(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021313
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124053
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 暁美
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA31
2C088AA42
2C088AA54
2C088EA10
2C088EB48
(57)【要約】
【課題】遊技者の操作により当該遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行えるようにする。
【解決手段】遊技機1において、第1変動テーブルに格納された変動パターンを、第2変動テーブルに格納された変動パターンと比較して特別図柄の変動時間が短くなるように記憶し、第1変動テーブル又は第2変動テーブルのうち遊技状態に対応する変動テーブルから変動パターンを決定し、遊技者の操作に基づいて第1通常状態から第2通常状態又は第2通常状態から第1通常状態へ切替可能とした。遊技者の操作により変動時間の異なる特別図柄の変動テーブルを切替え、遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入賞に基づく大当り抽選を実行可能な遊技状態として第1通常状態と第2通常状態とを発生可能な遊技機において、
前記大当り抽選の結果を特別図柄の変動により表示する変動表示手段と、
前記特別図柄の変動パターンを複数格納した変動テーブルを記憶する変動テーブル記憶手段と、
前記大当り抽選の結果に基づき前記特別図柄の変動パターンを決定する図柄変動パターン決定手段と、
前記遊技状態を切替可能な状態切替手段と、を備え、
前記変動表示手段は、前記図柄変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて前記特別図柄の変動を表示し、
前記変動テーブル記憶手段は、前記第1通常状態における変動パターンを格納した第1変動テーブルと前記第2通常状態における変動パターンを格納した第2変動テーブルとを記憶し、更に当該第1変動テーブルに格納された変動パターンは前記第2変動テーブルに格納された変動パターンと比較して前記特別図柄の変動時間が短くなるように記憶され、
前記図柄変動パターン決定手段は、前記第1変動テーブル又は前記第2変動テーブルのうち前記遊技状態に対応する変動テーブルから前記変動パターンを決定し、
前記状態切替手段は、遊技者の操作に基づいて前記第1通常状態から第2通常状態又は前記第2通常状態から第1通常状態へ切替可能である遊技機。
【請求項2】
前記遊技機は、入賞により普通図柄の抽選を行う普通図柄始動口を備え、
前記状態切替手段は、前記遊技者の操作として前記普通図柄始動口に入賞させることに基づいて前記第2通常状態から第1通常状態へ切替可能である請求項1に記載した遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、通常状態や高確率状態といった遊技機の内部状態に応じて特別図柄の変動である変動パターンを切替える遊技機について開示されている。又、特許文献2には、遊技者の好みに合わせて予告演出の出現を調節し、予告演出による遊技興趣の向上を図ることが可能な遊技機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-165901号公報
【特許文献2】特開2022-072393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技機の興趣向上のために、変動パターンを長くし変動パターンに応じた予告演出やリーチ演出を実行する遊技機も登場している。しかしながら、変動パターンを長くすることでリーチ演出が冗長になってしまい、遊技者によっては特許文献2のように予告演出やリーチ演出の出現を調節するが、出現を調節するだけでは飽き足らず特別図柄の変動をも省略したいと所望する遊技者も存在する。一方で、予告演出やリーチ演出を享受したいと所望する遊技者も存在するため、両者のニーズに応える必要がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者の操作により当該遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、始動口への入賞に基づく大当り抽選を実行可能な遊技状態として第1通常状態(例えば高速モード)と第2通常状態(例えば低速モード)とを発生可能な遊技機において、前記大当り抽選の結果を特別図柄の変動により表示する変動表示手段(例えば特図表示部14)と、前記特別図柄の変動パターンを複数格納した変動テーブルを記憶する変動テーブル記憶手段(例えば第1変動テーブル、第2変動テーブル)と、前記大当り抽選の結果に基づき前記特別図柄の変動パターンを決定する図柄変動パターン決定手段(例えば
図10におけるステップA4、A5)と、前記遊技状態を切替可能な状態切替手段(例えば
図11におけるステップA13、A15、A18、A20)と、を備え、前記変動表示手段は、前記図柄変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて前記特別図柄の変動を表示し、前記変動テーブル記憶手段は、前記第1通常状態における変動パターンを格納した第1変動テーブルと前記第2通常状態における変動パターンを格納した第2変動テーブルとを記憶し、更に当該第1変動テーブルに格納された変動パターンは前記第2変動テーブルに格納された変動パターンと比較して前記特別図柄の変動時間が短くなるように記憶され(例えば
図6の例示では平均「4.2秒」、
図7の例示では平均「31.9秒」)、前記図柄変動パターン決定手段は、前記第1変動テーブル又は前記第2変動テーブルのうち前記遊技状態に対応する変動テーブルから前記変動パターンを決定し(例えば現在の状態が内部時短状態であると判定すると(A3:YES)、
図7で説明した第2変動テーブルから変動パターンを決定し(A4)、現在の状態が内部時短状態でないと判定すると(A3:NO)、
図6で説明した第1変動テーブルから変動パターンを決定し(A5))、前記状態切替手段は、遊技者の操作に基づいて前記第1通常状態から第2通常状態又は前記第2通常状態から第1通常状態へ切替可能(例えば第1通常状態中に左打ちして時短図柄に当選させる、又は右打ちしてスルーに入賞させることで第2通常状態を終了させ、第1通常状態へ移行させる)である。
【0007】
このような構成によれば、遊技者の操作により変動時間の異なる特別図柄の変動テーブルを切替えることができ、遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。又、遊技状態に応じて変動時間が異なるように設定したので、短い変動時間で予告演出やリーチ演出を省略したい遊技者及び長い変動時間で予告演出やリーチ演出を享受したい遊技者の何れの要望にも応えることができる。これにより、遊技者の操作により当該遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における遊技場用管理システムの構成を示す概略図
【
図6】第1通常状態の変動テーブル(第1変動テーブル)を示す図
【
図7】第2通常状態の変動テーブル(第2変動テーブル)を示す図
【
図9】第2通常状態から第1通常状態への移行を示す図
【
図10】図柄変動パターン決定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を示し、遊技場内において、遊技機1、当該遊技機1に対応するカードユニット2及び遊技情報表示装置3(遊技状態特定手段、割合特定手段、出力手段、変動特定手段、単位変動時間算出手段、差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段に相当する)は、それぞれ2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機1における遊技状況を示す遊技情報を受信して遊技機1毎に遊技情報を管理する。遊技機1における遊技情報は、遊技機1側からカードユニット2及び中継装置4を順次経由して管理装置6に受信される。一方、管理装置6において管理される設定情報は、管理装置6側から中継装置4を経由してカードユニット2に受信される。遊技場内には、景品交換端末であるPOS(図示せず)や精算機(図示せず)等も設置されており、POSや精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0010】
POSは、カードユニット2にて発行された会員カードや一般カードといったICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている持玉やカード識別情報をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った持玉やカード識別情報に対応する貯玉等に基づいて景品交換処理を行う。一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。
【0011】
精算機は、ICカードが挿入されるカード挿入口を備えており、ICカードが挿入されると、その挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている入金残高をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に基づいて紙幣や硬貨の返却処理を行う。又、精算機は、紙幣が投入される紙幣投入口を備えており、紙幣が投入されると、その投入金額を、ICカードに記録されている入金残高に加算する残高加算処理を行う。
【0012】
管理装置6は、例えば遊技場内の事務室等に設置された管理手段であり、遊技場の管理者が操作するキーボード7と、モニタ8と、プリンタ(図示せず)等を備える。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御主体となる制御部は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。
図1では図示を省略しているが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0013】
遊技機1について以下に説明する。遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値が増減される。
【0014】
遊技機1は、カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射可能となり、遊技点数が「0」になった時点でパチンコ玉を発射不可能となる。遊技機1は、計数操作に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信して遊技点数を減算する。遊技機1は、情報表示操作に応じて各種の遊技データ(大当り回数、特図抽選回数等)を表示する。
【0015】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面9と、発射装置を構成する発射ハンドル10と、タッチパネル11a(
図3参照)を含む情報表示部11と、装飾ランプ12a,12bとを有する。盤面9には、液晶表示部13と、特図表示部14(変動表示手段に相当する)と、普図表示部15と、普図始動口16(普通図柄始動口に相当する)と、特
図1始動口17(ヘソ)と、特
図2始動口18と、大入賞口19と、開閉入賞装置20とが設けられている。
【0016】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)通常状態(第1通常状態及び第2状態に相当する)では左打ちを行い、ヘソへの入賞を目指す。第1通常状態は後述する高速モードであり、第2通常状態は後述する低速モードである。ヘソに入賞すると、特
図1での大当り抽選(特
図1抽選)を行う。大当り抽選1回をスタートと称する場合もある。特
図1抽選では1/239の確率で大当り抽選を行う。特
図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技を開始し(大当り状態へ移行し)、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19が開放する。特
図1では全て4Rとなる。尚、1Rの上限入賞数は10個である。大入賞口19に入賞すると、15点分の遊技点数が加算される。
【0017】
(2)特
図1での大当り遊技が終了すると、通常状態よりも普通図柄(普図)抽選の当選確率が向上する時短状態(特定状態)へ移行する。時短状態では右打ちを行い、スルー(普図始動口16)への入賞を目指す。普図始動口16に入賞すると、1/1の確率で普図抽選を行う。普図抽選に当選すると、特
図2始動口18に設けられる普通電動役物(電チュー)が開放し、特
図2始動口18に入賞させることが可能となる。特
図2始動口18に入賞すると、特
図2での大当り抽選(特
図2抽選)を行う。特
図2抽選では1/239の確率で大当り抽選を行い、1/2の確率で小当り抽選を行う。
【0018】
(3)特
図2抽選で大当りに当選すると、特
図1同様に大当り遊技を開始し、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19が開放する。特
図2では全て10Rとなる。特
図2抽選で小当りに当選すると、開閉入賞装置20が開放する。開閉入賞装置20の内部にはV入賞口(特定領域)が設けられており、V入賞口に入賞すると、大当り遊技を開始する。即ち、小当りを経由することで大当り遊技を行うことが可能となる。
【0019】
(4)小当り経由での大当りでは小当り当選時の特別図柄の種類に応じたR数だけ大入賞口19が開放し、20%の割合で10Rとなり、80%の割合で2Rとなる。特
図2当選による大当り遊技及び小当り経由の大当り遊技終了後は時短状態へ移行する。時短状態は何れの場合でも特
図2抽選が行われるまで所定回数継続し、特
図2抽選に5回連続して非当選の場合に通常状態へ移行する。
【0020】
(5)特
図1抽選において、時短図柄に当選すると、普図抽選に1回当選するまで継続する内部時短状態(第2通常状態に相当する)へ移行する。内部時短状態は時短状態の一種であるため1/1の確率で普図抽選に当選するが、遊技者に対して右打ちではなく左打ちを行うように指示する。遊技者が左打ちではなく右打ちを行った場合に、普図始動口16に入賞すると、普図抽選を行い、普図抽選に当選すると、内部時短状態から通常状態へ復帰する。尚、時短図柄の当選確率は1/50である。通常状態とは時短状態及び大当り状態を除く状態である。第1通常状態における普図抽選の当選確率は1/65536である。又、時短状態と大当り状態とに設定される状態を特別状態とする。
【0021】
遊技機1からは例えば以下の遊技信号が出力される。
セーフ信号=遊技者に付与される遊技点数であるセーフを特定可能な信号である。
アウト信号=発射されたパチンコ玉の数であるアウトを特定可能な信号である。
大当り信号=大当り状態を特定可能な信号である。
特別状態信号=大当り状態中及び時短状態中に出力される信号である。
スタート信号(図柄変動停止信号)=特
図1始動口17又は特
図2始動口18への入賞により変動する液晶表示部13における図柄変動を特定可能な信号である。
入賞信号(始動口入賞信号)=特
図1始動口17又は特
図2始動口18への入賞により出力される信号である。
【0022】
遊技機1の電気的な構成について
図3を参照して説明する。遊技機1は、主制御回路21と、送受信回路としてのI/F部22とを有する。主制御回路21は、CPU21a(状態切替手段に相当する)、ROM21b(変動テーブル記憶手段に相当する)、乱数発生部21c、乱数抽出部21d、変動パターン判定部21e(図柄変動パターン決定手段に相当する)、RAM21f、I/O21gを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ROM21bは、複数の図柄変動パターン(変動パターンに相当する)が格納された変動テーブルを記憶している。変動パターン判定部21eは、ROM21bに記憶されている複数の図柄変動パターンのうち何れを採用するかを、乱数抽出部21dにより抽出された乱数に応じて判定する。
【0023】
特
図1入賞センサ23は、特
図1始動口17に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路21へ出力する。主制御回路21は、特
図1入賞センサ23から検出信号を入力すると、特
図1での大当り抽選を行い、特
図1抽選で大当りに当選すると、大当り遊技を開始し、駆動信号を大入賞口ソレノイド29へ出力し、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19を開放する。
【0024】
特
図2入賞センサ24は、特
図2始動口18に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路21へ出力する。主制御回路21は、特
図2入賞センサ24から検出信号を入力すると、特
図2での大当り抽選を行い、特
図2抽選で大当りに当選すると、大当り遊技を開始し、駆動信号を大入賞口ソレノイド29へ出力し、特図の種類に応じたラウンド(R)だけ大入賞口19を開放し、特
図2抽選で小当りに当選すると、駆動信号を開閉装置ソレノイド30へ出力し、開閉入賞装置20を開放し、駆動信号をV入賞口ソレノイド31へ出力し、開閉入賞装置20のV入賞口を開放する。
【0025】
普図入賞センサ25は、普図始動口16に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路21へ出力する。主制御回路21は、普図入賞センサ25から検出信号を入力すると、1/1の確率で普図抽選を行い、普図抽選に当選すると、駆動信号を電チューソレノイド32へ出力し、電チューを開放する。
【0026】
大入賞センサ26は、大入賞口19に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路21へ出力する。主制御回路21は、大入賞センサ26から検出信号を入力すると、15点分の遊技点数を加算する。
【0027】
開閉装置入賞センサ27は、開閉入賞装置20のV入賞口に入賞した玉を検出し、玉が入賞する毎に検出信号を主制御回路21へ出力する。主制御回路21は、開閉装置入賞センサ27ら検出信号を入力すると、大当り遊技を開始する。
【0028】
電源回路部28は、外部からの供給電源を駆動電源として主制御回路21へ供給する。タッチパネル11aは、遊技者からのタッチ操作入力を検出し、検出信号を主制御回路21へ出力する。
【0029】
主制御回路21は、表示制御信号を特図表示部14へ出力し、特図表示部14の表示を制御する。主制御回路21は、表示制御信号を普図表示部15へ出力し、普図表示部15の表示を制御する。
【0030】
主制御回路21は、演出制御信号を演出制御部33へ出力する。演出制御部33は、主制御回路21から演出制御信号を入力すると、演出指示信号をアンプ34、装飾ランプ12a,12b及び表示制御部35(変動表示手段に相当する)へ出力し、大当り等に応じた演出音をスピーカ36から発生させたり演出内容を装飾ランプ12a,12bにより表示したりする。
【0031】
カードユニット2について以下に説明する。カードユニット2は、遊技機1の遊技状態やカードユニット2の状態(エラー状態等)を示す状態ランプ37と、紙幣が投入される紙幣挿入口38と、遊技者からの操作入力を受付けると共に各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部39と、貸出操作を行うための貸出釦40と、再遊技操作を行うための再遊技釦41と、返却操作を行うための返却釦42と、ICカードが挿入されるカード挿入口43等を有する。又、カードユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示せず)も有する。
【0032】
カードユニット2は、以下のように動作する。
(1)遊技機1から上記した各種の遊技信号を受信して集計及び記憶すると共に中継装置4を経由して管理装置6や遊技情報表示装置3へ送信する。遊技者の入金残高及び遊技点数も管理装置6へ送信する。管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。
【0033】
(2)紙幣が紙幣挿入口38に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。ICカードがカード挿入口43に挿入されると、カードIDに対応付けられた入金残高及び持点数を読み出して表示する。貸出釦40が操作されると、一定金額(例えば1000円)に対応する点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。再遊技釦41が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。持点数、遊技点数、全得点数(持点数と遊技点数との合計)を記憶して表示する。遊技機1からの得点加算情報及び得点減算情報を受信し、記憶している得点数を、その受信した得点加算情報及び得点減算情報に応じて更新し、得点数の更新に応じて得点数情報を中継装置4へ送信する。
【0034】
(3)入金残高及び持点数の少なくとも何れか一方が存在する状態で返却釦42が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、遊技機1側に残る。
(4)ICカードを最大10枚ストックしている。
【0035】
遊技情報表示装置3について以下に説明する。
図4に示すように、遊技情報表示装置3は、液晶表示部44と、ランプ部45と、遊技者が従業員を呼出すための呼出釦46と、液晶表示部44における表示画面の表示内容を切替えるための切替釦等を含む操作釦群47と、従業員が携帯するリモコン(図示せず)から送信されるリモコン信号を受光するリモコン受光部48とを有する。操作釦群47に代えて或いは加えて、液晶表示部44にタッチパネルを設け、遊技者のタッチ操作を受付ける構成としても良い。液晶表示部44は、メイン表示領域44aと、第1~第6サブ表示領域44b~44gとに区分可能であり、大当り回数やスタート回数等を区分して表示すると共に、スランプグラフやキャラクタ等の数字以外の様々な表示が可能であり、それらの表示内容や区分を変更して表示する等、多様な表示態様での表示が可能である。
【0036】
遊技情報表示装置3の電気的な構成について
図5を参照して説明する。遊技情報表示装置3は、主制御回路49と、送受信回路としてのI/F部50とを有する。主制御回路49は、CPU49a(遊技状態特定手段、割合特定手段、出力手段、変動特定手段、単位変動時間算出手段、差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段に相当する)、ROM49b、RAM49c、I/O49dを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。
【0037】
遊技情報表示装置3は、以下のように動作する。
(1)管理装置6から中継装置4を経由して各種の設定情報を受信すると共に遊技機1及びカードユニット2から中継装置4を経由して各種の遊技情報を受信し、その受信した設定情報及び遊技情報に基づいて各種の表示情報を作成して表示する。
【0038】
(2)遊技情報に基づいてスタート回数や大当り回数等の各種データを集計して表示したり、遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示したりする。遊技機1から出力される信号に基づいて図柄変動の開始及び停止のタイミングに基づいて単位図柄変動の時間を算出し、単位図柄変動の時間(単位変動時間に相当する)に基づいて遊技機1の遊技状態を特定し、その特定した遊技状態に応じた表示情報を表示する。
【0039】
従来の遊技機では、予告演出やリーチ演出の出現率をカスタムすることで遊技者の嗜好に応じた演出を行うことを可能にしていた。しかしながら、予告演出やリーチ演出の出現率をカスタムするだけでは図柄変動を省略することはできず、遊技者によっては冗長な図柄変動をも省略したいと所望する遊技者も存在する。時短図柄による内部時短状態を利用することで遊技状態の移行を遊技者により行えるようにし、遊技者の嗜好に応じた演出を可能にする必要がある。尚、規則上、一の遊技状態において遊技者の任意で図柄変動の時間を調整することは認められない。
【0040】
遊技機1において、通常状態では第1通常状態又は第2通常状態の何れかの遊技状態に設定され、当該遊技状態に応じて異なったゲーム性が設けられる。第1通常状態と第2通常状態とでは特
図1抽選の変動パターンがそれぞれ異なっており、変動パターンに応じた演出が実行される。第1通常状態から第2通常状態への移行及び第2通常状態から第1通常状態への移行は遊技者が任意に実行することができ、遊技者は自身の好みに応じた演出を享受することができる。
【0041】
特図抽選の結果は遊技機1の液晶表示部13で図柄変動(液晶演出)として表示され、変動パターンは特図の種類により変動時間毎に複数用意されている。変動パターンは、遊技状態に応じた変動テーブルに格納されている。
図6は、第1通常状態の変動テーブルである第1変動テーブルを示しており、第1変動テーブルには変動時間が比較的短い変動パターン(
図6の例示では平均「4.2秒」)が格納されている。第1通常状態では、第1変動テーブルから変動パターンが決定され、従来のような演出時間の長い液晶演出を行うことはなく短時間で図柄変動の結果を表示することができ、遊技者は新しい遊技性の遊技を行うことができる。
図7は、第2通常状態の変動テーブルである第2変動テーブルを示しており、第2変動テーブルには変動時間が比較的長い変動パターンパターン(
図7の例示では平均「31.9秒」)が格納されている。第2通常状態では、第2変動テーブルから変動パターンが決定され、遊技機1のコンテンツに応じた液晶演出を実行することができ、遊技者は従来の遊技機に近い遊技性で遊技を行うことができる。例えば左打ち時であっても、第1通常状態と第2通常状態とでは異なった変動テーブルを参照して変動パターンが決定される。このように第1変動テーブルに格納された変動パターンは第2変動テーブルに格納された変動パターンと比較して特別図柄の変動時間が短くなるように記憶されている。
【0042】
ゲームフローについて
図8及び
図9を参照して説明する。通常時において遊技者は左打ちでヘソへの入賞を目指す。通常時は第1通常状態又は第2通常状態の何れかに設定され、何れの状態であるかにより変動パターンが異なる。通常時は一度第2通常状態へ移行すると、遊技者による特定の操作が行われるまでは第2通常状態を維持し、第2通常状態から第1通常状態へ移行することはない。そのため、多くの遊技者は第2通常状態で遊技を行うことになる。第2通常状態では演出時間の長い液晶演出を行うので、液晶演出を省略したい遊技者には不満を抱かせる虞がある。そのため、そのような遊技者は右打ちしてスルーに入賞させることで第2通常状態を終了させ、第1通常状態へ移行させる。これにより、液晶演出を省略したい遊技者は第1通常状態で遊技可能となる。但し、第1通常状態であっても時短図柄に当選してしまうと第2通常状態へ移行してしまうが、その場合であっても再度右打ちを行うことで常に第1通常状態で遊技することが可能となる。第2通常状態で遊技を行いたい遊技者は第1通常状態中に左打ちして時短図柄に当選させることで、第2通常状態で遊技を行うことができる。第2通常状態へ移行した後は、右打ちすることなく左打ちを続けることで第2通常状態での遊技を続けることができる。液晶表示部13において第1通常状態又は第2通常状態の何れのモードに設定されているかを表示するようにしても良い。
【0043】
次に、上記した構成の作用について
図10から
図17を参照して説明する。遊技機1は図柄変動パターン決定処理及び状態切替処理を行う。遊技情報表示装置3は遊技状態特定処理を行う。以下、各処理について説明する。
【0044】
(1)図柄変動パターン決定処理(
図10参照)
遊技機1において、主制御回路21は、遊技に係る全体を制御するメイン処理(図示せず)から図柄変動パターン決定処理へ移行し、図柄変動パターン決定処理を開始すると、特
図1変動を開始し(A1)、現在の状態が通常状態であるか否かを判定する(A2)。主制御回路21は、現在の状態が通常状態であると判定すると(A2:YES)、現在の状態が内部時短状態(第2通常状態)であるか否かを判定する(A3)。主制御回路21は、現在の状態が内部時短状態であると判定すると(A3:YES)、
図7で説明した第2変動テーブルから変動パターンを決定し(A4)、図柄変動パターン決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。主制御回路21は、現在の状態が内部時短状態でないと判定すると(A3:NO)、
図6で説明した第1変動テーブルから変動パターンを決定し(A5)、図柄変動パターン決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。主制御回路21は、現在の状態が通常状態でないと判定すると(A2:NO)、時短状態に応じた変動パターンを決定し(A6)、図柄変動パターン決定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0045】
(2)状態切替処理(
図11参照)
主制御回路21は、メイン処理から図柄切替処理へ移行し、図柄切替処理を開始すると、現在の状態が通常状態であるか否かを判定する(A11)。主制御回路21は、現在の状態が通常状態であると判定すると(A11:YES)、現在の状態が第1通常状態(高速モード)であるか否かを判定する(A12)。主制御回路21は、現在の状態が第1通常状態であると判定すると(A12:YES)、第1通常状態を設定し(A13)、時短図柄に当選したか否かを判定する(A14)。主制御回路21は、時短図柄に当選していないと判定すると(A14:NO)、図柄切替処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0046】
主制御回路21は、時短図柄に当選したと判定すると(A14:YES)、第2通常状態(低速モード)を設定し(A15)、普通図柄に当選したか否かを判定する(A16)。主制御回路21は、普通図柄に当選していないと判定すると(A16:NO)、図柄切替処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0047】
主制御回路21は、現在の状態が通常状態でないと判定すると(A11:NO)、現在の状態が大当り状態であるか否かを判定する(A17)。主制御回路21は、現在の状態が大当り状態であると判定すると(A17:YES)、大当り状態を設定し(A18)、大当り状態を終了すると(A19)、時短状態を設定する(A20)。主制御回路21は、現在の状態が大当り状態でないと判定すると(A17:NO)、大当り状態を設定することなく、時短状態を設定する(A20)。主制御回路21は、時短状態を設定すると、大当り抽選の非当選が所定回数継続したか否かを判定する(A21)。主制御回路21は、大当り抽選の非当選が所定回数継続したと判定すると(A21:YES)、図柄切替処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0048】
(3)遊技状態特定処理(
図12参照)
遊技情報表示装置3において、主制御回路49は、遊技データの表示に係る全体を制御するメイン処理から遊技状態特定処理へ移行し、遊技状態特定処理を開始すると、図柄変動の開始タイミング及び停止のタイミングに基づいて単位図柄変動の時間を示す単位変動時間を算出し(B1)、その算出した単位変動時間に基づいて平均変動時間を算出し(B2)、その算出した平均変動時間が例えば「3秒~13秒」であるか否かを判定する(B3)。主制御回路49は、平均変動時間が「3秒~13秒」であると判定すると(B3:YES)、遊技機1の遊技状態が第1通常状態であることを特定し(B4)、遊技状態特定処理を終了し、メイン処理へ戻る。主制御回路49は、平均変動時間が「3秒~13秒」でないと判定すると(B3:NO)、遊技機1の遊技状態が第2通常状態であることを特定し(B5)、遊技状態特定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
【0049】
遊技情報表示装置3は、上記した遊技状態特定処理を行うことにより、
図13に示すように、遊技状態を特定する。遊技情報表示装置3は、例えば
図6で説明した通りに第1通常状態の平均変動時間が「4.2秒」であり、
図7で説明した通りに第2通常状態の平均変動時間が「31.9秒」であれば、所定期間としてスタート回数が50回に達する毎の平均変動時間が「3秒~13秒」であれば、遊技機1の遊技状態が第1通常状態であることを特定し、平均変動時間が「3秒~13秒」でなければ、遊技機1の遊技状態が第2通常状態であることを特定する。
図13では、所定期間としてスタート回数が50回に達する毎に遊技状態を特定しているが、スタート回数はどのように区分しても良く、スタート回数毎ではなく所定時間が経過する毎に特定しても良い。又、スタート1回毎に遊技状態を特定しても良い。
【0050】
遊技情報表示装置3は、
図14に示すように、遊技状態における各スタート回数を集計し、第1通常状態及び第2通常状態それぞれのスタート回数を、全体のスタート回数で除算した結果を割合として特定する。
図14では、第1通常状態のスタート回数を「総高速モードスタート回数」として例示し、第2通常状態のスタート回数を「総低速モードスタート回数」として例示している。
【0051】
遊技情報表示装置3は、
図15に示すように、このようにして特定した遊技データを液晶表示部44にて表示する。
図15で例示している表示情報は以下の通りである。
累計大当り回数=当日中に大当りした累計回数である。
初当り回数=通常状態において大当りした回数である。
只今スタート回数=営業開始時点からのスタート回数である。大当り終了毎にゼロリセットして加算を再開する。
累計スタート=営業開始時点からのスタート回数である。
総高速モードスタート回数=通常時において第1通常状態であると特定された期間における総スタート回数である。
総低速モードスタート回数=通常時において第2通常状態であると特定された期間における総スタート回数である。
通常時スタート回数=通常時(第1通常状態又は第2通常状態であると特定された期間)における総スタート回数である。
【0052】
通常時モード滞在割合=通常時における総スタート回数に対する総高速モードスタート回数及び総低速モードスタート回数の割合である。
図15では割合を円グラフにて表示する場合を例示しているが、割合を数値として表示しても良い。割合を円グラフにて表示する場合には、高速モードの領域(
図15の例示では「62%」の領域)と低速モードの領域(
図15の例示では「38%」の領域)とを識別表示する。この場合、遊技情報表示装置3は、識別表示として色や模様を異ならせても良い。更に、遊技情報表示装置3は、これらの表示情報を同一画面上にて表示することに限らず、別々の画面上にて表示しても良い。
【0053】
又、遊技情報表示装置3は、
図16に示すように、大当りの発生履歴である特賞履歴を過去所定回数前(
図16では7回前)まで棒グラフとして表示する。遊技情報表示装置3は、棒グラフを、大当り間スタート回数100回分を表す横長矩形上のブロックを積み重ねた態様で表示し、第1通常状態又は第2通常状態の何れであるかを特定可能に識別表示する。大当り間スタート回数は、直前の大当り状態又は特定状態が終了してから当該大当り状態が発生するまでに要した図柄変動の回数である。この場合、遊技情報表示装置3は、識別表示として色や模様を異ならせても良い。
【0054】
更に、遊技情報表示装置3は、大当り抽選に使用された遊技点数と入賞により付与された遊技点数との差を示す差遊技価値を算出し、
図17に示すように、その算出した差遊技価値を時間軸でプロットしてスランプグラフ(差遊技価値グラフに相当する)を表示する。遊技情報表示装置3は、スランプグラフを、第1通常状態又は第2通常状態の何れであるかを特定可能に識別表示する。この場合、遊技情報表示装置3は、識別表示として色や線種を異ならせても良い。
【0055】
以上に説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
第1変動テーブルに格納された変動パターンを、第2変動テーブルに格納された変動パターンと比較して特別図柄の変動時間が短くなるように記憶し、第1変動テーブル又は第2変動テーブルのうち遊技状態に対応する変動テーブルから変動パターンを決定し、遊技者の操作に基づいて第1通常状態から第2通常状態又は第2通常状態から第1通常状態へ切替可能とした。遊技者の操作により変動時間の異なる特別図柄の変動テーブルを切替えることができ、遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。又、遊技状態に応じて変動時間が異なるように設定したので、短い変動時間で予告演出やリーチ演出を省略したい遊技者及び長い変動時間で予告演出やリーチ演出を享受したい遊技者の何れの要望にも応えることができる。これにより、遊技者の操作により当該遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。
【0056】
遊技者の操作として普図始動口16に入賞させることに基づいて第2通常状態から第1通常状態へ切替可能とした。普図始動口16に入賞させることで変動時間の異なる特別図柄の変動テーブルを切替えることができ、遊技者の嗜好に応じた変動パターンで演出を行うことができる。
【0057】
遊技機1の遊技状態が第1通常状態又は第2通常状態の何れであるかを特定し、第1通常状態と特定された期間及び第2通常状態と特定された期間それぞれの割合を特定して表示するようにした。第1通常状態で遊技された期間及び第2通常状態で遊技された期間がどの程度であるかを把握することができ、遊技者が何れの遊技機1を選択すれば良いかを推測するのに役立てることができる。これにより、遊技者の機種選択を好適に行うことができる。
【0058】
変動時間に基づいて遊技状態を特定するようにした。遊技機1から遊技状態を示す信号が出力されていない場合であっても遊技状態を精度良く特定することができ、遊技者の機種選択を好適に行うことができる。
【0059】
大当りの発生履歴である特賞履歴を表示するようにした。特賞履歴上の棒グラフ上で何れの遊技状態で遊技されていたかを把握することができ、大当り抽選に連続して非当選が続く場合であっても入賞率が高い状態であったか否かを推測することができ、遊技者の機種選択を好適に行うことができる。
【0060】
大当り抽選に使用された遊技点数と入賞により付与された遊技点数との差の推移を示すスランプグラフを表示するようにした。スランプグラフ上で何れの遊技状態で遊技されていたかを把握することができ、差玉の減少が続く場合であっても入賞率が高い状態であったか否かを推測することができ、遊技者の機種選択を好適に行うことができる。
【0061】
本発明は、上記した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。
遊技状態を切替える遊技者の操作として普図始動口16に入賞させることで普図抽選を行うことを例示したが、遊技者による遊技機1の釦操作等を受付けることで遊技状態を切替えても良い。
【0062】
時短中に小当りを当選させることで大当りとなる遊技機1を例示したが、小当りを採用せずに大当り後に大当り確率が向上する所謂確変タイプの遊技機を対象としても良い。
玉の払出が行われない所謂封入式の遊技機1を例示したが、入賞により玉が払出される遊技機を対象としても良い。
【0063】
変動テーブルとして第1変動テーブルと第2変動テーブルとを例示したが、平均変動時間が更に異なる変動パターンが格納された第3変動テーブルを備えても良い。
【0064】
各変動テーブルに格納された変動パターンの組み合わせは例示した以外の組み合わせでも良く、変動パターンの個数や変動時間はどのようなものを採用しても良い。
【0065】
第1変動テーブルでは変動時間が短い変動パターンが格納されているが、格納される変動パターンを第2変動テーブルと同様にし、発生割合を変化させて平均変動時間が異なるようにしても良い。
第1通常状態時及び第2通常状態時では左打ちを行うように例示したが、第1通常状態時と第2通常状態時とで左打ちと右打ちを切替えるようにしても良い。
内部時短状態を第2通常状態としたが、内部時短状態を第1通常状態とし、内部時短状態でない通常状態を第2通常状態としても良い。
【0066】
遊技状態を特定する場合に、平均変動時間に基づいて遊技状態を特定することを例示したが、遊技状態を特定可能であればどのような構成でも良い。例えば第1通常状態又は第2通常状態であることを示す信号が出力されていれば、その信号に基づいて遊技状態を特定しても良い。
遊技状態を特定する際の平均変動時間は遊技機1の種類毎に異なっていても良く、予め遊技場の管理者により設定可能としても良い。
遊技情報表示装置3が行う処理の全て又は一部を中継装置4や管理装置6が行うようにしても良い。
遊技情報を表示する場合に、現在特定された遊技情報を表示するようにしても良い。
【0067】
遊技状態を特定する場合に、所定期間の平均変動時間を算術平均により特定しているが、遊技状態が特定可能であればどのような平均値を用いても良く、スタート回数毎に移動平均を用いて特定しても良い。
【0068】
特賞履歴とスランプグラフとを別々に表示することを例示したが、特賞履歴とスランプグラフとを同一画面上に表示する構成でも良い。又、それぞれの表示とその他の遊技情報を組み合わせて表示しても良い。
例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
【符号の説明】
【0069】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置(遊技状態特定手段、割合特定手段、出力手段、変動特定手段、単位変動時間算出手段、差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段)、14は特図表示部(変動表示手段)、16は普図始動口(普通図柄始動口)、21は主制御回路、21aはCPU(状態切替手段)、21bはROM(変動テーブル記憶手段)、21eは変動パターン判定部(図柄変動パターン決定手段)、35は表示制御部(変動表示手段)、49は主制御回路、49aはCPU(遊技状態特定手段、割合特定手段、出力手段、変動特定手段、単位変動時間算出手段、差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段)である。