特開 2024-21497 波紋発生装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024021497

(43)【公開日】2024-02-16

(54)【発明の名称】波紋発生装置

(51)【国際特許分類】

   G09F 19/02 20060101AFI20240208BHJP

   H04R 1/02 20060101ALI20240208BHJP

【ＦＩ】

G09F19/02 M

H04R1/02 103Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022124352

(22)【出願日】2022-08-03

(71)【出願人】

【識別番号】000112565

【氏名又は名称】フォスター電機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001519

【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】長谷川 真也

(72)【発明者】

【氏名】玉置 裕太

(72)【発明者】

【氏名】舟橋 康太

(57)【要約】

【課題】スピーカとは別に振動体を制御可能な波紋発生装置を提供する。
【解決手段】波紋発生装置１０は、液体Ｗが収容された容器３０と、音を出力可能なスピーカ１２と、容器３０内に設けられ、スピーカ１２へ入力された信号とは異なる信号に基づいて振動することで液体Ｗを振動させる振動体３２と、液体Ｗへ向けて光を照射可能な光源３８と、を有する。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

液体が収容された容器と、
音を出力可能なスピーカと、
前記容器内に設けられ、前記スピーカへ入力された信号とは異なる信号に基づいて振動することで液体を振動させる振動体と、
液体へ向けて光を照射可能な光源と、
を有する波紋発生装置。

【請求項2】

前記振動体に直接的に設けられ、前記振動体で発生した振動を液面に伝達させて波紋を発生させる液面振動部材を有する請求項１に記載の波紋発生装置。

【請求項3】

前記容器の底面にクッション材が設けられ、
前記クッション材の上面に前記液面振動部材が固定されている請求項２に記載の波紋発生装置。

【請求項4】

前記振動体は、前記スピーカへ入力される信号に所定の処理を行った信号に基づいて振動する請求項１に記載の波紋発生装置。

【請求項5】

前記振動体の中心と前記光源とが同軸上に配置されている請求項１に記載の波紋発生装置。

【請求項6】

前記容器に対する上下方向の一方側に前記光源が設けられ、
前記容器に対する上下方向の他方側に前記スピーカが設けられている請求項１に記載の波紋発生装置。

【請求項7】

前記容器は、前記スピーカによって下方から支持されており、
前記容器よりも上方には、下方へ向けて光を照射可能に前記光源が設けられている請求項１に記載の波紋発生装置。

【請求項8】

前記容器は、平面視で円形に形成されている請求項７に記載の波紋発生装置。

【請求項9】

前記スピーカは、前記容器よりも小径の円柱状に形成されている請求項８に記載の波紋発生装置。

【請求項10】

前記容器及び前記振動体を含む振動体ユニットと、
前記光源を含む光源ユニットと、
前記スピーカを含むスピーカユニットと、
を備え、
前記振動体ユニット、前記光源ユニット及び前記スピーカユニットは、互いに位置関係を変更可能に連結されている請求項１に記載の波紋発生装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、波紋発生装置に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、水が貯留された水槽と、水の静水面に接する振動体と、振動体に振動を付与するスピーカとを含んで構成された音響視覚化装置が開示されている。具体的には、特許文献１に記載の装置では、振動体の一端がスピーカの振動板に取付けられており、スピーカが駆動することで音と共に振動体が縦振動して波紋が発生する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第６９２１５０２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、特許文献１に記載された装置では、スピーカの振動板に振動体が取り付けられているため、スピーカに入力される信号に基づいて振動体が振動することとなり、振動体を個別に動作させることができない。

【0005】

本発明は、スピーカとは別に振動体を制御可能な波紋発生装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

第１の態様に係る波紋発生装置は、液体が収容された容器と、音を出力可能なスピーカと、前記容器内に設けられ、前記スピーカへ入力された信号とは異なる信号に基づいて振動することで液体を振動させる振動体と、液体へ向けて光を照射可能な光源と、を有する。

【0007】

上記態様では、液体が収容された容器内に、振動体が設けられている。ここで、振動体は、スピーカに入力された信号とは異なる信号に基づいて振動することで液体を振動させる。これにより、振動体とスピーカとを個別に制御することができる。

【0008】

第２の態様に係る波紋発生装置は、第１の態様において、前記振動体に直接的に設けられ、前記振動体で発生した振動を液面に伝達させて波紋を発生させる液面振動部材を有する。

【0009】

上記態様では、液面振動部材が振動体に直接的に設けられているため、振動体が小型であっても波紋を発生させることができる。また、振動体の動作と波紋の発生との間にタイムラグが生じにくい。

【0010】

第３の態様に係る波紋発生装置は、第２の態様において、前記容器の底面にクッション材が設けられ、前記クッション材の上面に前記液面振動部材が固定されている。

【0011】

上記態様では、クッション材によって振動体の振動が容器に伝達されるのを抑制できる。

【0012】

第４の態様に係る波紋発生装置は、第１の態様において、前記振動体は、前記スピーカへ入力される信号に所定の処理を行った信号に基づいて振動する。

【0013】

上記態様では、スピーカへ入力される信号に所定の処理を行った信号に基づいて振動体を振動させることで、振動体の振動によってスピーカから出力される音が影響されずに済む。

【0014】

第５の態様に係る波紋発生装置は、第１の態様において、前記振動体の中心と前記光源とが同軸上に配置されている。

【0015】

上記態様では、波紋の投影面の中心から波紋が発生するのを視認することができ、波紋を綺麗に見せることができる。

【0016】

第６の態様に係る波紋発生装置は、第１の態様において、前記容器に対する上下方向の一方側に前記光源が設けられ、前記容器に対する上下方向の他方側に前記スピーカが設けられている。

【0017】

上記態様では、上記態様では、容器を挟んで光源とスピーカとを配置することができる。

【0018】

第７の態様に係る波紋発生装置は、第１の態様において、前記容器は、前記スピーカによって下方から支持されており、前記容器よりも上方には、下方へ向けて光を照射可能に前記光源が設けられている。

【0019】

上記態様では、容器を支持する支持部材を別途設ける必要がない。

【0020】

第８の態様に係る波紋発生装置は、第５の態様において、前記容器は、平面視で円形に形成されている。

【0021】

上記態様では、容器を円形に形成することで、容器を多角形状に形成した構成と比較して、波紋の形が崩れずに済む。

【0022】

第９の態様に係る波紋発生装置は、第６の態様において、前記スピーカは、前記容器よりも小径の円柱状に形成されている。

【0023】

上記態様では、波紋を投影する際にスピーカが邪魔にならない。

【0024】

第１０の態様に係る波紋発生システムは、第１の態様において、前記容器及び前記振動体を含む振動体ユニットと、前記光源を含む光源ユニットと、前記スピーカを含むスピーカユニットと、を備え、前記振動体ユニット、前記光源ユニット及び前記スピーカユニットは、互いに位置関係を変更可能に連結されている。

【0025】

上記態様では、振動体ユニット、光源ユニット及びスピーカユニットの位置関係を変更することで、波紋の投影方向を容易に変化させることができる。

【発明の効果】

【0026】

本発明に係る波紋発生装置及び波紋発生システムによれば、簡易な構造で小型化できる。

【図面の簡単な説明】

【0027】

【図1】第１実施形態に係る波紋発生装置の斜視図である。

【図2】第１実施形態に係る波紋発生装置を部分的に切断した状態を示す一部破断断面図である。

【図3】第１実施形態における振動体を径方向から見た状態を示す断面図である。

【図4】第２実施形態における波紋発生装置の斜視図であり、各ユニットが直線状に配置された状態を示す図である。

【図5】第２実施形態における波紋発生装置の斜視図であり、図４の状態から位置関係を変更した図である。

【発明を実施するための形態】

【0028】

＜第１実施形態＞
第１実施形態に係る波紋発生装置１０及び波紋発生システムＳについて図面を参照して説明する。なお、各図に適宜示す矢印ＵＰは、波紋発生装置１０の上方向を示したものである。

【0029】

図１は、波紋発生装置１０を含む波紋発生システムＳの斜視図である。また、図２は波紋発生システムの一部破断断面図である。図１及び図２に示されるように、本実施形態の波紋発生システムＳは、波紋発生装置１０及び信号入力部１４を含んで構成されており、波紋発生装置１０は、液体が収容された容器３０と、音を出力可能なスピーカ１２と、液体を振動させる振動体３２と、光を照射可能な光源としてのＬＥＤ（Light Emitting Diode）３８とを含んで構成されている。

【0030】

容器３０は、スピーカ１２の上部に設けられており、スピーカ１２によって下方から支持されている。また、信号入力部１４は、波紋発生装置１０及びスピーカ１２の近傍に配置されており、信号入力部１４と波紋発生装置１０とが第１ケーブルＣ１によって電気的に接続されている。さらに、信号入力部１４とスピーカ１２とが第２ケーブルＣ２によって電気的に接続されている。

【0031】

信号入力部１４は、スピーカ１２へ音響信号を入力すると共に、音響信号に基づく信号を波紋発生装置１０の振動体３２に入力する。例えば、信号入力部１４は、オーディオプレーヤなどから入力された音響信号をスピーカ１２に出力する。また、例えば、信号入力部１４は、ローパスフィルタを用いて音響信号から抽出される低周波数帯域の信号から、特定の信号として、信号レベルが閾値を超えた低周波数帯域の信号を検出し、特定の信号の検出タイミングに応じて、振動体３２を振動させる。

【0032】

（スピーカ１２）
スピーカ１２は、スピーカ１２は、容器３０よりも小径の円柱状に形成されており、スピーカ本体１８と筐体２０とを含んで構成されている。筐体２０は、中空の略円筒状に形成されており、下部よりも上部の径が小さくなるように先細り形状とされている。

【0033】

筐体２０の内部には、保持部２０Ａが形成されており、保持部２０Ａにスピーカ本体１８が保持されている。スピーカ本体１８は、下部にマグネット及びボイスコイルなどが配置されており、上部に振動板が配置されている。そして、マグネットを含む磁気回路中に設けられたボイスコイルに電流が流れることで、ボイスコイルを含む可動子が往復運動して振動板を振動させることで音を出力する。

【0034】

筐体２０の内部空間の上面は、中心から周端部へ向けて徐々に上方へ傾斜したテーパ状に形成されており、スピーカ本体１８から出力された音を筐体２０の径方向外側へ拡散させる。また、筐体２０の外周面には図示しない複数のスリットが形成されており、スリットを通じて筐体２０の外周面の全体から音が出力されるように構成されている。

【0035】

図２に示されるように、容器３０は、上側部材３０Ａ、下側部材３０Ｂ及び連結部材３０Ｃを含んで平面視で略円形に形成されている。上側部材３０Ａは、ガラス又は透明な樹脂などで形成されており、平面視で略円形の天井部と、天井部の外周端部から下方へ延在された側面部とを含んで構成されている。下側部材３０Ｂは、ガラス又は透明な樹脂などで形成されており、平面視で略円形の天井部と、天井部の外周端部から上方へ延在された側面部とを含んで構成されている。

【0036】

連結部材３０Ｃは、上側部材３０Ａと下側部材３０Ｂとの間に設けられており、両者を上下方向に連結している。具体的には、連結部材３０Ｃは、リング状に形成されており、連結部材３０Ｃの上端面には上側部材３０Ａの側面部における下端面が接続されている。

【0037】

一方、連結部材３０Ｃの下端面には、下側部材３０Ｂの側面部における上端面が接続されている。なお、連結部材３０Ｃは、上側部材３０Ａ及び下側部材３０Ｂと同様に透明の材料で形成されてもよく、半透明又は不透明の材料で形成されてもよい。連結部材３０Ｃを透明な材料で形成することで、利用者が容器３０の内部が視認しやすくなる。また、連結部材３０Ｃを半透明又は不透明の材料で形成することで、振動体３２などの部品が側面から見えないようにすることができる。

【0038】

本実施形態では一例として、連結部材３０Ｃによって上側部材３０Ａ及び下側部材３０Ｂが取り外し不能に連結されているが、これに限定されない。例えば、連結部材３０Ｃと上側部材３０Ａとの接合状態を解除する機構を設け、上側部材３０Ａが取り外し可能な構造としてもよい。

【0039】

容器３０の内部には、液体の一例である水Ｗが収容されている。なお、水Ｗに代えて他の液体が収容された構成としてもよい。この場合、液体の色は特に限定されず、例えば、有色の液体を容器３０に収容してもよい。

【0040】

容器３０内には振動体３２が設けられており、振動体３２は、スピーカ１２へ入力された信号とは異なる信号に基づいて振動することで水Ｗを振動させる。具体的には、振動体３２は、スピーカ１２へ入力される信号に所定の処理を行った信号に基づいて振動する。振動体３２の詳細な構造について、図３を参照して説明する。

【0041】

図３は、振動体３２を径方向から見た状態を示す断面図である。この図３に示されるように、振動体３２は、ケース４０、コイル４４、可動子４５、板バネ５２及び枠体５４とを含んで構成されている。

【0042】

ケース４０は、ケース本体部４０Ａと上下一対の蓋部４０Ｂとを含んで構成されている。ケース本体部４０Ａは、例えば樹脂で略円筒状に形成されている。また、ケース本体部４０Ａの上下方向（軸方向）の両端部は開放されている。

【0043】

上下一対の蓋部４０Ｂはそれぞれ、樹脂で形成されており、ケース本体部４０Ａの上部開口及び下部開口を塞ぐようにケース本体部４０Ａに取付けられている。例えば、蓋部４０Ｂに係止孔を形成すると共にケース本体部４０Ａに係止爪を形成し、蓋部４０Ｂの係止孔にケース本体部４０Ａの係止爪を係合させることで機械的にケース本体部４０Ａと蓋部４０Ｂとを連結する構成としてもよい。

【0044】

ケース４０の内部空間には、ヨーク４２が配設されている。ヨーク４２は、筒状の軟磁性材料で形成されており、ケース本体部４０Ａに形成された凹部に嵌め込まれることでケース本体部４０Ａに保持されている。

【0045】

ヨーク４２の内周面には、接着剤などによってコイル４４が固定されている。コイル４４は、上下に２つ設けられており、それぞれ巻線が巻回されることで形成されている。また、コイル４４には第１ケーブルＣ１を通じて信号入力部１４から電力が供給されるように構成されており、コイル４４に通電されることで磁場を発生させ、磁気回路を構成する。なお、コイル４４はボビンに巻回してケース４０内に配置してもよいが、小型化する観点でヨーク４２の内周面に固定する方が好ましい。

【0046】

可動子４５は、ケース４０の中心軸に沿って上下に振動可能な状態でケース４０の内部空間に配設されており、錘４６、ポールピース４８及びマグネット５０を含んで構成されている。

【0047】

マグネット５０は、可動子４５における上下方向の中央部に配置されている。また、マグネット５０は、扁平の略円柱状に形成されており、コイル４４に接触しない程度の直径とされている。このため、マグネット５０とコイル４４との間には隙間が設けられている。

【0048】

マグネット５０の上面及び下面にはそれぞれ、ポールピース４８が固定されている。すなわち、ポールピース４８は、上下一対設けられている。ポールピース４８は、軟磁性材料で形成されており、マグネット５０よりも僅かに大径の略円柱状に形成されている。また、ポールピース４８の中心部にはマグネット５０とは反対側へ突出した凸部４８Ａが形成されており、凸部４８Ａとは反対側の面には、凹部４８Ｂが形成されている。

【0049】

錘４６は、非磁性体で形成されており、円柱状部分と、円柱状部分から径方向外側へ延出されたベース部分とを含んで構成されている。また、錘４６におけるポールピース４８側の面には、凹部４６Ａが形成されており、この凹部４６Ａにポールピース４８の凸部４８Ａが係合されている。

【0050】

錘４６における円柱状部分の先端には突出部４６Ｂが形成されており、この突出部４６Ｂは、後述する板バネ５２に挿入されている。

【0051】

板バネ５２は、ケース本体部４０Ａの軸方向一端部及び軸方向他端部にそれぞれ配置されている。また、板バネ５２は、一枚又は複数枚の金属板によって構成されており、可撓性を有している。

【0052】

板バネ５２の中央部には貫通孔が形成されており、この貫通孔に錘４６の突出部４６Ｂが挿入されている。また、突出部４６Ｂは、加締めなどにより板バネ５２に固定されている。

【0053】

板バネ５２の外周端部は、枠体５４に固定されている。枠体５４は、略円環状に形成されており、ケース本体部４０Ａに固定されている。このため、板バネ５２は、枠体５４を介してケース本体部４０Ａに固定されている。

【0054】

振動体３２は以上のように構成されており、コイル４４に通電されていない状態では、可動子４５がケース本体部４０Ａにおける軸方向の中央部に位置している。また、上下の板バネ５２は、変形していない。この状態でコイル４４に交流電流を流すことで、フレミングの左手の法則に基づいて可動子４５に軸方向の推力が発生する。また、可動子４５の移動に伴い、上下の板バネ５２が弾性変形して可動子４５に付勢力を作用させることで、可動子４５が軸方向に振動する。なお、コイル４４に入力される入力信号は、スピーカ１２へ入力される音響信号から所定の周波数帯域の信号を抽出した信号となっている。

【0055】

図１及び図２に示されるように、振動体３２は、プレート３４の上面に固定されている。プレート３４は、振動体３２に直接的に設けられ、振動体３２で発生した振動を液面に伝達させて波紋を発生させる液面振動部材である。

【0056】

プレート３４は、平面視で略円形に形成されており、このプレート３４の中心に振動体３２が配置されている。また、プレート３４の外周端部から上方へ周壁部３４Ａが延在されており、この周壁部３４Ａによって容器３０の内部の水Ｗが振動体３２に接触しないように構成されている。

【0057】

ここで、プレート３４の下面は、水Ｗの水面と略同じ高さに位置している。このため、振動体３２の振動に伴ってプレート３４が上下に移動することで、プレート３４と水Ｗとの接触部分から波紋が発生する。

【0058】

プレート３４の下面には、クッション材３６が配置されている。クッション材３６は、弾性変形可能な材料で形成されており、プレート３４よりも小径の略円板状に形成されている。また、クッション材３６は、容器３０の底面に固定されており、このクッション材３６の上面にプレート３４が固定されている。このため、クッション材３６が弾性変形することでプレート３４の上下移動が許容される。

【0059】

ここで、クッション材３６は、容器３０の中心部に固定されており、プレート３４は、クッション材３６の中心部に固定されており、振動体３２は、プレート３４の中心部に固定されている。このため、容器３０、振動体３２、プレート３４及びクッション材３６は、同軸上に配置されている。

【0060】

容器３０よりも上方にはＬＥＤ３８が配置されている。ＬＥＤ３８は、振動体３２の中心軸と同軸上に配置されており、容器３０に収容された振動体３２及びプレート３４へ向けて光を照射可能な方向に配置されている。このため、ＬＥＤ３８は、容器３０に対する上下方向の一方側に設けられ、容器３０に対する上下方向の他方側にスピーカ１２が設けられた構成となっている。

【0061】

ＬＥＤ３８は、ブラケット１６を介して容器３０に固定されている。ブラケット１６は、容器３０の上面に立設された縦部材１６Ａと、縦部材１６Ａから水平方向へ延在された横部材１６Ｂとを含んで構成されている。縦部材１６Ａは、例えば、板金によって形成されており、縦部材１６Ａの下端部が容器３０に沿って折り曲げられて接着剤などによって容器３０に固定されている。ここで、縦部材１６Ａは、容器３０の中心よりも径方向の外側へオフセットされた位置に固定されている。

【0062】

横部材１６Ｂは、縦部材１６Ａと同様の板金で形成されており、一端部が縦部材１６Ａに固定されており、他端部にＬＥＤ３８が固定されている。また、横部材１６Ｂは、縦部材１６Ａから容器３０の中心部へ向けて延在されており、ＬＥＤ３８の中心が容器３０の中心と一致するように構成されている。

【0063】

本実施形態に係る波紋発生装置１０は以上のように構成されており、作動することで、スピーカ本体１８に入力された音響信号が音楽として周囲に出力される。また、音楽に合わせて振動体３２が振動することで波紋が発生する。さらに、ＬＥＤ３８から下方へ光が照射されることで、波紋の影が地面に投影される。なお、スピーカ本体１８に入力される音響信号は、音楽に限定されず、音声などの他の音の信号でもよい。

【0064】

（作用）
次に、本実施形態の作用を説明する。

【0065】

本実施形態に係る波紋発生装置１０では、水Ｗが収容された容器３０内に振動体３２が設けられており、振動体３２は、スピーカ１２に入力される信号とは異なる信号に基づいて振動することで水Ｗを振動させる。これにより、振動体３２とスピーカ１２とを個別に制御することができる。

【0066】

また、本実施形態では、スピーカ１２へ入力される信号に所定の処理を行った信号に基づいて振動体３２を振動させることで、振動体３２の振動によってスピーカ１２から出力される音が影響されずに済む。

【0067】

さらに、本実施形態では、振動体３２の中心とＬＥＤ３８とが同軸上に配置されているため、波紋の投影面の中心から波紋が発生するのを視認することができ、波紋を綺麗に見せることができる。

【0068】

さらにまた、本実施形態では、容器３０を挟んでＬＥＤ３８とスピーカ１２とが配置されており、容器３０がスピーカ１２に支持されているため、容器３０を支持する支持部材を別途設ける必要がない。

【0069】

また、本実施形態では、容器３０が円形に形成されていることで、容器３０を多角形状に形成した構成と比較して、波紋の形が崩れずに済む。また、スピーカ１２は容器３０よりも小径であるため、波紋を投影する際にスピーカ１２が邪魔にならない。

【0070】

さらに、本実施形態では、プレート３４が振動体３２に直接的に設けられているため、振動体３２が小型であっても波紋を発生させることができる。また、振動体３２の動作と波紋の発生との間にタイムラグが生じにくい。さらに、クッション材３６によって振動体３２の振動が容器３０に伝達されるのを抑制できる。

【0071】

＜第２実施形態＞
次に、第２施形態に係る波紋発生装置６０について図面を参照して説明する。なお、第１実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。

【0072】

図４は、第２実施形態に係る波紋発生装置６０の斜視図である。図４に示されるように、本実施形態の波紋発生装置６０は、スピーカ本体１８を備えたスピーカユニット６２と、ＬＥＤ３８を備えた光源ユニット６４と、振動体３２を備えた振動体ユニット６６とを含んで構成されている。

【0073】

スピーカユニット６２は、第一筐体６３とスピーカ本体１８とを含んで構成されている。第一筐体６３は、略円柱状に形成されており、第一筐体６３の内部にスピーカ本体１８が配設されている。また、第一筐体６３は、図示しないケーブルが接続されており、ケーブルを介してスピーカ本体１８に電力が供給される。また、図示しないケーブルを介してスピーカ本体１８に音響信号が入力される。

【0074】

なお、スピーカユニット６２をコードレスの構造としてもよい。この場合、第一筐体６３の内部にバッテリが配設され、バッテリからスピーカ本体１８に電力が供給される。また、第一筐体６３の内部に無線通信機を搭載して外部から音響信号を取得する構成でもよい。

【0075】

第一筐体６３の側面は、メッシュ状に形成されており、この外周面から外部へ音が出力される。

【0076】

光源ユニット６４は、第二筐体６５とＬＥＤ３８をとを含んで構成されている。第二筐体６５は、第一筐体６３と略同じ大きさの略円柱状に形成されており、第二筐体６５の内部にＬＥＤ３８が配設されている。

【0077】

第二筐体６５の側面は光を遮蔽する材料で形成されており、第二筐体６５の上面は光を透過する透明材料などで形成されている。このため、ＬＥＤ３８を点灯させると、上面から光が照射される。

【0078】

なお、本実施形態の光源ユニット６４は、後述する第一連結部材７０及び第二連結部材７２を介してスピーカユニット６２から電力が供給される構成となっているが、これに限定されない。例えば、第二筐体６５の内部にバッテリを設け、バッテリからＬＥＤ３８に電力が供給される構成としてもよい。

【0079】

振動体ユニット６６は、容器としての第三筐体６７と、振動体３２と、プレート３４とを含んで構成されている。第三筐体６７は、第一筐体６３及び第二筐体６５と略同じ大きさの略円柱状に形成されており、第三筐体６７の内部に液体としての水（不図示）が収容されている。また、本実施形態の第三筐体６７は、全面が透明材料によって形成されている。

【0080】

また、第三筐体６７の内部には、振動体３２及びプレート３４が配設されている。第三筐体６７の底部には、図示しないクッション材が固定されており、このクッション材の上面にプレート３４が固定されている。また、プレート３４の上面に振動体３２が固定されている。クッション材、プレート３４及び振動体３２は、第三筐体６７の中心軸と同軸上に配設されている。

【0081】

ここで、スピーカユニット６２、光源ユニット６４及び振動体ユニット６６は、第一連結部材７０及び第二連結部材７２によって互いに位置関係を変更可能に連結されている。

【0082】

第一連結部材７０は、一対のロッド７０Ａ、７０Ｂを含んで構成されており、第二連結部材７２は、一対のロッド７２Ａ、７２Ｂを含んで構成されている。ロッド７０Ａの一端部は、スピーカユニット６２の側面に回動可能に取り付けられており、ロッド７０Ａの他端部は、第二連結部材７２を構成するロッド７２Ａに回動可能に取り付けられている。

【0083】

ロッド７０Ｂの一端部は、ロッド７０Ａが取り付けられた部位とは反対側でスピーカユニット６２の側面に回動可能に取り付けられており、ロッド７０Ｂの他端部は、第二連結部材７２を構成するロッド７２Ｂに回動可能に取り付けられている。このため、スピーカユニット６２は、第一連結部材７０に対して回動できるように構成されている。

【0084】

第二連結部材７２を構成するロッド７２Ａは、一端部が光源ユニット６４の側面に回動可能に取り付けられており、他端部が振動体ユニット６６の側面に回動可能に取り付けられている。また、ロッド７２Ａの一端部と他端部との中間部分にロッド７０Ａが取り付けられている。

【0085】

第二連結部材７２を構成するロッド７２Ｂは、一端部が光源ユニット６４の側面に回動可能に取り付けられており、他端部が振動体ユニット６６の側面に回動可能に取り付けられている。また、ロッド７２Ｂの一端部と他端部との中間部分にロッド７０Ｂが取り付けられている。

【0086】

なお、図示はしないが、第一連結部材７０及び第二連結部材７２に沿って電力を供給可能なケーブルを配設してもよい。例えば、スピーカユニット６２の内部にバッテリを設け、バッテリからケーブルを介して光源ユニット６４及び振動体ユニット６６へ電力を供給する構成としてもよい。

【0087】

以上のように、スピーカユニット６２、光源ユニット６４及び振動体ユニット６６は、第一連結部材７０及び第二連結部材７２に回動可能に取り付けられているため、互いに位置関係を変更可能となっている。

【0088】

例えば、図４の状態で各ユニットを作動させると、光源ユニット６４の上面から振動体ユニット６６へ光が照射され、振動体ユニット６６の先にある天井などの投影面へ波紋の影が投影される。また、スピーカユニット６２から波紋と連動した音楽が出力される。また、例えば、図４の状態から図５の状態へ遷移させてもよい。

【0089】

図５は、図４の状態から各ユニットの位置関係を変更した図である。図５に示されるように、第一連結部材７０に対してスピーカユニット６２が回動されていないため、スピーカユニット６２は、図４の位置から変更されていない。一方、第一連結部材７０に対して第二連結部材７２が回動されており、第一連結部材７０と第二連結部材７２とが直交する位置関係となっている。

【0090】

光源ユニット６４及び振動体ユニット６６は、第二連結部材７２に対して回動されて上面が上方へ向けられた状態となっている。この状態で、光源ユニット６４を第二連結部材７２に対して回動させて振動体ユニット６６へ光が照射されるようにすれば、振動体ユニット６６の先の壁などの投影面に水の影を投影することができる。この場合、振動体ユニット６６の側面に光が照射されるため、振動体３２の振動によって揺れる水面の影が投影面に投影されることとなる。

【0091】

また、図５の状態からさらに第二連結部材７２を回動させることで、光源ユニット６４が最上部に位置するように位置関係を変更してもよい。この場合、図４の状態に対して光源ユニット６４と振動体ユニット６６とが入れ替わった状態となる。そして、光源ユニット６４を下方へ向けて振動体ユニット６６へ光を照射すれば、振動体ユニット６６の先の床面などの投影面に波紋の影を投影することができる。

【0092】

なお、本実施形態では一例として、スピーカユニット６２、光源ユニット６４及び振動体ユニット６６を略同じ大きさの略円柱状に形成したが、これに限定されない。例えば、スピーカユニット６２、光源ユニット６４及び振動体ユニット６６をそれぞれ異なる形状で形成してもよい。また、第一連結部材７０と第二連結部材７２との連結部、第二連結部材７２と光源ユニット６４との連結部、及び第二連結部材７２と振動体ユニット６６との連結部にそれぞれモータなどを設けて電動で回動する構成としてもよい。この場合、利用者が手動で位置関係を調整する場合と比較して、より高精度に各ユニットの位置関係を設定することができる。

【0093】

（作用）
次に、本実施形態の作用を説明する。

【0094】

本実施形態に係る波紋発生装置６０では、振動体ユニット６６、光源ユニット６４及びスピーカユニット６２の位置関係を変更することで、波紋の投影方向を容易に変化させることができる。その他の作用については第１実施形態と同様である。

【0095】

〔補足説明〕
以上、第１実施形態及び第２実施形態に係る波紋発生装置１０、６０について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、振動体３２として、図３に示されるボイスコイル型の振動体を用いたが、これに限定されず、他の構造の振動体を用いてもよい。

【0096】

また、上記実施形態では、振動体３２を１つのみ配置した構成について説明したが、これに限定されず、複数の振動体３２が配置された構成を採用してもよい。この場合、複数の振動体３２から発生する波紋が干渉する形状を考慮して振動体３２の配置箇所を設定してもよい。

【0097】

さらに、上記第１実施形態では、ブラケット１６を用いてＬＥＤ３８を容器３０の上部に配置したが、これに限定されない。例えば、容器３０の中心にロッドを立設し、ロッドの先端にＬＥＤ３８を取り付けた構造としてもよい。これにより、波紋発生装置１０の意匠性を向上させることができ、かつ、ブラケット１６の影が投影面に投影されるのを抑制できる。

【0098】

さらにまた、上記実施形態では、プレート３４を平面視で略円形に形成したが、これに限定されず、他の形状に形成してもよい。例えば、プレートを星形、矩形型、及び多角形状などに形成してもよい。

【0099】

また、上記実施形態では、光源としてＬＥＤを採用したが、他の光源を用いてもよい。

【0100】

上記実施形態では、信号入力部１４と波紋発生装置１０とが第１ケーブルＣ１によって電気的に接続され、信号入力部１４とスピーカ１２とが第２ケーブルＣ２によって電気的に接続されている例を示したが、信号入力部１４と波紋発生装置１０と、及び信号入力部１４とスピーカ１２とが、無線によって接続されていてもよい。

【符号の説明】

【0101】

１０ 波紋発生装置
１２ スピーカ
１４ 信号入力部
３０ 容器
３２ 振動体
３４ プレート（液面振動部材）
３６ クッション材
３８ ＬＥＤ（光源）
６０ 波紋発生装置
６２ スピーカユニット
６４ 光源ユニット
６６ 振動体ユニット
６７ 第三筐体（容器）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】