IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 戸田建設株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-来客管理システム 図1
  • 特開-来客管理システム 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021228
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】来客管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123920
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 隆志
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 太一
(72)【発明者】
【氏名】宮野 良祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 旺樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】来訪者の位置を適切な応対者に通知する。
【解決手段】被測位装置11は、来訪者に貸与される。測位部12は、被測位装置11の位置を測定する。来客認証部14は、来訪者を認証する。来客位置通知部16は、来客認証部14によって認証された来訪者に応対すべき応対者を判定し、判定した応対者に対して、測位部12が測定した来訪者に貸与された被測位装置11の位置を通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者に貸与される被測位装置と、
前記被測位装置の位置を測定する測位部と、
前記来訪者を認証する来客認証部と、
前記来客認証部によって認証された前記来訪者に応対すべき応対者を判定し、判定した応対者に対して、前記測位部が測定した前記来訪者に貸与された前記被測位装置の位置を通知する来客位置通知部と
を備える、来客管理システム。
【請求項2】
前記来訪者についての情報に、前記応対者についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部
を更に備え、
前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来客認証部によって認証された前記来訪者に応対すべき応対者を判定する、
請求項1の来客管理システム。
【請求項3】
前記来訪者についての情報に、複数の前記被測位装置のうち前記来訪者に貸与される被測位装置についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部と、
前記来訪者を認証する来客認証部と、
前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来客認証部が認証した前記来訪者に、前記被測位装置を貸与する装置貸与部と
を更に備え、
前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来訪者に貸与された被測位装置について前記測位部が測定して位置を、前記応対者に通知する、
請求項1の来客管理システム。
【請求項4】
前記来訪者を認証する来客認証部と、
前記来客認証部が認証した前記来訪者に、複数の前記被測位装置のうちいずれかの被測位装置を貸与する装置貸与部と、
前記来訪者についての情報に、前記来訪者に貸与された被測位装置についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部と
を更に備え、
前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来訪者に貸与された被測位装置について前記測位部が測定して位置を、前記応対者に通知する、
請求項1の来客管理システム。
【請求項5】
前記来訪者が前記被測位装置を返却していない場合に警告する返却警告部
を更に備える、請求項1の来客管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルなどに来訪した来訪者を管理する来客管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、来店客の着座位置をリアルタイムに可視化する「カスタマートラッキングシステム」を開示している。このシステムは、飲食店などにおいて、レジで注文を済ませた顧客にQuupaaタグを手渡し、その位置情報から顧客が店内のどのテーブルに着席しているかを識別して、出来上がった料理を顧客が座るテーブルへ持っていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】レノボ・ジャパン合同会社“「顧客に寄り添う飲食サービス」を支えるエッジ・コンピューティング基盤”[オンライン]、令和4年2月14日閲覧、インターネット<URL:https://www.lenovojp.com/business/case/152/index_2.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大規模なオフィスビルなどでは、応対すべき応対者が異なる多数の来訪者が同時に訪れる場合がある。このため、単に来訪者の位置を把握できるだけではなく、適切な応対者に来訪者の位置を通知する必要がある。
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
来客管理システムは、来訪者に貸与される被測位装置と、前記被測位装置の位置を測定する測位部と、前記来訪者を認証する来客認証部と、前記来客認証部によって認証された前記来訪者に応対すべき応対者を判定し、判定した応対者に対して、前記測位部が測定した前記来訪者に貸与された前記被測位装置の位置を通知する来客位置通知部とを有する。
前記来客管理システムは、前記来訪者についての情報に、前記応対者についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部を更に有してもよい。前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来客認証部によって認証された前記来訪者に応対すべき応対者を判定してもよい。
前記来客管理システムは、前記来訪者についての情報に、複数の前記被測位装置のうち前記来訪者に貸与される被測位装置についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部と、前記来訪者を認証する来客認証部と、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来客認証部が認証した前記来訪者に、前記被測位装置を貸与する装置貸与部とを更に有してもよい。前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来訪者に貸与された被測位装置について前記測位部が測定して位置を、前記応対者に通知してもよい。
前記来客管理システムは、前記来訪者を認証する来客認証部と、前記来客認証部が認証した前記来訪者に、複数の前記被測位装置のうちいずれかの被測位装置を貸与する装置貸与部と、前記来訪者についての情報に、前記来訪者に貸与された被測位装置についての情報を対応付けて記憶する来客情報管理部とを更に有してもよい。前記来客位置通知部は、前記来客情報管理部が記憶した情報に基づいて、前記来訪者に貸与された被測位装置について前記測位部が測定して位置を、前記応対者に通知してもよい。
前記来客管理システムは、前記来訪者が前記被測位装置を返却していない場合に警告する返却警告部を更に有してもよい。
【発明の効果】
【0006】
来客認証部によって認証された来訪者に応対すべき応対者を判定し、判定した応対者に対して、測位部が測定した来訪者に貸与された被測位装置の位置を通知するので、同時に多数の来訪者がいる場合であっても、適切な応対者に来訪者の位置を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】来客管理システムの一例を示すブロック図。
図2】来客管理処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照して、来客管理システム10について説明する。
来客管理システム10は、例えばオフィスビルなどの内部で、来訪者を管理するためのシステムである。
来客管理システム10は、例えば、被測位装置11と、測位部12と、来客情報管理部13と、来客認証部14と、装置貸与部15と、来客位置通知部16と、装置回収部17と、返却警告部18とを有する。
【0009】
被測位装置11は、例えば入館証である。被測位装置11は、測位部12によって位置を測定される。被測位装置11は、来訪者がオフィスビルに入館するときに貸与され、退館するときに返却される。来客管理システム10は、複数の被測位装置11を有する。複数の被測位装置11は、例えば番号などの識別子によって区別される。
【0010】
測位部12は、オフィスビルのなかで被測位装置11が存在する位置を測定する。測位部12は、例えば、超広帯域無線通信システム(UWB)、ビーコン信号、超音波などの屋内測位技術により、被測位装置11の位置を測定する。
【0011】
来客情報管理部13は、例えばサーバ装置(クラウド上に構成された仮想的なものを含む。以下同様。)であり、来訪者に関する情報を管理する。
来訪者に関する情報とは、例えば、来訪者の氏名や会社名、来訪予定日時、来訪先の部署や応対者、その来訪者に対して発行された入館許可証の識別子、その来訪者に貸与された被測位装置11の識別子、測位部12が測定したその被測位装置11の位置などを表す情報である。来客情報管理部13は、これらの情報を対応付けて記憶する。
【0012】
来客認証部14は、オフィスビルに来館した来訪者を認証する。来客認証部14は、例えばオフィスビルの入館ゲートに設置された二次元バーコード読み取り装置を有し、来訪者に対してあらかじめ電子メールなどにより送付された入館許可証に記載された二次元バーコードを読み取り、来客情報管理部13に問い合わせることにより、来訪者を認証する。
【0013】
装置貸与部15は、来訪者に対して被測位装置11を貸与する。
装置貸与部15は、例えばオフィスビルの入館ゲートに設置された複数の被測位装置11を内蔵した装置であり、来客認証部14が来訪者の認証に成功すると、その来訪者に貸与すべき被測位装置11を排出する。
あるいは、装置貸与部15は、オフィスビルの受付に設置された端末装置であり、来客認証部14が来訪者の認証に成功すると、その来訪者に貸与すべき被測位装置11の番号を表示する。受付担当者がこの表示を見て、受付にある被測位装置11のなかから、表示された番号の被測位装置11を取り出して、来訪者に渡す。
【0014】
来訪者に貸与すべき被測位装置11は、あらかじめ決められていてもよい。その場合、例えば、あらかじめ決められた被測位装置11の識別子を来客情報管理部13があらかじめ記憶しておき、その識別子で識別される被測位装置11が来訪者に貸与される。
あるいは、来訪者に貸与すべき被測位装置11をあらかじめ決めておくのではなく、任意の被測位装置11を来訪者に貸与し、貸与された被測位装置11の識別子をその来客についての情報に対応付けて来客情報管理部13が記憶してもよい。来訪者に貸与された被測位装置11の識別子は、装置貸与部15が読み取ってもよいし、受付担当者が装置貸与部15に入力してもよい。
【0015】
来客位置通知部16は、例えばサーバ装置であり、来訪者に貸与された被測位装置11の位置を、その来訪者に応対すべき応対者に通知する。
例えば、応対者は、所持している携帯端末装置やオフィスビルのなかに設けられた端末装置を介して、来客管理システム10にログインする。
来客位置通知部16は、来客情報管理部13が記憶した情報に基づいて、来訪者に応対すべき応対者を判定し、その応対者がログインした端末装置の表示画面上に、来訪者に貸与された被測位装置11について測位部12が測定した位置を表示する。あるいは、来客位置通知部16は、端末装置からの要求に基づいて、被測位装置11の位置を通知してもよい。
被測位装置11の位置は、例えば、フロアマップの上に印を表示することによりグラフィカルに表示してもよく、そのそばに来訪者の氏名や会社名などを表示してもよい。
これにより、例えば来訪者がトイレに行くなどして待ち合わせ場所にいない場合であっても、応対者が来訪者を探し回る必要がない。また、例えば来訪者がオフィスビルのなかで迷ってしまった場合は、来訪者のいる場所まで迎えにいくことができる。
【0016】
装置回収部17は、来訪者に貸与された被測位装置11を回収する。
装置回収部17は、例えばオフィスビルの退館ゲートの手前に設置された装置であり、被測位装置11を投入できる投入口を有する。来訪者が貸与された被測位装置11を退館時に投入口に投入すると、装置回収部17は、投入された被測位装置11を回収して、識別子を読み取る。来客情報管理部13は、装置回収部17が読み取った識別子に基づいて、その被測位装置11が回収されたことを記憶する。
あるいは、装置回収部17は、オフィスビルの受付に設置された端末装置であり、来訪者が貸与された被測位装置11を退館時に受付担当者に返却すると、返却された被測位装置11の識別子を、装置回収部17が読み取り、又は、受付担当者が装置回収部17に入力する。
【0017】
返却警告部18は、来訪者が貸与された被測位装置11を返却していない場合に、警告をする。
返却警告部18は、例えばオフィスビルの退館ゲートに設置され、来訪者が被測位装置11を持ったまま退館ゲートを通ろうとすると、そのことを検知し、警告を表示したり警告音を発したりして、被測位装置11の返却を来訪者に促す。なお、被測位装置11を返却しなければ退館ゲートが開かないよう構成してもよい。
あるいは、返却警告部18は、オフィスビルの受付に設置された端末装置であり、来訪者が被測位装置11を持ったまま受付の前を通り過ぎようとすると、そのことを検知し、警告を表示したり警告音を発したりして、受付担当者に対して来訪者が被測位装置11を返却していないことを通知する。
来訪者が被測位装置11を返却したか否かは、例えば退館ゲートに設置された専用の検知装置によって検知してもよいし、測位部12が測定した被測位装置11の位置に基づいて判定してもよい。例えば、測位部12が測定した被測位装置11の位置に基づいて。被測位装置11が受付の付近にあるか否かを判定し、来客情報管理部13が記憶した情報に基づいて、被測位装置11が返却済か否かを判定して、被測位装置11が受付の付近にあり、かつ、被測位装置11が返却済でない場合に、来訪者が被測位装置11をまだ返却していないと判定する。
【0018】
図2を参照して、時系列に沿って、来客管理システム10の動作の一例を説明する。
【0019】
まず、予約工程71において、応対者が来訪予定を来客管理システム10に入力する。来客管理システム10は、入力された内容に基づいて、来訪者、来訪予定日時、応対者などについての情報を記憶し、入館許可証を発行する。応対者は、発行された入館許可証を、電子メールなどにより、来訪者に送付する。
【0020】
次に、入館工程72において、来訪者がオフィスビルに来訪する。来客認証部14は、来訪者が持参した入館許可証を用いて、来訪者を認証する。認証に成功すると、装置貸与部15が、被測位装置11を来訪者に貸与する。
以後、来訪者は、退館するまでの間、被測位装置11を所持しているので、測位部12が被測位装置11の位置を測定することにより、来訪者がどこにいるかを監視することができる。
【0021】
そして、応対工程73において、来客位置通知部16が、来訪者の位置を応対者に通知する。応対者は、通知された来訪者の位置に基づいて、来訪者と出会い、応対をする。
【0022】
要件が済むと、最後に、退館工程74において、来訪者が退館する。退館に際し、装置回収部17が来訪者に貸与された被測位装置11を回収する。来訪者が被測位装置11を返却せずに退館しようとすると、返却警告部18が警告をする。
【0023】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0024】
来客管理システムは、オフィスビルへの来客者の位置を精度良く安定的に測定かつ検出して応対者または受付担当者へ知らせる。これにより、オフィスビル内での来客において、来客者を呼び出すには手間が掛かるのを防ぐことができる。例えば、来客者の位置が分からず、応対者が来客者を現地で直接探し回ったり、応対者または受付担当者が来客者に電話等で呼出したりといったことが不要となる。
来客管理システムが発行した来客者情報と位置検知ツール(UWB等)により得られるデータをクラウドシステムでリアルタイム処理することによって、応対者へ来客者の現在位置を提供し、オフィスにおける来客対応を円滑に利便性高く行う。
来客者情報と紐付けることにより、スムーズなシステム連携や自分の来客者検索といった機能が実装できる。
来客管理システムが発行した来客者情報と位置検知ツールにより得られるデータをクラウドシステムでリアルタイム処理することによって、応対者へ来客者の現在位置を提供する。
来客管理システムは、例えば、以下のように動作する。
・受付にて来客者が認証を行った際、受付の画面にクラウドシステムで指定したタグ番号が表示される。
・管理画面に表示されたタグ番号を確認した受付担当者は来客者へ該当タグを渡す。その際、該当タグが手元に無かった場合のために、番号ふり直しやキャンセルが出来るようなUIを用意する。
・応対者の端末(PC、携帯電話等)は、担当している来客者の位置を表示する。
・来客者の退館時に屋内測位タグを返し忘れた場合、音声や映像で警告を発する。
・屋内測位タグは市販の位置検知サービス(ある程度の精度が必要)を使用する。例えば、UWBを用いた測位を利用する。
・来客管理サービスは市販のサービスを使用してもよい。例えば、QRコード(登録商標)を用いた来館認証を利用する。
・来客管理サービスは、クラウドシステムと連携する。例えば、RESTAPI(HTTP)にて通信してデータ連携する。
来客管理システムは、例えば、以下のような効果を奏する。
・来客者の端末へインストール不要なため、来客者にタグを渡すだけで位置測定できる。また、自身の所有物との連携に抵抗感のある来客者に配慮できる。
・来客者が屋内測位タグを携帯するだけで位置情報が分かるため、応対者や受付担当者が来客者を探す手間が少なくなる。
・システムはクラウド上で構築しており、フレキシブルな設定変更やデータの収集が可能となる。
【符号の説明】
【0025】
10 来客管理システム、11 被測位装置、12 測位部、13 来客情報管理部、14 来客認証部、15 装置貸与部、16 来客位置通知部、17 装置回収部、18 返却警告部、71 予約工程、72 入館工程、73 応対工程、74 退館工程。
図1
図2