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  • 特開-マットレス 図1
  • 特開-マットレス 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021257
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/12 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A47C27/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123970
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】507358642
【氏名又は名称】株式会社ルービックJP
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】日野 淳一
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB07
3B096AD04
3B096BA01
(57)【要約】
【課題】マットレスの寝心地を向上させること。
【解決手段】本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体(3)を有するマットレス(1)において、マットレス本体(3)は、1層又は複数層からなる上部層(4)と、1層又は複数層からなる下部層(5)とを設けるとともに、上部層(4)と下部層(5)との間に中間層(6)を設けることにした。また、前記上部層(4)及び下部層(5)よりも中間層(6)のフィラメントの密度を高くなるようにした。また、前記複数層からなる上部層(4)又は複数層からなる下部層(5)を形成する各層(第1~第6上部層7~12、第1・第2下部層13,14)のフィラメントの密度を中間層(6)へ向けて漸次高くなるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、
マットレス本体は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設けたことを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、マットレスの内部のクッション材として、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体が用いられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来のマットレスでは、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメントを上方から降下させてフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することで形成して、上下方向のフィラメントの密度が一定となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-120743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来のマットレスでは、上下方向のフィラメントの密度が一定となっているために、横臥時における上下方向の伸縮が単調なものであり、寝心地が良好なものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設けることにした。
【0007】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした。
【0008】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした。
【発明の効果】
【0009】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設けることにしているために、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【0011】
特に、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした場合には、より一層、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【0012】
また、前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした場合には、さらに、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るマットレスを示す斜視説明図。
図2】マットレス本体の断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るマットレスの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、マットレス1は、矩形箱型袋状の外装材2の内部にマットレス本体3を収容している。
【0016】
マットレス本体3は、フィラメント三次元結合体によって、横臥する人の身長方向となる前後方向(図1では左右方向)とそれに直交する左右方向及び上下方向に伸延する矩形板形状に形成されている。ここで、フィラメント三次元結合体は、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することで形成される。フィラメントとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂材料が用いられる。
【0017】
このマットレス本体3は、上部側に形成される上部層4と下部側に形成される下部層5とを有するとともに、上部層4と下部層5との間に中間層6を一体的に密着させて形成している。なお、上部層4と下部層5は、1層で形成してもよく、複数層で形成してもよい。ここでは、6層からなる上部層4と、2層からなる下部層5との間に、1層からなる中間層6を設けている。
【0018】
上部層4は、上から順に第1~第6上部層7~12で構成されており、第1上部層7のフィラメントの密度が上部層4の中で最も低く、第6上部層12のフィラメントの密度が上部層4の中で最も高く、第1~第6上部層7~12の順に中間層6に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に)高くなるようにしている。
【0019】
また、上部層4は、第1上部層7の上下方向の厚みが上部層4の中で最も薄く、第6上部層12の上下方向の厚みが上部層4の中で最も厚く、第1~第6上部層7~12の順に中間層6に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に)厚くなるようにしている。
【0020】
このように、上部層4を複数層(第1~第6上部層7~12)で形成した場合には、上部層4を形成する各層(第1~第6上部層7~12)のフィラメントの密度を中間層6側へ向けて漸次高くなるようにし、また、上部層4を形成する各層(第1~第6上部層7~12)の上下方向の厚み(高さ)を中間層6側へ向けて同一又は漸次厚くなるようにしている。
【0021】
下部層5は、下から順に第1・第2下部層13,14で構成されており、第1下部層13のフィラメントの密度が下部層5の中で最も低く、第2下部層14のフィラメントの密度が下部層5の中で最も高く、第1・第2下部層13,14の順に中間層6に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に)高くなるようにしている。
【0022】
また、下部層5は、第1下部層13の上下方向の厚みが下部層5の中で最も薄く、第2下部層14の上下方向の厚みが下部層5の中で最も厚く、第1・第2下部層13,14の順に中間層6に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に)厚くなるようにしている。
【0023】
このように、下部層5を複数層(第1・第2下部層13,14)で形成した場合には、下部層5を形成する各層(第1・第2下部層13,14)のフィラメントの密度を中間層6側へ向けて漸次高くなるようにし、また、下部層5を形成する各層(第1・第2下部層13,14)の上下方向の厚み(高さ)を中間層6側へ向けて同一又は漸次厚くなるようにしている。
【0024】
中間層6は、上部層4を形成する第1~第6上部層7~12や下部層5を形成する第1・第2下部層13,14よりも、フィラメントの密度を高くするとともに、上下方向の厚みを厚くしている。
【0025】
マットレス本体3は、以上に説明したように構成しており、上部層4の層数を下部層5の層数よりも多くし、また、上部層4の厚みを下部層5の厚みよりも厚くしており、マットレス1として使用される際には、横臥者からの荷重(体重)を上部層4で受けて上部層4が伸縮する一方、ベッド台からの荷重(反力)を下部層5で受けて下部層5伸縮することになる。
【0026】
そのため、マットレス1では、横臥者からの荷重に応じて中間層6を挟んで上部層4と下部層5とが伸縮し、ポケットコイルと同様の荷重に応じて滑らかに変化するN値を示すクッション性を有することになり、横臥者の寝心地を向上させることができる。
【0027】
以上に説明したように、上記マットレス1は、マットレス本体3が、1層又は複数層からなる上部4層と、1層又は複数層からなる下部層5とを設けるとともに、上部層4と下部層5との間に中間層6を設けた構成となっている。
【0028】
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【0029】
また、上記マットレス1は、上部層4及び下部層5よりも中間層6のフィラメントの密度を高くなるように構成している。
【0030】
そのため、上記構成のマットレス1では、より一層、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【0031】
さらに、上記マットレス1は、複数層からなる上部層4又は複数層からなる下部層5を形成する各層(第1~第6上部層7~12、第1・第2下部層13,14)のフィラメントの密度を中間層6へ向けて漸次高くなるように構成している。
【0032】
そのため、上記構成のマットレス1では、さらに、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、寝心地を向上させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 マットレス 2 外装材
3 マットレス本体 4 上部層
5 下部層 6 中間層
7~12 第1~第6上部層 13,14 第1・第2下部層
図1
図2