(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021294
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】光硬化性ジェルネイル用組成物、及びジェルネイル方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/87 20060101AFI20240208BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20240208BHJP
C08G 75/045 20160101ALI20240208BHJP
A61Q 3/02 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240208BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61K8/87
C08F290/06
C08G75/045
A61Q3/02
A61K8/81
A61K8/46
A61K8/40
A61K8/34
A61K8/49
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124022
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】392008024
【氏名又は名称】十条ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106404
【弁理士】
【氏名又は名称】江森 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(72)【発明者】
【氏名】尾島 豪
【テーマコード(参考)】
4C083
4J030
4J127
【Fターム(参考)】
4C083AC212
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4J030BA04
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4J030BG21
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4J127DA12
4J127DA26
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4J127EA12
4J127FA00
(57)【要約】
【課題】硬化速度が極めて速く、未反応物が少なく、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温であっても保存安定性に優れたジェルネイル用組成物等を提供する。
【解決手段】配合成分として、ウレタンアクリレート樹脂に対して、所定量の単官能(メタ)アクリレートモノマーと、所定量の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、所定量の光重合開始剤と、所定量の多官能チオール化合物と、所定量の重合禁止剤と、を含むジェルネイル用組成物等である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配合成分として、下記(A)~(F)成分を含むことを特徴とする光硬化性ジェルネイル用組成物。
(A)ウレタンアクリレート樹脂 100重量部
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマー 1~30重量部
(C)多官能(メタ)アクリレートモノマー 20~120重量部
(D)光重合開始剤 1~30重量部
(E)1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物
1~30重量部
(F)ニトロソ化合物の金属塩及びフェノール化合物、あるいは、いずれか一方を含む重合禁止剤 0.01~5重量部
【請求項2】
前記(F)成分としての重合禁止剤の配合量/前記(E)成分としての多官能チオール化合物の配合量の比率(重量基準)を0.01~0.6の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項3】
前記ニトロソ化合物の金属塩が、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンの金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項4】
前記フェノール化合物が、4-メトキシフェノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項5】
前記(A)ウレタンアクリレート樹脂が、少なくとも重量平均分子量500~3,0000の範囲内のウレタンアクリレート樹脂(a1)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項6】
前記(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーが、(メタ)アクリロイルモルフォリン、エチル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項7】
前記(E)1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物が、多官能二級チオール化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の光硬化性ジェルネイル用組成物を用いてなるジェルネイル方法であって、下記工程(1)~(4)を含むことを特徴とするジェルネイル方法。
(1)光硬化性ジェルネイル用組成物を準備する工程
(2)光硬化性ジェルネイル用組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
(3)前記塗布層を光硬化させ、硬化膜とする工程
(4)使用後の硬化膜を剥離する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性ジェルネイル用組成物(以下、単に、ジェルネイル用組成物と称する場合がある。)、及びそれを用いたジェルネイル方法に関する。
特に、硬化速度が極めて速く、ノンワイプ性に優れる(未反応物が少ない)一方、比較的高温であっても保存安定性に優れたジェルネイル用組成物、及びそれを用いたジェルネイル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機溶剤を相当量含まず、硬化反応が速く、更には、耐久性に優れていることから、光硬化性ジェルネイルが盛んに開発され、各種提案されている。
このような光硬化性ジェルネイルとして、一旦開封した光硬化性人工爪組成物入り容器を長期間にわたって保存しても、硬化することがなく、粘度が上昇して、塗布性に劣ることがない光硬化性人工爪組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレートモノマー、多官能チオール化合物、重合開始剤、及び、重合禁止剤としてのトコフェロール化合物を含有し、該トコフェロール化合物の配合量が1,000~5,000ppmである光硬化性人工爪組成物である。
又、重合開始剤1重量部に対して、トコフェロール化合物の配合量を0.01~0.1重量部の範囲とし、かつ、多官能チオール化合物1重量部に対して、トコフェロール化合物の配合量を0.01~0.1重量部の範囲とすることが好ましい態様である。
【0003】
又、長期間にわたって保存しても、硬化することがなく、粘度が上昇して、塗布性に劣ることがない光硬化性人工爪組成物として、トコフェロール化合物の代わりにtert-ブチルヒドロキノンを重合禁止剤として用いた光硬化性人工爪組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、多官能チオール化合物、及びtert-ブチルヒドロキノンを含有し、tert-ブチルヒドロキノンの含有量が300~4,500ppmである光硬化性人工爪組成物である。
【0004】
又、表面光沢性、操作性、接着耐久性、低硬化発熱性及び防汚性に優れるとともに、表面硬化性が良好であり、紫外線及び/又は可視光線を使用して硬化させた後に、ワイプ等を使用して、硬化物表面の未重合層を除去する工程が不要な光硬化性人工爪組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
より具体的には、下記配合成分(A1)~(E1)を含有することを特徴とする光硬化性人工爪組成物である。
(A1)1分子内に、少なくとも1個以上の(メタ)アクリレート基、及び少なくとも1個以上のウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
(B1)1分子内に2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物
(C1)(A1)成分及び(B1)成分に該当しない、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
(D1)光重合開始剤
(E1)連鎖移動剤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6755544号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開2019-34897号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開2019-6689号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された光硬化性人工爪組成物は、重合禁止剤として、所定量のトコフェロール化合物を含有し、かつ、トコフェロール化合物の配合量を、重合開始剤及び多官能チオール化合物に対して、それぞれ所定比率に制限したとしても、保存安定性に関し、未だ乏しいという問題が見られた。
すなわち、かかるトコフェロール化合物の配合量を、重合開始剤及び多官能チオール化合物に対して、それぞれ所定比率に制限したとしても、保存安定性が未だ乏しいという問題が見られた。
より具体的には、保管温度が40℃程度では、それなりの保存安定性を示すものの、保管温度が60℃等の比較的高温条件になると、急激に保存安定性が低下し、短時間でゲル化等が生じやすいという問題が見られた。
【0007】
又、特許文献2に開示された光硬化性人工爪組成物は、重合禁止剤として、所定量のtert-ブチルヒドロキノン化合物を含有するものの、発がん性のおそれがあって、安全性に劣る場合があるという問題が見られた。
しかも、かかるtert-ブチルヒドロキノン化合物の配合量を、重合開始剤及び多官能チオール化合物に対して、それぞれ所定比率に制限したとしても、60℃等の比較的高温条件における保存安定性に関し、未だ乏しいという問題が見られた。
したがって、光硬化性人工爪組成物を一部使用し、残りを保管しておくと、保管温度にもよるが、その間に、ゲル化等が生じやすいという問題が見られた。
【0008】
又、特許文献3に開示された光硬化性人工爪組成物は、配合成分として、所定量の連鎖移動剤を含有しなければならなかった。
そのため、反応を精度良く制御することができず、過度に硬化して、光沢性が著しく低下したり、反りが生じたり、あるいは、逆に、硬化が不十分となって、未反応物が多く残留しやすいという問題が見られた。
その上、光硬化性と、保存安定性との間のバランスが悪く、極めて狭い範囲でもって、精度良く、所定波長の紫外線を照射しなければ、安定的に硬化しにくいという問題が見られた。
【0009】
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、所定のウレタンアクリレート樹脂等に対して、tert-ブチルヒドロキノン化合物やトコフェロール化合物等の重合禁止剤のかわりに、所定重合禁止剤を用いることによって、相反特性である反応性と、保存安定性とに優れた、ジェルネイル用組成物が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、所定重合禁止剤を所定量配合することによって、硬化速度が極めて速く、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温条件であっても、保存安定性に優れた、ジェルネイル用組成物及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、配合成分として、下記(A)~(F)成分を含むことを特徴とする光硬化性ジェルネイル用組成物が提供され、上述した課題を解決することができる。
(A)ウレタンアクリレート樹脂 100重量部
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマー 1~30重量部
(C)多官能(メタ)アクリレートモノマー 20~120重量部
(D)光重合開始剤 1~30重量部
(E)1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物
1~30重量部
(F)ニトロソ化合物の金属塩及びフェノール化合物、あるいは、いずれか一方を含む重合禁止剤 0.01~5重量部
すなわち、このように(A)~(F)成分を所定量の範囲で構成し、それを光重合させた場合に、硬化速度が極めて速く(例えば、15秒の照射時間)、ノンワイプ性に優れた光硬化性ジェルネイル用組成物を提供することができる。
一方、tert-ブチルヒドロキノン化合物やトコフェロール化合物等の重合禁止剤を実質的に用いなくとも、比較的高温(例えば、60℃、30日間)においても、優れた保存安定性を得ることができる。
【0011】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、(F)重合禁止剤の配合量/(E)多官能チオール化合物の配合量の比率(重量基準)を0.01~0.6の範囲内の値とすることが好ましい。
このように(F)成分/(E)成分の比率を更に考慮することにより、光重合させた場合に、優れた光硬化性と、保存安定性とのバランスに優れた、ジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0012】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、ニトロソ化合物の金属塩が、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンの金属塩であることが好ましい。
このように(F)成分として、少なくとも所定ニトロソ化合物の金属塩を用いることにより、光重合させた場合に、更に、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温であっても、優れた保存安定性を発揮する、ジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0013】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、フェノール化合物が、4-メトキシフェノールであることが好ましい。
このように(F)成分として、4-メトキシフェノールを用いることにより、光重合させた場合に、更に、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温であっても、優れた保存安定性を発揮する、ジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0014】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、(A)ウレタンアクリレート樹脂が、少なくとも重量平均分子量が500~30,000の範囲内のウレタンアクリレート樹脂(a1)を含有することが好ましい。
このように(A)成分の重量平均分子量を考慮して構成することにより、光重合させた場合に、硬化速度がより速くなって、ノンワイプ性に更に優れる一方、他の配合成分との混合性が向上し、より保存安定性に優れた、ジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0015】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーが、(メタ)アクリロイルモルフォリン、エチル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群の中から選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
このように(B)成分の種類を考慮することにより、光重合させた場合に、ガラス転移点を比較的高く調整できるとともに、臭気が少なく、比較的粘度が低いジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0016】
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、(E)1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物(以下、単に、多官能チオール化合物と称する場合がある。)が、多官能二級チオール化合物であることが好ましい。
このように(E)成分の種類を考慮することにより、更に安定的に硬化速度(照射時間が15秒程度)が極めて速くなり、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温(例えば、60℃、30日間)における優れた保存安定性を得ることができる。
【0017】
又、本発明の別の態様は、上述した光硬化性ジェルネイル用組成物のいずれか一つを用いてなるジェルネイル方法であって、下記工程(1)~(4)を含むことを特徴とするジェルネイル方法である。
(1)光硬化性ジェルネイル用組成物を準備する工程
(2)光硬化性ジェルネイル用組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
(3)塗布層を光硬化させ、硬化膜とする工程
(4)使用後の硬化膜を剥離する工程
このように、相反特性である反応性と、保存安定性とに優れた、光硬化性ジェルネイル用組成物を用いて、所定のジェルネイル方法を実施することにより、ノンワイプ性に優れた硬化膜を効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、(F)重合禁止剤の配合量と、硬化性及び60℃における保存安定性との関係を説明するために供する図である。
【
図2】
図2は、(F1)フェノール化合物/(F2)ニトロソ化合物の金属塩の比率と、硬化性及び60℃における保存安定性との関係を説明するために供する図である。
【
図3】
図3は、(F)重合禁止剤/(E)多官能チオールの比率と、硬化性及び60℃における保存安定性との関係を説明するために供する図である。
【
図4】
図4は、(F)重合禁止剤/(D)重合開始剤の比率と、硬化性及び60℃における保存安定性との関係を説明するために供する図である。
【
図5】
図5は、ジェルネイル用組成物を60℃で保存した場合における、経過時間と粘度の増加割合との関係を説明するために供する図である。
【
図6】
図6(a)~(b)は、本発明の用途の一つであるジェルネイルシールを説明するために供する図であり、
図6(c)~(d)は、用途の一つであるジェルネイルチップについて説明するために供する図である。
【
図7】
図7(a)~(c)は、単層構造のジェルネイル層の形成方法を説明するために供する図である。
【
図8】
図8(a)~(d)は、多層構造のジェルネイル層の形成方法を説明するために供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、配合成分として、下記(A)~(F)成分を含むことを特徴とする光硬化性ジェルネイル用組成物である。
(A)ウレタンアクリレート樹脂 100重量部
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマー 1~30重量部
(C)多官能(メタ)アクリレートモノマー 20~120重量部
(D)光重合開始剤 1~30重量部
(E)1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物
1~30重量部
(F)ニトロソ化合物の金属塩及びフェノール化合物、あるいは、いずれか一方を含む重合禁止剤 0.01~5重量部
【0020】
1.配合成分(A)
配合成分(A)は、ウレタンアクリレート樹脂である。
かかるウレタンアクリレートオリゴマーの態様は、特に制限されるものではないが、例えば、重量平均分子量が500~8,000であるウレタンアクリレートオリゴマーであることが好ましい。
この理由は、このような重量平均分子量を有するウレタンアクリレートオリゴマーを使用することにより、爪に対する密着性を効果的に保持しつつも、硬化速度を向上させて、硬化時間を短縮することができるばかりか、硬化塗膜としての所定の硬さを容易に得ることができるためである。
すなわち、ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が500未満の値になると、硬化速度が過度に増大し、爪との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となる場合があるためである。
一方、ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が8,000を超えると、硬化速度が低下して、硬化時間が過度に長くなったり、硬化塗膜としての耐久性を効果的に調整したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を1,000~6,000の範囲内の値とすることよりが好ましく、3,000~5,000の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0021】
又、ウレタンアクリレートオリゴマーが、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーであることが好ましい。
すなわち、ポリエステル骨格ポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物及びヒドロキシアクリレートと、の反応物であることが好ましい。
この理由は、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーであることによって、所定の光硬化反応性が得られる一方、光硬化収縮が比較的少なく、優れた密着性やフレキシブル性が得られやすいためである。
【0022】
ここで、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを得るためのポリエステル骨格ポリオールの種類については、特に制限されるものではないが、工業的に容易に入手でき、比較的安価であることから、ポリエステル骨格ジオール化合物であることが好ましい。
又、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを得るための有機ポリイソシアネート化合物の種類としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど、無黄変型の少なくとも一つが好ましい。
又、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを得るためのヒドロキシアクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトン変性-2-ヒドロキシエチルアクリレートなどの少なくとも一つが好ましい。
【0023】
(2)配合量
又、ウレタンアクリレートオリゴマーの配合量を、(A)~(F)成分を含む全体量(100重量%)に対して、30~80重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、爪に対する密着性を効果的に保持しつつも、硬化塗膜としての所定の硬度を容易に得ることができるためである。
すなわち、ウレタンアクリレートオリゴマーの配合量が30重量%未満の値となると、硬化速度が低下し、硬化時間が過度に長くなったり、硬化塗膜としての吸水率及び耐久性を効果的に調整したりすることが困難となる場合があるためである。
一方、ウレタンアクリレートオリゴマーの配合量が80重量%を超えた値となると、硬化速度の制御が困難となったり、爪との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
したがって、ウレタンアクリレートオリゴマーの配合量を、全体量に対して、35~75重量%の範囲内の値とすることが好ましく、40~70重量%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0024】
(3)ウレタンアクリレートオリゴマー混合物
又、ウレタンアクリレートオリゴマーとして、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーと、これ以外の他のウレタンアクリレートオリゴマーとの混合物を使用することが好ましい。
このような他のウレタンアクリレートオリゴマーとして、後述する重量平均分子量を有するポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー、あるいは、ポリカプロラクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー等の少なくとも一つが挙げられる。
特に、他のウレタンアクリレートオリゴマーとして、後述する重量平均分子量(10,000~25,000)を有するポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーと、所定重量平均分子量(500~8,000)であるポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーと、を混合使用することが好ましい。
この理由は、このように重量平均分子量が異なる複数のポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることによって、硬化時には、所定の硬化速度を効果的に維持しつつ、硬化後には、爪との密着性を向上させることができるためである。
【0025】
又、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー以外の、他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を10,000~25,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が10,000未満の値になると、硬化速度が増大したり、爪との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が25,000を超えると、硬化速度が低下し、硬化時間が過度に長くなったり、硬化塗膜としての耐久性を効果的に調整したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、他のウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を12,000~20,000の範囲内の値とすることがより好ましく、15,000~18,000の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0026】
又、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率を、ポリエステル骨格ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、5~25重量部の範囲内の値とすることが好ましく、8~20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率が過度に低いと、硬化速度が増大し、爪に対する密着不良が起こしやすくなったり、取り扱いが困難になったりするためである。一方、他のウレタンアクリレートオリゴマーの配合比率が過度に高いと、硬化速度が過度に低下し、硬化塗膜としての耐久性を調整することが困難となる場合があるためである。
【0027】
2.配合成分(B)
(1)機能
配合成分(B)は、単官能(メタ)アクリレートモノマーである。
そして、かかる単官能(メタ)アクリレートモノマーを、配合成分(A)ウレタンアクリレート樹脂成分等と併用することを特徴とする。
この理由は、このような単官能(メタ)アクリレートモノマーを配合することにより、光硬化性ジェルネイル用組成物の光硬化性、ノンワイプ性、粘度(使いやすさ)、保存安定性、あるいは、得られたジェルネイルの密着性や耐久性等を所望範囲に制御しやすくなるためである。
【0028】
(2)種類
又、このような単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコール-アクリル酸-安息香酸エステル、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等の少なくとも一つが挙げられる。
このような単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、光重合させた場合に、ガラス転移点を比較的高く調整できるとともに、臭気が少なく、比較的粘度が低いジェルネイル用組成物を提供することができる。
【0029】
特に、これらの単官能(メタ)アクリレートモノマーのうち、(メタ)アクリロイルモルフォリン、エチル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる群の中から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
この理由は、これらの単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、光硬化性ジェルネイル用組成物を光硬化させる際の硬化速度をより速くすることができるばかりか、基材(爪)に対する優れた密着性を維持しつつ、剥離性を更に向上させることができるためである。
又、これらの単官能(メタ)アクリレートモノマーは、反応性希釈剤としても優れており、容易にジェルネイル用組成物の粘度調整を行うことができ、取り扱い性についても向上させることができる。
なお、単官能(メタ)アクリレートは、単官能の「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。又、後述する多官能(メタ)アクリレートにおいても、同様である。
【0030】
(3)配合量
又、(B)単官能(メタ)アクリレートの配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、1~30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、所定の硬化速度を効果的に維持しつつも、爪との密着性を向上させることができるばかりか、爪及び周囲の皮膚に対する刺激性の低い硬化塗膜を得ることができるためである。
【0031】
すなわち、ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対する、単官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量が1重量部未満の値となると、硬化速度が増大し、硬化性の制御が困難となったり、爪との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる単官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量が30重量部を超えた値となると、硬化時間が過度に長くなったり、得られる硬化塗膜としての耐久性を効果的に調整したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、(メタ)アクリレートモノマーの配合量を、所定重量平均分子量を有するウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、3~25重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、5~20重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
但し、上述したイソボルニル(メタ)アクリレートを用いる場合、ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、1~15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1~10重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
しかも、上述したイソボルニル(メタ)アクリレートを用いる場合であっても、ジェルネイル用組成物の全体量に対して、1重量%以下の値とすることがより好ましく、0.5重量%以下の値とすることがより好ましく、0,1重量%以下の値とすることがより好ましい。
すなわち、イソボルニル(メタ)アクリレートを用いる場合、硬化性や密着性には優れる一方で、使用量が増えると硬化時に発熱したり、ジェルネイルを取扱う際に臭気が生じたりする場合があるため注意すべきである。
【0032】
3.配合成分(C)
(1)機能
配合成分(C)は、多官能(メタ)アクリレートモノマーである。
このような多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることによって、他の配合成分とも協働して、ジェルネイル用組成物の優れた光硬化性、ノンワイプ性、比較的高温での保存安定性、あるいは、得られたジェルネイルの密着性や耐久性等を所望範囲に制御しやすくなるためである。
【0033】
(2)種類
又、多官能(メタ)アクリレートモノマーの種類に関して、特に、制限されるものではないが、例えば、イタコン酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート等の少なくとも一つが挙げられる。
【0034】
又、ポリエーテル骨格を有する高分子量のモノマーとして、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーがあり、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の少なくとも一つが挙げられる。
【0035】
特に、これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーのうち、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群の中から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
この理由は、これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーであれば、ジェルネイル用組成物を光硬化させた場合に、更に、ノンワイプ性に優れる一方、相当温度での保存安定性に優れた、ジェルネイル用組成物を提供しやすくなるためである。
【0036】
(3)配合量
又、(C)多官能(メタ)アクリレートの配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、20~120重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、所定の硬化速度を効果的に維持しつつも、爪との密着性を向上させることができるばかりか、爪及び周囲の皮膚に対する刺激性の低い硬化塗膜を得ることができるためである。
すなわち、ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対する、多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量が20重量部未満の値となると、硬化速度が増大し、硬化性の制御が困難となったり、爪との密着不良を起こしやすくなって、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量が120重量部を超えた値となると、硬化速度が低下し、硬化時間が過度に長くなったり、硬化塗膜としての耐久性を効果的に調整したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量を、ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、30~110重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、40~100重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0037】
4.配合成分(D)
(1)機能
(D)成分として、所定量の光重合開始剤を含有することを特徴とする。
かかる光重合開始剤は、紫外線により、ラジカルを発生し、そのラジカルがウレタンアクリレートオリゴマーや、単官能及び多官能(メタ)アクリレートモノマーを重合反応させるものであればよい。
【0038】
(2)種類
このような光重合開始剤の具体例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンジルジメチルケタール系化合物、オリゴ〔2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン等のα-ヒドロキシケトン系化合物、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェ二ル)-ブタノン-1等のα-アミノケトン系化合物、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物、1-〔4-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルフォニル)プロパン-1-オン等のケトスルフォン系化合物、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等のメタロセン系化合物、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシプロポキシ)3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オン-メソクロライド等のチオキサントン系化合物などの少なくとも一つが挙げられる。
【0039】
特に、これらの光重合開始剤の中でも、フェニル基を有するアシルフォスフィンオキサイド系化合物、ケトスルフォン系化合物、及びα-ヒドロキシケトン系化合物の少なくとも一つが好ましい。
この理由は、紫外線によりラジカルを安定的に発生させ、そのラジカルが光重合オリゴマー及び光重合モノマー混合物と効率的に反応することにより、硬化反応がより促進されるためである。
【0040】
又、チオキサントン系化合物などの水素を引き抜いてラジカルを生成するものは、水素供与体と組合せることによって硬化反応が促進される。
水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物等が挙げられ、中でもアミン化合物が好ましい。アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエチルアクリレート、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ペンチル4-ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも一つが挙げられる。
【0041】
又、光重合開始剤は、少なくとも2種類以上を混合使用することが好ましい。
特に、硬化速度や耐候性が適当であって、硬化塗膜としての耐久性を効果的に調整することができることから、アシルフォスフィンオキサイド系化合物に、α-ヒドロキシケトン系化合物を混合して使用することが好ましい。
なお、顔料等を含有させず、着色顔料を使用しない、無色(クリア)のジェルネイル用組成物として構成する場合には、光硬化塗膜の着色の影響を回避するため、光重合開始剤としてα-ヒドロキシケトン系化合物のみを使用することが好ましい。
【0042】
(3)配合量
又、(D)光重合開始剤の配合量は、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、1~30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、光重合開始剤の配合量が1重量未満の値となると、硬化速度が過度に低下し、硬化塗膜としての耐久性が低下する場合があるためである。
一方、光重合開始剤の配合量が30重量部を超えた値となると、硬化速度が過度に増大し、爪に対する密着不良を起こしやすくなったり、取り扱いが困難になったりするためである。
したがって、(D)光重合開始剤の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、2~25重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、3~20重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0043】
5.配合成分(E)
(1)機能
配合成分(E)は、1分子内に2個以上のチオール基を含有する多官能チオール化合物であり、かかる多官能チオール化合物を所定量配合することを特徴とする。
すなわち、このような多官能チオール化合物を用いることによって、他の配合成分と協働して、硬化速度が極めて速く、照射時間が15秒以下であっても、未反応物がほとんどない、タックレスの硬化物が得られるジェルネイル用組成物とすることができる。
【0044】
(2)種類
又、多官能チオール化合物の種類に関して、特に、制限されるものではないが、例えば、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,3-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、3,6-ジクロロ-1,2-ベンゼンジチオール、トルエン-3,4-ジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリス[(3-メルカプトプロピオニロキシ)-エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、ジメルカプトジエチルスルフィド、1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、1,2-ビス[(2-メルカプトエチル)チオ]-3-メルカプトプロパン、テトラキス(7-メルカプト-2,5-ジチアヘプチル)メタン、トリチオシアヌル酸、1,2-ベンゼンジメタン、チオール、4,4’-チオビスベンゼンチオール、2-ジ-n-ブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、2-ジ-n-ブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、1,5-ジメルカプト-3-チアペンタン、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン、ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)ブタン、1,1-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)イソブタン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)-5-メチルフェニル)プロパン、ビス(2-(2-メルカプトプロポキシ)-5-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトプロポキシ)-3-t-ブチルフェニル)プロパン、トリス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)メタン、1,1,1-トリス(4-(2-メルカプトプロポキシ)フェニル)エタン、ビス(4-(2-メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、2,2-ビス(4-(2-メルカプトブトキシ)フェニル)プロパン、トリス(4-(2-メルカプトブトキシ)フェニル)メタン、1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール、のアルキルビニールエーテル付加物等の少なくとも一つが挙げられる。
【0045】
これらの多官能チオール化合物のうち、特に、多官能二級チオール化合物であることが好ましく、より具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン及びペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)の少なくとも一つがより好ましい。
この理由は、このような多官能二級チオール化合物であれば、チオール基周りの立体障害により,モノマーへの熱付加反応(保存時のゲル化)を効果的に抑制することができるためである。
又、このような多官能二級チオール化合物であれば、紫外線等の照射の際に、酸素による重合阻害が抑制されるおそれが少なくなり、かつ、エン-チオール反応により高い硬化性が得られるためである。
その上、多官能二級チオール化合物を用いることによって、得られる硬化物が黄変するのを低下したり、しかも、チオール由来の臭気を抑制しやすくなったりするためである。
したがって、このような(E)成分であれば、硬化速度が極めて速く、ノンワイプ性に優れる一方、比較的高温条件(60℃、30日間)におけるより優れた保存安定性を得ることができる。
【0046】
(3)配合量
又、(E)多官能チオール化合物の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、1~30重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる多官能チオール化合物の配合量が1重量未満の値となると、硬化速度が過度に低下し、ノンワイプ性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる多官能チオール化合物の配合量が30重量部を超えると、得られる硬化膜の密着性や耐久性が低下したり、更には、着色しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、(E)多官能チオール化合物の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、2~25重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、3~20重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0047】
ここで、
図1に言及して、(F)重合禁止剤の配合量と、ジェルネイル用組成物の硬化性及び保存安定性との関係を説明する。
すなわち、横軸に、実施例1等に準じてなる、(F)重合禁止剤の配合量(重量部)が採って示してあり、左縦軸に、硬化性の評価点(相対値)が採って示してあり、右縦軸に、60℃における保存安定性の評価点(相対値)が採って示してある。
又、硬化性の評価点(相対値)及び保存安定性の評価点(相対値)は、それぞれ実施例1に記載した評価である◎を5点、○を3点、△を1点、×を0点として、記載したものである。
図1中の、硬化性を示す特性曲線Aから、重合禁止剤の配合量(重量部)が5重量部以下であれば、ジェルネイル用組成物が良好な硬化性を示すことが理解される。
又、保存安定性を示す特性曲線Bから、重合禁止剤の配合量(重量部)が0.01重量部以上であれば、ジェルネイル用組成物が良好な保存安定性を示すことが理解される。
よって、(F)重合禁止剤の配合量を0.01~5重量部とすることによって、相反特性である硬化性と、保存安定性との間のバランスが良好になって、それぞれ良好なジェルネイル用組成物を得ることができる。
【0048】
6.配合成分(F)
(1)機能
配合成分(F)は、(F1)ニトロソ化合物の金属塩及び(F2)フェノール化合物、あるいは、いずれか一方を含む重合禁止剤であり、かかる重合禁止剤を所定量配合することを特徴とする。
すなわち、かかる重合禁止剤を用いることにより、紫外線照射によって発生するラジカルの機能を過度に抑制することなく、他の配合成分と協働して、極めて速い硬化速度を得ることができる。
しかも、かかる重合禁止剤であれば、室温(25℃)はもちろんのこと、60℃程度の比較的高温条件であっても、長期間にわたって保存安定性に優れた高いジェルネイル用組成物とすることができる。
【0049】
逆に言えば、従来使用されてきた、トコフェロール化合物及びtert-ブチルヒドロキノン化合物等の単独使用では、保存安定性に関し、未だ乏しいためである。
よって、配合成分(F)の一部として、トコフェロール化合物を用いる場合には、その含有量を1,000ppm未満の値とすることが好ましく、5~200ppmの範囲内の値とすることがより好ましくは、10~80ppmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、同様に、tert-ブチルヒドロキノン化合物を併用する場合には、その含有量を300ppm未満の値とすることが好ましく、1~100ppm未満の範囲内の値とすることがより好ましくは、5~20ppm未満の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0050】
(2)種類
又、ニトロソ化合物の金属塩の種類に関して、特に、制限されるものではないが、ニトロソ化合物のアルミニウム塩、ニトロソ化合物の鉄塩及びニトロソ化合物の亜鉛塩等の少なくとも一つが挙げられる。
【0051】
より具体的には、ニトロソ化合物の金属塩のうち、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンの鉄塩及びN-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンの亜鉛塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。
この理由は、かかるニトロソ化合物の金属塩を、ジェルネイル用組成物に配合することにより、ジェルネイル用組成物の硬化性を大きく阻害することなく、保存安定性を向上させやすくなるためである。
【0052】
又、これらのニトロソ化合物の金属塩のうち、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩を用いることが特に好ましい。
この理由は、かかるニトロソ化合物の金属塩を、ジェルネイル用組成物に配合することにより、比較的少量であっても、硬化性と保存安定性とを両立させることができ、さらには、ジェルネイル用組成物を重合させた場合において、発熱しにくいためである。
【0053】
又、ニトロソ化合物の金属塩を、重合禁止剤としてジェルネイル用組成物に配合する際に、先に、ニトロソ化合物の金属塩と(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーとを混合してから、ジェルネイル用組成物に配合させることが好ましい。
この理由は、このように配合することで、凝集性の高いニトロソ化合物の金属が、ジェルネイル用組成物中に均一に分散しやすくなり、ひいては、保存安定性をより向上させることができるためである。
【0054】
(F1)ニトロソ化合物の金属塩と(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーとの混合割合は、ニトロソ化合物の金属塩がジェルネイル用組成物中に均一に分散される限り、特に限定されないが、混合の容易性の観点から、(B)単官能(メタ)アクリレートモノマー/(F1)ニトロソ化合物の金属塩の比率(重量基準)を2~10の範囲内の値とすることが好ましい。
【0055】
又、フェノール化合物の種類に関しては、特に、制限されるものではないが、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、1,4-ジヒドロキシベンゼン、4-tert-ブチルピロカテコール、2-tert-ブチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール等の少なくとも一つが挙げられる。
【0056】
より具体的には、フェノール化合物のうち、4-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール及び2,6-ジ-tert-ブチルフェノールの少なくとも一つが好適であり、4-メトキシフェノールがより好適である。
この理由は、かかるフェノール化合物を使用することにより、比較的少量であっても、ジェルネイル用組成物の硬化性と保存安定性という相反特性が両立しやすくなり、さらには、ジェルネイル用組成物を重合させた場合において、発熱しにくいためである。
【0057】
(3)配合量1
又、(F)重合禁止剤の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.01~5重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる重合禁止剤の配合量が0.01重量未満の値となると、比較的高温(60℃)における保存安定性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる重合禁止剤の配合量が5重量部を超えると、硬化速度が著しく低下し、ノンワイプ性も低下する場合があるためである。
したがって、(F)重合禁止剤の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.05~4重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.1~3重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0058】
(4)配合量2
又、配合成分(F)の重合禁止剤として、(F1)ニトロソ化合物の金属塩と(F2)フェノール化合物を組み合わせて用いる場合には、(F1)ニトロソ化合物の金属塩と(F2)フェノール化合物とを所定の比率で組み合わせることが好ましい。
より具体的には、(F1)ニトロソ化合物の金属塩の配合量/(F2)フェノール化合物の配合量の比率(重量基準)を0.1~10の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる(F1)ニトロソ化合物の金属塩の配合量/(F2)フェノール化合物の配合量の比率が0.1未満の値となると、比較的高温における保存安定性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる(F1)ニトロソ化合物の金属塩の配合量/(F2)フェノール化合物の配合量の比率が10を超えると、硬化速度が著しく低下し、ノンワイプ性も低下する場合があるためである。
したがって、(F1)ニトロソ化合物の金属塩の配合量/(F2)フェノール化合物の比率を、0.2~7の範囲内の値とすることがより好ましく、0.3~4の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0059】
ここで、
図2に言及し、重合禁止剤としての(F1)ニトロソ化合物の金属塩/(F2)フェノール化合物の比率と、硬化性及び保存安定性との関係を説明する。
すなわち、横軸に、(F1)ニトロソ化合物の金属塩/(F2)フェノール化合物の比率(-)が採って示してあり、左縦軸に、硬化性の評価点(相対値)が採って示してあり、右縦軸に、60℃における保存安定性の評価点(相対値)が採って示してある。
又、硬化性の評価点(相対値)及び保存安定性の評価点(相対値)は、それぞれ実施例1に記載した評価である◎を5点、○を3点、△を1点、×を0点として、記載したものである。
図2中の、硬化性を示す特性曲線Aから、(F1)ニトロソ化合物の金属塩/(F2)フェノール化合物の比率を所定範囲に制限することによって、ジェルネイル用組成物を光硬化させた際に、良好な硬化性を示すことが理解される。
又、保存安定性を示す特性曲線Bから、(F1)ニトロソ化合物の金属塩/(F2)フェノール化合物の比率を所定範囲に制限することによって、ジェルネイル用組成物を長期間保存した際に、良好な保存安定性を示すことが理解される。
よって、重合禁止剤として、(F1)ニトロソ化合物の金属塩/(F2)フェノール化合物の比率を0.1~10とすることによって、相反特性である硬化性と、保存安定性との間のバランスが良好になって、それぞれ良好なジェルネイル用組成物を得ることができる。
【0060】
(5)配合量3
(F)重合禁止剤の配合量を、(E)多官能チオール化合物の配合量についても、考慮して定めることが好ましい。
すなわち、(F)重合禁止剤の配合量/(E)多官能チオール化合物の配合量の比率(重量基準)を0.01~0.6の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる(F)重合禁止剤の配合量/(E)多官能チオール化合物の配合量の比率が0.01未満の値となると、比較的高温における保存安定性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる(F)重合禁止剤の配合量/(E)多官能チオール化合物の配合量の比率が0.6を超えると、硬化速度が著しく低下し、ノンワイプ性も低下する場合があるためである。
したがって、(F)重合禁止剤の配合量/(E)多官能チオール化合物の配合量の比率を、0.03~0.55の範囲内の値とすることがより好ましく、0.07~0.5の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0061】
ここで、
図3に言及し、(F)重合禁止剤/(E)多官能チオールの比率と、硬化性及び保存安定性との関係を説明する。
すなわち、横軸に、(F)重合禁止剤の比率/(E)多官能チオール(-)が採って示してあり、左縦軸に、硬化性の評価点(相対値)が採って示してあり、右縦軸に、60℃における保存安定性の評価点(相対値)が採って示してある。
又、硬化性の評価点(相対値)及び保存安定性の評価点(相対値)は、それぞれ実施例1に記載した評価である◎を5点、○を3点、△を1点、×を0点として、記載したものである。
図3中の、硬化性を示す特性曲線Aから、(F)重合禁止剤/(E)多官能チオールの比率を制限することによって、ジェルネイル用組成物を光硬化させた際に、良好な硬化性を示すことが理解される。
又、保存安定性を示す特性曲線Bから、(F)重合禁止剤/(E)多官能チオールの比率を制限することによって、ジェルネイル用組成物を長期間保存した際に、良好な保存安定性を示すことが理解される。
よって、(F)重合禁止剤/(E)多官能チオールの比率を0.01~0.6とすることによって、相反特性である硬化性と、保存安定性との間のバランスが良好になって、それぞれ良好なジェルネイル用組成物を得ることができる。
【0062】
(6)配合量4
又、(F)重合禁止剤の配合量を、(D)重合開始剤の配合量を考慮して定めることが好ましい。
すなわち、(F)重合禁止剤の配合量/(D)重合開始剤の配合量の比率(重量基準)を0.01~0.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる配合成分(F)の配合量/(D)重合開始剤の配合量の比率が0.01未満の値となると、比較的高温における保存安定性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる(F)重合禁止剤の配合量/(D)重合開始剤の配合量の比率が0.3を超えると、硬化速度が著しく低下し、ノンワイプ性も低下する場合があるためである。
したがって、(F)重合禁止剤の配合量/(D)重合開始剤の配合量の比率を、0.03~0.25の範囲内の値とすることがより好ましく、0.07~0.2の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0063】
ここで、
図4に言及し、(F)重合禁止剤/(D)重合開始剤の比率と、硬化性及び保存安定性との関係を説明する
すなわち、横軸に、(F)重合禁止剤の比率/(D)重合開始剤(-)が採って示してあり、左縦軸に、硬化性の評価点(相対値)が採って示してあり、右縦軸に、60℃における保存安定性の評価点(相対値)が採って示してある。
又、硬化性の評価点(相対値)及び保存安定性の評価点(相対値)は、それぞれ実施例1に記載した評価である◎を5点、○を3点、△を1点、×を0点として、記載したものである。
図4中の、硬化性を示す特性曲線Aから、(F)重合禁止剤/(D)重合開始剤の比率を制限することによって、ジェルネイル用組成物を光硬化させた際に、良好な硬化性を示すことが理解される。
又、保存安定性を示す特性曲線Bから、(F)重合禁止剤/(D)重合開始剤の比率を制限することによって、ジェルネイル用組成物を長期間保存した際に、良好な保存安定性を示すことが理解される。
よって、(F)重合禁止剤/(D)重合開始剤の比率を0.01~0.3とすることによって、相反特性である硬化性と、保存安定性との間のバランスが良好になって、それぞれ良好なジェルネイル用組成物を得ることができる。
【0064】
7.添加剤
(1)着色防止剤
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、重合禁止剤とは別の化合物として、着色防止剤を用いることが好ましい。
ただし、一般的に重合禁止剤として用いられる化合物を着色防止剤と称する場合もある。
すなわち、このような着色防止剤を用いることによって、ジェルネイル用組成物を硬化させた際に、重合禁止剤やチオールに起因する黄変性が低下した、ジェルネイル用組成物とすることができる。
【0065】
ここで、好適な着色防止剤として、アリールホスフィン化合物及びシラザン化合物、あるいはいずれか一方の化合物を含む着色防止剤を用いることが好ましい。
かかるアリールホスフィン化合物の種類に関しては、特に、制限されるものではないが、より具体的に、トリフェニルホスフィンが挙げられる。
又、シラザン化合物の種類に関しても、特に、制限されるものではないが、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,3,3-へキサメチルジシラザン等の少なくとも一つが挙げられる。
【0066】
又、着色防止剤を用いる場合、その配合量を、通常、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.01~3重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる着色防止剤の配合量が0.01重量未満の値となると、重合禁止剤等による着色を十分に抑制することができない場合があるためである。
一方、かかる着色防止剤の配合量が3重量部を超えると、光重合反応を阻害し、ジェルネイル用組成物の硬化性が低下する場合があるためである。
したがって、着色防止剤の配合量を、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.02~2.5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.03~2重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0067】
(2)蛍光増白剤
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、蛍光増白剤として、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物及びベンゾオキザゾリルチオフェン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。
この理由は、このような蛍光増白剤を用いることで、後述する着色剤を添加したジェルネイル用組成物を硬化させた際に、優れた色調や、黄変性が低下した硬化物を得ることができるためである。
【0068】
ここで、好適な蛍光増白剤として、ベンゾオキザゾリルチオフェン化合物を挙げることができ、より具体的には、2,5-ビス(5-tert-ブチル-2-ベンゾオキサゾリル)チオフェンを挙げることができる。
又、かかる蛍光増白剤の配合量は、光硬化速度を阻害させず、本発明の目的を低下させない範囲で決められ、通常、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.01~3重量部の範囲で使用されることが好ましい。
【0069】
(3)紫外線吸収剤
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン化合物、パラアミノ安息香酸(PABA)化合物、ケイ皮酸化合物、サリチル酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。
この理由は、かかる紫外線吸収剤を用いることによって、ジェルネイル用組成物を、比較的高温条件で長期間保存する際に、光硬化反応を効果的に抑制することができ、ひいては、保存安定性を更に高めたり、硬化した際の黄変性を低下したりすることができるためである。
又、紫外線吸収剤の種類に関して、特に、制限されるものではないが、例えば、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等の少なくとも一種を挙げることができる。
又、紫外線吸収剤の配合量は、光硬化速度を阻害させず、本発明の目的を低下させない範囲で決められ、通常、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.01~10重量部の範囲で使用されることが好ましい。
【0070】
(4)表面調整剤
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、塗膜における表面調整剤として、シロキサン化合物等を用いることが好ましい。
この理由は、ジェルネイル用組成物に、これらの表面調整剤を用いることにより、ジェルネイル用組成物の硬化膜の表面の凹凸を減少させ、表面の平滑性を、より高めることができるためである。
又、シロキサン化合物の種類に関して、特に、制限されるものではないが、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン等の少なくとも一種が挙げられる。
又、表面調整剤の配合量は、本発明の目的を低下させない範囲で決められ、通常、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.01~10重量部の範囲で使用されることが好ましい。
【0071】
(5)シリカ粒子
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、粘度調整剤及び保存安定剤として、シリカ粒子を用いることが好ましい。
この理由は、このようなシリカ粒子を用いることで、ジェルネイル用組成物の粘度が調整しやすくなり、より均一な組成物を得ることができるため、比較的高温での保存安定性が向上するためである。
又、このようなシリカ粒子を用いることで、後述する顔料を含むジェルネイル用組成物において、顔料の沈降を防止しやすくなり、より均一な色調の硬化膜を得ることができるためである。
ここで、かかるシリカ粒子としては、例えば、疎水性フュームドシリカが挙げられ、より具体的には、「アエロジルRY200S」、「アエロジルRY200」、「アエロジルR202」、「アエロジルRX200」、「アエロジルRY300」、「アエロジルR805」、「アエロジルR812」、「アエロジルR972」(以上、いずれも日本アエロジル株式会社製、商品名)等の少なくとも一種が挙げられる。
又、シリカ粒子の配合量は、組成物及び組成物の硬化物の透明性が低下しない範囲で決められ、通常、(A)~(F)成分を含む全体量(100重量%)に対して、1~3重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0072】
(6)着色剤
又、ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、着色剤として、無機系着色顔料、有機系着色顔料、有機色素、パール顔料、ラメ色剤等を添加することが好ましい。
すなわち、好ましい顔料として、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料の有機系着色顔料等及びチタン系顔料、カーボンブラック系顔料等の無機系着色顔料等の少なくとも一つが挙げられる。
又、パール顔料としては、魚鱗箔等の天然パール及び金属酸化物被覆雲母系、酸塩化ビスマス系、塩基性炭酸鉛等の合成パール顔料等の少なくとも一つが挙げられる。
又、ラメ色剤としては、細かい溝を有する合成樹脂フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムと蒸着金属及びバインダー樹脂、例えばエポキシ樹脂で積層にして細かく裁断したもの等の少なくとも一つが挙げられる。
又、顔料の配合量は、光硬化速度を阻害させず、本発明の目的を低下させない範囲で決められ、通常、(A)ウレタンアクリレートオリゴマー100重量部に対して、0.1~30重量部の範囲で使用される。
【0073】
(7)有機溶剤
又、光硬化性ジェルネイル用組成物を構成するにあたり、光硬化性ジェルネイル用組成物が、粘度調整や均一混合等の目的のために、更に有機溶剤を含み、その配合量を、(A)ウレタンアクリレート樹脂100重量部に対して、0.01~30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように有機溶剤を配合することで、光硬化性ジェルネイル用組成物の配合成分をより均一に混合し、かつ、粘度を好適な範囲に調整できることから、爪等の基材へ塗布する際の取り扱い性を向上させることができるためである。
したがって、有機溶剤を配合する場合、その配合量を、(A)ウレタンアクリレート樹脂100重量部に対して、0.1~20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1~10重量部の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0074】
そして、有機溶剤の種類に関し、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルの中から選ばれる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
このような種類であれば、有機系溶媒の配合に起因する臭気や、爪等への刺激等を抑制することができ、光硬化性ジェルネイル用組成物の使用における安全性を更に向上させることができる。
【0075】
(8)その他の添加剤
又、ジェルネイル用組成物の中に、粘性及び塗布適性を調整する目的で、分散剤、消泡剤、顔料湿潤剤、分散剤、流動調整剤、熱重合禁止剤、酸化重合防止剤等の少なくとも一つを添加使用することができる。
【0076】
8.粘度
ジェルネイル用組成物の粘度(初期粘度)につき、その使用目的等に応じて、モノマー種、添加剤種、及び、それらの配合量等を適宜調整することにより、変更することができるが、通常、当該粘度を、測定温度25℃において、3,000~100,000mPa・sの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粘度を所定範囲内の値とすることによって、取扱いが容易になるばかりか、保管中に多少増粘したような場合であっても、均一な塗膜が形成され、良好な外観を有する硬化膜とすることができるためである。
したがって、ジェルネイル用組成物の粘度を4,000~80,000mPa・sの範囲内の値とすることがより好ましく、5,000~60,000mPa・sの範囲内の値とすることが好ましい。
【0077】
又、ジェルネイル用組成物は、保存した前後における、粘度増加の割合が少ないことが好ましい。
より具体的には、60℃において30日間保存した場合に、初期粘度からの増加割合が100%以下であることが好ましい。
この理由は、このように粘度の増加割合が小さいジェルネイル用組成物であれば、長期間保存した場合であっても、基材(爪)に対して塗布する際に、容易に塗布することができるためである。
したがって、60℃において30日間保存した場合の、初期粘度からの粘度の増加割合が、75%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましい。
【0078】
ここで、
図5に言及して、ジェルネイル用組成物を60℃で保存した場合における、経過時間と粘度の増加割合との関係を説明する。
すなわち、
図5は、横軸に、経過時間(日数)が採って示してあり、縦軸に、初期粘度からの粘度の増加割合が採って示してある。
図5中の、特性曲線A及びBから、本発明のジェルネイル用組成物は、60℃で30日経過した後の粘度の増加割合が100%以下であり、長期間保存した際に、良好な保存安定性を示すことが理解される。
一方、特性曲線C及びDから、本発明構成を満たさないジェルネイル用組成物は、一定時間を経過後、増加割合が300%以上となり、良好な保存安定性を示さないことが理解される。
又、特性曲線C及びDにおいては、一定時間を経過後にゲル化が進行し、粘度を測定することが困難となり、
図5においては、測定が可能であった期間の粘度の増加割合を示している。
よって、配合成分として、ウレタンアクリレート樹脂に対して、所定量の単官能及び多官能(メタ)アクリレートモノマーと、光重合開始剤と、所定の多官能チオール化合物と、所定の重合禁止剤とを含むジェルネイル用組成物とすることにより、長期間保存した際に、良好な保存安定性を示すジェルネイル用組成物を得ることができる。
【0079】
9.用途
(1)ジェルネイル
本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物の用途の一つとしては、後述する第2の実施形態で示すようなジェルネイル方法に使用することが挙げられる。
使用者は、このような光硬化性ジェルネイル用組成物を用いることで、ノンワイプ性に優れた硬化膜を効率的に得ることができる。
本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物を用いたジェルネイル方法については、後述する第2の実施形態において詳しく説明する。
【0080】
(2)ジェルネイルシール
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物のさらなる用途の一つとしては、光硬化性ジェルネイル用組成物を用いてなるジェルネイルシールが挙げられる。
具体的には、ジェルネイルシールは、
図6(a)に示すように、離型シート26上に形成された粘着層28と、粘着層28上に形成された合成樹脂製の下地層30と、粘着層28と反対側の、下地層30上に形成された、第1の実施形態の光硬化性ジェルネイル用組成物に由来する硬化膜層32とを含むジェルネイルシール24である。
【0081】
したがって、このような、ジェルネイルシールを貼ることにより、ジェルネイルを爪に直接的に塗布しなくても、簡便に装飾等を施すことができる。
その上、交換時には、ジェルネイルシールを剥がすことで、有機溶剤等を用いることなく、簡便に取り除くことができる。
【0082】
又、ジェルネイルシール24に用いる離型シート26は、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)やポリエチレン、塩化ビニル等の周知の合成樹脂からなる本体シート26aと、この本体シート26aの少なくとも一方の面に形成された離型層26bとで、少なくとも構成することができる。
かかる離型層26bは、シリコン系離型剤の塗布により形成することが好ましいが、フッ素樹脂、天然ワックス、ポリエチレンあるいはポリプロピレン系ワックス、高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステル及びその金属塩などを用いても良い。
又、離型シートの厚さは、特に限定されないが、通常0.5~1.2mmであることが好ましい。
【0083】
又、離型シート26上に設けられる粘着層28は、離型シート26から剥離したジェルネイルシール24を使用者の爪に接着するためのものであり、例えば、アクリル等の合成樹脂と酢酸エチル、アセトン等の有機溶剤とを混合した周知の粘着剤(接着剤)を用いることができる。
又、粘着層28上に設けられる下地層30は、硬化膜層32のベースとなるものであり、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の周知の合成樹脂を用いることができる。又、下地層30はある程度の可撓性を有する軟質な材料で形成することが好ましい。
又、下地層の厚さは、特に限定されないが、通常、10~500μmであることが好ましい。
なお、下地層30は透明であっても良いし、樹脂に所定の色素を混合するなどして着色しても良く、必要に応じてラメ等を配合しても良い。
【0084】
又、ジェルネイルシールにおける硬化膜層は、本発明のジェルネイル用組成物を硬化させてなる硬化膜層と同一視することができる。
したがって、ジェルネイル用組成物の硬化方法は、後述する第2の実施形態の光硬化工程と同様の方法により硬化させることができる。
又、硬化膜層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10μm~5mmの範囲内の値であることが好ましく、20μm~2mmの範囲内の値であることがより好ましく、30μm~0.5mmの範囲内の値であることが更に好ましい。
【0085】
又、ジェルネイルシール24は、
図6(b)に示すように、合成樹脂製の下地層30と硬化膜層32との間に、装飾層34を設けても良い。
更に、ジェルネイルシール24は、
図6(b)に示すように、硬化膜層32上に、保護層36を有しても良い。
このように、装飾層及び保護層又は、いずれか一方を有するジェルネイルシールとすることで、ジェルネイルを爪に対して塗布するのに比べて、より簡便に、優れた装飾を爪上に施すことができる。
【0086】
(3)ジェルネイルチップ
又、本発明の光硬化性ジェルネイル用組成物の用途の一つとして、
図6(c)及び
図6(d)に示すようなジェルネイルチップ38が挙げられる。
【0087】
具体的には、ジェルネイルチップ38は、
図6(c)に示すように、離型シート26及び離型シート26上に設けられる粘着層28を有しない以外は、上述したジェルネイルシールと同様の構成である。
使用者は、下地層30の硬化膜層32が形成されていない側の面に対し、両面テープ、シール又は粘着グミなどの粘着剤(接着剤)を付けることで、爪とジェルネイルチップとを貼り合わせることができる。
又、使用者は、使用後に、爪をお湯に浸したり、リムーバーを使用することで、簡便にネイルチップを爪から剥がすことができ、適切に取り扱うことで、ネイルチップを繰り返し使用することも可能である。
【0088】
又、ジェルネイルチップ38は、
図6(d)に示すように、ジェルネイルシールと同様に、装飾層34及び保護層36又はいずれか一方を有しても良い。
このように、装飾層及び保護層又はいずれか一方を有するジェルネイルチップとすることで、より優れた装飾を爪に施すことができる。
【0089】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態で上述した光硬化性ジェルネイル用組成のいずれか一つを用いてなるジェルネイル方法であって、下記工程(1)~(4)を含むことを特徴とするジェルネイル方法である。
(1)ジェルネイル用組成物を準備する工程
(2)ジェルネイル用組成物を塗布し、塗布層を形成する工程
(3)塗布層を光硬化させ、硬化膜とする工程
(4)使用後の硬化膜を剥離する工程
【0090】
1.準備工程
図7(a)に示すように、ジェルネイル層を形成する基材としての指10´の爪である基材10を準備する。
その際、指10´の基材10の表面が汚れているような場合には、事前に、アルコール脱脂等することが好ましい。
又、かかる塗布層を形成する基材は、通常、自爪であるが、ABS、アクリルシート等の合成プラスチック製基材であっても良い。
すなわち、ABSシート等の合成プラスチック製基材を使用して、本発明のジェルネイル用組成物を用いて、ジェルネイル層を形成することにより、人工爪やつけ爪として構成することも可能である。
【0091】
一方、第1の実施形態におけるジェルネイル用組成物を準備する。すなわち、かかるジェルネイル用組成物は、公知の混合方法によって準備することができる。例えば、配合成分につき、プロペラミキサー、プラネタリーミキサー、ボールミル、ジェットミル、三本ローラー、ニーダー等の各種混合装置を用いて均一に混合することにより、ジェルネイル用組成物を作成することができる。
【0092】
2.塗布工程
次いで、
図7(b)に示すように、ジェルネイル用組成物12´を、基材(爪)10の上に塗布する。
ここで、ジェルネイル用組成物の基材(爪)に対する塗布方法についても特に制限されるものではないが、例えば、はけ、ブラシ、ヘラ、ローラー、スポイト等を用いることができる。
又、かかる塗布層の厚さは、デザインにもよるが、通常50μm~2mmの範囲内の値とすることが好ましく、30μm~3mmの範囲内の値とすることがより好ましく、10μm~5mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0093】
3.光硬化工程
次いで、
図7(c)等に示すように、ジェルネイル用組成物12´に対して、照射装置14から、所定量の放射線(紫外線)14aを照射して、光硬化させ、所定のジェルネイル層12を、基材(爪)10の上に形成する。
そして、
図8(d)に示すように、多層構造からなるジェルネイル層20、20´を形成する場合、
図8(a)に示す基材10に対して、繰り返し、塗布工程と、光硬化工程を繰り返せば良い。
【0094】
ここで、一つの塗布層からジェルネイル層を形成する場合、照射量を300~800mJ/cm
2の範囲内の値とすることが好ましい。
一方、多層構造、例えば、
図8(c)に示すように、二つのジェルネイル層12、16から多層構造のジェルネイル層20´を形成する場合、第1の照射量を300~800mJ/cm
2の範囲内の値とし、第2の照射量を300~800mJ/cm
2の範囲内の値とすることが好ましい。
【0095】
又、
図8(d)に示すように、三つのジェルネイル層12、16、18から多層構造のジェルネイル層20を形成する場合、第1の照射量を100~500mJ/cm
2の範囲内の値とし、第2の照射量を120~600mJ/cm
2の範囲内の値とし、第3の照射量を150~800mJ/cm
2の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、塗布層の数にかかわらず、層ごとに、同程度の照射量とすることが好ましい。
【0096】
そして、
図8(a)~(d)に示すように、多層構造のジェルネイル層20を形成する場合、例えば、下地層、中間層、保護層の組み合わせや、下地層、装飾層、加飾層の組み合わせから構成することも好ましい。
より具体的には、下地層、中間層、保護層の組み合わせからなる多層構造のジェルネイル層20を形成する場合、基材10に対して、クリアなジェルネイル用組成物を塗布した後、紫外線照射によって、第1のジェルネイル層として、厚さ100~1,000μmのクリアな下地層12を形成する。
【0097】
次いで、第1のジェルネイル層であるクリアな下地層12の上に、カラージェルネイル用組成物を塗布した後、更に、所定量の紫外線照射を行い、第2のジェルネイル層である厚さ100~1,000μmのカラー中間層16を形成する。
更に、第2のジェルネイル層であるカラー中間層16の上に、本発明のクリア又は着色されたノンワイプタイプのジェルネイル用組成物を塗布した後、所定量の紫外線照射を行い、第3のジェルネイル層である厚さ100~1,000μmのクリアな保護層18を形成する。
【0098】
よって、多層構造のジェルネイル層20において、下地層12によって、基材10である爪に対する密着性にも優れ、カラー中間層16によって、優れた装飾性が得られ、更に、ノンワイプタイプの保護層18によって、カラー中間層16等の耐久性を更に高めることができる。
【0099】
4.剥離工程
又、剥離工程は、形成したジェルネイル層20を、使用後に、爪から剥離する工程である。
より具体的には、ジェルネイル層20をファイル(爪用やすり)でこすって傷付ける。
次いで、アセトンに浸したコットンをジェルネイル層に乗せ、アルミホイル等で包んで揮発を防ぎ、適宜な時間(例えば、10分間)、そのまま放置する。これにより、硬化したジェルネイル層は膨潤し、基材(爪)10から部分的に剥がれる。
更に、基材(爪)10上に残ったジェルネイル層20を、スティック状器具等を用いて基材(爪)10から完全に剥がすことができる。
【実施例0100】
以下、本発明を、実施例に基づいて詳細に説明するが、特に理由なく、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0101】
[実施例1]
1.ジェルネイル用組成物の作成
容器内に、下記(A)~(G)成分を、表1に記載の割合となるように配合した後、撹拌装置を用いて、均一になるまで混合し、ジェルネイル用組成物とした。
【0102】
(A)ウレタンアクリレート樹脂
a1:ポリエステル骨格ウレタンアクリレート樹脂
(2~3官能、Mw3,500、Tg52℃)
a2:ポリエステル骨格ウレタンアクリレート樹脂
(2官能、Mw18,000、Tg-39℃)
a3:ポリエーテル骨格ウレタンアクリレート樹脂
(2官能、Mw60,000、Tg-6℃)
【0103】
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマー
b1:アクリロイルモルフォリン
b2:イソボルニルメタクリレート
b3:エチルメタクリレート
b4:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
【0104】
(C)多官能(メタ)アクリレートモノマー
c1:トリメチロールプロパントリアクリレート
(3官能アクリレートモノマー)
c2:ビスフェノールAのEO3.8モル付加物ジアクリレート
(2官能アクリレートモノマー)
c3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(6官能アクリレートモノマー)
c4:ペンタエリスリトールトリアクリレート
(3官能アクリレートモノマー)
【0105】
(D)光重合開始剤等
d1:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン
d2:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド
d3:2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン
d4:十条ケミカル社製 硬化促進剤 JAR―8
【0106】
(E)多官能チオール化合物
e1:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)
e2:1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン
e3:1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン
e4:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
【0107】
(F)重合禁止剤
f1:ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
f2:ニトロソフェニルヒドロキシルアミン鉄塩
f3:ニトロソフェニルヒドロキシルアミン亜鉛塩
f4:4-メトキシフェノール
f5:2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール
f6:tert-ブチルヒドロキノン
f7:トコフェロール
【0108】
(G)添加剤
g1:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK333」)
g2:疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「アエロジルRY200S」)
g3:トリフェニルホスフィン
g4:1,1,3,3-テトラメチルジシラザン
g5:1,1,1,3,3,3-へキサメチルジシラザン
g6:2,5-ビス(5-tert-ブチル-2-ベンゾオキサゾリル)チオフェン
g7:4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン
g8:ペリレン系の赤色顔料PigmentRed149
g9:フタロシアニン系の青色顔料PigmentBlue15
【0109】
2.ジェルネイル用組成物の評価
(1)取り扱い性評価
ジェルネイル用組成物の初期粘度をE型粘度計((株)トキメック ディジタル粘度計DVM-E2型)を用い、25℃の条件下で測定し、以下の基準に照らして評価した。
◎:粘度が、3,000~100,000mPa・sの値であった。
○:粘度が、1000~3,000mPa・s未満、又は、100,000超~300,000mPa・sの値であった。
△:粘度が、500~1000mPa・s未満、又は、300,000超~500,000mPa・sの値であった。
×:粘度が、500mPa・s未満、若しくは、500,000mPa・sを超える値、又は、ゲル化のため粘度測定が不能であった。
【0110】
(2)光硬化性評価
基材としての100μmのPETフィルムに、下記条件にて、ジェルネイル用組成物を厚さ50μのスクリーン印刷をした後、ジェルネイル専用UV装置を使用して、下記硬化条件にて光硬化させて、ジェルネイル用組成物の光硬化性を評価した。
すなわち、ジェルネイル専用UV装置を使用して、ハイブリッドLEDライト(十条ケミカル社製、SOFIRAH、36W、365nm、405nm、照射時間:15秒)の硬化条件にて、光硬化させた。
次いで、得られた硬化膜につき、JIS K 5600に準拠して測定される碁盤目試験を行い、以下の基準に照らして、ジェルネイル用組成物の光硬化性を評価した。
◎:碁盤目剥離数が0~5個/100個であった。
○:碁盤目剥離数が6~10個/100個であった。
△:碁盤目剥離数が11~30個/100個であった。
×:碁盤目剥離数が31個以上/100個であった。
【0111】
(3)ノンワイプ性
光硬化性評価と同様に、ジェルネイル専用UV装置を使用して、ハイブリッドLEDライト(十条ケミカル社製、SOFIRAH、36W、365nm、405nm、照射時間:15秒)の硬化条件にて、光硬化させて、ジェルネイル用組成物のノンワイプ性を評価した。
即ち、得られた硬化膜につき、塗膜のタックを、指触試験し、以下の基準に照らして、ジェルネイル用組成物のノンワイプ性を評価した。
(塗布条件)
粘度:約8,000mPa・s(測定温度:25℃)
刷毛:ジェルネイル専用刷毛硬化膜厚さ:約0.1~1mm
(硬化条件)
照射装置:ハイブリッドLEDライト(十条ケミカル社製、SOFIRAH、36W、365nm、405nm、照射時間:15秒、20秒)
◎:照射時間20秒はもちろんのこと、照射時間15秒で、ほぼタックレスとなった。
○:照射時間15秒では、タック感が残っているが、照射時間20秒であれば、ほぼタックレスとなった。
△:照射時間15秒では、相当のタック感が残っており、照射時間20秒であっても、少々タック感が残っている。
×:照射時間15秒ではもちろんのこと、照射時間20秒でも、顕著なタック感が残っている。
【0112】
(4)密着性
照射時間15秒の条件で得られた硬化膜につき、爪による引掻き試験を行うことにより、密着性を評価した。即ち、得られた硬化膜を、爪にて30回引掻いて、その硬化膜の外観変化を、以下の基準に照らして密着性を評価した。
◎:外観に変化がない。
○:外観に若干の剥離がみられる。
△:外観に一部の剥離及び一部の白化がみられる。
×:外観の白化が大きく、全体的に剥離がみられる。
【0113】
(5)黄変性
光硬化性の評価のために作成した、照射時間15秒の条件で得られた硬化膜につき、下記基準に照らして、目視にて、黄変性を評価した。
◎:外観上、無色透明であって、黄変性の兆候が全く観察されない。
○:外観上、若干の淡黄色への変化が観察される。
△:外観上、淡黄色への変化が観察される。
×:外観上、黄色への変化が顕著に観察される。
【0114】
(6)保存安定性1(40℃)
ジェルネイル用組成物の初期粘度をE型粘度計((株)トキメック ディジタル粘度計DVM-E2型)を用い、室温条件(25℃)で測定した。
次いで、測定したジェルネイル用組成物20gを、紫外線遮光容器の内部に収容し、40℃で30日間放置した。
次いで、放置後のジェルネイル用組成物の粘度を測定し、初期粘度の測定結果に対する変化から、以下の基準に照らして、保存安定性を評価した。
◎:粘度の増加割合が50%以下であった。
○:粘度の増加割合が100%以下であった。
△:粘度の増加割合が300%以下であった。
×:粘度の増加割合が300%超えるか、又は、ゲル化のため粘度測定が不能であった。
【0115】
(7)保存安定性2(60℃)
ジェルネイル用組成物の初期粘度をE型粘度計((株)トキメック ディジタル粘度計DVM-E2型)を用い、室温条件(25℃)で測定した。
次いで、測定したジェルネイル用組成物20gを、紫外線遮光容器の内部に収容し、60℃で30日間放置した。
次いで、放置後のジェルネイル用組成物の粘度を測定し、初期粘度の測定結果に対する変化から、以下の基準に照らして、保存安定性を評価した。
◎:粘度の増加割合が50%以下であった。
○:粘度の増加割合が100%以下であった。
△:粘度の増加割合が300%以下であった。
×:粘度の増加割合が300%超えるか、又は、ゲル化のため粘度測定が不能であった。
【0116】
(8)臭気性
ジェルネイル用組成物の臭気を、下記基準に準じて、評価した。
◎:ほとんど配合成分による刺激臭は感じられない。
○:わずかに配合成分による刺激臭が感じられる。
△:少々配合成分による刺激臭が感じられる。
×:顕著な配合成分による刺激臭が感じられる。
【0117】
[実施例2~7、及び比較例1~2]
表1に示すように、ウレタンアクリレート樹脂の種類を変えるとともに、単官能(メタ)アクリレートモノマー化合物の種類と配合量を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0118】
【0119】
[実施例8~13、及び比較例3~4]
表2に示すように、多官能(メタ)アクリレートモノマー化合物の種類と配合量を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0120】
【0121】
[実施例14~19、及び比較例5~6]
表3に示すように、光重合開始剤の種類と配合比を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0122】
【0123】
[実施例20~25、及び比較例7~8]
表4に示すように、多官能チオール化合物の種類と配合量を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0124】
【0125】
[実施例26~31、及び比較例9~10]
表5に示すように、光重合開始剤及び重合禁止剤の種類と配合量を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0126】
【0127】
[実施例32~38、及び比較例11~13]
表6に示すように、重合禁止剤及び添加剤の種類と配合量を変えたほかは、実施例1と同様にジェルネイル用組成物を評価した。
【0128】
【0129】
[実施例39~44、及び比較例14~15]
実施例39~44、及び比較例14~15においては、実施例1~6及び比較例1~2の光硬化性ジェルネイル用組成物を、それぞれ厚さ100μmの粘着剤付きPETフィルム上に、硬化後の厚さが40μmとなるように塗布し、硬化前のジェルネイルシールを準備した。
次いで、硬化前のジェルネイルシールを指の所定場所に貼付した。
次いで、実施例1等と同じように、紫外線を照射し、ジェルネイルシールを硬化させ、余分な箇所のジェルネイルシールを切り取り、最終形態のジェルネイルシールとした。
なお、実施例1等や比較例1等と同じように、用いた光硬化性ジェルネイル用組成物の取り扱い性、光硬化性、密着性、黄変性、保存安定性を評価したが、実施例1等や比較例1等と同様の結果であった。
本発明のジェルネイル用組成物によれば、所定のウレタンアクリレート樹脂と、単官能(メタ)アクリレートモノマーと、多官能(メタ)アクリレートモノマーと、光重合開始剤と、所定の重合禁止剤と、を所定量配合することによって、硬化速度が極めて速く(照射時間:15秒程度)、ノンワイプ性に優れる(未反応物が少ない)一方、相当の高温(例えば、60℃、30日間)であっても保存安定性に優れたジェルネイル用組成物、及びそれを用いたジェルネイル方法が得られるようになった。
したがって、本発明のジェルネイル用組成物、及びそれを用いたジェルネイル方法は、自然爪のみならず、人工爪や、つけ爪においても好適に使用することができる。