(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021522
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】貝類養殖方法及び貝類養殖システム
(51)【国際特許分類】
A01K 61/54 20170101AFI20240208BHJP
【FI】
A01K61/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124404
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000151449
【氏名又は名称】株式会社東京久栄
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】高伏 剛
(72)【発明者】
【氏名】矢代 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一幸
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA22
2B104DA03
2B104EE00
2B104EF00
(57)【要約】
【課題】事業採算性に優れた貝類養殖方法及び貝類養殖システムを提供する。
【解決手段】 本発明の貝類養殖システムは、貝類を飼育するための飼育水槽1と、飼育水槽1内の水質を測定する水質測定手段2と、貝類に餌料を与えるための給餌手段3と、飼育水槽1内の水を浄化する浄化手段4と、給餌と浄化を切り替える制御手段5とを備え、貝類を水槽内で養殖する際に、貝類に餌料を与える給餌工程と、水槽内の水を浄化する浄化工程とを、制御工程によって切り替えて実施する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貝類を水槽内で養殖する際に、
貝類に餌料を与える給餌工程と、
水槽内の水を浄化する浄化工程とを、
制御工程によって切り替えて実施することを特徴とする、貝類養殖方法。
【請求項2】
前記水槽内の水質を測定する水質測定工程を更に備え、
該水質測定工程によって測定したアンモニア濃度によって、制御工程による切り替えを行うことを特徴とする、請求項1に記載の貝類養殖方法。
【請求項3】
貝類を飼育するための飼育水槽と、
貝類に餌料を与えるための給餌手段と、
飼育水槽内の水を浄化する浄化手段と、
給餌と浄化を切り替える制御手段とを有することを特徴とする、貝類養殖システム。
【請求項4】
前記飼育水槽内の水質を測定する水質測定手段を更に備え、
該水質測定手段によって測定したアンモニア濃度によって、制御手段による切り替えを行うことを特徴とする、請求項3に記載の貝類養殖システム。
【請求項5】
前記浄化手段が、泡沫分離装置、脱窒装置、生物ろ過装置の組み合わせによることを特徴とする、請求項3または4に記載の貝類養殖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貝類養殖方法及び貝類養殖システムに関し、詳細には、海産二枚貝類を陸上で養殖するのに適した貝類養殖方法及び貝類養殖システムに関する。
【背景技術】
【0002】
貝類養殖方法及び貝類養殖システムに関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
該特許文献1に記載の技術は、貝類の成長を促進するために、藻類を培養するための培養用の水の中に藻類を収容して、該藻類を培養する藻類培養工程と、藻類培養工程で培養された藻類を、養殖の対象である貝類及びケイ酸カルシウム含有材料を収容した養殖用の水の中に供給する藻類供給工程と、藻類供給工程で藻類が供給された養殖用の水の中で、貝類を養殖する貝類養殖工程を含む貝類の養殖方法であって、該養殖方法において、藻類を培養するための藻類培養槽と、藻類培養槽で培養された藻類と、貝類と、ケイ酸カルシウム含有材料と、養殖用の水とを収容して、貝類を養殖するための貝類養殖槽と、藻類培養槽から貝類養殖槽に藻類を供給するための管路を含むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の養殖技術は、養殖用の水をかけ流しながら行うタイプのものなので、事業採算性に課題を有している。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、事業採算性に優れた貝類養殖方法及び貝類養殖システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0006】
第1に、
貝類を水槽内で養殖する際に、貝類に餌料を与える給餌工程と、水槽内の水を浄化する浄化工程とを、制御工程によって切り替えて実施することを特徴とする、貝類養殖方法。
ここで、制御工程による切り替えは、予め一定の時間を定め、該時間によって自動的に切り替えることが望ましいが、手動によって任意のタイミングで切り替えることもできる。
切り替えは、三方弁を用いて、別系統の流路を形成することで行うことができる。
第2に、
前記水槽内の水質を測定する水質測定工程を更に備え、
該水質測定工程によって測定したアンモニア(アンモニア態窒素)濃度によって、制御工程による切り替えを行うことを特徴とする、前記第1に記載の貝類養殖方法。
測定したアンモニア濃度は、0.70~0.79mg/Lで「注意」、0.80~0.89mg/Lで「警告」、0.90mg/L以上で「危険」と判定され、「注意」の0.70mg/L以上である場合には、水槽内が高アンモニア状態であると判定し、直ちに給餌を停止し、浄化工程に切り替える。
その後、測定したアンモニア濃度が、0.70mg/L未満である場合には、水槽内が低アンモニア状態であると判定し、浄化工程から給餌工程に切り替える。
ただし、貝類の成長段階や種類によって該数値はクラウド上で適切に変更することができる。
【0007】
第3に、
貝類を飼育するための飼育水槽と、
貝類に餌料を与えるための給餌手段と、
水槽内の水を浄化する浄化手段と、
給餌と浄化を切り替える制御手段とを有することを特徴とする、貝類養殖システム。
ここで、制御手段による切り替えは、予め一定の時間を定め、該時間によって自動的に切り替えることが望ましいが、手動によって任意のタイミングで切り替えることもできる。
切り替えは、三方弁を用いて、別系統の流路を形成することで行うことができる。
第4に、
前記飼育水槽内の水質を測定する水質測定手段を更に備え、
該水質測定手段によって測定したアンモニア濃度によって、制御手段による切り替えを行うことを特徴とする、前記第3に記載の貝類養殖システム。
測定したアンモニア濃度が、0.70mg/L以上である場合には、飼育水槽内が高アンモニア状態であると判定し、直ちに給餌を停止し、浄化に切り替える。
また、測定したアンモニア濃度が、0.70mg/L未満である場合には、飼育水槽内が低アンモニア状態であると判定し、浄化から給餌に切り替える。
第5に、
前記浄化手段が、泡沫分離装置、脱窒装置、生物ろ過装置の組み合わせによることを特徴とする、前記第3または第4に記載の貝類養殖システム。
【0008】
本発明の対象となる貝類としては、海産二枚貝類が好ましい。
【0009】
飼育水槽は、1個の水槽を単独で用いる他にも、複数個の水槽を並列して配置することで、大量斃死に対してリスク分散を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、浄化系統と給餌系統の2つの系統を並列に準備し、浄化と給餌を切り替え、給餌した餌料を浄化系統に流さない技術によって陸上で養殖を行うので、餌料の無駄を無くし餌料コストを抑えることが可能であり、事業採算性に優れた養殖を行うことができる。
また、アンモニア濃度を測定し制御することで、貝類の斃死の危険性を少なくすることができるので、貝類を出荷サイズにまで育てる期間における生存率を上げることができ、事業採算性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】本発明の貝類養殖システムに係る実施例1の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、本発明の貝類養殖システムは、貝類を飼育するための飼育水槽1と、飼育水槽1内の水質を測定する水質測定手段2と、貝類に餌料を与えるための給餌手段3と、飼育水槽1内の水を浄化する浄化手段4と、給餌と浄化を切り替える制御手段5とを備えている。
これらの手段は、既存の閉鎖循環式魚介類飼育設備を用いて構築することも可能である。
【0014】
[飼育水槽]
飼育水槽1は、海産二枚貝類を養殖するためのものであり、内部が二枚貝類の養殖用に成分調整された海水で満たされている。
なお、図示は省略するが、該飼育水槽1には、ブロワからの空気を飼育水槽1内に送り込むエアーストーンが設置されている。
【0015】
[水質測定手段]
水質測定手段2は、二枚貝類に必要な水質項目(水温・塩分・溶存酸素・濁度・pH・アンモニア)の常時監視が行える観測機器により構成され、飼育水槽1内の水質を検査測定するものである。
ここで、図示は省略するが、二枚貝類の生育にはアンモニアが影響するとの知見から、アンモニアセンサーを備えている。
【0016】
[給餌手段]
給餌手段3は、二枚貝類の餌料である藻類が高密度で懸濁した人工海水による給餌水を、飼育水槽1に供給するものである。
【0017】
[浄化手段]
浄化手段4は、図示は省略するが、泡沫分離装置、生物ろ過装置、脱窒装置、循環ポンプ等によって構成され、飼育水槽1内の水を浄化し、飼育水槽1に戻す動作を、繰り返し循環して行うものである。
【0018】
[制御手段]
制御手段5は、給餌手段3による給餌及び給餌停止の動作と、浄化手段4による浄化及び浄化停止の動作に加え、給餌手段3による給餌動作と、浄化手段4による浄化動作の切り替えを制御するものであり、クラウド環境下でも動作可能なものである。
切り替えは、三方弁によって給餌系統と浄化系統とを切り替えることで行うことができる。
該制御手段5による切り替えは、予め一定の時間を定め、該時間によって自動的に切り替える。
ここで、図示は省略するが、浄化や給餌の際にポンプを動作させる際には、水が無い状態での動作を防止するために、水位センサーを設けている。
【0019】
また、該制御手段5は、水質測定手段2による水質情報に基づき、給餌手段3及び浄化手段4の制御を行うことができる。
例えば、水質測定手段2によって測定したアンモニア濃度によって、制御手段5による切り替えや給餌動作及び浄化動作を操作することができる。
【0020】
次に、
図2を参照しながら、本発明の貝類養殖方法について説明する。
図2では、リスク分散のため、2つの水槽(水槽A、水槽B)が用意されている。
ここでの水質測定によるデータは、クラウドでも監視されている。
【0021】
水槽Aについては、バルブ制御して切り替えることで浄化が行われた後で、切り替えにより給餌となる。
その後、浄化→給餌→浄化の各工程を切り替えて実施することで、貝類を養殖する。
【0022】
水槽Bについては、開放時間によるバルブ制御で、給餌が行われた後で、水質測定のデータを確認しつつ、切り替えにより浄化工程となる。
その後、給餌→浄化となるが、水質測定によりアンモニア濃度が高いと判断された場合には、直ちに給餌停止となり、浄化に切り替わることで、貝類の斃死を防ぐことが可能となる。
しばらくして、水質測定によりアンモニア濃度が低いと判断された場合には、切り替えにより給餌が再開されることで、貝類の養殖が確実に行われる。
【実施例0023】
図3に示すように、本実施例の貝類養殖システムは、A系統による2つの飼育水槽1A01,飼育水槽1A02と、B系統による2つの飼育水槽1B01,飼育水槽1B02の合計4個の飼育水槽を備えたものである。
各飼育水槽は、板厚8mmのアクリル製で、本体外径サイズが、幅45cm、長さ120cm、高さ45cmのものである。
【0024】
符号32の給餌水生成水槽は、ポリプレピレン製の角型容器で、本体外寸が横50cm,長さ70cm,高さ41cmで、内容量が104リットルのものである。
【0025】
図中、Pに関するものはポンプ関連の設備であり、1Pはマグネットポンプによる飼育水循環ポンプ、2Pはマグネットポンプによる水質測定循環ポンプ、3P1は水陸両用ポンプによる給餌ポンプ、3P2はステンレス水中ポンプによる生成海水ポンプ、4Pはマグネットポンプによる脱窒装置循環ポンプを示している。
なお、図中の記号で示す設備は、ボール弁(U-PVC製、TS式)、コック(U-PVC製、おねじ×ホース)、ボールチェック弁(U-PVC製、TS式)、定流量弁(U-PVC製、JIS10KF 25A Bタイプ)、電動三方ボール弁(U-PVC、TS式、ダブルLポート)、電動ボール弁(U-PVC、TS式)を示している。
また、図中、61は空気を送り込むブロワ、62はブロワからの空気を飼育水槽内に供給するエアーストーンである。
【0026】
本実施例では、水質測定手段として、各飼育水槽に通じている水質測定格納機21を備え、水温・塩分・溶存酸素・濁度・pH・アンモニアの常時監視を可能としている。
また、独立してアンモニアセンサー22を備えて、各飼育水槽のアンモニア濃度の測定を可能としている。
【0027】
本実施例では、給餌手段として、給餌水供給機31、給餌水生成水槽32、人工海水生成水槽33を備え、二枚貝類の餌料となる藻類成分を含有する人工海水を、飼育水槽(1A01,1A02,1B01,1B02)に供給可能としている。
なお、人工海水生成水槽33で生成した人工海水は、生物ろ過装置43にも供給可能に構成されている。
【0028】
本実施例では、浄化手段として、泡沫分離装置41、脱窒装置42、生物ろ過装置43を備え、飼育水槽(1A01,1A02,1B01,1B02)の水を浄化可能としている。
このように、泡沫分離装置41、脱窒装置42、生物ろ過装置43を組み合わせて用いることで、アンモニアの発生源の除去に効果的である。
これは、本願発明者らによる、アンモニアが、二枚貝類にとって短時間の暴露でも毒性が高く、大量斃死の大きな原因であるとの知見に基づいている。
すなわち、閉鎖循環による二枚貝類の養殖では、わずかの個体の斃死でも海水中のアンモニアが急激に増加し、他の個体はその影響を受けると連鎖的に大量斃死するというメカニズムである。
よって、アンモニアの発生源となる、餌料残渣及び二枚貝類の大量の排泄物(尿・糞)等のタンパク質を効率的に除去することが、二枚貝類の生存率を上げるためには極めて有効との知見を得た。
そのために、有効な浄化手段を鋭意研究し、泡沫分離装置41、脱窒装置42、生物ろ過装置43を組み合わせが、二枚貝類の養殖では極めて有効であることを確認した。
本実施例では、制御手段として、飼育設備制御盤51、測定機器制御盤52を備え、浄化と給餌との切り替えを、設定時間毎に行うことを可能としている。
【0029】
図中、符号71は、生物ろ過装置43の内部水高さと連動したパイプに配置したチタンセンサーによる飼育設備水位センサーであり、LWLの1点の水位を感知するものである。
飼育設備水位センサー71が、LWL以下であることを感知したときは、制御手段が、警報を発信し、システムをタウンさせる。
符号72は、給餌水供給機31の水位を感知するチタンセンサーによる給餌設備水位センサーであり、HWLとLWLの2点の水位を感知するものである。
【0030】
飼育水循環ポンプ1Pは、三方弁MV-1を切り替える時に交互で運転する。
切替時間は、「180分(3時間)」とすると、8回/日となる。
ただし、貝類の成長段階や種類によって該数値は飼育設備制御盤51で適切に変更することができる。
【0031】
泡沫分離装置41は、エアレーター用コンデンサが飼育設備制御盤51に組み込まれている。
泡沫分離装置41の運転は、飼育水循環ポンプ1Pの駆動に併せて行われる。
【0032】
脱窒水循環ポンプ4Pの運転は、制御するバルブが無く、タイマーでの自動交互とし、切替は1回/日とする。
【0033】
水質測定循環ポンプ2Pの運転は、MV2とMV3を切替する時に交互で運転する。
4つの飼育水槽(1A01,1A02,1B01,1B02)への給水は、A系統とB系統で各々水質測定循環ポンプ2Pを運転することにより行う。
切替時間は、「30分(0.5時間)」とすると、48回/日となる。
ただし、貝類の成長段階や種類によって該数値は飼育設備制御盤51で適切に変更することができる。
【0034】
給餌ポンプ3P1の運転は、給餌水供給機31が、LWLの際に運転し、HWLになったら停止とする。
ここで、給餌水供給機31の海水満水容量が3リットルであるため、給餌ポンプ3P1の運転時間は少ないが、その都度、MV4-1とMV4-2を切替えることにより行う。
【0035】
MV4は、給餌水供給機31がHWLの際に開とし、供給が完了したら閉にする。
この開閉時間の間隔は5分とし、1日で8回の運転を行う。
ただし、貝類の成長段階や種類によって該数値は飼育設備制御盤51で適切に変更することができる。
【0036】
生成海水ポンプ3P1とブロワ61の運転は、手動で行う。
【0037】
水質測定格納機21による各種測定データや、切り替え制御のデータ等は、クラウド上に収集・蓄積する。
また、給餌水供給機31による自動給餌は、二枚貝類の殻の開閉状況や生態に応じて効率的に行うことができるように、図示は省略するが、監視カメラで殻の開閉状況を確認し、遠隔操作で、給餌時間や給餌量を制御することもできる。
【0038】
二枚貝類の餌料は植物プランクトン(以下、藻類)が主であり、成長させるためには大量の藻類を摂餌させる必要がある。
二枚貝類は、ろ過摂食のため、飼育水中に高密度の藻類を懸濁させることとなるが、給餌した藻類の全量が摂餌されるわけではない。
通常の閉鎖循環式の陸上養殖システムでは、給餌したほとんどが残渣(食べ残し)となり、そのまま浄化系統に流入して除去されてしまう。
このため、著しく膨大な餌料コストが発生する。
この点について、本実施例によるシステムでは、飼育水槽の水循環系統の切り替え制御を、A系統とB系統の2系統に分けて行い、例えば、3時間の時間差で切り替えて運転している。
ここで、給餌中のA系統は浄化系統に接続させず、非給餌のB系統を浄化系統に接続させて水質浄化を図ることで、A系統の餌料が浄化系統に流れ込まず、高密度の餌料への暴露時間が確保できるため、より効率的な給餌が可能となる。
すなわち、本実施例によるA系統とB系統の2系統に分け、かつ、各系統においてリスク分散のため2つの水槽を用意したシステムは、極めて効率的にシステムを運用することが可能となり、事業採算性が非常に優れている。
【0039】
[試験例]
上記実施例1による4個の水槽を備えた貝類養殖システムによって、二枚貝類のうちカキを養殖し、生存率を調べた。
その結果を表に示す。
【0040】
【0041】
上記結果を考察すると、35日経過後の平均生存率は、91%(n=4)と、かなり高い生存率を示しており、今後、出荷サイズにまで育てる期間における生存率についても数値を上げることができるものと推測される。