(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021264
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】シューズ、ソール用消耗シート、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
A43B 13/12 20060101AFI20240208BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20240208BHJP
A43D 1/08 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A43B13/12 Z
A43B13/14 B
A43D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123980
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】502178001
【氏名又は名称】学校法人梅村学園
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】重松 良祐
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050AA11
4F050BA04
4F050BA55
4F050JA30
4F050NA90
(57)【要約】
【課題】シューズと地面との作用に関する情報を取得できるシューズを提供する。
【解決手段】本開示に係るシューズは、足を収容するシューズ本体と、シューズ本体に取り付けられたソールと、ソールに接着される消耗シートと、を備え、消耗シートの厚みが、ソールの厚みより小さく、消耗シートの色と、ソールの最外面の色とが異なる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を収容するシューズ本体と、
前記シューズ本体に取り付けられたソールと、
前記ソールに接着される消耗シートと、を備え、
前記消耗シートの厚みが、前記ソールの厚みより小さく、
前記消耗シートの色と、前記ソールの最外面の色とが異なる、シューズ。
【請求項2】
前記消耗シートの厚みは、0.1mm以下である、請求項1に記載のシューズ。
【請求項3】
厚み方向に重ねられた複数の前記消耗シートを有し、
複数の前記消耗シートのそれぞれは、他の前記消耗シートと異なる色を有する、請求項1または2に記載のシューズ。
【請求項4】
足を収容するシューズ本体と、
前記シューズ本体に取り付けられたソールと、
前記ソールに接着される変色シートと、を備え、
前記変色シートは、摩擦によって色が変化する材料で形成される、シューズ。
【請求項5】
足を収容するシューズ本体と、
前記シューズ本体に取り付けられたソールと、
前記ソールに接着される消耗シートと、を備え、
前記消耗シートの耐摩耗性は、前記ソールの少なくとも一部の耐摩耗性より低く、
前記消耗シートの色と、前記ソールの最外面の色とが異なる、シューズ。
【請求項6】
前記ソールは、衝撃を吸収する軟質材で形成されるミッドソールと、前記ミッドソールの底面に接続され、前記消耗シートが接着されるアウトソールとを有し、
前記消耗シートの耐摩耗性は、前記アウトソールの耐摩耗性より低い、請求項5に記載のシューズ。
【請求項7】
一方の面がシューズのソールに接着される接着層を有し、
0.1mm以下の厚みを有する、ソール用消耗シート。
【請求項8】
厚み方向に重ねられた複数の層を有し、
前記複数の層のそれぞれは、他の層と異なる色を有する、請求項7に記載のソール用消耗シート。
【請求項9】
摩耗情報に対応する複数の摩耗パターンと、それぞれの摩耗パターンに関連付けられた足動作情報とを記憶するサーバ記憶部と、
サーバ制御部であって、
端末装置が取得したシューズの摩耗画像と、移動情報とを受信し、
前記摩耗画像と、前記移動情報とに基づいて前記摩耗情報を算出し、
前記摩耗情報が前記複数の摩耗パターンの1つに該当すると判定したとき、前記摩耗パターンの1つに関連付けられた前記足動作情報を前記端末装置に送信するように構成された前記サーバ制御部と、
を含む、サーバ。
【請求項10】
前記摩耗情報は、摩耗の有無、摩耗の面積、摩耗の体積、及び摩耗の場所の少なくとも1つを含む、請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記移動情報は、所定期間において、シューズを履いて移動した距離または時間を含む、請求項9または10に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シューズ、ソール用消耗シート、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、走行及び歩行時における足の動作に関する情報の重要性が増加している。例えば、高齢者に対しては、歩行動作の改善や転倒予防のためにこのような情報を活用できる。また、アスリートに対しては、走り方の改善のためにこのような情報を活用できる。したがって、幅広いユーザに対して適用可能であり、歩行や走行中の足の動作に関する情報を取得できる装置が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、歩行や走行中の足の動作に関する情報を取得するためには、履物品用のセンサシステムが知られている。
【0004】
特許文献1で開示されている履物品は、インソールに又はインソール内に配置するよう構成されたセンサシステムを備える。センサシステムで感知した情報を使用して、歩数、足衝撃力、移動速度等を決定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インソールに設けられたセンサから得られる情報は、足と一体となったシューズと、地面との間の作用を把握することは困難である。
【0007】
一方で、地面に接触するソールを観察することで、シューズと地面との作用を直接的に把握することができる。
【0008】
そこで、本開示の目的は、上記課題を解決することにあって、ソールを通じて、シューズと地面との作用に関する情報を取得できるシューズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様のシューズは、足を収容するシューズ本体と、シューズ本体に取り付けられたソールと、ソールに接着される消耗シートと、を備え、消耗シートの厚みが、ソールの厚みより小さく、消耗シートの色と、ソールの最外面の色とが異なる。
【0010】
本開示の一態様のシューズは、足を収容するシューズ本体と、シューズ本体に取り付けられたソールと、ソールに接着される変色シートと、を備え、変色シートは、摩擦によって色が変化する材料で形成される。
【0011】
本開示の一態様のシューズは、足を収容するシューズ本体と、シューズ本体に取り付けられたソールと、ソールに接着される消耗シートと、を備え、消耗シートの耐摩耗性は、ソールの少なくとも一部の耐摩耗性より低く、消耗シートの色と、ソールの最外面の色とが異なる。
【0012】
本開示の一態様のソール用消耗シートは、一方の面がシューズのソールに接着される接着層を有し、0.1mm以下の厚みを有する。
【0013】
本開示の一態様のサーバは、摩耗情報に対応する複数の摩耗パターンと、それぞれの摩耗パターンに関連付けられた足動作情報とを記憶するサーバ記憶部と、サーバ制御部であって、端末装置が取得したシューズの摩耗画像と、移動情報とを受信し、摩耗画像と、移動情報とに基づいて摩耗情報を算出し、摩耗情報が複数の摩耗パターンの1つに該当すると判定したとき、摩耗パターンの1つに関連付けられた足動作情報を端末装置に送信するように構成されたサーバ制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、ソールを通じて、シューズと地面との作用に関する情報を取得できるシューズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3A】移動前におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図3B】移動後におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図6A】変形例1における移動前におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図6B】変形例1における移動後におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図8A】変形例2における移動前におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図8B】変形例2における移動後におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図9A】変形例3における移動前におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図9B】変形例3における移動後におけるソール及び消耗シートの断面図
【
図10】実施の形態2に係るソール用消耗シートの概略図
【
図11】実施の形態3に係るサーバ及び端末装置の概略構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0017】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0018】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係るシューズ1について説明する。実施の形態1においては、シューズ1の例示としてランニングシューズについて説明するが、これに限定されず、シューズ1はパンプスやサンダル等の履き物も含んでもよい。
【0019】
図1は、実施の形態1に係るシューズ1の概略図である。
図2は、
図1とは異なる方向から見た実施の形態1に係るシューズ1の概略図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、シューズ1は、シューズ本体2と、ソール3と、消耗シート4とを備える。
【0021】
シューズ本体2は、ユーザの足を収容する部分である。シューズ本体2は、履き口を有し、ユーザは履き口を通じてシューズ1を履く。シューズ本体2は、シューズアッパーと称されてもよい。
【0022】
ソール3は、シューズ1の底部を形成する部分である。ソール3は、ユーザの足が地面から受ける衝撃を緩和するクッション機能と、地面に対してシューズ1が滑ることを抑制するグリップ機能とを有する。ソール3は、シューズ本体2の底面に取り付けられている。ソール3は、クッション機能を実現するミッドソール12と、ミッドソール12の底面に接着され、グリップ機能を実現するアウトソール13とを有する。
【0023】
消耗シート4は、ソール3の底面に接着されている部材である。具体的には、消耗シート4は、アウトソール13の底面に接着される。本実施の形態では、消耗シート4は、アウトソール13の底面の全部に設けられている。そのため、シューズ1を履いたユーザが移動する際に、消耗シート4は地面と接触可能である。消耗シート4が地面と接触すると、消耗シート4と地面との間で摩擦が生じる。消耗シート4は、摩擦によって厚みが減少するような部材であってもよい。また、消耗シート4は、摩擦によって変色するような部材であってもよい。即ち、消耗シート4は、地面との接触において生じる摩擦によって外観が変化する部材である。本実施の形態では、消耗シート4は、摩擦によって厚みが減少するような部材である。
【0024】
本明細書にて、「移動」とは、シューズ1を履いたユーザによる自力の移動であって、シューズ1が地面と接触する移動を意味する。「移動」には、ユーザの歩行や走行が含まれる。
【0025】
ここで、ソール3と消耗シート4との構成についてより詳細に説明する。
図3A及び
図3Bは、厚み方向Kにおけるソール3及び消耗シート4の断面図である。
図3Aは移動前の状態を示し、
図3Bは移動後の状態を示す。
図4は、移動後における消耗シート4の平面図である。
【0026】
図3Aに示すように、本実施の形態では、アウトソール13は、ミッドソール12の底面の全部に貼り付けられている。一方で、アウトソール13は、ミッドソール12の底面の一部に貼り付けられてもよい。
【0027】
ミッドソール12は、クッション機能を実現するように、その一部または全部が衝撃を吸収する軟質材によって形成される。アウトソール13は、ミッドソール12より高い耐摩耗性を有する材料によって形成されてもよい。アウトソール13には、地面に対するグリップ機能を実現するように、処理または加工される。例えば、アウトソール13には、地面との接触面積を大きくするように表面処理が施されてもよく、または溝加工が施されていてもよい。
【0028】
消耗シート4は、厚み方向Kからアウトソール13に接着される。アウトソール13と消耗シート4の上面4Aとの間には、接着層があってもよい。
【0029】
消耗シート4の色と、アウトソール13の色とが異なる。具体的には、消耗シート4の色と、アウトソール13の最外面(底面13B)の色が異なる。本明細書にて、「色」とは、可視光の色である。「色が異なる」とは、彩度、色相、または明度の少なくとも1つが異なることを意味する。本実施の形態では、例えば、消耗シート4は赤色であって、アウトソール13は青色であって、少なくとも消耗シート4とアウトソール13との色相が異なる。
【0030】
消耗シート4の厚みは、ソール3の厚みより小さい。消耗シート4の厚みは、アウトソール13の厚みより小さくてもよい。この場合、消耗シート4の厚みをアウトソール13の厚みより大きくした場合と比較して、消耗シート4の厚みが減少して無くなるまでにかかる時間または移動距離が短くなる。即ち、消耗シート4の厚みを小さくすることで、消耗シート4は無くなりやすくなっている。消耗シート4の厚みは、例えば、0.1mmである。一方で、消耗シート4の厚みは、0.1mmより小さくてもよい。
【0031】
本明細書にて、消耗シート4の厚みの減少が所定量に達すると、消耗シート4において「摩耗が生じた」または「摩耗した」という。例えば、「摩耗が生じた」または「摩耗した」とは、消耗シート4が無くなり、消耗シート4の下の層(即ち、アウトソール13)が露出したことを意味する。この場合、「摩耗しやすい」とは、消耗シート4が無くなるまでにかかる時間または移動距離が短いことを意味する。「高い耐摩耗性」とは、長距離(例えば、10キロメートル)を走るまで摩耗が生じない程度の耐摩耗性であって、「低い耐摩耗性」とは、短距離(例えば、100メートル)を走ることで摩耗が生じる程度の耐摩耗性であってもよい。
【0032】
さらに、消耗シート4は、アウトソール13より低い耐摩耗性を有する材料によって形成されてもよい。このような構成によって、消耗シート4がアウトソール13より高い耐摩耗性を有する場合と比較して、消耗シート4がさらに摩耗しやすい。さらに、消耗シート4は、ミッドソール12より低い耐摩耗性を有する材料によって形成されてもよい。消耗シート4は、プラスチック、ゴム、ロウ、紙、粘度等で形成されてもよい。
【0033】
ここで、消耗シート4の摩耗についてより詳細に説明する。まず、移動前において、シューズ1の底面の全体を、消耗シート4に覆われている被覆領域R0とする。
【0034】
図3Bに示すように、シューズ1を履いたユーザが移動すると、厚み方向Kから見たある領域において、消耗シート4と地面との間の摩擦によって、消耗シート4の厚みが減少して、消耗シート4が摩耗する。摩耗が生じた領域を摩耗領域R1とする。
【0035】
言い換えれば、消耗シート4は、摩擦によって厚みが局所的に変化する部材である。
【0036】
図3B及び
図4に示すように、摩耗領域R1において、アウトソール13が露出する。摩耗領域R1が示す色は、消耗シート4が残っている周囲の被覆領域R0が示す色と異なる。このような構造によって、シューズ1の底面を見ることによって、シューズ1と地面との作用に関する情報である摩耗情報を、容易に把握することができる。具体的には、摩耗領域R1の位置及び範囲を把握することができる。したがって、上述のように消耗シート4が摩耗しやすいと、アウトソール13が露出しやすくなり、色の違いによって摩耗領域R1の位置及び範囲を視覚的に把握しやすくなる。
【0037】
厚みが減少したが消耗シート4が残存している領域R11と、被覆領域R0とが示す色が異なる場合において、領域R11を摩耗領域R1に加えてもよい。例えば、厚み方向Kから見ると、領域R11においてアウトソール13が透けて見えて、周囲の被覆領域R0とは異なる色相を示す場合、領域R11を摩耗領域R1に加える。
【0038】
また、移動後に消耗シート4の全体にわたって厚みが減少している場合において、他の領域よりも相対的に厚みが小さく色が異なる領域を摩耗領域R1としてもよい。
【0039】
(効果)
本実施の形態に係るシューズ1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0040】
上述したように、本実施の形態に係るシューズ1は、足を収容するシューズ本体2と、シューズ本体2に取り付けられたソール3と、ソール3に接着される消耗シート4と、を備える。消耗シート4の厚みが、ソール3の厚みより小さい。消耗シート4の色と、ソール3の最外面の色とが異なる。
【0041】
このような構成によって、消耗シート4の厚みがソール3の厚みより大きい場合と比較して、消耗シート4が摩耗しやすい。また、摩耗領域R1は、被覆領域R0と異なる色を示すため、ユーザまたは装置が、シューズ1の底面を平面視することで、摩耗情報を取得できる。
【0042】
上述したように、本実施の形態に係るシューズ1においては、消耗シート4の厚みは、0.1mm以下である。
【0043】
このような構成によって、消耗シート4がさらに摩耗しやすくなる。
【0044】
なお、本実施の形態において、ソール3がミッドソール12とアウトソール13との両方を有する例について説明したが、これに限定されない。ソール3は、ミッドソール12またはアウトソール13のいずれか一方のみを有してもよい。ミッドソール12のみが存在する場合において、消耗シート4はミッドソール12に接着される。
【0045】
なお、本実施の形態において、消耗シート4がアウトソール13の底面の全部に設けられている例について説明したが、これに限定されない。消耗シート4は、アウトソール13の底面の一部に設けられてもよい。アウトソール13に溝加工が施されている場合、消耗シート4は溝以外の部分に設けられてもよい。
【0046】
なお、本実施の形態において、消耗シート4が厚み方向Kからアウトソール13に接着される例について説明したが、これに限定されない。消耗シート4はアウトソール13の側面に設けてもよい。このような構成によって、歩行や走行以外の足の動作に関する情報を取得することができる。例えば、シューズ1を履いたユーザがボールを蹴ることによって、ボールがアウトソール13の側面に設けられた消耗シート4に当たって、消耗シート4が摩耗する。摩耗箇所を把握することによって、ボールを蹴るときの足の動作に関する情報を取得することができる。
【0047】
なお、本実施の形態において、消耗シート4の厚みがアウトソール13の厚みより小さい例について説明したが、これに限定されない。消耗シート4の厚みがアウトソール13の厚みより大きい場合、消耗シート4の耐摩耗性をアウトソール13の耐摩耗性より低く設定するとよい。このような構造によって、消耗シート4の厚みにかかわらず、消耗シート4の耐摩耗性がアウトソール13の耐摩耗性より高い場合と比較して、消耗シート4が摩耗して無くなりやすい。シューズ1がアウトソール13を有しない場合において、消耗シート4の耐摩耗性をソール3の少なくとも一部の耐摩耗性より低く設定するとよい。シューズ1がアウトソール13を有しない場合において、例えば、消耗シート4の耐摩耗性をミッドソール12の耐摩耗性より低く設定する。
【0048】
(変形例1)
図5は、変形例1におけるシューズ10の概略図である。
図6A及び
図6Bは、変形例1におけるソール3及び複数の消耗シート14A~14Cの断面図である。
図7は、移動後における消耗シート14A~14Cの平面図である。
【0049】
図5に示すように、変形例1におけるシューズ10は、単一の消耗シート4の代わりに、複数の消耗シート14A~14Cを備える点において、実施の形態1に係るシューズ1と異なる。説明しない限り、それぞれの消耗シート14A~14Cは実施の形態1の消耗シート4と同様な構造を有してもよい。消耗シート14A~14Cの合計の厚みは、0.1mm以上であってもよい。
【0050】
図6Aに示すように、複数の消耗シート14A~14Cは、厚み方向Kに重ねられている。変形例1において、シューズ10は、3枚の消耗シート14A~14Cを備えるが、2枚または3枚より多くの消耗シートを有してもよい。最上の消耗シート14Aは、アウトソール13に接着される。消耗シート14A~14Cはそれぞれ互いから異なる色を有する。このような構造によって、それぞれの色は、厚み方向Kにおいて、特定の深さに対応する。
【0051】
変形例1において、それぞれの消耗シート14A~14Cは、一定の厚みを有してもよく、着色剤等の添加された物質を除き、実質的に同一の材料で形成されてもよい。このような構造によって、それぞれの消耗シート14A~14Cが摩耗する(即ち、無くなる)ために要する時間また移動距離を同じにすることができる。
【0052】
変形例1において、「摩耗が生じた」または「摩耗した」とは、消耗シート14A~14Cの少なくとも1つが無くなったことを意味する。
【0053】
移動前において、シューズ10の底面の全体を、最下の消耗シート14Cに覆われている被覆領域R0とする。
【0054】
図6Bに示すように、シューズ10を履いたユーザが移動すると、厚み方向Kから見たある領域において、消耗シート14A~14Cと地面との間の摩擦によって、消耗シート14A~14Cの厚みが減少している(摩耗領域R12、R13)。具体的には、摩耗領域R12において、消耗シート14B、14Cが摩耗している。摩耗領域R13において、消耗シート14A~14Cが摩耗している。
【0055】
言い換えれば、消耗シート14A~14Cは、摩擦によって厚み及び色が局所的に変化する部材である。
【0056】
図6B及び
図7に示すように、摩耗領域R12において、消耗シート14A、14Bが露出している。摩耗領域R13において、消耗シート14A、14B及びアウトソール13が露出している。摩耗領域R12、R13が示す色は、消耗シート14Cが残っている周囲の被覆領域R0が示す色と異なる。また、摩耗領域R12、R13は、複数の異なる色を示す。
【0057】
このような構造によって、シューズ10の底を見ることによって、摩耗の有無に加えて、摩耗の程度を把握することができる。具体的には、摩耗領域R12、R13の位置及び範囲に加えて、摩耗領域R12、R13における摩耗深さ及び摩耗体積を把握することができる。言い換えれば、消耗シート14A~14Cの平面視のみで、即ち、消耗シート14A~14Cを2次元的に見るだけで、消耗シート14A~14Cの3次元的構造を把握することができる。
【0058】
なお、変形例1において、消耗シート14A~14Cがそれぞれ異なる色を有する例について説明したが、これに限定されない。消耗シート14A~14Cは、隣接する消耗シートとは異なる色を有してもよい。例えば、消耗シート14A~14Cは赤い消耗シートと白い消耗シートとを交互に繰り返して構成されてもよい。このような構造によって、摩耗領域R12、R13において露出した赤い消耗シートの数を数えることで摩耗領域R12、R13における消耗シート14A~14Cの摩耗を把握することができる。また、複数の消耗シート14A~14Cのうち一部の消耗シートはアウトソール13と同じ色を有してもよい。
【0059】
(変形例2)
図8A及び
図8Bは、変形例2におけるソール3及び消耗シート24の断面図である。
【0060】
図8A及び
図8Bに示すように、変形例2では、消耗シート4の代わりに、色素カプセル26を有する消耗シート24を備える点において、実施の形態1と異なる。
【0061】
図8Aに示すように、消耗シート24は、基材25と、色素カプセル26とを有する。基材25は、厚み方向Kからアウトソール13に接着されており、実施の形態1の消耗シート4と同様な構造を有してもよい。一方で、基材25は、アウトソール13と同一の色を有してもよい。色素カプセル26は、内部にインク等の着色剤を有し、基材25内に散在して埋め込まれている。色素カプセル26に力が加わると、色素カプセル26は割れて内部のインクが周囲の基材25を着色する。
【0062】
移動前において、基材25の全体は同一の色であって、基材25の全体を被覆領域R0とする。
【0063】
図8Bに示すように、ユーザが移動すると、厚み方向Kから見たある領域において、消耗シート24と地面との間の摩擦によって、消耗シート24の厚みが減少する。基材25の厚みが減少すると、色素カプセル26が露出する。この状態において、地面からの力が色素カプセル26に直接加わると、色素カプセル26は割れて、内部のインクは周囲の基材25を着色する(着色領域R2)。着色領域R2が示す色は、他の被覆領域R0が示す色と異なる。
【0064】
言い換えれば、消耗シート24は、摩擦によって色が局所的に変化する部材である。したがって、消耗シート24を変色シートと称してもよい。
【0065】
このような構造によって、消耗シート24が摩耗する前に、即ち、消耗シート24が完全に無くなる前に、着色領域R2の位置及び範囲を把握することで、基材25の厚みが減少した領域の位置及び範囲を把握することができる。
【0066】
色素カプセル26は、同一の色を有するインクを内蔵してもよい。色素カプセル26が、基材25における深さに応じて異なる色を有するインクを内蔵していると、色によって基材25の厚みを把握することができる。
【0067】
色素カプセル26は、露出していなくても、基材25を通じて一定の圧力が加わることで割れてもよい。このような構造によって、消耗シート24に加わる圧力分布を把握することができる。
【0068】
なお、変形例2において、色素カプセル26を有する消耗シート24がアウトソール13に接着される例について説明したが、これに限定されない。例えば、基材25をアウトソール13に接着した後に、色素カプセル26を注射して、消耗シート24を形成してもよい。
【0069】
(変形例3)
図9A及び
図9Bは、変形例3におけるソール3及び変色シート34の断面図である。
【0070】
図9A及び
図9Bに示すように、変形例2では、消耗シート4の代わりに、変色シート34を備える点において、実施の形態1と異なる。説明しない限り、変色シート34は実施の形態1の消耗シート4と同様な構造を有してもよい。
【0071】
図9Aに示すように、変色シート34は、摩擦によって色が変化する材料で形成される。例えば、変色シート34は、地面との摩擦によって生じる摩擦熱によって色が変化する材料で形成される。
【0072】
移動前において、変色シート34の全体は同一の温度、したがって同一の色であって、変色シート34の全体を常温領域R3とする。
【0073】
図9Bに示すように、ユーザが移動すると、厚み方向Kから見たある領域において、変色シート34と地面との間の摩擦によって、変色シート34が発熱する(高温領域R4)。変色シート34が受ける摩擦熱に応じて、高温領域R4における変色シート34の色が変化する。
【0074】
言い換えれば、変色シート34は、摩擦によって色が局所的に変化する部材である。
【0075】
このような構造によって、高温領域R4が示す色が他の常温領域R3が示す色と異なり、摩擦情報を把握することができる。
【0076】
変色シート34の色の変化は可逆的な変化であってもよく、例えば、変色シート34が常温に冷却されると、元の色に戻ってもよい。
【0077】
なお、移動後に変色シート34の全体にわたって色が変化している場合において、他の領域よりも相対的に温度が高く色が異なる領域を高温領域R4としてもよい。
【0078】
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2に係るソール用消耗シートについて説明する。なお、実施の形態2では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0079】
図10は、本開示に係る実施の形態2に係るソール用消耗シート50の斜視図である。
【0080】
実施の形態2では、ソール用消耗シート50である点で実施の形態1と異なる。
【0081】
図10に示すように、ソール用消耗シート50は、シューズのソールに接着するシート状の部材である。ソール用消耗シート50において、一方の面がシューズのソールに接着される接着層51を有する。
【0082】
ソール用消耗シート50は、0.1mm以下の厚みを有する。
【0083】
ソール用消耗シート50は、厚み方向Kに重ねられた複数の層15を有し、複数の層15のそれぞれは、他の層15と異なる色を有する。
【0084】
(効果)
本実施の形態に係るソール用消耗シート50によれば、以下の効果を奏することができる。
【0085】
上述したように、本実施の形態に係るソール用消耗シート50は、一方の面がシューズのソールに接着される接着層51を有し、0.1mm以下の厚みを有する。
【0086】
このような構成によって、ソール用消耗シート50と異なる色のソールにソール用消耗シート50を接着し、ユーザまたは装置が、ソール用消耗シート50を平面視することで、摩耗の位置及び範囲を取得できる。また、同じシューズに対して、ソール用消耗シート50を繰り返し貼ることができる。そのため、より多くの情報を取得することができる。
【0087】
本実施の形態に係るソール用消耗シート50は、厚み方向Kに重ねられた複数の層15を有し、複数の層15のそれぞれは、他の層15と異なる色を有する。
【0088】
このような構成によって、摩耗の位置及び範囲に加えて、摩耗領域R1におけるソール用消耗シート50の厚み及び摩耗体積を把握することができる。
【0089】
なお、実施の形態2では、ソール用消耗シート50が複数の層15を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、ソール用消耗シート50は1つのみの層15を有してもよい。さらに、ユーザは、所望のシート厚みを得るために、シューズに複数のソール用消耗シート50を重ねて接着してもよい。また、ソール用消耗シート50は、複数の層15の代わりに、上述で説明した色素カプセル26を有する消耗シート24または変色シート34を有してもよい。
【0090】
(実施の形態3)
本開示の実施の形態3に係るサーバ100及び端末装置101について説明する。なお、実施の形態3では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0091】
図11は、実施の形態3に係るサーバ100及び端末装置101の概略構成を示すブロック図である。
図12は、サーバ100及び端末装置101による処理の概略図である。
【0092】
図11に示すように、サーバ100は、シューズ1の消耗シート4の摩耗情報に基づいて判定を行うためのサーバである。サーバ100は、少なくとも1つの端末装置101と通信可能である。端末装置101は、サーバ100に対して、シューズ1の消耗シート4の摩耗に関する情報の送受信を行うための装置である。端末装置101は、例えば、スマートフォンである。
【0093】
図12に示すように、サーバ100は、端末装置101から情報を受信し、受信した情報に基づいて摩耗情報を算出し、摩耗情報を既存の摩耗パターンと比較して、どの摩耗パターンに該当するか判定する。そこで、サーバ100は、該当する摩耗パターンに対応する足動作情報を、端末装置101に送信する。足動作情報は、足の動作または状態に関する情報である。足動作情報は、例えば、傷害のリスク、パフォーマンスレベル、走行・歩行のフォームの説明、改善のためのアドバイス、理想的なフォームとの比較等を含んでもよい。以下、各構成要素の概略を説明する。
【0094】
図11に戻ると、端末装置101は、画像取得部16と、センサ部17と、端末制御部18と、端末通信部19と、表示部20とを備える。
【0095】
画像取得部16は、消耗シート4の摩耗画像を取得する機能を有する。摩耗画像は、シューズ1を履いたユーザが移動した後における消耗シート4の平面画像である。画像取得部16は、ユーザの操作によって、摩耗画像を取得してもよい。端末装置101がスマートフォンである場合、画像取得部16は、スマートフォンに搭載されたカメラであってもよい。また、画像取得部16は、コピー機のようなスキャン装置であってもよい。
【0096】
センサ部17は、移動情報を取得するセンサ等である。移動情報は、所定期間において、ユーザがシューズ1を履いて移動した距離または時間を含む。移動情報は、移動速度、移動した地面の状況、移動時の運動強度等をさらに含んでもよい。具体的には、センサ部17は、GPSセンサ、加速度計、万歩計(登録商標)等を含んでもよい。所定期間は、任意の期間であって、例えば、前回の摩耗情報の算出からシューズ1を履いた期間である。所定期間は、ユーザによって設定された期間であってもよい。
【0097】
端末制御部18は、端末装置101全体の制御を司るコントローラである。端末制御部18は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。端末制御部18は、メモリ(図示せず)に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、端末装置101における各種の制御を実現することができる。端末制御部18は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0098】
端末通信部19は、サーバ100と通信することができる。端末制御部18は、端末通信部19を介してサーバ100と協働するとき、インターネットを介してサーバ100と通信できる。具体的には、端末通信部19は、画像取得部16による摩耗画像と、センサ部17による移動情報とをサーバ制御部7に送信し、サーバ制御部7による足動作情報を受信する。
【0099】
表示部20は、ユーザに対して情報を提示する機構である。表示部20は、例えば、文字及び画像を表示するディスプレイである。端末装置101は、表示部20に代わってまたは加えてスピーカを動作させてもよい。
【0100】
サーバ100は、摩耗情報に基づいて判定を行う以外の他の目的に用いられてもよい。サーバ100は、サーバ記憶部6と、サーバ制御部7とを含む。サーバ100は、端末装置101と通信するためのサーバ通信部8をさらに含んでもよい。
【0101】
サーバ記憶部6は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、サーバ制御部7の作業領域として機能するメモリであってもよい。サーバ記憶部6は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。サーバ記憶部6は、サーバ100内部のメモリであってもよく、サーバ100と無線通信または有線通信にて接続されているストレージ装置であってもよい。
【0102】
図12に示すように、サーバ記憶部6は、複数の摩耗パターンと、それぞれの摩耗パターンに関連付けられた足動作情報とを予め記憶している。摩耗パターンは、端末装置101から取得した情報などに応じて生成され得る。1つの実施例において、サーバ100は、シューズ1の底面を4つの領域P1~P4に分割して、それぞれの領域P1~P4における摩耗の有無に応じて、異なる摩耗パターンを事前に生成してサーバ記憶部6に記憶させる。サーバ100は、それぞれの摩耗パターンに足動作情報として、パフォーマンスレベル及びレベル改善のためのアドバイスを関連付けてサーバ記憶部6に記憶させる。
【0103】
サーバ制御部7は、サーバ100全体の制御を司るコントローラである。サーバ制御部7は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。サーバ制御部7は、サーバ記憶部6に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、サーバ100における各種の制御を実現することができる。サーバ制御部7は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0104】
サーバ通信部8は、サーバ制御部7と協働して、端末装置101とインターネットパケットを送受信する、すなわち、通信できる。サーバ通信部8または端末通信部19は、サーバ100と、端末装置101との間において、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行い、データの送受信を行ってもよい。インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)と通信してもよい。具体的には、サーバ通信部8は、画像取得部16による摩耗画像と、センサ部17による移動情報とを受信し、サーバ制御部7による足動作情報を表示部20に送信する。
【0105】
ここで、
図13を参照しながら、サーバ100の動作について説明する。
図13は、サーバ100の動作の一例のフローチャートであり、動作は、以下のステップS13~S16を含む。
【0106】
サーバ100のサーバ制御部7は、サーバ通信部8を介して、摩耗画像と移動情報とを端末装置101から受信する(S13)。
【0107】
サーバ制御部7は、摩耗画像と移動情報とに基づいて、摩耗情報を算出する(S14)。サーバ制御部7は、二値化などの一般的な画像処理を実行し、得られた処理結果に移動情報を紐づけて、摩耗情報を算出する。摩耗情報は、摩耗領域R1の有無、摩耗領域R1の位置、摩耗領域R1の面積、摩耗領域R1の体積、摩耗領域R1の摩耗速度(単位時間または距離当たりの摩耗量)等の少なくとも一部を含む。
図12に示すように、本実施の形態では、サーバ制御部7は、消耗シート4を上下左右の4つ領域P1~P4に分割して、それぞれの領域P1~P4における摩耗の有無を算出する。
【0108】
摩耗情報の算出において、サーバ制御部7は、一般的な画像処理を用いて、移動情報に基づいて画像を補正してもよい。画像取得部16で取得された摩耗画像においては、撮影方向のばらつきによって、摩耗画像に映る消耗シート4の見え方(例えば、面積)が異なる場合がある。そこで、サーバ制御部7は、一般的な画像処理を用いて、消耗シート4に対して垂直方向から撮影された画像となるように、摩耗画像に対して補正を行ってもよい。
【0109】
サーバ制御部7は、摩耗情報を、サーバ記憶部6に予め記憶されている複数の摩耗パターンと比較して、どの摩耗パターンに該当するか判定する(S15)。例えば、サーバ制御部7は、摩耗情報を、異なるパフォーマンスレベルによる摩耗パターンと比較する。そこで、摩耗情報とトップアスリートの摩耗パターンとが似ている場合、サーバ制御部7は、ユーザのパフォーマンスレベルが高いと判定してもよい。
【0110】
サーバ制御部7は、サーバ通信部8を介して、該当する摩耗パターンに関連付けられた足動作情報を端末装置101に送信する(S16)。足動作情報は、端末装置101の表示部20に表示される。サーバ制御部7は、パフォーマンスレベル及びレベル改善のためのアドバイスを端末装置101に送信してもよく、端末制御部18は、パフォーマンスレベル及びアドバイスを表示部20に表示させてもよい。
【0111】
以下で、上記動作の他の具体例について説明する。
【0112】
例えば、ユーザは100m走った後、サーバ制御部7が第1摩耗情報を算出する(S14)。サーバ記憶部6は第1摩耗情報を摩耗パターンとして記憶する。ユーザはさらに100m走った後、サーバ制御部7が第2摩耗情報を算出する。そこで、サーバ制御部7は、第1摩耗情報と第2摩耗情報とを比較してもよい。第1摩耗情報と第2摩耗情報とが異なる場合、サーバ制御部7は、走行フォームが変化したと判定してもよい。サーバ制御部7は、足動作情報として、走行フォームの変化があったことを端末装置101に送信してもよく、端末制御部18は、比較結果を表示部20に表示させてもよい。
【0113】
あわせて、サーバ制御部7は、第1摩耗情報及び第2摩耗情報と、100m走った後の理想的な摩耗パターンとを比較してもよい。第1摩耗情報よりも第2摩耗情報が理想的な摩耗パターンと似ている場合、サーバ制御部7は、走行フォームが改善したと判定してもよい。サーバ制御部7は、足動作情報として、走行フォームの改善があったことを端末装置101に送信してもよく、端末制御部18は、比較結果を表示部20に表示させてもよい。
【0114】
例えば、サーバ制御部7は、左足用シューズ1における摩耗情報と、右足用シューズ1における摩耗情報とを比較する。左右のシューズ1の摩耗パターンが異なる場合、サーバ制御部7は、左右のバランスが悪いと判定してもよい。サーバ制御部7は、足動作情報として、左右のバランスを揃える指示やアドバイスを端末装置101に送信してもよく、端末制御部18は、指示やアドバイスを表示部20に表示させてもよい。
【0115】
例えば、サーバ制御部7は、つま先領域の摩耗情報と、踵領域の摩耗情報とを比較する。踵領域における摩耗領域R1の摩耗面積または摩耗体積が、つま先領域における摩耗領域R1の摩耗面積または摩耗体積より大きいと、サーバ制御部7は、腰痛を発症するリスクがあると判定してもよい。サーバ制御部7は、足動作情報として、「踵からの着地を意識してください」、「腕を大きく後ろに振ってください」、「つま先で蹴り出してください」等の指示を端末装置101に送信してもよく、端末制御部18は、指示を表示部20に表示させてもよい。
【0116】
(効果)
本実施の形態に係るサーバ100及び端末装置101によれば、以下の効果を奏することができる。
【0117】
上述したように、本実施の形態に係るサーバ100は、摩耗情報に対応する複数の摩耗パターンと、それぞれの摩耗パターンに関連付けられた足動作情報とを記憶するサーバ記憶部6と、サーバ制御部7と、を含む。サーバ制御部7は、端末装置101が取得したシューズ1の摩耗画像と、移動情報とを受信する。サーバ制御部7は、摩耗画像と、移動情報とに基づいて摩耗情報を算出する。サーバ制御部7は、摩耗情報が複数の摩耗パターンの1つに該当すると判定したとき、摩耗パターンの1つに関連付けられた足動作情報を端末装置101に送信する。
【0118】
このような構成によって、摩耗画像と、移動情報とに基づいて摩耗情報を算出できる。また、摩耗情報を既存の摩耗パターンと比較できる。
【0119】
本実施の形態に係るサーバ100においては、摩耗情報は、摩耗の有無、摩耗の面積、摩耗の体積、及び摩耗の場所の少なくとも1つを含む。
【0120】
このような構成によって、ユーザが消耗シート4を平面視する場合と比較して、摩耗に関する様々な定量的な情報を取得できる。
【0121】
本実施の形態に係るサーバ100においては、移動情報は、所定期間において、シューズ1を履いて移動した距離または時間を含む。
【0122】
このような構成によって、所定期間の経過による摩耗の進行に関する情報をさらに取得することができる。
【0123】
なお、実施の形態3においては、端末装置101がセンサ部17を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、移動情報は、入力部を通じてユーザによって端末装置101に入力されてもよい。このような構成によって、端末装置101がセンサを有しない場合においても、移動情報を入力することができる。
【0124】
なお、実施の形態3においては、サーバ制御部7が、摩耗画像及び移動情報に基づいて、摩耗情報を算出する例について説明したが、これに限定されない。サーバ制御部7は、摩耗画像のみに基づいて、摩耗情報を算出してもよい。この場合、摩耗情報は、摩耗領域R1の有無、摩耗領域R1の位置、摩耗領域R1の面積、摩耗領域R1の体積等の少なくとも一部を含む。
【0125】
なお、実施の形態3においては、摩耗画像が消耗シート4の平面画像である例について説明したが、これに限定されない。画像取得部16がカメラである場合において、画像取得部16が異なる撮影角度から撮影した複数の写真を組み合わせた場合、3次元の摩耗画像を得ることができる。
【0126】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示は、ソールにシートを取り付けたシューズに利用可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 シューズ
2 シューズ本体
3 ソール
4 消耗シート
6 サーバ記憶部
7 サーバ制御部
12 ミッドソール
13 アウトソール
14 消耗シート
15 層
16 画像取得部
18 端末制御部
20 表示部
50 ソール用消耗シート
51 接着層
100 サーバ
101 端末装置