(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021159
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】加速空洞
(51)【国際特許分類】
H05H 7/18 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
H05H7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123802
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 優志
(72)【発明者】
【氏名】重岡 伸之
(72)【発明者】
【氏名】宮本 明啓
【テーマコード(参考)】
2G085
【Fターム(参考)】
2G085BA05
2G085BA07
2G085BD06
(57)【要約】
【課題】内部を効率的に真空排気することが可能な加速空洞を提供する。
【解決手段】加速空洞は、導電性を有する筒形状であり、中心軸に沿った平面状の分割面で複数に分割された分割部材を分割面同士が隙間を空けて対向した状態で設けられる筐体と、筐体の内部に当該筐体の中心軸の軸線方向に並んだ状態で配置され、荷電粒子を通過可能な連通部により互いに連通された複数のセル部と、隙間を介して複数のセル部に接続された真空マニホールドとを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する筒形状であり、中心軸に沿った平面で複数に分割された分割部材を前記平面に沿った分割面同士が隙間を空けて対向した状態で設けられる筐体と、
前記筐体の内部に当該筐体の中心軸の軸線方向に並んだ状態で配置され、荷電粒子を通過可能な連通部により互いに連通された複数のセル部と、
前記隙間を介して複数の前記セル部に接続された真空マニホールドと
を備える加速空洞。
【請求項2】
前記真空マニホールドは、前記中心軸に直交する方向から前記筐体の前記隙間に接続される
請求項1に記載の加速空洞。
【請求項3】
前記筐体の内部に設けられ、隣り合う前記セル部同士の間を接続する結合空洞を更に備え、
全ての前記結合空洞は、前記セル部に対して前記中心軸に直交する方向について同じ側に配置される
請求項1に記載の加速空洞。
【請求項4】
前記結合空洞は、前記真空マニホールドに接続される
請求項3に記載の加速空洞。
【請求項5】
前記結合空洞と前記真空マニホールドとが、前記セル部に対して、前記中心軸に直交する方向の反対側に配置される
請求項3に記載の加速空洞。
【請求項6】
前記真空マニホールドは、前記筐体の内部に設けられる
請求項1に記載の加速空洞。
【請求項7】
前記真空マニホールドは、前記筐体の外部に設けられる
請求項1に記載の加速空洞。
【請求項8】
前記筐体は、複数の前記セル部から外れた位置に、前記分割面に交差する方向に形成され前記隙間と当該筐体の外部に設けられる前記真空マニホールドとを連通する排気孔を有する
請求項7に記載の加速空洞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加速空洞に関する。
【背景技術】
【0002】
加速空胴は、高周波が入力されることで内部に加速電界を発生させ、電子等の荷電粒子を加速させる。このような加速空洞として、例えば中心軸の軸方向に並ぶ複数のセル部が設けられ、セル部同士が連通部により連通された構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上記のような加速空洞を製造する際、中心軸に沿った平面上の分割面で複数に分割された分割部材を予め形成し、当該分割部材同士を分割面で接合して形成する手法が提案されている。このような手法により製造される加速空洞においては、加速空洞内を効率的に真空排気する構成が求められる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、内部を効率的に真空排気することが可能な加速空洞を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る加速空洞は、導電性を有する筒形状であり、中心軸に沿った平面状の分割面で複数に分割された分割部材を前記分割面同士が隙間を空けて対向した状態で設けられる筐体と、前記筐体の内部に当該筐体の中心軸の軸線方向に並んだ状態で配置され、荷電粒子を通過可能な連通部により互いに連通された複数のセル部と、前記隙間を介して複数の前記セル部に接続された真空マニホールドとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、内部を効率的に真空排気することが可能な加速空洞を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る加速空洞の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る加速空洞の一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図4におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る加速空洞の一例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図6におけるD-D断面に沿った構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係る加速空洞の他の例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、
図8におけるE-E断面に沿った構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る加速空洞の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る加速空洞100の一例を示す平面図である。
図2は、
図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。なお、
図2では、断面ではないが分割面12にハッチングを付した状態で示している。
図3は、
図2におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
【0011】
図1から
図3に示す加速空洞100は、高周波が入力されることで内部に加速電界を発生させ、線源BSから出射される電子等の荷電粒子Mを加速させる。加速空洞100及び線源BSを用いて、加速器ACが構成される。加速器ACは、例えば高エネルギー物理学実験や放射光施設などの学術分野、放射線治療又は検査などの医療分野、非破壊検査などの工業分野等の各種分野において用いられる。なお、以下の説明において、加速空洞100における方向のうち中心軸AXの軸線方向を説明する場合、線源BS側(荷電粒子Mが入射する側)を入射側と表記し、入射側の反対側(荷電粒子が出射する側)を出射側と表記する。
【0012】
図1から
図3に示すように、本実施形態に係る加速空洞100は、筐体10と、セル部20と、結合空洞30と、真空マニホールド40とを備える。
【0013】
筐体10は、導電性を有する筒形状である。筐体10は、複数の分割部材11を接合した状態で形成される。分割部材11は、中心軸AXに沿った平面状の分割面12を有する。各分割部材11は、分割面12同士が対向した状態で接合される。各分割部材11は、対向する分割面12同士の間に隙間13を空けた状態で設けられる。本実施形態では、筐体10が水平面に直交しかつ中心軸AXを通る平面に沿って当該中心軸AXの側方向に分割された構成を例に挙げて説明する。筐体10の分割数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。分割部材11は、全体的に互いに対向する部分が丸みを帯びた形状を有している。このため、電圧が局所的に印加されることが抑制される。
【0014】
セル部20は、筐体10の内部に形成される。セル部20は、筐体10の中心軸AXの軸線方向に並んだ状態で配置される。セル部20は、荷電粒子を通過させる連通部22により互いに連通される。連通部22は、中心軸AXに沿って形成される。セル部20は、高周波により荷電粒子を加速させる。
【0015】
結合空洞30は、隣り合うセル部20同士の間を接続する。結合空洞30は、隣り合うセル部20の間で高周波を伝搬させる。結合空洞30は、荷電粒子の加速に寄与しない箇所に配置される。結合空洞30は、セル部20に対して中心軸AXに直交する方向のうち同一方向の外側に配置される。第1実施形態において、全ての結合空洞30は、中心軸AXを基準としてセル部20に対して上方に配置される。
【0016】
真空マニホールド40は、複数のセル部20を真空排気する際の負圧を形成する部分である。真空マニホールド40は、配管43を介して真空ポンプ等の真空形成部42に接続される。本実施形態において、真空マニホールド40は、例えば筐体10の内部に設けられる。真空マニホールド40は、1つの空間として形成され、各結合空洞30の上方に配置される。真空マニホールド40は、分割部材11同士の隙間13を介して複数のセル部20に接続される。各セル部20は、1つの真空マニホールド40に接続される。また、本実施形態において、真空マニホールド40は、連通部45を介して結合空洞30に連通される。したがって、真空マニホールド40は、各結合空洞30を介して複数のセル部20に接続される。この構成により、真空マニホールド40と複数のセル部20との間が確実に接続される。
【0017】
図2に示すように、筐体10において、各分割部材11の分割面12には、セル部20及び連通部22の一部を構成する単位セル部21及び単位連通部23と、結合空洞30の一部を構成する単位結合空洞31と、真空マニホールド40の一部を構成する単位マニホールド41とが形成される。
【0018】
セル部20は、分割部材11のそれぞれに設けられる単位セル部21同士を組み合わせることで構成される。連通部22は、分割部材11のそれぞれに設けられる単位連通部24同士を組み合わせることで構成される。結合空洞30は、分割部材11のそれぞれに設けられる単位結合空洞31同士を組み合わせることで構成される。真空マニホールド40は、各分割部材11に形成される単位マニホールド41同士が組み合わされることで構成される。
【0019】
本実施形態に係る加速空洞100は、導電性を有する筒形状であり、中心軸AXに沿った平面で複数に分割された分割部材11を当該平面に沿った分割面12同士が隙間13を空けて対向した状態で設けられる筐体10と、筐体10の内部に当該筐体10の中心軸AXの軸線方向に並んだ状態で配置され、荷電粒子を通過可能な連通部22により互いに連通された複数のセル部20と、隙間13を介して複数のセル部20に接続された真空マニホールド40とを備える。
【0020】
この構成によれば、複数に分割された分割部材11の分割面12同士が隙間13を空けて対向した状態で筐体10が設けられる構成において、真空マニホールド40が隙間13を介して複数のセル部20に接続されるため、内部を効率的に真空排気することが可能となる。
【0021】
本実施形態に係る加速空洞100において、真空マニホールド40は、中心軸AXに直交する方向から筐体10の隙間13に接続される。この構成によれば、真空マニホールド40を筐体10に対して中心軸AXに直交する方向に配置することができる。
【0022】
本実施形態に係る加速空洞100において、全ての結合空洞30は、セル部20に対して中心軸AXに直交する方向について同じ側に配置される。この構成では、結合空洞30をセル部20に対して中心軸AXに直交する方向の同じ側に寄せることにより、1つのセル部20に接続される2つの結合空洞30について、中心軸AXに直交する方向(上下方向)の電場の向きが逆になる。これにより、上下方向の電場がキャンセルされるため、セル部20における電場分布の中心が上下方向に寄ることを抑制できる。このため、荷電粒子のビームの偏りを抑制することができる。
【0023】
本実施形態に係る加速空洞100において、筐体10の内部に設けられ、隣り合うセル部20同士の間を接続する結合空洞30を更に備え、結合空洞30は、真空マニホールド40に接続される。この構成によれば、真空マニホールド40が結合空洞30を介してセル部20に接続されるため、真空マニホールド40によりセル部20をより確実に真空排気することができる。
【0024】
本実施形態に係る加速空洞100において、真空マニホールド40は、筐体10の内部に設けられる。この構成では、真空マニホールド40を筐体10の内部に設けることにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0025】
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る加速空洞200の一例を示す断面図である。
図4では、断面ではないが分割面112にハッチングを付した状態で示している。
図5は、
図4におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
【0026】
図4及び
図5に示すように、第2実施形態に係る加速空洞200は、筐体110と、セル部120と、結合空洞130と、真空マニホールド140とを備える。筐体110は、複数の分割部材111を接合した状態で形成される。各分割部材111は、分割面112同士が対向した状態で接合され、対向する分割面112同士の間に隙間113を空けた状態で設けられる。セル部120は、筐体110の内部に中心軸AXの軸線方向に並んだ状態で複数形成され、連通部122により互いに連通される。なお、第2実施形態に係る加速空洞200においては、符号による表記を省略するが、第1実施形態と同様、筐体110において、各分割部材111の分割面112には、セル部120及び連通部122の一部を構成する単位セル部及び単位連通部と、結合空洞130の一部を構成する単位結合空洞と、真空マニホールド140の一部を構成する単位マニホールドとが形成される。
【0027】
本実施形態に係る加速空洞200では、結合空洞130と真空マニホールド140とが、セル部120に対して、中心軸AXに直交する方向の反対側に配置される。つまり、中心軸AXに直交する方向について、結合空洞130がセル部120に対して一方側に配置され、真空マニホールド140がセル部120に対して一方側とは反対の他方側に配置された構成となっている。
図4に示す例では、結合空洞130がセル部120の上側に配置され、真空マニホールド140がセル部120の下側に配置された構成である。
【0028】
この構成では、真空マニホールド140とセル部120とが隙間113を介して接続される。したがって、真空マニホールド140により、隙間113を介してセル部120の真空排気を行うことができる。このため、効率的にセル部120の真空排気を行うことができる。
【0029】
次に、第3実施形態について説明する。
図6は、第3実施形態に係る加速空洞300の一例を示す断面図である。
図6では、断面ではないが分割面212にハッチングを付した状態で示している。
図7は、
図6におけるD-D断面に沿った構成を示す図である。
【0030】
図6及び
図7に示すように、第3実施形態に係る加速空洞300は、筐体210と、セル部220と、結合空洞230と、真空マニホールド240とを備える。筐体210は、複数の分割部材211を接合した状態で形成される。各分割部材211は、分割面212同士が対向した状態で接合され、対向する分割面212同士の間に隙間213を空けた状態で設けられる。なお、隙間213は、筐体210の外部に設けられる真空マニホールド240及び連通部222を除いた部分については、溶接、接着又はシール部材等により封止される。セル部220は、筐体210の内部に中心軸AXの軸線方向に並んだ状態で複数形成され、連通部222により互いに連通される。なお、第3実施形態に係る加速空洞300においては、符号による表記を省略するが、上記各実施形態と同様、筐体210において、各分割部材211の分割面212には、セル部220及び連通部222の一部を構成する単位セル部及び単位連通部と、結合空洞230の一部を構成する単位結合空洞と、真空マニホールド240の一部を構成する単位マニホールドとが形成される。
【0031】
図6及び
図7に示すように、第3実施形態に係る加速空洞300では、真空マニホールド240が筐体210の外部に設けられる。つまり、真空マニホールド240と筐体210とが別部品として設けられる。この構成により、真空マニホールド240の配置の自由度が高くなる。
【0032】
図6及び
図7に示す例では、真空マニホールド240は、筐体210に対して中心軸AXの軸線方向の側方に配置されるマニホールド形成部材242の内部に設けられる。マニホールド形成部材242は、例えば
図7に示すように断面が円弧状であるが、この構成に限定されず、矩形状、三角形状等、他の形状であってもよい。
【0033】
図6及び
図7に示すように、筐体210は、排気孔214を有する。排気孔214は、筐体210のうち各セル部220から外れた位置に配置される。排気孔214は、分割面212に交差する方向に形成される。排気孔214は、隙間213と真空マニホールド240との間を連通する。
【0034】
図8は、第3実施形態に係る加速空洞の他の例を示す断面図である。
図8では、断面ではないが分割面212にハッチングを付した状態で示している。
図9は、
図8におけるE-E断面に沿った構成を示す図である。
図8及び
図9に示す加速空洞300Aは、真空マニホールド240A(マニホールド形成部材242A)が筐体210に対して下方に配置される点で、加速空洞300Aとは構成が異なっている。この構成において、真空マニホールド240Aは、隙間213を介してセル部220に接続される。
【0035】
本実施形態に係る加速空洞300、300Aは、真空マニホールド240が、筐体210の外部に設けられる。この構成により、真空マニホールド240の配置の自由度が高くなる。
【0036】
また、加速空洞300において、筐体210は、複数のセル部220から外れた位置に、分割面212に交差する方向に形成され隙間213と当該筐体210の外部に設けられる真空マニホールド240とを連通する排気孔214を有する。この構成では、真空マニホールド240により、排気孔214を介してセル部220を効率的に真空排気することができる。
【0037】
以上のように、本開示の第1態様に係る加速空洞は、導電性を有する筒形状であり、中心軸AXに沿った平面で複数に分割された分割部材11を当該平面に沿った分割面12同士が隙間13を空けて対向した状態で設けられる筐体10と、筐体10の内部に当該筐体10の中心軸AXの軸線方向に並んだ状態で配置され、荷電粒子を通過可能な連通部22により互いに連通された複数のセル部20と、隙間13を介して複数のセル部20に接続された真空マニホールド40とを備える。
【0038】
この構成によれば、複数に分割された分割部材11の分割面12同士が隙間13を空けて対向した状態で筐体10が設けられる構成において、真空マニホールド40が隙間13を介して複数のセル部20に接続されるため、内部を効率的に真空排気することが可能となる。
【0039】
本開示の第2態様に係る加速空洞は、第1態様に係る加速空洞において、真空マニホールド40が、中心軸AXに直交する方向から筐体10の隙間13に接続される。
【0040】
この構成によれば、真空マニホールド40を筐体10に対して中心軸AXに直交する方向に配置することができる。
【0041】
本開示の第3態様に係る加速空洞は、第1態様又は第2態様に係る加速空洞において、筐体10の内部に設けられ、隣り合うセル部20同士の間を接続する結合空洞30を更に備え、全ての結合空洞30が、セル部20に対して中心軸AXに直交する方向について同じ側に配置される。
【0042】
この構成では、結合空洞30をセル部20に対して中心軸AXに直交する方向の同じ側に寄せることにより、中心軸AXに直交する方向の電場分布の中心を中心軸AXに合わせることができる。このため、荷電粒子のビームの偏りを抑制することができる。
【0043】
本開示の第4態様に係る加速空洞は、第3態様に係る加速空洞において、結合空洞30が、真空マニホールド40に接続される。
【0044】
この構成によれば、真空マニホールド40が結合空洞30を介してセル部20に接続されるため、真空マニホールド40によりセル部20をより確実に真空排気することができる。
【0045】
本開示の第5態様に係る加速空洞は、第3態様に係る加速空洞において、結合空洞130と真空マニホールド140とが、セル部120に対して、中心軸AXに直交する方向の反対側に配置される。
【0046】
この構成では、真空マニホールド140とセル部120とが隙間113を介して接続される。したがって、真空マニホールド140により、隙間113を介してセル部120の真空排気を行うことができる。このため、効率的にセル部120の真空排気を行うことができる。
【0047】
本開示の第6態様に係る加速空洞は、第1態様から第5態様のいずれかに係る加速空洞において、真空マニホールド40が、筐体10の内部に設けられる。
【0048】
この構成では、真空マニホールド40を筐体10の内部に設けることにより、部品点数の削減を図ることができる。
【0049】
本開示の第7態様に係る加速空洞は、第1態様から第5態様のいずれかに係る加速空洞において、真空マニホールド240が、筐体210の外部に設けられる。
【0050】
この構成により、真空マニホールド240の配置の自由度が高くなる。
【0051】
本開示の第8態様に係る加速空洞は、第7態様に係る加速空洞において、筐体210が、複数のセル部220から外れた位置に、分割面212に交差する方向に形成され隙間213と当該筐体210の外部に設けられる真空マニホールド240とを連通する排気孔214を有する。
【0052】
この構成では、真空マニホールド240により、排気孔214を介してセル部220を効率的に真空排気することができる。
【符号の説明】
【0053】
10,110,210 筐体
11,111 分割部材
12,112,212 分割面
13,113,213 隙間
20,120,220 セル部
21 単位セル部
22,45,122 連通部
23,24 単位連通部
30,130 結合空洞
31 単位結合空洞
40,140,240 真空マニホールド
41 単位マニホールド
42 真空形成部
43 配管
100,200,300,300A 加速空洞
214 排気孔
242 マニホールド形成部材
AC 加速器
AX 中心軸
BS 線源
M 荷電粒子