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特開2024-21520塗料使用量管理システム、塗料使用量管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021520
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】塗料使用量管理システム、塗料使用量管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240208BHJP
   B05B 15/00 20180101ALI20240208BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20240208BHJP
【FI】
G06Q50/04
B05B15/00
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124402
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】516336688
【氏名又は名称】株式会社源兵衛
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健一
【テーマコード(参考)】
4D073
5L049
【Fターム(参考)】
4D073CA02
4D073CA30
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】塗料の使用量を的確に見積もることができる塗料使用量管理システム、塗料使用量管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサーバ1は、塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報とから、塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する使用量推定部112と、塗料が貯えられた塗料保管容器それぞれの重量を検知する重量検知部4と、利用者が塗装対象部位を塗装するために必要な塗料を塗料保管容器から取り出す前後の重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する実績使用量算出部114と、過去の塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報と実績使用量情報とを用いて、塗料使用量推定モデルを更新するモデル更新部115と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装対象部位の塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位における塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報と、塗装対象部位の塗装に使用する塗料の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する使用量推定部と、
塗料を貯えた複数の塗料保管容器それぞれの重量を検知する重量検知部と、
前記塗装対象部位を塗装するために必要な塗料が前記複数の塗料保管容器のうちの少なくとも1つの塗料保管容器から取り出される前後の前記少なくとも1つの塗料保管容器の前記重量検知部により検知された重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する実績使用量算出部と、
過去に前記塗装対象部位を塗装したときの前記塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位面積情報と、前記配合比率情報と、前記実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、前記塗料使用量推定モデルを更新するモデル更新部と、を備える、
塗料使用量管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの塗料保管容器から取り出された塗料から調製された調整後塗料のうち塗装作業で使用されなかった余った未使用塗料の量を示す未使用塗料量情報を取得する未使用塗料量取得部と、
前記調製後塗料の配合比率に基づいて、前記未使用塗料量情報が示す前記未使用塗料の量から、前記未使用塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれの塗料量を、前記少なくとも1つの塗料保管容器の重量から算出される前記実績使用量の補正量として算出する補正量算出部と、を更に備える、
請求項1に記載の塗料使用量管理システム。
【請求項3】
前記複数の塗料保管容器それぞれの重量に基づいて、前記複数の塗料保管容器それぞれに貯えられた塗料の残量を監視する残量監視部と、
使用すると推定された少なくとも1つの塗料の残量から推定された塗料の使用量を差し引いて得られる塗料の使用後残量が、予め設定された安全残量未満であるか否かを判定する残量判定部と、
前記使用後残量が前記安全残量未満であると判定された場合、塗料の販売元への塗料の発注要求に応じて、前記使用後残量が前記安全残量未満となる塗料を前記販売元へ発注するための発注情報を生成する発注部と、を更に備える、
請求項1または2に記載の塗料使用量管理システム。
【請求項4】
前記塗料使用量推定モデルは、ニューラルネットワークである、
請求項1または2に記載の塗料使用量管理システム。
【請求項5】
塗装対象部位の塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報と、塗装対象部位における塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報と、塗装対象部位の塗装に使用する塗料の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定するステップと、
塗料を貯えた複数の塗料保管容器それぞれの重量を検知するステップと、
前記塗装対象部位を塗装するために必要な塗料が前記複数の塗料保管容器のうちの少なくとも1つの塗料保管容器から取り出される前後の前記少なくとも1つの塗料保管容器の重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出するステップと、
過去に前記塗装対象部位を塗装したときの前記塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位面積情報と、前記配合比率情報と、前記実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、前記塗料使用量推定モデルを更新するステップと、を含む、
塗料使用量管理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
塗装対象部位の塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位における塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報と、塗装対象部位の塗装に使用する塗料の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する使用量推定部、
推定された塗料の使用量を示す推定使用量を利用者に通知する推定使用量通知部、
前記塗装対象部位を塗装するために必要な塗料が塗料を保管するための複数の塗料保管容器のうちの少なくとも1つの塗料保管容器から取り出す前後の前記少なくとも1つの塗料保管容器の重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する実績使用量算出部、
過去に前記塗装対象部位を塗装したときの前記塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位面積情報と、前記配合比率情報と、前記実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、前記塗料使用量推定モデルを更新するモデル更新部、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料使用量管理システム、塗料使用量管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物の重量を測定した重量データを外部に送信するように構成される重量計と、重量計が送信した重量データを取得するように構成される発注装置と、を備え、発注装置が、重量データに基づいて測定対象物の発注に関する処理を実行する発注システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-7657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば自動車の車体の塗装においては、塗装対象部位の塗装方法および塗装に使用する塗料の配合量が予め決められており、その塗装対象部位の面積と塗装対象部位の塗装対象物全体における位置とから、塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を見積もるのが一般的である。但し、塗装対象部位の単位面積当たりに使用する塗料の使用量は、複数の塗装業者間でばらつきがあり、同じ面積の塗装対象部位を同じ塗装方法で塗装する場合でも塗装業者により異なる場合が多い。従って、例えば特許文献1に記載されたような発注システムを用いて塗料が充填された缶の重量データに基づいて塗料の在庫を適切に管理しようとする場合、塗装業者が使用する塗料の使用量を的確に把握して発注を行う基準となる重量基準を塗装業者毎に各別に設定する必要がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたもので、塗料の使用量を的確に見積もることができる塗料使用量管理システム、塗料使用量管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る塗料使用量管理システムは、
塗装対象部位の塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位における塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報と、塗装対象部位の塗装に使用する塗料の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する使用量推定部と、
塗料を貯えた複数の塗料保管容器それぞれの重量を検知する重量検知部と、
前記塗装対象部位を塗装するために必要な塗料が前記複数の塗料保管容器のうちの少なくとも1つの塗料保管容器から取り出される前後の前記少なくとも1つの塗料保管容器の前記重量検知部により検知された重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する実績使用量算出部と、
過去に前記塗装対象部位を塗装したときの前記塗装方法種類情報と、前記塗装対象部位面積情報と、前記配合比率情報と、前記実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、前記塗料使用量推定モデルを更新するモデル更新部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用量推定部が、塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報とから、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する。また、モデル更新部が、過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報と実績使用量情報とを用いて、塗料使用量推定モデルを更新する。これにより、利用者の塗料の使用実績に応じて逐次更新された塗料使用量推定モデルを用いて、利用者が塗装しようとする塗装対象部位の塗装に使用する塗料の使用量が推定されるので、利用者毎に塗料の使用量を的確に見積もることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る塗料使用量管理システムの構成の一例を示す図である。
図2】実施の形態に係る端末装置およびクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る端末装置およびクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る使用実績記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図5】実施の形態に係るクラウドサーバで用いられるニューラルネットワークの説明図である
図6】実施の形態に係る塗料使用量管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図7】実施の形態に係る塗料使用量管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図8】実施の形態に係る端末装置が実行する端末制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する塗料使用量管理処理の一例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する塗料使用量管理処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る塗料使用量管理システムについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る塗料使用量管理システムは、使用量推定部と、重量検知部と、実績使用量算出部と、モデル更新部と、を備える。使用量推定部は、塗装対象部位の塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報と、塗装対象部位における塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報と、塗装対象部位の塗装に使用する塗料の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する。重量検知部は、塗料を貯えた複数の塗料保管容器それぞれの重量を検知する。実績使用量算出部は、塗装対象部位を塗装するために必要な塗料が複数の塗料保管容器のうちの少なくとも1つの塗料保管容器から取り出す前後の少なくとも1つの塗料保管容器の重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する。モデル更新部は、過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と、塗装対象部位面積情報と、配合比率情報と、実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、塗料使用量推定モデルを更新する。
【0010】
本実施の形態に係る保管塗料管理システムは、図1に示すように、塗装業者が保管する塗料が貯えられた複数の塗料保管容器CAそれぞれの重量を検知する重量検知部4と、塗装業者が所持する端末装置3と、クラウドサーバ1と、を備える。重量検知部4は、塗装業者が管理する塗料保管容器CAの保管場所に構築された局所ネットワークNW2に接続されており、局所ネットワークNW2に接続されたルータ8および広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1と通信可能となっている。また、端末装置3および塗料販売業者が所持する端末装置9は、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1と通信可能となっている。ここで、広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。また、局所ネットワークNW2は、例えば無線LAN(Local Area Network)である。端末装置9は、例えばパーソナルコンピュータであり、表示部を備え、クラウドサーバ1から送信される後述の塗装業者が塗料を発注したときの注文内容を示す発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、塗料販売業者に注文内容を通知する注文内容通知画像を形成して表示部に表示させる。
【0011】
端末装置3は、例えばスマートフォンであり、図2に示すように、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、表示部304と、入力部305と、通信部306と、撮像部307と、これらを互いに接続するバス309と、を備える。主記憶部302は、RAMのよ うな揮発性メモリを有し、CPU301の作業領域として使用される。また、主記憶部302は、表示部304に表示させる画像情報を一時的に記憶する画像専用メモリ(図示せず)を有する。補助記憶部303は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU301が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部504は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部305は、例えば表示部304に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部306は、広域ネットワークNW1に接続され、CPU301から転送される情報を、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1へ送信したり、クラウドサーバ1から広域ネットワークNW1を介して取得した各種情報をCPU301へ転送したりする。
【0012】
撮像部307は、カメラとDMA(Direct Memory Access)コントローラとを有し、起動された後、DMAコントローラが、カメラで撮像して得られる写真画像情報を画像専用メモリへ転送する。また、撮像部307は、CPU301から後述する撮像指令情報に対応する制御情報が転送されると、制御情報が転送されたタイミングで撮像した写真を示す撮像画像情報を生成してCPU301に通知する。
【0013】
CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、図3に示すように、受付部311、画像形成部312、表示制御部313、撮像制御部314、塗装内容情報生成部315、塗装内容情報送信部316、推定使用量取得部317、残量状況取得部318、発注要求部319および登録通知部320として機能する。また、図2に示す主記憶部302の画像専用メモリは、表示部304に表示させる画面画像を一時的に記憶する表示画像記憶部321を有する。
【0014】
受付部311は、端末装置3の所持する塗装業者が入力部305に対して行った操作内容を受け付け、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して、撮像制御部314、塗装内容情報生成部315、発注要求部319または登録通知部320に通知する。具体的には、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して塗装対象物の塗装対象部位の面積を入力する塗装対象部位面積入力操作を受け付けると、塗装対象部位面積の情報を含む操作情報を生成して塗装内容情報生成部315に通知する。なお、この塗装対象部位の面積は、例えば自動車の損傷箇所を塗装修理する場合、損傷箇所を修理した後における塗装が必要な部分の面積に基づいて決定される。また、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して識別コードを撮像するための撮像準備操作または撮像操作を受け付けると、撮像部307を起動させるよう指令する起動指令情報または撮像部307に撮像動作させるように指令する撮像指令情報を含む操作情報を生成して撮像制御部314に通知する。ここで、識別コードは、例えば塗装作業の作業伝票等に掲載されているQRコード(登録商標)、バーコード等であり、塗装対象部位に塗装する塗料の塗装方法を示す塗装方法情報および原色塗料の配合比率を示す配合比率情報を識別するためのものである。また、塗装方法情報としては、例えば塗装に使用される塗料を調整するために使用される原色塗料それぞれの希釈度、希釈に使用する溶剤の種類を識別する溶剤識別情報等が含まれる。なお、塗装方法情報には、ぼかし塗装、ブロック塗装のような塗装方法に関する情報が含まれていてもよい。更に、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して塗装対象物における塗装対象部位の塗装が完了したことを登録するための塗装完了登録操作或いは塗料を塗料保管容器CAに充填したことを登録するための塗料充填完了登録操作を受け付けると、受け付けた操作内容に応じた操作情報を生成して登録通知部320に通知する。また、受付部311は、塗装業者が入力部305に対して不足分の塗料を発注するための発注要求操作を受け付けると、発注要求操作に応じた発注内容を示す操作情報を生成して発注要求部319に通知する。ここで、塗装完了登録操作には、塗装業者が塗装作業を行った際に余った未使用塗料の量を入力する操作が含まれる。例えば塗装作業の開始前に20kgの塗料を調製したが、調製した塗料が5kg余ってしまった場合、余った未使用塗料の量5kgが入力される。
【0015】
画像形成部312は、推定使用量取得部317が取得した、塗装業者が塗装対象部位の塗装に使用する塗料の推定使用量を示す推定使用量情報と、残量状況取得部318が取得した、塗装後の塗料の推定残量を示す推定残量情報と、に基づいて、塗料の推定使用量と推定残量とを塗装業者に通知する推定使用量/推定残量通知画像を形成する。また、画像形成部312は、推定使用量取得部317が取得した前述の推定使用量情報と、残量状況取得部318が取得した、塗装前に塗料の発注を催促するための発注催促情報と、に基づいて、塗料の推定使用量と推定残量とを塗装業者に通知する推定使用量/推定残量通知画像を形成する。そして、画像形成部312は、形成した画像を表示画像記憶部321に記憶させる。
【0016】
表示制御部313は、表示画像記憶部321が記憶する各種画像情報が示す各種画像を表示部304に表示させる。撮像制御部314は、受付部311から起動指令情報を含む操作情報が通知されると、撮像部307を起動させる。また、撮像制御部315は、受付部311から撮像指令情報を含む操作情報が通知されると、撮像部307に撮像動作をさせるための制御情報を撮像部307へ転送する。このとき、撮像部307は、例えば前述の識別コードを撮像すると、識別コードの画像を含む撮像画像を示す撮像画像情報を生成して塗装内容情報生成部315へ転送する。
【0017】
塗装内容情報生成部315は、撮像部307から撮像画像情報が転送されてくると、撮像画像情報が識別コードを撮像したものか否かを判定する。そして、塗装内容情報生成部315は、識別コードを撮像したものであると判定すると、撮像画像から識別コード画像を抽出する処理を実行してから識別コードが示す塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報を特定する。そして、塗装内容情報生成部315は、受付部311から通知された前述の塗装対象部位面積を示す情報と、特定した塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報と、を含む塗装内容情報を生成する。塗装内容情報生成部315は、生成した塗装内容情報を塗装内容情報送信部316に通知する。塗装内容情報送信部316は、通知された塗装内容情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0018】
推定使用量取得部317は、クラウドサーバ1から送信された前述の推定使用量情報を取得すると、取得した推定使用量情報を画像形成部312に通知する。残量状況取得部318は、クラウドサーバ1から送信された前述の推定残量情報または発注催促情報を取得すると、取得した推定残量情報または発注催促情報を画像形成部312に通知する。
【0019】
発注要求部319は、受付部311から発注内容を示す操作情報が通知されると、操作情報に含まれる発注内容を示す、塗料販売業者への塗料の発注を要求する発注要求情報を生成する。そして、発注要求部319は、生成した発注要求情報をクラウドサーバ1へ送信する。登録通知部320は、受付部311から前述の塗装完了登録操作に応じた操作情報が通知されると、通知された操作情報に基づいて塗装完了登録情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、塗装完了登録情報には、塗装業者が塗装作業を行った際に余った未使用塗料の量を示す未使用塗料量情報が含まれる。また、登録通知部320は、受付部311から前述の塗料充填完了登録操作に応じた操作情報が通知されると、通知された操作情報に基づいて充填完了登録情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、充填完了登録情報には、塗装業者が充填した塗料を識別する色識別情報を含まれている。
【0020】
クラウドサーバ1は、図2に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、これらを相互に接続するバス109と、を備え、塗装業者が前述の塗装対象部位の塗装に使用する塗料の使用量を管理する塗装使用量管理装置として機能する。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリを有し、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、広域ネットワークNW1に接続されている。
【0021】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、塗装内容情報取得部111、使用量推定部112、重量取得部113、実績使用量算出部114、モデル更新部115、推定使用量通知部116、残量監視部117、残量推定部118、残量判定部119、発注部120、残量状況通知部121、未使用塗料量取得部122および補正量算出部123として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、モデル記憶部131と、使用実績記憶部132と、残量記憶部133と、を有する。使用実績記憶部132は、例えば図4に示すように、塗装業者が使用した塗料についての塗装方法の種類を示す塗装方法種類情報、塗装対象部位の面積を示す塗装対象部位面積情報、塗装に使用した塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれを識別する色識別情報、それらの配合比率を示す配合比率情報および塗装業者が実際に使用した各原色塗料の使用量を示す実績使用量情報を、使用した日時を示す使用日時情報および塗装業者を識別する利用者識別情報に対応づけて記憶する。図4に示す例では、塗装業者が、2022/1/4に塗装方法PM[0]で、面積1mの塗装対象部位にスーパーブラックを含む塗料を用いて塗装を行ったことを示している。
【0022】
図3に戻って、モデル記憶部131は、前述の塗装方法種類情報と、前述の塗装対象部位面積情報と、前述の配合比率情報と、から、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを示す塗料使用量推定モデル情報を記憶する。この塗料使用量推定モデルは、例えば順伝播型のニューラルネットワークである。この場合、モデル記憶部131は、ニューラルネットワークの構造を示す情報と、そのニューラルネットワークにおける重み係数を示す情報と、を記憶する。ここで、ニューラルネットワークの構造を示す情報には、ニューラルネットワークのノード数、層数、各ノードに対応する重み係数および活性化関数それぞれを示す情報が含まれる。このニューラルネットワークは、図5に示すように入力層L10、隠れ層L20および出力層L30を有する。入力層L10には、前述の塗装方法種類情報と、前述の塗装対象部位面積情報と、前述の配合比率情報と、が入力される。
【0023】
隠れ層L20は、予め設定された数M[j]のノードx[j,i](1≦i≦M[j]、M[j]は正の整数)を含むN(Nは正の整数)個の層から構成されている。即ち、隠れ層L20は、各ノード列同士が繋がれた構造を有する。ここで、各ノードx[j,i]の出力y[j,i]は、下記式(1)の関係式で表される。
【数1】
ここで、W[j,i,k]は、重み係数を示し、f(*)は、活性化関数を示す。活性化関数としては、シグモイド関数、ランプ関数、ステップ関数等の非線形関数が用いられる。隠れ層L20は、ノードに入力される情報が前の層の各ノードの出力にそれぞれに重み係数を乗じたものの総和となっている。そして、総和を引数とする活性化関数の出力が次の層へ伝達される。出力層L30は、隠れ層L20の最終層からの出力x[j,i]に基づいて、予め設定された複数種類の塗料それぞれの使用量の期待値を要素とする期待値ベクトルを出力する。ここで、出力層L30は、例えばソフトマックス関数を用いた処理を実行する。この場合、モデル記憶部131は、式(1)で表されるニューラルネットワークの隠れ層L20の構造を示す情報および重み係数W[j,i,k]を示す情報と、出力層L30で使用する関数を示す情報と、を記憶する。また、モデル記憶部131は、少なくとも1つの塗装業者それぞれに対応する前述の塗料使用量推定モデル情報を、対応する塗装業者それぞれの利用者識別情報に対応づけて各別に記憶している。
【0024】
図3に戻って、残量記憶部133は、予め設定された複数種類の塗料それぞれの残量を示す残量情報を、複数種類の塗料それぞれを識別する色識別情報に対応づけて記憶する。
【0025】
塗装内容情報取得部111は、端末装置3から送信される塗装内容情報を取得すると、取得した塗装内容情報に含まれる塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報を抽出して使用量推定部112に通知する。また、塗装内容情報取得部111は、抽出した塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報を、使用日時情報および利用者識別情報に対応づけて使用実績記憶部132に記憶させる。ここで、塗装内容情報取得部111は、端末装置3から塗装内容情報を取得した日時を使用日時として特定する。なお、塗装内容情報取得部111は、塗装内容情報に使用日時情報が含まれる場合、その使用日時情報を抽出して使用実績記憶部132に記憶させるものであってもよい。
【0026】
使用量推定部112は、前述の塗料使用量推定モデルを用いて、複数種類の塗料それぞれの塗料の使用量を推定する。具体的には、使用量推定部112は、モデル記憶部131が記憶する塗料使用量推定モデルを用いて、塗装内容情報取得部111から通知される塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報から、塗装に使用される原色塗料それぞれの使用量の期待値を算出する。そして、使用量推定部112は、推定した使用量の期待値を推定使用量として推定使用量通知部116および残量推定部118に通知する。推定使用量通知部116は、使用量推定部112が推定した複数種類の塗料それぞれの推定使用量を示す推定使用量情報を生成して端末装置3へ送信する。
【0027】
重量取得部113は、端末装置3から送信される前述の塗装完了登録情報または前述の充填完了登録情報を取得すると、重量検知部4に対して塗料保管容器CAの重量を示す重量情報の送信を要求する重量要求情報を重量検知部4へ送信する。これにより、重量取得部113は、重量検知部4から送信される重量情報を取得し、取得した重量情報に含まれる塗料保管容器CA全体の重量を示す容器全体重量情報とその塗料保管容器CAに保管された塗料の色識別情報とを抽出して残量監視部117に通知する。
【0028】
未使用塗料量取得部122は、少なくとも1つの塗料保管容器CAから取り出された塗料から調製された調整後塗料のうち塗装作業で使用されなかった余った未使用塗料の量を示す未使用塗料量情報を取得する。具体的には、未使用塗料量取得部122は、端末装置3から送信される前述の塗装完了登録情報を取得すると、取得した塗装完了登録情報に含まれる前述の未使用塗料量情報を抽出することにより未使用塗料量情報を取得する。そして、未使用塗料量取得部122は、取得した未使用塗料量情報を補正量算出部123に通知する。
【0029】
補正量算出部123は、調製後塗料の配合比率に基づいて、未使用塗料量情報が示す未使用塗料の量から、未使用塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれの塗料量を、少なくとも1つの塗料保管容器CAの重量から算出される実績使用量の補正量として算出する。具体的には、補正量算出部123は、使用実績記憶部132が記憶する配合比率情報を参照して、未使用塗料量取得部122から通知される未使用塗料量情報が示す未使用の塗料の量から、未使用の塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれの塗料量を、塗料保管容器CAの重量から算出される実績使用量の補正量として算出する。そして、補正量算出部123は、算出した補正量を実績使用量算出部114に通知する。
【0030】
実績使用量算出部114は、塗装業者が前述の塗装対象部位を塗装するために必要な塗料を複数の塗料保管容器CAのうちの少なくとも1つから取り出す前後の少なくとも1つの重量の差分に相当する差分重量を塗料の実績使用量として算出する。具体的には、実績使用量算出部114は、重量取得部113から容器全体重量情報が通知されると、通知された容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料自体の重量を算出する。次に、実績使用量算出部114は、残量記憶部133が記憶する更新前の塗料の残量から算出した塗料自体の重量を差し引くことにより塗料保管容器CAから取り出された各原色塗料の取り出し量を算出する。そして、実績使用量算出部114は、算出した取り出し量から、補正量算出部123から通知される補正量を差し引くことにより前述の実績使用量を算出し、算出した実績使用量を示す実績使用量情報を使用実績記憶部132に記憶させる。また、実績使用量算出部114は、実績使用量情報を新たに使用実績記憶部132に記憶させると、残量記憶部133が記憶する残量情報の更新を許可する更新許可通知情報を残量監視部117に通知する。
【0031】
残量監視部117は、複数の塗料保管容器CAそれぞれの重量に基づいて、複数の塗料保管容器CAそれぞれに充填された塗料の残量を監視する。具体的には、残量監視部117は、重量取得部113から容器全体重量情報が通知され且つ実績使用量算出部114から前述の更新許可通知情報が通知されると、通知された容器全体重量情報が示す重量から予め設定された塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料のみの重量を算出する。そして、残量監視部117は、残量記憶部133が記憶する塗料の残量を示す情報を、算出した塗料の重量を示す情報で更新する。
【0032】
モデル更新部115は、使用実績記憶部132が記憶する塗装業者が過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と、塗装対象部位面積情報と、配合比率情報と、実績zXC 使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、塗料使用量推定モデルを新たに生成する。そして、モデル更新部115は、新たに生成した塗料使用量推定モデルを示す塗料使用量推定モデル情報を用いて、モデル記憶部131が記憶する塗料使用量推定モデル情報を更新する。このモデル更新部115は、使用実績記憶部132が記憶する実績使用量情報が追加される毎に、モデル記憶部131が記憶する塗料使用量推定モデル情報を更新する。ここで、モデル更新部115は、まず、モデル記憶部131が記憶する例えば図5に示すようなニューラルネットワークを用いて、過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と、塗装対象部位面積情報と、配合比率情報と、から、複数種類の塗料それぞれの使用量の期待値を算出する。次に、モデル更新部115は、使用実績記憶部132が記憶する複数種類の塗料それぞれの実績使用量情報が示す実績使用量とニューラルネットワークを用いて算出した使用量の期待値との誤差を算出する。そして、モデル更新部115は、算出された誤差に基づく誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)によりニューラルネットワークの重み係数を決定し、決定した重み係数を示す情報をモデル記憶部131に記憶させる。
【0033】
残量推定部118は、残量記憶部133が記憶する複数種類の塗料それぞれの残量情報が示す残量から使用量推定部112から通知される推定使用量情報が示す推定使用量を差し引くことにより、複数種類の塗料それぞれの推定残量を算出する。そして、残量推定部118は、算出した推定残量を示す情報を残量判定部119および残量状況通知部121に通知する。
【0034】
残量判定部119は、塗装業者が使用すると推定された少なくとも1つの塗料の残量から推定された塗料の使用量を差し引いて得られる塗料の使用後残量が、予め設定された安全残量未満であるか否かを判定する。具体的には、残量判定部119は、残量推定部118から通知される情報が示す推定残量が予め設定された安全残量未満であるか否かを判定する。そして、残量判定部119は、判定結果を示す情報を残量状況通知部121に通知する。
【0035】
残量状況通知部121は、残量判定部119により推定残量が前述の安全残量以上であると判定されると、残量推定部118から通知される推定残量を示す情報を含む推定残量情報を生成して端末装置3へ送信する。また、残量状況通知部121は、残量判定部119により推定残量が前述の安全残量未満であると判定されると、残量推定部118から通知される推定残量を示す情報を含む前述の発注催促情報を生成して端末装置3へ送信する。
【0036】
発注部120は、塗装業者による塗装対象部位の塗装後の使用後残量が前述の安全残量未満であると判定された場合、塗料の販売元への塗料の発注要求に応じて、使用後残量が安全残量未満となる塗料を販売元へ発注するための発注情報を生成する。発注部120は、端末装置3から送信される前述の発注要求情報を取得すると、塗料販売業者への塗料の発注内容を示す発注情報を生成し、生成した発注情報を塗料の販売元が所持する端末装置9へ送信する。
【0037】
次に、本実施の形態に係る保管塗料管理システムの動作について、図6および図7を参照しながら説明する。まず、図6に示すように、塗装業者が端末装置3の入力部305に対して前述の塗装対象部位面積入力操作を行うと、端末装置3は、前述の塗装対象部位面積情報を受け付ける(ステップS1)。次に、塗装業者が、端末装置3の撮像部307を起動させるための撮像準備操作を行った後、塗装作業の作業伝票等に掲載されている識別コードを撮像する撮像操作を行うと、端末装置3は、作業伝票等に掲載されている識別コードを撮像する(ステップS2)。続いて、端末装置3は、撮像画像から識別コード画像を抽出する処理を実行してから識別コードが示す塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報を特定し、前述の塗装対象部位面積情報と、特定した塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報と、を含む塗装内容情報を生成する(ステップS3)。その後、生成された塗装内容情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS4)。
【0038】
一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から塗装内容情報を取得すると、取得した塗装内容情報に含まれる塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報を抽出し、抽出したこれらの情報を使用日時情報、利用者識別情報に対応づけて使用実績記憶部132に記憶させる(ステップS5)。次に、クラウドサーバ1は、前述の塗料使用量推定モデルを用いて、複数種類の塗料それぞれの塗料の使用量を推定する(ステップS6)。続いて、クラウドサーバ1は、残量記憶部133が記憶する複数種類の塗料それぞれの残量情報が示す残量から使用量推定部112から通知される推定使用量情報が示す推定使用量を差し引くことにより、複数種類の塗料それぞれの推定残量を算出する(ステップS7)。ここで、クラウドサーバ1が、算出した複数種類の塗料それぞれの推定残量が予め設定された安全残量以上であると判定したとする(ステップS8)。この場合、クラウドサーバ1は、推定使用量を示す推定使用量情報と、塗料の使用後の推定残量を示す推定残量情報と、を生成する(ステップS9)。その後、生成された推定使用量情報と推定残量情報とが、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS10)。一方、端末装置は、推定使用量情報と推定残量情報とを取得すると、取得した推定使用量情報と推定残量情報とに基づいて、前述の推定使用量/推定残量通知画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS11)。
【0039】
そして、塗装業者が塗装対象部位の塗装を完了してから、端末装置3の入力部305に対して前述の塗装完了登録操作を行うと、端末装置3は、この操作を受け付けて前述の塗装完了登録情報を生成する(ステップS12)。次に、生成された塗装完了登録情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS13)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される前述の塗装完了登録情報を取得すると、取得した塗装完了登録情報に含まれる前述の未使用塗料量情報を抽出する(ステップS14)。続いて、クラウドサーバ1は、使用実績記憶部132が記憶する配合比率情報を参照して、抽出した未使用塗料量情報が示す未使用の塗料の量から、未使用の塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれの塗料量を、塗料保管容器CAの重量から算出される実績使用量の補正量として算出する(ステップS15)。
【0040】
その後、前述の重量要求情報が、クラウドサーバ1から重量検知部4へ送信される(ステップS16)。一方、重量検知部4は、クラウドサーバ1から送信される重量要求情報を取得すると、これに応じて、検知した塗料保管容器CAの重量を示す重量情報を生成する(ステップS17)。続いて、生成された重量情報が、重量検知部4からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS18)。
【0041】
一方、クラウドサーバ1は、重量情報を取得すると、図7に示すように、重量情報に含まれる容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料自体の重量を算出し、残量記憶部133が記憶する更新前の塗料の残量から算出した塗料自体の重量を差し引くことにより塗料保管容器CAから取り出された各原色塗料の取り出し量を算出する。そして、クラウドサーバ1は、算出した取り出し量から、補正量算出部123から通知される補正量を差し引くことにより前述の実績使用量を算出する。そして、クラウドサーバ1は、算出した実績使用量を示す実績使用量情報を使用実績記憶部132に記憶させる(ステップS19)。その後、クラウドサーバ1は、塗装業者が塗料を使用した後の塗料のみの重量を示す情報を用いて、残量記憶部133が記憶する塗料の残量を示す情報を更新する(ステップS20)。次に、クラウドサーバ1は、使用実績記憶部132が記憶する塗装業者が過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と、塗装対象部位面積情報と、配合比率情報と、実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、塗料使用量推定モデルを示す塗料使用量推定モデル情報を新たに生成する。そして、モデル更新部115は、新たに生成した塗料使用量推定モデル情報を用いて、モデル記憶部131が記憶する塗料使用量推定モデル情報を更新する(ステップS21)。
【0042】
また、クラウドサーバ1が、前述のステップS7の処理を実行した後、算出した複数種類の塗料それぞれの推定残量が前述の安全残量未満であると判定したとする(ステップS22)。この場合、クラウドサーバ1は、推定使用量を示す推定使用量情報と、塗料の発注を催促する発注催促情報と、を生成する(ステップS23)。その後、生成された推定使用量情報と発注催促情報とが、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS24)。一方、端末装置は、推定使用量情報と発注催促情報とを取得すると、取得した推定使用量情報と発注催促情報とに基づいて、前述の発注催促画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS25)。
【0043】
そして、塗装業者が、端末装置3の表示部304に表示された発注催促画像を確認し、入力部305に対して不足分の塗料を発注するための発注要求操作を行ったとする。この場合、端末装置3は、発注要求操作に応じた発注内容を示す前述の発注要求情報を生成する(ステップS26)。次に、生成された発注要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS27)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される前述の発注要求情報を取得すると、塗料販売業者への塗料の発注内容を示す発注情報を生成する(ステップS28)。続いて、生成された発注情報が、クラウドサーバ1から塗料の販売元が所持する端末装置9へ送信される(ステップS29)。
【0044】
その後、塗装業者が発注した塗料がその塗装業者の元に入荷し、塗装業者が入荷した塗料を塗料保管容器CAに充填してから端末装置3の入力部305に対して前述の塗料充填完了操作を行ったとする。この場合、端末装置3は、この操作を受け付けて前述の塗料充填完了登録情報を生成する(ステップS30)。次に、生成された塗料充填完了登録情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS31)。一方、クラウドサーバ1が塗料充填完了登録情報を取得すると、これに応じて、前述の重量要求情報が、クラウドサーバ1から重量検知部4へ送信される(ステップS32)。一方、重量検知部4は、クラウドサーバ1から送信される重量要求情報を取得すると、これに応じて、検知した塗料保管容器CAの重量を示す重量情報を生成する(ステップS33)。続いて、生成された重量情報が、重量検知部4からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS34)。一方、クラウドサーバ1は、重量情報を取得すると、重量情報に含まれる容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料自体の重量を算出し、算出した塗料のみの重量を示す情報を用いて、残量記憶部133が記憶する塗料の残量を示す情報を更新する(ステップS35)。
【0045】
次に、本実施の形態に係る端末装置3が実行する端末制御処理について、図8を参照しながら説明する。なお、この端末制御処理は、端末装置3へ電源が投入された後、端末装置3において端末制御処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、受付部311は、前述の塗装対象部位面積入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。ここで、受付部311が、塗装対象部位面積入力操作を受け付けていないと判定すると(ステップS201:No)、後述のステップS206の処理が実行される。一方、受付部311は、塗装対象部位面積入力操作を受け付けたと判定すると(ステップS201:Yes)、その操作に応じて塗装対象部位面積の情報を含む操作情報を生成して塗装内容情報生成部315に通知する。次に、受付部311は、前述の識別コードを撮像するための前述の撮像準備操作、撮像操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。ここで、受付部311が、撮像準備操作、撮像操作塗装を受け付けていないと判定すると(ステップS202:No)、後述のステップS206の処理が実行される。一方、受付部311は、前述の撮像準備操作、撮像操作塗装を受け付けたと判定すると(ステップS202:Yes)、前述の起動指令情報、撮像指令情報を含む操作情報を生成して撮像制御部314に通知する。そして、撮像制御部314は、これに応じて、撮像部307を起動させてから撮像部307に撮像動作をさせるための制御情報を撮像部307へ転送することにより撮像部307に識別コードを撮像させる(ステップS203)。このとき、撮像部307は、識別コードの画像を含む撮像画像を示す撮像画像情報を生成して塗装内容情報生成部315へ転送する。続いて、塗装内容情報生成部315は、撮像部307から転送された撮像画像から識別コード画像を抽出する処理を実行してから識別コードが示す塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報を特定する(ステップS204)。その後、塗装内容情報生成部315は、受付部311から通知された前述の塗装対象部位面積を示す情報と、特定した塗装方法および原色塗料の配合比を示す情報と、を含む塗装内容情報を生成し、生成した塗装内容情報を塗装内容情報送信部316に通知する。そして、塗装内容情報送信部316は、通知された塗装内容情報をクラウドサーバ1へ送信する(ステップS205)。
【0046】
次に、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とは、それぞれ、クラウドサーバ1から送信された前述の推定使用量情報、推定残量情報を取得したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とが、推定使用量情報、推定残量情報を取得していないと判定すると(ステップS206:No)、後述のステップS208の処理が実行される。一方、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とは、前述の推定使用量情報、推定残量情報を取得したと判定すると(ステップS206:Yes)、それぞれ、取得した推定使用量情報、推定残量情報を画像形成部12に通知する。そして、画像形成部312が、通知された推定使用量情報と推定残量情報とに基づいて、前述の推定使用量/推定残量通知画像を形成し、表示制御部313が、形成された推定使用量/推定残量通知画像を表示部304に表示させる(ステップS207)。
【0047】
続いて、受付部311は、前述の塗装完了登録操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。この塗装完了登録操作には、塗装業者が塗装作業を行った際に余った未使用塗料の量を入力する操作が含まれる。ここで、受付部311が、塗装完了登録操作を受け付けていないと判定すると(ステップS208:No)、後述のステップS210の処理が実行される。一方、受付部311は、塗装完了登録操作を受け付けたと判定すると(ステップS208:Yes)、受け付けた塗装完了登録操作の内容に応じた操作情報を生成して登録通知部320に通知する。そして、登録通知部320は、通知された操作情報に基づいて塗装完了登録情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する(ステップS209)。
【0048】
その後、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とは、それぞれ、クラウドサーバ1から送信された前述の推定使用量情報、発注催促情報を取得したか否かを判定する(ステップS210)。ここで、ここで、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とが、推定使用量情報、発注催促情報を取得していないと判定すると(ステップS210:No)、後述のステップS212の処理が実行される。一方、推定使用量取得部317と残量状況取得部318とは、前述の推定使用量情報、発注催促情報を取得したと判定すると(ステップS210:Yes)、それぞれ、取得した推定使用量情報、発注催促情報を画像形成部312に通知する。そして、画像形成部312は、通知される推定使用量情報と発注催促情報とに基づいて、前述の発注催促画像を形成し、表示制御部313が、形成された発注催促画像を表示部304に表示させる(ステップS211)。
【0049】
次に、受付部311は、前述の発注要求操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS212)。ここで、受付部311が、発注操作を受け付けていないと判定すると(ステップS212:No)、後述のステップS214の処理が実行される。一方、受付部311は、発注操作を受け付けたと判定すると(ステップS212:Yes)、受け付けた発注要求操作に応じた発注内容を示す操作情報を生成して発注要求部319に通知する。そして、発注要求部319は、通知された操作情報に含まれる発注内容を示す発注要求情報を生成し、生成した発注要求情報をクラウドサーバ1へ送信する(ステップS213)。
【0050】
続いて、受付部311は、前述の塗料充填完了登録操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS214)。ここで、受付部311が、塗料充填完了登録操作を受け付けていないと判定すると(ステップS214:No)、再びステップS201の処理が実行される。一方、受付部311は、前述の塗料充填完了登録操作を受け付けたと判定すると、受け付けた塗料充填完了登録操作の内容に応じた操作情報を生成して登録通知部320に通知する。そして、登録通知部320は、通知された操作情報に基づいて充填完了登録情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する(ステップS215)。その後、再びステップS201の処理が実行される。
【0051】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する塗料使用量管理処理について、図9を参照しながら説明する。なお、この塗料使用量管理処理は、クラウドサーバ1において塗料使用量管理処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、塗装内容情報取得部111は、端末装置3から送信される前述の塗装内容情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、塗装内容情報取得部111は、塗装内容情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、塗装内容情報取得部111が、塗装内容情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得した塗装内容情報に含まれる塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報を抽出して使用日時情報および利用者識別情報に対応づけて使用実績記憶部132に記憶させる(ステップS102)。また、塗装内容情報取得部111は、抽出した塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報を使用量推定部112に通知する。
【0052】
次に、使用量推定部112は、前述の塗料使用量推定モデルを用いて、通知された塗装方法種類情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報から、複数種類の塗料それぞれの塗料の使用量を推定する(ステップS103)。ここで、使用量推定部112は、推定した使用量を示す推定使用量情報を推定使用量通知部116および残量推定部118に通知する。
【0053】
続いて、残量推定部118は、残量記憶部133が記憶する複数種類の塗料それぞれの残量情報が示す残量から使用量推定部112から通知される推定使用量情報が示す推定使用量を差し引くことにより、複数種類の塗料それぞれの推定残量を算出する(ステップS104)。ここで、残量推定部118は、算出した推定残量を示す情報を残量判定部119に通知する。
【0054】
その後、残量判定部119は、残量推定部118が算出した推定残量が予め設定された安全残量以上であるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、残量判定部119が、前述の推定残量が安全残量以上であると判定したとする(ステップS105:Yes)。この場合、推定使用量通知部116が、使用量推定部112が推定した複数種類の塗料それぞれの推定使用量を示す推定使用量情報を生成して端末装置3へ送信し、残量状況通知部121が、前述の推定残量を示す情報を含む推定残量情報を生成して端末装置3へ送信する(ステップS106)。次に、後述のステップS108の処理が実行される。
【0055】
一方、残量判定部119が、前述の推定残量が安全残量以上であると判定したとする(ステップS105:No)。この場合、推定使用量通知部116が、使用量推定部112が推定した複数種類の塗料それぞれの推定使用量を示す推定使用量情報を生成して端末装置3へ送信し、残量状況通知部121が、前述の推定残量を示す情報に基づいて前述の発注催促情報を生成して端末装置3へ送信する(ステップS107)。
【0056】
続いて、重量取得部113および未使用塗料量取得部122は、端末装置3から送信される前述の塗装完了登録情報を取得したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、重量取得部113および未使用塗料量取得部122が、塗装完了登録情報を取得していないと判定すると(ステップS108:No)、後述のステップS116の処理が実行される。一方、重量取得部113および未使用塗料量取得部122が、塗装完了登録情報を取得したと判定したとする(ステップS108:Yes)。この場合、未使用塗料量取得部122は、取得した塗装完了登録情報に含まれる前述の未使用塗料量情報を抽出する(ステップS109)。ここで、未使用塗料量取得部122は、取得した未使用塗料量情報を補正量算出部123に通知する。
【0057】
その後、補正量算出部123は、使用実績記憶部132が記憶する配合比率情報を参照して、未使用塗料量取得部122から通知される未使用塗料量情報が示す未使用の塗料の量から、未使用の塗料に含まれる少なくとも1種類の原色塗料それぞれの塗料量を、塗料保管容器CAの重量から算出される実績使用量の補正量として算出する(ステップS110)。ここで、補正量算出部123は、算出した補正量を実績使用量算出部114に通知する。
【0058】
次に、重量取得部113は、前述の重量要求情報を重量検知部4へ送信する(ステップS111)。これにより、重量取得部113は、重量検知部4から送信される重量情報を取得する(ステップS112)。ここで、重量取得部113は、取得した重量情報に含まれる前述の容器全体重量情報と色識別情報とを抽出して残量監視部117に通知する。その後、実績使用量算出部114は、重量取得部113から通知された容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料自体の重量を算出する。そして、実績使用量算出部114は、残量記憶部133が記憶する更新前の塗料の残量から算出した塗料自体の重量を差し引くことにより塗料保管容器CAから取り出された各原色塗料の取り出し量を算出する。そして、実績使用量算出部114は、算出した取り出し量から、補正量算出部123から通知される補正量を差し引くことにより前述の実績使用量を算出し、算出した実績使用量を示す実績使用量情報を使用実績記憶部132に記憶させる(ステップS113)。
【0059】
次に、残量監視部117は、重量取得部113から通知された容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料のみの重量を算出する。そして、残量監視部117は、残量記憶部133が記憶する塗料の残量を示す残量情報を、算出した塗料の重量を示す情報で更新する(ステップS114)。
【0060】
続いて、モデル更新部115は、使用実績記憶部132が記憶する塗装業者が過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と、塗装対象部位面積情報と、配合比率情報と、実績使用量を示す実績使用量情報と、を用いて、新たな塗料使用量推定モデルを示す塗料使用量推定モデル情報を生成する。そして、モデル更新部115は、生成した塗料使用量推定モデル情報を用いて、モデル記憶部131が記憶する塗料使用量推定モデル情報を更新する(ステップS115)。
【0061】
その後、図10に示すように、発注部120は、端末装置3から送信される前述の発注要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS116)。ここで、発注部120が、発注要求情報を取得していないと判定すると(ステップS116:No)、後述のステップS118の処理が実行される。一方、発注部120は、発注要求情報を取得したと判定すると(ステップS116:Yes)、前述の発注情報を生成し、生成した発注情報を塗料の販売元が所持する端末装置9へ送信する(ステップS117)。
【0062】
次に、重量取得部113は、端末装置3から送信される前述の充填完了登録情報を取得したか否かを判定する(ステップS118)。ここで、重量取得部113が、充填完了登録情報を取得していないと判定すると(ステップS118:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、重量取得部113が、充填完了登録情報を取得したと判定すると(ステップS118:Yes)、前述の重量要求情報を重量検知部4へ送信する(ステップS119)。これにより、重量取得部113は、重量検知部4から送信される重量情報を取得する(ステップS120)。ここで、重量取得部113は、取得した重量情報に含まれる前述の容器全体重量情報と色識別情報とを抽出して残量監視部117に通知する。続いて、残量監視部117は、重量取得部113から通知された容器全体重量情報が示す重量から前述の塗料保管容器CAの重量を差し引くことにより塗装業者が塗料を使用した後の塗料のみの重量を算出する。そして、残量監視部117は、残量記憶部133が記憶する塗料の残量を示す残量情報を、算出した塗料の重量を示す情報で更新する(ステップS121)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0063】
ところで、例えば自動車の車体の塗装においては、塗装対象部位の塗装方法および塗装に使用する塗色の配合量が予め決められており、その塗装対象部位の面積と塗装対象部位の塗装対象物全体における位置とから、塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を見積もるのが一般的である。また、塗装対象物が例えば自動車のフェンダである場合、フェンダの中央部近傍と端部とでは塗装方法が異なるため、その塗装方法の違いを考慮して塗料の使用量を見積もることになる。なお、この塗装方法は、塗装業者の判断により決定される場合もある。例えば、この塗装方法は、例えば自動車の損傷箇所を塗装修理する場合、損傷箇所を修理した後における塗装が必要な部分の面積または位置によってボカシ塗装、ブロック塗装等に設定される。しかしながら、塗装対象部位の単位面積当たりに使用する塗料の使用量は、複数の塗装業者間でばらつきがあり、同じ面積の塗装対象部位を同じ塗装方法で塗装する場合でも塗装業者により異なる場合が多い。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1によれば、使用量推定部112が、塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報とから、塗装対象部位の塗装に必要な少なくとも1種類の塗料それぞれの使用量を推定するための塗料使用量推定モデルを用いて、少なくとも1種類の塗料の使用量を推定する。また、モデル更新部115が、過去に塗装対象部位を塗装したときの塗装方法種類情報と塗装対象部位面積情報と配合比率情報と実績使用量情報とを用いて、塗料使用量推定モデルを更新する。これにより、利用者である塗装業者の塗料の使用実績に応じて逐次更新された塗料使用量推定モデルを用いて、塗装業者が塗装しようとする塗装対象部位の塗装に使用する塗料の使用量が推定されるので、塗装業者毎に塗料の使用量を的確に見積もることができる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば、塗料使用量推定モデルが、前述の塗装方法情報、塗装対象部位面積情報および配合比率情報に加えて、塗装に使用されるスプレーガンの単位時間当たりの塗料の吐出量、塗装中における塗装対象部位とスプレーガンとの間の平均距離、スプレーガンの空気圧、塗装作業を行う場所の気温、湿度等を示す情報から、塗料の使用量を推定するものであってもよい。
【0066】
実施の形態において、塗料使用量推定モデルが、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)で表されるものであってもよい。
【0067】
実施の形態では、塗装業者が、塗装作業の作業伝票等に掲載されている識別コードを端末装置3の撮像部306により撮像すると、端末装置3が、塗装対象部位に塗装する塗料の塗装方法を示す塗装方法情報を取得し、取得した塗装方法情報を含む塗装内容情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される例について説明した。但し、これに限らず、塗装業者が、端末装置3の入力部305を介して塗装方法情報を入力すると、端末装置2が、塗装対象部位の塗装方法を示す塗装方法情報を取得するものであってもよい。ここで、塗装業者が、入力部305を介して例えばぼかし塗装、ブロック塗装といった塗装方法を示す塗装方法情報を入力すると、端末装置3が、入力された塗装方法情報を取得するものであってもよい。
【0068】
実施の形態では、クラウドサーバ1が、算出した複数種類の塗料それぞれの推定残量が前述の安全残量未満であると判定した場合、発注催促情報を生成して端末装置3へ送信し、端末装置3が、発注催促情報を取得すると発注催促画像を形成して表示部304に表示させる例について説明した。即ち、ステップS23乃至S27までの一連の処理が実行される例について説明した。但し、これに限らず、クラウドサーバ1が、算出した複数種類の塗料それぞれの推定残量が前述の安全残量未満であると判定した場合、直ぐに前述の発注情報を生成して端末装置9へ送信するものであってもよい。
【0069】
また、本発明に係るクラウドサーバ1および端末装置3の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するクラウドサーバ1および端末装置3を構成してもよい。
【0070】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するクラウドサーバ1および端末装置3して機能する。
【0071】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、塗装業者が自ら使用する塗料の使用量を管理するためのシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0073】
1:クラウドサーバ、3,9:端末装置、4:重量検知部、8:ルータ、101,301:CPU、102,302:主記憶部、103,303:補助記憶部、106,306:通信部、109,309:バス、111:塗装内容情報取得部、112:使用量推定部、113:重量取得部、114:実績使用量算出部、115:モデル更新部、116:推定使用量通知部、117:残量監視部、118:残量推定部、119:残量判定部、120:発注部、121:残量状況通知部、131:モデル記憶部、132:使用実績記憶部、133:残量記憶部、304:表示部、305:入力部、307:撮像部、311:受付部、312:画像形成部、313:表示制御部、314:撮像制御部、315:塗装内容情報生成部、316:塗装内容情報送信部、317:推定使用量取得部、318:残量状況取得部、319:発注要求部、320:登録通知部、321:表示画像記憶部、CA:塗料保管容器、L10:入力層、L20:隠れ層、L30:出力層、NW1:広域ネットワーク、NW2:局所ネットワーク
図1
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図3
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図10