(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021431
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】監視盤サーバ、駅務システム、駅務方法、および駅務プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240208BHJP
【FI】
G07B15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124253
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 光弘
(72)【発明者】
【氏名】保木本 隆生
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA70
3E127CA02
3E127CA37
(57)【要約】
【課題】監視盤サーバに接続された係員端末によって自動改札機を制御すること。
【解決手段】実施形態に係る自動改札機および係員端末に接続された監視盤サーバであって、係員端末から、自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を受信する受信部と、操作指示に従って、自動改札機の電源を投入または開放するための第1のパケットを含む電源指示を生成する操作指示制御部と、電源指示を自動改札機に送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動改札機および係員端末に接続された監視盤サーバであって、
前記係員端末から、前記自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を受信する受信部と、
前記操作指示に従って、前記自動改札機の電源を投入または開放するための第1のパケットを含む電源指示を生成する操作指示制御部と、
前記電源指示を前記自動改札機に送信する送信部と、
を備える、監視盤サーバ。
【請求項2】
前記監視盤サーバの電源が解放されていた場合、前記操作指示は、前記監視盤サーバの電源を投入するための第2のパケットを含み、前記監視盤サーバは、前記第2のパケットにより電源が投入される、請求項1に記載の監視盤サーバ。
【請求項3】
前記監視盤サーバは、前記係員端末を操作する係員が配置される係員コーナーとは異なる場所に設置される、請求項1に記載の監視盤サーバ。
【請求項4】
前記係員端末は、タブレット型の端末であり、前記監視盤サーバと前記係員端末とは、有線また無線により接続される、請求項1に記載の監視盤サーバ。
【請求項5】
前記監視盤サーバ1は、複数の係員端末を接続され、第1の係員端末からの第1の操作指示に従った処理中に第1の係員端末とは異なる第2の係員端末からの第2の操作指示を受信した場合、前記操作指示制御部は、前記第1の操作指示に従った処理をキャンセルし、前記第2の操作指示を処理する、請求項1に記載の監視盤サーバ。
【請求項6】
監視盤サーバと、
前記監視盤サーバに接続された係員端末と、
前記監視盤サーバに接続された自動改札機と、
を備え、
前記係員端末は、
前記自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を取得する指示取得部と、
前記操作指示を送信する送信部と、
を備え、
前記監視盤サーバは、
前記操作指示を受信する受信部と、
前記操作指示に従って、前記自動改札機の電源を投入または開放するためのパケットを含む電源指示を生成する操作指示制御部と、
前記電源指示を前記自動改札機に送信する送信部と、
を備える、駅務システム。
【請求項7】
自動改札機および係員端末が接続された監視盤サーバが実行する駅務方法であって、
前記係員端末から、前記自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を受信することと、
前記操作指示に従って、前記自動改札機の電源を投入または開放するための第1のパケットを含む電源指示を生成することと、
前記電源指示を前記自動改札機に送信することと、
を備える、駅務方法。
【請求項8】
自動改札機および係員端末が接続された監視盤サーバのプロセッサによって実行させるための命令を備える駅務プログラムであって、前記命令は、
前記係員端末から、前記自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を受信することと、
前記操作指示に従って、前記自動改札機の電源を投入または開放するための第1のパケットを含む電源指示を生成することと、
前記電源指示を前記自動改札機に送信することと、
を備える、駅務プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視盤サーバ、駅務システム、駅務方法、および駅務プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅構内の係員コーナーに設置される機器として監視盤サーバがある。監視盤サーバは、自動改札機の状態を表示し、且つ自動改札機の電源操作を制御することが可能である。
【0003】
係員コーナーは、狭いため、係員コーナーには監視盤サーバの操作表示部のみを設置し、監視盤サーバ本体は、別の部屋に設置したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作表示部は、専用線で監視盤サーバと接続されており、操作表示部のみを係員コーナーに設置することが困難であるという問題がある。また、係員は、自動改札機に不具合があった場合、監視盤サーバによる自動改札機の電源操作、例えば、電源の投入、開放、またはリセット等の制御を実行する必要がある。これらの動作は、素早く実行する必要があるため、係員コーナー以外の場所に監視盤サーバを設置するのは困難であるという問題もある。
【0006】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、監視盤サーバに接続された係員端末を用意し、係員端末を用いて、監視盤サーバおよび自動改札機の制御を実行するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る、自動改札機および係員端末に接続された監視盤サーバは、前記係員端末から、前記自動改札機の電源を投入または開放するための操作指示を受信する受信部と、前記操作指示に従って、前記自動改札機の電源を投入または開放するための第1のパケットを含む電源指示を生成する操作指示制御部と、前記電源指示を前記自動改札機に送信する送信部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る駅務システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、監視盤サーバおよび係員端末のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、自動改札機の電源投入手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、係員端末から複数の操作指示を受信した場合の操作手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら監視盤サーバ、駅務システム、駅務方法、および駅務プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
(構成)
図1は、本実施形態に係る駅務システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、駅務システムは、監視盤サーバ1と、監視盤サーバ1にそれぞれ接続された、第1の係員端末2aと、第2の係員端末2bと、自動改札機3と、操作表示部4と、を備える。
【0011】
ここで、以下の説明において、第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bを分けて説明する必要がない場合、単に係員端末2と記載する。また、
図1では、係員端末2を2つ、すなわち第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bを示しているが、1つまたは2つよりも多くの係員端末2があって良い。更に、
図1では、簡単化のため、1つの自動改札機3のみを示しているが、複数の自動改札機3が監視盤サーバ1に接続されて良いのは勿論である。
【0012】
監視盤サーバ1は、駅構内の係員コーナーとは異なる場所、例えば、駅員室、サーバルーム等の駅構内の所定の場所に設置されて良い。監視盤サーバ1は、例えば、自動改札機とLAN接続される。そして、監視盤サーバ1は、所定のコマンドを自動改札機3に送信することにより、自動改札機3を制御することが可能である。また、監視盤サーバ1は、ネットワークを介して接続される中央サーバに自動改札機3を利用した利用者の利用者データを送信して良い。
【0013】
また、監視盤サーバ1は、各係員コーナーに配置されていた監視盤を1台にまとめたサーバであって良い。すなわち、監視盤サーバ1は、1つあればよく、複数の係員コーナーがあっても、複数の監視盤を配置する必要はない。
【0014】
係員端末2は、駅の係員が利用する端末である。係員端末2は、HUB(図示していない)等を介して監視盤サーバ1とLAN接続されていて良い。或いは、係員端末2は、タブレット型の携帯型端末であり、監視盤サーバ1と有線または無線で接続されていて良い。
【0015】
係員端末2が複数ある場合、例えば、係員端末は、係員コーナーと、駅長室とに配置されて良い。係員コーナーにいる係員が係員端末を操作することができない場合、駅長室の係員、例えば駅長が係員端末を操作して良い。このように、監視盤サーバ1に係員端末2を複数台接続することより、所定の係員が処理できなくとも、その処理を他の係員がフォローすることが可能となる。
【0016】
自動改札機3は、通路を通過(入場または出場)しようとする利用者(旅客)に対して通行を許可するかどうかを制御する。自動改札機3は、駅等の改札口に1台または複数台設置されていて良い。そして、これらの自動改札機3はそれぞれ、利用者を通行させる通路を形成する。また、自動改札機3は、利用者が使用するICカード等から得られた利用者情報を監視盤サーバ1に送信して良い。
【0017】
また、自動改札機3は、電源が投入されているまたは解放されている状態から監視盤サーバ1の指示に従って、電源を解消または投入された状態にすることが可能な自動改札機3であって良い。
【0018】
操作表示部4は、監視盤サーバ1に専用線で接続されており、従来の操作表示部4であって良い。例えば、操作表示部4は、監視盤サーバ1上に、または監視盤サーバ1の近傍に設置される。操作表示部4は、係員による操作入力を受付け、且つ、監視盤サーバ1が表示すべき情報を表示することが可能である。すなわち、操作表示部4は、監視盤サーバ1の入出力装置の一部であって良い。
【0019】
図2は、監視盤サーバ1および係員端末2のハードウェア構成および当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
監視盤サーバ1は、制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、通信インタフェース14、入出力インタフェース15を備える。制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、通信インタフェース14、および入出力インタフェース15は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース15は、操作表示部4と互いに通信可能に接続されている。
【0020】
監視盤サーバ1の制御部11は、監視盤サーバ1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0021】
プログラム記憶部12は、記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。プログラム記憶部12は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部11は、プログラム記憶部12に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0022】
データ記憶部13は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部13は、制御部11がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0023】
通信インタフェース14は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース14は、HUB等を介して係員端末2および自動改札機3と有線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース14は、係員端末2と無線接続する通信モジュールを含んで良い。すなわち、通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、係員端末2および自動改札機3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0024】
入出力インタフェース15は、操作表示部4等と接続される。入出力インタフェース15は、操作表示部4との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース15は、通信インタフェース14と一体であってもよい。例えば、入出力インタフェース15と操作表示部4とは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、これは、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行してもよい。
【0025】
また、監視盤サーバ1は、電源が解放されていたとしても、マザーボードから各構成に電源から電源が供給されている状態であった良い。すなわち、監視盤サーバ1は、特定のパケットを受信し、電源を投入することが可能なWake On LANを使用することが可能であって良い。
【0026】
続いて、制御部11のソフトウェア構成を更に詳細に説明する。
制御部11は、表示制御部111と、操作指示制御部112と、通信制御部113と、を備える
表示制御部111は、操作表示部4に表示する情報を制御する。例えば、制御部11は、自動改札機3の状態についての情報を自動改札機3から取得することが可能である。表示制御部111は、取得した情報を操作表示部4に表示するように制御して良い。
【0027】
操作指示制御部112は、Wake On LANを使用して自動改札機3の電源を投入するために、特定のパケットである電源指示を生成する。ここで、特定のパケットは、Wake On LANを用いて自動改札機3の電源を投入するために使用する特定配列のパケットである。操作指示制御部112は、生成した電源指示を通信制御部113に出力して良い。更に、操作指示制御部112は、ある操作指示に従った処理を実行中に他の操作指示を受信した場合、処理をキャンセルし、後から受信した他の操作指示の処理を実行して良い。
【0028】
通信制御部113は、係員端末2から操作指示を受信する受信部であって良い。また、通信制御部113は、電源指示を自動改札機3に送信する送信部であって良い。更に、通信制御部113は、操作指示を受信した係員端末2以外の係員端末2に自動改札機3に電源指示を送信したことを示す情報を送信して良い。
【0029】
次に、係員端末2のハードウェア構成を更に詳細に説明する。
制御部21は、係員端末2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部21は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0030】
プログラム記憶部22は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。プログラム記憶部22は、各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。すなわち、制御部21は、プログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0031】
データ記憶部23は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。データ記憶部23は、制御部21がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するために用いられる。
【0032】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース24は、監視盤サーバ1等の外部装置と有線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース24は、監視盤サーバ1と無線接続する通信モジュールを含んで良い。すなわち、通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、外部装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0033】
入出力インタフェース25は、入力装置26および出力装置27等と接続される。入出力インタフェース25は、入力装置26および出力装置27との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース25は、通信インタフェース24と一体であってもよい。例えば、係員端末2と、入力装置26または出力装置27の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行してもよい。
【0034】
入力装置26は、例えば、係員が係員端末2に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置26は、プログラム記憶部22またはデータ記憶部23に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0035】
出力装置27は、係員端末2から係員に提示するべき出力データを表示するディスプレイ、およびディスプレイに表示された情報を印刷するプリンタ等を含む。
【0036】
続いて、制御部21のソフトウェア構成を更に詳細に説明する。
制御部21は、表示制御部211と、操作指示取得部212と、通信制御部213と、を備える。
【0037】
表示制御部211は、出力装置27に含まれるディスプレイに各種情報を表示させることが可能である。表示される情報は、操作表示部4に表示される情報と同じであって良い。例えば、表示制御部211は、監視盤サーバ1から操作表示部4に表示されるべき各種情報を受信し、受信した情報を出力装置27に出力して良い。
【0038】
操作指示取得部212は、操作指示を取得する。例えば、入力装置26は、係員から自動改札機3の電源を投入する操作指示を受け付ける。入力装置26は、当該操作指示を操作指示取得部212に出力して良い。
【0039】
通信制御部213は、当該操作指示を監視盤サーバ1に送信する送信部として機能して良い。また、通信制御部213は、監視盤サーバ1からの操作応答を受信する受信部として機能して良い。また、通信制御部213は、操作表示部4に表示されるべき各種情報を受信して良い。
【0040】
(動作)
[自動改札電源投入]
図3は、自動改札機3の電源投入手順の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスは、監視盤サーバ1の制御部11、係員端末2の制御部21がそれぞれプログラム記憶部12およびプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンス図の動作が実現される。
【0041】
最初に、自動改札機3は、電源が解放されており、係員が係員端末2を用いて自動改札機3の電源を投入しようとしている。係員端末2の出力装置27および操作表示部4において、自動改札機3の電源が解放されていることを示す情報が表示されていて良い。また、監視盤サーバ1の電源は、投入されていても良いし、解放されていても良い。今回、監視盤サーバ1の電源は、解放されている、すなわち、電源がオフになっているとする。
【0042】
例えば、係員は、自動改札機3の電源を投入する指示を入力装置26に入力することにより、このシーケンスが開始されて良い。或いは、所定の時間になった際、制御部21が自動改札機3の電源を投入するためのプログラムをプログラム記憶部22から読み出すことにより開始しても良い。
【0043】
ステップST101で、操作指示取得部212は、操作指示を取得する。入力装置26は、係員から自動改札機3の電源を投入する操作指示を受け付ける。入力装置26は、当該操作指示を操作指示取得部212に出力する。また、所定の時間になった際、制御部21は、自動改札機3の電源を投入するプログラムをプログラム記憶部22から読み出し、操作指示を操作指示取得部212に出力して良い。
【0044】
このシーケンスの例では、監視盤サーバ1の電源が解放されているため、操作指示は、監視盤サーバ1の電源を投入するための特定のパケットを含む監視盤サーバ電源指示を含む。ここで、特定のパケットは、Wake On LANを用いて監視盤サーバ1の電源を投入するために使用する特定配列のパケットである。なお、監視盤サーバ1の電源が投入されている状態であれば、操作指示は、この監視盤サーバ電源指示を含む必要がないのは勿論である。
【0045】
ステップST102で、通信制御部213は、当該操作指示を監視盤サーバ1に送信する。操作指示取得部212は、取得した操作指示を通信制御部213に出力する。通信制御部213は、通信インタフェース14を通じて、当該操作指示を監視盤サーバ1に送信する。
【0046】
ステップST103で、監視盤サーバ1は、電源を投入する。通信インタフェース14は、操作指示を受信する。操作指示に、監視盤サーバ電源指示が含まれていることを確認すると、監視盤サーバ1は、Wake On LANを用いて電源を投入する。なお、Wake On LANを用いて監視盤サーバ1の電源を投入する方法は、一般的な方法であって良く、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
電源が投入された監視盤サーバ1の制御部11は、電源が投入されたことを示す情報を係員端末2に送信するとともに、操作表示部4に出力して良い。係員端末2の出力装置27および操作表示部4は、監視盤サーバ1の電源が投入されたことを示す情報を表示することになる。
【0048】
ステップST104で、操作指示制御部112は、電源指示を生成する。電源が投入された監視盤サーバ1の操作指示制御部112は、操作指示がどの自動改札機3の電源を投入するのかを判定する。そして、操作指示制御部112は、Wake On LANを使用して自動改札機3の電源を投入するために、特定のパケットである電源指示を生成する。ここで、特定のパケットは、Wake On LANを用いて自動改札機3の電源を投入するために使用する特定配列のパケットである。特定パケットは、監視盤サーバ1の電源を投入する際に使用した特定のパケットと同じ配列のパケットであっても良いし、異なる配列のパケットであっても良い。操作指示制御部112は、生成した電源指示を通信制御部113に出力する。
【0049】
ステップST105で、通信制御部113は、電源指示を自動改札機3に送信する。操作指示制御部112は、生成した電源指示を通信制御部113に出力する。通信制御部113は、通信インタフェース14を通じて、電源指示を自動改札機3に送信する。
【0050】
なお、通信制御部113は、操作指示を受信した係員端末2以外の係員端末2に自動改札機3に電源指示を送信したことを示す情報を送信して良い。係員端末2の表示制御部211は、出力装置27に自動改札機3が他の係員端末2により、電源指示を受けて自動改札機3が投入される旨の情報を表示させるようにして良い。これにより、他の係員は、自動改札機3の状態を知ることができる。
【0051】
また、監視盤サーバ1の表示制御部111は、係員端末2の出力装置27に表示されるのと同じように自動改札機3の電源指示を受けて自動改札機3が投入される旨の情報を表示して良い。
【0052】
ステップST106で、通信制御部113は、電源応答を受信する。電源指示である特定のパケットを受信すると、自動改札機3は、Wake ON LANを用いて電源を投入する。電源が投入された後、自動改札機3は、電源が投入されたことを示す電源応答を監視盤サーバ1に送信して良い。
【0053】
ステップST107で、通信制御部113は、操作応答を係員端末2に送信する。電源応答を受信した通信制御部113は、自動改札機3の電源が投入されたことを示す操作応答を生成し、通信インタフェース14を通じて、当該操作応答を係員端末2に送信する。当該操作応答を受信した係員端末2の表示制御部211は、自動改札機3の電源が投入されたことを示す情報を出力装置27に表示させるように制御して良い。また、操作応答は、操作指示を送信した係員端末2以外の係員端末2に送信して良いのは勿論である。更に、監視盤サーバ1の表示制御部111は、操作表示部4にも操作応答を出力して良い。
【0054】
このように、係員は、監視盤サーバ1の操作表示部4を操作しなくとも、係員端末2を用いて自動改札機3の電源を投入することが可能となる。
【0055】
なお、電源開放手順は、
図3を参照して説明した電源投入手順と同様に実行可能である。例えば、操作指示が自動改札機3の電源を解放するための操作指示であれば良い。
図3を参照して説明した動作と同様に、監視盤サーバ1の制御部は、電源指示を生成して自動改札機3の電源を解放するようにすれば良い。なお、ステップST105の電源指示の送付に従って自動改札機3の電源が解放されてしまうため、ステップST106は、スキップして良い。
【0056】
また、操作指示は、自動改札機3の電源を投入または解放する操作指示に限られず、自動改札機3の状態を更新する操作指示等任意の操作指示であって良い。すなわち、係員は、操作表示部4で実行可能な操作を、係員端末を用いて実行することができる。
【0057】
[複数の操作指示受信時]
図4は、係員端末2から複数の操作指示を受信した場合の操作手順の一例を示すシーケンス図である。
係員端末2が複数ある場合、それぞれの係員端末2から操作指示を監視盤サーバ1に送信することが可能となる。例えば、第1の係員端末2aから操作指示を送信した際に、この操作指示による処理を監視盤サーバ1が処理する前に第2の係員端末2bから操作指示を受信する場合がある。このような場合についての操作手順を、
図4を参照して説明する。
【0058】
シーケンスは、監視盤サーバ1の制御部11、係員端末2の制御部21がそれぞれプログラム記憶部12およびプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンス図の動作が実現される。
【0059】
このシーケンスは、例えば、第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bを操作する係員から操作指示の入力がなされたことにより開始して良い。なお、操作指示の入力の時間的な順序は任意で良い。
【0060】
ステップST201およびステップST202で、第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bの操作指示取得部212は、操作指示を受信する。操作指示は、任意の操作指示でよい。例えば、自動改札機3の電源を投入する指示であっても良いし、自動改札機3の状態を調べる指示等であっても良い。
【0061】
ステップST203およびステップST204で、第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bの通信制御部213は、当該操作指示を監視盤サーバ1に送信する。操作指示取得部212は、取得した操作指示を通信制御部213に出力する。通信制御部213は、通信インタフェース14を通じて、当該操作指示を監視盤サーバ1に送信する。
【0062】
ここで、第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bから送信される操作指示は、監視盤サーバ1で処理されることになる。しかしながら、監視盤サーバ1は、例えば、第1の係員端末2aから送信された操作指示の処理が完了する前に第2の係員端末2bから送信された操作指示を受信する。
【0063】
ステップST205で、操作指示制御部112は、操作指示を上書きする。例えば、操作指示は、第1の係員端末からの操作指示に従った操作の処理中に第2の係員端末2bから操作指示を受信する。この場合、操作指示制御部112は、第1の係員端末からの操作指示の処理をキャンセルし、第2の係員端末2bの操作指示を処理する。すなわち、操作指示制御部112は、後から受信した操作指示の処理を優先し、前の操作指示の処理をキャンセルする。
【0064】
ステップST206で、通信制御部113は、操作応答を第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bに送信する。通信制御部113は、第2の係員端末2bの操作指示を処理し、処理し終えたことおよび第1の操作指示がキャンセルされたことを示す操作応答を生成し、通信インタフェース14を通じて、当該操作応答を第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bに送信する。当該操作応答を受信した第1の係員端末2aおよび第2の係員端末2bの表示制御部211は、当該操作応答を出力装置27に表示させるように制御して良い。また、操作応答は、操作指示を送信した係員端末2以外の係員端末2に送信して良い。これにより、第2の係員端末2bによる操作指示が処理され、第1の係員端末2aによる操作指示がキャンセルされたことを各係員が分かるようになる。
【0065】
(作用効果)
以上説明した実施形態によれば、係員端末2を用いて、自動改札機3の制御を行うことができる。これにより、監視盤サーバ1を係員コーナーに配置する必要がなくなる。また、監視盤サーバ1に複数の係員端末2を接続させることにより、1人の係員が自動改札機3の制御を実行することができない状態であっても、他の係員が制御することが可能となる。
【0066】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上の実施形態では、監視盤サーバ1が駅構内の所定の場所に配置されているとしたが、例えば、中央サーバが監視盤サーバ1の機能を実行しても良い。すなわち、中央サーバが複数の駅に配置された監視盤サーバ1の代わりに機能を担って良い。
【0067】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0068】
1…監視盤サーバ
11…制御部
111…表示制御部
112…操作指示制御部
113…通信制御部
12…プログラム記憶部
13…データ記憶部
14…通信インタフェース
15…入出力インタフェース
2…係員端末
21…制御部
211…表示制御部
212…操作指示取得部
213…通信制御部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
24…通信インタフェース
25…入出力インタフェース
26…入力装置
27…出力装置
3…自動改札機
4…操作表示部