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  • 特開-表示システム 図1
  • 特開-表示システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021229
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123922
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 隆志
(72)【発明者】
【氏名】田中 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】栗本 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 康樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】表示装置の前にいる人物にとって必要な情報を表示する。
【解決手段】個人識別部12は、表示装置11の前にいる人物を識別する。コンテンツ作成部13は、個人識別部12によって識別された人物向けのコンテンツを作成する。表示装置11は、コンテンツ作成部13が作成したコンテンツを表示する。コンテンツ作成部13は、個人識別部12によって識別された人物の予定を含むコンテンツを作成してもよい。個人識別部12は、顔認証により人物を識別してもよい。コンテンツ作成部13は、個人識別部12が顔認証のために撮影した画像に基づいて、前記人物の表情を判別し、判別した表情に基づいて生成した前記人物に対するコメントを含むコンテンツを作成してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示する表示装置と、
前記表示装置の前にいる人物を識別する個人識別部と、
前記個人識別部によって識別された人物向けのコンテンツを作成するコンテンツ作成部と
を備え、
前記表示装置は、前記コンテンツ作成部が作成したコンテンツを表示する、
表示システム。
【請求項2】
前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部によって識別された人物の予定を含むコンテンツを作成する、
請求項1の表示システム。
【請求項3】
前記個人識別部は、顔認証により人物を識別する、
請求項1又は2の表示システム。
【請求項4】
前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部が顔認証のために撮影した画像に基づいて、前記人物の表情を判別し、判別した表情に基づいて生成した前記人物に対するコメントを含むコンテンツを作成する、
請求項3の表示システム。
【請求項5】
前記表示装置が設置されている建物の周辺における降雨状況を取得する降雨状況取得部
を更に備え、
前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部によって識別された人物が外出する時刻が近いか否かを判定し、前記人物が外出する時刻が近いと判定した場合に、前記降雨状況取得部が取得した降雨状況を含むコンテンツを作成する、
請求項1又は2の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、認証手段でユーザが認証されたことに応じてウェブコンテンツを表示する表示手段を開示している。
特許文献2は、カメラの撮像画像を基に、操作者の属性を把握し、それに適合した画面表示を行うサイネージシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-012401号公報
【特許文献2】特開2021-111127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示手段において、ユーザ認証は単にウェブコンテンツを表示するためのトリガであって、同一のウェブコンテンツが表示される。
特許文献2のサイネージシステムにおいて、操作者の属性とは、例えば性別や年齢などであり、操作者個人を特定しているわけではない。このため、操作者個人に特化した情報を表示することはできない。
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
表示システムは、コンテンツを表示する表示装置と、前記表示装置の前にいる人物を識別する個人識別部と、前記個人識別部によって識別された人物向けのコンテンツを作成するコンテンツ作成部とを有する。前記表示装置は、前記コンテンツ作成部が作成したコンテンツを表示する。
前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部によって識別された人物の予定を含むコンテンツを作成してもよい。
前記個人識別部は、顔認証により人物を識別してもよい。
前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部が顔認証のために撮影した画像に基づいて、前記人物の表情を判別し、判別した表情に基づいて生成した前記人物に対するコメントを含むコンテンツを作成してもよい。
前記表示システムは、前記表示装置が設置されている建物の周辺における降雨状況を取得する降雨状況取得部を更に備えてもよい。前記コンテンツ作成部は、前記個人識別部によって識別された人物が外出する時刻が近いか否かを判定し、前記人物が外出する時刻が近いと判定した場合に、前記降雨状況取得部が取得した降雨状況を含むコンテンツを作成してもよい。
【発明の効果】
【0006】
個人識別部による識別結果に基づいて表示装置の前にいる人物を特定し、特定した人物に最適なコンテンツをコンテンツ作成部が作成するので、必要な情報を容易に得ることができ、利用者の利便性やユーザエクスペリエンスが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】表示システムの一例を示すブロック図。
図2】コンテンツ作成処理の一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照して、表示システム10について説明する。
表示システム10は、例えばオフィスビルのなかに設置され、社員などの利用者に提供すべき情報を表示する。
表示システム10は、例えば、表示装置11と、個人識別部12と、コンテンツ作成部13と、降雨状況取得部14とを有する。
【0009】
表示装置11は、例えば大型液晶ディスプレイやプロジェクタなどであり、様々な情報を含むコンテンツを表示する。
【0010】
個人識別部12は、表示装置11の前にいる人物を識別する。個人識別部12は、例えば、表示装置11の前の空間を撮影するカメラを有し、カメラの撮影範囲に人物が入ってくると、その顔を撮影し、顔認証により、その人物が誰であるかを識別する。
【0011】
コンテンツ作成部13は、例えばサーバ装置(クラウド上に構築された仮想的なものを含む。)であり、表示装置11が表示するコンテンツを作成する。コンテンツ作成部13が作成するコンテンツは、個人識別部12によって識別された人物向けのものである。すなわち、全社員向けの一般的な情報だけでなく、個人識別部12が識別した人物に特化した情報を含む。例えば、その人物のスケジュールやその人物に対するリマインダなどの情報である。
【0012】
降雨状況取得部14は、表示装置11が設置されているオフィスビルなどの建物の周辺における降雨状況を取得する。ここで「降雨状況」とは、現在の降水量や降雨予想などである。例えば、オフィスビルに設置された降雨計により、現在の降水量を取得する。
【0013】
コンテンツ作成部13が作成するコンテンツは、降雨状況取得部14が取得した降雨状況を含んでもよい。例えば、個人識別部12によって識別された人物が外出を予定している場合や、その人物の退社時刻が近い場合など、その人物が降雨状況を知りたいであろうと予想される場合に、降雨状況を含むコンテンツを作成する。
【0014】
また、コンテンツ作成部13が作成するコンテンツは、個人識別部12によって識別された人物の健康状態や感情を反映した内容を含んでもよい。例えば、個人識別部12が撮影した画像を解析して、表情や年齢を判別し、判別した表情や年齢に応じたコメントを生成し、生成したコメントを含むコンテンツを作成する。
【0015】
図2を参照して、コンテンツ作成処理70について説明する。
コンテンツ作成処理70において、表示装置11が表示するコンテンツをコンテンツ作成部13が作成する。
コンテンツ作成処理70は、例えば、スケジュール取得工程71と、外出判定工程72と、降雨状況取得工程73と、表情判別工程74と、コンテンツ作成工程75とを有する。
【0016】
スケジュール取得工程71において、コンテンツ作成部13は、個人識別部12が識別した人物のスケジュールを取得する。例えば、社員の会議予定、出張予定、作業予定、勤務予定などを格納した予定データベースにアクセスして、その人物の予定を取得する。コンテンツ作成部13は、取得したスケジュールに基づいて、例えば、その人物の予定表を作成する。
【0017】
外出判定工程72において、コンテンツ作成部13は、スケジュール取得工程71で取得したスケジュールに基づいて、その人物に外出予定があるか否かを判定する。例えば、取得した出張予定や勤務予定などに基づいて、一時間以内にオフィスビルの外出する予定があるか否かを判定する。なお、昼休みや退勤時刻の直前などにおいては、その人物の予定にかかわらず、外出する予定があると判定してもよい。
外出する予定があると判定した場合は、降雨状況取得工程73へ進む。
外出する予定がないと判定した場合は、表情判別工程74へ進む。
【0018】
降雨状況取得工程73において、コンテンツ作成部13は、降雨状況取得部14が取得した降雨状況に基づいて、例えば、天気情報を作成する。
【0019】
表情判別工程74において、コンテンツ作成部13は、個人識別部12が撮影した画像に基づいて、その人物の表情を判別する。コンテンツ作成部13は、判別した表情に基づいて、例えば、その人物に対するコメントを作成する。
【0020】
コンテンツ作成工程75において、コンテンツ作成部13は、スケジュール取得工程71で作成した予定表や、降雨状況取得工程73で作成した天気情報や、コンテンツ作成工程75で作成したコメントなどに基づいて、その人物に特化したコンテンツを作成する。表示装置11は、コンテンツ作成部13が作成したコンテンツを表示する。
【0021】
このように、個人識別部12による識別結果に基づいて表示装置11の前にいる人物を特定し、特定した人物に最適なコンテンツをコンテンツ作成部13が作成するので、必要な情報を容易に得ることができ、利用者の利便性やユーザエクスペリエンス(UX)が向上する。
【0022】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0023】
オフィスビル等における社員への情報提供ツールには、サイネージやプロジェクタを用いた固定(もしくは切替)コンテンツの表示が可能である。それに加えて、本表示システムは、個々人や閲覧者の状態に合った内容を提供する。
本表示システムは、顔認証機能等を用いて個人認証をすることにより、個人に合ったコンテンツの表示(スケジュールやリマインド等)や認証時の顔映像から表情を読み取ったコンテンツ変更が可能となり、ビル利用者の利便性が上がる。
固定コンテンツや切替コンテンツに限らず、閲覧者に合わせたコンテンツの表示ができる。
顔認証による個人認証をイベントとして、その付近に設置したプロジェクタやサイネージにより個々人やビルの状態に合わせたコンテンツを表示して情報提供する。
本表示システムの特徴は、以下のとおりである。
・オフィス等、施設利用者向けのサービスであり、顔と個人情報がシステム上に登録されているユーザを対象とする。
・以下のコンテンツを表示することにより利便性やUXを向上させる。
(1)利用者のスケジュールやリマインドと言った個人に合わせた情報。
(2)顔認証時に撮影された顔画像から検知された表情や年齢を用いたコメント機能。
(3)専用ネットワークとの連携によるビルの降雨検知状況(ビルに設置された降雨計から取得)。
顔認証端末や画像解析ツール、表示装置は市販の製品を使用してもよい。
これにより、個人に合わせた情報をビル利用者へ表示することで閲覧者の利便性が向上する。
また、顔画像を用いた画像解析によるコンテンツを提供することで利用者のUXが向上する。
【符号の説明】
【0024】
10 表示システム、11 表示装置、12 個人識別部、13 コンテンツ作成部、14 降雨状況取得部、70 コンテンツ作成処理、71 スケジュール取得工程、72 外出判定工程、73 降雨状況取得工程、74 表情判別工程、75 コンテンツ作成工程。
図1
図2