(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021237
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報配信システム
(51)【国際特許分類】
H04H 20/59 20080101AFI20240208BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20240208BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240208BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20240208BHJP
H04H 20/61 20080101ALI20240208BHJP
H04H 60/13 20080101ALI20240208BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20240208BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H04H20/59
G08B27/00 C
G08B25/10
H04H20/28
H04H20/61
H04H60/13
H04H60/82
H04B1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123941
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】513034187
【氏名又は名称】株式会社J-WAVEi
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】勝又 教男
【テーマコード(参考)】
5C087
5K061
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA37
5C087BB20
5C087BB73
5C087DD02
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG85
5K061BB01
5K061FF03
(57)【要約】
【課題】サイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませること。
【解決手段】
情報配信システム10は、サイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、サイマル放送取得手段によって取得されたサイマル放送を配信するサイマル放送配信手段と、サイマル放送配信手段によって配信されたサイマル放送を再生する再生手段と、防災行政無線の放送を受信する防災行政無線放送受信手段と、再生手段によってサイマル放送が再生されているときに、防災行政無線放送受信手段によって防災行政無線の放送を受信した場合に、再生中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませるための処理を実行する割込処理実行手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、
前記サイマル放送取得手段によって取得された前記サイマル放送を配信するサイマル放送配信手段と、
前記サイマル放送配信手段によって配信された前記サイマル放送を再生する再生手段と、
防災行政無線の放送を受信する防災行政無線放送受信手段と、
前記再生手段によって前記サイマル放送が再生されているときに、前記防災行政無線放送受信手段によって前記防災行政無線の放送を受信した場合に、再生中のサイマル放送に前記防災行政無線の放送を割り込ませるための処理を実行する割込処理実行手段とを備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記防災行政無線放送受信手段によって前記防災行政無線の放送が受信された場合には、前記サイマル放送配信手段による前記サイマル放送の配信を停止し、代わりに前記防災行政無線放送受信手段で受信した前記防災行政無線の放送を配信することによって、再生中のサイマル放送に前記防災行政無線の放送を割り込ませることを特徴とする情報配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記防災行政無線の放送が終了した場合には、前記サイマル放送配信手段による前記サイマル放送の配信を再開することを特徴とする情報配信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量を下げて前記防災行政無線の放送を再生することによって、再生中のサイマル放送に前記防災行政無線の放送を割り込ませることを特徴とする情報配信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記防災行政無線の放送が終了した場合には、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量を元に戻すことを特徴とする情報配信システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、再生中のサイマル放送に前記防災行政無線の放送を割り込ませるときには、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量をミュートすることを特徴とする情報配信システム。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報配信システムにおいて、
前記サイマル放送は、コミュニティFMのサイマル放送であることを特徴とする情報配信システム。
【請求項8】
サイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバと、前記サイマル再配信サーバから配信されるサイマル放送や防災行政無線の放送を出力する利用者端末と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバとで構成される情報配信システムであって、
前記割込配信サーバは、
防災行政無線の放送を受信すると、前記サイマル再配信サーバへ防災行政無線の放送の音声ファイルを送信するとともに、前記サイマル再配信サーバへ防災行政無線の放送の割込配信命令を送信する割込配信命令送信手段を備え、
前記サイマル再配信サーバは、
前記サイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、
前記サイマル放送取得手段によって取得された前記サイマル放送を前記利用者端末へ配信するサイマル放送配信手段と、
前記割込配信サーバから前記割込配信命令を受信した場合には、前記サイマル放送配信手段による前記サイマル放送の配信を停止し、代わりに前記割込配信サーバから受信した前記防災行政無線の放送を配信する割込処理実行手段とを備え、
前記利用者端末は、
前記サイマル再配信サーバから配信された放送を受信して再生する再生手段を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記割込配信サーバから前記割込配信命令を受信した場合には、割込放送のフラグをONに切り替え、前記割込放送のフラグがONの場合に、前記サイマル放送配信手段による前記サイマル放送の配信を停止し、代わりに前記割込配信サーバから受信した前記防災行政無線の放送の音声ファイルを配信することを特徴とする情報配信システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記防災行政無線の放送の音声ファイルの送信が終了した場合には、前記サイマル放送配信手段による前記サイマル放送の配信を再開することを特徴とする情報配信システム。
【請求項11】
請求項8または9に記載の情報配信システムにおいて、
前記サイマル放送は、コミュニティFMのサイマル放送であることを特徴とする情報配信システム。
【請求項12】
サイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバと、前記サイマル再配信サーバから配信されるサイマル放送や防災行政無線の放送を出力する利用者端末と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバとで構成される情報配信システムであって、
前記割込配信サーバは、
防災行政無線の放送を受信すると、前記利用者端末へ向けて防災行政無線の放送の割り込みを指示するための通知を行う通知手段を備え、
前記サイマル再配信サーバは、
前記サイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、
前記サイマル放送取得手段によって取得された前記サイマル放送を前記利用者端末へ配信するサイマル放送配信手段とを備え、
前記利用者端末は、
前記サイマル再配信サーバから配信されたサイマル放送を受信して再生する再生手段と、
前記割込配信サーバからの前記通知を受信した場合には、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量を下げて前記防災行政無線の放送を再生する割込処理実行手段とを備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記防災行政無線の放送が終了した場合には、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量を元に戻すことを特徴とする情報配信システム。
【請求項14】
請求項12または13に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、前記割込配信サーバからの通知に基づいて、前記防災行政無線の放送の音声ファイルの保存先を特定し、特定した保存先に記録されている音声ファイルを再生することを特徴とする情報配信システム。
【請求項15】
請求項12または13に記載の情報配信システムにおいて、
前記通知手段は、前記防災行政無線の放送に設定されている宛先に基づいて、通知先とする前記利用者端末を特定することを特徴とする情報配信システム。
【請求項16】
請求項12または13に記載の情報配信システムにおいて、
前記割込処理実行手段は、再生中のサイマル放送に前記防災行政無線の放送を割り込ませるときには、前記再生手段によって再生されている前記サイマル放送の音量をミュートすることを特徴とする情報配信システム。
【請求項17】
請求項12または13に記載の情報配信システムにおいて、
前記サイマル放送は、コミュニティFMのサイマル放送であることを特徴とする情報配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような緊急情報伝達システムが知られている。この緊急情報伝達システムでは、防災センターからの防災情報を管轄地域内に予め配置した受信設備に配信するとともに、災害に係る緊急時には防災センターからの緊急の防災情報を電気通信事業者が提供する無線通信システムを介して、当該災害地域内に存する携帯無線端末機に対しても緊急の防災情報を伝達する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災行政無線のように特定の地域に対して避難情報を放送する仕組みが存在している。このような防災行政無線の放送は地域の住民に対して重要な情報であるため、多くの住民が放送を聞くことができるような環境を構築することが好ましい。また、サイマル放送を利用して地域に密着した情報を配信するコミュニティFMのような放送が存在している。このため、防災行政無線の放送があったときには、サイマル放送を聴取しているユーザに対して防災行政無線の放送を配信することができれば、地域に密着したコミュニティFMのような放送を聴取しているユーザは防災行政無線の放送を聞くことができるが、従来のシステムではこのための方法について何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による情報配信システムは、サイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、サイマル放送取得手段によって取得されたサイマル放送を配信するサイマル放送配信手段と、サイマル放送配信手段によって配信されたサイマル放送を再生する再生手段と、防災行政無線の放送を受信する防災行政無線放送受信手段と、再生手段によってサイマル放送が再生されているときに、防災行政無線放送受信手段によって防災行政無線の放送を受信した場合に、再生中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませるための処理を実行する割込処理実行手段とを備えることを特徴とする。
本発明による情報配信システムはまた、サイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバと、サイマル再配信サーバから配信されるサイマル放送や防災行政無線の放送を出力する利用者端末と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバとで構成される情報配信システムであって、割込配信サーバは、防災行政無線の放送を受信すると、サイマル再配信サーバへ防災行政無線の放送の音声ファイルを送信するとともに、サイマル再配信サーバへ防災行政無線の放送の割込配信命令を送信する割込配信命令送信手段を備え、サイマル再配信サーバは、サイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、サイマル放送取得手段によって取得されたサイマル放送を利用者端末へ配信するサイマル放送配信手段と、割込配信サーバから割込配信命令を受信した場合には、サイマル放送配信手段によるサイマル放送の配信を停止し、代わりに割込配信サーバから受信した防災行政無線の放送を配信する割込処理実行手段とを備え、利用者端末は、サイマル再配信サーバから配信された放送を受信して再生する再生手段を備えることを特徴とする。
本発明による情報配信システムはまた、サイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバと、サイマル再配信サーバから配信されるサイマル放送や防災行政無線の放送を出力する利用者端末と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバとで構成される情報配信システムであって、割込配信サーバは、防災行政無線の放送を受信すると、利用者端末へ向けて防災行政無線の放送の割り込みを指示するための通知を行う通知手段を備え、サイマル再配信サーバは、サイマル放送配信サーバから配信されるサイマル放送を取得するサイマル放送取得手段と、サイマル放送取得手段によって取得されたサイマル放送を利用者端末へ配信するサイマル放送配信手段とを備え、利用者端末は、サイマル再配信サーバから配信されたサイマル放送を受信して再生する再生手段と、割込配信サーバからの通知を受信した場合には、再生手段によって再生されているサイマル放送の音量を下げて防災行政無線の放送を再生する割込処理実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザがサイマル放送を聴取しているときに防災行政無線の放送があった場合には、ユーザが聴取中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませることができるため、サイマル放送を聴取しているユーザは防災行政無線の放送を聞くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図2】割込配信サーバ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図3】サイマル再配信サーバ200一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図4】サイマル放送配信サーバ300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図5】利用者端末400の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図6】ユーザが所属するグループの管理例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態における割込配信サーバ100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図8】第1の実施の形態におけるサイマル再配信サーバ200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図9】第1の実施の形態における利用者端末400で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図10】行政防災無線の放送の音声ファイル再生中に表示される画面の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施の形態における割込配信サーバ100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図12】第2の実施の形態におけるサイマル再配信サーバ200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【
図13】第2の実施の形態における利用者端末400で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態における情報配信システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信システム10は、割込配信サーバ100と、サイマル再配信サーバ200と、サイマル放送配信サーバ300と、利用者端末400とで構成され、
図1に示すがように各装置は通信回線、例えばインターネットや携帯電話通信網などを介して接続される。本実施の形態における情報配信システム10では、後述する処理を実行することにより、利用者端末400のユーザが防災コミュニティ支援アプリでコミュニティFMのサイマル放送を聴取しているときに、自治体などから防災行政無線の放送があった場合には、放送中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませることができる。
【0009】
割込配信サーバ100は、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるための処理を実行する装置である。
図2は、本実施の形態における割込配信サーバ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。割込配信サーバ100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。
【0010】
接続インターフェース101は、割込配信サーバ100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、割込配信サーバ100は、この接続インターフェース101を介してサイマル再配信サーバ200や利用者端末400と通信する。
【0011】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、割込配信サーバ100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0012】
記憶媒体103は、割込配信サーバ100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。
【0013】
サイマル再配信サーバ200は、サイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を利用者端末400へ再配信するための処理を実行する装置である。
図3は、本実施の形態におけるサイマル再配信サーバ200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。サイマル再配信サーバ200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203とを備えている。
【0014】
接続インターフェース201は、サイマル再配信サーバ200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、サイマル再配信サーバ200は、この接続インターフェース201を介して割込配信サーバ100、サイマル放送配信サーバ300、利用者端末400と通信する。
【0015】
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、サイマル再配信サーバ200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0016】
記憶媒体203は、サイマル再配信サーバ200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。
【0017】
サイマル放送配信サーバ300は、サイマル放送を配信するための処理を実行する装置である。
図4は、サイマル放送配信サーバ300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。サイマル放送配信サーバ300は、接続インターフェース301と、制御装置302と、記憶媒体303とを備えている。
【0018】
接続インターフェース301は、サイマル放送配信サーバ300をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、サイマル放送配信サーバ300は、この接続インターフェース301を介してサイマル再配信サーバ200と通信する。
【0019】
制御装置302は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、サイマル放送配信サーバ300の全体を制御する。なお、制御装置302を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース301を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0020】
記憶媒体303は、サイマル放送配信サーバ300が蓄える種々のデータや、制御装置302が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体303に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体303にインストールすることによって、制御装置302がプログラムを実行できるようになる。
【0021】
利用者端末400は、サイマル再配信サーバ200から再配信されるサイマル放送や防災行政無線の放送を出力するための処理を実行する端末であって、例えばパソコン、タブレット端末、携帯電話、またはスマートフォンなどの装置が用いられる。
図5は、本実施の形態における利用者端末400として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。利用者端末400は、タッチパネル401と、通信モジュール402と、制御装置403と、スピーカー404とを備えている。
【0022】
タッチパネル401は、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、利用者端末400の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、利用者端末400を操作することができる。タッチパネル401は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置403へ出力する。
【0023】
通信モジュール402は、無線または有線により割込配信サーバ100やサイマル再配信サーバ200と通信するための通信用モジュールを含む。
【0024】
制御装置403は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、利用者端末400の全体を制御する。なお、制御装置403を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、利用者端末400を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0025】
スピーカー404は、音声を出力するための出力装置である。
【0026】
本実施の形態における情報配信システム10では、利用者端末400のユーザは、あらかじめ情報配信システム10を利用するためのソフトウェア、例えば防災コミュニティ支援アプリを利用者端末400にインストールすることによりサイマル再配信サーバ200からコミュニティFMのサイマル放送や防災行政無線の割込放送を聴くことができる。ユーザは、防災コミュニティ支援アプリをインストールした後に、防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定を行う。
【0027】
防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定の方法について説明する。制御装置403は、ユーザによって防災コミュニティ支援アプリの起動が指示されると、タッチパネル401に、ユーザが防災行政無線を受信したいグループを選択するためのグループ選択画面を表示する。本実施の形態では、防災行政無線の情報は、居住している地区や消防団などのグループごとに配信されることを想定する。このため本実施の形態では、制御装置403は、グループ選択画面にあらかじめ設定されている地区名や消防団などのグループ名をリスト表示し、ユーザは、表示されたリストの中から、防災行政無線を受信したいグループを選択する。
【0028】
制御装置403は、ユーザによってグループが選択されると、ユーザを一意に特定するためのユーザIDと、ユーザによって選択されたグループを特定するためのグループIDとを関連付けたグループ情報を割込配信サーバ100へ送信する。
【0029】
割込配信サーバ100では、制御装置102は、利用者端末400から受信したグループ情報を記憶媒体103に記録する。なお、本実施の形態では、グループIDは、例えば、
図6(A)に示すようにあらかじめ設定されているものとする。また、
図6(B)は、ユーザIDとグループIDを関連付けた場合の一例を示している。
図6(B)に示す例では、ユーザIDが100のユーザは、サンプル市、A地区、又はC行政区に宛てて配信された防災行政無線の情報を受信することができる。また、ユーザIDが101のユーザは、サンプル市に宛てて配信された防災行政無線の情報を受信することができる。
【0030】
利用者端末400のユーザは、防災コミュニティ支援アプリを起動し、アプリ画面上に表示されているコミュニティFMを聴取するためのボタン、例えば再生ボタンをタップすることにより、コミュニティFMの聴取を開始することができる。制御装置403は、ユーザによってコミュニティFMの聴取が指示されると、サイマル放送再配信サーバ300に接続してコミュニティFM放送のストリームメタ情報を取得する。そして、制御装置403は、サイマル放送再配信サーバ300から取得したストリームメタ情報を元に分割された音源を取得して逐次再生する。これによって、スピーカー404からコミュニティFMのサイマル放送の音声が出力され、ユーザはコミュニティFM放送を聴取することができる。
【0031】
本実施の形態における情報配信システム10では、上述したように、利用者端末400のユーザが防災コミュニティ支援アプリでコミュニティFMのサイマル放送を聴取しているときに、自治体などから防災行政無線の放送があった場合には、放送中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませる。以下、サイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませるための処理について説明する。
【0032】
サイマル放送の配信は放送局やサイマル配信プラットフォームによって方式が異なる。そのため、本実施の形態では、防災コミュニティ支援アプリでの再生を容易にするために、サイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を一度サイマル再配信サーバ200で受信して、公知のHLS(HTTP Live Streaming)に変換した上で再配信を行う。また、本実施の形態では、防災行政無線の割込放送をおこなうために、サイマル放送の音源を一度PCM(非圧縮)形式にエンコードをおこない、HLS配信時にHE-AAC形式に再エンコードを行う。これは、サイマル放送の音源を非圧縮形式にしないと、ノイズや圧縮されているデータ列が破壊されるため、伸張時正しく再生できないためである。
【0033】
サイマル再配信サーバ200では、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300へ接続して、サイマル放送配信サーバ300から分割された放送(コンテンツ)のチャンクを取得する。本実施の形態では、防災行政無線の割込放送の有無は、割込放送フラグによって判断される。制御装置202は、防災行政無線の割込放送フラグがOFFの場合、サイマル放送配信サーバ300から取得した放送を指定された音声エンコード、例えばHE-AAC、48Kbps、モノラルに変換してHLS配信をおこなう。
【0034】
一方、制御装置202は、防災行政無線の割込放送フラグがONの場合には、サイマル放送配信サーバ300から受信したサイマル放送の配信を停止し、代わりに割込配信サーバ100から受信した防災行政無線の放送の配信を行う。具体的には、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300から受信したチャンクデータは破棄して、割込配信サーバ100から受信した防災行政無線の放送音源をサイマル放送のチャンクの代わりにチャンクサイズ分HLS配信を行う。制御装置202は、防災行政無線の放送音源のHLS配信を、防災行政無線の放送音源全ての放送が完了するまで繰り返す。
【0035】
利用者端末400では、制御装置403は、サイマル再配信サーバ200から配信された音声を受信してスピーカー404から出力する。これによって、ユーザがコミュニティFMの放送を視聴している際に防災行政無線の放送があった場合には、コミュニティFMの放送に防災行政無線の放送を割り込ませてユーザに配信することができる。
【0036】
なお、防災行政無線の割込放送フラグがON・OFFは、以下の処理によりサイマル再配信サーバ200で切り替えられる。割込配信サーバ100では、制御装置102は、サイマル再配信サーバ200にsocket通信接続をおこなって接続を確立する。防災行政無線は、防災行政無線操作卓で担当者によって放送が行われ、放送された内容は、不図示の防災サーバで音声が録音される。防災サーバでは、防災行政無線放送が終了すると音声の録音を終了し、録音した音声を所定のエンコード形式で音声ファイルにエンコードする。そして、防災サーバはメタ情報を生成して音声ファイルとメタ情報を割込配信サーバ100へ送信する。このとき、防災サーバは例えばhttps通信のpostで割込配信サーバ100に送信すればよい。
【0037】
なお、メタ情報には、例えば放送日時、放送の件名、放送の内容、放送の宛先のデータを含む。放送日時は、防災行政無線で放送された日時の情報であって、例えば「2022-07-07 13:30:00」のようなデータとなる。放送の件名は、事前録音された放送で放送の件名が入力されている場合があり、例えば「防災訓練のお知らせ」のようなデータとなる。また、録音ではなく緊急で放送された場合は「緊急放送」のような固定のデータとしてもよい。放送の内容は、事前録音された放送の場合は、放送の内容を示すテキストデータが入力されている場合があり、例えば「○○市防災課からお知らせします。9月1日午前9時から防災訓練をおこないます。」のようなデータとなる。また、録音ではなく緊急で放送された場合は放送の内容は空となる。放送の宛先は、例えば、防災行政無線屋外拡声子局を1つ以上まとめたグループ番号や、子局自身の子局番号や、戸別受信機群をまとめた番号などが数字で設定される。
【0038】
割込配信サーバ100では、制御装置102は、防災サーバから音声ファイルとメタ情報を受信すると、受信した音声ファイルとメタ情報が正しいか検証をおこなう。制御装置102は、検証の結果に問題があれば防災サーバにエラーを返す。一方、制御装置102は、検証の結果に問題がなければ音声ファイルをPCM(非圧縮)形式にエンコードする。制御装置102は、PCM形式音声ファイルとメタ情報をサイマル再配信サーバ200へ送信する。そして、制御装置102は、サイマル再配信サーバ200と通信確立してあるsocket通信でサイマル再配信サーバ200へ音声ファイルの割込配信命令を送信する。
【0039】
サイマル再配信サーバ200では、制御装置202は、割込配信サーバ100から音声ファイルの割込配信命令を受け取ると、割込放送のフラグをONにする。制御装置202は、割込放送のフラグをONにした場合には、上述した防災行政無線の割込放送フラグがONの場合の処理を実行する。これによって、コミュニティFMの放送に防災行政無線の放送を割り込ませることができる。そして、制御装置202は、割込放送の配信が完了したら割込放送フラグをOFFにする。制御装置202は、割込放送フラグをOFFにした場合には、上述した防災行政無線の割込放送フラグがOFFの場合の処理を実行する。これによって、割込放送の配信が完了した後には、コミュニティFMの放送に戻すことができる。
【0040】
図7は、第1の実施の形態における割込配信サーバ100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示す処理は、割込配信サーバ100による処理の実行開始タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、割込配信サーバ100による処理の実行開始タイミングは特に限定されないが、例えば割込配信サーバ100の電源がオンされてサーバが起動したときや、
図7に示す処理の実行開始が指示されたときなどが想定される。また、
図7においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。
【0041】
ステップS10において、制御装置102は、上述したように、サイマル再配信サーバ200にsocket通信接続をおこなって接続を確立する。その後、ステップS20へ進む。
【0042】
ステップS20では、制御装置102は、上述したように、防災サーバから防災行政無線の音声ファイルとメタ情報を受信したか否かを判断する。ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0043】
ステップS30では、制御装置102は、上述したように防災サーバから受信した音声ファイルとメタ情報が正しいか検証をおこなう。その後、ステップS40へ進む。
【0044】
ステップS40では、制御装置102は、ステップS30での検証結果に問題がないか否かを判断する。ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0045】
ステップS50では、制御装置102は、上述したように、音声ファイルをPCM(非圧縮)形式にエンコードする。その後、ステップS60へ進む。
【0046】
ステップS60では、制御装置102は、PCM形式音声ファイルとメタ情報をサイマル再配信サーバ200へ送信する。その後、ステップS70へ進む。
【0047】
ステップS70では、制御装置102は、サイマル再配信サーバ200と通信確立してあるsocket通信でサイマル再配信サーバ200へ音声ファイルの割込配信命令を送信する。その後、ステップS90へ進む。
【0048】
一方、ステップS40で否定判断した場合には、ステップS80へ進む。ステップS80では、制御装置102は、上述したように、防災サーバにエラーを返す。その後、ステップS90へ進む。
【0049】
ステップS90では、制御装置102は、処理を終了するか否かを判断する。なお、処理の終了タイミングは特に限定されないが、例えば割込配信サーバ100の電源がオフされてサーバがシャットダウンするときや、
図7に示す処理の終了が指示されたときなどが想定される。
【0050】
ステップS90で否定判断した場合には、ステップS20へ戻る。これに対して、ステップS90で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0051】
図8は、第1の実施の形態におけるサイマル再配信サーバ200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示す処理は、サイマル再配信サーバ200による処理の実行開始タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、サイマル再配信サーバ200による処理の実行開始タイミングは特に限定されないが、例えばサイマル再配信サーバ200の電源がオンされてサーバが起動したときや、
図8に示す処理の実行開始が指示されたときなどが想定される。また、
図8においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。
【0052】
ステップS110において、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300へ接続する。その後、ステップS120へ進む。
【0053】
ステップS120では、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300から分割された放送(コンテンツ)のチャンクを取得する。その後、ステップS130へ進む。
【0054】
ステップS130では、制御装置202は、上述したように、割込配信サーバ100から音声ファイルの割込配信命令を受信したか否かを判断する。ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。
【0055】
ステップS140では、制御装置202は、上述したように、割込放送のフラグをONにする。その後、ステップS150へ進む。
【0056】
ステップS150では、制御装置202は、上述したように、サイマル放送配信サーバ300から受信したチャンクデータは破棄して、割込配信サーバ100から受信した防災行政無線の放送音源をサイマル放送のチャンクの代わりにチャンクサイズ分HLS配信を行う。その後、ステップS160へ進む。
【0057】
ステップS160では、制御装置202は、防災行政無線の放送音源全ての放送が完了したか否かを判断する。ステップS160で否定判断した場合には、ステップS150へ戻り、防災行政無線の放送音源全ての放送が完了するまで防災行政無線の放送音源の配信を繰り返す。これに対して、ステップS160で肯定判断した場合には、ステップS170へ進む。
【0058】
ステップS170では、制御装置202は、割込放送フラグをOFFにする。その後、ステップS190へ進む。
【0059】
一方、ステップS130で否定判断した場合には、ステップS180へ進む。ステップS180では、制御装置202は、上述したように、サイマル放送配信サーバ300から取得した放送を指定された音声エンコード、例えばHE-AAC、48Kbps、モノラルに変換してHLS配信をおこなう。その後、ステップS190へ進む。
【0060】
ステップS190では、制御装置202は、処理を終了するか否かを判断する。なお、処理の終了タイミングは特に限定されないが、例えばサイマル再配信サーバ200の電源がオフされてサーバがシャットダウンするときや、
図8に示す処理の終了が指示されたときなどが想定される。
【0061】
ステップS190で否定判断した場合には、ステップS120へ戻る。これに対して、ステップS190で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0062】
図9は、第1の実施の形態における利用者端末400で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示す処理は、ユーザによって防災コミュニティ支援アプリの起動が指示されると起動するプログラムとして、制御装置402によって実行される。なお、
図9においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。
【0063】
ステップS210において、制御装置403は、ユーザによってコミュニティFMの聴取が指示されたか否かを判断する。ステップS210で否定判断した場合には、後述するステップS270へ進む。これに対して、ステップS210で肯定判断した場合には、ステップS220へ進む。
【0064】
ステップS220では、制御装置403は、サイマル放送再配信サーバ300に接続を行う。その後、ステップS230へ進む。
【0065】
ステップS230では、制御装置403は、コミュニティFM放送のストリームメタ情報を取得する。その後、ステップS240へ進む。
【0066】
ステップS240では、制御装置403は、上述したように、サイマル放送再配信サーバ300から配信される音源を再生し、再生音声をスピーカー404から出力する。その後、ステップS250へ進む。
【0067】
ステップS250では、制御装置403は、コミュニティFMの聴取終了が指示されたか否かを判断する。なお、コミュニティFMの聴取終了は、例えば、ユーザは、画面上に表示された聴取終了ボタンをタップしたり、コミュニティFMの聴取画面を閉じたりすることによって指示できるようにすればよい。ステップS250で肯定判断した場合には、ステップS260へ進む。
【0068】
ステップS260では、制御装置403は、再生を終了してステップS270へ進む。
【0069】
ステップS270では、制御装置403は、防災コミュニティ支援アプリの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS270で否定判断した場合には、ステップS210へ戻る。これに対して、ステップS270で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0070】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報配信システム10は、コミュニティFMのサイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバ200と、サイマル再配信サーバ200から配信されるサイマル放送や防災行政無線の割込放送を出力する利用者端末400と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバ100とで構成され、割込配信サーバ100では、制御装置102は、防災行政無線の放送を受信すると、サイマル再配信サーバ200へ防災行政無線の放送の音声ファイルを送信するとともに、サイマル再配信サーバ200へ防災行政無線の放送の割込配信命令を送信し、サイマル再配信サーバ200では、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を取得し、取得したサイマル放送を利用者端末400へ配信し、割込配信サーバ100から割込配信命令を受信した場合にはサイマル放送の配信を停止し、代わりに割込配信サーバ100から受信した防災行政無線の放送を配信し、利用者端末400では、制御装置403は、サイマル再配信サーバ200から配信された放送を受信して再生するようにした。これによって、ユーザはコミュニティFMを聴取しているときに防災行政無線の放送があった場合には、防災行政無線の放送を聴くことができる。また、ユーザは、防災行政無線の放送が聞き取りづらい地域にいる場合でも、サイマル放送を聴取するためのアプリを利用して防災行政無線を聴くことができる。
【0071】
(2)制御装置202は、割込配信サーバ100から割込配信命令を受信した場合には、割込放送のフラグをONに切り替え、割込放送のフラグがONの場合にサイマル放送の配信を停止して代わりに防災行政無線の放送の音声ファイルを配信するようにした。これによって、防災行政無線の放送を割り込ませるかどうかをフラグのオンオフで管理することができる。
【0072】
(3)サイマル再配信サーバ200では、制御装置202は、防災行政無線の放送が終了した場合には、サイマル放送の配信を再開するようにした。これによって、防災行政無線の割込放送の配信が完了した後には、コミュニティFMの放送に戻すことができる。
【0073】
―第2の実施の形態―
第2の実施の形態では、利用者端末400がサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませるための処理を実行する方法について説明する。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で上述した
図1~
図6については、第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。
【0074】
第2の実施の形態における防災行政無線の割込放送の方法は、利用者端末400の制御装置403がPUSH通知をトリガにして割込させる音源の再生をおこなう。制御装置403は、割込の音源再生中はその前に聴いていたサイマル配信の放送をミュート、すなわち消音する。そして、制御装置403は、割込の放送完了後、サイマル配信の放送のミュートを解除し、ミュート直前の音量に戻す。以下、第2の実施の形態における処理について説明する。
【0075】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ユーザは、利用者端末400を操作して防災コミュニティ支援アプリを起動させる。このとき、ユーザは、第1の実施の形態で上述した防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定が完了していない場合は、第1の実施の形態と同様に防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定を行う。そして、利用者端末400のユーザは、アプリ画面上に表示されているコミュニティFMを聴取するためのボタン、例えば再生ボタンをタップすることにより、コミュニティFMの聴取を開始する。
【0076】
第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、防災行政無線は、防災行政無線操作卓で担当者によって放送が行われ、放送された内容は、不図示の防災サーバで音声が録音される。防災サーバでは、防災行政無線放送が終了すると音声の録音を終了し、録音した音声を所定のエンコード形式で音声ファイルにエンコードする。そして、防災サーバはメタ情報を生成して音声ファイルとメタ情報を割込配信サーバ100へ送信する。割込配信サーバ100の制御装置102は、防災サーバから音声ファイルとメタ情報を受信すると、第1の実施の形態と同様に、受信した音声ファイルとメタ情報が正しいか検証を行う。そして、第2の実施の形態では、制御装置102は、検証の結果に問題があれば防災サーバにエラーを返す一方で、検証の結果に問題がなければ、音声ファイルを防災コミュニティ支援アプリで再生しやすい形式、例えば、AAC、48Kbps、モノラルなどのエンコードをおこない、利用者端末400にインストールされた防災コミュニティ支援アプリからダウンロード可能な場所に保存する。なお、音声ファイルの保存先であるアプリからダウンロード可能な場所は、例えば公開用のフォルダなどが想定される。
【0077】
制御装置102は、利用者端末400へ防災行政無線放送の割り込みを指示するために、利用者登録されている利用者端末400向けのPUSH通知のpayloadを作成する。本実施の形態では、第1の実施の形態で上述したように、メタ情報に含まれる宛先のデータと、記憶媒体103に記録されているグループ情報に基づいて、PUSH通知の送信対象とする利用者端末400を特定する。具体的には制御装置102は次のようにPUSH通知の送信対象とする利用者端末400を特定する。
【0078】
制御装置102は、防災サーバから送られてきたメタ情報に記載されている放送の宛先が市全域の場合は利用者全員の利用者端末400をPUSH通知の送信対象とし、宛先がグループ、子局、または戸別受信機群の場合は、記憶媒体103に記録されているグループ情報を参照して、宛先に対応するグループIDに紐づいて登録されているユーザIDの利用者端末400をPUSH通知の送信対象とする。
【0079】
また、本実施の形態では、PUSH通知のpayloadには、例えば、メッセージ管理IDと、防災サーバから受信したメタ情報の放送日時、放送の件名、放送の内容、及び宛先のデータと、音声ファイルの保存先を示すURLの情報を含める。なお、音声ファイルの保存先を示すURLは、例えば、上述した処理で音声ファイルを保存した公開用のフォルダにアクセスするためのURLとする。また、PUSH通知のpayloadにメッセージ管理IDを含めることにより予期せぬ複数回の通知などで複数回再生されてないようにすることができる。PUSH通知のpayloadに含まれる情報は、例えば、以下のようになる。
“message_id”:12345,
“published_at”:“2022-07-09 12:00:00”,
“title”:“自主避難所開設のお知らせ”,
“body”:“台風3号接近に伴い、自主避難所を開設しました。開設した自主避難所は○○小学校・・・・”,
“groups”: [1],
“audio_url”: “https://○○.com/△△/××.m4a”
【0080】
制御装置102は、利用者端末400へPUSH通知を送信するために、外部のPUSH通知配信サーバへ上述したpayloadを送信する。これによって、宛先として指定された利用者端末400へ外部のPUSH通知配信サーバからPUSH通知が送信される。
【0081】
利用者端末400では、制御装置403は、PUSH通知を受信すると、現在再生しているサイマル放送のボリュームを0にしてミュート、すなわち消音する。そして、制御装置403は、受信したPUSH通知のpayloadに含まれているURLにアクセスし、行政防災無線の放送が録音された音声ファイルを再生する。なお、制御装置403は、音声ファイルの保存先から音声ファイルをダウンロードして再生してもよいし、音声ファイルをダウンロードせずにストリーミング再生をおこなってもよい。
【0082】
制御装置403は、音声ファイルの再生中は、タッチパネル401に割込再生している旨を画面表示する。このとき、画面にはpayloadに含まれている情報と割込再生を停止させるためのボタンも表示される。
図10は、行政防災無線の放送の音声ファイル再生中に表示される画面の一例を示す図である。
図10に示す例では、payloadに含まれている放送の件名及び放送の内容と、ユーザが割込再生の停止を指示するための再生停止ボタン10aが表示されている。
【0083】
制御装置403は、音声ファイルの再生が終了したとき、またはユーザによって再生停止ボタン10aがタップされたことを検出したときに、行政防災無線の放送の割込再生を停止させ、再生前に聴取していたサイマル放送のミュートを解除して音量を元に戻す。また、制御装置403は、
図10に示した割込再生中に表示していた画面を非表示にする。
【0084】
図11は、第2の実施の形態における割込配信サーバ100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示す処理は、割込配信サーバ100による処理の実行開始タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、割込配信サーバ100による処理の実行開始タイミングは特に限定されないが、例えば割込配信サーバ100の電源がオンされてサーバが起動したときや、
図11に示す処理の実行開始が指示されたときなどが想定される。また、
図11においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。また、
図11では、第1の実施の形態で示した
図7と同様の処理については同じステップ番号を付与して説明を省略し、ここでは
図7との相違点を中心に説明する。
【0085】
ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS310へ進む。
【0086】
ステップS310では、制御装置102は、上述したように、音声ファイルを防災コミュニティ支援アプリで再生しやすい形式にエンコードする。その後、ステップS320へ進む。
【0087】
ステップS320では、制御装置102は、上述したように、エンコードした音声ファイルをアプリからダウンロード可能な場所に保存する。その後、ステップS330へ進む。
【0088】
ステップS330では、制御装置102は、上述したように、利用者登録されている端末向けのPUSH通知のpayloadを作成する。その後、ステップS340へ進む。
【0089】
ステップS340では、制御装置102は、上述したように、外部のPUSH通知配信サーバへpayloadを送信して、利用者端末400へのPUSH通知を指示する。その後、ステップS90へ進む。
【0090】
図12は、第2の実施の形態におけるサイマル再配信サーバ200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示す処理は、サイマル再配信サーバ200による処理の実行開始タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、サイマル再配信サーバ200による処理の実行開始タイミングは特に限定されないが、例えばサイマル再配信サーバ200の電源がオンされてサーバが起動したときや、
図12に示す処理の実行開始が指示されたときなどが想定される。また、
図12においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。
【0091】
ステップS410において、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300へ接続する。その後、ステップS420へ進む。
【0092】
ステップS420では、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300から分割された放送(コンテンツ)のチャンクを取得する。その後、ステップS430へ進む。
【0093】
ステップS430では、制御装置202は、上述したように、サイマル放送配信サーバ300から取得した放送を指定された音声エンコード、例えばHE-AAC、48Kbps、モノラルに変換してHLS配信をおこなう。その後、ステップS440へ進む。
【0094】
ステップS440では、制御装置202は、処理を終了するか否かを判断する。なお、処理の終了タイミングは特に限定されないが、例えばサイマル再配信サーバ200の電源がオフされてサーバがシャットダウンするときや、
図12に示す処理の終了が指示されたときなどが想定される。
【0095】
ステップS440で否定判断した場合には、ステップS420へ戻る。これに対して、ステップS440で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0096】
図13は、第2の実施の形態における利用者端末400で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示す処理は、ユーザによって防災コミュニティ支援アプリの起動が指示されると起動するプログラムとして、制御装置402によって実行される。なお、
図13においては、上述したユーザによる防災コミュニティ支援アプリを利用するための設定は既に完了しており、割込配信サーバ100の記憶媒体103には、上述したグループ情報が記録されているものとする。また、
図13では、第1の実施の形態で示した
図9と同様の処理については同じステップ番号を付与して説明を省略し、ここでは
図9との相違点を中心に説明する。
【0097】
ステップS510において、制御装置403は、上述したPUSH通知を受信したか否かを判断する。ステップS510で否定判断した場合には、ステップS250へ進む。これに対して、ステップS510で肯定判断した場合には、ステップS520へ進む。
【0098】
ステップS520では、制御装置403は、上述したように、現在再生しているサイマル放送のボリュームをミュートする。その後、ステップS530へ進む。
【0099】
ステップS530では、制御装置403は、上述したように、受信したPUSH通知のpayloadに含まれているURLにアクセスし、行政防災無線の放送が録音された音声ファイルを再生する。その後、ステップS540へ進む。
【0100】
ステップS540では、制御装置403は、上述したように、タッチパネル401に割込再生している旨を画面表示する。その後、ステップS550へ進む。
【0101】
ステップS550では、制御装置403は、ユーザによって上述した再生停止ボタン10aがタップされることにより、割込再生の停止が指示されたか否かを判断する。ステップS550で肯定判断した場合には、後述するステップS570へ進む。これに対して、ステップS550で否定判断した場合には、ステップS560へ進む。
【0102】
ステップS560では、制御装置403は、音声ファイルの割込再生が終了したか否かを判断する。ステップS560で否定判断した場合には、ステップS550へ戻る。これに対して、ステップS560で肯定判断した場合には、ステップS570へ進む。
【0103】
ステップS570では、制御装置403は、上述したように、行政防災無線の放送の割込再生前に聴取していたサイマル放送のミュートを解除して音量を元に戻す。その後、ステップS580へ進む。
【0104】
ステップS580では、制御装置403は、割込再生中に表示していた画面を非表示にする。その後、ステップS250へ進む。
【0105】
ステップS250では、制御装置403は、コミュニティFMの聴取終了が指示されたか否かを判断する。そして、ステップS250で否定判断した場合には、ステップS510へ戻る。これに対して、ステップS250で肯定判断した場合には、ステップS260へ進む。
【0106】
以上説明した第2の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報配信システム10は、コミュニティFMのサイマル放送を配信するサイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を取得し、取得した放送を再配信するサイマル再配信サーバ200と、サイマル再配信サーバ200から配信されるサイマル放送や防災行政無線の割込放送を出力する利用者端末400と、防災行政無線の放送を受信して、受信した防災行政無線の放送を放送中のサイマル放送に割り込ませるために情報を送信する割込配信サーバ100とで構成され、割込配信サーバ100では、制御装置102は、防災行政無線の放送を受信すると、利用者端末400へ向けて防災行政無線の放送の割り込みを指示するためのPUSH通知を行い、サイマル再配信サーバ200では、制御装置202は、サイマル放送配信サーバ300から配信されるサイマル放送を取得し、取得したサイマル放送を利用者端末400へ配信し、利用者端末400では、制御装置403は、サイマル再配信サーバ200から配信されたサイマル放送を受信して再生し、割込配信サーバ100からのPUSH通知を受信した場合には、再生中のサイマル放送の音量を下げて防災行政無線の放送を再生するようにした。これによって、ユーザはコミュニティFMを聴取しているときに防災行政無線の放送があった場合には、防災行政無線の放送を聴くことができる。また、ユーザは、防災行政無線の放送が聞き取りづらい地域にいる場合でも、サイマル放送を聴取するためのアプリを利用して防災行政無線を聴くことができる。
【0107】
(2)利用者端末400では、制御装置403は、防災行政無線の放送が終了した場合にはサイマル放送の音量を元に戻すようにした。これによって、防災行政無線の放送が終了した後はユーザはサイマル放送の聴取を続けることができる。
【0108】
(3)利用者端末400では、制御装置403は、割込配信サーバ100からの通知に基づいて、防災行政無線の放送の音声ファイルの保存先を特定し、特定した保存先に記録されている音声ファイルを再生するようにした。これによって、制御装置403は、防災行政無線の放送の音声ファイルにアクセスして音声を再生することができる。
【0109】
(4)割込配信サーバ100では、制御装置102は、メタ情報に含まれる宛先のデータと、記憶媒体103に記録されているグループ情報に基づいて、PUSH通知の送信対象とする利用者端末400を特定するようにした。これによって、防災行政無線の宛先として設定されているユーザの利用者端末400に防災行政無線の割り込みを指示することができる。
【0110】
(5)利用者端末400では、制御装置403は、再生中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませるときには、再生されているサイマル放送の音量をミュートするようにした。これによって、再生中のサイマル放送に代えて防災行政無線の放送の音声を出力することができるため、ユーザが聴取しているサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませることができる。
【0111】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報配信システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1および第2の実施の形態では、ユーザを一意に特定するためのユーザIDと、ユーザによって選択されたグループを特定するためのグループIDとを関連付けたグループ情報は、割込配信サーバ100の記憶媒体103に記録する例について説明した。しかしながらグループ情報の記録場所は割込配信サーバ100に限定されない。例えば、グループ情報は、ユーザからグループの選択を受け付けた利用者端末400内のメモリに記録するようにしてもよい。
【0112】
(2)上述した第1および第2の実施の形態では、メタ情報には、例えば放送日時、放送の件名、放送の内容、放送の宛先のデータを含む例について説明した。このとき、割込配信サーバ100の制御装置102は、メタ情報に含まれる放送日時の情報に基づいて割込放送をおこなうかどうかを判断するようにしてもよい。例えば、ネットワーク障害などのなんらかの障害で割込配信サーバでの受取りが遅れる可能性がある。このため、制御装置102は、例えば、防災サーバから音声ファイルとメタ情報が1時間遅れで届いた場合には割込放送をしないと判断するようにしてもよい。この場合、例えば、制御装置102は、防災サーバから音声ファイルとメタ情報を受信したときに、メタ情報に含まれる放送日時から1時間以上経過していた場合には割込放送をしないと判断すればよい。
【0113】
(3)上述した第2の実施の形態では、割込配信サーバ100では、制御装置102は、利用者端末400へPUSH通知を送信するために、外部のPUSH通知配信サーバへ上述したpayloadを送信し、外部のPUSH通知配信サーバから利用者端末400へPUSH通知が送信される例について説明した。しかしながら、割込配信サーバ100がPUSH通知を行う機能を搭載している場合は、制御装置102が直接利用者端末400へPUSH通知を送信してもよい。
【0114】
(4)上述した第2の実施の形態では、利用者端末400では、制御装置403は、PUSH通知を受信すると、現在再生しているサイマル放送のボリュームを0にしてミュートする例について説明した。しかしながら、制御装置403が設定するサイマル放送のボリュームは0でなくてもよい。すなわち、サイマル放送のボリュームを0まで落とさなくてもユーザが行政防災無線の放送を聴きとることができる場合は、サイマル放送のボリュームは必ずしも0にしなくてもよい。例えば、サイマル放送のボリュームをサイマル放送がほとんど聞こえない程度にまで小さくすれば、ユーザは割込再生された行政防災無線の放送を聴きとることができる場合は、行政防災無線の放送が録音された音声ファイルを再生したときにユーザが行政防災無線の放送を聴きとれる程度にまで音量を絞れば0には限定されない。
【0115】
(5)上述した第1および第2の実施の形態における情報配信システム10では、利用者端末400のユーザが防災コミュニティ支援アプリでコミュニティFMのサイマル放送を聴取しているときに、自治体などから防災行政無線の放送があった場合には、放送中のサイマル放送に防災行政無線の放送を割り込ませる例について説明した。しかしながら、サイマル放送はコミュニティFMのサイマル放送には限定されない。すなわち、上述した第1の実施の形態、または第2の実施の形態で説明した処理を用いて防災行政無線の放送を割り込ませることが可能なサイマル放送であれば、対象とするサイマル放送はコミュニティFMのサイマル放送には限定されない。
【0116】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0117】
10 情報配信システム
100 割込配信サーバ
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
200 サイマル再配信サーバ
201 接続インターフェース
202 制御装置
203 記憶媒体
300 サイマル放送配信サーバ
301 接続インターフェース
302 制御装置
303 記憶媒体
400 利用者端末
401 タッチパネル
402 通信モジュール
403 制御装置
404 スピーカー