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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021510
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】磁気メモリ
(51)【国際特許分類】
   H10B 61/00 20230101AFI20240208BHJP
   H01L 29/82 20060101ALI20240208BHJP
   H10N 50/10 20230101ALI20240208BHJP
   G11C 11/16 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H01L27/105 447
H01L29/82 Z
H01L43/08 Z
G11C11/16 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124374
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】上田 善寛
(72)【発明者】
【氏名】吉川 将寿
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA11
4M119BB01
4M119BB03
4M119BB20
4M119CC10
4M119DD33
4M119DD45
4M119EE22
4M119EE27
4M119FF05
4M119FF13
4M119FF14
4M119FF19
4M119GG02
5F092AA12
5F092AA13
5F092AB07
5F092AB08
5F092AC06
5F092AC12
5F092AC26
5F092AD25
5F092BC03
5F092EA01
(57)【要約】
【課題】高集積化と積層化に優れた三端子デバイス構造の磁気メモリを提供する。
【解決手段】磁気メモリは複数の第1配線、第1配線に交差する第2配線、第1配線に交差する第3配線、第1配線に交差する第4配線、第1導電層を備える。第1磁気抵抗素子は互いに交差する第1配線と第2配線との交差点に対応して設けられている。第1磁気抵抗素子は、第1磁性層と、第1磁性層および第2配線の間に設けられた第2磁性層と、第1磁性層および第2磁性層の間に設けられた第1非磁性層とを含む。第1トランジスタは、第1磁気抵抗素子のそれぞれに対応して設けられ、第1磁性層と第1導電層との間に接続され、ゲートがそれぞれに対応する第1配線である。第2トランジスタは第2配線の一端と第3配線との間に接続されている。第3トランジスタは第2配線の他端と第4配線との間に接続されている。コントローラは第3および第4配線に接続される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1配線と、
前記第1配線に交差する第2配線、前記第1配線に交差する第3配線、前記第1配線に交差する第4配線と、
第1導電層と、
互いに交差する前記複数の第1配線と前記第2配線との交差点に対応して設けられ、第1磁性層と、前記第1磁性層および前記第2配線の間に設けられた第2磁性層と、前記第1磁性層および前記第2磁性層の間に設けられた第1非磁性層と、を含む複数の第1磁気抵抗素子と、
前記複数の第1磁気抵抗素子のそれぞれに対応して設けられ、前記第1磁性層と前記第1導電層との間に接続され、ゲートがそれぞれに対応する前記第1配線である複数の第1トランジスタと、
前記第2配線の一端と前記第3配線との間に接続された第2トランジスタと、
前記第2配線の他端と前記第4配線との間に接続された第3トランジスタと、
前記第3および第4配線に接続されるコントローラとを備える、磁気メモリ。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数の第1磁気抵抗素子のうち選択された選択素子に接続された前記第1トランジスタを導通状態にし、前記選択素子に前記第2配線を介して接続された前記第2および第3トランジスタとを導通状態にし、前記第3配線に第1電圧を印加し、並びに、前記第4配線に前記第1電圧よりも低い第2電圧を印加することによって第1論理を前記選択素子に書き込み、
前記選択素子に接続された前記第1トランジスタを導通状態にし、前記選択素子に前記第2配線を介して接続された前記第2および第3トランジスタとを導通状態にし、前記第3配線に前記第2電圧を印加し、並びに、前記第4配線に前記第1電圧を印加することによって第2論理を前記選択素子に書き込む、請求項1に記載の磁気メモリ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1および第2論理の書込み動作において、前記第1導電層に前記第2電圧を印加する、請求項2に記載の磁気メモリ。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1論理の書込み動作において、前記第1導電層に前記第1電圧を印加し、前記第2論理の書込み動作において、前記第1導電層に前記第2電圧を印加する、請求項2に記載の磁気メモリ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1論理の書込み動作において、選択された前記第1配線に接続された複数の前記第1磁気抵抗素子の全てに前記第1論理を書き込み、前記第2論理の書込み動作において、前記第1論理を書き込んだ前記複数の第1磁気抵抗素子のうち選択された前記第2配線に前記第4配線を介して前記第1電圧を印加する、請求項4に記載の磁気メモリ。
【請求項6】
前記第1配線、前記第2配線、前記第1導電層、前記第1、第2および第3トランジスタおよび前記複数の第1磁気抵抗素子が第1方向に積層されてメモリ層を構成し、
複数の前記メモリ層が前記第1方向に積層されている、請求項1に記載の磁気メモリ。
【請求項7】
前記第3および第4配線は、前記複数のメモリ層に対して共有されている、請求項6に記載の磁気メモリ。
【請求項8】
前記第1、第2および第3トランジスタのチャネル領域は、同一層を用いて構成されている、請求項1に記載の磁気メモリ。
【請求項9】
前記第1、第2および第3トランジスタの少なくとも1つは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Z)および酸素(O)を含む材料を用いたチャネル領域を有する、請求項1に記載の磁気メモリ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、磁気メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から三端子デバイス構造を有するSOT-MRAM(Spin Obit Torque-Mag Magnetoresistive Random Access Memory)は、高集積化および積層化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-059679号公報
【特許文献2】特開2018-157171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化および積層化に優れた三端子デバイス構造を有する磁気メモリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による磁気メモリは、複数の第1配線と、第1配線に交差する第2配線、第1配線に交差する第3配線、第1配線に交差する第4配線と、第1導電層とを備える。複数の第1磁気抵抗素子は、互いに交差する前記複数の第1配線と第2配線との交差点に対応して設けられている。複数の第1磁気抵抗素子は、第1磁性層と、第1磁性層および第2配線の間に設けられた第2磁性層と、第1磁性層および第2磁性層の間に設けられた第1非磁性層とを含む。複数の第1トランジスタは、複数の第1磁気抵抗素子のそれぞれに対応して設けられ、第1磁性層と第1導電層との間に接続され、ゲートがそれぞれに対応する第1配線である。第2トランジスタは、第2配線の一端と前記第3配線との間に接続されている。第3トランジスタは、第2配線の他端と第4配線との間に接続されている。コントローラは、第3および第4配線に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態による磁気メモリの構成例を示す概略回路図。
図2】メモリセルの構成例を示す概略図。
図3】第1実施形態による磁気メモリのメモリセルアレイの構成例を示す概略斜視図。
図4】第1実施形態による磁気メモリの構成例を示す概略断面図。
図5】第1実施形態による磁気メモリの構成例を示す概略断面図。
図6】第1実施形態による磁気メモリの構成例を示す概略平面図。
図7】選択ローカルビット線と選択ワード線とに接続する選択メモリセルに第1論理を書き込む動作を示す図。
図8】選択ローカルビット線と選択ワード線とに接続する選択メモリセルに第2論理を書き込む動作を示す図。
図9】選択ローカルビット線と選択ワード線とに接続する選択メモリセルからデータを読み出す動作を示す図。
図10】第2実施形態による書き込み動作を示す図。
図11】第2実施形態による書き込み動作を示す図。
図12】第2実施形態による書き込み動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による磁気メモリ1の構成例を示す概略回路図である。図2は、メモリセルMCの構成例を示す概略図である。第1実施形態の磁気メモリ1は、例えば、三端子デバイス構造を有する、所謂、SOT-MRAMである。磁気メモリ1は、複数のワード線WLと、複数のローカルビット線LBLと、プレート層PLと、グローバルビット線GBLと、グローバルソース線GSLと、複数のメモリセルMCとを備えている。
【0009】
各メモリセルMCは、図2に示すように、磁気抵抗素子20と、セルトランジスタ25とを備えている。各磁気抵抗素子20は、磁性層21と、非磁性層22と、磁性層23とを積層して構成されている。磁性層21は、ローカルビット線LBLと磁性層23との間に設けられている。非磁性層22は、磁性層21と磁性層23との間に設けられている。磁性層23は磁化方向が固定され、参照層とも呼ばれる。磁性層21は磁化方向が可変であり、記憶層とも呼ばれる。ここで、「磁化方向が可変」であるとは、書き込み動作の前後で磁化方向が変化可能であることを意味し、「磁化方向が固定」であるとは、書き込み動作の前後で磁化方向が変化しないことを意味する。非磁性層22が絶縁性の層であれば、磁気抵抗素子20はMTJ素子となり、導電性の層であれば磁気抵抗素子20はGMR(Giant Magnetoresistive Effect)素子となる。本実施形態において、磁気抵抗素子は、MTJ素子またはGMR素子のいずれでもよい。各磁気抵抵抗素子は、データ“0”またはデータ“1”の一方、すなわち1ビットの情報を記憶可能である。
【0010】
セルトランジスタ25は、ソースおよびドレインの一方が磁気抵抗素子20の参照層23に電気的に接続され、他方がプレート層PLに電気的に接続され、ゲートがワード線WLに電気的に接続されている。セルトランジスタ25は、対応する磁気抵抗素子20に選択的に電気信号を与える。なお、本願明細書においては、「AがBに電気的に接続される」という意味は、AがBに直接に接続されてもよいし、Aが導電体を介してBに接続されてもよいことを意味する。
【0011】
図1に示すように、複数の磁気抵抗素子20が1つのローカルビット線LBLとプレート層PLとの間に接続されている。
【0012】
選択トランジスタ31は、ソースおよびドレインの一方がローカルビット線LBLの一端に電気的に接続され、他方がグローバルビット線GBLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGDに電気的に接続されている。
【0013】
選択トランジスタ32は、ソースおよびドレインの一方がローカルビット線LBLの他端に電気的に接続され、他方がグローバルソース線GSLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGSに電気的に接続されている。
【0014】
選択トランジスタ31、32は、ローカルビット線LBLの両端に接続されており、ローカルビット線LBLに接続された複数のメモリセルMCに対して共通に設けられている。選択トランジスタ31は、グローバルビット線GBLをローカルビット線LBLの一端に電気的に接続し、あるいは、その一端から切断する。選択トランジスタ32は、グローバルソース線GSLをローカルビット線LBLの他端に電気的に接続し、あるいは、その他端から切断する。選択トランジスタ31、32は、グローバルビット線GBLまたはグローバルソース線GSLからの電流をローカルビット線LBLに流すことでスピン軌道相互作用を発生させる非磁性層である。このスピン軌道相互作用により磁気抵抗素子20の磁性層21の磁化状態を書き換え、メモリセルMCにデータを書き込むことができる。ローカルビット線LBLに流す電流の向きに応じて、メモリセルMCに書き込むデータの論理が変わる。
【0015】
セルトランジスタ25および選択トランジスタ31、32はそれぞれ、例えば、N型FET(Field Effect Transistor)である。しかし、セルトランジスタ25および選択トランジスタ31、32はそれぞれ、P型FETであってもよい。この場合、セルトランジスタ25および選択トランジスタ31、32の制御信号の論理が、N型FETの場合に対して逆論理にすればよい。
【0016】
本実施形態のメモリセルMCは、例えば、SOT-MRAMである。SOT-MRAMは書き込み時に通過する書込み電流の電流パスと読み出し時に通過する読出し電流のパスが異なる。書込み時は、選択されたメモリセルMCにアシスト電流を流しつつ、ローカルビット線LBLに、グローバルビット線GBLからグローバルソース線GSLの第1方向に、あるいは、グローバルソース線GSLからグローバルビット線GBLの第2方向に書込み電流を流す。アシスト電流は、ローカルビット線LBLからプレート層PLへの方向あるいはその逆方向に流れる電流であり、書き込み時のエネルギー障壁を下げることによって流れる補助的な電流である。上述の通り、選択メモリセルMCに書き込むデータの論理は、ローカルビット線LBLに流す書込み電流の向き(第1方向または第2方向)によって設定される。
【0017】
読み出し時は、ローカルビット線LBLからプレート層PL、または、プレート層PLからローカルビット線LBLへメモリセルMCに電流を流す。このとき、磁性層21の磁化方向に応じた磁気抵抗素子20の抵抗値に応じて、メモリセルMCに流れる読出し電流、あるいは、メモリセルMCにかかる読出し電圧が変化する。この読出し電流または読出し電圧を検出することによって、メモリセルMCに格納されたデータの論理を検出する。
【0018】
このようにSOT-MRAMでは、書き込み時に通過する書込み電流の電流パスと読み出し時に通過する読出し電流のパスが異なる。このため、読み出し電流と書き込み電流の比の設計条件が緩和され大容量メモリの作製が容易になる。また、磁気抵抗素子への電気的ストレスが軽減されるため信頼性が向上する。
【0019】
本実施形態では、複数のメモリセルMCに対してローカルビット線LBL、プレート層PLおよび選択トランジスタ31、32が共通化されている。これにより、磁気メモリ1の微細化につながる。また、同一ローカルビット線LBLに接続された複数のメモリセルMCのセルトランジスタ25は、それぞれ異なるワード線WLに接続されている。これにより、同一ローカルビット線LBLに接続された複数のメモリセルMCのうち、選択された1つのメモリセルMCの磁気抵抗素子20(選択素子)のみをローカルビット線LBLとプレート層PLとの間に接続し、アシスト電流を流すことができる。よって、ローカルビット線LBLの書込み電流の向きに応じた論理の1ビットデータを、1つの選択メモリセルMCの磁気抵抗素子20(選択素子)に選択的に書き込むことができる。これにより、ローカルビット線LBL、プレート層PLおよび選択トランジスタ31、32が複数のメモリセルMCに対して共通化されていても、1つの磁気抵抗素子20(選択素子)に選択的にデータを書き込むことができる。
【0020】
読出し動作についても、選択された1つのメモリセルMCの磁気抵抗素子20(選択素子)のみをローカルビット線LBLとプレート層PLとの間に接続し、読出し電流を流すことができる。これにより、ローカルビット線LBL、プレート層PLおよび選択トランジスタ31、32が複数のメモリセルMCに対して共通化されていても、1つの磁気抵抗素子20(選択素子)から選択的にデータを読み出すことができる。
【0021】
図3は、第1実施形態による磁気メモリ1のメモリセルアレイMCAの構成例を示す概略斜視図である。磁気メモリ1は、Z方向に積層された複数のメモリ層LYR1、LYR2を備えている。メモリ層LYR1、LYR2は、同一構成を有するので、メモリ層LYR1の構成のみを説明し、メモリ層LYR2の構成についての説明は省略する。また、本実施形態では、2層のメモリ層LYR1、LYR2が積層されているが、3層以上のメモリ層が積層されていてもよい。
【0022】
尚、層間の空間には、層間絶縁膜が設けられているが、図3ではその図示を省略している。また、図3では、グローバルビット線GBL、グローバルソース線GSLおよび選択トランジスタ31、32の図示が省略されている。
メモリ層LYR1は、複数のワード線WLと、複数のローカルビット線LBLと、プレート層PLと、複数のメモリセルMCとを備えている。尚、X方向とY方向は、互いに交差(例えば、直交)する方向である。Z方向は、X-Y面に対して交差(例えば、直交)する方向である。
【0023】
複数のワード線WLは、X方向に延伸し、Y方向に配列されている。複数のローカルビット線LBLは、Y方向に延伸し、X方向に配列されている。プレート層PLは、X-Y面に平面状に広がっている。ワード線WL、ローカルビット線LBLおよびプレート層PLには、例えば、銅、アルミニウム、タングステン等の低抵抗金属材料が用いられる。
【0024】
複数のメモリセルMCは、それぞれ磁気抵抗素子20と、セルトランジスタ25とを備える。メモリセルMCは、ワード線WLとローカルビット線LBLとの交差点に対応して設けられており、メモリセルアレイMCAを構成する。例えば、磁気抵抗素子20は、ワード線WLとローカルビット線LBLとの交差点に対応しており、それらの間に設けられている。セルトランジスタ25は、磁気抵抗素子20のそれぞれに対応して設けられ、磁気抵抗素子20とプレート層PLとの間に接続されている。ワード線WLは、セルトランジスタ25のゲートとしてい機能する。セルトランジスタ25のチャネル領域には、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Z)および酸素(O)を含むIGZOが用いられている。これにより、セルトランジスタ25のオフリークを低減させることができる。また、セルトランジスタ25を比較的低温で形成することができるので、磁気抵抗素子20の形成後に、磁気抵抗素子20の特性を劣化させることなく、セルトランジスタ25を形成することができる。
【0025】
このように、ローカルビット線LBL、メモリセルMC、ワード線WLおよびプレート層PLは積層されており、メモリ層LYR1を構成している。メモリ層LYR2は、メモリ層LYR1と同じ構成を有し、メモリ層LYR1の上に積層されている。
【0026】
図4および図5は、第1実施形態による磁気メモリ1の構成例を示す概略断面図である。図4は、ローカルビット線LBLの延伸方向(Y方向)に沿った断面を示している。図5は、ワード線WLの延伸方向(X方向)に沿った断面を示している。
【0027】
磁気メモリ1では、メモリ層LYR1、LYR2がZ方向に積層されている。以下、メモリ層LYR1側の構成要素には、参照符号に“1”を付し、メモリ層LYR2側の構成要素には、参照符号に“2”を付す。
【0028】
メモリ層LYR1では、メモリセルアレイMCA1がローカルビット線LBL1とプレート層PL1との間に接続されている。メモリセルMC1の磁気抵抗素子20_1は、それぞれローカルビット線LBL1上に設けられ、セルトランジスタ25_1は、それぞれ磁気抵抗素子20_1上に設けられている。メモリセルMC1上には、プレート層PL1が設けられている。
【0029】
メモリ層LYR1において、選択トランジスタ31_1、32_1は、対応するメモリセルアレイMCA1内のセルトランジスタ25_1と同一層に設けられている。即ち、選択トランジスタ31_1、32_1は、セルトランジスタ25_1と同一工程で形成され、メモリ層LYR1の積層方向(Z方向)において、セルトランジスタ25_1と略同じ高さに設けられている。選択トランジスタ31_1、32_1のチャネル領域には、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Z)および酸素(O)を含むIGZOが用いられている。選択トランジスタ31_1、32_1のチャネル領域は、セルトランジスタ25のチャネル領域と同一層で構成されている。選択トランジスタ31_1は、ソースおよびドレインの一方がローカルビット線LBL1に電気的に接続され、他方が配線60およびビアコンタクト52を介してグローバルビット線GBLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGD1となっている。選択トランジスタ32_1は、ソースおよびドレインの一方がローカルビット線LBL1に電気的に接続され、他方が配線61およびビアコンタクト54を介してグローバルソース線GSLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGS1となっている。尚、セルトランジスタ25_1および選択トランジスタ31_1、32_1の全てのチャネル領域がIGZOで構成されもよい。あるいは、セルトランジスタ25_1および選択トランジスタ31_1、32_1の一部のチャネル領域がIGZOで構成されもよい。
【0030】
メモリ層LYR2の構成は、基本的にメモリ層LYR1と同じ構成を有する。従って、メモリ層LYR2の選択トランジスタ31_2、32_2は、セルトランジスタ25_2と同一工程で形成され、メモリ層LYR2の積層方向(Z方向)において、メモリ層LYR2のセルトランジスタ25_2と略同じ高さに設けられている。ただし、メモリ層LYR2および選択トランジスタ31_2、32_2は、メモリ層LYR1および選択トランジスタ31_1、32_1の後で形成され、メモリ層LYR1および選択トランジスタ31_1、32_1よりも上層に設けられている。メモリ層LYR2の選択トランジスタ31_2は、ソースおよびドレインの一方が、対応するローカルビット線LBL2に電気的に接続され、他方が配線62およびビアコンタクト53を介してグローバルビット線GBLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGD2となっている。メモリ層LYR2の選択トランジスタ32_2は、ソースおよびドレインの一方がローカルビット線LBL2に電気的に接続され、他方が配線63およびビアコンタクト55を介してグローバルソース線GSLに電気的に接続され、ゲートが選択ゲート線SGS2となっている。グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLは、メモリ層LYR1、LYR2および選択トランジスタ31_1、31_2、32_1、32_2に対して共通である。
【0031】
グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLは、メモリ層LYR1、LYR2の上に設けられており、メモリ層LYR1、LYR2に共有されている。グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLは、同一層に形成されており、図6に示すように、X方向に交互に配列されている。グローバルビット線GBLは、ビアコンタクト52を介して配線60に電気的に接続され、ビアコンタクト53を介してメモリ層LYR1に電気的に接続されている。グローバルソース線GSLは、ビアコンタクト54を介して配線61に電気的に接続され、ビアコンタクト55を介してメモリ層LYR1に電気的に接続されている。
【0032】
グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLの上には、コントローラ40が設けられている。コントローラ40は、メモリ層LYR1、LYR2を制御するロジック回路であり、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路で構成されている。コントローラ40は、ビアコンタクト50を介してグローバルビット線GBLに電気的に接続されている。また、コントローラ40は、ビアコンタクト51を介してグローバルソース線GSLに電気的に接続されている。コントローラ40は、メモリ層LYR1、LYR2を制御し、書き込み動作または読み出し動作等を実行させる。
【0033】
メモリ層LYR1、LYR2等の層間には、層間絶縁膜ILDが設けられている。
【0034】
図5に示すワード線WL1は、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_1のチャネル領域CH1の周囲に、チャネル領域CH1から電気的に絶縁された状態で設けられている。ワード線WL1は、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_1に共通に設けられている。従って、ワード線WL1に電圧が印加されると、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_1がほぼ同時に駆動される。
【0035】
ワード線WL2は、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_2のチャネル領域CH2の周囲に、チャネル領域CH2から電気的に絶縁された状態で設けられている。ワード線WL2は、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_2に共通に設けられている。従って、ワード線WL2に電圧が印加されると、X方向に配列された複数のセルトランジスタ25_2がほぼ同時に駆動される。
【0036】
図6は、第1実施形態による磁気メモリ1の構成例を示す概略平面図である。尚、図6では、メモリ層LYR2を示し、その下にあるメモリ層LYR1の図示は要略している。
【0037】
Z方向から見た平面視において、グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLは、Y方向に延伸しており、X方向に交互に配列されている。グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLは、上述の通り、同一層に形成されているが、電気的には互いに絶縁されている。
【0038】
配線62、63は、X-Y面内において、XおよびY方向に対して傾斜する方向へ延伸している。配線62、63は、プレート層PL2と同一層で構成されている。配線62は、選択トランジスタ31側に設けられており、ビアコンタクト53を介してグローバルビット線GBLに電気的に接続されている。また、配線62は、選択ゲート線SGD2の数と同数の選択トランジスタ31に共通に設けられている。
【0039】
配線63は、選択トランジスタ32側に設けられており、ビアコンタクト55を介してグローバルソース線GSLに電気的に接続されている。また、配線63は、選択ゲート線SGS2の数と同数の選択トランジスタ32に共通に設けられている。図6では、配線62、63は、4つの選択トランジスタ31、32に共通に接続されている。従って、互いに隣接するグローバルビット線GBLの電圧およびグローバルソース線GSLの電圧は、それぞれ配線62、63を介して4つの選択トランジスタ31、32に印加される。尚、選択ゲート線SGD2および選択ゲート線SGS2の本数は、4本に限定しない。
【0040】
グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLを共有する複数の選択トランジスタ31、32のうち選択された1カラム(1ローカルビット線LBL)に対応する選択トランジスタ31、32が駆動される。これにより、グローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLが、選択トランジスタ31、32を介して1つのローカルビット線LBLの両端に接続され、コントローラ40から電力を供給することができる。
【0041】
複数のメモリセルMC2は、プレート層PL2の下方に、複数のワード線WL2と複数のローカルビット線LBL2との各交差点に対応して設けられている。図6に示すように、複数のメモリセルMC2は、X方向およびY方向へ二次元的に配列されたメモリセルアレイMCA2を構成している。
【0042】
メモリ層LYR1、配線60、61およびビアコンタクト52、54の平面レイアウトは、図6では図示していないが、メモリ層LYR2、配線62、63およびビアコンタクト53、55等のおよび図4図5を参照すれば、容易に理解できる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、選択トランジスタ31、32がローカルビット線LBLの一端と他端とにそれぞれ接続されており、ローカルビット線LBLごとに設けられている。また、ローカルビット線LBLには、複数のメモリセルMCが共通に接続されている。よって、選択トランジスタ31、32は、同一ローカルビット線LBLに接続された複数のメモリセルMCに対して共通化されている。即ち、三端子デバイス構造を有するSOT-MRAMにおいて、セルトランジスタ25は、メモリセルMCごとに対応して設けられているが、選択トランジスタ31、32は、同一ローカルビット線LBLに接続されている複数のメモリセルMCに対して共通化されている。これにより、三端子デバイス構造を有するSOT-MRAMの微細化および高集積化につながる。
【0044】
また、選択トランジスタ31、32を各メモリセルアレイMCAで共通化することによって、磁気メモリ1を微細化しつつ、複数のメモリセルアレイMCA1、MCA2をメモリ層LYR1、LYR2として積層することが容易になる。
【0045】
次に、磁気メモリ1の動作を説明する。
【0046】
(書き込み動作)
図7は、選択ローカルビット線LBLselと選択ワード線WLselとに接続する選択メモリセルMCselに第1論理を書き込む動作を示す図である。尚、本実施形態の書き込み動作は、所謂、VCMA(Voltage Control of Magnetic Anisotropy)書き込み方式と呼ばれる。
【0047】
第1論理(例えば、データ“1”)を書き込む場合、コントローラ40は、グローバルビット線GBLに書込み電圧V1(例えば、1.1V)を印加し、グローバルソース線GSLおよびプレート層PLに書込み電圧V1よりも低い基準電圧V0(例えば、グランド電圧0V)を印加する。また、コントローラ40は、選択ワード線WLselを選択電圧V2(例えば、1.8V)に立ち上げて選択メモリセルMCselのセルトランジスタ25を導通状態にする。非選択ワード線WLは、基準電圧V0に維持する。さらに、コントローラ40は、選択ローカルビット線LBLselに対応する選択ゲート線SGD、SGSを選択電圧V3(例えば、1.8V)に立ち上げて、選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ31、32を導通状態にする。非選択ローカルビット線LBLに対応する選択ゲート線SGD、SGSは、基準電圧V0に維持され、非選択ローカルビット線LBLの両側の選択トランジスタ31、32は、非導通状態となっている。
【0048】
これにより、書き込み電流Isotが、グローバルビット線GBLからグローバルソース線GSLへの方向へ選択ローカルビット線LBLを介して流れる。この書き込み電流Isotの方向に応じて、スピン軌道相互作用で選択メモリセルMCselの磁気抵抗素子20の磁化方向が決定される。また、このとき、選択ローカルビット線LBLselから選択メモリセルMCselを通ってプレート層PLへアシスト電流Iastが流れる。アシスト電流Iastにより、選択メモリセルMCのデータの書き込みが促進される。これにより、選択メモリセルMCselに第1論理(例えば、データ“1”)が書き込まれる。
【0049】
図8は、選択ローカルビット線LBLselと選択ワード線WLselとに接続する選択メモリセルMCselに第2論理を書き込む動作を示す図である。
【0050】
第2論理(例えば、データ“0”)を書き込む場合、コントローラ40は、グローバルビット線GBLに基準電圧V0(例えば、グランド電圧0V)を印加し、グローバルソース線GSLおよびプレート層PLに書込み電圧V1(例えば、1.1V)を印加する。その他の選択ワード線WLsel、非選択ワード線WL、選択ゲート線SGD,SGSの電圧は、第1論理の書き込み動作と同様でよい。よって、選択メモリセルMCselのセルトランジスタ25、選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ31、32は導通状態となる。
【0051】
これにより、書き込み電流Isotが、グローバルソース線GSLからグローバルビット線GBLへの方向へ選択ローカルビット線LBLを介して流れる。この書き込み電流Isotの方向に応じて、スピン軌道相互作用で選択メモリセルMCselの磁気抵抗素子20の磁化方向が決定される。また、このとき、選択ローカルビット線LBLselから選択メモリセルMCselを通ってプレート層PLへアシスト電流Iastが流れる。アシスト電流Iastにより、選択メモリセルMCのデータの書き込みが促進される。これにより、選択メモリセルMCselに第2論理(例えば、データ“0”)が書き込まれる。
【0052】
(読み出し動作)
図9は、選択ローカルビット線LBLselと選択ワード線WLselとに接続する選択メモリセルMCselからデータを読み出す動作を示す図である。
【0053】
読出し動作では、コントローラ40は、グローバルビット線GBLに読出し電圧V4(例えば、1.1V)を印加し、グローバルソース線GSLおよびプレート層PLに読出し電圧V4よりも低い基準電圧V0(例えば、グランド電圧0V)を印加する。また、コントローラ40は、選択ワード線WLselを選択電圧V2(例えば、1.8V)に立ち上げて選択メモリセルMCselのセルトランジスタ25を導通状態にする。非選択ワード線WLは、基準電圧V0に維持する。さらに、コントローラ40は、選択ローカルビット線LBLselに対応する選択ゲート線SGDを選択電圧V3(例えば、1.8V)に立ち上げて、選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ31を導通状態にする。一方、選択ローカルビット線LBLselに対応する選択ゲート線SGSは、基準電圧V0に維持する。よって、選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ32は非導通状態のままとなる。非選択ローカルビット線LBLに対応する選択ゲート線SGD、SGSは、基準電圧V0に維持され、非選択ローカルビット線LBLの両側の選択トランジスタ31、32は、非導通状態となっている。
【0054】
これにより、読出し電流Ireadが、選択ローカルビット線LBLselからプレート層PLへ流れる。選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ32は非導通状態であるので、選択ローカルビット線LBLには、電流はほとんど流れない。
【0055】
非選択ローカルビット線LBLは、選択トランジスタ31、32によってグローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLから電気的に分離させているので、電気的に浮遊状態となっている。
【0056】
よって、選択メモリセルMCselに流れる読出し電流Ireadに応じて、グローバルビット線GBLの電圧が変化する。コントローラ40は、センスアンプを有し、グローバルビット線GBLの電圧を検出することによって選択メモリセルMCselに格納されたデータの論理を判断する。あるいは、コントローラ40のセンスアンプは、グローバルビット線GBLに流れる電流を検出することによって選択メモリセルMCselに格納されたデータの論理を判断する。
このように、本実施形態による磁気メモリ1は、メモリセルMCに選択的にデータを書き込み、あるいは、メモリセルMCから選択的にデータを読み出すことができる。
(第2実施形態)
図10図12は、第2実施形態による書き込み動作を示す図である。尚、第2実施形態では、所謂、STT(Spin Transfer Torque)アシスト書き込み方式が用いられている。このSTTアシスト書き込み方式では、選択ワード線WLselに接続された複数のメモリセルMCの全てに第1論理(例えば、データ“1”)を書き込む。その後、選択ワード線WLselに接続された複数のメモリセルMCのうち第2論理(例えば、データ“1”)を書き込むメモリセルMCに選択的に第2論理を書き込む。
【0057】
まず、図10に示すように、第1論理(例えば、データ“1”)を書き込む場合、コントローラ40は、グローバルビット線GBLおよびプレート層PLに書込み電圧V1(例えば、1.1V)を印加し、グローバルソース線GSLに書込み電圧V1よりも低い基準電圧V0(例えば、グランド電圧0V)を印加する。また、コントローラ40は、選択ワード線WLselを選択電圧V2(例えば、1.8V)に立ち上げて選択ワード線WLselに接続された全てのメモリセルMCのセルトランジスタ25を導通状態にする。非選択ワード線WLは、基準電圧V0に維持する。さらに、コントローラ40は、選択ワード線WLselと交差する全てのローカルビット線LBLに対応する選択ゲート線SGD、SGSを選択電圧V3(例えば、1.8V)に立ち上げて、選択ワード線WLselと交差する全てのローカルビット線LBLに接続された選択トランジスタ31、32を導通状態にする。
【0058】
これにより、書き込み電流Isotが、グローバルビット線GBLからグローバルソース線GSLへの方向へ選択ワード線WLselと交差する全てのローカルビット線LBLを介して流れる。また、このとき、選択ワード線WLselに接続された全てのメモリセルMCを通ってプレート層PLからローカルビット線LBLへアシスト電流Iastが流れる。これにより、書き込み電流Isotの流れる方向に応じて、選択ワード線WLselに接続された全てのメモリセルMCに第1論理が書き込まれる。
【0059】
次に、図11に示すように、選択ワード線WLselに接続された複数のメモリセルMCのうち第2論理(例えば、データ“0”)を書き込むメモリセルMCに選択的に第2論理を書き込む。この場合、コントローラ40は、グローバルソース線GSLに書込み電圧V1(例えば、1.1V)を印加し、グローバルビット線GBLおよびプレート層PLに基準電圧V0(例えば、グランド電圧0V)を印加する。また、コントローラ40は、選択ワード線WLselを選択電圧V2(例えば、1.8V)に立ち上げて選択ワード線WLselに接続された全てのメモリセルMCのセルトランジスタ25を導通状態にする。非選択ワード線WLは、基準電圧V0に維持する。さらに、コントローラ40は、選択ワード線WLselと交差する複数のローカルビット線LBLのうち選択された少なくとも1つの選択ローカルビット線LBLselに対応する選択ゲート線SGD、SGSを選択電圧V3(例えば、1.8V)に立ち上げて、選択ローカルビット線LBLselに接続された選択トランジスタ31、32を導通状態にする。
【0060】
これにより、選択ローカルビット線LBLselにグローバルビット線GBLとグローバルソース線GSLとの電圧が印加される。よって、書き込み電流Isotが、グローバルソース線GSLからグローバルビット線GBLへの方向へ選択ローカルビット線LBLselを介して流れる。また、このとき、選択ローカルビット線LBLselに接続されたメモリセルMCを通って、選択ローカルビット線LBLselからプレート層PLへアシスト電流Iastが流れる。これにより、書き込み電流Isotの流れる方向に応じて、選択ワード線WLselに接続された複数のメモリセルMCのうち選択された少なくとも1つの選択メモリセルMCselに第2論理が書き込まれる。
【0061】
一方、選択ワード線WLselに接続された複数のメモリセルMCのうち第1論理を維持するメモリセルMCには、第2論理を書き込まない。この場合、図12に示すように、コントローラ40は、選択ローカルビット線LBLsel以外の非選択ローカルビット線LBLnonselに接続されたグローバルビット線GBLおよびグローバルソース線GSLに基準電圧V0を印加する。これにより、選択ワード線WLsel、選択ゲート線SGD、SGSを共有する非選択ローカルビット線LBLnonselであっても、書き込み電流Isotがほとんど流れない。また、非選択ローカルビット線LBLnonselとプレート層PLとの間の非選択メモリセルMCには、アシスト電流Iastが流れない。これにより、第2論理の書き込みを抑制することができる。
【0062】
第2実施形態の読み出し動作は、第1実施形態の読み出し動作と同じでよい。また、第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じでよい。よって、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 磁気メモリ、WL ワード線、LBL ローカルビット線、PL プレート層、GBL グローバルビット線、GSL グローバルソース線、MC メモリセル、LYR1,LYR2 メモリ層、31,32 選択トランジスタ、MCA メモリセルアレイ、25、セルトランジスタ、60~63 配線、50~55 ビアコンタクト、SGD,SGS 選択ゲート線
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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