(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021166
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
H04B 1/40 20150101AFI20240208BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240208BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20240208BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240208BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H04B1/40
H01M10/052
H01M10/0562
H01M50/247
G08C17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123813
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優太
(72)【発明者】
【氏名】平林 智則
(72)【発明者】
【氏名】山崎 ▲祐▼司
【テーマコード(参考)】
2F073
5H029
5H040
5K011
【Fターム(参考)】
2F073AA11
2F073AA19
2F073AA22
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE12
2F073EF09
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
2F073GG08
5H029AJ00
5H029AL03
5H029AM12
5H029BJ04
5H029HJ12
5H040AA00
5H040AS12
5H040AT04
5H040NN03
5K011AA08
5K011DA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小型化及び軽量化が可能な構成を有するセンサユニットを提供する。
【解決手段】センサユニット100は、基板1と、センサ2と、検知データを送信する通信用アンテナ3と、検知データの送信を制御する通信制御部4と、送電用電波を受信する受電用アンテナ5と、送電用電波に基づく電力を充電するとともに、基板、センサ及び通信制御部に電力を供給する全個体二次電池6と、送電用電波に基づく電力の二次電池への充電を制御する無線給電制御部7と、を有する。センサ、通信制御部、二次電池及び無線給電制御部のうちの少なくとも1つが、基板に対して基板の厚み方向の一方に位置する。センサ、通信制御部、二次電池及び無線給電制御部のうちの残りが、基板に対して厚み方向の他方に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
検知対象の状態を検知するセンサと、
前記センサによる検知結果に関する検知データを送信する通信用アンテナと、
前記基板に実装され、前記通信用アンテナによる前記検知データの送信を制御する通信制御部と、
送電用アンテナから発信された送電用電波を受信する受電用アンテナと、
前記受電用アンテナが受信した前記送電用電波から変換された電力を充電するとともに、前記基板、前記センサ及び前記通信制御部に電力を供給する二次電池と、
前記基板に実装され、前記送電用電波に基づく電力の前記二次電池への充電を制御する無線給電制御部と、
を有するセンサユニットであって、
前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部のうちの少なくとも1つが、前記基板に対して前記基板の厚み方向の一方に位置し、
前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部のうちの残りが、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置する、
センサユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサユニットにおいて、
前記通信用アンテナ又は前記受電用アンテナの一方が、前記基板に対して前記厚み方向の一方に位置し、
前記通信用アンテナ又は前記受電用アンテナの他方が、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置する、
センサユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサユニットにおいて、
前記受電用アンテナが形成されている第1カバー部と、
前記通信用アンテナが形成されている第2カバー部と、を有し、
前記第1カバー部又は前記第2カバー部の一方が、前記基板に対して前記厚み方向の一方に位置し、
前記第1カバー部又は前記第2カバー部の他方が、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置し、
前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、組み合されることにより、前記センサユニットの外殻を構成し、
前記基板、前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部は、前記第1カバー部と前記第2カバー部とによって形成される収容空間内に位置する、
センサユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサユニットにおいて、
前記二次電池は、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記センサと逆側に位置する、
センサユニット。
【請求項5】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサユニットにおいて、
前記二次電池は、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記無線給電制御部と同じ側に位置する、
センサユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサユニットにおいて、
前記受電用アンテナは、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記二次電池及び前記無線給電制御部と同じ側に位置する、
センサユニット。
【請求項7】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサユニットにおいて、
前記通信用アンテナは、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記通信制御部と同じ側に位置する、
センサユニット。
【請求項8】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサユニットにおいて、
前記二次電池は、全固体二次電池である、
センサユニット。
【請求項9】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサユニットにおいて、
前記基板と前記センサとの間に位置する電磁波吸収部材を有する、
センサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
センサを用いた検知の結果を無線で送信する無線センサが知られている。例えば、特許文献1には、電力を供給する電源部と、センサと、前記電源部から供給される電力によって動作する無線通信回路と、前記電源部から供給される電力によって動作し、前記無線通信回路を介して前記センサの検出結果を示すデータを外部に送信するセンサ制御回路と、を備える無線センサが開示されている。
【0003】
前記無線センサの前記電源部は、二次電池と、非接触で電力の供給を受ける受電回路と、前記受電回路が受けた電力によって前記二次電池を充電するとともに、前記二次電池からの電力及び前記受電回路が受けた電力を前記無線通信回路及び前記センサ制御回路に供給する制御を行う電源制御回路と、を有する。前記無線センサは、動作モードとして、前記センサ制御回路によって前記センサから取得したデータを、前記無線通信回路を介して外部に送信する標準モードと、前記受電回路が非接触で電力の供給を受けた場合に前記二次電池及び前記センサの少なくとも一つを診断する診断モードとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/043546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の無線センサは、二次電池を内蔵する。一般的に、二次電池の容量は、経時的に低下する。そのため、二次電池の容量の経時低下を考慮して、大容量で大型の二次電池を無線センサに搭載することが考えられる。しかしながら、このように大型の二次電池を無線センサに搭載した場合、前記無線センサのサイズが大型化する。
【0006】
前記無線センサが大型である場合、前記無線センサの設置作業及び前記無線センサの設置後の維持管理作業において、作業負担が大きい。設置作業及び設置後の維持管理の容易性の観点から、小型化が可能な構成を有するセンサユニットが求められている。
【0007】
本発明の目的は、小型化が可能な構成を有するセンサユニットを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るセンサユニットは、基板と、検知対象の状態を検知するセンサと、前記センサによるその検知結果に関する前記検知データを送信する通信用アンテナと、前記基板に実装され、前記通信用アンテナによる前記検知データの送信を制御する通信制御部と、送電用アンテナから発信された送電用電波を受信する受電用アンテナと、前記受電用アンテナが受信した前記送電用電波から変換された電力を充電するとともに、前記基板、前記センサ及び前記通信制御部に電力を供給する二次電池と、前記基板に実装され、前記送電用電波に基づく電力の前記二次電池への充電を制御する無線給電制御部と、を有する。前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部のうちの少なくとも1つが、前記基板に対して前記基板の厚み方向の一方に位置する。前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部のうちの残りが、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置する(第1の構成)。
【0009】
上述の構成により、センサユニットを構成するセンサ、通信制御部、二次電池及び無線給電制御部が基板の両面に配置される。これにより、前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部を基板の片方に並べて配置する場合に比べて、前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部を前記基板に対してコンパクトに配置することができる。従って、前記センサユニットの小型化が可能である。
【0010】
前記第1の構成において、前記通信用アンテナ又は前記受電用アンテナの一方が、前記基板に対して前記厚み方向の一方に位置する。前記通信用アンテナ又は前記受電用アンテナの他方が、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置する(第2の構成)。
【0011】
これにより、基板に対して厚み方向の片側に受電用アンテナ及び通信用アンテナを並べて配置する場合に比べて、前記受電用アンテナと前記通信用アンテナとをコンパクトに配置することができる。
【0012】
さらに、受信する電波の周波数が異なる受電用アンテナと前記通信用アンテナとが、前記基板の両側に分散配置される。これにより、送電用電波と検知データの送信波との干渉を防ぐことも可能である。
【0013】
前記第2の構成において、センサユニットは、前記受電用アンテナが形成されている第1カバー部と、前記通信用アンテナが形成されている第2カバー部と、を有する。前記第1カバー部又は前記第2カバー部の一方が、前記基板に対して前記厚み方向の一方に位置する。前記第1カバー部又は前記第2カバー部の他方が、前記基板に対して前記厚み方向の他方に位置する。前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、組み合わされることにより、前記センサユニットの外殻を構成する。前記基板、前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部は、前記第1カバー部と前記第2カバー部とによって形成される収容空間内に位置する(第3の構成)。
【0014】
第1カバー部に受電用アンテナが形成され、第2カバー部に通信用アンテナが形成される。これにより、前記受電用アンテナ及び前記通信用アンテナが、センサユニットのカバーと別体である場合に比べ、前記センサユニットの部品数を減らすことができる。よって、前記センサユニットを小型化及び軽量化することができる。
【0015】
さらに、第1カバー部と第2カバー部とによって形成される収容空間内に、基板、センサ、通信制御部、二次電池及び無線給電制御部が収容される。これにより、前記基板、前記センサ、前記通信制御部、前記二次電池及び前記無線給電制御部を、水分及び埃などから保護することができる。よって、前記センサユニットは、水に濡れる環境又は高湿度環境でも故障なく継続動作可能である。例えば、前記センサユニットは、屋外及び水中でも使用が可能である。
【0016】
前記第1から第3の何れか1つの構成において、前記二次電池は、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記センサと逆側に位置する(第4の構成)。
【0017】
これにより、二次電池及びセンサを基板に対して厚み方向の同じ側に配置する場合に比べて、前記基板を厚み方向に見て、前記二次電池と前記センサとをコンパクトに配置することができる。従って、センサユニットを小型化することができる。
【0018】
前記第1から第4の何れか1つの構成において、前記二次電池は、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記無線給電制御部と同じ側に位置する(第5の構成)。
【0019】
上述の構成では、無線給電制御部及び二次電池が基板の両側に別々に配置される場合に比べて、前記二次電池と前記無線給電制御部との距離が近い。これにより、前記無線給電制御部と前記二次電池とを電気的に接続する配線を短くすることができる。その結果、センサユニットを小型化及び軽量化することができる。さらに、上述のように前記配線が短いので、前記配線によって生じるノイズを減らすことができる。
【0020】
前記第5の構成において、前記受電用アンテナは、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記二次電池及び前記無線給電制御部と同じ側に位置する(第6の構成)。
【0021】
上述の構成では、無線給電制御部、受電用アンテナ及び二次電池が基板の両側に別々に配置される場合に比べて、前記無線給電制御部、前記受電用アンテナ及び前記二次電池の距離が近い。これにより、前記無線給電制御部、前記受電用アンテナ及び前記二次電池を接続する配線を短くすることができる。その結果、センサユニットを小型化及び軽量化することができる。さらに、上述のように前記配線が短いので、前記配線によって生じるノイズを減らすことができる。
【0022】
前記第1から第6の何れか1つの構成において、前記通信用アンテナは、前記厚み方向において、前記基板に対して、前記通信制御部と同じ側に位置する(第7の構成)。
【0023】
上述の構成では、通信用アンテナ及び通信制御部が基板の両側に別々に配置される場合に比べて、前記通信用アンテナと前記通信制御部との距離が近い。これにより、前記通信用アンテナと前記通信制御部とを電気的に接続する配線を短くすることができる。よって、センサユニットを小型化及び軽量化することができる。さらに、上述のように前記配線が短いので、前記配線によって生じるノイズを減らすことができる。
【0024】
前記第1から第7の何れか1つの構成において、前記二次電池は、全固体二次電池である(第8の構成)。
【0025】
全固体二次電池が動作する温度範囲は、液体電解質の二次電池が動作する温度範囲よりも広い。そのため、センサユニットは、従来では使用できないような高温環境又は低温環境でも使用可能である。さらに、前記全固体二次電池における形状の制限は、電解質が液体である電池よりも少ない。すなわち、前記全体固体二次電池は、液体電解質の電池よりも形状の自由度を有する。よって、センサユニットの小型化も可能である。
【0026】
前記第1から第8の何れか1つの構成において、センサユニットは、前記基板と前記センサとの間に位置する電磁波吸収部材を有する(第9の構成)。
【0027】
電磁波吸収部材は、電磁波によるノイズを吸収する。よって、前記電磁波吸収部材によって、基板及びセンサがノイズから保護される。したがって、前記基板及び前記センサの誤動作を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の例示的な一実施形態に係るセンサユニットによれば、小型化が可能な構成を有するセンサユニットが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセンサユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る全固体二次電池の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施可能に係るセンサユニットの外殻の形状の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るセンサユニットの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る基板、センサ、通信制御部、全固体二次電池及び無線給電制御部の配置の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る受電用アンテナ及び通信用アンテナの形成方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表しているわけではない。
【0031】
なお、以下の説明では、基板1の厚み方向を、単に「厚み方向」と称する。ただし、この方向の定義により、本発明に係るセンサユニット100の使用時の向きを限定する意図はない。
【0032】
<実施形態>
(センサユニット100の概要)
図1及び
図2を用いて、センサユニット100の概要を説明する。
【0033】
センサユニット100は、設置場所にて、検知対象の状態を検知し、検知結果に関する検知データを無線送信する。センサユニット100は、屋内、屋外の何れにも設置が可能である。センサユニット100により、検知対象を無人で継続的に監視することができる。センサユニット100を屋外に設置する場合、前記検知対象は、例えば、港湾設備、橋梁、トンネル、鉄鋼構築物、高架橋、又は、道路等を含む。なお、前記検知対象は特にこれらの構造物に制限されない。
【0034】
図1に示すように、センサユニット100は、基板1、センサ2、通信用アンテナ3、通信制御部4、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7を有する。
【0035】
基板1には、両面のうち少なくとも一方の面に所定の配線が形成されている。基板1の前記配線は、センサ2、通信用アンテナ3、通信制御部4、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7と電気的に接続されている。例えば、通信制御部4及び無線給電制御部7は、基板1に実装されている。なお、特に説明しないが、基板1には、通信制御部4及び無線給電制御部7以外の素子も、実装されている。
【0036】
センサ2は、検知対象の状態を検知する。センサ2は、例えば、ソナーセンサ、超音波センサ、エックス線センサ、磁気センサ、マイクロ波センサ又はカメラなどを含む。なお、周波数が300MHz~3GHzの電波を送受信するセンサをマイクロ波センサとして用いることができる。なお、センサ2は、前記検知対象の状態を検知可能なセンサであれば、上述のセンサに特に制限されない。また、センサユニット100は、センサ2を1つ有していてもよいし、複数有していてもよい。
【0037】
通信用アンテナ3は、センサ2の検知結果に関するデータである検知データを送信する。例えば、通信用アンテナ3は、5Gの通信規格に準拠した電波を送信可能である。なお、通信用アンテナ3は、5G以外の通信規格に準拠した電波を送信してもよい。
【0038】
例えば、通信制御部4は、通信用アンテナ3からの前記検知データの送信を制御する通信制御回路である。通信制御部4は、センサ2の出力である検知結果に基づいて前記検知データを生成し、前記検知データを変調する変調処理を行う。通信制御部4は、前記変調処理によって得られた信号を、通信用アンテナ3に入力する。その結果、前記検知データが前記信号として通信用アンテナ3から送信される。
【0039】
受電用アンテナ5は、送電用アンテナ200から発信された送電用電波を受信する。例えば、送電用電波は、マイクロ波である。マイクロ波による無線給電によって、電力がセンサユニット100に供給される。なお、
図1に示す白抜矢印は、電力の流れを示す。
【0040】
全固体二次電池6は、受電用アンテナ5が受信した送電用電波を変換することにより得られる電力を充電する。また、全固体二次電池6は、基板1、センサ2及び通信制御部4に電力を供給する。
【0041】
具体的に、実施形態に係る全固体二次電池6は、全固体リチウムイオン電池である。全固体二次電池6では、電解質が固体である。全固体リチウムイオン電池と電解質が液体であるリチウムイオン電池とは、正極と負極との間でLiイオンが運ばれる点で、共通している。
【0042】
全固体二次電池6が安定、かつ安全に動作する温度範囲は、液体電解質の二次電池が動作する温度範囲よりも、低温側、高温側共に広い。そのため、センサユニット100は、従来の液体電解質のリチウムイオン電池では使用できないような80℃を超える高温環境又は-20℃を下回る低温環境でも、大きな容量の低下がなく、安定、かつ安全に使用可能である。さらに、全固体二次電池6における形状の制限は、電解質が液体の電池における形状の制限よりも少ない。すなわち、全固体二次電池6は、液体電解質の電池よりも形状の自由度を有する。よって、センサユニット100の小型化も可能である。
【0043】
図2は、実施形態に係る全固体二次電池6の一例を示す。
図2に示す全固体二次電池6は、ラミネートフィルム外装体61及び電極体62を有する。
【0044】
ラミネートフィルム外装体61は、金属ラミネートフィルムによって構成されている。前記金属ラミネートフィルムは、電極体62を挟み込んだ状態で外周部が熱融着されることにより、ラミネートフィルム外装体61を構成する。
【0045】
電極体62の構成は、従来の全固体二次電池と同様の構成を有する。よって、以下では、電極体62の構成について簡単に説明する。特に図示しないが、電極体62は、負極と、正極と及び正極と負極との間に位置する固体電解質層とを有する。
【0046】
前記負極は、負極活物質、固体電解質及び負極合剤を含む成形体を有する。例えば、前記負極活物質は、リチウムチタン酸化物を含有する。前記固体電解質は、硫化物系固体電解質であり、イオン伝導性に優れている。なお、硫化物系固体電解質以外の固体電解質が負極の固体電解質に用いられてもよい。前記負極合剤は、導電助剤を含有する。
【0047】
前記正極は、正極活物質、固体電解質及び正極合剤を含む成形体を有する。前記正極活物質は、Liイオンを吸蔵・放出可能な活物質であればよい。例えば、前記正極活物質は、従来のリチウムイオン二次電池に用いられている正極活物質を用いることができる。前記固体電解質には、負極と同じ固体電解質を使用することができる。例えば、前記固体電解質は、硫化物系固体電解質を含有する。なお、硫化物系固体電解質以外の固体電解質が前記固体電解質に用いられてもよい。前記正極合剤は、導電助剤及びバインダを含有する。
【0048】
前記正極と前記負極との間に位置する前記固体電解質層は、固体電解質によって構成される。前記固体電解質には、負極と同じ固体電解質を使用することができる。例えば、前記固体電解質は、硫化物系固体電解質を含有する。なお、前記固体電解質は、硫化物系固体電解質以外の固体電解質でもよい。
【0049】
正極接続端子63は、電極体62の正極と接続され、電極体62から外方に延出している。なお、図示しない負極接続端子は、電極体62の負極と接続され、電極体62から外方に延出している。
【0050】
無線給電制御部7は、受電用アンテナ5が受信した送電用電波を電力に変換するとともに、変換された電力の全固体二次電池6への充電を制御する。全固体二次電池6を充電する場合、無線給電制御部7は、前記電力変換回路によって前記送電用電波から変換した電力を、全固体二次電池6に供給して全固体二次電池6の充電を制御する。これにより、全固体二次電池6が充電される。
【0051】
例えば、無線給電制御部7は、全固体二次電池6の電圧が予め定められた閾値電圧未満の場合、全固体二次電池6を充電する。また、例えば、無線給電制御部7は、全固体二次電池6の電圧が閾値電圧以上になった場合、全固体二次電池6の充電を停止する。
【0052】
基板1に設けられた図示しない供給制御回路は、検知データを送信する場合、全固体二次電池6の電力を基板1、センサ2及び通信制御部4に供給する。その結果、電力が供給されたセンサ2が動作し、電力が供給された通信制御部4が、検知データの生成と生成した検知データの無線送信を実行する。
【0053】
(センサユニット100の詳細)
次に、
図3~
図5を用いて、実施形態に係るセンサユニット100の詳細を説明する。
【0054】
図3に示すように、センサユニット100は、回転楕円体状の外形を有する。
図4に示すように、センサユニット100は、基板1、センサ2、通信用アンテナ3、通信制御部4、受電用アンテナ5、全固体二次電池6、無線給電制御部7、放熱部8及びカバー部9を有する。なお、
図4は、基板1の平面が水平な状態で、センサユニット100を
図3に示す長軸方向に切断した場合の断面図である。
【0055】
カバー部9は、センサユニット100の外殻を構成している。
図4に示すように、カバー部9の内部に、基板1、センサ2、通信用アンテナ3、通信制御部4、受電用アンテナ5、全固体二次電池6、無線給電制御部7及び放熱部8が収容されている。
【0056】
センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7のうちの少なくとも一つが、基板1に対して基板1の厚み方向の一方に位置する。また、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7のうちの残りが、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。
【0057】
本実施形態では、
図4に示すように、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7は、基板1に対して、基板1の厚み方向の一方に位置する。また、センサ2、通信用アンテナ3及び通信制御部4は、基板1に対して基板1の厚み方向の他方に位置する。
【0058】
図5は、基板1を厚み方向に見た図である。
図5では、通信用アンテナ3、受電用アンテナ5、放熱部8及びカバー部9の図示は、省略されている。
図5に示すように、全固体二次電池6は、基板1を厚み方向に見て、センサ2及び通信制御部4の一部と重なっている。また、無線給電制御部7は、基板1を厚み方向に見て、センサ2と重なっている。このように、基板1に対して厚み方向の一方に位置する部材は、基板1を厚み方向に見て、基板1に対して厚み方向の他方に位置する部材の少なくとも一部と重なっている。
【0059】
例えば、全固体二次電池6は、基板1の厚み方向において、基板1に対して、センサ2及び通信制御部4と逆側に位置し、かつ、基板1を厚み方向に見て、センサ2及び通信制御部4の一部と重なっている。よって、全固体二次電池6とセンサ2とを基板1の片方の平面に並べて配置する場合に比べて、全固体二次電池6とセンサ2とをコンパクトに配置することができる。従って、センサユニット100を小型化することができる。
【0060】
一方で、全固体二次電池6は、厚み方向において、基板1に対して、無線給電制御部7と同じ側に位置する。しかも、全固体二次電池6と無線給電制御部7との距離は、無線給電制御部7及び全固体二次電池6が基板1の両側に別々に配置される場合に比べて近い。これにより、前記無線給電制御部7と全固体二次電池6とを電気的に接続する配線を短くすることができる。よって、センサユニット100を、小型化及び軽量化することができる。
【0061】
放熱部8は、回転楕円体状の外形を有する。放熱部8は、基板1、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7を覆っている。
【0062】
放熱部8は、熱伝導率が高い樹脂の層である。例えば、放熱部8は、熱伝導性フィラーを含む樹脂によって構成されている。また、放熱部8は、基板1、センサ2及び全固体二次電池6と接触している。これにより、基板1、センサ2及び全固体二次電池6の熱が、放熱部8に伝導する。
【0063】
カバー部9は、放熱部8を覆っている。具体的に、カバー部9は、センサユニット100の最も外方に位置し、放熱部8の外面全体を覆っている。カバー部9は、内部に収容空間を有する。カバー部9によって囲まれた収容空間内に、基板1、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6、無線給電制御部7及び放熱部8が収容されている。
【0064】
カバー部9は、第1カバー部91及び第2カバー部92を含む。第1カバー部91は、基板1に対して厚み方向の一方に位置する。第2カバー部92は、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。第1カバー部91と第2カバー部92とを組み合わせることにより、カバー部9が構成される。第1カバー部91及び第2カバー部92は、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂、光硬化性樹脂、セラミックス又はガラスなどのように、センサユニット100のカバーを構成可能な材料であればどのような材料によって構成されていてもよい。
【0065】
具体的に、第1カバー部91及び第2カバー部92は、それぞれ鉢状である。第1カバー部91及び第2カバー部92が組み合わされた状態において、第1カバー部91の中央部分は、基板1の厚み方向の一方に突出している。また、第2カバー部92の中央部分は、基板1の厚み方向の他方に突出している。
【0066】
そして、第1カバー部91及び第2カバー部92を厚み方向に見て、第1カバー部91及び第2カバー部92は、それぞれ楕円状の縁部を有している。第1カバー部91の縁部と第2カバー部92の縁部との間に隙間がないように、第1カバー部91の縁部と第2カバー部92の縁部とが重ねられる。そして、それぞれの縁部は、図示しない固定部材によって隙間なく固定される。例えば、前記固定部材は、接着剤又は接着テープ等である。なお、第1カバー部91及び第2カバー部92は、溶接やねじ固定などのように接着以外の方法によって固定されてもよい。
【0067】
上述のように第1カバー部91の縁部と第2カバー部92の縁部とは隙間なく固定されるため、基板1、センサ2、通信用アンテナ3、通信制御部4、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7は、水分及び埃から守られる。よって、センサユニット100は、水に濡れる環境又は高湿度環境でも故障なく動作可能である。そのため、センサユニット100は、屋内だけでなく、屋外又は水中で使用可能である。
【0068】
第1カバー部91及び第2カバー部92が組み合わされた状態において、第1カバー部91の内面及び第2カバー部92の内面は、それぞれ放熱部8の外面と接触している。これにより、通信制御部4並びに無線給電制御部7のような基板1に実装された素子、センサ2及び全固体二次電池6で生じた熱は、放熱部8を介して、カバー部9に伝達される。カバー部9に伝達された熱は、第1カバーの外面及び第2カバーの外面から外気に放出される。
【0069】
ここで、第1カバー部91の内面に受電用アンテナ5が形成されている。そのため、受電用アンテナ5は、基板1に対して厚み方向の一方に位置する。また、第2カバー部92の内面に通信用アンテナ3が形成されている。そのため、通信用アンテナ3は基板1に対して厚み方向の他方に位置する。なお、受電用アンテナ5及び通信用アンテナ3は、基板1を厚み方向に見て、重なる位置に設けられていてもよい。
【0070】
これにより、基板1に対して厚み方向の片側に通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5を並べて配置する場合に比べて、通信用アンテナ3と受電用アンテナ5とをコンパクトに配置することができる。さらに、上述の構成により、送受信する電波の周波数が異なる通信用アンテナ3と受電用アンテナ5とが、基板1の両側に分散配置される。これにより、送電用電波と検知データの送信波との干渉を効果的に防ぐことも可能である。
【0071】
また、上述の構成により、通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5が、センサユニット100のカバーと別体である場合に比べ、センサユニット100の部品数が少ない。よって、前記センサユニット100を小型化及び軽量化することができる。
【0072】
さらに、
図4に示すように、通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5は、基板1、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7を厚み方向に挟む位置に位置する。具体的に、基板1を厚み方向に見て、通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5は、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7のうち、少なくとも1つと重なる。
【0073】
さらに、
図4に示すように、受電用アンテナ5は、厚み方向において、基板1に対して、全固体二次電池6及び無線給電制御部7と同じ側に位置する。これにより、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7を電気的に接続するための配線を短くすることができる。
【0074】
また、
図4に示すように、通信用アンテナ3は、厚み方向において、基板1に対して、通信制御部4と同じ側に位置する。これにより、通信用アンテナ3と通信制御部4とを電気的に接続するための配線を短くすることができる。
【0075】
なお、
図4に示すように、センサユニット100は、基板1とセンサ2の間に位置する電磁波吸収部材101を有する。電磁波吸収部材101がノイズを吸収する。これにより、基板1及びセンサ2がノイズから保護される。よって、基板1及びセンサ2の誤動作を防ぐことができる。
【0076】
(アンテナの形成)
図6を用いて、実施形態に係る受電用アンテナ5及び通信用アンテナ3の形成方法の一例を説明する。
【0077】
受電用アンテナ5は、第1カバー部91の内面に形成された受電用アンテナ5のアンテナパターンのメッキ膜を有する。また、通信用アンテナ3は、第2カバー部92の内面に形成された通信用アンテナ3のアンテナパターンのメッキ膜を有する。
【0078】
上述したように、第1カバー部91及び第2カバー部92は、内面の中央部が厚み方向に突出している。そのため、受電用アンテナ5及び通信用アンテナ3のそれぞれのアンテナパターンは、単なる平面ではなく、中央部が厚み方向に突出する曲面に形成されている。
【0079】
本実施形態の第1カバー部91への受電用アンテナ5の形成及び第2カバー部92への通信用アンテナ3の形成には、後述するMID(Molded Interconnect Device)法が用いられる。本MID法は、
図6に示す工程を用いており、曲面及び凹凸がある面にめっき膜を形成可能である。本MID法により形成されたアンテナパターンは、表面平滑性が良いので、発生するノイズが少ない。そのため、特に高周波帯域を利用する場合、本MID法により形成されたアンテナパターンの送受信の効率が良い。
【0080】
例えば、シミュレーションによって、マイクロ波を効率よく受信できる受電用アンテナ5の形状が求められる。求められた形状に基づき、受電用アンテナ5が第1カバー部91に形成される。また、シミュレーションによって、採用する通信規格に準拠する電波を効率よく送信できる通信用アンテナ3の形状が求められる。求められた形状に基づき、通信用アンテナ3が第2カバー部92に形成される。
【0081】
MID法を用いた第1カバー部91における受電用アンテナ5の形成の一例を説明する。まず、MID法によるメッキ処理では、触媒失活剤が第1カバーの内面に付与される。第1カバーの内面に付与された触媒失活剤は、基材に浸透するか、基材表面に吸着すると推測される。このように、触媒失活剤を付与する工程が、
図6に示すステップS1の触媒失活剤付与工程である。
【0082】
次に、受電用アンテナ5のアンテナパターンに従って、触媒失活剤が付与された第1カバーの内面に向けて、レーザー光が照射される(レーザー描画)。これにより、レーザー光が照射された部分は、加熱される。その結果、加熱部分に存在する触媒失活剤は除去される。このように、触媒失活剤の一部を除去する工程が、
図6に示すステップS2のレーザー照射工程である。なお、レーザー光以外の加熱方法によって、受電用アンテナ5のアンテナパターン部分の触媒失活剤が除去されてもよい。
【0083】
次に、無電解メッキ触媒が第1カバーの内面に供給される。具体的に、無電解メッキ触媒の塗布、又は、無電解メッキ触媒液への浸漬によって、無電解メッキ触媒液が第1カバーの内面に付与される。なお、無電解メッキ触媒液は、塗布又は浸漬以外の方法によって、第1カバーの内面に付与されてもよい。このように、無電解メッキ触媒液を第1カバーの内面に付与する工程が、
図6に示すステップS3の無電解メッキ触媒付与工程である。
【0084】
無電解メッキ触媒として、例えば、Pd、Ni、Pt、Cu等の金属微粒子、金属錯体、金属アルコキシド等を用いることができる。特に、無電解メッキ触媒は、触媒活性が高いPdを含む無電解メッキ触媒が好ましい。なお、無電解メッキ触媒は、無電解メッキ触媒能を有するものであればよく、上記の金属の金属微粒子、金属錯体、金属アルコキシドに限られない。
【0085】
続いて、第1カバーの内面に無電解メッキ液が供給される。これにより、第1カバーの内面が無電解メッキ液と接触する。加熱によって触媒失活剤が除去された部分に、無電解メッキ液による被膜が形成される。その結果、受電用アンテナ5のアンテナパターンが形成される。このように、無電解メッキ液を第1カバーの内面に接触させる工程が、
図6に示すステップS4の無電解メッキ液接触工程である。
【0086】
図5に示すMID法を用いて、第2カバー部92の通信用アンテナ3を形成することができる。通信用アンテナ3を第2カバー部92に形成する工程は、受電用アンテナ5を第1カバーに形成する工程と同様である。そのため、詳細な説明は省略する。
【0087】
以上より、本実施形態に係るセンサユニット100は、基板1と、検知対象の状態を検知するセンサ2と、センサ2によるその検知結果に関する検知データを送信する通信用アンテナ3と、基板1に実装され、通信用アンテナ3からの検知データの送信を制御する通信制御部4と、送電用アンテナ200から発信された送電用電波を受信する受電用アンテナ5と、受電用アンテナ5が受信した送電用電波から変換された電力を充電するとともに、基板1、センサ2及び通信制御部4に電力を供給する全固体二次電池6と、基板1に実装され、受電用アンテナ5が受信した送電用電波に基づく電力の全固体二次電池6への充電を制御する無線給電制御部7と、を有する。センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7のうちの少なくとも1つが、基板1に対して基板1の厚み方向の一方に位置する。センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7のうちの残りが、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。
【0088】
センサユニット100を構成するセンサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7が基板1の両面に配置される。これにより、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7を基板1の片方に並べて配置する場合に比べて、センサ2、通信制御部4、全固体二次電池6及び無線給電制御部7をコンパクトに配置することができる。従って、センサユニット100の小型化が可能である。
【0089】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0090】
前記実施形態では、受電用アンテナ5、全固体二次電池6及び無線給電制御部7が、基板1に対して厚み方向の一方に位置し、センサ2、通信用アンテナ3及び通信制御部4が、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。しかしながら、受電用アンテナ、全固体二次電池及び無線給電制御部のうち1つ又は2つは、基板に対して厚み方向の他方に位置し、残りが、基板に対して厚み方向の一方に位置してもよい。また、センサ、通信用アンテナ及び通信制御部のうち1つ又は2つは、基板に対して厚み方向の一方に位置し、残りが基板に対して厚み方向の他方に位置してもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、受電用アンテナ5は、基板1に対して厚み方向の一方に位置し、通信用アンテナ3は、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。しかしながら、受電用アンテナが、基板に対して厚み方向の他方に位置し、通信用アンテナが、基板に対して厚み方向の一方に位置してもよい。また、受電用アンテナ及び通信用アンテナの両方が、基板に対して厚み方向の一方又は他方に位置してもよい。
【0092】
前記実施形態では、第1カバー部91に受電用アンテナ5が形成され、第2カバー部92に通信用アンテナ3が形成されている。しかしながら、通信用アンテナが第1カバー部に形成され、受電用アンテナが第2カバー部に形成されてもよい。さらに、受電用アンテナは、第1カバー部及び第2カバー部のいずれにも形成されず、第1カバー部及び第2カバー部と別体でもよい。また、通信用アンテナは、第1カバー部及び第2カバー部のいずれにも形成されず、第1カバー部及び第2カバー部と別体でもよい。
【0093】
前記実施形態では、第1カバー部91が、基板1に対して厚み方向の一方に位置し、第2カバー部92が、基板1に対して厚み方向の他方に位置する。しかしながら、第1カバー部が、基板に対して厚み方向の他方に位置し、第2カバー部が、基板に対して厚み方向の一方に位置してもよい。
【0094】
前記実施形態では、第1カバー部91及び第2カバー部92が組み合わされる。しかしながら、第1カバー部及び第2カバー部は一体でもよい。
【0095】
前記実施形態では、第1カバー部91及び第2カバー部92がカバー部9を構成している。しかしながら、センサユニットは、カバー部を有していなくてもよい。
【0096】
さらに、前記実施形態では、カバー部9は、センサユニット100の全体を覆っている。しかし、カバー部は、全体を覆っていなくてもよい。例えば、カバー部は、放熱部の一部のみを覆っていてもよい。
【0097】
前記実施形態では、全固体二次電池6は、厚み方向において、基板1に対して、センサ2と逆側に位置する。しかし、全固体二次電池は、厚み方向において、基板に対して、センサと同じ側に位置してもよい。
【0098】
前記実施形態では、無線給電制御部7は、厚み方向において、基板1に対して、二次電池と同じ側に位置する。しかし、無線給電制御部は、厚み方向において、基板に対して、二次電池と逆側に位置してもよい。
【0099】
前記実施形態では、無線給電制御部7は、厚み方向において、基板1に対して、受電用アンテナ5及び全固体二次電池6と同じ側に位置する。しかし、受電用アンテナ及び全固体二次電池のうち一方のみが、厚み方向において、基板に対して、無線給電制御部と同じ側に位置してもよい。あるいは、受電用アンテナ及び全固体二次電池の両方が、厚み方向において、基板に対して、無線給電制御部と逆側に位置してもよい。
【0100】
前記実施形態では、通信制御部4は、厚み方向において、基板1に対して、通信用アンテナ3と同じ側に位置する。しかし、通信制御部は、厚み方向において、基板に対して、通信用アンテナと逆側に位置してもよい。
【0101】
前記実施形態では、センサユニット100は、二次電池として全固体二次電池6を有する。しかし、センサユニットは、全固体二次電池の代わりに、電解質が液体の二次電池を搭載してもよい。
【0102】
前記実施形態では、
図2に示すようなラミネートフィルム外装体61及び電極体62を有する全固体二次電池6を説明した。しかし、全固体二次電池は、全固体電解質を用いて充電及び放電が可能であれば、上述の構成に特に制限されない。例えば、全固体二次電池は、外装体が外装缶と封口缶によって構成されていてもよい。
【0103】
前記実施形態では、
図4に示すように、センサユニット100は、センサ2と基板1の間に位置する電磁波吸収部材101を有する。しかしながら、センサユニットは、受電用アンテナと基板の間に位置する電磁波吸収部材を有してもよい。また、センサユニットは、通信用アンテナと基板の間に位置する電磁波吸収部材を有してもよい。さらに、センサユニットは、電磁波吸収部材を有していなくてもよい。
【0104】
前記実施形態では、カバー部9の外形が回転楕円体である。しかしながら、カバー部の外形は、回転楕円体に限られない。カバー部の外形は、例えば、球形状、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状、ドーム形状、又は、コイン形状であってもよい
【0105】
前記実施形態では、センサユニット100は、カバー部9が第1カバー部91及び第2カバー部92によって構成されている。しかしながら、カバー部は、3つ以上の部材によって構成されてもよい。
【0106】
前記実施形態では、通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5は、MID法によって形成される。しかしながら、受電用アンテナ及び通信用アンテナは、MID法以外の方法を用いて形成されてもよい。
【0107】
前記実施形態では、通信用アンテナ3は、センサ2の検知結果に関するデータである検知データを送信する。しかしながら、通信用アンテナは、無線給電制御部と接続され、送電用アンテナから発信された送電用電波を受信し、無線給電制御部によって通信用アンテナが受信した送電用電波を変換した電力がセンサユニットに供給されてもよい。
【0108】
前記実施形態では、受電用アンテナ5は、送電用アンテナ200から発信された送電用電波を受信する。しかしながら、受電用アンテナは、通信制御部と接続され、通信制御部によって、センサの検知結果に関するデータである検知データが、受電用アンテナから送信されてもよい。
【0109】
前記実施形態では、センサユニット100は、通信用アンテナ3及び受電用アンテナ5を有する。しかしながら、通信用アンテナ及び受電用アンテナは、一体でもよい。つまり、センサユニット100は、通信用アンテナとして利用可能であり且つ送電用アンテナとしても利用可能なアンテナを1つ有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、センサを有し、無線により測定データを送信するセンサユニットに利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
100 センサユニット
1 基板
2 センサ
3 通信用アンテナ
4 通信制御部
5 受電用アンテナ
6 全固体二次電池
61 ラミネートフィルム外装体
62 電極体
63 正極接続端子
7 無線給電制御部
8 放熱部
9 カバー部
91 第1カバー部
92 第2カバー部
101 電磁波吸収部材
200 送電用アンテナ