(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021563
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】加熱調理システム及び加熱調理システム用プログラム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20240208BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20240208BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20240208BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20240208BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
F24C3/12 A
F24C3/12 E
F24C7/04 301A
F24C7/04 301Z
A47J37/06 366
F24C15/00 D
F24C15/00 M
H05B6/12 313
H05B6/12 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124471
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
4B040
【Fターム(参考)】
3K151AA01
3K151CA44
3K151CA63
3K151CA74
3L087AA03
3L087AA04
3L087BA01
3L087BA04
3L087BA07
3L087BC02
3L087BC11
3L087DA24
4B040AA02
4B040GD21
4B040LA11
4B040LA19
4B040LA20
(57)【要約】
【課題】自動調理モードにおいて、ユーザが好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に入力可能な加熱調理システム及びそれに用いられるプログラムを提供する。
【解決手段】被調理物を自動調理する自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器とを有する加熱調理システムにおいて、自動調理モードを実行させるとき、記憶部23に記憶された過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を集計し、所定の追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部12,72に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱する加熱手段を有し、被調理物を自動調理する自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器と、を有する加熱調理システムであって、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、被調理物を自動調理する自動調理モードを含む加熱手段の加熱設定を入力可能な加熱設定入力部と、加熱設定入力部で自動調理モードが入力されたとき、被調理物を自動調理する自動調理時間内に設けられた追加加熱設定許可期間であれば、自動調理時間の追加加熱時間を設定可能な追加加熱時間設定部と、追加加熱時間設定部で設定された過去の追加加熱時間の履歴を記憶する記憶部と、所定の情報を表示する表示部と、を有しており、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理システムにおいて、
外部機器は、加熱調理器と通信可能に接続される携帯端末を含み、
携帯端末は、加熱設定入力部で自動調理モードが入力されたとき、被調理物を自動調理する自動調理時間内に設けられた追加加熱設定許可期間であれば、自動調理時間の追加加熱時間を設定可能な端末側追加加熱時間設定部と、所定の情報を表示する端末側表示部とを有し、
携帯端末は、追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に端末側表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の加熱調理システムにおいて、
外部機器は、加熱調理器と通信可能に接続される外部サーバを含み、
外部サーバは、追加加熱時間設定部で設定された過去の追加加熱時間の履歴を記憶するサーバ側記憶部を有し、
外部サーバは、サーバ側記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理システムにおいて、
追加加熱時間設定部は、一旦、追加加熱時間が設定された後、設定された追加加熱時間を延長または短縮する追加加熱時間の変更を設定可能に構成され、
記憶部は、追加加熱時間が変更された場合、変更後の追加加熱時間の履歴を記憶する加熱調理システム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理システムにおいて、
加熱調理器は、被調理物周辺の雰囲気温度または被調理物の温度を検出する温度検出手段を有し、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、過去の追加加熱時間の履歴を、自動調理時間内の所定の判定期間における温度検出手段で検出される温度特性とともに記憶する記憶部を有しており、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、自動調理が開始されると、判定期間における現在の自動調理の温度特性を取得し、
記憶部に記憶された現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
追加加熱設定許可期間中、現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に同じ設定頻度の異なる追加加熱時間の設定値が記憶されている場合、より新しい追加加熱時間の設定値を優先的に表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、複数種の自動調理モードを含む加熱設定入力部と、過去の追加加熱時間の履歴を、自動調理モードごとに記憶する記憶部とを有し、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に記憶された自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
加熱設定入力部で複数種の自動調理モードのうちの1つの自動調理モードが入力されると、追加加熱設定許可期間中、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、追加加熱設定許可期間が開始されてから所定の選択時間、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示し、
選択時間が経過しても、追加加熱時間設定部で追加加熱時間が設定されなかった場合、過去の追加加熱時間の設定値のうち最も設定頻度の高い追加加熱時間の設定値を自動で設定する制御構成を有する加熱調理システム。
【請求項9】
被調理物を加熱する加熱手段を有し、被調理物を自動調理する自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器とを有する加熱調理システム用プログラムであって、
加熱調理器または外部機器の記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の履歴から、過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度情報データを取得するステップと、
取得された設定頻度情報データに基づいて加熱調理器または外部機器の表示部に過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示させるステップと、をコンピュータに実行させる加熱調理システム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器とを有する加熱調理システム及びそれに用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動調理モードにおいてユーザの好みに応じた調理の出来上がりとするため、自動調理中、ユーザが被調理物に対して加熱不足を感じると、自動調理時間を延長して焼き足しを行えるように、所定時間内であればユーザが手動により焼き足し時間を設定可能な加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の加熱調理器では、ユーザが同じ自動調理モードを実行する場合でも、毎回、焼き足し時間を手動で設定する必要がある。そのため、ユーザは各自動調理モードにおける好みの調理の出来上りとなる焼き足し時間を覚えておく必要があり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、自動調理モードにおける使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、
被調理物を加熱する加熱手段を有し、被調理物を自動調理する自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器と、を有する加熱調理システムであって、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、被調理物を自動調理する自動調理モードを含む加熱手段の加熱設定を入力可能な加熱設定入力部と、加熱設定入力部で自動調理モードが入力されたとき、被調理物を自動調理する自動調理時間内に設けられた追加加熱設定許可期間であれば、自動調理時間の追加加熱時間を設定可能な追加加熱時間設定部と、追加加熱時間設定部で設定された過去の追加加熱時間の履歴を記憶する記憶部と、所定の情報を表示する表示部と、を有しており、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する加熱調理システムが提供される。
【0007】
上記加熱調理システムによれば、追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示されるから、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に設定することができる。従って、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を覚える必要がないから、自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
外部機器は、加熱調理器と通信可能に接続される携帯端末を含み、
携帯端末は、加熱設定入力部で自動調理モードが入力されたとき、被調理物を自動調理する自動調理時間内に設けられた追加加熱設定許可期間であれば、自動調理時間の追加加熱時間を設定可能な端末側追加加熱時間設定部と、所定の情報を表示する端末側表示部とを有し、
携帯端末は、追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に端末側表示部に表示する制御構成を有する。
【0009】
上記加熱調理システムによれば、過去の追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に携帯端末の端末側表示部に表示されるから、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に設定することができ、自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0010】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
外部機器は、加熱調理器と通信可能に接続される外部サーバを含み、
外部サーバは、追加加熱時間設定部で設定された過去の追加加熱時間の履歴を記憶するサーバ側記憶部を有し、
外部サーバは、サーバ側記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計する制御構成を有する。
【0011】
上記加熱調理システムによれば、追加加熱時間設定部で設定された過去の追加加熱時間の履歴は外部サーバのサーバ側記憶部に記憶されるから、加熱調理器の記憶容量を大きくする必要がなく、加熱調理器のコストを低減することができる。
【0012】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
追加加熱時間設定部は、一旦、追加加熱時間が設定された後、設定された追加加熱時間を延長または短縮する追加加熱時間の変更を設定可能に構成され、
記憶部は、追加加熱時間が変更された場合、変更後の追加加熱時間の履歴を記憶する。
【0013】
上記加熱調理システムによれば、一旦、追加加熱時間を設定した後でも、追加加熱時間を延長または短縮する追加加熱時間の変更ができるから、ユーザが誤って追加加熱時間を設定した場合や調理の出来上がりを変更したい場合でも、追加加熱時間を修正することができる。また、上記加熱調理システムによれば、追加加熱時間が変更された場合、記憶部には変更後の追加加熱時間の履歴が記憶されるから、ユーザは変更後の追加加熱時間を覚えておく必要がない。これにより、さらに自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
加熱調理器は、被調理物周辺の雰囲気温度または被調理物の温度を検出する温度検出手段を有し、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、過去の追加加熱時間の履歴を、自動調理時間内の所定の判定期間における温度検出手段で検出される温度特性とともに記憶する記憶部を有しており、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、自動調理が開始されると、判定期間における現在の自動調理の温度特性を取得し、
記憶部に記憶された現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
追加加熱設定許可期間中、現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する。
【0015】
被調理物周辺の雰囲気温度または被調理物の温度を検出すれば、自動調理中の一定期間における温度上昇幅や温度勾配などの温度特性から、被調理物の大きさや被調理物の量などの調理条件の違いを把握することができる。また、自動調理中の上記温度特性によって、調理の出来上がりが異なってくる。従って、自動調理が開始されると、判定期間における現在の自動調理の温度特性を取得して、記憶部に記憶された現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を集計し、追加加熱設定許可期間中、現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示させることによって、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に設定することができる。
【0016】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に同じ設定頻度の異なる追加加熱時間の設定値が記憶されている場合、より新しい追加加熱時間の設定値を優先的に表示部に表示する制御構成を有する。
【0017】
上記加熱調理システムによれば、同じ設定頻度でも、より新しい追加加熱時間の設定値が表示部に優先的に表示されるから、ユーザは最近の好みの調理の出来上がりに合致する追加加熱時間を容易に設定することができる。
【0018】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、複数種の自動調理モードを含む加熱設定入力部と、過去の追加加熱時間の履歴を、自動調理モードごとに記憶する記憶部とを有し、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、記憶部に記憶された自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計し、
加熱設定入力部で複数種の自動調理モードのうちの1つの自動調理モードが入力されると、追加加熱設定許可期間中、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示する制御構成を有する。
【0019】
上記加熱調理システムによれば、複数種の自動調理モードのうちの1つの自動調理モードが入力されると、追加加熱設定許可期間中、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示されるから、より自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0020】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
加熱調理器及び外部機器の少なくとも一方は、追加加熱設定許可期間が開始されてから所定の選択時間、過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示部に表示し、
選択時間が経過しても、追加加熱時間設定部で追加加熱時間が設定されなかった場合、過去の追加加熱時間の設定値のうち最も設定頻度の高い追加加熱時間の設定値を自動で設定する制御構成を有する。
【0021】
上記加熱調理システムによれば、ユーザが追加加熱時間の設定を忘れていた場合でも、ユーザの好みの調理の出来上がりに合致する追加加熱時間が自動で設定されるから、より自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0022】
また、本発明の他の局面によれば、
被調理物を加熱する加熱手段を有し、被調理物を自動調理する自動調理モードを有する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部機器とを有する加熱調理システム用プログラムであって、
加熱調理器または外部機器の記憶部に記憶された過去の追加加熱時間の履歴から、過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度情報データを取得するステップと、
取得された設定頻度情報データに基づいて加熱調理器または外部機器の表示部に過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に表示させるステップと、をコンピュータに実行させる加熱調理システム用プログラムが提供される。
【0023】
上記加熱調理システム用プログラムは、例えば、専用アプリケーションに組み込んで携帯端末などの外部機器で実行させることができる。これにより、ユーザが外部機器を操作するだけで、自動調理時間の追加加熱時間を容易に設定することができる。なお、上記プログラムは、加熱調理器または外部機器に組み込まれる前の状態のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理システムを示す概略模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の設定表示パネルの画面の一部を示す説明図であり、(a)は、追加加熱時間設定画面であり、(b)は、追加加熱時間変更設定画面である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末のタッチパネルの画面の一部を示す説明図であり、(a)は、自動調理モードの入力選択画面であり、(b)は、レシピ画面であり、(c)は、送信完了画面である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末のタッチパネルの画面の一部を示す説明図であり、(a)は、調理中画面であり、(b)は、追加加熱時間設定画面であり、(c)は、追加加熱時間変更設定画面である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の温度特性と自動調理時間との相関の一例を示す相関図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の自動調理における追加加熱時間の設定頻度を温度特性で分類した一例を示すデータテーブルである。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理システムを示す概略模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る加熱調理システムを説明する。
図1に示すように、本実施の形態の加熱調理システムは、加熱調理器である自動調理モードを有するグリル装置1を備えたガスコンロ100と、外部機器である携帯端末700とから構成される。図示しないが、グリル装置1は、天面に複数のコンロバーナを有する筐体内に組み込まれている。
【0026】
グリル装置1は、前面開口2を有するグリル庫3と、グリル庫3の前面開口2を開閉自在に閉塞するグリル扉4とを備える。グリル庫3内には、被調理物を載置する調理器具の1種である浅型のグリルプレート6が収納されている。なお、調理器具としては、焼網や、浅型または深型の調理容器などを用いてもよい。
【0027】
グリル庫3の内部には、グリルプレート6に載置された被調理物を上下から加熱するためのグリルバーナ(加熱手段)7,8が設けられている。グリルバーナ7,8の点消火や火力は、後述する機器側コントローラ9により制御される。
【0028】
図示しない筐体の前面には、グリルバーナ7,8の点消火を指示するためのグリルバーナ点消火釦10と、機器側コントローラ9に対して各種の設定や自動調理モードを含むグリルバーナ7,8の加熱設定の入力の指示を行う設定操作パネル(機器側加熱設定入力部)11と、機器側コントローラ9からの指示に応じて自動調理モードを含む各種情報の表示を行ったり、機器側コントローラ9に対して追加加熱時間の設定や変更の設定の指示を行ったりする設定表示パネル(機器側追加加熱時間設定部及び機器側表示部)12とが設けられている。図示しないが、設定操作パネル11には、とりもも焼や焼き魚などの各種被調理物を自動調理モードで調理するための複数の自動調理メニューが選択可能に設けられている。設定表示パネル12は、設定操作パネル11と並設してもよいし、設定操作パネル11とは別にガスコンロ100の天面に設けてもよい。また、設定操作パネル11と設定表示パネル12とを一体に設けてもよい。
【0029】
グリルバーナ7,8はそれぞれ、グリルバーナ点火電極13,14により点火される。点火されたグリルバーナ7,8のそれぞれの燃焼状態は、グリルバーナ熱電対15,16により検出される。また、グリル庫3には、被調理物周辺の雰囲気温度であるグリル庫3の庫内温度を検出するグリル温度センサ(温度検出手段)17が設けられている。なお、グリル温度センサ17の代わりに、またはグリル温度センサ17とともに、グリルプレート6などの調理器具の底面に当接して、被調理物の温度を検出する温度センサを設けてもよい。また、非接触の赤外線温度センサを設けてもよい。
【0030】
グリルバーナ7,8には、ガス供給管18を介して燃料ガスが供給される。ガス供給管18には、グリルバーナ7,8に対して各別に燃料ガスの供給と遮断とを切り替えるグリルバーナ元ガス弁19,20とグリルバーナガス量調節弁21,22とが設けられている。
【0031】
機器側コントローラ9は、マイクロコンピュータ等の電子ユニットからなり、機器側記憶部23と、機器側タイマ24と、機器側通信部25と、機器側制御部40とを備えている。機器側通信部25は、例えば、Bluetooth(登録商標)方式で携帯端末700と通信を行う無線通信部である。機器側制御部40には、グリルバーナ点消火釦10からの信号、設定操作パネル11や設定表示パネル12からの信号、グリル温度センサ17の温度検出信号、各熱電対15,16の燃焼状態検出信号、機器側通信部25からの制御信号が入力される。図示しないが、機器側コントローラ9には、LEDランプやブザーも接続されている。
【0032】
また、機器側制御部40は、運転を実行する機能構成として、グリルバーナ7,8の燃焼を制御する燃焼制御部30と、各種調理時間を設定する調理時間設定部31と、設定表示パネル12に表示させる各種情報の表示を制御する機器側表示制御部32と、自動調理時間終了時に追加加熱時間の履歴を自動調理モードごとに機器側記憶部23に記憶させる登録制御部33と、機器側記憶部23に記憶された自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計する集計部34と、機器側通信部25の通信動作を制御する機器側通信制御部35と、携帯端末700に送信する所定の情報データを生成する機器側情報データ生成部36とを有する。
【0033】
機器側記憶部23には、グリル制御用プログラムが格納されており、機器側制御部40は、上記の各入力信号に基づいてグリル制御用プログラムを実行することにより運転を行う。なお、グリル制御用プログラムや後述する自動調理レコードは、例えば、携帯端末700や図示しない外部通信ネットワークを介して遠隔の管理サーバ(加熱調理器のメーカが管理するサーバ等)から取得することができる。
【0034】
また、機器側記憶部23には、自動調理モードで各種被調理物を自動調理するための自動調理レコードが格納されている。自動調理レコードは、例えば、各自動調理モードに対応したレシピNo、自動調理表示用データ、グリルバーナ7,8の火力や自動調理時間などを含むグリル制御用データから構成される。さらに、機器側記憶部23には、自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の履歴が記憶されている。
【0035】
携帯端末700は、ユーザが利用する端末装置であり、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等を適用することができる。携帯端末700の前面には、タッチパネル72が設けられている。後述するように、ユーザがタッチパネル72をタッチ操作することにより、とりもも焼や焼き魚などの各種被調理物を自動調理モードで調理するための複数の自動調理メニューを選択する操作や、自動調理時間の追加加熱時間の設定や変更の設定をする操作が行われる。また、タッチパネル72には、タッチ操作に応じた各種画面が表示されたり、ガスコンロ100から受信する温度や時間などの情報データに基づく各種情報が表示されたりする。従って、携帯端末700のタッチパネル72が、端末側加熱設定入力部、端末側追加加熱時間設定部、及び端末側表示部を構成する。
【0036】
携帯端末700内には、端末側コントローラ70が組み込まれている。端末側コントローラ70は、マイクロコンピュータ等の電子ユニットからなり、端末側記憶部73と、端末側タイマ74と、第1端末側通信部75と、第2端末側通信部76と、端末側制御部80とを備えている。第1端末側通信部75は、例えば、Bluetooth(登録商標)方式でガスコンロ100と通信を行う無線通信部である。第2端末側通信部76は、例えば、Wi-Fi方式で外部通信ネットワーク(図示せず)と通信を行う無線通信部である。端末側制御部80には、タッチパネル72の操作信号や、第1及び第2端末側通信部75,76からの制御信号が入力される。図示しないが、携帯端末700には、音声等が出力されるスピーカ、カメラなどが設けられている。
【0037】
また、端末側制御部80は、運転を実行する機能構成として、タッチパネル72に表示させる各種情報の表示を制御する端末側表示制御部81と、第1端末側通信部75の通信動作を制御する第1端末側通信制御部82と、第2端末側通信部76の通信動作を制御する第2端末側通信制御部83と、レシピ情報や追加加熱時間などの自動調理に関する各種情報データを生成する端末側情報データ生成部84とを有する。なお、携帯端末700が、自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計する集計部や自動調理時間終了時に追加加熱時間の履歴を自動調理モードごとに端末側記憶部73に記憶させる登録制御部を有してもよいし、ガスコンロ100、携帯端末700の両方がこれらの機能を有してもよい。
【0038】
端末側記憶部73には、所定のオペレーティングシステムや、携帯端末700の機能を実現するための各種のプログラム、自動調理モードのレシピ情報が記憶されている。これらは、ガスコンロ100や外部通信ネットワークを介して管理サーバから入手することができる。なお、端末側記憶部73は、自動調理モードごとに過去の追加加熱時間の履歴を記憶してもよい。
【0039】
次に、
図2~
図7を参照して、本実施の形態の加熱調理システムでガスコンロ100と携帯端末700との通信接続が確立された状態にあるときの自動調理モードにおける制御動作を説明する。以下では、機器側記憶部23に、過去の追加加熱時間の履歴として、自動調理モードごとに所定の時間単位(例えば、1分間単位)で過去の追加加熱時間(追加加熱時間が0分間の場合も含む)の設定値の設定回数の履歴が一定数以上、記憶されている場合を説明する。なお、1つの自動調理モードについてユーザが初めて設定表示パネル12で追加加熱時間を設定する場合、後述する追加加熱時間変更設定画面がまず表示され、手動で任意の追加加熱時間を設定することによって、追加加熱時間の履歴が機器側記憶部23に記憶される。
【0040】
携帯端末700から後述するレシピ情報データを受信しておらず(ステップS1で、No)、ユーザがガスコンロ100で自動調理モードの入力を行う場合、設定操作パネル11で1つの自動調理モード(例えば、とりもも焼)を選択して入力し(ステップS2で、Yes)、グリルバーナ点消火釦10で点火操作を行うと、機器側記憶部23から入力された自動調理モードに対応するグリル制御用データが読み込まれ、自動調理時間が設定される(ステップS3)。そして、グリルバーナ7,8が点火されるとともに、自動調理時間を計測する調理タイマがスタートされる。自動調理が開始されると、自動調理時間を含む調理開始状態情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS4)。なお、
図2を含めて、一点鎖線は無線通信を示す。携帯端末700が自動調理モード用アプリを起動させた状態で調理開始状態情報データを受信すると(ステップS201で、Yes)、同様に調理タイマをスタートさせ、タッチパネル72が後述する
図7(a)に示す調理中画面に切り替わる(ステップS203)。
【0041】
一方、ガスコンロ100から調理開始状態情報データを受信しておらず(ステップS201で、No)、ユーザが携帯端末700で自動調理モードの入力を行う場合、
図4に示す自動調理モード選択処理が実行される(ステップS202)。この自動調理モード選択処理では、ユーザが携帯端末700の図示しない自動調理モード用アプリを起動させると、タッチパネル72が
図6(a)に示す自動調理モードの入力選択画面表示に切り替わる(ステップS2021)。入力選択画面には、複数の自動調理モードのレシピ選択ボタン701(例えば、「とりもも焼」、「ビーフシチュー」、「ハンバーグ」、「ギョウザ」のボタン)が表示される。
【0042】
ユーザがタッチ操作により入力選択画面のうちの1つのレシピ選択ボタン701を選択すると(ステップS2022で、Yes)、タッチパネル72が
図6(b)に示すレシピ画面表示に切り替わる(ステップS2023)。レシピ画面には、レシピ名702、レシピ料理画像703、自動調理時間704、材料705や、ガスコンロ100に対して選択した自動調理モードに対応するレシピ情報データの送信を指示するレシピ送信ボタン706が表示される。なお、本実施の形態では、ガスコンロ100の機器側記憶部23に記憶された各自動調理モードに対応付けられたレシピNoのレシピ情報データが携帯端末700からガスコンロ100に送信されるが、自動調理時間や火力をユーザが任意に設定した調理条件を含む個別のレシピ情報データを送信することもできる。
【0043】
ユーザがレシピ送信ボタン706をタッチ操作すると(ステップS2024で、Yes)、レシピ情報データが生成されて、ガスコンロ100にレシピ情報データが送信され(ステップS2025)、タッチパネル72が
図6(c)の送信完了画面表示に切り替わる(ステップS2026)。ガスコンロ100がレシピ情報データを受信すると(ステップS1で、Yes)レシピ情報データが機器側制御部40に入力される。ユーザが自動調理を行うための準備をして、グリルバーナ点消火釦10で点火操作を行うと、上記と同様に、機器側記憶部23から送信されたレシピ情報データに含まれるレシピNoに対応した自動調理モードのグリル制御用データが読み込まれ、自動調理時間が設定される(ステップS3)。そして、グリルバーナ7,8が点火されると、自動調理時間を計測する調理タイマがスタートされる。また、自動調理が開始されると、既述した自動調理時間を含む調理開始状態情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS4)。携帯端末700が調理開始状態情報データを受信すると(ステップS201で、Yes)、調理タイマをスタートさせ、タッチパネル72は
図7(a)に示す調理中画面表示に切り替わる(ステップS203)。
【0044】
次いで、ガスコンロ100で、グリル温度センサ17からの温度検出信号や、各熱電対15,16からの燃焼状態検出信号に応じて、グリルバーナ7,8の火力が自動調整され、自動調理が開始される。図示しないが、このとき、設定表示パネル12やタッチパネル72には、入力された自動調理モードに対応する画像データや名称データと、残りの調理時間とが表示される。
【0045】
ユーザがガスコンロ100で追加加熱時間の設定や変更を行う場合、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間終了より所定時間(例えば、30秒間)前の設定許可開始時間になると(ステップS5で、Yes)、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度が集計されて、設定表示パネル12は
図5(a)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わり(ステップS6)、追加加熱時間の設定値を選択する選択スイッチ120が表示される。また、許可状態情報データ及び集計された設定頻度情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS7)。携帯端末700が許可状態情報データ及び設定頻度情報データを受信すると(ステップS204で、Yes)、タッチパネル72は後述する
図7(b)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わる(ステップS205)。
【0046】
本実施の形態では、
図5(a)に示すように、入力された自動調理モードの過去の追加加熱時間の設定値のうち、設定頻度の高い3つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120(例えば、「追加2分」、「追加1分」、及び「追加4分」の3段の選択スイッチ)が設定表示パネル12に上から順に表示される。このとき、同じ設定頻度の複数の異なる追加加熱時間の設定値がある場合、新しい追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120ほど上方に表示される。また、図示しないが、追加表示スイッチ121(例えば、「+」スイッチ)を押し操作することにより、次に設定頻度の高い過去の追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120が上から順に表示される。なお、ここでは、複数の過去の追加加熱時間の設定値のうち、設定頻度の高い追加加熱時間の設定値がより上方に位置するように表示されているが、過去の追加加熱時間の設定値は設定頻度の高い順に優先的に表示されれば、その表示形態は特に制限されない。例えば、設定頻度の高いものほど大きなフォントで表示させてもよいし、設定頻度を数値化して表示させてもよい。また、最も設定頻度の高い過去の追加加熱時間の設定値を優先的に1つだけ表示させ、追加表示スイッチ121を押すごとに設定頻度に応じて順に過去の追加加熱時間の設定値を表示させてもよい。また、追加表示スイッチ121に、例えば「-」スイッチを含め、押し操作することにより、「+」スイッチの場合とは逆の順番で表示させるようにしてもよい。
【0047】
携帯端末700から後述する追加加熱時間情報データを受信しておらず(ステップS8で、No)、自動調理が終了するまでの追加加熱設定許可期間中に、ユーザが1つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120を選択して入力すると(ステップS9で、Yes)、追加加熱時間情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS10)。また、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS11)、追加加熱時間が加算された残りの調理時間(例えば、「追加2分」が選択されて入力された場合、「残り2分30秒」)が表示される。これにより、ユーザは選択した追加加熱時間で自動調理時間が延長されることを認識することができる。また、
図5(b)示すように、設定表示パネル12は、追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり(ステップS12)、設定された追加加熱時間を所定の時間単位(例えば、1分間単位)で延長または短縮させる変更設定スイッチ122(例えば、「+1分」スイッチや「-1分」スイッチ)が表示される。また、携帯端末700が追加加熱時間情報データを受信すると(ステップS206で、Yes)、同様に、自動調理時間に追加加熱時間が加算される(ステップS209)。そして、タッチパネル72は後述する
図7(c)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり、追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示される(ステップS210)。
【0048】
次いで、携帯端末700から後述する変更時間情報データを受信しておらず(ステップS13で、No)、自動調理が終了するまでにユーザが変更設定スイッチ122を操作して、追加加熱時間の延長または短縮がされると(ステップS14で、Yes)、変更時間情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS15)。また、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間に変更後の追加加熱時間が加算され(ステップS16)、設定表示パネル12に残りの調理時間が表示される(図示せず)。これにより、ユーザは変更した追加加熱時間で自動調理時間が延長されることを認識することができる。また、携帯端末700が変更時間情報データを受信すると(ステップS211で、Yes)、同様に、自動調理時間に変更された追加加熱時間が加算され(ステップS214)、タッチパネル72に残りの調理時間が表示される(図示せず)。
【0049】
そして、追加加熱時間が加算された自動調理時間が経過すると(ステップS17で、Yes)、グリルバーナ7,8が消火されて、調理の終了がブザー報知される。また、タッチパネル72は、追加加熱時間が加算された自動調理時間が経過すると(ステップS215で、Yes)、図示しない調理終了画面に切り替わる(ステップS216)。なお、追加加熱設定許可期間中に追加加熱時間が設定されなかった場合(ステップS8及びS9で、No)、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間が経過すると(ステップS18で、Yes)、グリルバーナ7,8が消火されて、調理の終了がブザー報知される。同様に、タッチパネル72は、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間が経過すると(ステップS215で、Yes)、図示しない調理終了画面に切り替わる(ステップS216)。
【0050】
一方、ユーザが携帯端末700で追加加熱時間の設定や変更を行う場合、既述したように携帯端末700が許可状態情報データ及び設定頻度情報データを受信すると(ステップS204で、Yes)、ガスコンロ100と同様に、タッチパネル72が
図7(b)に示す追加加熱時間の設定値の選択ボタン720及び追加表示ボタン721を含む追加加熱時間設定画面表示に切り替わる(ステップS205)。選択ボタン720は、ガスコンロ100と同様に、設定頻度の高い追加加熱時間の設定値が上方に位置するように表示される。なお、追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に表示されれば、その表示形態は特に制限されない。そして、ガスコンロ100から追加加熱時間情報データを受信していない場合(ステップS206で、No)、ユーザがタッチ操作により1つの選択ボタン720を押すと(ステップS207で、Yes)、追加加熱時間情報データが生成されて、携帯端末700からガスコンロ100に送信される(ステップS208)。また、ガスコンロ100と同様に、自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS209)、追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示される。また、タッチパネル72が
図7(c)に示す変更設定ボタン722を含む追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わる(ステップS210)。ガスコンロ100が追加加熱時間情報データを受信すると(ステップS8で、Yes)、上記と同様に、自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS11)、設定表示パネル12は
図5(b)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わる(ステップS12)。また、ガスコンロ100から変更時間情報データを受信していない場合(ステップS211で、No)、ユーザがタッチ操作により変更設定ボタン722を押すと(ステップS212で、Yes)、変更時間情報データが生成されて、携帯端末700からガスコンロ100に送信されるとともに、自動調理時間に変更後の追加加熱時間が加算され(ステップS213~S214)、タッチパネル72に変更後の残りの調理時間が表示される(図示せず)。また、ガスコンロ100が変更時間情報データを受信すると(ステップS13で、Yes)、上記と同様に、自動調理時間に変更後の追加加熱時間が加算され(ステップS16)、設定表示パネル12に残りの調理時間が表示される(図示せず)。
【0051】
自動調理時間が経過すると(ステップS17またはS18で、Yes)、今回の自動調理における最終的な追加加熱時間と同一の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴に「1」が加算されて、日付とともに、機器側記憶部23に記憶される(ステップS19)。なお、機器側記憶部23に記憶させる追加加熱時間の履歴は、追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計可能なデータを含む履歴であれば、特に限定されず、例えば、追加加熱時間の設定値自体であってもよい。
【0052】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、自動調理時間が終了する前の追加加熱設定許可期間中、過去の追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に設定表示パネル12やタッチパネル72に表示されるから、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に設定することができる。従って、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を覚える必要がないから、自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、一旦、追加加熱時間を設定した後でも、追加加熱時間を延長または短縮する追加加熱時間の変更ができるから、ユーザが誤って追加加熱時間を設定した場合や調理の出来上がりを変更したい場合でも、追加加熱時間を修正することができる。また、本実施の形態によれば、追加加熱時間が変更された場合、機器側記憶部23には変更後の追加加熱時間の履歴が記憶されるから、ユーザは変更前の追加加熱時間への加算や減算を覚えておく必要がない。これにより、さらに自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、同じ設定頻度でも、より新しい追加加熱時間の設定値が設定表示パネル12やタッチパネル72に表示されるから、ユーザは最近の好みの調理の出来上がりに合致する追加加熱時間を容易に設定することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、複数種の自動調理モードのうちの1つの自動調理モードが入力されると、追加加熱設定許可期間中、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値が設定頻度の高い順に優先的に設定表示パネル12やタッチパネル72に表示されるから、より自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、追加加熱時間の設定及び変更は、ガスコンロ100側でも、携帯端末700側でも可能であり、いずれか一方で追加加熱時間の設定及び変更がされると、他方に設定及び変更された追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示されるから、さらに自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0057】
(実施の形態2)
本実施の形態は、自動調理モードの制御動作が異なる以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。このため、実施の形態1の構成と異なる部分のみを説明し、同一の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略する。
【0058】
図8は、1つの自動調理モードの自動調理時間とグリル温度センサ17で検出される庫内温度との相関を示す相関図であり、
図9は、1つの自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を、自動調理初期の所定の判定期間ts内における温度上昇幅△Tで分類したデータテーブルを示す。
【0059】
図8に示すように、自動調理が開始されると、グリル温度センサ17で検出される庫内温度が徐々に上昇してくるが、自動調理中の一定期間における温度上昇幅や温度勾配などの温度特性から、被調理物の大きさや被調理物の量などの調理条件の違いを把握することができる。また、自動調理中の上記温度特性によって、調理の出来上がりが異なってくる。従って、例えば、
図9に示すように、自動調理開始から所定時間が経過するまでの判定期間ts内の温度上昇幅△Tを複数に分類し、一定範囲の温度上昇幅△Tを有する自動調理で設定された過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を集計して、現在の自動調理の温度上昇幅△Tと同じ範囲の温度上昇幅△Tを有する自動調理で設定された過去の追加加熱時間と同じ追加加熱時間で自動調理時間を延長すれば、ユーザの好みに応じた調理の出来上がりとすることができる。判定期間tsは、追加加熱設定許可期間が開始される設定許可開始時間よりも前の一定期間であれば、特に制限されず、設定許可開始時間よりも前の全ての期間であってもよく、一部の期間であってもよい。また、温度特性としては、所定の判定期間tsにおける温度上昇幅△T以外に、所定の判定期間tsにおける温度勾配や庫内温度が所定温度上昇するまでの到達時間、さらには温度上昇幅△Tに応じて設定される異常過熱防止温度を使用することができる。なお、上記のように、同じ温度特性とは、温度特性が完全に一致する場合だけでなく、判定期間ts内の温度特性を複数に分類したときに同じ分類に属する温度特性を有する場合も含む。
【0060】
次に、
図10及び
図11を参照して、本実施の形態の加熱調理システムの自動調理モードにおける制御動作を説明する。以下では、実施の形態1と同様に、機器側記憶部23に、各自動調理モードについて温度特性ごとに所定の時間単位で過去の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴が一定数以上、記憶されている場合を説明する。なお、設定表示パネル12及びタッチパネル72に表示される画面は実施の形態1の
図5~
図7のそれらと同様である。
【0061】
携帯端末700からレシピ情報データを受信しておらず(ステップS31で、No)、ユーザがガスコンロ100で自動調理モードの入力を行う場合、実施の形態1と同様に、設定操作パネル11で1つの自動調理モード(例えば、とりもも焼)を選択して入力し(ステップS32で、Yes)、グリルバーナ点消火釦10で点火操作を行うと、機器側記憶部23から入力された自動調理モードに対応するグリル制御用データが読み込まれ、自動調理時間が設定される(ステップS33)。そして、グリルバーナ7,8が点火されるとともに、自動調理時間を計測する調理タイマがスタートされる。また、自動調理が開始されると、自動調理時間を含む調理開始状態情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS34)。
【0062】
ユーザが携帯端末700で自動調理モードの入力を行う場合の自動調理モード選択処理(ステップS232)は、実施の形態1のそれ(ステップS202)と同様である。
【0063】
自動調理が開始されると、実施の形態1と同様に、設定表示パネル12には、入力された自動調理モードに対応する画像データや名称データと、残りの調理時間とが表示される。また、グリル温度センサ17からの温度検出信号に基づいて、所定の判定期間(例えば、自動調理開始から2分間)における温度特性(例えば、温度上昇幅△T)が取得される(ステップS35)。
【0064】
次いで、実施の形態1と同様に、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間終了より所定時間(例えば、30秒間)前の設定許可開始時間になると(ステップS36で、Yes)、入力された自動調理モードで、取得された温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度が集計されて、設定表示パネル12は
図5(a)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わり(ステップS37)、設定頻度の高い3つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120(例えば、「追加2分」、「追加1分」、及び「追加4分」の3段の選択スイッチ)が上から順に表示される。また、許可状態情報データ及び設定頻度情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS38)。携帯端末700が許可状態情報データ及び設定頻度情報データを受信すると(ステップS234で、Yes)、タッチパネル72が
図7(b)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わる(ステップS235)。
【0065】
追加加熱時間設定画面表示後の制御動作(ステップS38~S49)は、実施の形態1のそれら(ステップS7~S18)と同様である。また、ユーザが携帯端末700で追加加熱時間の設定及び変更をする場合の制御動作(ステップS237~S247)は、実施の形態1とそれら(ステップS207~S217)と同様である。
【0066】
本実施の形態では、自動調理時間が経過すると(ステップS48またはS49で、Yes)、今回の自動調理の温度特性と同じ温度特性における今回の自動調理の最終的な追加加熱時間と同一の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴に「1」が加算されて、日付とともに、機器側記憶部23に記憶される(ステップS50)。
【0067】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、自動調理が開始されると、判定期間における現在の自動調理の温度特性を取得して、機器側記憶部23に記憶された現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を集計し、追加加熱設定許可期間中、現在の自動調理の温度特性と同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値を設定頻度の高い順に優先的に設定表示パネル12及びタッチパネル72に表示させるから、ユーザは好みの調理の出来上がりとするための追加加熱時間を容易に設定することができる。これにより、さらに自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0068】
また、実施の形態1と同様に、本実施の形態でも、追加加熱時間の設定及び変更は、ガスコンロ100側でも、携帯端末700側でも可能であり、いずれか一方で追加加熱時間の設定及び変更がされると、他方に設定及び変更された追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示されるから、さらに自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、温度特性の判定及び過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度の集計はガスコンロ100のみで実行されているが、端末側記憶部73に各自動調理モードについて温度特性ごとに過去の追加加熱時間の履歴が記憶されていれば、温度特性情報データをガスコンロ100から携帯端末700に送信して、携帯端末700で温度特性を判定し、同じ温度特性における過去の追加加熱時間の設定値ごとの設定頻度を集計して、タッチパネル72に追加加熱時間の設定値を設定頻度に応じて表示させるとともに、携帯端末700からガスコンロ100に設定頻度情報データを送信し、ガスコンロ100の設定表示パネル12に追加加熱時間の設定値を設定頻度に応じて表示させてもよい。
【0070】
(実施の形態3)
本実施の形態は、自動調理モードの制御動作が異なる以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。このため、実施の形態1の構成と異なる部分のみを説明し、同一の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略する。以下では、実施の形態1と同様に、機器側記憶部23に、自動調理モードごとに所定の時間単位で過去の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴が一定数以上、記憶されている場合を説明する。なお、設定表示パネル12及びタッチパネル72に表示される画面は実施の形態1の
図5~
図7のそれらと同様である。
【0071】
図12に示すように、携帯端末700からレシピ情報データを受信しておらず(ステップS61で、No)、ユーザがガスコンロ100で自動調理モードの入力を行う場合、実施の形態1と同様に、設定操作パネル11で1つの自動調理モード(例えば、とりもも焼)を選択して入力し(ステップS62で、Yes)、グリルバーナ点消火釦10で点火操作を行うと、機器側記憶部23から入力された自動調理モードに対応するグリル制御用データが読み込まれ、自動調理時間が設定される(ステップS63)。そして、グリルバーナ7,8が点火されるとともに、自動調理時間を計測する調理タイマがスタートされる。また、自動調理が開始されると、自動調理時間を含む調理開始状態情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS64)。
【0072】
ユーザが携帯端末700で自動調理モードの入力を行う場合の自動調理モード選択処理(ステップS262)は、実施の形態1のそれ(ステップS202)と同様である。
【0073】
自動調理が開始されると、実施の形態1と同様に、設定表示パネル12には、入力された自動調理モードに対応する画像データや名称データと、残りの調理時間とが表示される。
【0074】
次いで、実施の形態1と同様に、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間終了より所定時間(例えば、30秒間)前の設定許可開始時間になると(ステップS65で、Yes)、報知ブザーにより追加加熱時間の設定が可能であることをユーザに報知させ(ステップS66)、所定の選択時間(例えば、2秒間)を計時するための選択時間タイマをスタートさせる。また、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定頻度が集計されて、設定表示パネル12は
図5(a)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わり(ステップS66)、設定頻度の高い3つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120(例えば、「追加2分」、「追加1分」、及び「追加4分」の3段の選択スイッチ)が上から順に表示される。また、許可状態情報データ及び設定頻度情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS67)。携帯端末700が許可状態情報データ及び設定頻度情報データを受信すると(ステップS264で、Yes)、タッチパネル72が
図7(b)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わる(ステップS265)。
【0075】
そして、携帯端末700から追加加熱時間情報データを受信しておらず(ステップS68で、No)、選択時間内にユーザが1つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120を選択して入力すると(ステップS69で、Yes)、追加加熱時間情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS73)。また、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS74)、追加加熱時間が加算された残りの調理時間(例えば、「追加2分」が選択されて入力された場合、「残り2分30秒」)が表示される。また、設定表示パネル12は
図5(b)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり(ステップS75)、設定された追加加熱時間を所定の時間単位(例えば、1分間単位)で延長または短縮させる変更設定スイッチ122(例えば、「+1分」スイッチや「-1分」スイッチ)が表示される。携帯端末700が追加加熱時間情報データを受信すると(ステップS266で、Yes)、同様に、自動調理時間に追加加熱時間が加算される(ステップS269)。そして、タッチパネル72は
図7(c)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり、追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示される(ステップS270)。
【0076】
ユーザが携帯端末700で追加加熱時間の設定及び変更をする場合の制御動作(ステップS267~S277)は、実施の形態1のそれら(ステップS207~S217)と同様である。
【0077】
一方、選択時間内にガスコンロ100でも携帯端末700でも追加加熱時間が選択されなかった場合(ステップS68及びS69で、No、ステップS70で、Yes)、最も設定頻度の高い追加加熱時間の設定値が自動で設定されて自動調理時間に加算され(ステップS71)、追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示される。また、自動で設定された最も設定頻度の高い追加加熱時間の設定値の追加加熱時間情報データが生成されて、ガスコンロ100から携帯端末700に送信される(ステップS72)。また、設定表示パネル12は
図5(b)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わる(ステップS75)。また、携帯端末700が追加加熱時間情報データを受信すると(ステップS266で、Yes)、上記と同様に、自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS269)、タッチパネル72は
図7(c)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり、追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示される(ステップS270)。なお、このとき、ユーザに追加加熱時間が自動で設定されたことを認識させるため、ブザー報知してもよい。ガスコンロ100の追加加熱時間変更設定画面表示後の制御動作(ステップS76~S81)は、実施の形態1のそれら(ステップS13~S17及びS19)と同様である。
【0078】
本実施の形態では、ユーザが追加加熱時間の設定を忘れていた場合でも、ユーザの好みの調理の出来上がりに合致する追加加熱時間が自動で設定されるから、より自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0079】
また、実施の形態1と同様に、本実施の形態でも、追加加熱時間の設定及び変更は、ガスコンロ100側でも、携帯端末700側でも可能であり、いずれか一方で追加加熱時間の設定及び変更がされると、他方に設定及び変更された追加加熱時間が加算された残りの調理時間が表示されるから、自動調理モードの使い勝手を向上させることができる。
【0080】
(実施の形態4)
本実施の形態の加熱調理システムは、外部機器として追加加熱時間の履歴が記憶された外部サーバが設けられており、ガスコンロで自動調理モードの設定や追加加熱時間の設定及び変更、それらの表示がされる以外は、実施の形態1と同様の構成を有する。このため、実施の形態1の構成と異なる部分のみを説明し、同一の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略する。
【0081】
図14に示すように、本実施の形態の加熱調理システムは、ガスコンロ100aと、ガスコンロ100aと通信可能に接続された外部サーバ900とを有する。ガスコンロ100aの機器側コントローラ9aは、実施の形態1と同様に、マイクロコンピュータ等の電子ユニットからなり、機器側記憶部23と、機器側タイマ24と、機器側通信部25と、機器側制御部40aとを備えている。機器側通信部25は、例えば、Wi-Fi方式で外部通信ネットワーク(図示せず)を介して外部サーバ900と通信を行う無線通信部である。また、機器側制御部40aは、運転を実行する機能構成として、グリルバーナ7,8の燃焼を制御する燃焼制御部30と、各種調理時間を設定する調理時間設定部31と、設定表示パネル12に表示させる各種情報の表示を制御する機器側表示制御部32と、機器側通信部25の通信動作を制御する機器側通信制御部35と、外部サーバ900に送信する所定の情報データを生成する機器側情報データ生成部36とを有する。機器側記憶部23には、自動調理モードで各種被調理物を自動調理するための自動調理レコードが格納されている。なお、本実施の形態では、実施の形態1と異なり、ガスコンロ100aは集計部及び登録制御部を有していないが、実施の形態1と同様に、集計部及び登録制御部を有してもよい。
【0082】
外部サーバ900は、サーバ側コントローラ90を有し、サーバ側コントローラ90は、サーバ側記憶部93と、外部通信ネットワークを介してガスコンロ100aと通信するサーバ側通信部95と、サーバ側制御部96を備える。サーバ側記憶部93には、所定のオペレーティングシステム、サーバの機能を実現するための各種のサーバプログラムや、自動調理時間の追加加熱時間の履歴が格納されている。サーバ側通信部95は、外部通信ネットワークを介してガスコンロ100aと通信を行う無線通信部である。サーバ側制御部96は、各種演算処理を行う演算処理回路から構成され、ガスコンロ100aからの要求に応じて、サーバ側記憶部93に記憶された自動調理モードごとの過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度を集計するサーバ側集計部97と、自動調理時間終了時に追加加熱時間の履歴を自動調理モードごとにサーバ側記憶部93に記憶させるサーバ側登録制御部98と、サーバ側通信部95の通信動作を制御するサーバ側通信制御部99と、所定の情報データを生成するサーバ側情報データ生成部110とを有する。なお、サーバ側記憶部93は、自動調理モードの自動調理レコードを記憶してもよい。
【0083】
次に、
図15を参照して、本実施の形態の加熱調理システムの自動調理モードにおける制御動作を説明する。以下では、実施の形態1と同様に、サーバ側記憶部93に、過去の追加加熱時間の履歴として、自動調理モードごとに所定の時間単位(例えば、1分間単位)で過去の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴が一定数以上、記憶されている場合を説明する。なお、設定表示パネル12に表示される画面は実施の形態1の
図5のそれらと同様である。
【0084】
ユーザが設定操作パネル11で1つの自動調理モード(例えば、とりもも焼)を選択して入力し(ステップS91で、Yes)、グリルバーナ点消火釦10で点火操作を行うと、機器側記憶部23から入力された自動調理モードに対応するグリル制御用データが読み込まれ、自動調理時間が設定される(ステップS92)。そして、グリルバーナ7,8が点火されるとともに、自動調理時間を計測する調理タイマがスタートされる。
【0085】
自動調理が開始されると、実施の形態1と同様に、設定表示パネル12には、入力された自動調理モードに対応する画像データや名称データと、残りの調理時間とが表示される。
【0086】
次いで、実施の形態1と同様に、入力された自動調理モードで設定されていた自動調理時間終了より所定時間(例えば、30秒間)前の設定許可開始時間になると(ステップS93で、Yes)、入力された自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度の設定頻度情報データを要求する設定頻度要求がガスコンロ100aから外部サーバ900に送信される(ステップS94)。
【0087】
外部サーバ900が設定頻度要求を受信すると(ステップS301)、対応する自動調理モードにおける過去の追加加熱時間の設定値の設定頻度が集計されて、設定頻度情報データが生成され、外部サーバ900からガスコンロ100aに送信される(ステップS302)。ガスコンロ100aが設定頻度情報データを受信すると(ステップS95で、Yes)、設定表示パネル12は
図5(a)に示す追加加熱時間選択画面表示に切り替わり(ステップS96)、受信した設定頻度情報データに含まれている追加加熱時間の設定頻度に応じて追加加熱時間の設定値を選択する選択スイッチ120が表示される。
【0088】
自動調理が終了するまでの追加加熱設定許可期間中に、ユーザが1つの追加加熱時間の設定値の選択スイッチ120を選択して入力すると(ステップS97で、Yes)、入力した自動調理モードで設定されていた自動調理時間に追加加熱時間が加算され(ステップS98)、追加加熱時間が加算された残りの調理時間(例えば、「追加2分」が選択されて入力された場合、「残り2分30秒」)が表示される。また、設定表示パネル12は
図5(b)に示す追加加熱時間変更設定画面表示に切り替わり(ステップS99)、設定された追加加熱時間を所定の時間単位(例えば、1分間単位)で延長または短縮させる変更設定スイッチ122(例えば、「+1分」スイッチや「-1分」スイッチ)が表示される。
【0089】
追加加熱時間変更設定画面表示後の制御動作(ステップS100~S102及びS104)は、変更時間情報データの送受信がない以外は、実施の形態1のそれら(ステップS14及びS16~S18)と同様であるが、自動調理が終了すると(ステップS102で、Yes)、今回の自動調理の最終的な追加加熱時間の追加加熱時間情報データが生成されて、ガスコンロ100aから外部サーバ900に送信される(ステップS103)。外部サーバ900は追加加熱時間情報データを受信すると(ステップS303で、Yes)、今回の自動調理における最終的な追加加熱時間と同一の追加加熱時間の設定値の設定回数の履歴に「1」が加算されて、日付とともに、サーバ側記憶部93に記憶される(ステップS304)。
【0090】
本実施の形態によれば、過去の追加加熱時間の履歴は外部サーバ900のサーバ側記憶部93に記憶されるから、ガスコンロ100aの機器側記憶部23の記憶容量を大きくする必要がなく、ガスコンロ100aのコストを低減することができる。
【0091】
なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、外部機器としてさらに携帯端末700が設けられてもよい。この場合、ガスコンロ100aまたは携帯端末700からの要求に応じて、追加加熱時間の設定頻度の設定頻度情報データが生成され、ガスコンロ100a及び携帯端末700に送信される。
【0092】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、自動調理終了時に今回の自動調理の追加加熱時間の履歴が記憶部に自動で記憶されている。しかしながら、異なるユーザが同じ自動調理モードで異なる追加加熱時間を設定する場合もあるため、ユーザが所定の登録操作を行ったときのみ、今回の自動調理の追加加熱時間の履歴を記憶部に記憶させてもよい。
【0093】
(2)上記実施の形態では、ガスコンロのグリル装置に適用された加熱調理器について説明された。しかしながら、本発明では、グリルバーナの代わりにヒータや誘導加熱コイルを加熱手段として用いてもよい。また、本発明は、コンロバーナ、ヒータや誘導加熱コイルを加熱手段として有し、加熱手段の上方に載置された被調理物を加熱するコンロ部を有する加熱調理器に適用してもよい。この場合、鍋などの調理器具の底面に当接して被調理物の温度を検出する鍋底温度センサを温度検出手段として用いることができる。また、本発明は、コンロ部を有さないオーブン装置やグリラーなどの単機能の加熱調理器に適用してもよい。
【0094】
(3)上記実施の形態では、追加加熱設定許可期間は、自動調理時間終了前の設定許可開始時間から自動調理時間終了までの一定期間に設定されているが、自動調理時間終了よりも前であれば、任意の一定期間としてもよい。
【0095】
(4)上記実施の形態では、一旦、追加加熱時間が設定された後であれば、自動調理が終了するまで、追加加熱時間の変更を設定可能であるが、所定の変更設定許可期間を設けてもよい。
【0096】
(5)上記実施の形態1~3では、加熱調理器及び携帯端末のいずれもが、加熱設定入力部と、追加加熱時間設定部と、表示部とを備えている。しかしながら、本発明では、加熱調理器及び携帯端末の少なくとも一方が、これらを有していればよい。
【符号の説明】
【0097】
100 ガスコンロ
7,8 グリルバーナ
11 設定操作パネル
12 設定表示パネル
23 機器側記憶部
700 携帯端末
72 タッチパネル
900 外部サーバ