(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021529
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20240208BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240208BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240208BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240208BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/55
A63F13/69 500
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124412
(22)【出願日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100167955
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 美可
(72)【発明者】
【氏名】寺原 潤
(57)【要約】
【課題】仮想空間内でコミュニティを効率良く広げる。
【解決手段】本発明は、コンピュータを、ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段、仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段、として機能させるプログラムである。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記画像生成手段は、仮想空間において前記他のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記他のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記画像生成手段は、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが他人の共有領域を見たときの画像として、当該他人の共有領域の共有者のうちの所定条件を満たすユーザの物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者が前記一のユーザとの間にフレンド関係が設定されているユーザであることである、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者が自身の操作によって設定可能である、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者がゲーム結果に基づく条件を満たすユーザであることである、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記画像生成手段は、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが他人の共有領域を見たときの画像として、当該他人の共有領域の共有者のうち、前記一のユーザによって選択されたユーザの物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成する、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記画像生成手段は、当該他人の共有領域の共有者の中に前記所定条件を満たすユーザがいない場合、前記所定条件を満たさないユーザの中から決定されたいずれか1人の物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項9】
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段と、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御することと、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成することと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内(たとえば、メタバース、ゲームフィールドなど)でユーザ同士が自分の分身(たとえば、アバター、キャラクタなど)を用いて互いに関わりながらコミュニティを広げていくように構成されたプログラムが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような仮想空間内には、アバターが行動可能に構成された複数の領域(たとえば、土地など)があり、複数の領域のうちの1区画の領域を1人のユーザが単独で所有できるようになっている。ユーザは自分の所有する領域(所有領域)を自由に使用することができる。またユーザは、自分の所有領域を他人のアバターが訪問した場合に、自分のアバターを用いてコミュニケーションを取ることもできる。
【0005】
しかしながら、1区画の領域を1人のユーザに単独で所有させてしまうと、領域の区画数によって仮想空間内で行動するユーザの人数が制限され、仮想空間において閉鎖的なコミュニティが形成されるおそれがある。また、仮想空間の広さは有限であるため、コミュニティを広げるべく領域の区画数を増やすにも限界がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仮想空間内でコミュニティを効率良く広げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段、
として機能させるプログラムである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係るサーバー装置20の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る物品情報の一例を示す構成図である。
【
図5】本実施形態に係る領域情報の一例を示す構成図である。
【
図6】本実施形態に係る所有領域設定情報の一例を示す構成図である。
【
図7】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す構成図である。
【
図8】本実施形態に係るクライアント端末10の一例を示す機能ブロック図である。
【
図9】仮想空間を仮想視点から見た画像を生成するときのワールド座標系、ビュー座標系、及びスクリーン座標系の関係を示す図である。
【
図10】単独領域のオブジェクト配置に関する動作例を示すフローチャートである。
【
図11】クライアント端末10Aの第1画面構成例を示す図である。
【
図12】クライアント端末10Aの第2画面構成例を示す図である。
【
図13】共有領域のオブジェクト配置に関する動作例を示すフローチャートである。
【
図14】クライアント端末10Bの第1画面構成例を示す図である。
【
図15】クライアント端末10Aの第3画面構成例を示す図である。
【
図16】クライアント端末10Aの第4画面構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段、
として機能させるプログラムである。
このようなプログラムによれば、仮想空間において1区画の領域を2人以上のユーザが共有できるようにすることで、領域の区画数を増やさなくても、仮想空間内でより多くのユーザが行動できるようになる。そのため、仮想空間内でコミュニティを効率良く広げることが可能となる。また、共有者となる一のユーザには、他の共有者の物品が除かれ自分の物品(たとえば、建物や乗り物など)のみが配置された共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになる。そのため、当該画像を見ながら、他の共有者によって制限されることなく、自分の共有領域を自由に使用することが可能となる。
【0010】
また、かかるプログラムであって、
前記画像生成手段は、仮想空間において前記他のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記他のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成することとしてもよい。
このようなプログラムによれば、共有者となる他のユーザにとっても、自分の物品(たとえば、建物や乗り物など)のみが配置された共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになる。そのため、当該画像を見ながら、他の共有者によって制限されることなく、自分の共有領域を自由に使用することが可能となる。
【0011】
また、かかるプログラムであって、
前記画像生成手段は、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが他人の共有領域を見たときの画像として、当該他人の共有領域の共有者のうちの所定条件を満たすユーザの物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成することとしてもよい。
このようなプログラムによれば、他人の共有領域の共有者それぞれの物品(たとえば、建物や乗り物など)が重畳して当該共有領域に配置された画像ではなく、他人の共有領域の共有者のうち、所定条件を満たすユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像が生成されることになる。そのため、仮想空間において他人の共有領域を訪問したユーザには、当該共有領域の共有者の中から条件によって絞り込まれた所有者の物品のみが配置された当該共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになり、当該画像を見ながら、訪問先のユーザとの間でコミュニケーションを取りやすくなる。
【0012】
また、かかるプログラムであって、
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者が前記一のユーザとの間にフレンド関係が設定されているユーザであることとしてもよい。
このようなプログラムによれば、仮想空間において他人の共有領域を訪問したユーザにとっても、当該共有領域の共有者の中からフレンド関係を持つ所有者の物品(たとえば、建物や乗り物など)のみが配置された当該共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになるため、当該画像を見ながら、訪問先のフレンドユーザとの間でコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0013】
また、かかるプログラムであって、
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者が自身の操作によって設定可能であることとしてもよい。
このようなプログラムによれば、共有者は自分自身の設定により、所定条件を満たす共有者になることができる。そのため、訪問に来たユーザとの間でコミュニケーションを取りやすくなる。
【0014】
また、かかるプログラムであって、
前記所定条件は、前記他人の共有領域の共有者がゲーム結果に基づく条件を満たすユーザであることとしてもよい。
このようなプログラムによれば、ゲーム結果に応じて所定条件を満たす共有者が変動することになる。そのため、所定条件を満たす共有者として決定されるべく、ゲームプレイに対するモチベーションを上げることができるようになる。
【0015】
また、かかるプログラムであって、
前記画像生成手段は、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが他人の共有領域を見たときの画像として、当該他人の共有領域の共有者のうち、前記一のユーザによって選択されたユーザの物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成することとしてもよい。
このようなプログラムによれば、他人の共有領域を訪問したときにコミュニケーションを取る相手を選ぶことができるようになる。
【0016】
また、かかるプログラムであって、
前記画像生成手段は、当該他人の共有領域の共有者の中に、前記所定条件を満たすユーザがいない場合、前記所定条件を満たさないユーザの中から決定されたいずれか1人の物品のみが当該他人の共有領域に配置された画像を生成することとしてもよい。
このようなプログラムによれば、他人の共有領域の共有者それぞれの物品(たとえば、建物や乗り物など)が重畳して当該共有領域に配置された画像ではなく、他人の共有領域の共有者のうち、所定条件を満たさないいずれか1人のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像が生成されることになる。そのため、仮想空間において他人の共有領域を訪問したユーザには、所定条件を満たすユーザがいなくても、所定条件を満たさないいずれか1人のユーザの物品のみが配置された当該共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになり、当該画像を見ながら、訪問先のユーザとの間でコミュニケーションを取りやすくなる。
【0017】
また、ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御するオブジェクト制御手段と、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成する画像生成手段と、
を備える情報処理装置である。
このような情報処理装置によれば、仮想空間内でコミュニティを効率良く広げることが可能となる。
【0018】
また、コンピュータが、
ユーザの操作に基づいて、仮想空間において前記ユーザの分身となるユーザオブジェクトの挙動を制御することと、
仮想空間内にある複数の領域のうち、1人のユーザが単独で所有する単独領域に対応付けて、所有者であるユーザが当該単独領域に配置させる自分の物品が設定され、2人以上のユーザが所有する共有領域に対応付けて、共有者である一のユーザと他のユーザそれぞれが当該共有領域に配置させる各自の物品が設定された所有領域設定情報に基づき、仮想空間において前記一のユーザのユーザオブジェクトが自分の共有領域を見たときの画像として、前記一のユーザの物品のみが当該共有領域に配置された画像を生成することと、
を含む情報処理方法である。
このような情報処理方法によれば、仮想空間内でコミュニティを効率良く広げることが可能となる。
【0019】
===実施形態===
以下では、本発明の実施形態に係るプログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムについて詳細に説明する。なお、本発明は仮想空間をユーザに提供する仮想空間提供サービスを採用するプログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム等に広く適用できる。実施形態では、仮想空間が仮想3次元空間である場合を例に挙げて説明する。
【0020】
<<システム構成>>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている。
【0021】
クライアント端末10は、ユーザが操作するスマートフォン、タブレット、PCなどの端末装置や、家庭用や業務用のゲーム専用機器などの端末装置である。サーバー装置20は、クライアント端末10でユーザにより行われる仮想空間提供サービス内の管理や制御、仮想空間提供サービス内での課金処理等を行う。ネットワークNは、インターネット等であって、移動無線基地局などを含む。
【0022】
なお、本発明は
図1に示すクライアント・サーバー型の情報処理システム1の他、仮想空間内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置(情報処理装置)においても適用可能である。
図1の情報処理システム1は一例であって用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば、
図1のサーバー装置20は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。
【0023】
<<ハードウェア構成>>
<クライアント端末及びサーバー装置>
図2は、本実施形態に係るコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ50により実現される。なお、コンピュータ50は情報処理装置の一例である。
【0024】
コンピュータ50は、
図2に示すように、CPU51、RAM52、ROM53、通信インタフェース54、入力装置55、表示装置56、外部インタフェース57、及びHDD58などを備えており、それぞれがバスラインBで相互に接続されている。なお、サーバー装置20においては、入力装置55及び表示装置56を必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0025】
CPU51は、ROM53やHDD58などの記憶装置からプログラムやデータをRAM52上に読み出し、読み出したプログラムやデータに基づく各種処理を実行することによって、コンピュータ全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0026】
RAM52は、プログラムやデータを一時保持するための揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例であり、CPU51が各種処理を実行する際のワークエリアとしても利用される。
【0027】
ROM53は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM53には、コンピュータ50の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
【0028】
通信インタフェース54は、コンピュータ50をネットワークNに接続するためのインタフェースである。これにより、コンピュータ50は通信インタフェース54を介してデータ通信を行うことができる。
【0029】
入力装置55は、ユーザ又は管理者が各種信号を入力するのに用いる装置である。本実施形態における入力装置55は、例えば、タッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどの操作装置である。
【0030】
表示装置56は、ユーザ又は管理者に対して各種情報を画面表示するための装置である。本実施形態における表示装置56は、例えば、液晶や有機ELなどのディスプレイである。
【0031】
外部インタフェース57は、外部装置とデータ通信可能に接続するためのインタフェースである。これにより、コンピュータ50は外部インタフェース57を介して記録媒体の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。外部装置は、例えば、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどの記録媒体である。
【0032】
HDD58は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0033】
なお、HDD58に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用してもよい。
【0034】
本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、前述したハードウェア構成のコンピュータ50においてプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0035】
<<ソフトウェア構成>>
<サーバー装置>
図3は、本実施形態に係るサーバー装置20の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るサーバー装置20は、例えば
図3に示す機能ブロックにより実現される。
【0036】
本実施形態に係るサーバー装置20は、プログラムを実行することにより、サーバー制御部200、サーバー記憶部220、及びサーバー通信部240を実現する。
【0037】
サーバー制御部200は、サーバー装置20における各種処理を実行する機能を有する。本実施形態におけるサーバー制御部200は、情報管理部201と、販売部202を含む。
【0038】
情報管理部201は、仮想空間提供サービスを利用するユーザに関する各種情報や、仮想空間を形成するための各種情報などを管理する。本実施形態に係る情報管理部201は、クライアント端末10から各種情報の管理リクエストを受信して、各種情報をサーバー記憶部220に記憶したり、サーバー記憶部220から取得した各種情報をクライアント端末10に送信したりする。
【0039】
販売部202は、仮想空間内で使用可能な物品を販売する。本実施形態に係る販売部202は、クライアント端末10から領域や物品の購入リクエストを受信すると、ユーザの指定した領域(たとえば、仮想空間内の土地など)や物品(たとえば、仮想空間内の建物や乗り物など)の販売価格とユーザの所持金(たとえば、仮想通貨)に基づいて課金処理を行い、その購入された領域や物品をクライアント端末10へ送信する。
【0040】
サーバー記憶部220は、サーバー装置20における各種情報を記憶する機能を有する。本実施形態におけるサーバー記憶部220は、物品情報記憶部221、領域情報記憶部222、所有領域設定情報記憶部223、及びユーザ情報記憶部224を含む。
【0041】
物品情報記憶部221は、仮想空間内で使用可能な物品に関する物品情報を記憶している。物品情報記憶部221が記憶する物品情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0042】
図4は、本実施形態に係る物品情報の一例を示す構成図である。
図4に示す物品情報は、項目として物品ID、物品名、販売価格、物品設定情報等を有する。
【0043】
物品IDは、各種物品を一意に識別するための情報である。物品名は、物品の名称を示す情報である。販売価格は、仮想空間内で使用可能な物品に対して設定された販売価格を示す情報である。物品設定情報は、物品を3Dモデル(物品オブジェクト)として仮想3次元空間に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等を含む情報である。
【0044】
領域情報記憶部222は、仮想空間内の領域に関する領域情報を記憶している。領域情報記憶部222が記憶する領域情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0045】
図5は、本実施形態に係る領域情報の一例を示す構成図である。
図5に示す領域情報は、項目として区画ID、区画名、位置情報、広さ情報、形状情報、販売価格、領域設定情報等を有する。
【0046】
区画IDは、所定基準で区切られた仮想空間内の領域を一意に識別するための情報である。区画名は、仮想空間内の領域の名称を示す情報である。位置情報は、仮想空間における領域の位置を特定するための情報である。広さ情報は、仮想空間における領域の広さを特定するための情報である。形状情報は、仮想空間における領域の形状を特定するための情報である。販売価格は、ユーザが購入可能な領域に対して設定された販売価格を示す情報である。領域設定情報は、領域を3Dモデル(土地オブジェクト)として仮想3次元空間に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等を含む情報である。
【0047】
所有領域設定情報記憶部223は、仮想空間内の領域のうち、ユーザが所有する領域(所有領域)に関する所有領域設定情報を記憶している。所有領域設定情報記憶部223が記憶する所有領域設定情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0048】
図6は、本実施形態に係る所有領域設定情報の一例を示す構成図である。
図6に示す所有領域設定情報は、項目として区画ID、所有者、購入日、所有状況等を有する。
【0049】
区画IDは、仮想空間内の所有領域を一意に識別するための情報である。所有者は、仮想空間内の領域を所有するユーザを示す情報である。購入日は、仮想空間内の領域をユーザが購入した日にちを示す情報である。所有状況は、1人のユーザが単独で所有する単独領域であるか、又は、2人以上のユーザが所有する共有領域であるか否かを示す情報である。
【0050】
ユーザ情報記憶部224は、仮想空間提供サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を記憶している。ユーザ情報記憶部224が記憶するユーザ情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0051】
図7は、本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す構成図である。
図7に示すユーザ情報は、項目としてユーザID、名称、アバター設定情報、所持金、所有領域、所有物、配置情報、行動履歴情報、購入履歴情報、フレンド等を有する。
【0052】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための情報である。名称は、ユーザ名を示す情報である。アバター設定情報は、ユーザが仮想空間内で使用するアバターに関する情報である。アバターを3Dモデル(ユーザオブジェクト)として仮想3次元空間に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等が含まれる。所持金は、ユーザが所有する仮想通貨に関する情報である。所有領域は、
図5に示す領域情報に設定された仮想空間内の領域のうち、ユーザが所有する領域を特定するための情報である。所有物は、
図4に示す物品情報に設定された仮想空間内で使用可能な物品のうち、ユーザが所有する物品を特定するための情報である。配置情報は、ユーザの所有物をユーザの所有領域にレイアウトするための情報である。配置情報には、所有領域内のどの位置にどの所有物を配置するのかを特定するための情報が含まれる。行動履歴情報は、仮想空間におけるアバターの行動履歴に関する情報である。購入履歴情報は、仮想空間内で使用可能な物品の購入履歴に関する情報である。フレンドは、互いに承認し合うことでフレンド関係が設定されていた他のユーザ(フレンドユーザ)を示す情報である。
【0053】
サーバー通信部240は、ネットワークNを介してクライアント端末10との通信を行う機能を有する。
【0054】
<クライアント端末>
図8は、本実施形態に係るクライアント端末10の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るクライアント端末10は、例えば
図8に示す機能ブロックにより実現される。
【0055】
本実施形態に係るクライアント端末10は、プログラムを実行することにより、クライアント制御部100、クライアント記憶部120、クライアント通信部140、操作入力受付部150、画面表示部160を実現する。
【0056】
クライアント制御部100は、クライアント端末10における各種処理を実行する機能を有する。本実施形態におけるクライアント制御部100は、オブジェクト制御部101、仮想カメラ制御部102、画像生成部103、表示制御部104、及び購入部105を含む。
【0057】
オブジェクト制御部101は、仮想空間内のオブジェクトに関する制御を行う。本実施形態に係るオブジェクト制御部101は、アバター、領域、建物、乗り物、樹木、地形などの各種オブジェクトをワールド座標系で表現される3次元座標に配置して、アバターが行動可能な仮想空間を形成する。例えば、オブジェクト制御部101は、ユーザの操作に基づいて、当該ユーザの所有領域である土地オブジェクトに対して、当該ユーザの所有物である物品オブジェクトを配置する。また、オブジェクト制御部101は、ユーザの操作に基づいて、仮想空間においてアバターであるユーザオブジェクトを移動させたり動作させたりする等、各種の挙動を制御する。
【0058】
仮想カメラ制御部102は、仮想空間内の仮想カメラに関する制御を行う。本実施形態に係る仮想カメラ制御部102は、仮想カメラをワールド座標系で表現される3次元座標に配置し、仮想カメラ設定データに基づいて、仮想カメラの視点位置、視方向、画角、ズーム、移動経路、移動速度等を制御することにより、仮想カメラから見える仮想空間の様子を変化させる。また、仮想カメラ制御部102は、ユーザの操作によって仮想空間内のアバターが移動すると、当該アバターの移動に追従するように仮想カメラを制御する。
【0059】
画像生成部103は、仮想空間に配置されたオブジェクトを仮想カメラから見たときの仮想空間内の様子を2次元画像として生成する。本実施形態に係る画像生成部103は、ワールド座標系で表現される3次元座標に配置されたオブジェクトを、仮想カメラを基準とするビュー座標系への座標変換を行う。そして、ビュー座標系に配置されたオブジェクトに対して透視変換等を行って、その仮想カメラから見たときの仮想3次元空間の様子を2次元画像として生成する。なおこの際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング処理、隠面処理、αブレンディング処理等も行う。
【0060】
表示制御部104は、クライアント端末10の画面表示を制御する。本実施形態における表示制御部104は、仮想空間に配置されたオブジェクトを仮想カメラから見たときの2次元画像をフレーム毎(例えば、1/60秒毎)に構成して、仮想空間内の様子を画面表示部160に出力する。
【0061】
購入部105は、仮想空間内で使用可能な物品をユーザに購入させるための処理を行う。本実施形態に係る購入部105は、クライアント端末10の画面表示部160に提示された販売品一覧の中から、ユーザの操作によって領域や物品が指定されると、その指定された領域や物品の購入リクエストをサーバー装置20へ送信し、課金処理の結果に従って、その購入された領域や物品をサーバー装置20から受信する。
【0062】
操作入力受付部150は、クライアント端末10を操作するユーザからの操作入力を受け付ける。本実施形態に係る操作入力受付部150は、ユーザによって画面に対するタッチ操作が行われると、タッチパネルを介してユーザからの操作入力を受け付ける。
【0063】
クライアント記憶部120は、クライアント端末10において必要となる各種プログラムや各種情報を記憶する。各種プログラムには、ユーザが仮想空間提供サービスを利用するためのプログラムが含まれる。各種情報には、サーバー記憶部220と同様、物品情報、領域情報、所有領域設定情報、ユーザ情報の全部又は一部が含まれる。すなわち、クライアント記憶部120は、物品情報記憶部、領域情報記憶部、所有領域設定情報記憶部、及びユーザ情報記憶部としても機能する。
【0064】
クライアント通信部140は、ネットワークNを介してサーバー装置20との通信を行う。
【0065】
画面表示部160は、表示制御部104からの制御信号を受信することによって、クライアント端末10の画面表示を行う。
【0066】
なお、前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、クライアント端末10がオブジェクト制御、仮想カメラ制御、画像生成処理、表示制御等を行うが、サーバー装置20が各種制御・処理を行ってもよい。具体的には、オブジェクト制御部、仮想カメラ制御部、画像生成部、及び表示制御部の少なくとも一部を、クライアント端末10のクライアント制御部100に設けない構成にする一方で、サーバー装置20のサーバー制御部200に設ける構成にしてもよい。
【0067】
また、前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1は、クライアント端末10のクライアント制御部100が、インストールされたプログラムに基づいて、仮想空間提供サービスに関する処理を行うアプリケーション型である。つまり、
図8は一例としてアプリケーション型を示している。なお、クライアント端末10のクライアント制御部100が、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記載されたページデータやページデータ内に含まれるスクリプトなどをサーバー装置20から受信して、仮想空間提供サービスに関する処理を行うブラウザ型であってもよい。また、クライアント端末10に代わって、サーバー装置20又は画像処理専用のサーバー装置(不図示)が仮想空間提供サービスに関する処理を行い、そこで生成された画像データをクライアント端末10が受信して、当該画像データに基づいて仮想空間内の様子を示す2次元画像を画面表示するクラウド型であってもよい。
【0068】
<<システム概要>>
本実施形態における情報処理システム1の概要について説明する。本実施形態における情報処理システム1では、ユーザは仮想空間提供サービスを利用できる。
【0069】
<仮想空間提供サービス>
本実施形態における仮想空間提供サービスでは、ユーザは自分の分身となるアバター(ユーザオブジェクト)を用いて仮想空間内で行動することができる。この仮想空間には、アバターが行動可能に構成された複数の領域が設定されている。仮想空間の「領域」は、現実空間の「土地」に相当する。
【0070】
ユーザは、仮想空間に設定された複数の領域のうち、まだ所有者のいない1区画の領域を仮想通貨で購入することによって、その1区画の領域を単独で所有できる。所有者となったユーザは、自分が単独で所有する領域(単独領域)を自由に使用することができる。
【0071】
例えば、所有者となったユーザは、家屋、ビル、店舗などの「建物」や、自動車、バイク、自転車、飛行機などの「乗り物」を仮想通貨で購入し、その購入した建物や乗り物を自分の単独領域に配置してカスタマイズしたり、その建物内で自分のアバターを行動させたり、その乗り物に自分のアバターを乗せたりすることができる。そして、自分の単独領域を他人のアバターが訪問した場合には、自分のアバターを用いてコミュニケーションを取ることもできる。
【0072】
ところで、このように1区画の領域を1人のユーザに単独で所有させる場合には、領域の区画数によって仮想空間内で一緒に行動できるユーザの人数が制限され、仮想空間において閉鎖的なコミュニティが形成されるおそれがある。また、仮想空間の広さは有限であるため、コミュニティを広げるべく領域の区画数を増やすにも限界がある。
【0073】
そこで、本実施形態における仮想空間提供サービスでは、すでに所有者のいる1区画の領域を他のユーザが購入することによって、その1区画の領域を2人以上のユーザが共有できるようにした。共有者となった各ユーザは、自分が共同で所有する領域(共有領域)を自由に使用することができる。
【0074】
例えば、共有者となった第1ユーザ(一のユーザ)は、家屋などの建物や自動車などの乗り物を仮想通貨で購入し、その購入した建物や乗り物を自分の共有領域に配置してカスタマイズすることができる。同様に、共有者となった第2ユーザ(他のユーザ)も、家屋などの建物や自動車などの乗り物を仮想通貨で購入し、その購入した建物や乗り物を自分の共有領域に配置してカスタマイズすることができる。
【0075】
このようにすることで、領域の区画数を増やさなくても、仮想空間内でより多くのユーザが行動できるようになるため、仮想空間内でコミュニティを効率良く広げることが可能となる。
【0076】
このとき、一方の共有者である第1ユーザが所有する建物や乗り物と、他方の共有者である第2ユーザが所有する建物や乗り物が、同じ共有領域にそれぞれ配置できることになる。そのため、各共有者に対し、各共有者の建物や乗り物が共有領域に重畳して配置された様子が仮想空間内の画像として画面表示されてしまうと、各共有者は実質的に自分の共有領域を自由に使用できなくなってしまうといった問題がある。
【0077】
そこで、本実施形態における仮想空間提供サービスでは、共有者となる第1ユーザには、他の共有者となる第2ユーザの建物や乗り物が除かれて、自分の建物や乗り物のみが配置された共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されるようにした。そのため、共有者となる第1ユーザは、他の共有者によるレイアウトの影響を受けずに、当該画像を見ながら自分の共有領域を自由にレイアウトできる。
【0078】
同様に、共有者となる第2ユーザには、他の共有者となる第1ユーザの建物や乗り物が除かれて、自分の建物や乗り物のみが配置された共有領域の様子が、仮想空間内の画像として表示されることになる。そのため、共有者となる第2ユーザにとっても、他の共有者によるレイアウトの影響を受けずに、当該画像を見ながら自分の共有領域を自由にレイアウトできることになる。
【0079】
<<システム動作>>
<仮想空間の画像生成>
本実施形態における仮想空間の画像生成について、
図9を用いて説明する。
図9は、仮想空間を仮想視点から見た画像を生成するときのワールド座標系、ビュー座標系、及びスクリーン座標系の関係を示す図である。
【0080】
以下では、仮想空間の基準を原点Owとする3次元座標(Xw、Yw、Zw)をワールド座標系と表現し、仮想カメラを原点Ocとする3次元座標(Xc、Yc、Zc)をビュー座標系と表現し、クライアント端末10の画面に対応するスクリーン面(投影面)の中心を原点Osとする2次元座標(Xs、Ys)をスクリーン座標系と表現する。
【0081】
仮想カメラ制御部102は、仮想カメラ(仮想視点)を、ワールド座標系のYw軸方向の高さからZw軸方向に対する俯角θでXw-Zw平面を斜めから見下ろすように配置する。このように仮想空間に仮想カメラを配置することによって、ワールド座標系に関連付けてビュー座標系が設定されることになる。
【0082】
ビュー座標系のZc軸方向は、クライアント端末10の画面に対応するスクリーン面(スクリーン座標系の原点Os)に垂直に下した方向であり、仮想カメラの視方向と一致している。ビュー座標系のXc-Yc平面は、スクリーン面と平行であり、ビュー座標系の原点Ocからスクリーン座標系原点Osまでの距離は仮想カメラの焦点距離と一致している。
【0083】
本実施形態におけるオブジェクト制御部101は、ユーザオブジェクトの一例としてのアバターAを、ワールド座標系のXw-Zw平面に配置する。ワールド座標系のXw-Zw平面は、仮想空間においてアバターAが移動する移動平面と一致している。オブジェクト制御部101は、ユーザの操作に従って、ワールド座標系のXw-Zw平面上での座標位置を時間経過に伴って変化させることにより、アバターAを移動平面上で移動させることができる。
【0084】
この際、仮想カメラ制御部102は、アバターAの移動に合わせて、そのアバターAに対応付けた仮想カメラのワールド座標系での座標位置を時間経過に伴って変化させることにより、アバターAに追従するように仮想カメラを移動させることができる。
【0085】
本実施形態における画像生成部103は、仮想空間においてアバターAが移動する移動平面を斜めから見下ろすように配置された仮想カメラから、その移動平面上のアバターAを見たときの画像を生成する。
【0086】
具体的には、
図9に示す仮想カメラとアバターAの位置関係から算出される座標変換行列等を用いることにより、ワールド座標系(Xw、Yw、Zw)に配置させたアバターAをビュー座標系(Xc、Yc、Zc)へ座標変換を行う。さらに、クリッピング処理を行った後に、透視投影手法等を用いることにより、ビュー座標系(Xc、Yc、Zc)に配置されたアバターAをスクリーン座標系(Xs、Ys)へ座標変換を行う。このように幾何学的な算出を行って座標変換を繰り返すことにより、仮想空間内に配置されるアバターAの2次元画像を生成することができる。
【0087】
<単独領域のオブジェクト配置>
本実施形態における単独領域のオブジェクト配置について、
図10乃至
図12を用いて説明する。
図10は、単独領域のオブジェクト配置に関する動作例を示すフローチャートである。
図11は、クライアント端末10Aの第1画面構成例を示す図である。
図12は、クライアント端末10Aの第2画面構成例を示す図である。
【0088】
本実施形態では、ユーザAがクライアント端末10Aを用いて仮想空間提供サービスを利用するものとする。この場合、ユーザAは仮想空間の画像をクライアント端末10Aの画面表示部160で見ることができる。
【0089】
そして、アバターAは、ユーザAの分身となるユーザオブジェクトであるものとし、ユーザAのクライアント端末10Aを用いたタッチ操作に従って仮想空間内で行動するものとする。
【0090】
以下では、このような前提の下、クライアント端末10Aにおいて、アバターAに対応付けた仮想視点から仮想空間内の単独領域を見たときの画像を生成する際に、当該単独領域のオブジェクト配置について具体的に説明する。
【0091】
まず、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、
図10に示すように、領域情報及び所有領域設定情報に基づいて、仮想空間におけるアバターAの現在位置を基準とする進行方向の所定範囲内に単独領域があるか否かを判定する(ステップS11)。
【0092】
なお、これに限らず、アバターAに対応付けた仮想カメラを基準とする所定範囲内(例えば、四角錐台のビューボリュームに相当するクリッピング領域内)に単独領域があるか否かを判定してもよいし、アバターAを含む仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た所定視野範囲内に単独領域があるか否かを判定してもよい。
【0093】
そして、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、所定範囲内に単独領域がないと判定した場合(ステップS11:NO)、
図10に示すフローチャートの処理を終了する。これに対して、所定範囲内に単独領域があると判定した場合(ステップS11:YES)、次のステップS12へ処理を進める。
【0094】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、所定範囲内に単独領域があると判定した場合に、所有領域設定情報に基づいて、その単独領域の所有者がユーザA自身であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0095】
そして、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その単独領域の所有者がユーザA自身でないと判定した場合(ステップS12:NO)、後述するステップS14へ処理を進める。これに対して、その単独領域の所有者がユーザA自身であると判定した場合(ステップS12:YES)、次のステップS13へ処理を進める。
【0096】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その単独領域の所有者がユーザA自身である場合に、ユーザ情報に設定されたユーザAの配置情報に基づいて、その自分の単独領域にそのユーザAの所有物となる物品オブジェクトを配置する(ステップS13)。
【0097】
このようにして、当該単独領域におけるオブジェクト配置が決定されると、クライアント端末10Aの画像生成部103は、
図11に示すように、アバターAに対応付けた仮想カメラから自分の単独領域を見たときの画像を生成する。
図11には、クライアント端末10Aに表示される画面例として、アバターAと共に、ユーザAの物品オブジェクトである建物501がユーザAの単独領域502に配置された画像が示されている。
【0098】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その単独領域の所有者がユーザA自身でないと判定した場合には、ユーザ情報に設定された配置情報に基づいて、その単独領域にその所有者である他のユーザの所有物となる物品オブジェクトを配置する(ステップS14)。
【0099】
このようにして、当該単独領域におけるオブジェクト配置が決定されると、クライアント端末10Aの画像生成部103は、
図12に示すように、アバターAに対応付けた仮想カメラから他人の単独領域を見たときの画像を生成する。
図12には、クライアント端末10Aに表示される画面例として、アバターAと共に、所有者である他のユーザの物品オブジェクトである建物503が当該他のユーザの単独領域502に配置された画像が示されている。
【0100】
<共有領域のオブジェクト配置>
本実施形態における共有領域のオブジェクト配置について、
図13乃至
図16を用いて説明する。
図13は、共有領域のオブジェクト配置に関する動作例を示すフローチャートである。
図14は、クライアント端末10Bの第1画面構成例を示す図である。
図15は、クライアント端末10Aの第3画面構成例を示す図である。
図16は、クライアント端末10Aの第4画面構成例を示す図である。
【0101】
本実施形態では、ユーザAがクライアント端末10Aを用いて仮想空間提供サービスを利用するものとする。この場合、ユーザAは仮想空間の画像をクライアント端末10Aの画面表示部160で見ることができる。また、ユーザAと異なるユーザBは、クライアント端末10Bを用いて仮想空間提供サービスを利用するものとする。この場合、ユーザBは仮想空間の画像をクライアント端末10Bの画面表示部160で見ることができる。
【0102】
そして、アバターAは、ユーザAの分身となるユーザオブジェクトであるものとし、ユーザAのクライアント端末10Aを用いたタッチ操作に従って仮想空間内で行動するものとする。また、アバターBは、ユーザBの分身となるユーザオブジェクトであるものとし、ユーザBのクライアント端末10Bを用いたタッチ操作に従って仮想空間内で行動するものとする。
【0103】
以下では、このような前提の下、クライアント端末10Aにおいて、アバターAに対応付けた仮想視点から仮想空間内の共有領域を見たときの画像を生成する際に、当該共有領域のオブジェクト配置について具体的に説明する。
【0104】
まず、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、
図13に示すように、領域情報及び所有領域設定情報に基づいて、仮想空間におけるアバターAの現在位置を基準とする進行方向の所定範囲内に共有領域があるか否かを判定する(ステップS21)。
【0105】
なお、これに限らず、アバターAに対応付けた仮想カメラを基準とする所定範囲内(例えば、四角錐台のビューボリュームに相当するクリッピング領域内)に共有領域があるか否かを判定してもよいし、アバターAを含む仮想空間を俯瞰する仮想カメラから見た所定視野範囲内に共有領域があるか否かを判定してもよい。
【0106】
そして、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、所定範囲内に共有領域がないと判定した場合(ステップS21:NO)、
図13に示すフローチャートの処理を終了する。これに対して、所定範囲内に共有領域があると判定した場合(ステップS21:YES)、次のステップS22へ処理を進める。
【0107】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、所定範囲内に共有領域があると判定した場合に、所有領域設定情報に基づいて、その共有領域の共有者がユーザA自身であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0108】
そして、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者がユーザA自身でないと判定した場合(ステップS22:NO)、後述するステップS24へ処理を進める。これに対して、その共有領域の共有者がユーザA自身であると判定した場合(ステップS22:YES)、次のステップS23へ処理を進める。
【0109】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者がユーザA自身である場合に、ユーザ情報に設定されたユーザAの配置情報に基づいて、その自分の共有領域にそのユーザAの所有物となる物品オブジェクトのみを配置する(ステップS23)。
【0110】
すなわち、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者である他のユーザがいても、当該他のユーザの物品オブジェクトを除き、共有者であるユーザAの物品オブジェクトのみを配置することになる。
【0111】
このようにして、当該共有領域におけるオブジェクト配置が決定されると、クライアント端末10Aの画像生成部103は、
図11に示すように、アバターAに対応付けた仮想カメラから自分の共有領域を見たときの画像を生成する。
図11には、クライアント端末10Aに表示される画面例として、アバターAと共に、ユーザAの物品オブジェクトである建物501のみ、ユーザAの共有領域502に配置された画像が示されている。ユーザAは、当該画像を見ながら、自分の共有領域502に自分の物品オブジェクトを自由にレイアウトできるため、他の共有者による物品オブジェクトの配置によって制限されることはない。
【0112】
ちなみに、その共有領域の共有者である他のユーザがユーザBであるとした場合には、クライアント端末10Bのオブジェクト制御部101は、ユーザ情報に設定されたユーザBの配置情報に基づいて、その共有領域にユーザBの所有物となる物品オブジェクトのみを配置する。
【0113】
すなわち、クライアント端末10Bのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者である他のユーザAがいても、そのユーザAの物品オブジェクトを除き、共有者であるユーザBの物品オブジェクトのみを配置することになる。
【0114】
この場合、クライアント端末10Bの画像生成部103は、
図14に示すように、アバターBに対応付けた仮想カメラから自分の共有領域を見たときの画像を生成する。
図14には、クライアント端末10Bに表示される画面例として、アバターBと共に、ユーザBの物品オブジェクトである建物503のみ、ユーザBの共有領域502に配置された画像が示されている。ユーザBは、当該画像を見ながら、自分の共有領域502に自分の物品オブジェクトを自由にレイアウトできるため、他の共有者であるユーザAによる物品オブジェクトの配置によって制限されることはない。
【0115】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者がユーザA自身でないと判定した場合には、その共有領域の共有者の中に所定条件を満たす共有者がいるか否かを判定する(ステップS24)。
【0116】
具体的には、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、所有領域設定情報及びユーザ情報に基づいて、その共有領域の共有者の中に、所定条件としてユーザAのフレンドユーザがいるか否かを判定する。
【0117】
そして、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者の中に所定条件を満たす共有者がいないと判定した場合(ステップS24:NO)、後述するステップS26へ処理を進める。これに対して、その共有領域の共有者の中に所定条件を満たす共有者がいると判定した場合(ステップS24:YES)、次のステップS25へ処理を進める。
【0118】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者の中に所定条件を満たす共有者がいると判定した場合に、ユーザ情報に設定された配置情報に基づいて、その共有領域にその所定条件を満たす共有者となる他のユーザの所有物となる物品オブジェクトのみを配置する(ステップS25)。
【0119】
すなわち、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者がいても、その所定条件を満さない共有者となる他のユーザの物品オブジェクトを除き、その所定条件を満たす共有者となる他のユーザの物品オブジェクトのみを配置することになる。なお、その共有領域の共有者の中に、所定条件を満たす共有者となる他のユーザが複数いる場合は、いずれかの他のユーザを選択して、選択された当該他のユーザの物品オブジェクトのみを配置する。
【0120】
このようにして、当該共有領域におけるオブジェクト配置が決定されると、クライアント端末10Aの画像生成部103は、
図15に示すように、アバターAに対応付けた仮想カメラから他人の共有領域を見たときの画像を生成する。
図15には、クライアント端末10Aに表示される画面例として、アバターAと共に、ユーザAのフレンドユーザの物品オブジェクトである建物504のみ、当該フレンドユーザの共有領域502に配置された画像が示されている。ユーザAは、当該画像を見ながら、訪問先のフレンドユーザとの間でコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0121】
つぎに、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者の中に所定条件を満たす共有者がいないと判定した場合に、ユーザ情報に設定された配置情報に基づいて、その共有領域の共有者の中からいずれか1人のユーザをランダムに決定し、その共有領域にその決定された共有者となる他のユーザの所有物となる物品オブジェクトのみを配置する(ステップS26)。
【0122】
すなわち、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者がいても、その所定条件を満たす共有者となる他のユーザや、決定されなかった共有者となる他のユーザの物品オブジェクトを除き、そのランダムに決定された共有者となるユーザの物品オブジェクトのみを配置することになる。
【0123】
このようにして、当該共有領域におけるオブジェクト配置が決定されると、クライアント端末10Aの画像生成部103は、
図16に示すように、アバターAに対応付けた仮想カメラから他人の共有領域を見たときの画像を生成する。
図16には、クライアント端末10Aに表示される画面例として、アバターAと共に、そのランダムに決定されたユーザの物品オブジェクトである建物505のみ、当該ランダムに決定されたユーザの共有領域502に配置された画像が示されている。ユーザAは、当該画像を見ながら、訪問先のユーザとフレンドになる機会を得ることができる。
【0124】
===その他の実施形態===
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。すなわち、本発明は、前述の実施形態と以下に述べる実施形態を適宜組み合わせて構成することも可能である。
【0125】
また、前述の実施形態に開示されている複数の発明特定事項の適宜組み合わせて、種々の発明を構成することも可能である。例えば、前述の実施形態に開示される全発明特定事項からいくつかの発明特定事項を削除して発明を構成してもよいし、前述の実施形態に開示される全発明特定事項に対して以下に述べる実施形態に開示される発明特定事項を適宜組み合わせて発明を構成してもよい。
【0126】
<システム構成>
前述の実施形態では、サーバー装置を備えた集中型のネットワークシステムの代わりに、ブロックチェーン技術(分散型台帳技術)を用いた分散型のネットワークシステムを採用してもよい。分散型のネットワークシステムでは、集中型のネットワークシステムにおけるサーバー装置に記憶される各種情報(オブジェクト等)が、ピア・ツー・ピア(P2P)で接続される各端末に分散して記憶される。ブロックチェーン技術を用いることによって相互監視型で各種情報が管理されるため、不正なデータ改竄等を回避することが可能となる。なお、ブロックチェーン技術を活用したオブジェクト(土地、建物、乗り物、アバター等)を、非代替性トークン(ノンファンジブルトークン:NFT)として発行し流通させてもよく、オブジェクトの資産価値を高めることが可能となる。
【0127】
<仮想現実>
前述の実施形態では、クライアント端末10の一部として、VR(Virtual Reality)ゴーグル、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイを含めることも可能である。この場合、ユーザが装着したVRゴーグル等に仮想空間の画像を表示できる。
【0128】
<所定条件>
前述の実施形態では、フレンドユーザであることが「所定条件」の一例であると説明したが、フレンドでなくてもよく、過去に仮想空間内でコミュニケーションを取ったユーザであることを「所定条件」とすることも可能である。
【0129】
また、前述の実施形態では、共有領域を一時的に自分だけ専有できるようにした特別専有時間が割り当てられているユーザであることを「所定条件」としてもよい。この場合は、共有領域の共有者であるユーザ毎に、自分の特別専有時間をユーザIDに対応付けてユーザ情報に設定しておく。なお、共有領域の共有者であるユーザが、自身の操作によって自分の特別専有時間を設定できるようにしてもよい。つまり、ユーザ自身の操作によって「所定条件」を任意に設定できるようにしてもよい。また、特別専有時間は、時、分、秒単位のほか、日、曜日、週、月単位、又はこれらの組み合わせで設定できてもよい。これにより、特別専有時間の割り当てによって、共有領域に配置される物品オブジェクトの所有者を動的に変化させることができる。
【0130】
例えば、午前8時から午前10時までの2時間が、共有領域の一の共有者であるユーザAのみに割り当てられ、午後4時から午後6時までの2時間が、他の共有者であるユーザBのみに割り当てられているとすると、午前9時の時点では、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、その共有領域の共有者であるユーザBがいても、ユーザBの物品オブジェクトを除き、現時点で特別専有時間が割り当てられているユーザAの物品オブジェクトのみを配置する。すなわち、ユーザAの物品オブジェクトのみが当該共有領域に配置された画像が画面表示されることになる。その一方で、午後5時の時点では、クライアント端末10Aのオブジェクト制御部101は、現時点で特別専有時間が割り当てられているユーザBの物品オブジェクトのみを配置する。すなわち、ユーザBの物品オブジェクトのみが当該共有領域に配置された画像が画面表示されることになる。
【0131】
また、前述の実施形態では、ゲーム結果に基づく条件を満たすユーザであることを「所定条件」としてもよい。この場合は、ゲーム結果(成績等)に応じて変動するパラメータや、ゲーム結果(成績等)に応じて付与されるポイント等の変動データを、ユーザIDに対応付けてユーザ情報に設定しておく。例えば、共有領域の共有者の中から、ゲーム結果として付与されたポイントが最も多いユーザを、「所定条件」を満たす共有者として決定したり、ゲーム結果としてのゲームスコアが最も高いユーザを、「所定条件」を満たす共有者として決定したりすることも可能となる。これにより、ゲーム結果によって、共有領域に配置される物品オブジェクトの所有者を動的に変化させることができる。また、共有領域に物品オブジェクトが配置された画像が画面表示されるまでは、その共有領域の共有者のうち、誰が「所定条件」を満たす共有者として決定されたのかが不明となるため、共有領域に配置される物品オブジェクトに意外性を持たせることで、訪問に来たユーザの興味を引くことができる。また、その共有領域の共有者も、「所定条件」を満たす共有者として決定されるべく、ゲーム結果に基づく条件を満たすためにゲームプレイに対するモチベーションを上げることができるようになる。
【0132】
また、前述の実施形態では、レイアウト評価の最も高いユーザであることを「所定条件」としてもよい。この場合、共有領域に多数の物品オブジェクトを配置するほど、レイアウト評価を高くしてもよい。又は、共有領域に配置された全物品オブジェクトの総額(価値)が高いほど、レイアウト評価を高くすることも可能である。これにより、共有領域を訪問したユーザに対し、当該共有領域の共有者の中から、レイアウト評価の最も高いユーザの物品オブジェクトのみが当該共有領域に配置された画像が画面表示されることになるので、豪華に物品がレイアウトされた共有領域を常に見せることができる。
【0133】
また、前述の実施形態では、共有領域を最初に購入したユーザであることを「所定条件」としてもよい。これにより、誰よりも早く領域を購入しようとするモチベーションを高めることができる。
【0134】
<所有領域>
前述の実施形態では、ユーザが購入した領域を「所有領域」と説明したが、仮想空間提供サービスの運営者がユーザに貸し出した領域を「所有領域」とすることも可能である。
【0135】
<自分の共有領域>
また、前述の実施形態では、上記ステップS22とステップS23の処理において、共有領域の共有者であるユーザに対しては、自分の共有領域に自分の物品オブジェクトのみが配置される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、共有領域の共有者であるユーザが、当該共有領域の共有者の中から自分以外の他のユーザも選択できるようにして、その選択された他のユーザの物品オブジェクトのみを、当該共有領域に配置してもよい。
【0136】
<他人の共有領域>
前述の実施形態では、共有領域の共有者の中からランダムに決定されたユーザの物品オブジェクトのみを当該共有領域に配置する場合について説明したが、共有領域の共有者の中から、レイアウト評価の高いユーザを優先的にいずれか一人選択し、その選択されたユーザの物品オブジェクトのみを当該共有領域に配置してもよい。この場合、共有領域に多数の物品オブジェクトを配置するほど、レイアウト評価を高くしてもよい。又は、共有領域に配置された全物品オブジェクトの総額(価値)が高いほど、レイアウト評価を高くすることも可能である。このようにすることで、共有領域を訪問したユーザに対し、当該共有領域の共有者の中から、レイアウト評価の高いユーザの物品オブジェクトのみが当該共有領域に配置された画像が画面表示されることになるので、豪華に物品がレイアウトされた共有領域を常に見せることができる。
【0137】
また、前述の実施形態では、共有領域の共有者の中からランダムに決定されたユーザの物品オブジェクトのみを当該共有領域に配置する場合について説明したが、共有領域の共有者の中から、当該共有領域を最初に購入したユーザを選択し、その選択されたユーザの物品オブジェクトのみを当該共有領域に配置してもよい。このようにすることで、誰よりも早く領域を購入しようとするモチベーションを高めることができる。
【0138】
また、前述の実施形態では、上記ステップS24~ステップS26の処理において、共有領域の共有者でないユーザに対しては、他人の当該共有領域に所定条件を満たす共有者の物品オブジェクトのみが配置される場合や、他人の当該共有領域にランダムで決定された共有者の物品オブジェクトのみが配置される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、共有領域の共有者でないユーザが、他人の当該共有領域の共有者の中から他のユーザを選択できるようにして、その選択された他のユーザの物品オブジェクトのみを、他人の当該共有領域に配置してもよい。
【0139】
<ランダム>
また、前述の実施形態では、上記ステップS26の処理において、共有領域の共有者の中からいずれか1人のユーザをランダムに決定する場合を一例として説明したが、ゲーム結果に基づいて1人のユーザを決定してもよい。この場合は、ゲーム結果(成績等)に応じて変動するパラメータや、ゲーム結果(成績等)に応じて付与されるポイント等の変動データを、ユーザIDに対応付けてユーザ情報に設定しておく。このようにすることで、例えば、共有領域の共有者の中から、ゲーム結果として付与されたポイントが最も多いユーザや、ゲーム結果としてのゲームスコアが最も高いユーザを決定することも可能となる。
【符号の説明】
【0140】
1 情報処理システム
10 クライアント端末
10A クライアント端末
10B クライアント端末
20 サーバー装置
50 コンピュータ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
54 通信インタフェース
55 入力装置
56 表示装置
57 外部インタフェース
58 HDD
100 クライアント制御部
101 オブジェクト制御部
102 仮想カメラ制御部
103 画像生成部
104 表示制御部
105 購入部
120 クライアント記憶部
140 クライアント通信部
150 操作入力受付部
160 画面表示部
200 サーバー制御部
201 情報管理部
202 販売部
220 サーバー記憶部
221 物品情報記憶部
222 領域情報記憶部
223 所有領域設定情報記憶部
224 ユーザ情報記憶部
240 サーバー通信部
501 建物
502 単独領域、共有領域
503 建物
504 建物
505 建物
B バスライン
N ネットワーク