(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002135
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231228BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101156
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】峯岸 寛典
(72)【発明者】
【氏名】平尾 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】中澤 友哉
(72)【発明者】
【氏名】湯前 理紗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】媒介中心性を向上させる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、計算部124と決定部125とを有する。計算部124は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する。決定部125は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する計算部と、
前記ユーザ間のつながりの強さを示す重みと前記計算部により計算された媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する決定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、媒介中心性の低いユーザから順番に、各ユーザが属するグループを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、グループに含まれるユーザの、ユーザ間のつながりの強さを示す重みの合計値が最小になるよう、各ユーザが属するグループを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、無作為に抽出したユーザから、各ユーザが属するグループを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザ間のつながりに関するデータを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する算出部と、
前記算出部により算出されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する重み更新部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、質問に対する回答データを取得することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、ウェアラブル端末からデータを取得することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する計算工程と、
前記ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する計算ステップと、
前記ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する決定ステップと
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内において、個人の生産性はコミュニケーションをとる相手の人数やコミュニケーションの時間の長さとは相関がなく、ネットワーク内での媒介中心性の高さに関係することが示されている(非特許文献1を参照)。
【0003】
ここで、媒介中心性とは、ネットワーク内において、対象を除く任意の2点をつなぐ最短経路に、対象が含まれる割合をいう。
【0004】
コミュニケーション支援技術として、3ユーザのコミュニケーションの構造(3ノード間の有向枝の出現パターン)の時間的変化を分析し、どの構造においてコミュニケーションが成立しやすいかを分析し、この分析結果に基づいて、コミュニケーションを取る可能性の高い2ユーザを発見する技術が存在する(例えば、特許技術文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「企業内コミュニケーション・ネットワークが生産性に及ぼす影響」経済研究Vol.69,No.1,Jan.2018 小特集:人事と組織の経済学のフロンティア(https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/29029/keizaikenkyu06901018.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、媒介中心性を向上させられない場合がある。例えば、将来的にコミュニケーションをとる可能性の高いユーザを発見することができても、媒介中心性の低いユーザに対して働きかけることはできない。このように、本発明が解決しようとする課題としては、媒介中心性を向上させられないという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る情報処理装置は、計算部と決定部とを有する。計算部は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する。決定部は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する。
【0009】
上記情報処理装置において、決定部は、媒介中心性の低いユーザから順番に、各ユーザが属するグループを決定してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、決定部は、グループに含まれるユーザの、ユーザ間のつながりの強さを示す重みの合計値が最小になるよう、各ユーザが属するグループを決定してもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、決定部は、無作為に抽出したユーザから、各ユーザが属するグループを決定してもよい。
【0012】
上記情報処理装置は、ユーザ間のつながりに関するデータを取得する取得部と、取得部により取得されたデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する算出部と、算出部により算出されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する重み更新部とをさらに有してもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、取得部は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、質問に対する回答データを取得してもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、取得部は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、ウェアラブル端末からデータを取得してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置の機能構成図の一例である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置による重み更新処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置による媒介中心性計算処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置による決定処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置による決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る情報処理装置の一例について、情報処理装置の構成、重み計算処理、媒介中心性計算処理、決定処理、フローチャートの順に図を参照して説明する。
【0017】
[情報処理装置の構成]
まず、
図1を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す図である。
図1が示すように、情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。なお、これらの各部は、複数の装置が分散して保持してもよい。以下にこれら各部の処理を説明する。
【0018】
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部装置と制御部120の通信を可能とする。例えば、通信部110は、外部装置と制御部120との通信を可能とする。
【0019】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部130は、重みDB131と、媒介中心性DB132と、ユーザDB133とを有する。以下、記憶部130が有する各部について説明する。
【0020】
重みDB131は、ユーザ間のつながりに関する情報を記憶する。重みDB131が記憶するユーザ間のつながりに関する情報には、ユーザID、相手のユーザID、ユーザ間のつながりの強さを示す重み、その他ユーザ間のつながりに関する情報が含まれる。
【0021】
例えば、重みDB131は、特定ユーザの、他のユーザに対する、つながりの強さを示す重みを数値化した情報を記憶する。具体的には、重みDB131は、「ユーザAの、ユーザBに対する、つながりの強さを示す重みは、2.0。」といった情報を記憶する。なお、上記の重みDB131が記憶する、ユーザ間のつながりに関する情報は例であり、重みDB131が記憶するユーザ間のつながりに関する情報は、上記に限定されない。
【0022】
媒介中心性DB132は、媒介中心性に関する情報を記憶する。媒介中心性DB132が記憶する媒介中心性に関する情報には、対象ネットワークID、対象ネットワークに含まれるユーザID、媒介中心性、媒介中心性の平均値、媒介中心性の分散、その他媒介中心性に関する情報が含まれる。
【0023】
例えば、媒介中心性DB132は、所定ネットワーク内の各ユーザの媒介中心性を数値化した情報を記憶する。具体的には、「媒介中心性DB132は、ネットワークAに含まれる社員Aの媒介中心性は、0.25。」といった情報を記憶する。なお、上記の媒介中心性DB132が記憶する媒介中心性に関する情報は例であり、媒介中心性DB132が記憶する媒介中心性に関する情報は、上記に限定されない。
【0024】
ユーザDB133は、ユーザに関する情報を記憶する。ユーザDB133が記憶するユーザに関する情報には、ユーザID、ユーザが属するネットワークID、ユーザが属するグループID、ユーザが過去に属していたグループID、その他ユーザに関する情報が含まれる。
【0025】
例えば、ユーザDB133は、所定ネットワークに属する所定のユーザが属するグループの情報を記憶する。具体的には、ユーザDB133は、「ネットワークAに属するユーザAは、グループAに属する。」といった情報を記憶する。なお、上記のユーザDB133が記憶するユーザに関する情報は例であり、ユーザDB133が記憶するユーザに関する情報は、上記に限定されない。
【0026】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やNP(Network Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現され、メモリに記憶された処理プログラムを実行する。
図1に示すように、制御部120は、取得部121と、算出部122と、重み更新部123と、計算部124と、決定部125とを有する。以下、制御部120が有する各部について説明する。
【0027】
取得部121は、ユーザ間のつながりに関するデータを取得する。例えば、取得部121は、質問に対するユーザの回答データを取得する。また、例えば、取得部121は、ウェアラブル端末からデータを取得する。
【0028】
算出部122は、取得部121により取得されたデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する。例えば、算出部122は、取得部121により取得されたデータの内容に応じて、特定のユーザの、相手ユーザに対する、つながりの強さを示す重みを算出する。具体的には、算出部122は、ユーザAとユーザBとの情報交換会(アクティビティ)後に行われた質問に対するユーザAの回答データの内容が「とても良かった」である場合、ユーザAの、ユーザBに対する、つながりの強さを示す重みは、3であると算出する。
【0029】
重み更新部123は、算出部122により算出されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する。例えば、重み更新部123は、算出部122により算出されたユーザ間のつながりの強さを示す重みを、既存のユーザ間のつながりの強さを示す重みに加えることにより、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する。具体的には、重み更新部123は、算出部122により、ユーザAのユーザBに対する、つながりの強さを示す重みは、3であると算出された場合、重みDB131に含まれる、既存の「ユーザAの、ユーザBに対する、つながりの強さを示す重み」に3を加えることによりユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する。
【0030】
計算部124は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する。例えば、計算部124は、重みDB131に記憶されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を算出する。より具体的には、計算部124は、重みDB131に記憶されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて作成されたネットワークにおいて、対象となるユーザを除いた任意の2点を結ぶ最短経路に、対象となるユーザが含まれる割合を計算することにより、対象となるユーザの媒介中心性を算出する。
【0031】
決定部125は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと、計算部124により算出された媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する。例えば、決定部125は、媒介中心性が低いユーザから順番に、各ユーザが属するグループを決定する。また、例えば、決定部125は、グループに含まれるユーザの、ユーザ間のつながりの強さを示す重みの合計値が最小になるよう、各ユーザが属するグループを決定する。なお、決定部125によるグループのユーザを決定する方法については、
図4(決定処理)で詳しく説明する。
【0032】
[重み更新処理]
次に、重み更新処理について
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置による重み更新処理の一例である。まず、(1)は、重みDB131に記憶されたユーザ間のつながりの強さに関する情報を示した表である。次に、(2)は、質問に対するユーザの回答データである。
【0033】
それから、(3)は、算出部122が、(2)の質問に対するユーザの回答データから、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する処理を表している。例えば、算出部122は、ユーザBからユーザCへと向かう、つながりの強さを示す重みが1であり、反対にユーザCからユーザBへと向かう、つながりの強さを示す重みが3である場合、(1+3)÷2=2のように計算を行うことにより、データからユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する。
【0034】
それから、(4)は、算出部122により、質問に対する回答データから算出された、特定ユーザの、相手ユーザに対する、つながりの強さを示す重みを表したイラストである。そして、重み更新部123は、質問に対する回答データから算出された、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを、重みDB131に記憶されている、ユーザ間のつながりに関する情報(1)に加算することにより、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する(5)。
【0035】
[媒介中心性計算処理]
次に、媒介中心性計算処理について
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置による媒介中心性計算処理の一例である。まず、(1)は、重みDB131が記憶するユーザ間のつながりの強さを示す重みを表にしたものである。
【0036】
そして、(2)は、ユーザ同士を線で繋ぎ、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを線の太さで、媒介中心性の大きさを円の大きさとして示したネットワークである。まず、計算部124は、(1)の表内で数値が0でないユーザ同士を線でつないだネットワークを作る。そして、計算部124は、当該ネットワーク内で媒介される割合を数値で示した、媒介中心性を算出する。具体的には、計算部124は、対象ユーザを除いた任意の2点を結ぶ最短経路に、対象ユーザが含まれる割合を計算することにより、対象ユーザの媒介中心性を算出する。
【0037】
[決定処理]
次に、決定処理について
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置による決定処理を説明するための図である。まず、(1)は、ユーザ全員からなる集団である。決定部125は、(1)の集団から、所定の条件によりユーザを抽出する。例えば、決定部125は、(1)の集団から、媒介中心性下位25%のユーザを抽出する。また、例えば、決定部125は、(1)の集団から、無作為にユーザを抽出してもよい。
【0038】
次に、(2)は、決定部125により、(1)の集団から抽出されたユーザである。他方、(3)は、決定部125により、(1)の集団から抽出されなかったユーザである。それから、決定部125は、(3)のユーザを無作為に所定数の仮グループに分ける(4)。それから、決定部125は、抽出された(2)のユーザのうち、媒介中心性が低いユーザから順番にグループを決定する(5)。
【0039】
そして、決定部125は、グループに含まれる、ユーザ間のつながりの強さを示す重みの合計が最小となるように、抽出されたユーザのうち媒介中心性が低いユーザ(5)と、抽出されなかったユーザを無作為に分割した仮グループ(4)とを組み合わせることによりグループを決定する。
【0040】
[フローチャート]
次に、上述した構成の情報処理装置100による決定処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置による決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0041】
まず、取得部121は、ユーザ間のつながりに関するデータを取得する(ステップS11)。例えば、取得部121は、質問に対する回答を取得する。また、例えば、取得部121は、ウェアラブル端末からデータを取得する。
【0042】
次に、算出部122は、取得部121により取得されたデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する(ステップS12)。例えば、算出部122は、質問に対するユーザの回答データから、特定のユーザの、相手のユーザに対する、つながりの強さを示す重みを算出する。
【0043】
それから、計算部124は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を算出する(ステップS13)。例えば、計算部124は、質問に対する回答データにより算出された、ユーザ間のつながりを示す重みに基づいて、媒介中心性を算出する。また、例えば、計算部124は、重みDB131に記憶されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を算出する。
【0044】
それから、決定部125は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと、計算部124により計算された媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する(ステップS14)。例えば、決定部125は、計算部124により算出された媒介中心性が所定値以下のユーザを抽出し、グループ内のユーザ間のつながりの強さを示す重みが最小になるようにグループのユーザを決定する。
【0045】
それから、決定部125により決定されたグループのユーザは、アクティビティを行う(ステップS15)。例えば、決定部125により決定されたグループのユーザは、同じグループ内の他ユーザと情報交換会などの活動を行う。
【0046】
それから、算出部122は、取得部121により、アクティビティ後のユーザから取得された、つながりに関するデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出することで、アクティビティの評価を行う(ステップS16)。例えば、算出部122は、取得部121により取得された、アンケートに対する結果などのつながりに関するデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出することで、アクティビティの評価を行う。
【0047】
そして、重み更新部123は、算出部122により算出された、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する(ステップS17)。例えば、重み更新部123は、算出部122により算出された、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを、重みDB131に記憶された既存のユーザ間のつながりの強さを示す重みに加えることにより、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する。
【0048】
[効果]
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、計算部124と決定部125とを有する。計算部124は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、媒介中心性を計算する。決定部125は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とに基づいて、各ユーザが属するグループを決定する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みと媒介中心性とを用いて、グループを決定することで、ユーザの媒介中心性を高めることができる。つまり、実施形態に係る情報処理装置100は、媒介中心性の低いユーザに対し働きかけ、新たなつながりを作ることができる。
【0049】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、決定部125は、媒介中心性の低いユーザから順番に、各ユーザが属するグループを決定する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、媒介中心性の低いユーザに対して直接的に働きかけ、媒介中心性を高めることができる。
【0050】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、決定部125は、グループに含まれるユーザの、ユーザ間のつながりの強さを示す重みの合計値が最小になるよう、各ユーザが属するグループを決定する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、他のユーザとつながりの少ないユーザ同士の交流機会を増やし、媒介中心性を高めることができる。
【0051】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、決定部125は、無作為に抽出したユーザから、各ユーザが属するグループを決定する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、特定のユーザのみが抽出されることを防ぎ、媒介中心性を高めることができる。
【0052】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザ間のつながりに関するデータを取得する取得部121と、取得部121により取得されたデータに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出する算出部122と、算出部122により算出されたユーザ間のつながりの強さを示す重みに基づいて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新する重み更新部123とをさらに有する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを更新することで、時間的要素を含めてユーザ間のつながりの強さを評価し、媒介中心性を高めることができる。
【0053】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部121は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、質問に対する回答データを取得する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、質問に対する回答データを用いて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出し、媒介中心性を高めることができる。
【0054】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部121は、ユーザ間のつながりに関するデータとして、ウェアラブル端末からデータを取得する。これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、生体情報を用いて、ユーザ間のつながりの強さを示す重みを算出し、媒介中心性を高めることができる。
【0055】
[ハードウェア構成]
図6は、ハードウェア構成例を説明する図である。
図6に示すように、情報処理装置100は、通信装置100a、HDD(Hard Disk Drive)100b、メモリ100c、プロセッサ100dを有する。また、
図6に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0056】
通信装置100aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の装置との通信を行う。HDD100bは、
図1に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0057】
プロセッサ100dは、
図1に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD100b等から読み出してメモリ100cに展開することで、
図1等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、情報処理装置100を例にして説明すると、このプロセスは、情報処理装置100が有する各処理部と同様の機能を実行する。
【0058】
このように、情報処理装置100は、プログラムを読み出して実行することで各種情報処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、情報処理装置100は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、情報処理装置100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、上記実施形態が同様に適用されてもよい。
【0059】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
【0060】
[その他]
ここまで、本発明に係る実施形態の一例について説明をしたが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。すなわち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の情報処理装置を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
100 情報処理装置
110 通信部
120 制御部
121 取得部
122 算出部
123 重み更新部
124 計算部
125 決定部
130 記憶部
131 重みDB
132 媒介中心性DB
133 ユーザDB