(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021182
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】外装部材
(51)【国際特許分類】
B29C 45/37 20060101AFI20240208BHJP
B62J 23/00 20060101ALI20240208BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
B29C45/37
B62J23/00
B29C33/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123840
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】杉本 大介
(72)【発明者】
【氏名】小林 充
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AA13
4F202AA21
4F202AA28
4F202AB12
4F202AF06
4F202AF07
4F202AG05
4F202AG28
4F202AH17
4F202AM34
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK12
(57)【要約】
【課題】新たな意匠表現が得られる外装外装部材を提供する。
【解決手段】
本開示の自動二輪車は、車体の後部を車幅方向外側から覆うリヤカバー44を備えている。リヤカバー44は、少なくともその一部が、光透過性の材料を有する外装部材46で構成されている。外装部材46は、その表面部48に、周囲に配置される光源からの光を反射する凹凸を有する反射意匠部分52を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有し、
表面部に、周囲に配置される光源からの光を反射する凹凸が形成される反射意匠部分を備えた外装部材。
【請求項2】
請求項1に記載の外装部材において、さらに、裏面部に、光の透過量を部分的に異ならせる透過意匠部分を備えた外装部材。
【請求項3】
請求項2に記載の外装部材において、前記透過意匠部分は、ベース部分と、前記ベース部分から厚み方向に突出するリブ部分とを有している外装部材。
【請求項4】
請求項2または3に記載の外装部材において、前記反射意匠部分および前記透過意匠部分は、凹凸形状をそれぞれ有し、
前記透過意匠部分が、前記反射意匠部分よりも凹凸量が大きい外装部材。
【請求項5】
請求項2または3に記載の外装部材において、前記反射意匠部分は、表面部にシボ構造を有している外装部材。
【請求項6】
請求項2または3に記載の外装部材において、透過する光を吸収する着色材料が含有される外装部材。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載の外装部材において、前記反射意匠部分は、ベース部分と、前記ベース部分から厚み方向内側に退避する退避部分を有している外装部材。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項に記載の外装部材を有する外装部品を備えた車両。
【請求項9】
光透過性の材料を有し、
凹凸を含む反射意匠部分を有する表面部と、
前記反射意匠部分とは異なる凹凸を含む透過意匠部分を有する裏面部と、
を備えた外装部材。
【請求項10】
光透過性の材料を有し、
裏面部に、光の透過量を部分的に異ならせる凹凸を有する透過意匠部分を備えた外装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、製品の外観を構成する外装部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の外側を樹脂製のカバー部材で覆うと共に、カバー部材とは異なる色や材質からなる外観部材を設けることによって、車両の外観にアクセントを持たせて外観の意匠性を向上させる外装構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外装部品は、注目度を高めるために、新たな意匠表現が求められる場合がある。
【0005】
本出願の開示は、新たな意匠表現が得られる外装外装部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の外装部材は、光透過性を有し、表面部に、周囲に配置される光源からの光を反射する凹凸を有する反射意匠部分を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の外装部材によれば、外装部材の周囲光源からの照射光が、表面部に設けられる反射意匠部分で反射される。これによって、表面部で反射する光の量が、外装部材内部を透過して出射する光の量よりも大きくなる場合がある。この場合、外装部材を観察した観察者は、反射光を大きく認識することになり、表面の凹凸形状を意匠形状として認識しやすい。これに対して、光源からの照射光が遮られた場合や、観察者の視点が変わった場合などは、透過光から出射する光量に比べて、表面部分の光の反射量が相対的に小さくなる場合がある。この場合には、外装部材を透過する光が、観察者に与える影響が大きくなる。この場合、反射光によって得られる意匠とは異なる、透過光によって得られる意匠を認識することができる。このように本開示によれば、状況に応じて反射による意匠と、透過による意匠とを生じさせることができる。すなわち1つの意匠部材を用いて、2つの異なる意匠を表現することができ、新たな意匠表現を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る外装部材を有する外装部品を備えた車両の一種である自動二輪車を示す側面図である。
【
図7A】同外装部材に強い光が当たった状態を示す模式図である。
【
図7B】同外装部材に弱い光が当たった状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好ましい形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本開示の第1実施形態に係る外装部材を有する外装部品を備えた車両の一種である自動二輪車を示す側面図である。本明細書において、「右」、「左」は、車両に乗車した運転者から見た「右」、「左」をいう。つまり、左右方向は、車幅方向に一致する。また、「前」「後」とは、車両の進行方向の「前」「後」をいう。つまり、車体の長手方向は、車両用の前後方向に一致する。車幅方向内側とは前後方向に延びる車体中心線に向かう側をいい、車体の車幅方向外側とは車体中心線から離れる側をいう。
【0010】
本実施形態の自動二輪車は、第1の走行動力源であるエンジンEと、第2の走行動力源である走行用モータMとを有するハイブリッド車両である。つまり、本実施形態の自動二輪車は、運転条件によって、内燃機関であるエンジンEのみで走行、電動機であるモータMのみで走行、またはエンジンEとモータMを同時に使用して走行する。ただし、自動二輪車は、ハイブリッド車両に限定されず、エンジンで駆動されるエンジン車両であってもよく、電動機で駆動される電動車両であってもよい。
【0011】
自動二輪車の車体フレームFRは、前半部を構成するメインフレーム1と、後半部を構成するリヤフレーム2とを有している。メインフレーム1は、前端のヘッドパイプ4から後方斜め下方に延びたのち、下方に湾曲して上下方向に延びている。リヤフレーム2は、メインフレーム1から後方に延びている。
【0012】
ヘッドパイプ4にフロントフォーク6が支持されている。フロントフォーク6の下端部に前輪8が支持され、フロントフォーク6の上端部にハンドル10が取り付けられている。
【0013】
メインフレーム1の後端部に、スイングアームブラケット12が設けられている。スイングアームブラケット12に、スイングアーム14がピボット軸13回りに上下揺動自在に支持されている。スイングアーム14の後端部に、後輪16が取り付けられている。
【0014】
メインフレーム1の下方で前後輪8,16の間にエンジンEが配置され、車体フレームFRに支持されている。エンジンEの動力が動力伝達部材18を介して後輪16に伝達され、後輪16が駆動する。動力伝達部材18は、例えば、ドライブチェーンである。ただし、動力伝達部材18はドライブチェーンに限定されない。
【0015】
エンジンEは、車幅方向に延びるクランクシャフト20と、クランクシャフト20を回転自在に支持するクランクケース22と、クランクケース22から上方に突出するシリンダ23と、その上方のシリンダヘッド24とを有している。本実施形態では、シリンダ23の軸線AXが、上方に向かって前方に傾斜している。
【0016】
クランクケース22の上方でシリンダ23の後方に、前記モータMが配置されている。モータ動力が、クラッチ下流側の入力軸に伝達されることで、モータ動力が走行駆動力として伝達される。クラッチが遮断されることで、モータ単独による走行が可能である。クラッチが接続されることで、モータ、エンジンの両方を用いた走行が可能である。クラッチ接続されてモータ動力を停止することで、エンジン走行が可能である。
【0017】
クランクシャフト20の軸方向一端である一側方、本実施形態では左側方に、発電機26が設けられている。発電機26は、エンジンEの動力、すなわちクランクシャフト20の回転により発電する。
【0018】
メインフレーム1の上部に燃料タンク28が配置され、リヤフレーム2に操縦者が着座する運転者シート30と、同乗者が着座する同乗者シート32が装着されている。燃料タンク28は、エンジンEの真上で、ヘッドパイプ4の後方かつ運転者シート30の前方に配置されている。
【0019】
車体の前半部に、樹脂製のフロントカウル34が設けられている。本実施形態のフロントカウル34は、ヘッドパイプ4の前方の領域からエンジンEの側方の領域を覆っている。フロントカウル34の後方に左右一対の樹脂製のリヤカウル36が設けられている。リヤカウル36は、運転者シート30および同乗者シート32とリヤフレーム2との隙間を外側方から覆っている。
【0020】
燃料タンク28の下方に、左右一対のニーグリップ部分38が設けられている。本実施形態では、ニーグリップ部分38は、ニーグリップカバーで実現される。ニーグリップカバー38は、運転者シート30の前方下方の領域を外側方から覆っている。ニーグリップカバー38には、ニーグリップカバー38の残余の部分よりも車幅方向内側に凹んだ凹部38aが形成されている。この凹部38aが、走行時に運転者の膝で挟まれるニーグリップ部を構成する。
【0021】
リヤカウル36の下方で、後輪16の上方にリヤフェンダ40が設けられている。リヤフェンダ40は、後輪16により跳ね上げられた泥水等が車体内部に浸入するのを防ぐ。リヤフェンダ40は、例えば、樹脂製である。リヤフェンダ40の上面にバッテリ42が載置されている。バッテリ42は、運転者シート30の下方でエンジンEよりも後方に配置されている。
【0022】
発電機26の出力がバッテリ42に供給され、バッテリ42に充電される。バッテリ42に充電された電力が、前述の発電機26を兼ねるISGモータG(Integrated Starter Generator Motor)に供給され、ISGモータGを駆動する。バッテリ42は、走行駆動として必要な出力を与えるために、高い電流を出力可能である。本実施形態のバッテリ42は、48Vのリチウムイオン電池である。ただし、バッテリ42は、これに限定されない。
【0023】
車体の後部に、車幅方向外側から車体後部を覆う左右一対のリヤカバー44が取り付けられている。本実施形態では、リヤカバー44は、運転者シート30の下方の領域から同乗者シート32の下方の領域にかけて延びており、バッテリ42、リヤフェンダ40およびリヤカウル36の一部を外側方から覆っている。フロントカウル34、リヤカウル36およびリヤカバー44が、車体を外側から覆う外装部品を構成する。
【0024】
リヤカバー44の一部が、可視光線に対して光透過性を有する樹脂製の光透過パーツ46で構成されている。光透過パーツ46は、車両のうちで、車体外方に露出する外装部材の一つとなる。光透過パーツ46は、光透過性を有する材料、本実施形態では、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene 共重合合成樹脂)からなる。これにより、リヤカバー44内に光を透過させたり、リヤカバー44内からの光を出射させたりすることができる。の収容物が視認できる。本実施形態では、光透過パーツ46は、半透明材料で構成されている。
【0025】
より詳しくは、光透過パーツ46は、ベースとなる透光性材料に対して、着色剤が添加されることで、半透明に形成される。具体的には、光透過パーツ46は、着色剤によって透過光の一部が内部吸収されることで、可視光の透過率が低くなる。例えば、透過率は、20%以下、好ましくは10パーセント以下となるように着色剤が添加されてもよい。本実施形態では、光透過パーツ46は、透光性材料に加えて黒色の着色剤が添加される。これによって、リヤカバー44内で反射した光は、光透過パーツ46を透過することで、全体的に黒色に曇って視認される。したがって、リヤカバー44内の収容物の形状ははっきり見えない。
【0026】
本実施形態では、観察者が光透過パーツに視線を近接させた場合、その色彩、明暗、大まかな輪郭等は見える程度に透過率が設定される。このように半透明材料とすることで、美観に悪影響を与える収容物を見えにくくすることができる。また、収容物に対して、美観を向上するように表面処理を施すことを省略したり、美観の低下を防ぐために収容物を覆うカバー部品を省略したりすることができる。なお、光透過パーツ46は、透明材料で構成されてもよい。すなわち、光透過パーツ46は、透過率が80%以上に形成されてもよい。このように、リヤカバー44内の収容物を明瞭に視認させるようにしてもよい。
【0027】
本実施形態では、光透過パーツ46は、ボルトのような締結部材によりリヤカバー44に着脱自在に取り付けられている。ただし、光透過パーツ46の取付構造はこれに限定されない。光透過パーツ46は、例えば、リベット、係合構造、嵌合構造、接着剤等により固定されてもよい。
【0028】
本実施形態では、リヤカバー44におけるバッテリ42と車幅方向に対向する位置に、光透過パーツ46が配置されている。つまり、光透過パーツ46は、車体側面に配置され、バッテリ42の車幅方向外側に位置している。このように光透過パーツ46がバッテリ42に対応した位置に配置されることで、観察者は、光透過パーツ46の内側に配置されるバッテリ42を想起しやすい。
【0029】
本実施形態では、光透過パーツ46は、運転者シート30の下方でスイングアーム12の上方の領域に配置される。このため、光透過パーツ46が配置される車体部分は、運転者が運転者シート30に跨るにあたって、足などの身体の一部が触れる可能性がある部分である。また、光透過パーツ46は、運転者シート30とタンデムステップ33との上下方向間に配置される。このため、同乗者が同乗者シート32に跨るにあたって、足などの身体の一部が触れる可能性がある部分である。また、光透過パーツ46は、乗車姿勢の同乗者の脚部分の内側となる部分に配置される。
【0030】
光透過パーツ46の配置は、本実施形態に限定されず、リヤカバー44における他の部分に配置されてもよく、フロントカウル34またはリヤカウル36の任意の部分に配置されてもよい。
【0031】
図2は透明パーツ46の表面部48を示し、
図3は
図2のIII部を拡大した図で、
図4は透明パーツ46の裏面部50を示す。
図5は
図2のV-V線に沿った断面図で、
図6は
図2のVI-VI線に沿った断面図である。ここで、表面部は車体取付時に外側を向く面をいい、裏面部は車体取付時に内側を向く面をいう。つまり、表面部は車体外部に露出する。また、裏面部は、車体の内部空間に臨む部分となり、車体外部には露出しない。
【0032】
図2に示すように、表面部48は、凹凸が形成される意匠面を有する反射意匠部分52を有している。反射意匠部分52は、凹凸が形成される意匠面で、周囲に配置される光源からの光が反射されることで、凹凸が意匠として表現される。詳細には、反射意匠部分52は、ベース部分54と、ベース部分54から厚み方向内側、すなわち車幅方向内側に退避する退避部分56とを有している。
【0033】
ベース部分54は、反射意匠部分52のうちで、最も厚み方向外側の面を形成する部分であって平坦な仮想面V1に沿う。仮想面V1は、平面上に形成されてもよいし、大きい曲率半径で湾曲する局面に形成されていてもよい。退避部分56は、ベース部分54に対して凹所を形成する部分である。退避部分56の凹所形状によって意匠が表現される。本実施形態では、退避部分56は、1つのモチーフが複数並んだ模様状に形成される。具体的には、凹所が複数並ぶことで意匠が表現される。本実施形態では、凹所が予め定める第1方向D1と、第1方向D1に直交する第2方向D2とにそれぞれ並んだ格子状の意匠が形成される。本実施形態では、第1方向D1は、リヤフレーム2(
図1)に沿って延びる方向であって、前端から後方に進むにつれて上方に向かう方向に設定される。
【0034】
本実施形態では、退避部分56は、厚み方向外側から見て、第1方向D1および第2方向D2に複数並んだ六角形の凹部分である。これにより、表面部48には複数の六角形の模様が表れる。
【0035】
更に具体的には、1つの凹部分は、後述するように向きの異なる複数の傾斜面が形成される。これによって周囲に配置される光源から光が入射した場合、複数の傾斜面のうちのいずれか1つの傾斜面から反射した反射光が、強い光として観察者に認識されやすい。本実施形態では、後述するように1つの凹部分は、6つの異なる平面からなる傾斜面が形成されることで、より反射光が観察者に届きやすい。また各傾斜面は、ベース部が沿う仮想平面V1に対して、45度未満に形成される。具体的には、各傾斜面は、仮想平面V1に対して、30度未満、より好ましくは10度未満に形成されることが好ましい。これによって、凹所が深くなることを防ぐとともに、厚み方向外側から見える傾斜面を比較的大きくすることができ、反射光が観察者に届きやすくすることができる。
【0036】
また、本実施形態では、1つの凹所の形状が運転者の身体に比べて十分小さく形成される。また、ベース部分54は、凹所の周囲に配置されて、互いに仮想平面V1に沿って面一に形成される。また、傾斜角度が10度未満に形成される。これによって光透過パーツ46の表面部に対して、運転者の身体が擦れたとしても、表面部の凹凸による引っ掛かりを防ぐことができる。また、本実施形態では、凹所に形成することで、凹所の深い部分の面積が比較的小さい場合であっても、凹所を凸部で表現した場合に比べて、引っ掛かりを防ぎやすい。ただし、退避部分56は六角形に限定されず、例えば、他の多角形形状でもよいし、円形や楕円形形状などの任意の凹所形状に形成されてもよい。
【0037】
図3に示すように、退避部分56の各六角形は、最深部56aと複数の傾斜部56bとを有している。最深部56aは、退避部分56の外縁の六角形の中央部に位置している。ベース部分54と退避部分56の最深部56aが、傾斜部56bにより滑らかに連なっている。本実施形態では、傾斜部56bは、六角形の辺の数に対応して6つ配置されている。
【0038】
図5に示す最深部56aの深さd1は、0.5mm以下で、本実施形態では約0.3mmである。このように、表面部48の退避部分56は、あまり深くない。これにより、退避部分56にゴミが溜まったり、表面部48の剛性が低下したりするのを回避している。なお、
図5,
図6では、退避部分56の形状を明確にするために、実際の深さよりも誇張して深さd1を描いている。また、退避部分56の一部分のみ、すなわち、最深部56aのみを深くすることで、見た目は深くしつつ、太陽光などの周囲光源からの光を傾斜面56bで反射できる。反射の作用については後述する。
【0039】
表面部48は、さらに、反射意匠部分52とは別に、凹凸形状で意匠がされない平坦部分58を有している。平坦部分58は、反射意匠部分52のような凹凸形状が形成されていない。本実施形態では、平坦部分58は、
図2に示すように、反射意匠部分52の周囲に反射意匠部分52を囲むように配置されている。
【0040】
表面部48は、さらに、シボ構造60を有している。シボ構造60は、シボ加工により表面に施されたシワ模様、梨地等である。本実施形態では、シボ構造60は、表面部48の全体、すなわち、反射意匠部分52および平坦部分58の両方に配置されている。
【0041】
平坦部分58は、反射意匠部分52に比べて粗いシボ構造が形成されるように設定される。言い換えると、平坦部分58は、シボ加工が形成された表面によって、反射意匠部分52に比べて、光の散乱量が大きくなるように形成される。本実施形態では、反射意匠部分52にも目の細かいシボ構造が形成される。反射意匠部分52に形成されるシボ構造は、表面での光散乱が過剰とならない程度のシボ構造に設定される。
【0042】
図2では、表面部48の一部のみにシボ構造60を示しているが、実際は表面部48の全体に配置されている。シボ構造60は、反射意匠部分52または平坦部分58の一方にのみ配置されてもよい。また、シボ構造60は、なくてもよい。
【0043】
表面部48にシボ構造60を配置することで、リヤカバー44の内の収容物が明瞭に見えるのを回避できる。また、シボ構造が形成されたり着色顔料が添加されたりすることで、リヤカバー44内側のバッテリ42に向かう入射量を低減することができる。これによって停車時のバッテリの温度上昇を抑制しやすい。また、運転者または同乗者の身体が表面部48に接触した場合でも、シボ構造60を配置することで、表面部48の傷や汚れを目立たなくできる。光透過パーツ46を、運転者の身体と接触する部分を避けて配置し、表面部48のシボ構造60を省略してもよい。
【0044】
図4に示すように、裏面部50は、凹凸が形成される意匠面を有する透過意匠部分62を有している。透過意匠部分62は、凹凸が形成される意匠面で、光透過パーツ46の裏面側で透過光が反射されることで、凹凸が意匠として表現される。詳細には、透過意匠部分62は、ベース部分64と、ベース部分64から厚み方向、すなわち車幅方向内側に突出するリブ部分66とを有している。
【0045】
ベース部分64は、透過意匠部分62のうちで、最も厚み方向内側の面を形成する部分であって平坦な仮想面V2に沿う。仮想面V2は、平面上に形成されてもよいし、大きい曲率半径で湾曲する局面に形成されていてもよい。リブ部分66は、ベース部分64に対して凸部を形成する部分である。リブ部分66の凸部形状によって意匠が表現される。本実施形態では、リブ部分66は、1つのモチーフが複数並んだ模様状に形成される。具体的には、凸部の形状が複数並ぶことで意匠が表現される。
【0046】
本実施形態では、凹所が予め定める第3方向D3と、第3方向D3に直交する第4方向D4とにそれぞれ並んだ格子状の意匠が形成される。本実施形態では、第3方向D3は、前述の第1方向D1と一致し、リヤフレーム2に沿って延びる方向であって、前端から後方に進むにつれて上方に向かう方向に設定される。各第3方向D3および第4方向D4は、表面部の第1方向D1および第2方向D2と同じ方向に設定されることで、透過意匠部分62と反射意匠部分52とで、意匠として共通性を創出させることができる。また、透過意匠部分62で表現される1つのモチーフは、反射意匠部分52で表現される1つのモチーフよりも大柄、すなわち大きい領域で表現される。本実施形態では、透過意匠部分62のモチーフは、反射意匠部分52に形成される複数の凹所の領域の大きさに形成される。
【0047】
本実施形態では、リブ部分66は、複数の六角形の凸部分である。つまり、裏面部50には複数の六角形の模様が施されている。ただし、リブ部分66は六角形に限定されない。リブ部分66を有する透過意匠部分62により、透明パーツ46を透過する光の透過量を部分的に異ならせることができる。
【0048】
言い換えると、リブ部分66で反射して表面部分から出射する光量が、ベース部分64で反射して表面部分から出射する光量に比べて小さくなる。これによって、裏面での反射光のうちで光量に部分的な濃淡が生じて、意匠面として表現される。リブ部66の角度θ1(
図6)は、80°以上が好ましい。
【0049】
透過意匠部分62は、反射意匠部分52に比べて、凹凸の変化が大きく形成される。具体的には、後述するように意匠を構成する凹凸に対して、透過意匠部分62の方が、反射意匠部分52よりも凹凸量が大きく形成される。また、透過意匠部分62の方が、反射意匠部分52よりも急峻な角度に形成される。
【0050】
このような模様を凸部分で構成すると、裏面での反射光のうち光量に部分的な差を大きくして、透過意匠部分の意匠として六角形が濃くなり目立ちやすい。また、リブ部分66が補強部材としても機能し、光透過パーツ46の剛性が高くなる。したがってリブ部分66は、光透過パーツ46の長手方向に延びることが好ましい。模様を凸部で形成する方が、模様を凹部分で構成する場合に比べて、全体として光透過パーツ46の板厚d2が大きくなることを抑制しやすい。
【0051】
本実施形態では、裏面部50のリブ部分66により構成される六角形は、表面部48の退避部分56により構成される六角形よりも大きい。また、裏面部50のリブ部分66の突出量d3が、表面部48の最深部56aの深さd1よりも大きい(d3>d1)。本実施形態では、リブ部分66の突出量d3は約3mmである。また、
図5の表面部48の退避部分56の長手方向の傾斜角度θ2は約1.7°で、
図6の表面部48の退避部分56の短手方向の傾斜角度θ3は約6°である。つまり、傾斜角度についても、裏面部50の方が表面部48よりも大きい(θ1>θ2,θ1>θ3)。
【0052】
硬化樹脂の色を変えることで、多彩な表現の光透過パーツ46が実現できる。また、光透過パーツ46の内部、すなわち透明パーツ46の車幅方向内側にLEDランプを配置することで、発光するパーツを実現できる。
【0053】
つぎに、
図7A、7Bを用いて本実施形態の光透過パーツ46の作用について説明する。
【0054】
図7Aに示すように、表面の傾斜面で強く反射すると、透過光が少なくなって、表面の意匠が目立ちやすくなる。
図7Aの符号L1は入射光で、符号L10は反射光である。表面の傾斜面で強く反射する場合は、日中など光源の光量が強い場合、傾斜面と光源と視点との角度がちょうどいい場合、光源からの光量が極めて小さい場合等である。
【0055】
図7Bに示すように、表面の傾斜面での反射が強くない場合、透過光が多くなって、裏面の意匠が目立ちやすくなる。
図7Bの符号L2は入射光で、符号L11は反射光である。裏面で強く反射する場合は、夜間など光源の光量が弱い場合、近づいて観察するなどして観察者が高原を遮った場合、傾斜面と光源と視点との角度がちょうどよくない場合、内側に別途光源が配置される場合等である。
【0056】
表面のシボ構造による光の散乱具合や、着色料の吸収具合、散乱具合によっても、見た目が変わりやすい。また、部分的に裏側の意匠が見える領域と、部分的に表側の意匠が見えるような状態も生じさせることが可能である。このような光透過パーツ46の多様な意匠表現を用いることで、これまでにない車両の外観を実現できる。
【0057】
具体的には、上述したとおり、光の当たる角度や観察者の見る角度の違いにより、光透過パーツ46の表れる意匠を異ならせることができる。より具体的には、光透過パーツ46の裏面部50にリブ部分66を造形することで肉厚が変わり、表面部48での反射光量が比較的小さい場合には、リブ部分に応じた意匠が視認できる。このように、光の当たり方で裏面部50の意匠が見える場合と、表面部48の意匠が見える場合の2通りの見え方を存在させることができる。
【0058】
透過意匠部分62での意匠を目立たせるために、裏面部50に急峻なリブ部分66を形成する場合がある。この場合、型成形による加工によって光透過パーツ46を形成すると、急峻なリブを形成したぶん、成型後の樹脂収縮率に差が生じることに起因して、ヒケ、すなわち表面窪みが発生しやすい。本実施形態では、表面部50にも凹凸形状を形成することで、リブ部分66を形成することに起因して表面部50にヒケが発生したとしても、表面部を平坦に形成する場合に比べて、ヒケが目立つことを防いで、製品の外観が損なわれるのを回避することができる。
【0059】
さらに、凹凸形状に加えて、表面部48にシボ構造60が配置されているので、光透過パーツ46を用いたとしても、収容物の詳細が見えにくくできる。これにより、透明パーツ46で表現される意匠を目立たせることができる。また、シボ構造60や光透過パーツ46に添加する着色料により、透明パーツ46の内側に透過する光量が低減される。これにより、内部の温度上昇の抑制および内部への紫外線侵入の抑制を実現できる。
【0060】
このように、光透過パーツ46以外の構成部材を不要として、状況に応じて、表面部48および裏面部50の2種類の意匠を観察者に認識させることができ、意匠表現の多様化を図ることができる。これら凹凸形状を有する表面部48および裏面部50は、本実施形態では、成形加工により形成される。このように、一度の加工で、両方の意匠を形成することができ、製造コストを低減することができる。
【0061】
透過意匠部分62では、リブ部分66のほうがベース部分64よりも光を吸収するので、リブ部分66が濃く見える。したがって、ベース部分64が濃く見える場合に比べて、裏面部50の透過意匠部分62の形状を目立たせることができる。また、リブ部分66によって、光透過パーツ46の肉厚増加を抑えつつ、剛性向上と透過意匠部分62の実現の両立を図ることができる。
【0062】
透過意匠部分62のリブ部分66の高さd3が、反射意匠部分52の退避部分56の深さよりも大きい。これにより、透過意匠部分62の形状を目立たせることができる。また、反射意匠部分52の凹み量が小さくなることで、埃や砂などが表面部50に溜まりにくくなる。
【0063】
光透過パーツ46は、その表面部48にシボ構造60を有している。シボ構造60によって光を散乱させることにより反射率を高めることで、反射意匠部分52が認識される機会を増やすことができる。このようにシボ構造60を用いて反射量を調整することで、反射意匠部分52と透過意匠部分62とが認識される機会を調整でき、意図した認識機会を観察者に与えることができる。例えば、シボ構造60を増やして透過率を下げるほど、透過意匠部分62が認識される機会を減らすことができる。また、シボ構造60を減らして、透過率を上げるほど、透過意匠部分62が認識される機会を増やすことができる。
【0064】
反射意匠部分52は、ベース部分54と、ベース部分54から車幅方向内側に退避する退避部分56を有している。これにより、ベース部分54から車幅方向外側に突出させる場合に比べて、観察者が透明パーツ46に触れた際の抵抗を減らすことができ、肌触りをよくすることができる。
【0065】
透明パーツ46を車両のカウル部材に用いることで、1つの部品で2つの意匠を表現することができ、部品点数の増加を防ぎつつ、意匠表現の選択肢を増やすことができる。
【0066】
本開示には、以下の態様1~9が含まれる。
【0067】
[態様1]
光透過性の材料を有する外装部材46であって、
表面部48に、周囲に配置される光源からの光を反射する凹凸を有する反射意匠部分52を備えた外装部材。
態様1によれば、意匠部材の周囲に配置される光源からの照射光が、表面部48に設けられる反射意匠部分52で反射される。これによって、表面部50で反射する光の量が、意匠部材46内部を透過する光の量よりも大きくなる場合がある。この場合、意匠部材46を観察した観察者は、光の反射を大きく認識することになり、表面部48の凹凸形状を意匠形状として認識しやすい。これに対して、光源からの照射光が遮られた場合や、観察者の視点が変わった場合などは、表面部48の光の反射量が相対的に小さくなる場合がある。この場合には、意匠部材46の表面部50を透過する光が、観察者に与える影響が大きくなる。この場合、反射光によって得られる意匠とは異なる、透過光によって得られる意匠を認識することができる。このように態様1によれば、状況に応じて反射による意匠と、透過による意匠とを生じさせることができる。すなわち1つの意匠部材46を用いて、2つの異なる意匠を表現することができ、新たな意匠表現を得ることができる。
【0068】
[態様2]
態様1に記載の外装部材において、さらに、裏面部50に、光の透過量を部分的に異ならせる透過意匠部分62を備えた外装部材。
態様2によれば、状況によっては、表面部48の凹凸のほかに、透過光の影響によって裏面部50の透過意匠部分62が観察者に視認されることになる。これによって意匠部材46以外の構成部材を不要としながら、状況に応じて、表面部48および裏面部50の2種類の意匠を観察者に認識させることができ、意匠表現の多様化を図ることができる。
【0069】
[態様3]
態様2に記載の外装部材において、前記透過意匠部分62は、ベース部分64と、前記ベース部分64から厚み方向に突出するリブ部分66とを有している外装部材。
態様3によれば、透過意匠部分62では、リブ部分66のほうがベース部分64よりも光を吸収するので、リブ部分66が濃く見える。したがって、ベース部分64が濃く見える場合に比べて、裏面部50の透過意匠部分62の形状を目立たせることができる。また、リブ部分66によって、外装部材46の剛性向上と、透過意匠部分62の実現の両立を図ることができる。
【0070】
[態様4]
態様2または3に記載の外装部材において、前記反射意匠部分62および前記透過意匠部分52は凹凸形状を有し、
前記透過意匠部分62が、前記反射意匠部分52よりも凹凸量が大きい外装部材。
態様4によれば、透過意匠部分62の凹凸量を大きくすることで、透過意匠部分62の形状を目立たせることができる。また、反射意匠部分52の凹凸量が小さくなることで、埃や砂などが表面部48に溜まりにくくなる。
【0071】
[態様5]
態様2から4のいずれか一態様に記載の外装部材において、前記反射意匠部分52は、表面部48にシボ構造60を有している外装部材。
態様5によれば、シボ構造60によって反射率を高めることで、反射意匠部分52が認識される機会を増やすことができる。このようにシボ構造60を用いて反射量を調整することで、反射意匠部分52と透過意匠部分62とが認識される機会を調整でき、意図した認識機会を観察者に与えることができる。例えば、シボ構造60を増やして透過率を下げるほど、透過意匠部分62が認識される機会を減らすことができる。また、シボ構造60を減らして、透過率を上げるほど、透過意匠部分62が認識される機会を増やすことができる。
【0072】
[態様6]
態様2から5のいずれか一態様に記載の外装部材において、透過する光を吸収する着色材料が含有される外装部材。
態様6によれば、透過意匠部分62をより濃くすることができ透過による意匠をさらに目立たせることができる。
【0073】
[態様7]
態様1から6のいずれか一態様に記載の外装部材において、前記反射意匠部分52は、ベース部分54と、前記ベース部分54から厚み方向内側に退避する退避部分56を有している外装部材。
態様7によれば、ベース部分54から外側に突出させる場合に比べて、観察者が意匠部材46に触れた際の抵抗を減らすことができ、肌触りをよくすることができる。
【0074】
[態様8]
態様1から7のいずれか一態様に記載の外装部材46を有する外装部品44を備えた車両。
態様8によれば、1つの部品で2つの意匠を表現することができ、部品点数の増加を防ぎつつ、意匠表現の選択肢を増やすことができる。
【0075】
[態様9]
光透過性の材料を有する外装部材であって、
凹凸を含む反射意匠部分を有する表面部と、
前記反射意匠部分とは異なる凹凸を含む透過意匠部分を有する裏面部と、
を備えた外装部材。
【0076】
[態様10]
光透過性の材料を有する外装部材であって、
裏面部に、光の透過量を部分的に異ならせる凹凸を有する透過意匠部分を備えた外装部材。
【0077】
本開示は、以上の形態に限定されるものでなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。上記実施形態では、本開示の外装部材を自動二輪車の外装部品に適用した例を説明したが、本開示の外装部材は、自動二輪車以外の車両、例えば、三輪車や四輪バギー等の外装部品にも適用できる。そのほかの四輪車などの陸上乗物、滑走艇などの水上乗物、飛行体乗物に適用されてもよい。乗物の場合、太陽光が照射される場合と、そうでない場合とで周囲光源の光量が変化し、上述した2種類の意匠の出現を実現しやすい。また乗物以外の工業製品の外装部材であってもよい。例えば、装飾品などの工業製品であってもよい。
【0078】
光透過パーツは、透光性を有していれば材料は任意の材料を用いることができる。光透過パーツは、ABS樹脂以外の透光性樹脂材料であってもよい。光透過パーツは、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)などでもよく、これ以外の透光性樹脂でもよい。
【0079】
上記実施形態では、光透過パーツは、半透明になっていたが、全透明であってもよい。言い換えると、収容物を積極的に視認させるように構成されてもよい。この場合、カウル内の収容物が意匠として表れる状態と、表面部の凹凸が意匠として表れる状態を作り出すことができ、新たな意匠表現を得ることができる。また、リブ部分66を形成する領域と、リブ部分を形成しない領域とを形成することで、カウル内の収容物が意匠として表れる状態と、表面部の凹凸が意匠として表れる状態と、裏面部の凹凸が意匠として表れる状態との3つの状態を得ることができ、さらに多様な意匠表現を得ることができる。カウル内の内容物の少なくとも一部が意匠として表れることで、例えばカウル内の収容物の有無を確認することができる。また、半透明に形成されることで、カウル内の美観に悪影響を及ぼす収容物を見えにくくすることができる。
【0080】
上記実施形態では、反射意匠部分52および透過意匠部分62は、模様によって意匠が形成されたが、凹凸によってあらわされる意匠は、模様に限定されず、例えば、文字やマークであってもよい。例えば、製品や製造者を示す情報を示す凹凸を透過意匠部分に形成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、バッテリ42の存在を示すようにバッテリ位置に対応する部分に光透過パーツ46を配置したが、光透過パーツ46の配置場所は、これに限らない。例えば、注目すべき機能を有する部品がある場合、その部品に対応する位置に光透過パーツ46を配置してもよい。例えば、駆動モータ搭載位置や過給機搭載位置に光透過パーツ46を配置してもよい。そのほか、新機能を有する部品に限らず、新たな意匠性を得る目的で光透過パーツ46を搭載する場合も、本開示に含まれる。
【0082】
光透過パーツ46を着色する場合、着色剤は、黒色以外に、白色やグレーなどの無彩色であってもよいし、緑や赤などの有彩色であってもよい。また、着色剤のほかに、透過光を内部散乱させるためのアルミフレークのような光輝材料が含有されてもよい。
【0083】
少なくとも表面部に意匠を形成するための凹凸が形成される光透過パーツ46であればよく、裏面部が平坦な外装部品であってもよい。この場合も、光が透過すると、表面部に形成された凹凸意匠とは異なる意匠を表現できる。
【0084】
また、裏面部に意匠を形成するための凹凸が形成される光透過パーツであればよく、表面部が平坦な外装部品であってもよい。これによっても、光透過状態と光反射状態とで、異なる意匠を表現できる。したがって、そのようなものも本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
44 リヤカバー(外装部品)
46 透明パーツ(外装部材)
48 表面部
50 裏面部
52 反射意匠部分
54 ベース部分
56 退避部分
60 シボ構造
62 透過意匠部分
64 ベース部分(透過意匠部分)
66 リブ部分(透過意匠部分)