(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021378
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240208BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124167
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】506201518
【氏名又は名称】ALL DIFFERENT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】眞▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏志
(72)【発明者】
【氏名】土屋 典子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 佳純
(72)【発明者】
【氏名】青山 結
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 光輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】講師又はその候補について、複数のテーマの中の特定のテーマの研修の講師としての適性を判断することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバと、複数の講師候補者端末とが、インターネット等の所定のネットワークを介して相互に接続される情報処理システムにおいて、サーバ10は、講師候補情報取得部121と登壇可否判断部122を備える。講師候補情報取得部121は、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師の情報として、当該講師により作成されたストーリーシート及び当該講師の実演の様子を示す実演ビデオを取得する。登壇可否判断部122は、ストーリーシート及び実演ビデオに基づいて1以上のテーマのうち特定テーマの講師として講師が登壇可能か否かを判断する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート及び前記1以上のテーマのうち特定テーマの模擬研修での当該講師候補の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得手段と、
前記特定テーマの研修の講師として前記講師候補が登壇可能か否かを、前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて判断する登壇可否判断手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記登壇可否判断手段は、
前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、当該研修の内容及び表現について、夫々の所定基準への達成度を測定する基準達成測定手段と、
前記特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した指標として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目について前記所定基準との関係性で示される指標を取得する指標取得手段と、
前記基準達成測定手段による測定結果、及び前記指標に基づいて、前記講師候補が前記特定テーマの講師として登壇可能か否かを決定する登壇可否決定手段と、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定基準は、前記特定テーマの講師として最低限必要な第1基準と、当該講師に求められる第2基準とを有し、
前記指標は、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち、全ての項目が前記第1基準に達成しており、所定個数以上の項目が前記第2基準に達成している場合、前記特定テーマの講師として登壇可能と判断するものである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、前記1以上のテーマのうち特定テーマの研修で当該講師が受講者へ伝える内容が当該講師により書き込まれたストーリーシート及び前記特定テーマの模擬研修での当該講師の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得手段と、
前記特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した指標として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての所定基準を取得する基準取得手段と、
前記ストーリーシート、前記実演データ及び前記基準に基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、当該研修の内容及び表現について、夫々の前記所定基準に対する達成度を測定する基準達成測定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
1以上のテーマの受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート、及び、当該講師候補の実演の様子を示す実演データを取得する候補情報取得ステップと、
前記1以上のテーマのうち特定テーマの講師として前記講師候補が登壇可能か否かを、前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて判断する登壇可否判断ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、前記1以上のテーマのうち特定テーマの研修で当該講師が受講者へ伝える内容が当該講師により書き込まれたストーリーシート及び前記特定テーマの模擬研修での当該講師の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得ステップと、
前記特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した指標として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての所定基準を取得する基準取得ステップと、
前記ストーリーシート、前記実演データ及び前記基準に基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、当該研修の内容及び表現について、夫々の前記所定基準に対する達成度を測定する基準達成測定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
1以上のテーマの受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート、及び、当該講師候補の実演の様子を示す実演データを取得する候補情報取得ステップと、
前記1以上のテーマのうち特定テーマの講師として前記講師候補が登壇可能か否かを、前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて判断する登壇可否判断ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、前記1以上のテーマのうち特定テーマの研修で当該講師が受講者へ伝える内容が当該講師により書き込まれたストーリーシート及び前記特定テーマの模擬研修での当該講師の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得ステップと、
前記特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した指標として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての所定基準を取得する基準取得ステップと、
前記ストーリーシート、前記実演データ及び前記基準に基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、当該研修の内容及び表現について、夫々の前記所定基準に対する達成度を測定する基準達成測定ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの技能(スキル)を診断し、診断結果に基づく人材育成の支援を図る人材育成支援システムは存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の人材育成支援システムは、スキルを伸ばしたい受講者に対するものであり、複数の研修テーマの中から受講者に研修を行う講師を育成するものではなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、講師又はその候補について、複数のテーマの中の特定のテーマの研修の講師として登壇できる可能性を見い出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態である情報処理装置は、
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、当該講師により作成されたストーリーシート、及び、当該講師の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得手段と、
前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて前記1以上のテーマのうち特定テーマの講師として前記講師が登壇可能か否かを判断する登壇可否判断手段と、
を備える。
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、講師又はその候補について、複数のテーマの中の特定のテーマの研修の講師として登壇できる可能性を見い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態のサーバを含む情報処理システムの全体構成を示している。
【
図2】
図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2のハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】ビジネススキルの評価指標と対応付けた個々のユーザのスキルの評価結果の一例を示す図である。
【
図5】
図2、
図3のサーバに格納されている対象のテーマの講師として最低限必要な第1基準(閾値)と、テーマの講師に求められる第2基準(閾値)とが設定された基準表の一例を示す図である。
【
図6】
図2、
図3のサーバに格納されているストーリーシートの一例を示す図である。
【
図7】
図2、
図3のサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図6のストーリーシートと実演ビデオから、項目毎に本人の現状と登壇に必要な水準とのギャップが導出される第1事例[挨拶研修]を示す図である。
【
図9】
図6のストーリーシートと実演ビデオから、項目毎に本人の現状と登壇に必要な水準とのギャップが導出される第2事例[労務基礎知識研修]を示す図である。
【
図10】本発明の情報処理装置に係る第2実施形態のサーバの機能的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システムの全体構成を示している。
図1に示す情報処理システム1は、サーバ10と、n台(nは1以上の任意の整数値)の講師候補者端末20-1乃至20-nとが、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されることによって構成されている。
なお、以下、講師候補者端末20-1乃至20-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「講師候補者端末20」と呼ぶ。
また、以下では、講師テストを受けてある一定の基準を満たして講師となった講師のうち所定の研修テーマの講師になることを希望する講師、又は講師ではなく講師研修中の候補者を「講師候補者」と称す。
【0010】
講師候補者端末20は、講師候補者毎に管理される情報処理装置であって、例えばタブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピュータ等が含まれる。
サーバ10は、本サービス提供者により管理される。サーバ10は、講師候補者端末20-1乃至20-nの夫々の各動作を制御しつつ各種処理を実行する。
【0011】
本サービス提供者は、企業からの申し込みにより社員を受講者として研修に参加させて受講させたりオンライン研修等を行う人材育成サービスを実施する。また、サービス提供者は、受講者が受講した講座やオンライン研修の内容の理解度や習得度を確認するために当該受講者に対してテストを行い、そのテストの結果を評価して当該受講者に対して今後のアドバイス等を行う。
さらに、本サービス提供者は、企業或いはその企業内の部署等に属する複数の社員(受講者)の夫々のテストの結果に基づいて、当該企業或いは当該部署等に対し成長の支援を行うとともに、今後の成長の最適解を提示し、社会の発展に貢献できるようにする。
【0012】
また、本サービス提供者は、研修で受講者に講義を行う講師を育成する人材育成サービスを実施する。
この人材育成サービスでは、講師候補者は、1以上の研修テーマの中から所望の講師研修を選択して受講する。人材育成サービスでは、講師候補者も受講者としての側面もある。これにより講師としてのスキルが身に付くようになる。
講師候補者は、講師研修を受講することで講師としてスキルが身につくものの、具体的な特定テーマの研修に登壇可能か否かの判断はできない。
【0013】
そこで、本サービス提供者は、講師候補者が特定テーマの研修に登壇可能か否を判定するサービスを実施する。
具体的には、本サービス提供者は、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補者の情報として、当該講師候補者により作成されたストーリーシート31(
図6参照)及び当該講師候補者が模擬研修で行った実演の様子を撮影した実演ビデオを取得する。
そして、本サービス提供者は、ストーリーシート31及び実演ビデオに基づいて1以上のテーマのうち特定テーマの講師として講師が登壇可能か否かを判断する。
これにより、講師候補者について、複数のテーマの中の特定のテーマの研修の講師として登壇できる可能性を見い出すことができる。
【0014】
ここで、本サービス提供者が実施する人材育成サービスに含まれるビジネス基礎力の診断テスト(以下単に「テスト」と称す)について説明する。
本実施形態では、サーバ10は、次のように講師候補者端末20と連携してテストを実施する。
即ち、サーバ10は、先ずサーバ10に予め記憶されている複数の問題のうち1以上からなる問題を、講師候補者端末20に送信し、これら1以上の問題の夫々に対して受講者が入力した解答を受信する。
【0015】
テストは、サービス提供者により実施される。当該テストの問題は、講師候補者を含む受講者のビジネスにおける基礎的な力(ビジネス基礎力)を評価するためのものであり、サービス提供者により1以上のビジネスの評価対象のスキル毎及び夫々のスキルの1以上のテーマ毎に出題される。ビジネス基礎力とは、社会人として仕事を行う上で役に立つ技術又は能力をいう。
【0016】
ビジネス基礎力を評価するためのスキルとテーマとの関係について説明する。
スキルは、m個(mは1以上の任意の整数値)に定義され、さらに1以上のスキルの夫々にp個(pは、mとは独立した1以上の任意の整数値)のテーマが定義されている。
なお、ここで言うテーマとは、講師候補者が後に受講する講師研修の研修テーマとは異なるものである。
テストでは、当該テーマの夫々に関連する内容の問題が項目毎に出題される。
【0017】
講師候補者端末20は、サーバ10が送信したテストを受信する。そして、講師候補者は、講師候補者端末20を操作して、当該テストを構成する複数の問題の夫々について解答を入力する。
講師候補者端末20は、講師候補者が入力したテストの解答(各問題の解答の集合体)を、サーバ10に送信する。
【0018】
サーバ10は、講師候補者端末20-1乃至20-nの夫々からテストの解答が送信される毎に、当該回答を順次取得し採点を行う。また、サーバ10は、採点結果を項目毎に正規化し、これをスコアとして講師候補者毎に記憶し管理する。
【0019】
サーバ10は、講師候補者毎に管理しているスコアから、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件を設定し記憶する。
なお、所定の母集団は、特に限定されず、例えば、講師候補者に関する各種属性情報のうち、所定の1以上の属性情報が一致する講師候補者からなる集団や、スコアが一定範囲内の講師候補者からなる集団等各種各様な集団を採用することができる。
なお、その前提として、サーバ10は、各講師候補者毎に、採点結果を示すスコアとともに、当該講師候補者の各種属性情報を対応付けて管理しているものとする。
この場合、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件としては、例えば、同年齢、同性、スコアの値やスコアの範囲等を採用することができる。
【0020】
サーバ10は、所定の講師候補者のスコアと、当該所定の講師候補者が含まれる所定の母集団のスコアとを抽出し、両スコアを比較する。
具体的には、例えば当該所定の講師候補者のスコアと、当該所定の講師候補者が含まれる所定の母集団のスコアの平均値、最大値又は最小値とを比較することができる。
【0021】
また、サーバ10は、当該所定の講師候補者のスコアと当該所定の講師候補者が含まれる所定の母集団のスコアとをプロットしたグラフを、当該所定の講師候補者の講師候補者端末20の画面に表示させる。
【0022】
これにより、講師候補者は、講師候補者端末20の画面に表示されたグラフの、各スキルの各テーマ夫々についての当該講師候補者自身のスコアの値と、当該講師候補者が含まれる所定の母集団のスコアの値との分布から、当該講師候補者の現在のスキルと、過去のスキルとを比べた成長の度合いや講師としての育成効果を容易に視認することができる。
【0023】
図2は、
図1の情報処理システム1のうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0024】
サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0025】
CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、又は、記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0026】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0027】
出力部106は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部107は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0028】
記憶部108は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(
図1の例では講師候補者端末20)との間で通信を行う。
【0029】
ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア111が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア111から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
また、リムーバブルメディア111は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0030】
図3は、
図1の情報処理システムにおけるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ10の記憶部108(
図2)の一領域には、DB141が設けられている。
DB141には、1以上のテーマの研修の受講によりビジネス基礎力向上のための研修が施される場合における当該人材育成のための講師候補者についての情報として、当該講師候補者により作成されたストーリーシート31(
図6参照)と、当該講師候補者の模擬研修の実演の様子を示す実演ビデオ(音声と映像を含む実演データ)と、予め1以上のテーマの夫々に設定された基準表30(
図5参照)とが記憶されている。
具体的には、講師候補者により作成されたストーリーシート31、及び、当該講師候補者が模擬研修を実演している様子を撮像した実演ビデオ等がサービス利用者IDと対応付けてDB141に記憶されている。
また、DB141には、研修テーマ毎に設定された講師が満たすべき所定基準((
図5の基準表30参照)と、所定基準に基づいて登壇可否を判定した結果や各項目毎の達成率等のデータが記憶されている。基準表30の詳細については、
図5の説明で詳述する。
この他、DB141には、講師候補者を含む受講者に関する情報と、受講者が現在までに受講した研修の実績やビジネス基礎力診断テストを受けた結果の実績等のログ(以下「受検ログ」と称す)等が記憶されている。
【0031】
受講者に関する情報は、例えば企業等で就労する従業員が、自身のスキル向上のために、サービス提供者が開催する研修を受講するための情報であり、受講者に関する情報には、受講者が属する企業や業種等の情報と講師候補情報が含まれる。
【0032】
講師候補情報には、講師候補者個人の属性として、年齢、性別等が含まれる。この他、講師候補情報には、経歴等が含まれる。経歴は、例えば講師候補者の業務経験、経験業界、学習経験等の複数種類の経験である。この他、講師候補情報としては、例えば直近で実施したテストの当該講師候補者のスコア(現在のスコア(例えば
図4の例参照))がDB141に記憶されている。
【0033】
講師研修では、スキル別研修テーマリストの研修テーマの中から、講師候補者が受講する研修を受講することができる。研修テーマとしては、複数の研修が記憶されている。研修とは例えば研修プログラムを実施する研修会や講習会等が含まれており、複数の研修に複数の講師候補者が参加することが可能である。複数の研修夫々には1つ以上の研修テーマが対応している。
【0034】
DB141には、サービス提供者が実施するテストに関する情報が記憶されている。テストに関する情報は、例えばテストの1以上の問題と夫々の問題に対する正解との組、講師候補者を含む個々の受講者のテスト結果(スキル項目毎の得点)やその総合的評価であるビジネス基礎力評価結果(スキル毎のスコア)、研修サービス利用企業及び受講者へのアンケートと、アンケートに対する回答、研修利用企業数、受講人数、階層教育に着手している企業数、研修テーマ別・階層別の受講人数、教育導入までの意思決定にかかるリードタイム、サービス利用者ID登録数等を含む人材育成ログ情報が記憶されている。
【0035】
スコアは、テストの項目毎の得点を、例えば5段階等で評価した数値(“1”から“5”)であり、1スキル毎に合計した数値も記憶されている。1スキルに5つの項目とした場合に1スキル25点満点とし、この場合の個々のスキル項目のスコアを合計した値等で、受講者のスキル毎の評価が示される。
【0036】
DB141には、講師候補者や受講者が属する企業の情報(企業規模(人数)、組織構成(階層等)、部署、部門の配置等)が記憶されている。また、DB141には、企業における従業員(受講者)夫々の情報(例えば従業員の氏名、年齢、入社年月日、在職年数、組織上の職位、役職等)が社員番号等の従業員の個人特定情報に紐づけて記憶されている。
なお、上記で示した1年前や数年前等の受検ログは一例であり、3年前であってもよく過去の実績であれば足りる。
【0037】
サーバ10のCPU101(
図2参照)においては、講師候補者の登壇可否判断処理を実行する際に、
図3に示すように、講師候補情報取得部121と、登壇可否判断部122と、表示制御部123と、が機能する。
【0038】
講師候補情報取得部121は、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補者の情報として、当該講師候補者により作成されたストーリーシート31(
図6参照)及び当該講師候補者の模擬研修の実演の様子を示す実演ビデオを取得する。
具体的には、講師候補情報取得部121は、講師候補者端末20より送信されてきたストーリーシート31を受信して、送信元の講師候補者端末20の講師候補者のサービス利用者IDとに対応付けてDB141に記憶する。
講師候補情報取得部121は、登壇可否判断処理を実行する際に、DB141よりストーリーシートを読み出して、登壇可否判断部122へ出力する。なお、講師候補者端末20からの要求に応じてリアルタイムで処理を実行する際には、講師候補情報取得部121は、講師候補者端末20より受信されたストーリーシートを登壇可否判断部122へ出力してもよい。
【0039】
この他、講師候補情報取得部121は、対象者について、ビジネス基礎力の現時点の評価値(現在のスコア)を現在評価値として取得する。
具体的には、会社の組織に所属する1以上の社員や講師候補者の夫々についてのビジネス基礎力を示す情報が、講師候補者端末20を介して取得されて現在のスコアとしてDB141に記憶されているので、講師候補情報取得部121は、DB141から当該現在のスコアを読み出して現在評価値として取得する。ビジネス基礎力を示す情報は、例えばビジネス基礎力を計るためのスキル(例えば
図4のビジネス知識、コミュニケーション、プランニングコントロール、シンキング等の評価要素)を評価するためのテーマ毎のテストのスコア等である。
講師候補情報取得部121は、DB141に予め記憶されている受検者(この場合は講師候補者)のスキル評価用の問題の中から、受検者(講師候補者)が講師候補者端末20を操作して解答をするための問題を、各テーマの項目毎に作成する。このようにして作成された各ビジネス基礎力のスキルの夫々のテーマ毎の問題と解答の集合体がテストである。
【0040】
講師候補情報取得部121は、テストを、通信部109を介して講師候補者端末20に表示させることにより、受検者(講師候補者)に対しテストを出題する。
受検者(講師候補者)は、講師候補者端末20を操作することにより、講師候補情報取得部121が出題したテストに対する解答(各問題毎の解答)を入力する。受検者(講師候補者)が入力した解答は、講師候補者端末20からサーバ10に対して送信される。
【0041】
講師候補情報取得部121は、講師候補者端末20から送信されたテストの解答(各問題毎の解答の集合体)を、通信部109を介して取得する。
講師候補情報取得部121は、取得したテストの解答を、所定の採点基準に基づいて各問題毎に採点する。
講師候補情報取得部121は、各問題毎の採点の結果を、各スキルの各テーマ毎に正規化(5段階にスコア化)し、当該スコアをDB141に評価結果として各テーマの項目名と紐付けて受検者(講師候補者)毎に記憶し管理すると共に、講師候補者情報の一つとして記憶する。
【0042】
講師候補情報取得部121は、所定の講師候補者の講師候補者端末20からの評価提示要求(作表指示)に応じてDB141で管理されている1以上の講師候補者のスコアの中から、所定の講師候補者のスコアと、当該所定の講師候補者が含まれる所定の母集団のスコアとを取得し表示制御部123へ出力する。なお、所定の講師候補者を第1講師候補と言い換える場合がある。
【0043】
なお、当該所定の母集団は、DB141に予め記憶されている所定の抽出条件によって抽出される。具体的には例えば、同年齢、同性、又は所定の講師候補者本人の過去のスコアのうち、任意の数(1も含む)の任意の組合せを所定の抽出条件とした母集団を抽出することができる。
【0044】
登壇可否判断部122は、ストーリーシート31及び実演ビデオに基づいて1以上のテーマのうち特定テーマの講師として講師が登壇可能か否かを判断する。
具体的には、登壇可否判断部122は、DB141から、模擬研修を行った講師候補者のサービス利用者IDと対応付けられたストーリーシート31及び実演ビデオを読み出し、当該ストーリーシート31及び実演ビデオをAIにより分析して1以上のテーマのうち特定テーマの講師として講師が登壇可能か否かを判断する。
【0045】
登壇可否判断部122は、AIによる分析機能として、基準達成測定部131と、指標取得部132と、登壇可否判定部133と、を備える。
基準達成測定部131は、ストーリーシート及び実演ビデオに基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、内容及び表現が夫々の所定基準に達しているか否かを測定する。
具体的には、基準達成測定部131は、特定テーマの研修が例えば「挨拶研修」であれば、DB141から、講師候補者が作成した「挨拶研修」用のストーリーシート31と、講師候補者が「挨拶研修」を模擬研修した実演ビデオと、「挨拶研修」の基準表30とを読み出し、模擬研修で収録された実演ビデオの内容が基準表30に規定されている基準に達しているか否かを測定する。
より具体的には、ストーリーシート31に沿った流れの中の夫々のタイミング(研修序盤、研修中盤、研修終盤等)で、ストーリーシート31の伝える内容と伝えるポイントが受講者に伝わっているか否か(伝える要素が入っているか否か)が、AIにより実演ビデオから判断される。
【0046】
指標取得部132は、特定テーマについて登壇可能性を示す指標として、内容に関する1以上の項目及び表現に関する1以上の項目のうち少なくとも一部の項目(例えば
図5の基準表30の「カテゴリ」の「表現」の項目であれば、問いかけ、開示、発声、滑舌、表情、ジェスチャー等)について所定基準(必達条件Pの達成率n%や満足条件Qの達成率100%)との関係性で示される指標(必達条件P及び満足条件Qを組み合わせた達成目安)を取得する。
指標とは、内容に関する1以上の項目及び表現に関する前記1以上の項目のうち、全ての項目が
図5の必達条件P(第1基準)を満たしており、所定個数(例えば半分)以上の項目が
図5の満足条件Q(第2基準)を満たしている場合、「挨拶研修」の講師として登壇可能と判断するものである。
例えば「問いかけ」の項目のレベル「3」の「必達条件P」は、受講生が考えやすい問いかけが○回(例えば2回等)以上入っていること、「満足条件Q」は受講生が考えやすい問いかけがX回(例えば4回等)以上入っていること、等の条件である。なお、この例では、必達条件Pよりも満足条件Qの方が厳しい条件とされている。
【0047】
登壇可否判定部133は、基準達成測定部131による測定結果(各項目の夫々の基準の達成状況)、及び指標(達成目安)に基づいて、特定テーマの講師として講師候補者が登壇可能か否かを決定する。
具体的には、登壇可否判定部133は、内容に関する1以上の項目及び表現に関する1以上の項目のうち、全ての項目が必達条件Pを満たしており、所定個数(例えば半分)以上の項目が満足条件Qを満たしている場合、「挨拶研修」の講師として登壇可能と判断する。
なお、ここで示した指標の例は一例であり、必達条件Pと満足条件Qの達成状況を組み合わせたものであれば足りる。また、基準は、講師に最低限必要な必達条件Pと、講師に求められる満足条件Qの2つを例示したが、この2つだけに限定されず、多数又は多段階の条件であってもよい。
【0048】
表示制御部123は、登壇可否判断部122から出力された登壇可否判断結果を講師候補者端末20の画面に表示させる制御を行う。
具体的には、「挨拶研修」における講師としては、「基準に達しておらず、「登壇不可」である」又は「基準に達成しており、「登壇可」である」等のメッセージが講師候補者端末20の画面に表示される。
【0049】
また、表示制御部123は、講師候補者の現在のスコアと理想のスコアとを円形の表示領域に夫々プロットした2つの折れ線グラフ(例えば
図4のレーダーチャート参照)を、通信部109を介して講師候補者端末20の画面に表示させる制御を行う。
これにより、講師候補者は、人材育成の研修の講師になるのに必要なスキルを磨くために必要な講師研修を受講するにあたり、講師候補者自身がどの研修テーマの講師研修から始めれば良いかを判断することができる。
【0050】
ここで、
図4を参照してビジネス基礎力を評価する指標について説明する。
ビジネス基礎力を評価する指標は、例えば
図4に示すグラフに示されるように、「ビジネス知識」(Business knowledge)、「プランニング&コントロール」(Planning & Control)、「シンキング」(Thinking)、「コミュニケーション」(Communication)等の4つのスキルに定義(カテゴリ分け)される。4つに定義(カテゴリ分け)された夫々のスキルには、スキル項目が設定されている。スキル項目は、夫々のスキルの評価要素の1つである。各スキルには、スキル項目毎に研修(講座)が設定される。
【0051】
例えば「ビジネス知識」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、時事問題、法務・人事・労務、財務・経理、マーケティング、経営等がある。図示しないが、法務・人事・労務というスキル項目には、人事・労務、コンプライアンス等のサブ項目が含まれる。
【0052】
「プランニング&コントロール」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、目的及び目標、計画、業務管理、振り返り・評価、改善等がある。図示しないが、目的及び目標というスキル項目には、目的思考というサブ項目が含まれる。また、計画というスキル項目には、アクションプラン立案というサブ項目が含まれる。
【0053】
「シンキング」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、数的処理、思考法活用、情報収集、課題設定、解決策立案等がある。図示しないが、思考法活用というテーマには、要素分解力というサブテーマが含まれる。
【0054】
「コミュニケーション」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、ネゴシエーション、文書伝達、口頭伝達、傾聴、ビジネスマナー等がある。図示しないが、文書伝達というスキル項目には、スライド作成力というサブ項目が含まれる。
【0055】
ここでビジネススキルを評価するためのスキルのカテゴライズの仕方(分け方)について説明する。
スキルは、人材育成において成長するために必要なスキルを体系化して大きく4つに分けられる。
人が成果を出すためには、計画性・実行力「プランニング&コントロール」が必要となる。この計画性・実行力を上げるためには意思や判断等の考え方「シンキング」、人間関係を構築するコミュニケーション力「コミュニケーション」、前提となる知識「ビジネス知識」が同時に必要である。
このように4つのスキルに分けてビジネス基礎力を診断することで、診断対象者の持っているスキルの特長が見え易くなる。
【0056】
ビジネス基礎力は、個々のスキル項目の単位、又は複数のテーマで1つ設定される講座の単位で、受講者が研修を受講することにより、受講者のビジネススキルの向上が図られる。
受講者が研修を受講するにあたり、受講前と受講中及び受講後等にビジネス基礎力診断テストが実施される。
【0057】
ここで、講師研修における講師育成スキルマップについて説明する。
講師育成スキルマップは、大項目、中項目、小項目、記載内容、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4等の項目が設けられており、夫々の内容の達成度合いに応じたレベルが講師候補者に付与される。
例えば講師育成スキルマップの一番初めの大項目は、講師候補者が実際に受講者(講義の内容を評価する人等)に対して行った研修の話の内容の項目である。中項目は、話の内容についての現状と今後である。小項目は、話の内容の現状である。記載内容は、具体的な話の内容である。レベル1は、受講者を想定できていない、レベル2は、受講者を想定しているつもりだが曖昧である、レベル3は、受講者を想定できているが、適切でない、レベル4は受講者をそのテーマに沿って適切に想定できている、等とされており、講師育成スキルマップに基づいて夫々の項目毎に講師候補者のレベルが付与される。
【0058】
大項目は、研修の話の内容の他に、表現等がある。中項目は、受講者の変化の他に、全体設計、詳細設計等がある。小項目は、現状の他に、受講者の受講姿勢によるアプローチ方法、全体の構成、受講生の心の声、結論・理由・詳細、話の展開等がある。記載内容は、具体的な話の内容の他に、トレーニングのポイント等がある。レベル1は、受講者を想定できていないの他に、受験生の視点を理解していない等がある。レベル2以降は、レベル1の内容をさらに踏み込んで講師としての考え方が備わっているか否かの基準が設定されている。
即ち、講師育成スキルマップの各項目は、講師候補者が受講者に研修内容を理解させるだけでなく、受講者自身の現状把握と、今後の行動変容につながるような研修設計ができているかを評価するためのチェック項目である。
この講師育成スキルマップに従って、講師研修が行われ、研修を修了した講師候補者は、次に説明する基準表による講師登壇可否チェックをクリアすることで、登壇可能な講師になることができる。
【0059】
ここで、
図5を参照して基準表について説明する。
図5に示すように、基準表30は、テーマの研修を行う講師が登壇する上で必要な基準が規定されており、1以上のテーマの研修の夫々に設定されている。
基準表30におけるカテゴリは、講師が研修でなすべき「内容」と「表現」に分けて設定されている。
夫々のカテゴリには1以上の項目が設定されている。具体的には、「内容」のカテゴリには、ゴール設定、受講者の想定、知識、全体設計、話の構成…等の項目が設けられている。
「表現」のカテゴリには、問いかけ、開示、発声、滑舌、表情、ジェスチャー…等の項目が設けられている。
基準表30のレベルは、夫々のテーマ毎に異なり、1~5段階で設定される。レベルは、夫々の項目の難易度を示している。
研修毎に内容、表現の各項目で求められている基準が異なる。例えば「挨拶研修」では発声や表情等の条件が高く設定され、労務基礎知識研修では、例示等の条件が高く設定されている。
【0060】
各項目には、その項目の難易度に応じた基準が設定されている。
基準としては、そのテーマの研修の講師として最低限必要な第1基準として例えば必達条件Pが設定されている。また、当該講師に求められる第2基準として例えば満足条件Qが設定されている。
例えばカテゴリ「内容」の「ゴール設定」という項目の難易度「レベル3」の必達条件Pとしては、例えば「必要な要素のうち2つ以上が入っている」という条件が設定されている。また、同項目の満足条件Qとしては、例えば「必要な要素のうち4つ以上が入っている」という条件が設定されている。
基準表30において、研修における項目の技能が必達条件Pを満たした場合、50%達成したこと(達成率50%)になり、満足条件Qを満たした場合は、100%達成したこと(達成率100%)になる。
【0061】
ここで、
図6を参照してストーリーシートについて説明する。
図6に示すように、ストーリーシート31は、研修で伝える内容(伝える内容によって受講者の気持ちを変化させることも含む)の設計シートであり、模擬研修を実施する前に講師候補者により作成される。
講師候補者により作成されたストーリーシート31は、サーバ10にアップロードされて模擬研修を行う講師候補者のサービス利用者IDと対応付けられてDB141に記憶される。
ストーリーシート31には、講師名、研修テーマ名、研修受講者の属性、研修のゴール、全体設計等の内容が記載されている。
全体設計としては、研修の時間帯(研修序盤、研修中盤、研修終盤)毎に、伝える内容と伝える内容のポイントを記載するように設定されている。
このストーリーシート31では、夫々の研修毎に、研修序盤、研修中盤、研修終盤で伝えるべき内容が設定されているので、それらを正しく理解しているかを各項目の欄への記載内容で判定することができる。
【0062】
図7は、
図2、
図3のサーバにおいて、講師候補者の登壇可否を判断する動作を示すフローチャートを示す図である。
【0063】
図7に示すように、サーバ10では、ステップS11において、講師候補情報取得部121は、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成(ビジネス基礎力向上のための研修等)が施される場合における当該人材育成のための講師候補者についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート31(
図6参照)、及び、当該講師候補者の模擬研修の実演の様子を示す実演ビデオを取得する。
【0064】
ステップS12において、登壇可否判断部122は、1以上のテーマのうち特定テーマ(例えば「挨拶研修」等)の講師として講師候補者が登壇可能か否かを、ストーリーシート31及び実演データに基づいて判断する。
なお、特定テーマについては、講師研修における適正判定の結果のレコメンドやこの他、講師本人の希望や第三者からの推薦、会社の方針等の外的要因等から決定される。
【0065】
ここで、ステップS12においては、以下のステップS21乃至S23の登壇可否判定処理が実行される。
【0066】
ステップS21において、基準達成測定部131は、ストーリーシート及び実演データに基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、内容及び表現が夫々の所定基準に達成しているか否かを測定する。
具体的には、基準達成測定部131は、DB141から特定テーマの研修の基準表30を読み出し、実演ビデオの内容が基準表30に規定されている基準に達しているか否か(必達条件P及び満足条件Qの夫々の条件を満たしているか否か)を測定する。
【0067】
ステップS22において、指標取得部132は、特定テーマについて登壇可能性を示す指標として、内容に関する1以上の項目及び表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目(例えば
図5のカテゴリの「表現」の項目であれば、問いかけ、開示、発声、滑舌、表情、ジェスチャー等)について所定基準(必達条件P及び満足条件Q)との関係性で示される指標(必達条件P及び満足条件Qを組み合わせた達成目安)を取得する。
ステップS23において、登壇可否判定部133は、基準達成測定部131による測定結果(各項目の夫々の基準の達成状況)、及び指標(達成目安)に基づいて、特定テーマの講師として講師候補が登壇可能か否かを決定する。
【0068】
このようにサーバ10の動作によれば、講師候補者により作成されたストーリーシート31(
図6参照)、及び当該講師候補者の模擬研修の実演の様子を示す実演ビデオを取得し、ストーリーシート31及び実演ビデオに基づいて「挨拶研修」の講師として講師候補者が登壇可能か否かを判断するので、講師候補者は、複数のテーマの研修の中で「挨拶研修」の講師として実際に登壇できる可能性を見い出すことができる。
【0069】
次に、
図8及び
図9を参照して、サーバにおいて、講師候補者の登壇可否を判断する、いくつかの事例[挨拶研修]、[労務基礎知識研修]を説明する。
まず、
図8を参照して第1事例[挨拶研修]について説明する。
図8は、講師候補者の登壇可否を判断する第1事例[挨拶研修]を示す図である。
【0070】
図8に示すように、第1事例[挨拶研修]の場合、講師自身が良い挨拶の実践者であることが求められるため、発声・滑舌・表情・ジェスチャーで求められる基準が「4」と高く設定されている。
指標(登壇条件)は、以下の基準(2つの条件:必達条件Pと満足条件Q)を共に満たすことである。
・必達条件Pを全項目で満たしていること。
・満足条件Qを半分以上の項目で満たしていること。
ストーリーシート31に記入された内容と実演ビデオの判定の結果は以下のようであった。
「ゴール設定」においては、3つの要素が入っていた。
「受講者の想定」においては、2つの要素が入っていた。
「知識」においては、場面に応じた挨拶の使い分けについて不適切なか所はなかった。
「全体の設計」においては、4つの要素が入っていた。
【0071】
上記の判定の結果を基準表30と照合した結果、
「ゴール設定」においては、3つの要素が入っていたため、必達条件Pを満たしている。
「受講者の想定」においては、2つの要素が入っていたので、必達条件Pを満たしている。
「知識」においては、場面に応じた挨拶の使い分けについて不適切なか所がなかったため、満足条件Qを満たしている。
「全体の設計」においては、4つの要素が入っていたため、満足条件Qを満たしている。
以上の各項目の達成状況を指標に照合すると、指標(登壇条件)を満たしており、登壇可能と判断され、講師候補者端末20の画面に「登壇可」である旨のメッセージが表示される。
【0072】
次に、
図9を参照して第2事例[労務基礎知識研修研修]について説明する。
図9は、講師候補者の登壇可否を判断する第2事例[労務基礎知識研修研修]を示す図である。
図9に示すように、第2事例[労務基礎知識研修研修]の場合、講師が労務の知識を豊富に有していることと受講生が労務身近に感じてもらえるようになることが重要であるため、知識、問いかけ、例示で求められる基準が「4」と高く設定されている。
指標(登壇条件)は、以下の基準(2つの条件:必達条件Pと満足条件Q)を共に満たすことである。
・必達条件Pを全項目で満たしていること。
・満足条件Qを半分以上の項目で満たしていること。
ストーリーシート31に記入された内容と実演ビデオの照合判定の結果は以下のようであった。
「ゴール設定」においては、3つの要素が入っていた。
「受講者の想定」においては、2つの要素が入っていた。
「知識」においては、労務について誤った内容か1箇所もなく、かつ労務について過去●年以内に合った法改正の内容を3つ以上取り上げていた。
「全体の設計」においては、4つの要素が入っていた。
【0073】
上記の判定の結果を基準表30と照合した結果、
「ゴール設定」においては、3つの要素が入っていたため、必達条件Pを満たしている。
「受講者の想定」においては、2つの要素が入っていたため、必達条件Pを満たしている。
「知識」においては、労務について誤った内容か1箇所もなく、かつ労務について過去●年以内に合った法改正の内容を3つ以上取り上げていたため、満足条件Qを満たしている。
「全体の設計」においては、4つの要素が入っていたため、満足条件Qを満たしている。
この結果、指標(登壇条件)を満たしており、登壇可能と判断され、講師候補者端末20の画面に「登壇可」が表示される。
【0074】
次に、
図10及び
図11を参照して第2実施形態を説明する。
第1実施形態では、必達条件Pと満足条件Qとを組み合わせて、特定テーマの研修に対して講師候補者の登壇可否を判断したが、この第2実施形態では、講師候補者の実演の内容を複数の項目からなる基準と照合して、基準に対して、どの項目が足りているか、どの項目が不足しているかを出力することで、講師候補者に登壇の可能性を見い出してもらう。
【0075】
図10は、本発明の情報処理装置に係る第2実施形態のサーバの機能的構成を示す図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ機能的構成(
図3参照)には同様の符号を付しその説明は省略する。
【0076】
図10に示すように、第2実施形態のサーバ10のCPU101においては、所定テーマの研修における講師の基準に対する講師候補者の技能の達成度を判定する処理を実行する際に、
図10に示すように、講師候補情報取得部121と、基準表取得部125と、達成度測定部126と、が機能する。
【0077】
講師候補情報取得部121は、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、1以上のテーマのうち特定テーマの研修で当該講師が受講者へ伝える内容が講師候補者により書き込まれたストーリーシート31及び特定テーマの模擬研修での講師候補者の実演の様子を示す実演ビデオを取得する。
具体的には、講師候補情報取得部121は、特定テーマの研修のために講師候補者により書き込まれたストーリーシート31及び特定テーマの模擬研修での講師候補者の実演の様子を示す実演ビデオをDB141より取得する。
【0078】
基準表取得部125は、特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した情報として、内容に関する1以上の項目及び表現に関する1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての所定基準(項目毎の必達条件P及び満足条件Q等が設定された基準表30等)を取得する。
具体的には、基準表取得部125は、模擬研修の際に講師候補者により指定された特定テーマの研修(例えば「挨拶研修」等)の識別情報を基に、DB141を検索して「挨拶研修」に対応する基準表30を取得する。
【0079】
達成度測定部126は、基準表取得部125により取得されたストーリーシート31、実演ビデオ及所定基準に基づいて、特定テーマの研修の内容及び表現について、当該内容及び当該表現の夫々の所定基準(基準表30の必達条件P又は満足条件Qのうちいずれかの条件)に対する達成度(満足条件Qならば登壇可能とされる100%のうちのn%の達成率)を項目毎に測定する。
また、達成度測定部126は、測定した項目毎の達成度(満足条件Qならば100%のうちのn%の達成率)をスキル判定表33として表示制御部123へ出力する。
スキル判定表33には、「ゴール設定」の項目の達成度は、例えば60%等が表示される。また「受講者の想定」の項目の達成度は、例えば100%等が表示される。
このスキル判定表33を講師候補者が閲覧することで、登壇条件(満足条件Q)を満たすためには、研修内容として「ゴール設定」の仕方が劣っていることが分かる。
【0080】
続いて
図11を参照して第2実施形態のサーバの処理を説明する。
図11は、
図10のサーバの処理の流れを示す図である。
第2実施形態のサーバ10では、
図11に示すように、基準表取得部125は、特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した情報として、内容に関する1以上の項目及び表現に関する1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての所定基準(項目毎の必達条件P及び満足条件Q等が設定された基準表30等)を取得する。
【0081】
達成度測定部126は、基準表取得部125により取得されたストーリーシート31、実演ビデオ及所定基準に基づいて、特定テーマの研修の内容及び表現について、当該内容及び当該表現の夫々の所定基準(必達条件P又は満足条件Qのいずれかの条件)に対する達成度(満足条件Qならば100%のうちのn%の達成率)を項目毎に測定する。
【0082】
そして、達成度測定部126は、項目毎の達成度(満足条件Qならば達成率100%のうちのn%)をスキル判定表33として表示制御部123へ出力する。これにより、講師候補者端末20の画面には、スキル判定表33が表示される。
講師候補者は、講師候補者端末20の画面に表示されたスキル判定表33を閲覧することで、特定テーマの研修に対応する講師としての技能(スキル)がどの程度なのかを把握することができる。
【0083】
このように第2実施形態によれば、講師候補者が実演した特定テーマの研修の内容及び表現の夫々の項目毎に達成度(満足条件Qならば100%のうちのn%の達成率)を判定することにより、特定テーマの研修に対応する講師としての技能(スキル)がどの程度あるか、つまり特定テーマの研修の講師としての適正を内容及び表現の観点で客観的に判定することができる。
【0084】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0085】
例えば、
図2に示したハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0086】
また、
図3に示したサーバ10の機能ブロック及びデータベースは、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を情報処理装置が実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図3の例に限定されない。
【0087】
また、機能ブロック及びデータベースは、1台のサーバ10に配置する例を説明したが、配置場所は、
図3に限定されず、複数の情報処理装置に分散して配置してもよく任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、別々のハードウェアに備えてもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0088】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置のCPU等のコンピュータにネットワークや記録媒体から読み込まれる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムを読み込むことで、各種の機能を実行することが可能な情報処理装置、例えばサーバ等の他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータ等に実装されていてもよい。
【0089】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各受講者にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各受講者に提供される記録媒体等で構成される。
【0090】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0091】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0092】
例えば、上述の実施形態では、講師候補情報取得部121は、1以上のテーマの研修の受講によりビジネス基礎力向上のための研修が施される場合における当該研修のための講師の情報として、当該講師候補者により作成されたストーリーシート31及び当該講師候補者の模擬研修の実演の様子を示す実演ビデオを取得したが、これは一例にしか過ぎず、1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師候補についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート及び前記1以上のテーマのうち特定テーマの研修の当該講師候補の実演の様子を示す実演データを取得すれば足りる。
【0093】
上述の実施形態では、登壇可否判断部122は、1以上のテーマのうち特定テーマの模擬研修(例えば「挨拶研修」等)の講師として講師候補者が登壇可能か否かを、ストーリーシート31及び実演ビデオに基づいて判断したが、これは一例にしか過ぎず、特定テーマの研修の講師として講師候補が登壇可能か否かを、ストーリーシート及び実演データに基づいて判断すれば足りる。
【0094】
上記実施形態では、基準表30の基準として必達条件Pと満足条件Qの2つの条件を例示して説明したが、いずれか一方の条件だけであってもよく、また、これ以外の条件や条件数であってもよく、所定基準であれば足りる。
【0095】
上記実施形態では、特定のテーマの研修の実演の内容(ゴール設定や話の構成、全体の設計等)、表現(問いかけ、発声、活舌、表情等)の大きく2つの観点で、それぞれの項目毎に基準を達成しているか否かを測定したが、これ以外であってもよい。
【0096】
登壇合否判定について、上記実施形態では、研修テーマ毎にレベルが違うものの組み合わせを例示して説明したが、研修テーマ毎に必要な要素の重み付けを行い、夫々に合格基準(条件)を設定してもよい。
【0097】
集合研修と講師派遣型の企業内研修では、求められる基準が異なるため、夫々必要な要素を加味して判定してもよい。例えば講師派遣型の企業内研修では、受講者層や業種が限定されるため、個別に司会者の情報を入植してもよい。また、集合型研修では、幅広い層にまんべんなく伝えることを前提として判定してもよい。
【0098】
登壇合格の基準に満たない部分があった場合に、他項目で補完できる(許容できる)範囲であれば合格としてもよい。例えば発声や活舌は基準に満たないが、話の構成が大幅に基準を満たしているのであれば、合格としてもよい。
【0099】
上記実施形態では、ビジネス基礎力を示す情報として、各ビジネススキルのスキル項目毎にテストを実施し正規化したスコアを取得したが、この他、例えばテストの得点そのものを取得してもよく、ビジネス基礎力を示す情報であれば足りる。
【0100】
上記実施形態では、ビジネス基礎力向上のための研修等を人材育成のサービスの一例として説明したが、これ以外であってもよく、所定の人材育成であれば足りる。
【0101】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図3のサーバ10等)は、
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成(ビジネス基礎力向上のための研修等)が施される場合における当該人材育成のための講師候補についての情報として、当該講師候補により作成されたストーリーシート、及び、当該講師候補の実演の様子を示す実演データを取得する講師情報取得手段(例えば
図3の講師候補情報取得部121等)と、
前記1以上のテーマのうち特定テーマ(例えば「挨拶研修」等)の講師として前記講師候補が登壇可能か否かを、前記ストーリーシート(例えば
図6のストーリーシート31等)及び前記実演データ(例えば実演ビデオ等)に基づいて判断する登壇可否判断手段(例えば
図3の登壇可否判断部122等)と、
を備える。
このように、特定テーマの研修の講師候補(他のテーマの講師又はその候補)が当該研修の講師として登壇可能か否かを判断することで、講師又はその候補本人が描いた研修の進め方での特定テーマの研修の講師としての適性を判断することができる。
他のテーマの講師又はその候補が特定テーマの研修の講師として例えば登壇可と判断された場合は、即戦力として登壇することができる。また、登壇不可と判断された場合は、今後の講師研修で不足している点を補うことで、特定テーマの研修の講師として登壇が望めるようになる。
【0102】
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ10等)において、
前記登壇可否判断手段(例えば
図3の登壇可否判断部122等)は、
前記ストーリーシート及び前記実演データに基づいて、研修の内容に関する1以上の項目毎及び表現に関する1以上の項目毎に、内容及び表現が夫々の所定基準に達成しているか否かを測定する基準達成測定手段(例えば
図3の基準達成測定部131等)と、
前記特定テーマについて前記登壇可能性を示す指標として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目(例えば
図5のカテゴリの「表現」であれば、問いかけ、開示、発声、滑舌、表情、ジェスチャー等)について前記所定基準(必達条件P及び満足条件Q等)との関係性で示される指標(必達条件P及び満足条件Qを組み合わせた達成目安)を取得する指標取得手段(例えば
図3の指標取得部132等)と、
前記基準達成測定手段(例えば
図3の基準達成測定部131等)による測定結果(項目毎の達成度)、及び前記指標(達成目安)に基づいて、特定テーマの講師として前記講師候補が登壇可能か否かを決定する登壇可否決定手段(例えば
図3の登壇可否決定部133等)と、
を備える。
このように、講師又はその候補が行った研修の内容に関する1以上の項目及び表現に関する1以上の項目のうち少なくとも一部の項目との関係性で示される指標(達成目安)と、所定基準の達成度を測定した測定結果(項目毎の達成度等)に基づいて、講師又はその候補(講師候補者)が特定テーマの研修の講師として、どういった点が優れていて、どういった点が劣っているかを判断できるので、今後の講師研修で不足している点を補うことで、講師候補は、早期の登壇が望めるようになる。
即ち、特定テーマの研修への登壇可能性をより具体的に判断でき、これらの判定結果に応じて、他のテーマの講師又はその候補が目指す方向を見極めることができる。例えば他のテーマの講師又はその候補が模擬研修で実演した内容及び表現が夫々の所定基準を達成しており、満足条件Qを満たしていれば、特定テーマの研修の講師として即戦力で登壇できるようになる。
【0103】
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ10等)において、
前記所定基準は、前記特定テーマの研修の講師として最低限必要な第1基準(例えば
図5の必達条件P等)と、当該講師に求められる第2基準(例えば
図5の満足条件Q等)とを有し、
前記指標は、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち、全ての項目が前記第1基準(例えば
図5の必達条件P等)に達成しており、所定個数(例えば半分)以上の項目が前記第2基準(例えば
図5の満足条件Q等)に達成している場合、前記特定テーマの講師として登壇可能と判断するものである。
これにより、講師候補が特定テーマの研修の講師として登壇できるか否かを、研修の内容と表現の項目毎に基準をどの程度満たしているか否かによって判断できるので、項目毎に特定テーマの研修を行う講師として弱いところと強いところが明確に分かるようになる。この結果、自身が進む方向(特定テーマの研修を行う講師として進むことや他のテーマの講師として進むこと等)を見極めることができる。
より具体的には、登壇可能なレベルではないか(必達条件P未満)、登壇可能なレベルだが最低レベルを満たしているだけ(必達条件P超え)、登壇する講師として求められる基準に達している(満足条件Qに到達)等を数値(達成度等)で判断できる。例えば全ての項目で達成度が100%の満足条件Qに到達していれば、特定テーマの研修の講師として即戦力で登壇できるようになる。
【0104】
上記情報処理装置(例えば
図3のサーバ10等)は、
1以上のテーマの研修の受講により所定の人材育成が施される場合における当該人材育成のための講師についての情報として、前記1以上のテーマのうち特定テーマの研修で当該講師が受講者へ伝える内容が当該講師により書き込まれたストーリーシート(例えば
図11のストーリーシート31)及び前記特定テーマの模擬研修での当該講師の実演の様子を示す実演データ(例えば
図11の実演ビデオ32等)を取得する講師情報取得手段(例えば
図10の講師候補情報取得部121等)と、
前記特定テーマの研修で当該講師が伝えるべき事項を項目単位に設定した情報として、前記内容に関する前記1以上の項目及び前記表現に関する前記1以上の項目のうち少なくとも一部の項目についての基準(例えば
図11の基準表30の必達条件P又は満足条件Q等)を取得する基準取得手段(例えば
図10の基準表取得部125等)と、
前記ストーリーシート(例えば
図11のストーリーシート31)、前記実演データ及び前記基準(例えば基準表30等)に基づいて、前記特定テーマの研修の内容及び表現について、夫々の所定基準(必達条件P又は満足条件Qのいずれか)に対する達成度(満足条件Qの場合は100%のうちのn%達成)を測定する達成度測定手段(例えば
図10の達成度測定部126等)と、
を備える。
これにより、特定テーマの研修の内容及び表現の夫々の項目の達成度(特定テーマに対応する講師としての技能(スキル)を示す数値n%)が判明するので、講師候補は、特定テーマの研修の講師として登壇するためには何が足りていて何が不足しているかを内容及び表現の項目毎に客観的に判定することができる。つまり現時点における特定テーマの研修の講師としての適正の有無を判断することができる。
【符号の説明】
【0105】
1・・・情報処理システム、10・・・サーバ、20、20-1、20-n・・・講師候補者端末、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、104・・・バス、105・・・入出力インターフェース、106・・・出力部、107・・・入力部、108・・・記憶部、109・・・通信部、110・・・ドライブ、111・・・リムーバブルメディア、121・・・講師候補情報取得部、122・・・登壇可否判断部、123・・・表示制御部、125・・・基準表取得部、126・・・達成度測定部、131・・・基準達成測定部、132・・・指標取得部、133・・・登壇可否判定部、141・・・DB、NW・・・ネットワーク