(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021308
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240208BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240208BHJP
A63F 13/812 20140101ALN20240208BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/812 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124046
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】月田 貴大
(72)【発明者】
【氏名】河添 啓司
(57)【要約】
【課題】対戦ゲームの興趣性を向上させることを可能とする。
【解決手段】ゲームシステムは、第1対戦を行うことが可能な第1ゲームプレイ環境を提供し、第1対戦の後に第2対戦を行うことが可能な第2ゲームプレイ環境を提供する。第1対戦が行われる際に、当該第1対戦に勝利した場合の第1報酬及び当該第1対戦に敗北した場合の第1ペナルティが決定される。第2対戦が行われる際に、第1報酬及び第1ペナルティが破棄され、当該第2対戦に勝利した場合の第2報酬として第1報酬よりも有利な報酬が決定され、当該第2対戦に敗北した場合の第2ペナルティとして第1ペナルティよりも不利なペナルティまたは前記第1ペナルティと同等のペナルティが決定される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
第1対戦を行うことが可能な第1ゲームプレイ環境を提供するステップと、
前記第1対戦の後に第2対戦を行うことが可能な第2ゲームプレイ環境を提供するステップと
を実行させ、
前記第1対戦が行われる際に、当該第1対戦に勝利した場合の第1報酬及び当該第1対戦に敗北した場合の第1ペナルティが決定され、
前記第2対戦が行われる際に、前記第1報酬及び前記第1ペナルティが破棄され、当該第2対戦に勝利した場合の第2報酬として前記第1報酬よりも有利な報酬が決定され、当該第2対戦に敗北した場合の第2ペナルティとして前記第1ペナルティよりも不利なペナルティまたは前記第1ペナルティと同等のペナルティが決定される
プログラム。
【請求項2】
前記第1及び第2対戦は、第1及び第2ユーザによって行われる請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2対戦は、前記第1対戦が終了した後の前記第1及び第2ユーザのうちの少なくとも一方の指示に応じて行われる請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ゲームプレイ環境は、前記第1ゲームプレイ環境と少なくとも一部が異なる請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2対戦は、前記第1対戦の結果に応じて行われる請求項2記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2報酬または前記第2ペナルティは、前記第1対戦の結果に基づいて決定される請求項2記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2対戦が行われない場合には、前記第1報酬及び前記第1ペナルティが前記第1及び第2ユーザのアカウントを管理するためのユーザデータに反映され、
前記第2対戦が行われる場合には、前記第2報酬及び前記第2ペナルティが前記第1及び第2ユーザのアカウントを管理するためのユーザデータに反映される
請求項2記載のプログラム。
【請求項8】
第1ユーザによって使用される第1ユーザ端末と、第2ユーザによって使用される第2ユーザ端末と、前記第1及び第2ユーザ端末と通信可能に接続されるサーバ装置とを備えるシステムにおいて、
前記第1及び第2ユーザ端末を介して第1対戦を行うことが可能な第1ゲームプレイ環境を提供する第1提供手段と、
前記第1対戦の後に第2対戦を行うことが可能な第2ゲームプレイ環境を提供する第2提供手段と
を具備し、
前記サーバ装置は、
前記第1対戦が行われる際に、当該第1対戦に勝利した場合の第1報酬及び当該第1対戦に敗北した場合の第1ペナルティを決定する第1決定手段と、
前記第2対戦が行われる際に、前記第1報酬及び第1ペナルティを破棄し、当該第2対戦に勝利した場合の第2報酬として前記第1報酬よりも有利な報酬を決定し、当該第2対戦に敗北した場合の第2ペナルティとして前記第1ペナルティよりも不利なペナルティまたは前記第1ペナルティと同等のペナルティを決定する第2決定手段と
を含む
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えばオンラインでユーザが対戦ゲームをプレイする(対戦を行う)ことを実現するゲームシステムが知られている。
【0003】
このようなゲームシステムにおいては、一般的に対戦に勝利したユーザには報酬が付与されることが知られているが、例えば連続して対戦に勝利することによって累積的に報酬が付与されるような仕組みが実装されている場合がある。
【0004】
しかしながら、単に累積的に報酬が付与されるのみでは興趣性が乏しく、再び対戦を行う意欲が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“[対戦イベント]強力なスキルが開幕から使用可能!?「スペシャルカップ」開催”、[online]、[令和4年7月11日検索]、インターネット〈URL:https://sp.mmo-logres.com/news/p48585/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、対戦ゲームの興趣性を向上させることが可能なプログラム及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、コンピュータに、第1対戦を行うことが可能な第1ゲームプレイ環境を提供するステップと、前記第1対戦の後に第2対戦を行うことが可能な第2ゲームプレイ環境を提供するステップとを実行させ、前記第1対戦が行われる際に、当該第1対戦に勝利した場合の第1報酬及び当該第1対戦に敗北した場合の第1ペナルティが決定される。前記第2対戦が行われる際に、前記第1報酬及び前記第1ペナルティが破棄され、当該第2対戦に勝利した場合の第2報酬として前記第1報酬よりも有利な報酬が決定され、当該第2対戦に敗北した場合の第2ペナルティとして前記第1ペナルティよりも不利なペナルティまたは前記第1ペナルティと同等のペナルティが決定されるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、対戦ゲームの興趣性を向上させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示す図。
【
図2】第1ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図6】ゲームシステムの処理手順の一例を示すシーケンスチャート。
【
図7】第1ユーザのユーザデータのデータ構造の一例を示す図。
【
図8】初戦報酬テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【
図10】再戦報酬テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示す。
図1に示すゲームシステム1は、例えばオンラインでユーザが対戦ゲームをプレイすることを実現するように構成されており、第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20及びサーバ装置30を備える。
【0011】
第1ユーザ端末10は、例えば第1ユーザによって使用される電子機器である。第2ユーザ端末20は、例えば第1ユーザとは異なる第2ユーザによって使用される電子機器である。本実施形態においては、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20が例えばスマートフォンであるような場合を想定しているが、当該第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20は、例えばタブレット端末及びパーソナルコンピュータのような他の電子機器であっても構わない。
【0012】
サーバ装置30は、インターネットのようなネットワーク40を介して、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20と通信可能に接続されている。
【0013】
なお、
図1においては2つのユーザ端末(第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20)のみが示されているが、ゲームシステム1は、当該ゲームシステム1(サーバ装置30)に予め登録された複数のユーザ(つまり、対戦ゲームをプレイすることが可能な複数のユーザ)の各々によって使用される複数のユーザ端末を備えているものとする。
【0014】
図2は、
図1に示す第1ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す。ここでは、
図2を参照して、第1ユーザ端末10がスマートフォンである場合のハードウェア構成について説明する。
【0015】
図2に示すように、第1ユーザ端末10は、不揮発性メモリ11、CPU12、メインメモリ13、無線通信デバイス14、ディスプレイ15及びタッチパネル16等を備える。
【0016】
不揮発性メモリ11は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及び第1ユーザ端末10上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0017】
CPU12は、第1ユーザ端末10内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムを実行する。CPU12は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。なお、不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ11からメインメモリ13にロードされてCPU12によって実行されるが、当該CPU12によって実行されるプログラム(アプリケーションプログラム)には、ゲームシステム1においてユーザ端末として動作するためのゲームプログラム13Aが含まれる。
【0018】
無線通信デバイス14は、外部装置(例えば、サーバ装置30等)との無線通信を実行するためのデバイスである。
【0019】
ディスプレイ15は、例えば第1ユーザによってプレイされる対戦ゲームに関する各種画面を表示するための表示デバイスである。
【0020】
タッチパネル16は、第1ユーザの指先等が接触した位置を検出する入力デバイスであり、例えばディスプレイ15の前面に重畳して配置される。
【0021】
ディスプレイ15及びタッチパネル16はタッチスクリーンディスプレイを構成し、当該タッチスクリーンディスプレイにより、画面に対する第1ユーザの各種操作を検知することができる。
【0022】
図2においては第1ユーザによって使用される第1ユーザ端末10のハードウェア構成について説明したが、第2ユーザによって使用される第2ユーザ端末20(及び他のユーザによって使用される他のユーザ端末)のハードウェア構成は、第1ユーザ端末10と同様である。このため、以下の説明においては、第2ユーザ端末20(及び他のユーザ端末)のハードウェア構成についても
図2を用いて説明する。
【0023】
図3は、
図1に示すサーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す。
図3に示すように、サーバ装置30は、不揮発性メモリ31、CPU32、メインメモリ33及び無線通信デバイス34等を備える。
【0024】
不揮発性メモリ31は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ31に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及びサーバ装置30上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0025】
CPU32は、サーバ装置30内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ31に格納されている各種プログラムを実行する。CPU32は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。なお、不揮発性メモリ31に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ31からメインメモリ33にロードされてCPU32によって実行されるが、当該CPU32によって実行されるプログラム(アプリケーションプログラム)には、ゲームシステム1においてサーバ装置として動作するためのゲームプログラム33Aが含まれる。
【0026】
無線通信デバイス34は、外部装置(例えば、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20等)との無線通信を実行するためのデバイスである。
【0027】
以下、本実施形態に係るゲームシステム1の機能構成について説明する。本実施形態に係るゲームシステム1は、第1ユーザ端末10、第2ユーザ端末20及びサーバ装置30が協働して動作することにより、第1及び第2ユーザが対戦ゲームをプレイすることが可能なゲームプレイ環境を提供する機能を有する。なお、本実施形態において、ゲームプレイ環境とは、広義の対戦ゲームをプレイするために必要な環境をいい、当該対戦ゲームに関する様々な要素を含むものとする。
【0028】
図4は、第1ユーザ端末10の機能構成の一例を示す。
図4に示すように、第1ユーザ端末10は、操作受付部101、制御部102、表示処理部103及び格納部104を含む。
【0029】
なお、
図4に示す操作受付部101、制御部102及び表示処理部103は、例えば第1ユーザ端末10が備えるCPU12(第1ユーザ端末10のコンピュータ)が上記したゲームプログラム13Aを実行すること(すなわち、ソフトウェア)によって実現される機能部である。このゲームプログラム13Aは、例えばネットワーク40を介して第1ユーザ端末10にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。
【0030】
また、
図4に示す格納部104は、
図2に示す不揮発性メモリ11またはその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
【0031】
操作受付部101は、ゲームシステム1によって提供されるゲームプレイ環境において対戦ゲームをプレイするための第1ユーザの操作(指示)を受け付ける。上記したように第1ユーザ端末10がスマートフォンである場合、操作受付部101によって受け付けられる操作には、当該第1ユーザ端末10が備えるタッチパネル16(タッチスクリーンディスプレイ)に指先を接触させる操作(例えば、タップ操作、ドラッグ操作、フリック操作及びスワイプ操作等)が含まれる。
【0032】
制御部102は、操作受付部101によって受け付けられた操作を解釈し、ゲームプレイ環境においてプレイされる対戦ゲームを進行させるような制御を実行する。
【0033】
表示処理部103は、制御部102による制御に従って、上記したゲームプレイ環境及び対戦ゲームの進行に応じた画面(画像)を表示する処理を実行する。第1ユーザは、表示処理部103によって表示される画面を参照しながら、対戦ゲームをプレイするための操作を行うことができる。
【0034】
格納部104は、例えばゲームデータ及びユーザデータを格納する。なお、ゲームシステム1においては対戦ゲームをプレイすることが可能なユーザ(例えば、第1及び第2ユーザ)毎にアカウントが発行されているが、ゲームデータは、当該アカウント間で共通のデータ(情報)であり、上記したゲームプログラム13Aを実行する際に参照される。具体的には、ゲームデータは、例えばゲームプレイ環境(ゲーム空間)を定義するためのデータや対戦ゲームに関する設定データ等を含む。一方、ユーザデータは、ユーザのアカウント毎に管理されるデータである。具体的には、第1ユーザ端末10に含まれる格納部104に格納されるユーザデータは、例えば対戦ゲームにおける第1ユーザのランク(レベル)、当該対戦ゲームにおいて第1ユーザが獲得した各種アイテム及びポイント等を示す。
【0035】
図4においては第1ユーザによって使用される第1ユーザ端末10の機能構成について説明したが、第2ユーザによって使用される第2ユーザ端末20(及び他のユーザによって使用される他のユーザ端末)の機能構成は、第1ユーザ端末10と同様である。このため、以下の説明においては、第2ユーザ端末20(及び他のユーザ端末)の機能構成についても
図4を用いて説明する。
【0036】
図5は、サーバ装置30の機能構成の一例を示す。
図5に示すように、サーバ装置30は、格納部301、データ管理部302及び制御部303を含む。
【0037】
なお、
図5に示す格納部301は、
図3に示す不揮発性メモリ31またはその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
【0038】
また、
図5に示すデータ管理部302及び制御部303は、例えばサーバ装置30が備えるCPU32(サーバ装置30のコンピュータ)が上記したゲームプログラム33Aを実行すること(すなわち、ソフトウェア)によって実現される機能部である。このゲームプログラム33Aは、例えばネットワーク40を介してサーバ装置30にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。
【0039】
格納部301は、上記した第1ユーザ端末10(及び第2ユーザ端末20)に含まれる格納部104に格納されているゲームデータと同様のゲームデータを格納する。また、格納部301は、ゲームシステム1(サーバ装置30)に予め登録しているユーザ(例えば、第1及び第2ユーザ)毎のユーザデータを格納する。
【0040】
データ管理部302は、格納部301に格納されているゲームデータ及びユーザデータを管理する。具体的には、データ管理部302は、ゲームデータ及びユーザデータの追加、更新及び削除等の処理を実行する。
【0041】
なお、上記したように第1ユーザ端末10に含まれる格納部104にはゲームデータ及びユーザデータが格納されているが、当該ゲームデータ及びユーザデータは、データ管理部302(サーバ装置30)から第1ユーザ端末10に送信され、当該格納部104に格納される。ここでは第1ユーザ端末10についてのみ説明したが、第2ユーザ端末20を含む他のユーザ端末についても同様である。ただし、ゲームデータは第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を含む複数のユーザ端末に共通に送信されるが、ユーザデータは当該ユーザデータに対応するユーザが使用するユーザ端末にのみ送信される。以下の説明においては、例えば第1ユーザ端末10に含まれる格納部104に格納されるユーザデータ(つまり、サーバ装置30から第1ユーザ端末10に送信されるユーザデータ)を第1ユーザのユーザデータ、第2ユーザ端末20に含まれる格納部104に格納されるユーザデータ(つまり、サーバ装置30から第2ユーザ端末20に送信されるユーザデータ)を第2ユーザのユーザデータと称する。
【0042】
制御部303は、ゲームシステム1において提供されるゲームプレイ環境においてプレイされる対戦ゲームにおける複数のユーザ(例えば、第1及び第2ユーザ)の対戦を実現するための処理を制御する。
【0043】
ここで、例えば第1ユーザ端末10を使用する第1ユーザと第2ユーザ端末20を使用する第2ユーザとがリアルタイムで対戦を行う場合を想定する。この場合、例えば第1ユーザは第1ユーザ端末10を操作することによって当該第1ユーザ端末10上で対戦ゲームをプレイすることができるが、当該第1ユーザ端末10上でプレイされる対戦ゲーム(対戦)に第2ユーザの操作が反映されなければ、第1ユーザは、第1ユーザ端末10を使用して第2ユーザと対戦を行うことができない。同様に、例えば第2ユーザは第2ユーザ端末20を操作することによって当該第2ユーザ端末20上で対戦ゲームをプレイすることができるが、当該第2ユーザ端末20上でプレイされる対戦ゲーム(対戦)に第1ユーザの操作が反映されなければ、第2ユーザは、第2ユーザ端末20を使用して第1ユーザと対戦を行うことができない。
【0044】
このため、制御部303は、第1ユーザ端末10において行われた第1ユーザの操作(つまり、第1ユーザ端末10に含まれる操作受付部101において受け付けられた操作)を当該第1ユーザ端末10から受信し、当該操作を第2ユーザ端末20に送信する(つまり、第1ユーザの操作を第1ユーザ端末10から第2ユーザ端末20に中継する)処理を実行する。同様に、制御部303は、第2ユーザ端末20において行われた第2ユーザの操作(つまり、第2ユーザ端末20に含まれる操作受付部101において受け付けられた操作)を当該第2ユーザ端末20から受信し、当該操作を第1ユーザ端末10に送信する(つまり、第2ユーザの操作を第2ユーザ端末20から第1ユーザ端末10に中継する)処理を実行する。これによれば、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20の両方で第1及び第2ユーザの操作に基づいて対戦ゲームを進行させる制御が実行され、第1及び第2ユーザの双方の操作が反映された画面(対戦ゲーム画面)を第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20の両方に表示することができる。換言すれば、本実施形態に係るゲームシステム1においては、第1ユーザの操作によって引き起こされる対戦ゲーム内の作用が第2ユーザ端末20上で再現(同期)され、かつ、第2ユーザの操作によって引き起こされる対戦ゲーム内の作用が第1ユーザ端末10上で再現(同期)されることにより、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を使用したリアルタイムでの対戦を実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態に係るゲームシステム1はゲームプレイ環境を提供するが、この「ゲームプレイ環境の提供」は、当該ゲームシステム1において動作するゲームプログラム(つまり、上記した第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を含む複数のユーザ端末において実行されるゲームプログラム13A及びサーバ装置30において実行されるゲームプログラム33A)により実現されるものとする。ただし、本実施形態に係るゲームプログラムは、上記したゲームプログラム13A及び33Aの一部であっても構わない。
【0046】
また、本実施形態に係るゲームシステム1においては、例えば複数のユーザ端末(第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20等)が有する機能の少なくとも一部をサーバ装置30が有していてもよいし、サーバ装置30が有する機能の少なくとも一部を複数のユーザ端末が有していてもよい。更に、ゲームシステム1は、複数のユーザ端末及びサーバ装置30以外の他の装置を備えていてもよい。すなわち、本実施形態に係るゲームプログラム(ゲームプログラム13A及び33A)は、複数のユーザ端末、サーバ装置30または他の装置において実行され得る。
【0047】
ところで、本実施形態においてゲームシステム1は上記したように対戦ゲームをプレイすることが可能なゲームプレイ環境を提供することができるが、当該対戦ゲームにおいて例えば第1及び第2ユーザが単に1回対戦を行うのみでは十分に対戦ゲームを楽しむことができない可能性がある。このため、例えば第1及び第2ユーザが1回目の対戦(以下、初戦と表記)を行った後に再度対戦(以下、再戦と表記)を行うようにすることが考えられるが、第1及び第2ユーザが再戦を希望する程度の興趣性を当該再戦において実現することが好ましい。
【0048】
そこで、本実施形態に係るゲームシステム1においては、対戦ゲームにおける再戦の興趣性を向上させる仕組みを提案する。
【0049】
以下、本実施形態における再戦の概要について説明する。まず、本実施形態においては、対戦自体に対するユーザの意欲を高めるために当該対戦に勝利したユーザ(以下、勝利ユーザと表記)に対して報酬を付与するとともに、当該対戦に敗北したユーザ(以下、敗北ユーザと表記)に対してはペナルティを課すものとする。
【0050】
この場合、制御部303は、例えば初戦が行われると、当該初戦の勝利ユーザに付与される報酬(以下、初戦の報酬と表記)及び当該初戦の敗北ユーザに課されるペナルティ(以下、初戦のペナルティと表記)を決定する。
【0051】
初戦の後に再戦が行われない場合には、このように決定された初戦の報酬及び初戦のペナルティが確定する。確定した初戦の報酬は初戦の勝利ユーザのユーザデータに反映され、確定された初戦のペナルティは初戦の敗北ユーザのユーザデータに反映される。
【0052】
一方、初戦の後に再戦が行われる場合には、上記したように決定された初戦の報酬及び初戦のペナルティ(つまり、初戦の勝敗結果)が破棄され、制御部303は、再戦の勝利ユーザに付与される報酬(以下、再戦の報酬と表記)及び当該再戦の敗北ユーザに課されるペナルティ(以下、再戦のペナルティと表記)を決定する。このように決定された再戦の報酬は再戦の勝利ユーザのユーザデータに反映され、再戦のペナルティは再戦の敗北ユーザのユーザデータに反映される。
【0053】
以下、
図6のシーケンスチャートを参照して、本実施形態に係るゲームシステム1の処理手順の一例について詳細に説明する。
【0054】
以下の説明においては、ゲームシステム1において提供されるゲームプレイ環境において、2人のユーザがボールを交互に打ち合い、カップインまでの打数を競うゴルフゲームをプレイする(つまり、ゴルフで対戦を行う)場合を想定する。このゴルフゲームにおいては例えば4つのホールが用意されており、例えば1ホール目で少ない打数でカップインしたユーザがいる場合には、当該ユーザを勝利ユーザ、他方のユーザを敗北ユーザとして決定する。なお、ゴルフゲームの場合には2人のユーザの1つのホールにおける打数が同じとなる(つまり、勝敗結果がドローとなる)可能性があるが、2人のユーザの1ホール目の打数が同じである場合には、延長戦として2ホール目に進み、当該2ホール目で打数が少ないユーザがいれば、当該ユーザを勝利ユーザ、他方のユーザを敗北ユーザとして決定する。更に、2人のユーザの2ホール目の打数が同じである場合には、3ホール目に進み、当該3ホール目で打数が少ないユーザがいれば、当該ユーザを勝利ユーザ、他方のユーザを敗北ユーザとして決定する。2人のユーザの3ホール目の打数が同じである場合には、例えば4ホール目でニアピン対決を行うことによって勝利ユーザ及び敗北ユーザを決定する。
【0055】
なお、ここで説明したゴルフゲームにおける勝利ユーザ及び敗北ユーザの決定方法(つまり、対戦方法)は一例であり、他の方法によって勝利ユーザ及び敗北ユーザを決定してもよい。
【0056】
また、上記したようにゲームシステム1において提供されるゲームプレイ環境において、ユーザ(第1及び第2ユーザ等)は、例えば当該ユーザのキャラクタを操作することによってゴルフゲームをプレイするものとする。
【0057】
ここで、
図7は、第1ユーザのユーザデータのデータ構造の一例を示す。
図7に示すように、第1ユーザのユーザデータには、ユーザID、ランク、ランクポイント及びアイテム等が含まれる。
【0058】
ユーザIDは、第1ユーザを識別するための識別情報である。なお、ユーザIDは、第1ユーザがゲームシステム1に登録した際に当該第1ユーザに割り当てられる。
【0059】
ランクは、ユーザIDによって識別される第1ユーザのランクを示す。ランクポイントは、ユーザIDによって識別される第1ユーザが獲得したポイントである。なお、ランクポイントは例えばゴルフゲームにおいて勝利を重ねることで獲得することができ、ランクは、当該ランクポイントに応じて増加する。本実施形態において、ランクは、ボールのコントロール(つまり、ゴルフゲーム)の上手さ等を簡易的に示す指標としての機能を有する。
【0060】
アイテムは、ユーザIDによって識別される第1ユーザが獲得したアイテム(を示す情報)である。アイテムは、例えば第1ユーザが操作するキャラクタのゴルフに関する能力を向上させる(補助する)ために用いられる。
【0061】
ここでは第1ユーザのユーザデータについて説明したが、第2ユーザを含む他のユーザのユーザデータのデータ構造についても同様である。
【0062】
また、ここではユーザデータにユーザID、ランク、ランクポイント及びアイテムが含まれるものとして説明したが、当該ユーザデータのデータ構造は、例えば少なくとも一部が
図7に示すデータ構造と異なっていてもよい。
【0063】
第1ユーザ端末10を使用する第1ユーザがゴルフゲームをプレイする場合、第1ユーザ端末10においてゲームプログラム13Aが起動され、当該第1ユーザ端末10に含まれる操作受付部101は、ゴルフゲーム(初戦)のプレイを開始するための第1ユーザの操作(以下、初戦開始操作と表記)を受け付ける(ステップS1)。
【0064】
ステップS1の処理が実行されると、第1ユーザ端末10は、当該ステップS1において受け付けられた初戦開始操作に基づいて、初戦開始要求をサーバ装置30に送信する(ステップS2)。
【0065】
ここでは第1ユーザ端末10を使用する第1ユーザがゴルフゲームをプレイする場合について説明したが、第2ユーザ端末20を使用する第2ユーザがゴルフゲームをプレイする場合についても同様の処理が実行される。
【0066】
具体的には、第2ユーザ端末20を使用する第2ユーザがゴルフゲームをプレイする場合、第2ユーザ端末20においてゲームプログラム13Aが起動され、当該第2ユーザ端末20に含まれる操作受付部101は、ゴルフゲーム(初戦)のプレイを開始するための第2ユーザの初戦開始操作を受け付ける(ステップS3)。
【0067】
ステップS3の処理が実行されると、第2ユーザ端末20は、当該ステップS3において受け付けられた初戦開始操作に基づいて、初戦開始要求をサーバ装置30に送信する(ステップS4)。
【0068】
なお、
図6においては便宜的に第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20からサーバ装置30に初戦開始要求が送信されるものとして示されているが、本実施形態においては、初戦開始要求は、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20以外のユーザ端末からもサーバ装置30に送信され得る。なお、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を含む複数のユーザ端末から送信される初戦開始要求には、例えば当該ユーザ端末を使用するユーザを識別するためのユーザID等が含まれる。
【0069】
上記したように第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を含む複数のユーザ端末から送信された初戦開始要求は、サーバ装置30において受信される。サーバ装置30に含まれる制御部303は、サーバ装置30において受信された初戦開始要求に基づいてマッチング処理を実行する(ステップS5)。
【0070】
ステップS5において実行されるマッチング処理は、ゴルフゲームをプレイする(つまり、対戦を行う)2人のユーザをマッチング(決定)する処理に相当する。マッチング処理においては、例えばサーバ装置30において受信された初戦開始要求に含まれるユーザIDを含むユーザデータを参照し、ランクが近い2人のユーザがマッチングされる。なお、ここではランクに基づいて2人のユーザがマッチングされるものとして説明したが、マッチング処理は、ランク以外の他の観点に基づいて実行されてもよい。
【0071】
以下の説明においては、ゴルフゲームをプレイする2人のユーザとして第1及び第2ユーザがマッチングされたものとして説明する。
【0072】
ステップS5の処理が実行されると、サーバ装置30は、ゴルフゲーム(初戦)の開始を第1ユーザ端末10に指示するとともに、当該サーバ装置30に含まれる格納部301に格納されているゲームデータを第1ユーザ端末10に送信する(ステップS6)。換言すれば、このステップS6の処理により、第2ユーザと対戦を行うためのゲームデータがサーバ装置30から第1ユーザ端末10にダウンロードされる。
【0073】
同様に、サーバ装置30は、ゴルフゲーム(初戦)の開始を第2ユーザ端末20に通知するとともに、当該サーバ装置30に含まれる格納部301に格納されているゲームデータを第2ユーザ端末20に送信する(ステップS7)。換言すれば、このステップS7の処理により、第1ユーザと対戦を行うためのゲームデータがサーバ装置30から第2ユーザ端末20にダウンロードされる。
【0074】
なお、上記したようにサーバ装置30から第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20に送信(ダウンロード)されたゲームデータは上記した4つのホールで対戦を行うためのゲームデータに相当するが、当該4つのホールは、例えば予め用意されている複数のホールの中からランダムに選択(決定)されるものとする。
【0075】
ステップS6及びS7の処理が実行されると、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を介した第1及び第2ユーザによるゴルフゲーム(つまり、第1及び第2ユーザの初戦)が開始する(ステップS8)。
【0076】
この場合、第1ユーザ端末10(に含まれる制御部102及び表示処理部103)、第2ユーザ端末20(に含まれる制御部102及び表示処理部103)及びサーバ装置30(に含まれる制御部303)は、第1及び第2ユーザがゴルフゲームをプレイする(初戦を行う)ことが可能なゲームプレイ環境を提供する処理を実行する(ステップS9)。なお、ゴルフゲームをプレイすることが可能なゲームプレイ環境には、例えばゴルフを行うホール(競技エリア)や打球に影響を与える風の向き及び強さ等の外的要因(以下、対戦条件と表記)が含まれる。
【0077】
なお、ステップS9において実行される処理には、ステップS6及びS7においてサーバ装置30から送信されたゲームデータに基づいてゲームプレイ環境(ゲーム空間)を定義する処理、上記したように第1ユーザの操作をサーバ装置30経由で第1ユーザ端末10から第2ユーザ端末20に中継(リレー)する処理、第2ユーザの操作をサーバ装置30経由で第2ユーザ端末20から第1ユーザ端末10に中継(リレー)する処理、及び第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20において第1及び第2ユーザの操作に基づいてゴルフゲーム(対戦)を進行させる制御に関する処理等が含まれる。
【0078】
また、ゴルフゲームにおいては第1及び第2ユーザがボールを交互に打ち合うが、ステップS9の処理においては、第1及び第2ユーザのボールが移動する度に、当該第1及び第2ユーザのボールの位置が第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20(のうちの少なくとも一方)からサーバ装置30に通知されるものとする。
【0079】
サーバ装置30に含まれる制御部303は、上記したように第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20から通知される第1及び第2ユーザのボールの位置に基づいてゴルフゲーム(初戦)の終了を検知し、当該ゴルフゲームの勝者(初戦の勝利ユーザ)及び敗者(初戦の敗北ユーザ)を決定する(ステップS10)。ここでは、便宜的に、第1ユーザが初戦の勝利ユーザ、第2ユーザが初戦の敗北ユーザであるものとする。
【0080】
次に、制御部303は、初戦の報酬及び初戦のペナルティを決定する(ステップS11)。
【0081】
なお、ステップS11において、初戦の報酬は、例えば
図8に示す初戦報酬テーブル(初戦報酬リスト)を参照して決定される。
図8に示すように、初戦報酬テーブルには報酬を識別するための識別情報(以下、報酬IDと表記)が複数保持されており、制御部303は、例えば初戦報酬テーブルに保持されている複数の報酬IDのうちの1つをランダムに選択する。
【0082】
制御部303は、初戦報酬テーブルから選択された報酬IDによって識別される報酬を初戦の報酬として決定する。なお、初戦の報酬には、例えば初戦の勝利ユーザに対して付与されるランクポイント及びアイテム等が含まれる。
【0083】
ここでは初戦報酬テーブルに保持されている複数の報酬IDのうちの1つが選択されることによって初戦の報酬が決定されるものとして説明したが、初戦の報酬は、予め定められていてもよい。
【0084】
一方、ステップS11においては、例えば予め定められているペナルティが初戦のペナルティとして決定される。なお、初戦のペナルティには、例えば初戦の敗北ユーザが失うランクポイント等が含まれる。
【0085】
上記したように第1ユーザが初戦の勝利ユーザであり、第2ユーザが初戦の敗北ユーザであるものとすると、ステップS11において決定された初戦の報酬(の内容)は、サーバ装置30から第1ユーザ端末10に通知される(ステップS12)。一方、ステップS11において決定された初戦のペナルティ(の内容)は、サーバ装置30から第2ユーザ端末20に通知される(ステップS13)。
【0086】
なお、ステップS11において決定された初戦の報酬及び初戦のペナルティは、サーバ装置30(例えば、制御部303)内に保持される。
【0087】
ここで、ステップS12の処理が実行されると、第1ユーザ端末10に含まれる表示処理部103は、第1ユーザがゴルフゲーム(初戦)に勝利したことを示すリザルト画面(以下、初戦の勝利ユーザ画面と表記)を当該第1ユーザ端末10のディスプレイ15に表示する。
【0088】
図9は、初戦の勝利ユーザ画面の一例を示す。
図9においては、画面50aが表示された後に画面50bが表示されるような初戦の勝利ユーザ画面を想定している。
【0089】
画面50aにおいては、例えば第1ユーザが勝利ユーザであることを示す「WIN!」の文字が表示されるとともに、対戦結果が表形式で表示されている。なお、
図9においては、1ホール目で第1ユーザが第2ユーザに勝利した例が示されている。
【0090】
また、画面50aの後に表示される画面50bにおいては、上記したステップS12において通知された初戦の報酬が表示される。
図9においては、初戦の報酬として第1ユーザに付与されるランクポイントが30であることを示す「+30」及び当該第1ユーザに付与されるアイテムがゴルフクラブであることを示すアイコンが表示されている。
【0091】
なお、初戦の勝利ユーザ画面(画面50a及び50b)の左側に表示されているキャラクタは勝利ユーザである第1ユーザが操作するキャラクタであり、当該初戦の勝利ユーザ画面の右側に表示されているキャラクタは敗北ユーザである第2ユーザが操作するキャラクタである。これによれば、第1ユーザは、当該第1ユーザが勝利ユーザである(または第2ユーザが敗北ユーザである)ことを容易に把握することができる。
【0092】
また、本実施形態において、初戦の勝利ユーザ画面(例えば、画面50b)には、「再戦する」ボタン51及び「ホームへ」ボタン52が設けられている。第1ユーザは、第1ユーザ端末10に対して「再戦する」ボタン51または「ホームへ」ボタン52を指定(押下)する操作を行うことができる。なお、「再戦する」ボタン51は、再戦への参加を指示する(第2ユーザに再戦を申し込む)ためのボタンである。一方、「ホームへ」ボタン52は、再戦への不参加(つまり、ホーム画面への遷移)を指示するためのボタンである。
【0093】
なお、ここでは初戦の勝利ユーザ画面として画面50a及び画面50bが表示されるものとして説明したが、画面50aにおける対戦結果は他の形式で表示されてもよいし、初戦の勝利ユーザ画面においては、画面50aを省略し、画面50bのみが表示されてもよい。
【0094】
また、
図9は第1ユーザ端末10に表示される初戦の勝利ユーザ画面の一例を示しているが、ステップS13の処理が実行されると、第2ユーザ端末20に含まれる表示処理部103は、第2ユーザがゴルフゲーム(初戦)に敗北したことを示すリザルト画面(以下、初戦の敗北ユーザ画面と表記)を当該第2ユーザ端末20のディスプレイ15に表示する。
【0095】
なお、初戦の敗北ユーザ画面(図示せず)には、
図9に示す「WIN!」の文字の代わりに第2ユーザが敗北ユーザであることを示す「LOSE」の文字が表示され、初戦の報酬の代わりに初戦のペナルティが表示されるが、その他は初戦の勝利ユーザ画面と概ね同様である。
【0096】
図6に戻ると、第1ユーザ端末10に表示された初戦の勝利ユーザ画面において「再戦する」ボタンを指定する操作(以下、再戦開始操作と表記)が行われた場合、第1ユーザ端末10に含まれる操作受付部101は、当該再戦開始操作を受け付ける(ステップS14)。
【0097】
ステップS14の処理が実行されると、第1ユーザ端末10は、当該ステップS14において受け付けられた再戦開始操作に基づいて、再戦開始要求をサーバ装置30に送信する(ステップS15)。ステップS15において第1ユーザ端末10から送信された再戦開始要求は、サーバ装置30において受信される。
【0098】
同様に、第2ユーザ端末20に表示された初戦の敗北ユーザ画面において「再戦する」ボタンを指定する操作(再戦開始操作)が行われた場合、第2ユーザ端末20に含まれる操作受付部101は、当該再戦開始操作を受け付ける(ステップS16)。
【0099】
ステップS16の処理が実行されると、第2ユーザ端末20は、当該ステップS16において受け付けられた再戦開始操作に基づいて、再戦開始要求をサーバ装置30に送信する(ステップS17)。ステップS17において第2ユーザ端末20から送信された再戦開始要求は、サーバ装置30において受信される。
【0100】
上記したように第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20から再戦開始要求が受信される(つまり、第1及び第2ユーザの両方から再戦への参加が指示される)と、サーバ装置30に含まれる制御部303は、サーバ装置30内に保持されている初戦の報酬及び初戦のペナルティ(つまり、初戦の勝敗結果)を破棄する(ステップS18)。
【0101】
ステップS18の処理が実行されると、制御部303は、ゴルフゲーム(再戦)の開始を第1ユーザ端末10に通知する(ステップS19)。同様に、制御部303は、ゴルフゲーム(再戦)の開始を第2ユーザ端末20に通知する(ステップS20)。
【0102】
ステップS19及びS20の処理が実行されると、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20を介した第1及び第2ユーザによるゴルフゲーム(つまり、第1及び第2ユーザの再戦)が開始する(ステップS21)。
【0103】
この場合、第1ユーザ端末10(に含まれる制御部102及び表示処理部103)、第2ユーザ端末20(に含まれる制御部102及び表示処理部103)及びサーバ装置30(に含まれる制御部303)は、第1及び第2ユーザがゴルフゲームをプレイする(再戦を行う)ゲームプレイ環境を提供する処理を実行する(ステップS22)。なお、ステップS22においては、上記したステップS9の処理と同様の処理が実行される。
【0104】
ここで、上記したステップS6においてはサーバ装置30から第1ユーザ端末10にゲームデータがダウンロードされており、ステップS7においてはサーバ装置30から第2ユーザ端末20にゲームデータがダウンロードされている。このため、本実施形態においては、第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20に既にダウンロードされているゲームデータを再戦に利用する。
【0105】
具体的には、上記したように延長戦を考慮して4つのホールで対戦を行うためのゲームデータ(つまり、4つのホール分のゲームプレイ環境を提供するためのゲームデータ)が第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20にダウンロードされている場合において、初戦の1ホール目で第1ユーザが勝利ユーザである(第2ユーザが敗北ユーザである)と決定された場合、再戦は、1ホール目とは異なる2ホール目を利用して行われるものとする。一方、初戦の1ホール目における第1及び第2ユーザの打数が同じであり、延長戦としての2ホール目で第1ユーザが勝利ユーザであると決定された場合、再戦は、1ホール目及び2ホール目とは異なる3ホール目を利用して行われるものとする。
【0106】
すなわち、本実施形態においては、初戦と再戦とで少なくともゲームプレイ環境(に含まれる対戦条件)のうちの少なくとも一部(ここでは、ホール)が異なるものとする。更に、対戦条件には打球に影響を与える風の向き及び強さ等が含まれるが、この風の向き及び強さ等を初戦と再戦とで異なるようにしてもよい。
【0107】
次に、サーバ装置30に含まれる制御部303は、上記したステップS10の処理と同様に、当該ゴルフゲームの勝者(再戦の勝利ユーザ)及び敗者(再戦の敗北ユーザ)を決定する(ステップS23)。ここでは、便宜的に、第1ユーザが再戦の勝利ユーザ、第2ユーザが再戦の敗北ユーザであるものとする。
【0108】
次に、制御部303は、再戦の報酬及び再戦のペナルティを決定する(ステップS24)。
【0109】
なお、上記したステップS11においては初戦報酬テーブルを参照して初戦の報酬が決定されるものとして説明したが、ステップS24において、再戦の報酬は、
図10に示す再戦報酬テーブル(再戦報酬リスト)を参照して決定される。
図10に示すように、再戦報酬テーブルには報酬を識別するための報酬IDが複数保持されており、制御部303は、例えば再戦報酬テーブルに保持されている複数の報酬IDのうちの1つをランダムに選択する。
【0110】
制御部303は、再戦報酬テーブルから選択された報酬IDによって識別される報酬を再戦の報酬として決定する。
【0111】
ここで、上記した初戦の報酬と同様に、再戦の報酬には再戦の勝利ユーザに対して付与されるランクポイント及びアイテム等が含まれるが、ステップS24においては、当該初戦の報酬よりも有利な報酬(例えば、量が多いまたは質が高い報酬)が再戦の報酬として決定されるものとする。換言すれば、再戦報酬テーブルに保持されている複数の報酬IDの各々によって識別される報酬は、初戦報酬テーブルに保持されている複数の報酬IDの各々によって識別される報酬よりもよい(価値のある)報酬である。具体的には、初戦の報酬として勝利ユーザに付与されるランクポイントが30である場合、再戦の報酬として勝利ユーザに付与されるランクポイントは例えば80であるものとする。また、例えばゴルフゲームにおいてキャラクタのゴルフに関する能力を向上させる程度に応じて各種アイテムにレベル(またはレア度)等が設定されている場合があるが、例えば初戦の報酬として勝利ユーザに付与されるアイテムが低いレベルのゴルフクラブである場合、再戦の報酬として勝利ユーザに付与されるアイテムは例えば高いレベルのゴルフクラブであるものとする。
【0112】
なお、ここで説明した初戦の報酬及び再戦の報酬は一例であり、本実施形態においては、再戦が行われた場合には、初戦の報酬よりも有利な報酬が決定される(勝利ユーザに付与される)構成であればよく、再戦の報酬の種類(ランクポイント及びアイテム等)は初戦の報酬と異なっていてもよい。また、再戦の報酬は、初戦の報酬の単に2倍または3倍等に相当する報酬であってもよい。
【0113】
また、再戦を行うことへのユーザの意欲を向上させるために、再戦の報酬は、単に初戦のような通常の対戦を2回行って得ることができる報酬(つまり、初戦の報酬の2倍)よりも価値があるように設定されていることが好ましい。
【0114】
一方、ステップS24においては、例えば予め定められているペナルティが再戦のペナルティとして決定される。なお、初戦のペナルティと同様に、再戦のペナルティには再戦の敗北ユーザが失うランクポイント等が含まれるが、ステップS24においては、当該初戦のペナルティよりも不利な(つまり、重い)ペナルティが再戦のペナルティとして決定される。具体的には、初戦のペナルティとして敗北ユーザが失うランクポイントが30(つまり、-30)である場合、再戦のペナルティとして敗北ユーザが失うランクポイントは例えば80(つまり、-80)であるものとする。なお、本実施形態においては再戦のペナルティが初戦のペナルティよりも不利なペナルティであるものとして説明するが、当該再戦のペナルティは、当該初戦のペナルティと同等のペナルティであってもよい。
【0115】
なお、ここでは初戦のペナルティ及び再戦のペナルティが予め定められているものとして説明したが、当該初戦のペナルティ及び再戦のペナルティは、初戦のペナルティよりも再戦のペナルティの方が重くなるように決定されればよく、初戦の報酬及び再戦の報酬と同様に予め用意されているテーブルからランダムに選択(決定)される構成としてもよい。また、ペナルティは必ずしもランクポイントの消失である必要はなく、例えばアイテムの消失であってもよい。この場合、初戦のペナルティとしては低いレベルのアイテムを失うが、再戦のペナルティとしては高いレベルのアイテムを失うようにすればよい。
【0116】
上記したように第1ユーザが再戦の勝利ユーザ、第2ユーザが再戦の敗北ユーザであるものとすると、ステップS24において決定された再戦の報酬(の内容)は、サーバ装置30から第1ユーザ端末10に通知される(ステップS25)。一方、ステップS24において決定された再戦のペナルティ(の内容)は、サーバ装置30から第2ユーザ端末20に通知される(ステップS26)。
【0117】
なお、ステップS24において決定された再戦の報酬及び再戦のペナルティは、サーバ装置30(例えば、制御部303)内に保持される。
【0118】
ここで、ステップS25の処理が実行されると、第1ユーザ端末10に含まれる表示処理部103は、第1ユーザがゴルフゲーム(再戦)に勝利したことを示すリザルト画面(以下、再戦の勝利ユーザ画面と表記)を当該第1ユーザ端末10のディスプレイ15に表示する。
【0119】
図11は、再戦の勝利ユーザ画面の一例を示す。
図11においては、画面60aが表示された後に画面60bが表示されるような再戦の勝利ユーザ画面を想定している。
【0120】
画面60aにおいては、例えば第1ユーザが勝利ユーザであることを示す「WIN!」の文字が表示されるとともに、対戦結果が表形式で表示されている。なお、
図11においては、再戦に利用された2ホール目で第1ユーザが第2ユーザに勝利した場合を想定している。また、本実施形態においては、再戦が行われることによって、初戦の勝敗結果(つまり、初戦の報酬及び初戦のペナルティ)は破棄されている。このため、画面60aにおいて、対戦結果は、初戦の勝敗結果が破棄されていることが認識されるような態様で表示される。
【0121】
また、画面60aの後に表示される画面60bにおいては、上記したステップS25において通知された再戦の報酬が表示される。
図10においては、再戦の報酬として第1ユーザに付与されるランクポイントが80であることを示す「+80」及び当該第1ユーザに付与されるアイテムがゴルフクラブであることを示すアイコンが表示されている。なお、画面60aに表示されているアイコンは、上記した画面50bに表示されているアイコンによって示されるゴルフクラブよりも高いレベルのゴルフクラブを表している。
【0122】
また、再戦の勝利ユーザ画面には上記した初戦の勝利ユーザ画面に設けられている「再戦する」ボタン51及び「ホームへ」ボタン52に相当するボタン61及び62が設けられているが、既に再戦を終えた状態であるため、当該ボタン61は指定することができないように設定されている。なお、再戦の勝利ユーザ画面においては、ボタン61は省略されていてもよい。
【0123】
また、
図11は第1ユーザ端末10に表示される再戦の勝利ユーザ画面の一例を示しているが、ステップS26の処理が実行されると、第2ユーザ端末20に含まれる表示処理部103は、第2ユーザがゴルフゲーム(再戦)に敗北したことを示すリザルト画面(以下、再戦の敗北ユーザの画面と表記)を当該第2ユーザ端末20のディスプレイ15に表示する。
【0124】
なお、再戦の敗北ユーザ画面(図示せず)には、
図11に示す「WIN!」の文字の代わりに「LOSE」の文字が表示され、再戦の報酬の代わりに再戦のペナルティが表示されるが、その他は再戦の勝利ユーザ画面と概ね同様である。
【0125】
上記したステップS25及びS26の処理が実行されると、サーバ装置30に含まれるデータ管理部302は、サーバ装置30内に保持されている再戦の報酬及び再戦のペナルティに基づいて、格納部301に格納されている第1及び第2ユーザのユーザデータを更新する(ステップS27)。
【0126】
なお、ステップS27の処理は、上記した再戦の報酬及び再戦のペナルティをユーザデータに反映させる処理に相当する。具体的には、第1ユーザが再戦の勝利ユーザであり、再戦の報酬として当該勝利ユーザに付与されるランクポイントが80であり、当該勝利ユーザに付与されるアイテムが高いレベルのゴルフクラブである場合、データ管理部302は、格納部301に格納されている第1ユーザのユーザデータに含まれるランクポイントに80を加算し、当該ユーザデータに含まれるアイテムに当該高いレベルのゴルフクラブ(を示す情報)を追加する。また、第2ユーザが再戦の敗北ユーザであり、再戦のペナルティとして当該敗北ユーザが失うランクポイントが80である場合、データ管理部302は、格納部301に格納されている第2ユーザのユーザデータに含まれるランクポイントから80を減算する。
【0127】
なお、上記したランクポイントの加算及び減算によりユーザのランクに変動が生じる場合には、当該ユーザのユーザデータに含まれるランクも併せて更新される。
【0128】
なお、上記したステップS27の処理は、ステップS25及びS26の処理が実行された後に実行されればよいが、例えば第1ユーザのユーザデータの更新は第1ユーザ端末10においてホーム画面が表示された(例えば、再戦の勝利ユーザ画面に設けられている「ホームへ」ボタンが指定された)タイミングで実行され、第2ユーザのユーザデータの更新は第2ユーザ端末20においてホーム画面が表示された(例えば、再戦の敗北ユーザ画面に設けられている「ホームへ」ボタンが指定された)タイミングで実行されてもよい。すなわち、ユーザデータの更新は、所定のタイミングで実行されるように設定されていてもよい。
【0129】
ステップS27の処理が実行されると、サーバ装置30は、当該ステップS27において更新された第1ユーザのユーザデータを第1ユーザ端末10に送信する(ステップS28)。ステップS28においてサーバ装置30から送信された第1ユーザのユーザデータは、第1ユーザ端末10において受信され、当該第1ユーザ端末10に含まれる格納部104に格納される。第1ユーザは、このような第1ユーザのユーザデータに基づいて、当該第1ユーザのランク、ランクポイント及びアイテム等を確認することができる。
【0130】
同様に、サーバ装置30は、ステップS27において更新された第2ユーザのユーザデータを第2ユーザ端末20に送信する(ステップS29)。ステップS29においてサーバ装置30から送信された第2ユーザのユーザデータは、第2ユーザ端末20において受信され、当該第2ユーザ端末20に含まれる格納部104に格納される。第2ユーザは、このような第2ユーザのユーザデータに基づいて、当該第2ユーザのランク、ランクポイント及びアイテム等を確認することができる。
【0131】
なお、
図6に示す例では初戦が終了した後にステップS11の処理が実行されるものとして説明したが、当該ステップS11の処理は、初戦が行われることが決定された時点で(例えば、ステップS6及びS7の処理とステップS8の処理との間に)実行されてもよい。同様に、ステップS24の処理は、再戦が行われることが決定された時点で(例えば、ステップS18の処理の前後に)実行されてもよい。このような構成の場合には、第1及び第2ユーザは、再戦の報酬及びペナルティを参考にして再戦を行うか否かを判断することができる。
【0132】
また、
図6に示す例ではステップS18の処理がステップS14~S17の処理が実行された直後に実行されるものとして説明したが、当該ステップS18の処理(つまり、初戦の報酬及び初戦のペナルティ)は、再戦が行われる場合に実行されればよく、例えばステップS19及びS20の処理が実行された後の任意のタイミングで実行されてもよい。
【0133】
また、
図6に示す例では再戦が行われる場合について説明したが、当該再戦が行われない場合には、ステップS14以降の処理は実行されず、初戦の報酬及び初戦のペナルティは破棄されない(つまり、初戦の報酬及び初戦のペナルティが確定する)。この場合には、初戦の報酬を初戦の勝利ユーザのユーザデータに反映し、初戦のペナルティを初戦の敗北ユーザのユーザデータに反映する処理(つまり、初戦の報酬及び初戦のペナルティに基づいてユーザデータを更新する処理)が実行されればよい。この処理はステップS27の処理と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0134】
上記したように本実施形態においては、初戦(第1対戦)を行うことが可能なゲームプレイ環境(第1ゲームプレイ環境)が提供され、初戦の後に再戦(第2対戦)行うことが可能なゲームプレイ環境(第2ゲームプレイ環境)が提供される。本実施形態においては、初戦が行われる際に、初戦の報酬(初戦に勝利した場合の第1報酬)及び初戦のペナルティ(初戦に敗北した場合の第1ペナルティ)が決定されるが、第2対戦が行われる際に、初戦の報酬及び初戦のペナルティが破棄され、再戦の報酬(再戦に勝利した場合の第2報酬)として初戦の報酬よりもよい(有利な)報酬が決定され、再戦のペナルティ(再戦に敗北した場合の第2ペナルティ)として初戦のペナルティよりも重い(不利な)ペナルティが決定される。
【0135】
なお、本実施形態においては、例えばPvP(Player versus Player)形式で第1及び第2ユーザが初戦及び再戦を行う(つまり、初戦及び再戦において対戦相手は変更されない)場合を想定している。また、上記した再戦が行われない場合には、初戦の報酬及び初戦のペナルティが第1及び第2ユーザのユーザデータ(第1及び第2ユーザのアカウントを管理するためのユーザデータ)に反映され、再戦が行われる場合には、再戦の報酬及び再戦のペナルティが第1及び第2ユーザのユーザデータに反映される。
【0136】
本実施形態においては、上記した構成により、ゴルフゲームのような対戦を行う対戦ゲームの興趣性を向上させることが可能となる。
【0137】
具体的には、本実施形態の比較例として単に初戦の報酬よりもよい報酬を再戦の勝利ユーザに付与するような構成が考えられるが、このような構成では初戦の勝利ユーザは初戦の報酬を得ることが確定しているため、当該勝利ユーザにとっては再戦における緊張感に欠ける。また、初戦の敗北ユーザにおいても仮に再戦に敗北したとしても失うものがないため、当該敗北ユーザにとっても再戦における緊張感に欠ける。
【0138】
これに対して、本実施形態においては、例えばよりよい報酬を得るために再戦を行う場合には初戦の勝敗結果(初戦の報酬)が破棄されるため、初戦の勝利ユーザであっても当該報酬を得るためには必ず勝利しなければならないと考える。また、再戦はよりよい報酬を得ることができるチャンスであるが、当該再戦においては敗北した際のペナルティが重くなるため、初戦の敗北ユーザも再戦で敗北することができないと考える。このため、本実施形態においては、初戦の勝利ユーザであっても初戦の敗北ユーザであっても再戦における緊張感が高まり、対戦ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0139】
なお、本実施形態においては例えば対戦ゲームがゴルフゲームである場合について説明したが、当該対戦ゲームがよりバトル要素が強いものである場合には、本実施形態においてハイリスクハイリターンな再戦(つまり、よりよい報酬が付与され、より重いペナルティが課される再戦)を実現することにより、よりバトルを煽り、興趣性を更に向上させることができると考えられる。更に、実際には初戦の報酬及び初戦のペナルティは破棄される構成であるが、再戦を行う際に初戦の勝利ユーザから報酬を奪うような演出を組み込むことにより、更にバトル要素をアップさせることができる可能性がある。
【0140】
また、対戦ゲームにおいては、対戦を有利に進めることを支援するスキルが用意されているものがある。例えば対戦ゲームがゴルフゲームである場合には、飛距離を伸ばす、風の影響を受けない、または指定したポイントにボールを打つことができるといったスキルが考えられる。このようなスキルは例えば使用回数に制限がある場合が多いため、本実施形態においては、再戦の有無を考慮しながら、このようなスキルを初戦で使用するのか再戦まで使用しないのかといった駆け引きを行うことができ、より対戦ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0141】
なお、本実施形態においては、上記した
図6において説明したように第1及び第2ユーザの両方が再戦への参加を指示した(つまり、再戦を第1及び第2ユーザが互いに承諾した)場合に再戦が行われる。このような構成によれば、第1及び第2ユーザの少なくとも一方の意に反して再戦が行われる(つまり、初戦の報酬が破棄されるまたは再戦のペナルティが課される)ような事態を回避することが可能となる。
【0142】
ただし、本実施形態においては、第1及び第2ユーザの対戦ゲームのプレイ時間を十分に確保するために再戦が行われる(つまり、第1及び第2ユーザを再戦に参加させる)ことが好ましい。この点に関して、初戦の勝利ユーザは、一度勝利した相手(初戦の敗北ユーザ)にもう一度勝利すればよりよい報酬を得ることができることから、再戦に積極的に参加することが考えられる。一方、敗北ユーザは、初戦で報酬が付与されない状態から、再戦においてよりよい報酬が付与されるチャンスを得ることができるため、再戦に参加する意欲が向上することが考えられる。すなわち、本実施形態は、初戦の勝利ユーザに対しても初戦の敗北ユーザに対しても再戦への参加を促す構成であるといえる。
【0143】
また、本実施形態においては、例えば初戦に相当する通常の対戦を2回繰り返して得ることができる報酬(つまり、初戦の報酬の2倍)よりも価値のある報酬を再戦の報酬とすることにより、同じ時間を要する対戦であっても通常の対戦を2回繰り返すよりも再戦を行う方がよりよい報酬を得ることができるため、時間効率の観点からも当該再戦への参加を促すことができる。
【0144】
更に、上記したように対戦ゲームがゴルフゲームである場合、初戦及び再戦はそれぞれ異なるホールで行われる。また、再戦における他の対戦条件(例えば、風の向き及び強さ等)も初戦と異なるようにしてもよい。すなわち、本実施形態においては、同じゲームプレイ環境(対戦条件等)であれば初戦と同じように敗北する可能性が高い場合であっても、再戦を行うゲームプレイ環境の少なくとも一部を初戦と異なるようにすることにより、再戦においては勝利する場合がある(番狂わせが生じやすい)と初戦の敗北ユーザが考えるようにすることができ、当該初戦の敗北ユーザの再戦への参加を促すことができる。
【0145】
本実施形態においては対戦ゲームがゴルフゲームである場合について主に説明したが、キャラクタ同士がバトル(戦闘)を行うような対戦ゲームである場合には、上記した対戦条件として、再戦において当該キャラクタの属性を変更するような構成としても構わない。
【0146】
更に、対戦結果が技量のみで決まらず、運に大きく左右されるような対戦ゲームに本実施形態が適用される場合には、初戦の敗北ユーザの再戦への参加率が更に向上する可能性がある。
【0147】
なお、初戦の敗北ユーザは初戦で敗北しているため、再戦では初戦よりもペナルティが重くなることを懸念して、再戦への参加を躊躇する可能性がある。このような場合には、例えば勝利することができるユーザが敢えて初戦に敗北し、対戦相手のユーザを再戦に参加させるようにした上で、当該再戦に勝利するといった戦略を考えて対戦ゲームをプレイすることができるため、より興趣性を向上させることができる。
【0148】
更に、本実施形態においては初戦のペナルティがあることによってユーザが初戦への参加を躊躇する可能性を考慮して、初戦のペナルティは省略するような構成としても構わない。このような構成であっても、本実施形態の再戦において初戦よりも重いペナルティが課される構成に包含されるものとする。
【0149】
なお、本実施形態においては第1及び第2ユーザの両方が再戦への参加を指示した場合に再戦が行われるものとして説明したが、例えば第1及び第2ユーザのうちの一方(勝利ユーザまたは敗北ユーザ)の指示に応じて再戦が行われる構成としてもよい。
【0150】
更に、再戦を行うか否かは、初戦の結果(対戦結果)に応じて自動的に決定されてもよい。具体的には、例えば対戦ゲームがゴルフゲームである場合には、初戦の第1及び第2ユーザの打数の差が予め定められた値未満である場合(以下、打数が僅差である場合と表記)に自動的に再戦が行われ、当該打数の差が予め定めされた値以上である場合(以下、打数が大差である場合と表記)には再戦が行われない構成としてもよい。一方、初戦の第1及び第2ユーザの打数が僅差である場合には再戦が行われず、当該打数が大差である場合に自動的に再戦が行われる構成としてもよい。これによれば、再戦を行うまたは行わないために打数を調整するといった戦略が必要となり、興趣性が向上すると考えられる。なお、再戦を行うか否かが初戦の結果に応じて自動的に決定される構成の場合には、上記した初戦の勝利ユーザ画面及び初戦の敗北ユーザ画面に設けられていた「再戦」ボタンは省略されてもよい。
【0151】
ここでは、初戦の結果に応じて再戦が行われるか否かが自動的に決定されるものとして説明したが、当該初戦の結果に応じて第1及び第2ユーザが再戦への参加を指示することができる(つまり、対戦結果によっては再戦を指示することができない)ようにしてもよい。
【0152】
すなわち、本実施形態においては、前の対戦(初戦)の分岐を受けて、新たな対戦(再戦)を行うか否かを決定する構成であればよい。
【0153】
また、本実施形態においては例えば再戦報酬テーブルからランダムに選択された報酬IDに基づいて再戦の報酬が決定されるものとして説明したが、当該再戦の報酬は、例えば初戦の結果に基づいて決定されるようにしてもよい。具体的には、例えば初戦の第1及び第2ユーザの打数が僅差である場合には、再戦の報酬を本実施形態において説明した報酬よりも更によい報酬としてもよい。この場合、例えば初戦の打数が僅差である場合の再戦報酬テーブル(以下、第1再戦報酬テーブルと表記)及び初戦の打数が大差である場合の再戦報酬テーブル(以下、第2再戦報酬テーブルと表記)が予め用意されており、当該初戦の結果に応じたテーブルを参照して再戦の報酬を決定するような構成とすることができる。なお、第1再戦報酬テーブルに保持されている報酬IDによって識別される報酬は、第2再戦報酬テーブルに保持されている報酬IDによって識別される報酬よりも量が多いまたは質が高いものとする。ここでは再戦の報酬について説明したが、例えば再戦のペナルティについても同様に初戦の結果に基づいて決定される(例えば、初戦の第1及び第2ユーザの打数が僅差である場合には、再戦のペナルティを本実施形態において説明したペナルティよりも更に重いペナルティとする)ようにしてもよい。
【0154】
更に、本実施形態においては、初戦が行われる際に4つのホール分のゲームプレイ環境を提供するためのゲームデータが第1ユーザ端末10及び第2ユーザ端末20にダウンロードされ、再戦を行うためのゲームプレイ環境は当該ゲームデータを利用して提供される。このような構成によれば、再戦を行うために再度ゲームデータをダウンロードすること(つまり、ローディング)が不要であり、当該再戦をスムーズに行うことが可能となる。すなわち、本実施形態は、ゲーム進行における時間効率の向上に寄与することも可能である。
【0155】
なお、例えば1ホール目、2ホール目及び3ホール目の第1及び第2ユーザの打数が同じであり、4ホール目(つまり、ニアピン対決)で初戦の勝利ユーザ及び敗北ユーザが決定された場合には、ゲームデータの再ダウンロードを避けるために再戦を行わないようにするものとする。ただし、本実施形態は4ホール目で初戦の勝利ユーザ及び敗北ユーザが決定された場合であっても再戦を行う構成であってもよく、この場合には、当該再戦を行うことが可能なゲームプレイ環境を提供するためのゲームデータを再度ダウンロードすればよい。また、4ホール目で初戦の勝利ユーザ及び敗北ユーザが決定された後にゲームデータを再ダウンロードすることなく再戦を行う場合には、初戦の1~4ホール目のうちの1つのホールを利用して再戦を行うようにしてもよい。
【0156】
なお、本実施形態においてはPvP形式でユーザ同士が対戦を行うものとして主に説明したが、本実施形態は、ユーザの対戦相手(例えば、第2ユーザ)がNPC(Non Player Character)であるようなゲームプレイ環境を提供するような構成であってもよい。更に、本実施形態においては同じユーザ同士(第1及び第2ユーザ)で初戦及び再戦を行うものとして説明したが、本実施形態は、例えば初戦を第1ユーザと第2ユーザとで行い、再戦を第1ユーザ(または第2ユーザ)と他のユーザ(例えば、第3ユーザ)とで行うような構成とすることも可能である。
【0157】
更に、本実施形態においては対戦ゲームの一例としてゴルフゲームについて説明したが、本実施形態を適用することが可能な対戦ゲームは、ゴルフゲームに限られない。また、本実施形態においては上記したように延長戦を考慮してゲームデータをダウンロードしておく構成を採用するところ、本実施形態における対戦ゲームは、対戦結果がドローとなる可能性がある対戦ゲームに適用することが有用であると考えられるが、他の対戦ゲームであってもよい。また、本実施形態は、1対1で対戦を行う対戦ゲームに限られず、例えば複数対複数で対戦を行う対戦ゲーム等に適用することも可能である。
【0158】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0159】
1…ゲームシステム、10…第1ユーザ端末、11…不揮発性メモリ、12…CPU、13…メインメモリ、13A…ゲームプログラム、14…無線通信デバイス、15…ディスプレイ、16…タッチパネル、20…第2ユーザ端末、30…サーバ装置、31…不揮発性メモリ、32…CPU、33…メインメモリ、33A…ゲームプログラム、34…無線通信デバイス、40…ネットワーク、101…操作受付部、102…制御部、103…表示処理部、104…格納部、301…格納部、302…データ管理部、303…制御部。