後方保持体210A´には、複数の後方開口210aA´が設けられている。セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108の各々は、複数の後方開口210aA´の各々を通して後方向に向けて露出されている。後方保持体210A´は、複数の後方電圧検出部220A´及び複数の後方電圧検出線222A´を一体的に保持している。
【0027】
複数の後方電圧検出部220A´は、後方保持体210A´に取り付けられている。複数の後方電圧検出部220A´の各々は、セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108の各々の後面に例えばレーザ溶接によって接合されている。複数の後方電圧検出部220A´は、複数の後方電圧検出線222A´を介して後方コネクタ224A´に電気的に接続されている。複数の後方電圧検出線222A´は、後方保持体210A´を介して配策されている。実施形態1では、後方保持体210A´をセル積層体10に対して適当な位置に設置することで、複数の後方電圧検出部220A´の各々を、セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108の各々に対して適当な位置に配置することができる。
【0028】
負極バスバー230A´は、後方保持体210A´の左端部に配置されている。負極バスバー230A´は、略L字状となっている。負極バスバー230A´は、後方縦導体232´及び後方縦導体234A´を含んでいる。後方縦導体232´は、Y方向に略平行に延在している。後方縦導体234A´は、後方縦導体232´の左端部から下方に向けて、Z方向に略平行に延在している。
【0029】
後方縦導体232´は、他の電池モジュール等の外部装置に電気的に接続するためのターミナルとして機能している。
【0030】
後方縦導体234A´は、終端負極タブ106Tに電気的に接続されている。終端負極タブ106Tは、後方縦導体234A´の左方に位置している。実施形態1において、終端負極タブ106T及び後方縦導体234A´は、レーザ溶接によって接合されている。ただし、終端負極タブ106T及び後方縦導体234A´の接合方法は、レーザ溶接に限定されない。
【0031】
収容体30Aは、前方プレート310A、後方プレート320A、右方プレート330A、左方プレート340A、下方プレート350A及び上方プレート360Aを有している。収容体30Aは、前方ブラケット372A及び後方ブラケット374Aを有している。収容体30Aは、下方プレート350A及び上方プレート360Aの少なくとも一方を有していなくてもよい。
【0032】
前方プレート310Aは、セル積層体10及び前方電圧検出装置20Aを前方向から覆っている。前方プレート310Aは、例えば、樹脂板及び金属板の積層体である。この例において、金属板は、樹脂板の前方に積層されている。
【0033】
後方プレート320Aは、セル積層体10及び後方電圧検出装置20A´を後方向から覆っている。後方プレート320Aは、例えば、樹脂板及び金属板の積層体である。この例において、金属板は、樹脂板の後方に積層されている。
【0034】
右方プレート330Aは、セル積層体10、前方電圧検出装置20A及び後方電圧検出装置20A´を右方向から覆っている。右方プレート330Aは、アルミニウム等の金属からなっている。
【0035】
左方プレート340Aは、セル積層体10、前方電圧検出装置20A及び後方電圧検出装置20A´を左方向から覆っている。左方プレート340Aは、アルミニウム等の金属からなっている。
【0036】
下方プレート350Aは、セル積層体10、前方電圧検出装置20A及び後方電圧検出装置20A´を下方向から覆っている。下方プレート350Aは、アルミニウム等の金属からなっている。下方プレート350Aの上面と、セル積層体10の下端と、の間には熱伝導性接着剤352Aが配置されている。このため、セル積層体10から発生した熱を、熱伝導性接着剤352Aを通して電池モジュール1Aの下方に向けて逃がすことができる。
【0037】
上方プレート360Aは、セル積層体10、前方電圧検出装置20A及び後方電圧検出装置20A´を上方向から覆っている。上方プレート360Aは、アルミニウム等の金属からなっている。
【0038】
前方ブラケット372Aは、収容体30Aの前方プレート310Aの右端部と右方プレート330Aの前端部との間の角部に配置されている。Z方向から見て、前方ブラケット372Aは、略L字状となっている。具体的には、Z方向から見て、前方ブラケット372Aは、Y方向に略平行に延在する部分と、X方向に略平行に延在する部分と、を含んでいる。前方ブラケット372AのY方向に略平行に延在する部分は、例えば溶接によって、前方プレート310Aの右端部に接合されている。前方ブラケット372AのX方向に略平行に延在する部分は、例えば溶接によって、右方プレート330Aの前端部に接合されている。これによって、前方ブラケット372Aは、前方プレート310A及び右方プレート330Aを互いに接続する接続体となっている。
【0039】
後方ブラケット374Aは、収容体30Aの後方プレート320Aの左端部と左方プレート340Aの後端部との間の角部に配置されている。Z方向から見て、後方ブラケット374Aは、略L字状となっている。具体的には、Z方向から見て、後方ブラケット374Aは、Y方向に略平行に延在する部分と、X方向に略平行に延在する部分と、を含んでいる。後方ブラケット374AのY方向に略平行に延在する部分は、例えば溶接によって、後方プレート320Aの左端部に接合されている。後方ブラケット374AのX方向に略平行に延在する部分は、例えば溶接によって、左方プレート340Aの後端部に接合されている。これによって、後方ブラケット374Aは、後方プレート320A及び左方プレート340Aを互いに接続する接続体となっている。
【0040】
図2は、実施形態1に係る電池モジュール1Aの一部分の拡大図である。図3は、図2から前方プレート310Aが取り除かれた状態の図である。図2では、説明のため、前方ブラケット372Aが取り除かれている。
【0041】
右方プレート330Aは、第1下方切欠き331A、第1上方切欠き332A、中央切欠き333A、下方係止孔334A、上方係止孔335A、第2下方切欠き336A及び第2上方切欠き337Aを画定している。前方保持体210Aは、第1下方突起211A、第1上方突起212A、下方係止突起214A及び上方係止突起215Aを有している。前方プレート310Aは、第2下方突起316A及び第2上方突起317Aを有している。
【0042】
第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aは、右方プレート330Aの前端部の前辺に設けられている。第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aは、Z方向に略平行に並んでいる。第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aは、前方向に向けて開口されている。第1下方突起211A及び第1上方突起212Aは、前方保持体210Aの右端部から右方に向けて突出している。第1下方突起211A及び第1上方突起212Aは、第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aにそれぞれ入り込んでいる。これによって、第1下方突起211A及び第1上方突起212Aは、それぞれ、第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aによって位置合わせされている。すなわち、第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aは、第1下方突起211A及び第1上方突起212Aをそれぞれ位置合わせする位置合わせ構造となっている。
【0043】
中央切欠き333Aは、右方プレート330Aの前端部の前辺に設けられている。中央切欠き333Aは、Z方向に略平行な方向において、第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aの間に位置している。中央切欠き333AのZ方向の幅は、第1下方切欠き331AのZ方向の幅及び第1上方切欠き332AのZ方向の幅のいずれよりも広くなっている。中央切欠き333Aは、前方向に向けて開口されている。終端正極タブ104Tの少なくとも一部分は、中央切欠き333Aを介して右方向に向けて露出されている。
【0044】
下方係止突起214A及び下方係止孔334Aの組、並びに上方係止突起215A及び上方係止孔335Aの組は、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに係止する係止構造の少なくとも一部分となっている。具体的には、下方係止突起214A及び下方係止孔334Aは、スナップフィットによって互いに係止可能になっている。同様にして、上方係止突起215A及び上方係止孔335Aは、スナップフィットによって互いに係止可能になっている。実施形態において、これらのスナップフィットはカンチレバー構造となっている。これによって、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部がX方向に脱離することを抑制することができる。
【0045】
第2下方切欠き336A及び第2上方切欠き337Aは、右方プレート330Aの前端部の下角及び上角にそれぞれ設けられている。第2下方突起316A及び第2上方突起317Aは、前方プレート310Aの右端部から後方に向けて突出している。第2下方突起316A及び第2上方突起317Aは、第2下方切欠き336A及び第2上方切欠き337Aにそれぞれ入り込んでいる。第2下方突起316Aの下面及び下方プレート350Aの前端部の上面は、例えばレーザ溶接によって互いに接合させることができる。したがって、第2下方突起316Aが設けられていない場合と比較して、前方プレート310A及び下方プレート350Aの接合面積を確保しやすくすることができる。同様にして、第2上方突起317Aの上面及び上方プレート360Aの前端部の下面は、例えばレーザ溶接によって互いに接合させることができる。したがって、第2上方突起317Aが設けられていない場合と比較して、前方プレート310A及び上方プレート360Aの接合面積を確保しやすくすることができる。ただし、第2下方突起316A及び第2上方突起317Aは設けられていなくてもよい。
【0046】
次に、図1図3を参照して、実施形態1に係る電池モジュール1Aの組立方法の一例について説明する。この例において、電池モジュール1Aは、以下のようにして組み立てられている。
【0047】
まず、セル積層体10を製造する。セル積層体10は、複数の電池セル100及び複数のコンプレッションパッド110を有している。
【0048】
次いで、右方プレート330A及び左方プレート340Aによってセル積層体10をY方向に加圧してセル積層体10を保持する。
【0049】
次いで、セル積層体10の前方に前方電圧検出装置20Aを配置する。この状態において、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する。同様にして、前方保持体210Aの左端部及び左方プレート340Aの前端部を互いに固定する。これによって、セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108の各々の前方に複数の前方電圧検出部220Aの各々が配置される。また、前方縦導体234Aの右方に終端正極タブ104Tが配置される。
【0050】
前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する場合において、第1下方突起211A及び第1上方突起212Aは、前方から第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aにそれぞれ入り込む。これによって、前方保持体210A及び右方プレート330AをZ方向において互いに位置合わせすることができる。さらに、Y方向に略垂直な方向における前方保持体210Aの回転又は揺動を抑制することができる。したがって、前方保持体210A及び右方プレート330Aを互いに確実に固定しやすくすることができる。
【0051】
前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する場合において、下方係止突起214Aは、左方から下方係止孔334Aに入り込む。これによって、下方係止突起214A及び下方係止孔334Aがスナップフィットによって互いに係止される。同様にして、上方係止突起215Aが上方係止孔335Aに入り込む。これによって、上方係止突起215A及び上方係止孔335Aがスナップフィットによって互いに係止される。したがって、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部がX方向に脱離することを抑制することができる。
【0052】
前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する上述した構造は、前方保持体210Aの左端部及び左方プレート340Aの前端部を互いに固定する構造にも同様に適用可能である。
【0053】
次いで、セル積層体10の前方に位置する複数のタブ群108の各々と、複数の前方電圧検出部220Aの各々と、をレーザ溶接によって接合する。また、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aをレーザ溶接によって接合する。これによって、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aの接続部が形成される。なお、各タブ群108及び各前方電圧検出部220Aの接合方法は、レーザ溶接に限定されない。また、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aの接合方法は、レーザ溶接に限定されない。
【0054】
実施形態1では、セル積層体10の前方に前方電圧検出装置20Aが配置されてセル積層体10及び前方電圧検出装置20Aの右方に右方プレート330Aが配置された状態において、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aの接続部が中央切欠き333Aを介して右方向に向けて露出されている。すなわち、中央切欠き333Aは、当該接続部の少なくとも一部分を右方向に向けて露出する露出構造となっている。このため、中央切欠き333Aを介して右方向から当該接続部へレーザを照射することができる。したがって、実施形態1では、当該接続部が右方プレート330Aによって覆われている場合と比較して、セル積層体10と右方プレート330AとをY方向に互いに近接させても、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aを接合するための作業スペースを確保しやすくすることができる。よって、実施形態1では、上述の場合と比較して、収容体30Aの体積を小さくすることができる。したがって、実施形態1では、上述の場合と比較して、電池モジュール1Aの体積効率を向上させることができる。
【0055】
なお、終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aの接続部の少なくとも一部分を右方向に向けて露出する露出構造は、中央切欠き333Aに限定されない。例えば、右方プレート330Aの前端部には、中央切欠き333Aに代えて、当該接続部を露出させる孔が設けられていてもよい。
【0056】
次いで、セル積層体10の後方に後方電圧検出装置20A´を配置する。この状態において、後方保持体210A´の左端部及び左方プレート340Aの後端部を互いに固定する。同様にして、後方保持体210A´の右端部及び右方プレート330Aの後端部を互いに固定する。これによって、セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108の各々の後方に複数の後方電圧検出部220A´の各々が配置される。また、後方縦導体234A´の左方に終端負極タブ106Tが配置される。
【0057】
後方保持体210A´の左端部及び左方プレート340Aの後端部を互いに固定する構造は、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する上述した構造と同様にすることができる。後方保持体210A´の右端部及び右方プレート330Aの後端部を互いに固定する構造は、前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する上述した構造と同様にすることができる。
【0058】
次いで、セル積層体10の後方に位置する複数のタブ群108の各々と、複数の後方電圧検出部220A´の各々と、をレーザ溶接によって接合する。また、終端負極タブ106T及び後方縦導体234A´をレーザ溶接によって接合する。終端正極タブ104T及び前方縦導体234Aのレーザ溶接と同様にして、レーザは、左方プレート340Aの後端部に設けられた露出構造を介して照射することができる。これによって、終端負極タブ106T及び後方縦導体234A´の接続部が形成される。なお、各タブ群108及び各後方電圧検出部220A´の接合方法は、レーザ溶接に限定されない。また、終端負極タブ106T及び後方縦導体234A´の接合方法は、レーザ溶接に限定されない。
【0059】
次いで、セル積層体10及び前方電圧検出装置20Aの前方に前方プレート310Aを配置する。この状態において、第2下方突起316A及び第2上方突起317Aを第2下方切欠き336A及び第2上方切欠き337Aに前方からそれぞれ入り込ませる。これによって、前方プレート310Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部をZ方向において互いに位置合わせすることができる。さらに、Y方向に略垂直な方向における前方プレート310Aの回転又は揺動を抑制することができる。したがって、前方プレート310A及び右方プレート330Aを互いに確実に固定しやすくすることができる。前方プレート310Aの左端部及び左方プレート340Aの前端部の構造は、前方プレート310Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部の上述の構造と同様の構造にすることができる。
【0060】
次いで、前方プレート310Aの右端部と、前方ブラケット372AのY方向に略平行に延在する部分と、を溶接によって互いに接合する。また、右方プレート330Aの前端部と、前方ブラケット372AのX方向に略平行に延在する部分と、を溶接によって互いに接合する。これによって、前方プレート310Aの右端部と、右方プレート330Aの前端部と、が前方ブラケット372Aを介して互いに接合される。
【0061】
次いで、セル積層体10及び後方電圧検出装置20A´の後方に後方プレート320Aを配置する。後方プレート320Aの左端部及び左方プレート340Aの後端部の構造は、前方プレート310Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部の上述の構造と同様の構造にすることができる。後方プレート320Aの右端部及び右方プレート330Aの後端部の構造は、前方プレート310Aの左端部及び左方プレート340Aの前端部の上述の構造と同様の構造にすることができる。
【0062】
次いで、後方プレート320Aの左端部と、後方ブラケット374AのY方向に略平行に延在する部分と、を溶接によって互いに接合する。また、左方プレート340Aの後端部と、後方ブラケット374AのX方向に略平行に延在する部分と、を溶接によって互いに接合する。これによって、後方プレート320Aの左端部と、左方プレート340Aの後端部と、が後方ブラケット374Aを介して互いに接合される。
【0063】
次いで、セル積層体10の下方及び上方に下方プレート350A及び上方プレート360Aをそれぞれ配置する。次いで、下方プレート350A及び上方プレート360Aを前方プレート310A、後方プレート320A、右方プレート330A及び左方プレート340Aに接合させる。
【0064】
このようにして、実施形態1に係る電池モジュール1Aが製造されている。
【0065】
前方保持体210Aの右端部及び右方プレート330Aの前端部を互いに固定する構造は、実施形態1に係る構造に限定されない。例えば、前方保持体210Aの右端部に設けられた3つ以上の突起が右方プレート330Aの前端部に設けられた3つ以上の切欠きに入り込んでいてもよい。突起を位置合わせする位置合わせ構造は、切欠きに限らず、孔であってもよい。この場合、突起が孔に挿通されることで、突起が位置合わせされる。また、右方プレート330Aの前端部に設けられた係止孔と、前方保持体210Aの右端部に設けられた係止突起と、を含む係止構造の数は、1つのみであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0066】
図4は、実施形態2に係る電池モジュール1Bの一部分の拡大図である。図4では、説明のため、前方ブラケットが取り除かれている。実施形態2に係る電池モジュール1Bは、以下の点を除いて、実施形態1に係る電池モジュール1Aと同様である。
【0067】
右方プレート330Bは、下方切欠き331B、上方切欠き332B、中央切欠き333B及び係止孔334Bを画定している。前方保持体210Bは、第1下方突起211B、第1上方突起212B及び係止突起214Bを有している。前方プレート310Bは、第2下方突起311B及び第2上方突起312Bを有している。
【0068】
下方切欠き331B及び上方切欠き332Bは、右方プレート330Bの前端部の下角及び上角にそれぞれ設けられている。プレートの辺に切欠きを設ける場合よりも、プレートの角に切欠きを設ける場合の方が、切欠きを形成するためのコストを低減することができる。したがって、実施形態2に係る下方切欠き331B及び上方切欠き332Bは、実施形態1に係る第1下方切欠き331A及び第1上方切欠き332Aよりも、低コストで形成することができる。実施形態1に係る第1下方突起211A及び第1上方突起212Aと同様にして、実施形態2に係る第1下方突起211B及び第1上方突起212Bは、下方切欠き331B及び上方切欠き332Bにそれぞれ入り込んでいる。このため、実施形態1と同様にして、前方保持体210B及び右方プレート330BをZ方向において互いに位置合わせすることができる。さらに、Y方向に略垂直な方向における前方保持体210Bの回転又は揺動を抑制することができる。したがって、前方保持体210B及び右方プレート330Bを互いに確実に固定しやすくすることができる。
【0069】
第2下方突起311B及び第2上方突起312Bは、下方切欠き331B及び上方切欠き332Bにそれぞれ入り込んでいる。すなわち、第1下方突起211B及び第2下方突起311Bは、同一の切欠きに入り込んでいる。したがって、第1下方突起211B及び第2下方突起311Bが異なる切欠きに入り込む場合と比較して、切欠きを形成するためのコストを低減することができる。同様にして、第1上方突起212B及び第2上方突起312Bは、同一の切欠きに入り込んでいる。したがって、第1上方突起212B及び第2上方突起312Bが異なる切欠きに入り込む場合と比較して、切欠きを形成するためのコストを低減することができる。また、第2下方突起311Bの下面及び下方プレート350Bの前端部の上面を例えばレーザ溶接によって互いに接合させることができる。したがって、前方プレート310B及び下方プレート350Bの接合面積を確保しやすくすることができる。同様にして、第2上方突起312Bの上面及び上方プレート360Bの前端部の下面を例えばレーザ溶接によって互いに接合させることができる。したがって、前方プレート310B及び上方プレート360Bの接合面積を確保しやすくすることができる。
【0070】
実施形態1と同様にして、終端正極タブ104Tの少なくとも一部分は、中央切欠き333Bを介して右方向に向けて露出されている。
【0071】
実施形態1に係る下方係止突起214A及び下方係止孔334Aの組、並びに上方係止突起215A及び上方係止孔335Aの組と同様にして、係止突起214B及び係止孔334Bの組は、前方保持体210Bの右端部及び右方プレート330Bの前端部を互いに係止する係止構造の少なくとも一部分となっている。
【0072】
実施形態2では、下方切欠き331B及び上方切欠き332Bの双方が右方プレート330Bの前端部の角に設けられている。しかしながら、下方切欠き331B及び上方切欠き332Bの一方は、右方プレート330Bの前端部の角でなく、右方プレート330Bの前端部の前辺に設けられていてもよい。
【0073】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0074】
例えば、各実施形態では、右方プレートが、前方保持体に設けられた複数の突起を位置合わせする複数の位置合わせ構造を有している。しかしながら、前方保持体が、右方プレートに設けられた複数の突起を位置合わせする複数の位置合わせ構造を有していてもよい。例えば、前方保持体の右端部の右辺に複数の切欠きが設けられている。当該複数の切欠きは、右方向に向けて開口されている。右方プレートの前端部から複数の突起が前方向に向けて突出している。右方プレートに設けられた複数の突起は、前方保持体に設けられた複数の切欠きに入り込んでいる。この例においても、前方保持体及び右方プレートを互いに確実に固定しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0075】
1A,1B 電池モジュール
10 セル積層体
20A 前方電圧検出装置
30A 収容体
100 電池セル
100G セル群
102 外装材
104 正極タブ
104T 終端正極タブ
106 負極タブ
106T 終端負極タブ
108 タブ群
110 コンプレッションパッド
210A,210B 前方保持体
210aA 前方開口
211A,211B 第1下方突起
212A,212B 第1上方突起
214A 下方係止突起
214B 係止突起
215A 上方係止突起
220A 前方電圧検出部
222A 前方電圧検出線
224A 前方コネクタ
230A 正極バスバー
232A 前方横導体
232aA 締結孔
234A 前方縦導体
310A,310B 前方プレート
316A,311B 第2下方突起
317A,312B 第2上方突起
320A 後方プレート
330A,330B 右方プレート
331A 第1下方切欠き
331B 下方切欠き
332A 第1上方切欠き
332B 上方切欠き
333A,333B 中央切欠き
334A 下方係止孔
334B 係止孔
335A 上方係止孔
336A 第2下方切欠き
337A 第2上方切欠き
340A 左方プレート
350A,350B 下方プレート
352A 熱伝導性接着剤
360A,360B 上方プレート
372A 前方ブラケット
374A 後方ブラケット
図1
図2
図3
図4