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特開2024-21382粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設及び流動化処理土原料の作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021382
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設及び流動化処理土原料の作製方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/35 20220101AFI20240208BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240208BHJP
   B02C 23/14 20060101ALI20240208BHJP
   B07B 1/12 20060101ALI20240208BHJP
   B07B 1/28 20060101ALI20240208BHJP
   B07B 4/08 20060101ALI20240208BHJP
   B07B 9/00 20060101ALI20240208BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20240208BHJP
   B03C 1/18 20060101ALI20240208BHJP
   B03C 1/005 20060101ALI20240208BHJP
   B09B 101/90 20220101ALN20240208BHJP
【FI】
B09B3/35 ZAB
B09B5/00 Z
B02C23/14
B07B1/12 Z
B07B1/28 Z
B07B4/08 Z
B07B9/00 A
B03C1/00 B
B03C1/18
B03C1/005
B09B101:90
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124171
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】510307657
【氏名又は名称】株式会社新栄重機
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】今村 政宏
【テーマコード(参考)】
4D004
4D021
4D067
【Fターム(参考)】
4D004AA31
4D004AC05
4D004BA02
4D004CA04
4D004CA08
4D004CA09
4D004CB13
4D021AA01
4D021AA03
4D021AA13
4D021AB03
4D021CA07
4D021CA11
4D021DB20
4D021EA10
4D021EB01
4D021FA09
4D021GB01
4D021GB03
4D021HA01
4D021HA10
4D067EE04
4D067EE17
4D067EE18
4D067EE25
(57)【要約】
【課題】がれき類から流動化処理土の原料に必要な砂の代替え原料を生産するとともに、異物が混入した建設発生土とがれき類を混合処理し、異物除去と破砕を行い、土粒子を調整した流動化処理土の原料を生産する方法及びその装置を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設は、処理前保管施設10と、第1ホッパー20、第1篩装置30、第1次破砕機40、磁選機51、52、第2次破砕機60、振動篩機70、吸引ゴミ選別機80、第2ホッパー85、第3次破砕機90、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設において、
がれき又は建設発生土を投入する第1ホッパーと、
前記第1ホッパーから送出されたがれき又は建設発生土を粗骨材の粒径以下のものとそれより大きいものに分別する第1篩装置と、
前記第1篩装置によって粗骨材の粒径より大きな粒径に分別された分別物を破砕する第1次破砕機と、
前記第1次破砕機を通過した分別物をさらに破砕する第2次破砕機と、
前記第2次破砕機で破砕処理された分別物を、所定粒径ごとに分別する振動篩機と、
前記振動篩機で分別された細骨材の粒径よりも大きな粒径の分別物からゴミを回収する吸引ゴミ選別機と、
前記第1篩装置によって第1粒径以下に分別された分別物を投入する第2ホッパーと前記第2ホッパーに投入された分別物を破砕する第3次破砕機と、
前記第3次破砕機で破砕された破砕物を前記振動篩機に送出する送出手段と、
を備えていることを特徴とする破砕処理施設。
【請求項2】
前記送出手段は、送出スピードを変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の破砕処理施設。
【請求項3】
前記第1次破砕機の次に、磁選機を備えていることを特徴とする請求項1に記載の破砕処理施設。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の破砕処理施設を使用して、以下の工程によって、流動化処理土原料を作製する方法。
(1)がれきと建設発生土を第1ホッパーに投入する投入工程。
(2)第1篩装置によって、粒径が粗骨材より大きいがれきと、粒径が粗骨材以下のがれき及び建設発生土に分別する第1次分別工程。
(3)前記第1次分別工程によって、粒径が粗骨材より大きいがれきを第1次破砕機で1次破砕する第1次破砕工程。
(4)第1次破砕工程で得られた破砕物を、第2次破砕機によって粗骨材の粒径以下となるまで破砕する第2次破砕工程。
(5)第2次破砕工程によって破砕された破砕物を、振動篩機によって、粗骨材の粒径以下であって細骨材の粒径より大きいもの、及び細骨材の粒径以下のものに分別し、細骨材の粒径以下に分別されたがれきの細骨材及び建設発生土が混合された流動化処理土原料を得る第2次分別工程。
【請求項5】
請求項4に記載の流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
(6)前記第1次分別工程で粒径が粗骨材以下に分別されたがれき及び建設発生土を第2ホッパーへ投入する再投入工程。
【請求項6】
請求項4に記載の流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
(7)前記第2次分別工程で粗骨材の粒径以下であって細骨材の粒径より大きいものを第2ホッパーへ投入する第2次再投入工程。
【請求項7】
請求項4に記載の流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
(8)建設発生土を、第2ホッパーへ投入する土の量を調節することで、流動化処理土の土成分の調整を行う調整工程。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設及び流動化処理土原料の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、がれき類の再利用を図るための中間処理場では、がれき類の受け入れ量と路盤材(平均直径が40mm以下の破砕材)の販売量とのバランスの不一致で保管過多が起こりやすい問題を抱えていることに加え、がれき類を破砕することで副次的に発生する細粒分(破砕屑)は使用用途がほとんどないため、処分方法に苦慮しているという問題があった。
【0003】
そこで、この破砕時に副次的に発生する細粒分を流動化処理土の原料の砂や微粒分の代替えとして使用できれば、がれき類を路盤材としてのみではなく、細骨材としても使用することができる。
【0004】
しかし、流動化処理土の品質を向上させるには、細粒分に加え、泥(微粒分)も必要となる。そこで、泥成分として、建設発生土を利用することで、これらも流動化処理土の有効な材料となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-167530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、がれき類から流動化処理土の原料に必要な砂の代替え原料を生産するとともに、異物が混入した建設発生土とがれき類を混合処理し、異物除去と破砕を行い、土粒子を調整した流動化処理土の原料を生産する方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明にかかる粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設は、
がれき又は建設発生土を投入する第1ホッパーと、
前記第1ホッパーから送出されたがれき又は建設発生土を粗骨材の粒径以下のものとそれより大きいものに分別する第1篩装置と、
前記第1篩装置によって粗骨材の粒径より大きな粒径に分別された分別物を破砕する第1次破砕機と、
前記第1次破砕機を通過した分別物をさらに破砕する第2次破砕機と、
前記第2次破砕機で破砕処理された分別物を、所定粒径ごとに分別する振動篩機と、
前記振動篩機で分別された細骨材の粒径よりも大きな粒径の分別物からゴミを回収する吸引ゴミ選別機と、
第1篩装置によって第1粒径以下に分別された分別物を投入する第2ホッパーと前記第2ホッパーに投入された分別物を破砕する第3次破砕機と、
前記第3次破砕機で破砕された破砕物を前記振動篩機に送出する送出手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
かかる構成を採用することによって、粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料のそれぞれの製品を作製することができる。また、流動化処理土の原料としての砂の代替え原料として、がれきから製造した細骨材を利用することができ、かつ流動化処理土の土成分として建設発生土を使用することができるため、産業廃棄物のみで流動化処理土原料を作製することができる。
【0010】
また、本発明にかかる破砕処理施設において、前記送出手段は、送出スピードを変更可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
送出手段の送出スピートを変更可能にすることで、第2ホッパーから投入される原料の混入量を調節することができる。
【0012】
さらに、本発明にかかる破砕処理施設において、第1次破砕機の次に、磁選機を備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
かかる構成を採用することによって、磁性物を効率よく除去することができる。
【0014】
また、本発明にかかる破砕処理施設を使用して、流動化処理土原料を作製する方法において、
(1)がれきと建設発生土を第1ホッパーに投入する投入工程。
(2)第1篩装置によって、粒径が粗骨材より大きいがれきと、粒径が粗骨材以下のがれき及び建設発生土に分別する第1次分別工程。
(3)前記第1次分別工程によって、粒径が粗骨材より大きいがれきを第1次破砕機で1次破砕する第1次破砕工程。
(4)第1次破砕工程で得られた破砕物を、第2次破砕機によって粗骨材の粒径以下となるまで破砕する第2次破砕工程。
(5)第2次破砕工程によって破砕された破砕物を、振動篩機によって、粗骨材の粒径以下であって細骨材の粒径より大きいもの、及び細骨材の粒径以下のものに分別し、細骨材の粒径以下に分別されたがれきの細骨材及び建設発生土が混合された流動化処理土原料を得る第2次分別工程。
とからなることを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる破砕処理施設を使用し、上記工程を経ることによって、第1ホッパーにがれきと建設発生土を投入することで、流動化処理土の原料としての砂の代替え原料として、がれきから製造した細骨材を利用することができ、かつ流動化処理土の土成分として建設発生土を使用することができるため、産業廃棄物のみで流動化処理土原料を作製することができる。
【0016】
また、本発明にかかる流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、
(6)前記第1次分別工程で粒径が粗骨材以下に分別されたがれき及び建設発生土を第2ホッパーへ投入する再投入工程を含んでも良い。
【0017】
かかる構成を採用することによって、粗骨材以下に分別されたがれき及び建設発生土を効率よく第3次破砕機に送ることができるため、効率よく細骨材の粒径に破砕することができる。
【0018】
さらに、本発明にかかる流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、
(7)前記第2次分別工程で粗骨材の粒径以下であって細骨材より粒径より大きいものを第2ホッパーへ投入する第2次再投入工程を含むものであってもよい。
【0019】
かかる構成を採用することによって、細骨材の粒径より大きいものを再度第3次破砕機に送ることができ、すべてのがれきを細骨材の粒径にすることができる。
【0020】
さらに、本発明にかかる流動化処理土原料を作製する方法において、さらに、
(8)建設発生土を、第2ホッパーへ投入する土の量を調節することで、流動化処理土の土成分の調整を行う調整工程を含んでいてもよい。
【0021】
かかる工程を採用することによって、流動化処理土原料としてのがれきの細骨材と土成分の配合割当を容易に調整することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態にかかる破砕処理施設100の概略図である。
図2図2は、実施形態にかかる破砕処理施設100の設備フロー図である。
図3図3は、実施形態にかかる破砕処理施設100の処理工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明にかかる粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設及び破砕処理方法の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0024】
本発明にかかる粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を生産する破砕処理施設100は、図1に示すように、主として、処理前保管施設10と、第1ホッパー20、第1篩装置30、第1次破砕機40、磁選機51、52、第2次破砕機60、振動篩機70、吸引ゴミ選別機80、第2ホッパー85、第3次破砕機90及び各装置間に配置された加工されたがれき又は建設発生土を運搬するベルトコンベア91を備えている。ここで、本実施形態においては、粗骨材は粒径40mm以下のものを指し、細骨材とは、粒径5mm以下のものを指すが、この粒径は使用用途に応じて適宜変更することができる。
【0025】
以下、各装置について、装置の配置と機能について説明する。
【0026】
処理前保管施設10は、がれきと建設発生土(以下、「がれき等」ともいう。)が保管されるヤードである。このヤードにおいて、がれきは前処理として、重機に取り付けたコンクリートクラッシャーや油圧ブレーカーで破砕処理施設100に使用可能な大きさに粗破砕される。また、建設発生土は、50mm程度の網目のトロンメルバスケットを使用して、概ね50mmの網目を通過できるものとできないものとに分別する。こうして前処理を終了したがれき等は、第1ホッパー20へ重機を使用して投入される。この前処理段階で50mmを通過できないもののうち、木くず、金属、ビニール、プラスチック等の異物をより分ける。なお、ここで、「がれき」とは、工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物を指す。建設発生土とは、がれき混じり土、土壌回収土、根混じり土及び浚渫土砂等を指す。
【0027】
第1ホッパー20は、処理前保管施設10で前処理を終えたがれき等を第1篩装置30に送出したり、がれきと建設発生土を混合して第1篩装置30に送出したりする。
【0028】
第1篩装置30は、粗骨材の粒径以下のものとそれより大きいものに分別する装置であり、例えば、グリズリーフィーダーのように、プレートフィーダー等の振動フィーダーの前方にふるい格子(グリズリー)をデッキとして一体構造にしたものを使用するとよい。
本実施形態では、粗骨材は、粒径40mm以下のものとしているため、40mmの格子で作製されているものを例として説明するが、格子サイズは必要に応じて変更することができる。この第1篩装置30によって、がれき等は、概ね粒径が40mmより大きいものと、それ以下のものとに分別される。
【0029】
第1次破砕機40は、大割する機械であり、第1篩装置30の次に配置される装置であり、第1篩装置30によって、概ね粒径が40mmより大きく分別されたものを破砕する装置である。例えば、ジョークラッシャー等の圧縮式破砕機を使用するとよい。なお、ここで、粒径が40mm以下のがれき等は、後述する第2ホッパー85に投入されて磁選機52を介して後述する第3次破砕機90にベルトコンベアで送られる。
【0030】
磁選機51、52は、磁石により産業廃棄物や処理物の中に含まれている鉄を始めとする金属類を取り除くための機器である。磁選機51は、第1次破砕機40の次に配置され、第1次破砕機40を通過したがれき等を金属類と分別する。磁選機52は、第2ホッパー85の次に配置され、同様にがれき等を金属類と分別する。分別された金属等は、磁性物再利用品として販売される。
【0031】
第2次破砕機60は、第1次破砕機40である粗く破砕されたがれき等を粗骨材の粒径以下、すなわち、40mm以下まで破砕する小割り装置であり、第1次破砕機40の次に磁選機50を介して配置され、ベルトコンベアで送られる。第2次破砕機60としては、例えば、40mm以上の粒径のものを20mm程度の粒度に破砕したり、破砕処理で生産された骨材の角を丸めたりして、骨材製品を高品位化するため等に使用されるインペラブレーカー等の破砕機を使用するとよい。
【0032】
振動篩機70は、第2次破砕機60で破砕処理されたがれきや建設発生土を、所定粒径ごとに分別する装置である。例えば、粒径が粗骨材40mmより大きいもの、細骨材の粒径である5mm以下のもの、40mm~5mmの間のものに分別するための装置である。40mm以上のがれき等は再度、ベルトコンベア91によって第2次破砕機60に戻される。40mm以下のがれき等は、後述する吸引ゴミ選別機80に送られる。
【0033】
吸引ゴミ選別機80は、最終の仕上げとしてスクリーン排出側の網の上で軽量なゴミを風圧で吸選機に吸着させて自動的に排出するゴミ選別装置である。ビニール、紙くず木くず等を選別することができる。吸引ゴミ選別機80を通過したものは製品として出荷可能となる。
【0034】
第3次破砕機90は、第1篩装置30で粒径が40mm以下であったものや、振動篩機70によって、40mm~5mmに分別されたものが第2ホッパー85に投入されて、再度破砕するためのものである。第3次破砕機90としては、例えば、スーパーサンダーやインパクトクラッシャのように、処理物に衝撃力を与えることで破砕・破砕・整粒する衝撃式破砕機を使用することが好ましい。この第3次破砕機90を通過したがれきと建設発生土は再度振動篩機70へ送られる。
【0035】
以上のように、構成された施設を利用して、それぞれ粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料の生産方法を説明する。
【0036】
まず、はじめに粗骨材(粒径40mm~0mm)の生産方法について図1から図3を使用して説明する。粗骨材の生産方法は、図2の実線の工程を経て作製される。粗骨材は、がれきのみから生産されるものである。まず、処理前保管施設10にあるがれきを第1ホッパー20に投入する。投入されたがれきは、第1篩装置30によって、粒径が粗骨材の粒径である40mmより大きいがれきと、粒径40mm以下のがれきに分別される。粗骨材の粒径より大きいがれきは、第1次破砕機40で1次破砕され、磁選機51で磁性物55を除去した後、第2次破砕機60によって40mm以下の直径となるまで破砕される。粗骨材の粒径以下にまで破砕されなかったがれきは次の振動篩機70で分別され、再度第2次破砕機60に戻され、粗骨材の粒径以下となるまでループする。そして、振動篩機70で粗骨材の粒径以下に分別されたがれきは、吸引ゴミ選別機で混入ゴミを除去された後、製品として出荷される。一方、第1篩装置30によって粗骨材の粒径以下であったがれきは磁選機52で、磁性物55を除去した後、第3次破砕機90を経由して、振動篩機70に送られ、同様に、振動篩機70で粗骨材の粒径以下に分別されたがれきは、吸引ゴミ選別機80で混入ゴミを除去された後、製品として出荷される。
【0037】
次に、細骨材(粒径5mm~0mm)の生産方法について説明する。細骨材の生産方法は、図2の点線の工程を経て作製される。細骨材は、がれきのみから生産させるものである。まず、処理前保管施設10にあるがれきを第1ホッパー20に投入する。投入されたがれきは、第1篩装置30によって、粗骨材の粒径である40mmより大きいがれきと、粗骨材の粒径以下のがれきに分別される。粗骨材の粒径より大きいがれきは、第1次破砕機40で1次破砕され、磁選機51で磁性物55を除去した後、第2次破砕機60によって粗骨材の粒径である40mm以下の直径となるまで破砕される。粗骨材の粒径以下にまで破砕されなかったがれきは次の振動篩機70で分別され、再度第2次破砕機60に戻され、粗骨材の粒径以下となるまでループする。粗骨材の粒径以下のがれきのうち、振動篩機70で細骨材の粒径である5mm以下に分別されたがれきは、製品として出荷される。そして、振動篩機70で粒径40mm以下であって5mmより大きいものに分別されたがれきは、吸引ゴミ選別機80で混入ゴミを除去された後、第2ホッパー85に送られ、磁選機52で磁性物55を除去した後、第3次破砕機90に送られ、破砕される。第3次破砕機90で破砕されたがれきは、再度、振動篩機70に送られ、細骨材の粒径である5mm以下に分別されたがれきは、製品として出荷される。一方、第1篩装置30によって粒径40mm以下であったがれきは第2ホッパー85に投入され、磁選機52で、磁性物55を除去した後、第3次破砕機90を経由して、振動篩機70に送られ、同様に、振動篩機70で細骨材の粒径である粒径5mm以下に分別されたがれきは、製品として出荷される。
【0038】
次に、流動化処理土原料の生産方法について説明する。流動化処理土とは、土砂に大量の水を含む泥水と、固化材を加えて混練することにより流動化させた湿式土質安定処理土であり、土工による締固めが難しい狭隘な空間に流し込み施工で隙間を充填し、固化後に発揮される強度と高い密度により品質を確保することができる土木材料のことであり、流動化処理土原料は、水と固化剤を加える前の細骨材と、土成分との混合材料である。
【0039】
流動化処理土原料の生産方法は、概ね以下のような工程で生産される。
(1)がれきと建設発生土を第1ホッパーに投入する投入工程。
(2)第1篩装置によって、粒径が粗骨材より大きいがれきと、粒径が粗骨材以下のがれき及び建設発生土に分別する第1次分別工程。
(3)前記分別工程によって、粒径が粗骨材より大きいがれきを第1次破砕機で1次破砕する第1次破砕工程。
(4)第1次破砕工程で得られた破砕物を、第2次破砕機によって粗骨材の粒径以下となるまで破砕する第2次破砕工程。
(5)第2次破砕工程によって破砕された破砕物を、振動篩機によって、粗骨材の粒径以下であって細骨材より粒径より大きいもの、及び細骨材の粒径以下に分別し、細骨材の粒径以下に分別されたがれきの細骨材及び建設発生土が混合された流動化処理土原料を得る第2次分別工程。
(6)前記第1次分別工程で粒径が粗骨材以下に分別されたがれき及び建設発生土を第2ホッパーへ投入する再投入工程。
(7)前記第2次分別工程で粗骨材の粒径以下であって細骨材より粒径より大きいものを第2ホッパーへ投入する第2次再投入工程。
(8)建設発生土を、第2ホッパーへ投入する土の量を調節することで、流動化処理土の土成分の調整を行う調整工程。
【0040】
以下詳細に説明する。
(1)投入工程は、処理前保管施設10にあるがれきと建設発生土を第1ホッパー20に投入する工程である。
(2)第1分別工程は、投入されたがれきと建設発生土を第1篩装置30によって、粗骨材の粒径である40mmより大きいがれきと、粒径40mm以下のがれき及び建設発生土に分別する工程である。
(3)第1次破砕工程は、第1分別工程によって、粒径が粗骨材より大きいがれきを第1次破砕機で1次破砕する工程である。
(4)第2次破砕工程は、第2次破砕機60によって粗骨材の粒径である40mm以下の直径となるまで破砕する工程である。40mm以下にまで破砕されなかったがれきは次の振動篩機70で分別され、再度第2次破砕機60に戻され、40mm以下となるまでループする。
(5)第2次分別工程では、第2次破砕工程によって破砕された破砕物を、振動篩機70によって、粗骨材の粒径以下であって細骨材より粒径より大きいもの、及び細骨材の粒径以下に分別する工程である。振動篩機70で5mm以下に分別されたがれきは、第1篩装置30を通過してきた建設発生土と混合されており、流動化処理土原料製品として出荷される。
(6)再投入工程では、第1篩装置30によって粒径40mm以下であったがれきは第2ホッパーへ投入され、磁選機51で、磁性物55を除去した後、第3次破砕機90を経由して、振動篩機70に送られ、同様に、振動篩機70で粒径5mm以下に分別されたがれきは、第1篩装置30を通過してきた建設発生土と混合され、流動化処理土原料製品として出荷される。
(7)第2次再投入工程では、振動篩機70で粒径40mm以下5mmより大きいものに分別されたがれきは、吸引ゴミ選別機80で混入ゴミを除去された後、第2ホッパー85に送られ、磁選機で磁性物を除去した後、第3次破砕機90に送られ、破砕される。第3次破砕機で破砕されたがれきは、再度、振動篩機に送られ、5mm以下に分別されたがれきは、同様に第1篩装置30を通過してきた建設発生土と混合され、流動化処理土原料製品として出荷される。
(8)調整工程では、流動化処理土の土成分の調整は、第2ホッパー85へ投入する土の量を調節する。土分が少なくなった場合には、第2ホッパー85への建設発生土を投入することで、調整ができ、土分が多くなった場合には、第1ホッパー20にがれきのみを投入し、ガレキ分を増やし、第2ホッパー85への投入する建設発生土を減らすことで調整ができる。第2ホッパー85から第3時破砕機へ送るベルトコンベア91aにはスピード調整機能があり、建設発生土の導入量を容易に調整することができる。なお、細骨材を製造する工程に第2ホッパー85から建設発生土のみを投入してあらかじめ土の配合量を調整した混合の粒径40mm以下であって5mmより大きい混合物を製造しておいてもよい。
【0041】
次に、流動化処理土原料の生産方法について別の実施形態について説明する粗骨材(粒径40mm~0mm)又は細骨材(粒径5mm~0mm)の生産方法で得られた粗骨材又は/及び細骨材に、建設発生土を混合する方法である。細骨材(粒径5mm~0mm)の生産方法で得られた粗骨材又は/及び細骨材を、第2ホッパー85に投入するとともに、建設発生土を第2ホッパー85に投入する。粗骨材又は/及び細骨材及び建設発生土は、磁選機で磁性物を除去した後、第3次破砕機に送られ破砕されるとともに、混合される。混合された粗骨材又は/及び細骨材及び建設発生土は、振動篩機に送られ、5mm以下に分別されたがれき及び建設発生土と混合され、流動化処理土原料製品として出荷される。
【0042】
以上のように、本施設によれば、それぞれ粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料を一つの施設で作製することができる。また、流動化処理土を作製するに際しては、建設発生土を使用した場合でも、第1篩装置30、振動篩機70、吸引ゴミ選別機80を通過することで、異物のない土として利用することができ、建設発生土を有効に活用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上述した実施の形態で示すように粗骨材、細骨材及び流動化処理土原料の生産施設及び生産方法として産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
10…処理前保管施設、20…第1ホッパー、30…第1篩装置、40…第1次破砕機、51…磁選機、52…磁選機、55…磁性物、60…第2次破砕機、70…振動篩機、80…吸引ゴミ選別機、85…第2ホッパー、90…第3次破砕機、91…ベルトコンベア、100…破砕処理施設




図1
図2
図3