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特開2024-21178情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021178
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123834
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】522268638
【氏名又は名称】PassPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】北野 義勝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸治
(72)【発明者】
【氏名】千葉 大志
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA54
(57)【要約】
【課題】仮想空間でも現実空間でも容易に決済することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて現実空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて仮想空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、を実行する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、
該第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記現実空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、
前記第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記仮想空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、
を実行する情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザに割り当てられた個人番号に関する公的証明書に関連づけられた電子認証によって認証された後に前記前払式支払手段が前記ユーザ端末に対して発行されるように処理する登録ステップを実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記前払式支払手段を法定通貨あるいは暗号資産に換価した場合の額を算出するとともに前記法定通貨あるいは前記暗号資産を他国の法定通貨に換価した場合の額を算出する換価算出ステップを実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記現実空間には、電子商取引が実行されるウェブサイトが含まれる、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記仮想空間には、
アバターを用いた複数のユーザが参加可能な三次元空間のメタバースが含まれる、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリ、及び記憶部を備える情報処理装置であって、
前記プロセッサにより前記プログラムが実行されることによって、
現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行って管理の記録を前記記憶部に記憶させる第1管理ステップと、
該第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記現実空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行って管理の記録を前記記憶部に記憶させる第2管理ステップと、
前記第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記仮想空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行って管理の記録を前記記憶部に記憶させる第3管理ステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータによって実装される情報処理装置に、
現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、
該第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記現実空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、
前記第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記仮想空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、
現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、
該第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記現実空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、
前記第1管理ステップで管理された前記前払式支払手段を用いて前記仮想空間で決済が実行された際に前記ユーザ端末に格納された前記前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法、特に、前払式支払手段を処理する情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが商品を購入する際に、インターネットのウェブサイト上に掲載された商品を閲覧して、インターネットを経由して商品を購入する、インターネットショッピングとも称される電子商取引が広く普及している。
【0003】
特許文献1には、ユーザの端末から送信されるユーザからの注文情報及び商品の配送先情報に基づいて配送処理を行うサーバを備え、サーバでの処理に基づいて商品をユーザに配送する電子商取引システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-119769公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、インターネット網等のネットワークを介して形成される仮想空間において、仮想空間内で使用されるアイテム等について売買がなされることがある。特に、複数人が同時に参加可能であってアバターを用いて他者と交流を行うメタバースが興隆しつつあり、メタバースにおいても経済活動が盛んに行われるようになっている。
【0006】
このようなメタバースを含む仮想空間における売買といった経済活動は、例えば暗号通貨を用いて行われることが多い一方で、先に挙げたインターネットショッピングとも称される電子商取引では、法定通貨あるいは法定通貨に関連づけられたクレジット等の決済手段を用いて経済活動が行われることが多い。
【0007】
今後、仮想空間での経済活動の比重が、電子商取引を含む現実空間での経済活動の比重と同様に大きくなってくることが想定されるところ、仮想空間での決済手段と現実空間での決済手段とが異なることとなると、決済方法が煩雑になることが想定される。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仮想空間でも現実空間でも容易に決済することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムは、現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて現実空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて仮想空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、を実行するものである。
【0010】
これによれば、現実空間及び仮想空間で決済可能な前払式支払手段がユーザ端末に格納される際、ユーザ端末に格納された前払式支払手段が現実空間において決済が実行された際、及びユーザ端末に格納された前払式支払手段が仮想空間において決済が実行された際に、前払式支払手段の管理が実行される。
【0011】
したがって、ユーザは、前払式支払手段が格納されたユーザ端末をウォレットとして機能させることができることから、現実空間でも仮想空間でも分け隔てなく容易に決済をすることができる。
【0012】
この情報処理システムは、ユーザに割り当てられた個人番号に関する公的証明書に関連づけられた電子認証によって認証された後に前払式支払手段がユーザ端末に対して発行されるように処理する登録ステップを実行するものである。
【0013】
さらに、この情報処理システムは、前払式支払手段を法定通貨あるいは暗号資産に換価した場合の額を算出するとともに法定通貨あるいは暗号資産を他国の法定通貨に換価した場合の額を算出する換価算出ステップを実行するものである。
【0014】
情報処理システムが用いられる現実空間には、電子商取引が実行されるウェブサイトが含まれるものであってもよいし、仮想空間には、アバターを用いた複数のユーザが参加可能な三次元空間のメタバースが含まれるものであってもよい。
【0015】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理装置は、プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリ、及び記憶部を備える情報処理装置であって、プロセッサによりプログラムが実行されることによって、現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行って管理の記録を記憶部に記憶させる第1管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて現実空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行って管理の記録を記憶部に記憶させる第2管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて仮想空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行って管理の記録を記憶部に記憶させる第3管理ステップと、を実行するものである。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、コンピュータによって実装される情報処理装置に、現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて現実空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて仮想空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、を実行させるものである。
【0017】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段をユーザのユーザ端末に対して発行した際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第1管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて現実空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第2管理ステップと、第1管理ステップで管理された前払式支払手段を用いて仮想空間で決済が実行された際にユーザ端末に格納された前払式支払手段の管理を行う第3管理ステップと、を実行するものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、前払式支払手段が格納されたユーザ端末をウォレットとして機能させることができることから、ユーザは、現実空間でも仮想空間でも分け隔てなく容易に決済をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置、第1ウェブサーバ及び第2ウェブサーバを実装するコンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのプログラムの処理の概略を説明するフローチャートである。
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの画面インターフェースの一例を示す図である。
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの画面インターフェースの一例を示す図である。
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの画面インターフェースの一例を示す図である。
図8】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される管理情報の概略を説明するブロック図である。
図9】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのユーザ端末の構成の概略を説明するブロック図である。
図10】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのユーザ端末の機能の概略を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図1図10に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、情報処理装置20、第1ウェブサーバ30、第2ウェブサーバ40及びユーザ端末50を主要構成として備え、これらが互いにインターネット網等のネットワークNを介して接続される。
【0022】
本実施の形態では、情報処理装置20は、情報処理システム10を用いたサービスを提供する事業者1に管理され、第1ウェブサーバ30は、種々のウェブサービスを提供する第1ウェブ事業者2に管理され、第2ウェブサーバ40は、種々のウェブサービスを提供する第2ウェブ事業者3に管理され、ユーザ端末50は、情報処理システム10を用いたサービスを利用するユーザ4に保有される。
【0023】
次に、情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0024】
情報処理装置20、第1ウェブサーバ30及び第2ウェブサーバ40は、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0025】
図2は、コンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【0026】
図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0027】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0028】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、次述するメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0029】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置によって実装される。
【0030】
このメモリ102は、プロセッサ101の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0031】
ストレージ103には、アプリケーションプログラム等による各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0032】
送受信部104は、コンピュータをネットワークNに接続するものである。この送受信部104は、Wi-Fi等の無線通信規格に対応するものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0033】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0034】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0035】
図3は、情報処理システム10の情報処理装置20の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、ユーザ登録部21、トークン発行部22、取引管理部23、換価算出部24及び記憶部25を備える。
【0036】
ユーザ登録部21、トークン発行部22、取引管理部23及び換価算出部24は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現される。
【0037】
ユーザ登録部21は、ユーザ4が情報処理システム10を用いたサービスの利用を開始する際の登録の処理を実行するものである(登録ステップ)。本実施の形態では、ユーザ4に割り当てられた個人番号(例えばマイナンバー)に関する公的証明書(例えばマイナンバーカード)に関連づけられた電子認証によって認証された後に、サービスの利用に関する登録ステップを実行する。
【0038】
この公的な電子認証に基づいた登録ステップによるサービスの登録が実行されることによって、ユーザ4は、情報処理システム10を用いたサービスに対する信用が保証されたうえで、サービスを安全にかつ安心して利用することができる。
【0039】
トークン発行部22は、本実施の形態では、後述する現実空間及び仮想空間で決済可能な電磁的な前払式支払手段であるトークンをユーザ端末50に対して発行する処理を実行するものである。このトークン発行部22がユーザ端末50に対してトークンを発行すると、ユーザ端末50にトークンが格納される。
【0040】
トークン発行部22で発行するトークンは、現実空間及び仮想空間において取引通貨として機能するものであって、例えば日本円連動型のステーブルコインであってもよい。
【0041】
さらに、トークンは、例えば東京23区内のコミュニティに加盟する現実空間に存在する任意の店舗で取引通貨として使用可能な地域通貨として実装することも可能である。
【0042】
トークン発行部22は、本実施の形態では、登録ステップを経てユーザ4がサービスの利用を開始した後に、ユーザ端末50に対してトークンを発行する処理を実行する。
【0043】
取引管理部23は、本実施の形態では、ユーザ端末50に格納されたトークンを用いた取引や決済等の管理を行い、管理の記録を記憶部25に記憶させるものである。
【0044】
図4は、取引管理部23の処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS1において、トークン発行部22がユーザ端末50に対してトークンを発行すると、取引管理部23は、ステップS2において、ユーザ端末50に発行してユーザ端末50に格納されたトークンの量を管理して、その管理の記録を記憶部25に記憶させる(第1管理ステップ)。
【0045】
続いて、ステップS3において、ユーザ4がユーザ端末50を介して現実空間においてトークンを用いて決済を実行すると、取引管理部23は、ステップS4において、ユーザ端末50に格納されたトークンの量を管理して、その管理の記録を記憶部25に記憶させる(第2管理ステップ)。
【0046】
一方、ステップS5において、ユーザ4がユーザ端末50を介して仮想空間においてトークンを用いて決済を実行すると、取引管理部23は、ステップS6において、ユーザ端末50に格納されたトークンの量を管理して、その管理の記録を記憶部25に記憶させる(第3管理ステップ)。
【0047】
図3で示す換価算出部24は、トークンを法定通貨(例えば日本円)あるいは任意の暗号資産に換価した場合の額を算出するとともに、法定通貨あるいは暗号資産を更に他国の法定通貨(例えば米ドル)に換価した場合の額を算出する処理を実行する(換価算出ステップ)。
【0048】
図5図7は、換価算出ステップがユーザ端末50に表示される場合の画面インターフェースの一例を示す図である。トークンを法定通貨、暗号資産あるいは他国の法定通貨に換価した額を算出した場合は、例えば図5で示すような画面インターフェースIF1がユーザ端末50に表示される。
【0049】
一方、このような換価の算出を行う場合は、換価するトークン、法定通貨、暗号資産あるいは他国の法定通貨をスライドによって選択させるような、例えば図6で示すような画面インターフェースIF2がユーザ端末50に表示される。
【0050】
換価する対象がスライドによって選択されて、例えば任意の法定通貨をトークンに換価した額を算出した場合は、図7で示すような画面インターフェースIF3がユーザ端末50に表示される。
【0051】
図3で示す記憶部25は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。この記憶部25には、本実施の形態では、管理情報Dが記憶される。
【0052】
図8は、管理情報Dの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、管理情報Dは、第1管理情報d1、第2管理情報d2及び第3管理情報d3によって構成される。
【0053】
第1管理情報d1は、第1管理ステップにおける管理の記録に関する情報であり、第2管理情報d2は、第2管理ステップにおける管理の記録に関する情報であり、第3管理情報d3は、第3管理ステップにおける管理の記録に関する情報である。
【0054】
図1で示す第1ウェブサーバ30は、本実施の形態では、インターネットショッピングとも称される電子商取引が実行されるウェブサイト(ECサイト)を、ネットワークNを介して管理するサーバである。
【0055】
この第1ウェブサーバ30が管理するECサイトは、本実施の形態では、ECサイトを介してユーザ4が購入した商品がユーザ4に配送されるという観点からは、現実空間に属するものと把握することができ、ECサイトでの商品やサービスを購入する際に、取引通貨としてトークンを使用することができる。
【0056】
第2ウェブサーバ40は、本実施の形態では、ネットワークNを介して形成される仮想空間を管理するサーバである。この第2ウェブサーバ40が管理する仮想空間には、本実施の形態では、例えばメタバースやSTOマーケットが含まれる。
【0057】
メタバースは、本実施の形態では、アバターを用いた複数のユーザ4が参加可能な三次元の空間であって、アイテムやNFT等といったメタバース内で取引されるオブジェクトを購入する際に、取引通貨としてトークンを使用することができる。
【0058】
一方、STOマーケットは、セキュリティトークンが取引される市場であって、この市場において、トークンをセキュリティトークンとして取引することができる。
【0059】
ユーザ端末50は、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンで実装されるが、例えばタブレット型のコンピュータ、デスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装されるものであってもよい。
【0060】
図9は、ユーザ端末50の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ端末50は、制御部51及びディスプレイ52を主要構成として備える。
【0061】
制御部51は、本実施の形態では、ディスプレイ52や図示しないカメラ等のユーザ端末50の各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0062】
この制御部51には、本実施の形態では、情報処理システム10で提供されるサービスを実行するアプリケーションあるいはウェブサイトを閲覧可能なブラウザが格納され、情報処理装置20におけるプログラムの処理に基づいて、アプリケーションあるいはブラウザを介してユーザ端末50においてサービスが実行される。
【0063】
ディスプレイ52には、本実施の形態では、図5図7で一例を示した画面インターフェースIF1~IF3を含め、ユーザ端末50で実行されるサービスの各種の画面インターフェース等が表示される。
【0064】
このディスプレイ52は、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるいわゆるタッチパネルであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0065】
本実施の形態では、このディスプレイ52を介して、サービスを実行するアプリケーションを操作する情報が入力される。この情報は、ディスプレイ52に対するユーザ4の任意の動作(例えば画面をタップあるいはスワイプする動作や、画面に表示されるアイコン等をドラッグしてドロップする動作等)に基づいて入力される。
【0066】
図10は、ユーザ端末50の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、ユーザ端末50は、通信処理部60及びウォレット管理部61を備える。
【0067】
これら通信処理部60及びウォレット管理部61は、制御部51のメモリに記憶されたプログラムをプロセッサで実行することによって実現される。
【0068】
通信処理部60は、本実施の形態では、情報処理装置20で発行されたトトークンを受け取る処理を実行し、かつ現実空間及び仮想空間におけるトークンを用いた決済を実行するものである。
【0069】
ウォレット管理部61は、本実施の形態では、通信処理部60で受け取ったトークンをユーザ端末50で管理することによって、ユーザ端末50をいわゆるウォレットとして機能させるものである。
【0070】
次に、情報処理システム10の処理について説明する。
【0071】
まず、情報処理システム10で提供されるサービスを利用しようとするユーザ4は、サービスの利用を開始する際の登録の処理を実行する(登録ステップ)。この登録ステップが完了すると、ユーザ4はサービスの利用を開始することができる。
【0072】
サービスの利用の開始後、ユーザ4は、要望に基づいて情報処理装置20からトークンを受け取る。受け取ったトークンは、ユーザ端末50に格納される。このとき、ユーザ端末50に発行したトークンの量を管理して、その管理の記録を第1管理情報d1として記憶する(第1管理ステップ)。
【0073】
その後、ユーザ4が、ユーザ端末50に格納されたトークンを用いて現実空間のECサイトで決済を実行すると、ユーザ端末50に格納されたトークンの量を管理して、その管理の記録を第2管理情報d2として記憶する(第2管理ステップ)。
【0074】
一方、ユーザ4が、ユーザ端末50に格納されたトークンを用いて仮想空間のメタバースで決済を実行すると、ユーザ端末50に格納されたトークンの量を管理して、その管理の記録を第3管理情報d3として記憶する(第3管理ステップ)。
【0075】
ところで、第1管理ステップ~第3管理ステップの実行と前後して、ユーザ4は、任意で、トークンを法定通貨に換価してユーザ端末50に表示させたり、法定通貨を他国の法定通貨に換価してユーザ端末50に表示させたりすることができる。
【0076】
このように、現実空間及び仮想空間で決済可能なトークンがユーザ端末50に格納される際、ユーザ端末50に格納されたトークンが現実空間において決済が実行された際、及びユーザ端末50に格納されたトークンが仮想空間において決済が実行された際に、トークンの管理が実行される。
【0077】
したがって、ユーザ4は、トークンが格納されたユーザ端末50をウォレットとして機能させることができることから、現実空間でも仮想空間でも分け隔てなく容易に決済をすることができる。
【0078】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0079】
上記実施の形態では、情報処理装置20が事業者1に管理され、第1ウェブサーバ30が第1ウェブ事業者2に管理され、かつ第2ウェブサーバ40が第2ウェブ事業者3に管理される場合を説明したが、例えば、情報処理装置20、第1ウェブサーバ30及び第2ウェブサーバ40がいずれも事業者1に管理され、情報処理装置20で発行するトークンがいわゆる自家型前払式支払手段としてのトークンであってもよい。
【0080】
上記実施の形態では、現実空間に電子商取引が実行されるECサイトが含まれる場合を説明したが、現実空間には、例えば、トークンを決済手段として利用することができる実店舗が含まれていてもよい。
【0081】
この場合において、トークンは、上記のような地域通貨として実装されるものであってもよい。
【0082】
上記実施の形態では、仮想空間にメタバース及びSTOマーケットが含まれる場合を説明したが、例えば、CG(コンピュータグラフィックス)で三次元的に描画されるゲームが含まれていてもよいし、映像に任意のオブジェクトが重ね合わせられるAR(拡張現実空間)が含まれていてもよい。
【0083】
上記実施の形態では、情報処理装置20が事業者1に管理されるコンピュータで実装される場合を説明したが、情報処理装置20はクラウド環境で実装されるコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 事業者
2 第1ウェブ事業者
3 第2ウェブ事業者
4 ユーザ
10 情報処理システム
20 情報処理装置
30 第1ウェブサーバ
40 第2ウェブサーバ
50 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10