(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021567
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 310C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124480
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC21
2C088BC25
2C088EA02
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制する。
【解決手段】前側に遊技領域を有する遊技盤を備え、遊技盤は、透明本体板と、透明本体板に装着される第1入球手段とを有する遊技機で、第1入球手段は、透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前側部材に配置し、第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置する。また、透光部と複数のLEDとを有する電飾装置において、透光部の外縁に非透光部を設け、LEDを、非透光部の後側に配置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部及び該透光部を発光させる複数の光源を有する電飾装置と、
前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、
前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する
遊技機において、
前記透光部の外縁に非透光部を設け、
前記光源を、前記非透光部の後側に配置し、
前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、
前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、
前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置した
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、前側に遊技領域を有する遊技盤を備え、発射手段により発射された遊技球が遊技領域を流下する際に、ゲートを通過し、或いは入球手段に入球することに基づいて、遊技者に有利な遊技状態の発生、遊技価値の付与等が行われるようになっている。
この種の遊技機に搭載される遊技盤は、一定厚さに形成された本体板に対して、入球手段その他の遊技部品、液晶その他の表示手段、主制御基板その他の制御基板等が直接的又は間接的に装着されることによって形成されている。ここで、本体板については、以前はベニヤ板等の前面に装飾シートを貼付したものが用いられていたが、最近ではポリカーボネート等の透明な本体板が用いられることが多い(いわゆる透明遊技盤)。
このような透明遊技盤の場合、透明な本体板の後側に装飾体を配置することによって装飾の自由度を高めることができるという利点がある反面、スイッチ等の電気部品やその配線が前側から視認可能となることによって見栄えを損ねるという欠点がある。
そこで、特許文献1に記載の発明では、透明な本体板に不透明な部品で隠れる貫通路を形成し、その貫通路に、入球口に設けた球通過検出スイッチ(検出手段)の配線を挿通することにより、透明な本体板の後側を取り回される配線を前側から視認不可能とすることができ、見栄えを良くすることができるとしている。
また、この種の遊技機では、遊技機本体の前側各部に電飾装置が配置されており、画像表示手段、可動体、音声出力手段等の他の演出手段と同期して所定の発光パターンで発光することにより、遊技状態に応じた演出を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。遊技機の価格高騰に対する対策としては、新規部品の調達量を減らすために、遊技部品の小型化やリユース、他の機種への流用等を進めることが考えられる。
しかしながら、このようなリユース等の対策を進めることで、真新しさが薄れ、遊技者が飽きを感じやすくなってしまうという懸念が生じる。そのため、電飾装置等の演出手段や遊技部品の見栄えをよくするなど、演出効果をより高めるための工夫が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、透光部及び該透光部を発光させる複数の光源を有する電飾装置と、前側に遊技領域を有する遊技盤と、を備え、前記遊技盤は、透明本体板と、該透明本体板に装着される第1入球手段とを有する遊技機において、前記透光部の外縁に非透光部を設け、前記光源を、前記非透光部の後側に配置し、前記第1入球手段は、前記透明本体板に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材と、前記透明本体板の後側に装着される後側部材とを備え、前記遊技領域を流下してきた遊技球が入球可能な第1入球口を前記前側部材に配置し、前記第1入球口に入球した遊技球を検出可能な第1検出手段を、前記後側部材における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【
図4】同パチンコ機の遊技盤の要部分解斜視図である。
【
図5】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図6】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図7】同パチンコ機の遊技盤の要部正面断面図である。
【
図9】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図10】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図11】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図12】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図13】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図14】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図16】同パチンコ機の遊技盤の要部側面断面図である。
【
図17】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の要部正面図である。
【
図18】同パチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
【
図20】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【
図21】同パチンコ機の可動電飾装置の正面図である。
【
図22】同パチンコ機の可動電飾装置の分解斜視図である。
【
図23】同パチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
【
図24】同パチンコ機の可動電飾装置の側面断面図である。
【
図25】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
【
図26】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の可動電飾装置の正面図である。
【
図27】同パチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
【
図28】同パチンコ機の可動電飾装置の側面断面図である。
【
図29】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
【
図30】本発明の第6の実施形態に係るパチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
【
図31】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
【
図32】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【
図33】本発明の変形例に係るパチンコ機の遊技盤の要部平面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1~
図14は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。
図1及び
図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
【0010】
外枠2は、
図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0011】
本体枠6は樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
【0012】
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16の前側に形成された遊技領域23に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
【0013】
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が設けられている。十字操作手段35は、後側の上キー35a、前側の下キー35b、左側の左キー35c、右側の右キー35dの4つの操作部を備えている。
【0014】
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が左下部に夫々配置されている。
【0015】
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0016】
遊技盤16は、ポリカーボネート等の透明な樹脂により形成された透明本体板45を備えるいわゆる透明遊技盤で、
図3,
図4等に示すように、その透明本体板45に対して、ガイドレール51、中央表示枠手段52、普通入賞手段53、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56、大入賞手段57、液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等が装着されている。
【0017】
液晶表示手段58、可動演出手段59、後部装飾手段60等は、
図4~
図7,
図10に示すように、後部支持部材61を介して透明本体板45の後側に配置されている。後部支持部材61は、透明本体板45よりも後方に透明本体板45と略平行に配置された後壁部62と、この後壁部62の外周側から略前向きに延設された周壁部63とを一体に備えており、周壁部63の前縁側を透明本体板45の背面側に当接させた状態でねじ止め等により固定されている。後壁部62には略矩形状の開口部62aが形成されており、液晶表示手段58は、表示画面58aを開口部62aに対応させた状態で後壁部62の背面側に着脱自在に固定されている。また、可動演出手段59、後部装飾手段60は、後部支持部材61内に配置され、後壁部62等に対して着脱自在に固定されている。
【0018】
ガイドレール51は、発射手段17から発射された遊技球を案内するためのもので、遊技領域23の周囲を取り囲むように透明本体板45の前面側に略環状に配置されており、
図3等に示すように複数、例えば3つの第1~第3レール部材51a~51cによって構成されている。第1~第3レール部材51a~51cは例えば透明又は半透明の樹脂により形成されている。
【0019】
第1レール部材51aは、透明本体板45の下部左側から左縁部略中央、上縁部略中央を経て右上部に至る略弓形状に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部64と、その前壁部64の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部65とを一体に備え、周壁部65の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第1レール部材51aは、遊技領域23側の周壁部65aが正面視略円弧状に形成されてガイドレール51の一部を形成している。
【0020】
第2レール部材51bは、透明本体板45の前面側に略垂直に立設する前後方向一定幅の板状に形成され、透明本体板45の左上部から左下部にかけて第1レール部材51aの内側に並行するように略円弧状に配設されている。なお、第1レール部材51aと第2レール部材51bとで挟まれた部分が、発射手段17によって発射された遊技球を遊技領域23に案内する発射案内通路66となっている。
【0021】
第3レール部材51cは、第1レール部材51aの右上部側端部と第2レール部材51bの左下部側端部とを接続するように、透明本体板45の右縁部と下縁部とに沿う正面視略L型に形成されており、透明本体板45と平行な前壁部67と、その前壁部67の周縁部から後向きに突設された略一定幅の周壁部68とを一体に備え、周壁部68の後端側を透明本体板45の前面に当接させた状態で透明本体板45に着脱自在に固定されている。第3レール部材51cは、遊技領域23側の周壁部68aがガイドレール51の一部を形成している。
【0022】
中央表示枠手段52は、液晶表示手段58の表示枠を構成するもので、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠手段52は、透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板52aと、液晶表示手段58の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板52aの内周側で前向きに突設された装飾枠52bと、その装飾枠52bの左右の下端部間に配置されるステージ71とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠52bの頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠手段52の左側の左流下経路72aと右側の右流下経路72bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠手段52には、左流下経路72a側と右流下経路72b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路72a側に、遊技球が流入可能なワープ入口71aが設けられている。ワープ入口71aに流入した遊技球は、ステージ71上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部73とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠手段52上には、普通図柄表示手段76、普通保留個数表示手段77、第1特別図柄表示手段78、第2特別図柄表示手段79等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段76~79は中央表示枠手段52上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
普通入賞手段(第1入球手段)53は、遊技領域23内の下部左側に対応して配置されており、
図3~
図7に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔81に対して前側から着脱自在に装着される前側部材82と、その前側部材82に対応して透明本体板45の後側に配置される後側部材83とを備えている。
【0026】
前側部材82は、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明に形成された樹脂製で、ガラスユニット36の背面に沿って配置される前壁部84と、その前壁部84の外縁部から後向きに延設される周壁部85と、その周壁部85の後縁側から透明本体板45の前面に沿って外向きに延設される装着板86と、複数、例えば二つの普通入賞口87a,87bと、一又は複数、例えば一つのアウト口88と、普通入賞口87a,87bに対応する入賞樋89a,89bと、アウト口88に対応するアウト樋90とを一体に備え、前壁部84の下縁側に対応する下周壁部85aをガイドレール51に沿わせた状態で、装着板86上の固定部86aにおいて透明本体板45に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0027】
なお、前側部材82は、樹脂製の一体形成部品のみで構成されており、遊技球検出手段やLED基板といった電気部品は一切搭載されていないため、ねじ止めを行う固定部86aは、長手方向、即ちガイドレール51に沿う方向の両端側にのみ設けられ、普通入賞口87a,87bやアウト口88の間の中間部分には設けられていない。また、前側部材82は遊技球検出手段等を搭載していないため、普通入賞口87a,87bをよりガイドレール51に近づけて配置することによってコンパクト化が可能であり、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0028】
普通入賞口(第1入球口)87a,87bは、略上向きの開口部で、前壁部84の上縁側に対応する上周壁部85bに左右に隣接して配置されている。アウト口88も略上向きの開口部で、上周壁部85bに、普通入賞口87a,87bの上流側、即ち左側に隣接して配置されている。なお、アウト口88には当然ながら遊技球検出手段は配置されていないが、その隣の普通入賞口87a,87bの近傍にも遊技球検出手段は配置されていないため、遊技球検出手段の有無によってアウト口か否かを判断することは難しくなっている。もちろん前壁部84には、アウト口88に対応する位置に、アウト口であることを示すアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。アウト口識別情報91は、例えば「OUT」の文字で構成されている。
【0029】
入賞樋89a,89bは、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を夫々透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側が普通入賞口87a,87bの下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。またアウト樋90は、アウト口88に入球した遊技球を透明本体板45の後側に案内するもので、前壁部84の背面側から後ろ下がりの傾斜状に突設されており、前端側がアウト口88の下側に連通し、後端側が装着孔81を経て透明本体板45の背面側で後向きに開放している。
【0030】
なお、上周壁部85bの上流側端部には、ガイドレール51に沿って流下してきた遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92が形成されている。傾斜案内部92は、右下がりの傾斜面で構成されており、上流側端部はガイドレール51の内面に対して緩い角度で当接又は近接している。
【0031】
後側部材83は、透明、半透明又は不透明な樹脂製で、
図4~
図7に示すように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路93と、アウト口88に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路94とを備え、後部装飾手段60と一体に形成されており、後部支持部材61の後壁部62から前向きに突設された支持部95によって後部装飾手段60とともに支持されている。
【0032】
入賞球通路(球通路)93は、上流端側が普通入賞口87a側の入賞樋89aに連通する第1上流側通路部93aと、上流端側が普通入賞口87b側の入賞樋89bに連通する第2上流側通路部93bと、上流端側の合流部96で第1上流側通路部93aと第2上流側通路部93bとが合流し、下流端側が図外の排出通路に連通する下流側通路部93cとを備え、透明本体板45の背面に沿って配置されている。下流側通路部93c上の所定位置、例えば下流側端部近傍には、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97が装着されている。遊技球検出手段97は、一端側に貫通状の検出部97aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、下流側通路部93cを流下してきた遊技球が検出部97aを通過するように後側部材83に装着されている。このように、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球は共通の遊技球検出手段97により検出されるようになっている。
【0033】
また、正面視において、下流側通路部93cは合流部96を含めてその略全体が遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されており、その下流側通路部93c上に配置されている遊技球検出手段97についても同じく遊技領域23の外側、即ちガイドレール51よりも下側に配置されている(
図7参照)。このように、遊技球検出手段97は正面視において遊技領域23の外側に配置されており、
図6に示すようにその前側には第3レール部材51cが存在し、更にその前側にはガラス扉7の上装飾カバー27が存在することから、当該遊技盤16はいわゆる透明遊技盤であるにも拘わらず、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難となり、見栄えの低下を抑制できる。
【0034】
なお、このように遊技球検出手段97を正面視において遊技領域23の外側に配置する場合、普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離、特に上下方向の移動距離が大きくなるため、普通入賞口87a,87bに遊技球が入球した後、その遊技球が遊技球検出手段97で検出されるまでの時間が長くなるが、普通入賞口87a,87bについてはその入球を契機として遊技状態が変化することはないため、普通入賞口87a,87bへの入球から検出までの時間が長くなっても特に問題はない。
【0035】
アウト球通路94は、上流端側がアウト樋90に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように、透明本体板45の背面に沿って略上下方向に配置されている。
【0036】
このように、後側部材83の入賞球通路(球通路)93には遊技球検出手段97は搭載されているが、それ以外の電気部品、例えばLED基板等は搭載されていない。また本実施形態では、正面視において後側部材83の入賞球通路(球通路)93の後側に対応する領域にもLED基板は配置されていない。
【0037】
また、後側部材83と一体に形成された後部装飾手段(装飾体)60は、透明本体板45の背面に沿って配置される装飾板98と、この装飾板98の後側に配置されるLED基板99とを備えている。装飾板98は、透光性を有する樹脂製で、任意の装飾が施されており、例えば入賞球通路93やアウト球通路94の前側を避けてその周辺部に設けられている。LED基板99は、その前面側に多数のLED99aが配置され、装飾板98に対応する形状に形成されている。
【0038】
LED基板99のLED(第1発光手段)99aが点灯すると、それによって装飾板98が発光する。そしてその装飾板98からの光が、透明本体板45を介してその前側の前側部材82の少なくとも一部、例えば普通入賞口87a,87b、アウト口88、装着板86、前壁部84(アウト口識別情報91等)等に対して後側から照射され、これらが発光するようになっている。
【0039】
始動ゲート手段(第3入球手段)54は、遊技領域23内の右流下経路72b上に配置されており、
図8,
図9等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔101に対して前側から着脱自在に装着される始動ゲート本体部(前構造体)102と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段103とを備えている。始動ゲート本体部102は、透明又は半透明の樹脂製で、右流下経路72bを流下してきた遊技球が上下方向に通過可能な普通図柄始動ゲート(ゲート部)104が透明本体板45に対して前向き突出状に形成されており、その普通図柄始動ゲート104の左右両側の固定部102aにおいてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。
【0040】
遊技球検出手段(第3検出手段)103は、一端側に貫通状の検出部103aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部103aが普通図柄始動ゲート104と一致するように始動ゲート本体部102に対して後側から装着されている。遊技球検出手段103の後部側は透明本体板45の装着孔101内に挿入されており、その後端部から後向きに引き出されたハーネス105は、透明本体板45の背面側に沿って遊技領域23の外側に向けて例えば右向きに配設されている。
【0041】
また、始動ゲート本体部102には、普通図柄始動ゲート104の少なくとも前面側に装飾部(第3装飾部)106が形成されている。この装飾部106は、遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部106は、遊技球検出手段103の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば普通図柄始動ゲート104の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。
【0042】
このように、本実施形態の始動ゲート手段54では、遊技球検出手段103を、その検出部103aが透明本体板45の前側に位置するように配置するとともに、始動ゲート本体部102の前面側に目隠しとして装飾部106を設けることで遊技球検出手段103が正面視において視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、始動ゲート手段54は遊技球を遊技領域23内で通過させる必要があり、普通入賞手段53のように遊技球検出手段103を透明本体板45の後側に配置することができないためである。
【0043】
また、始動ゲート手段54と直近(即ち右側)のガイドレール51との間には、透明本体板45の前面側に装飾部107が設けられている。この装飾部107は、遊技球検出手段103から引き出されたハーネス105が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、始動ゲート手段54とその右側のガイドレール51との間に透明本体板45の前面に沿って配置された装飾板108の前面側に形成されている。なお、装飾板108は例えば中央表示枠手段52に一体に形成されている。装飾部107は、装飾部106と同じく少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成してもよいし、装飾板108の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0044】
第1始動入賞手段55は、遊技領域23内の左右方向中央における下部側、即ち中央表示枠手段52とその下側のガイドレール51との間に配置されており、
図3,
図4等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着される第1始動入賞本体部111と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段112とを備えている。なお、第1始動入賞手段55の下側のガイドレール51上にはアウト口110が設けられている。
【0045】
第1始動入賞本体部111は、例えば透明又は半透明の樹脂製で、透明本体板45の前面に沿って配置され且つ前側を遊技球が通過可能に形成された前面装着板113と、その前面装着板113の前側に設けられた第1特別始動口114とを一体に備え、前面装着板113においてねじ止め等により透明本体板45に固定されている。第1特別始動口114は、ステージ71に設けられた中央落下部73の下側に対応して上向き開口状に形成されている。
【0046】
遊技球検出手段112は、一端側に貫通状の検出部112aを備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、検出部112aが第1特別始動口114の下側に位置するように第1始動入賞本体部111に対して後側から装着されている。なお、第1特別始動口114に入球した遊技球は、遊技球検出手段112により検出された後、図示しない案内通路により透明本体板45の後側に案内され、機外に排出される。
【0047】
また、第1始動入賞本体部111には、第1特別始動口114の少なくとも前面側に装飾部115が形成されている。この装飾部115は、遊技球検出手段112が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部115は、遊技球検出手段112の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば第1特別始動口114の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0048】
このように、本実施形態の第1始動入賞手段55では、遊技球検出手段112を透明本体板45の前側、即ち第1特別始動口114の下流側直近に配置するとともに、第1特別始動口114の前面側に目隠しとして装飾部115を設けることで遊技球検出手段112が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第1特別始動口114への遊技球の入賞が第1特別図柄表示手段78による図柄変動の開始条件となっていることから、第1特別始動口114から遊技球検出手段112までの距離をむやみに大きくすることができないためである。
【0049】
しかし、遊技領域23を広くするために第1特別始動口114からアウト口110までの距離を十分にとることができない場合もある。その場合は第1特別始動口114に入球した遊技球の上下移動を少なくし、透明本体板45の後側へと流下するようにして、透明本体板45の後側に遊技球検出手段112を配置するようにしても良い。
【0050】
第2始動入賞手段56は、右流下経路72bにおける始動ゲート手段54の下流側で、中央表示枠手段52の右側部における前面装着板52a上に配置されており、
図3に示すように、前面装着板52aに形成された第2特別始動口121と、この第2特別始動口121を遊技球が入球可能な開状態と入球不可能(又は開状態よりも入球困難)な閉状態とに変化可能な開閉部材122と、遊技球を検出可能な遊技球検出手段123とを備えている。
【0051】
開閉部材122は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板52aと略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板52aの前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入球させるようになっている。
【0052】
遊技球検出手段123は、一端側に貫通状の検出部を備えた扁平長方形状の貫通型近接スイッチにより構成されており、第2特別始動口121の下流側近傍に配置されている。また、前面装着板52aには、遊技球検出手段123の前側に対応して装飾部124が形成されている。この装飾部124は、遊技球検出手段123が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部124は、遊技球検出手段123の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装着板52aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。
【0053】
このように、本実施形態の第2始動入賞手段56では、遊技球検出手段123を第2特別始動口121の下流側近傍に配置するとともに、その前側の前面装着板52aに目隠しとして装飾部124を設けることで遊技球検出手段123が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、後述するように第2特別始動口121への遊技球の入賞が第2特別図柄表示手段79による図柄変動の開始条件となっていることから、第2特別始動口121から遊技球検出手段123までの距離をむやみに大きくすることができず、また第2始動入賞手段56に規定個数の遊技球が入球することで開閉部材122を閉状態にする必要があり、規定個数を大幅に超える入球をしないようにするためである。
【0054】
大入賞手段(第2入球手段)57は、右流下経路72bにおける第2始動入賞手段56の下流側にガイドレール51に沿って配置されており、
図4、
図10~
図13等に示すように、透明本体板45に形成された前後方向貫通状の装着孔131に対して前側から着脱自在に装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132により構成されている。
【0055】
大入賞ユニット132は、透明本体板45の前面に沿って装着孔131の周囲に配置される前面装着板133と、その前面装着板133から前側に突出する前構造体134と、前面装着板133から後側に突出する後構造体135とを備えており、後構造体135を装着孔131に対して前側から挿入した状態で、前面装着板133において透明本体板45に対してねじ止め等により固定されている。
【0056】
前構造体134は、透明又は半透明の樹脂製で、その上部に、遊技球を遊技領域23の内側(左側)に向けて案内する傾斜面136が設けられており、その傾斜面136上に、大入賞口(第2入球口)137、普通入賞口138、アウト口139が何れも略上向きの開口状に形成されている。大入賞口137は横長状で、その上流側(右側)に普通入賞口138が、更にその上流側(右側)におけるガイドレール51の近傍にアウト口139が配置されている。傾斜面136の上流側の上部には、遊技球を大入賞口137側、即ち左側に向けて案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140が、例えば前構造体134に一体に形成されている。
【0057】
なお、前構造体134の前側の前面装飾板(装飾部材)134aは、傾斜面136よりも上側に突出しており、遊技者は前側からこの透明又は半透明の前面装飾板134aを介して傾斜面136上の遊技球の動きを視認可能となっている。また前面装飾板134aには、アウト口139に対応する位置に、「OUT」の文字等により構成されるアウト口識別情報91が表示されており、これによってアウト口であることを認識可能である。
【0058】
また前構造体134には、大入賞口137に入球した遊技球を後向きに案内する入賞案内部141(
図11)と、普通入賞口138に入球した遊技球を後向きに案内する入賞樋142(
図12)と、アウト口139に入球した遊技球を後向きに案内するアウト樋143(
図13)とが設けられている。
【0059】
後構造体135は、透明又は半透明の樹脂製で、
図10~
図13等に示すように、大入賞口137に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路144と、普通入賞口138に入球した遊技球を機外へと排出するための入賞球通路145と、アウト口139に入球した遊技球を機外へと排出するためのアウト球通路146とを一体に備えている。
【0060】
入賞球通路144は、上流端側が入賞案内部141に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147が装着されている。大入賞口137に入球した遊技球は、入賞案内部141により後向きに案内され、遊技球検出手段147に検出された後に入賞球通路144を経て機外へと排出される。
【0061】
また入賞球通路145は、上流端側が入賞樋142に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されており、その所定位置、例えば上流側端部近傍に、遊技球を検出可能な遊技球検出手段148が装着されている。普通入賞口138に入球した遊技球は、入賞樋142により後向きに案内され、入賞球通路145を経て機外へと排出される途中で遊技球検出手段148により検出される。
【0062】
またアウト球通路146は、上流端側がアウト樋143に連通し、下流端側が図外の排出通路に連通するように略上下方向に配置されている。アウト口139に入球した遊技球は、アウト樋143、アウト球通路146を経て機外へと排出される。
【0063】
なお、本実施形態の大入賞ユニット132は、上述したように傾斜面136の上流端側にアウト口139を設けているため、傾斜面136の上流端側からガイドレール51に沿ってアウト口110に至る球流下経路を設ける必要がない。これにより、大入賞ユニット132をガイドレール51に沿って配置することができ、限られた遊技領域23のスペースをより効率的に使用できる。
【0064】
また後構造体135には、大入賞口137を開閉するための開閉手段149が設けられている。開閉手段149は、大入賞口137に対応する開閉部材151と、この開閉部材151を駆動する開閉駆動手段152とで構成されている。開閉部材151は、大入賞口137に対応する板状部材で、傾斜面136に合わせて左下がりの傾斜状に形成されており、前面装着板133よりも前側に突出する突出位置(
図11に実線で示す)と、前面装着板133よりも前側に突出しない退避位置(
図11に二点鎖線で示す)との間で前後方向にスライド移動可能な状態で支持されている。なお、開閉部材151が前側の突出位置にあるときには大入賞口137が閉鎖されて遊技球が入球不可能な状態(閉状態)となり、開閉部材151が後側の退避位置にあるときには大入賞口137が開放されて遊技球が入球可能な状態(開状態)となる。
【0065】
開閉駆動手段152は、電磁ソレノイド等により構成され、その可動部152aが図外の連結手段により開閉部材151と連結されており、OFF時には開閉部材151を突出位置に保持することにより大入賞口137を閉状態とし、ON時には開閉部材151を退避位置まで後向きにスライドさせることにより大入賞口137を開状態に変化させるように構成されている。
【0066】
なお、開閉部材151は、不透明な所定色(例えば赤色)の樹脂製で、前側からは透明又は半透明の前面装飾板134aを介して視認可能となっている。このように、透明又は半透明の前構造体134に対して開閉部材151を不透明とすることにより、大入賞口137の位置やその開閉状態を前側から容易に視認可能となっている。また、このように開閉部材151は不透明であることから、大入賞口137の後方下部に配置されている遊技球検出手段147は、遊技者が前斜め上方から見下ろす場合、開閉部材151が閉状態(突出位置)であればその開閉部材151に遮られて視認不可能又は視認困難となるが、開閉部材151が開状態(退避位置)であれば開放された大入賞口137を介して視認可能な状態となる。
【0067】
また、前面装飾板134aには、遊技球検出手段147,148の前側に対応して装飾部153が形成されている。この装飾部153は、遊技球検出手段147,148が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部153は、遊技球検出手段147,148の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば前面装飾板134aの前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。さらに、前面装飾板134aにおける開閉部材151と装飾部153の間の位置を、装飾を施さずに透明にすることで、開閉部材151が閉状態でも、この透明な個所を介して大入賞口137の内部と遊技球検出手段147が視認可能な状態となるようにしてもよい。万が一、開閉部材151が閉鎖した後に大入賞口137の内部にて遊技球が詰まった場合にもこれを視認し、確認できるようにするためである。
【0068】
このように、本実施形態の大入賞手段57(大入賞ユニット132)では、遊技球検出手段147を大入賞口137の近傍に配置するとともに、前面装飾板134aの前面側に目隠しとして装飾部153を設けることで遊技球検出手段147が前側から視認困難又は視認不可能となるようにしている。これは、大入賞口137は、開状態となった後の入賞個数(遊技球検出手段147による検出個数)が所定上限個数に達した場合には閉状態に切り替えるように制御されるため、大入賞口137と遊技球検出手段147との間の距離を普通入賞手段53のように大きくとることができないためである。
【0069】
即ち本実施形態では、上述した普通入賞手段(第1入球手段)53における普通入賞口(第1入球口)87a,87bから遊技球検出手段(第1検出手段)97までの遊技球の移動距離が、上下方向、前後方向、左右方向の少なくとも何れかが、大入賞手段(第2入球手段)57における大入賞口(第2入球口)137から遊技球検出手段(第2検出手段)147までと比較して長くなっており、それによって遊技球検出手段(第1検出手段)97を正面視において視認不能又は視認困難な位置、即ち遊技領域23の外側に配置することが可能となっている。
【0070】
また、大入賞ユニット132には、例えば前構造体134における前面装飾板134aの後側にLED基板154が配置されており、そのLED基板154の前面側に配置されたLED(第2発光手段)154aが点灯することにより、その光が透明本体板45を介することなく前面装飾板134aのアウト口識別情報91や装飾部153に対して後側から照射されるようになっている。
【0071】
これは、普通入賞手段53のように、大入賞ユニット132の後方に後部装飾手段(装飾体)を配置し、後部装飾手段(装飾体)を介して発せられる光により、前面装飾板134aを照射しようとすると、遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152等の電気部品が影となり、見栄えが低下してしまうため、大入賞ユニット132の前面装飾板134aの後側にLED基板154を配置したものである。
【0072】
なお、この大入賞手段57(大入賞ユニット132)に搭載された遊技球検出手段147,148、開閉駆動手段152、LED基板154等の電気部品から引き出されたハーネス155は、後構造体135の後側を経て遊技領域23の外側に向けて配設されており、しかも上述したように大入賞ユニット132とガイドレール51との間には球流下経路が設けられていないため、透明本体板45を用いているにも拘わらずハーネス155を前側から視認困難又は視認不可能な状態で配置することが可能である。
【0073】
可動演出手段59は、
図3,
図5,
図10に示すように、可動体161と、この可動体161を例えば上下方向に駆動する駆動手段162とを備えている。可動体161は、液晶表示手段58の前側に横長状に配置され、その前面側には例えば任意の形状(ここでは飛行機をモチーフにした立体形状)に形成された装飾部161aが設けられており、その左右両端側が、液晶表示手段58の左右両側に対応して後壁部62の前面側に装着された一対の駆動手段162,162によって夫々上下方向に移動可能な状態で支持されている。
【0074】
可動体161には、装飾部161a内にLED基板163が配置されており、そのLED基板163の前面側に配置されたLED163aが点灯することによって装飾部161aが発光するようになっている。
【0075】
普通図柄表示手段76は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、右流下経路72bを流下する遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、遊技球検出手段103による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合には普通利益状態が発生する。普通利益状態では、第2始動入賞手段56の開閉部材122が所定時間閉状態から開状態に変化して、第2特別始動口121に遊技球が入球可能な状態となる。
【0076】
また、普通図柄表示手段76の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動ゲート104を遊技球が通過した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段77等によって遊技者に報知される。
【0077】
第1特別図柄表示手段78は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別始動口114に遊技球が入球し、遊技球検出手段112がそれを検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段112による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第1大当り態様で、それ以外の場合には第1外れ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段78の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
【0078】
なお、第1特別始動口114は、左流下経路72a側のワープ入口71aからステージ71を経て入球するルートが存在すること等により、右流下経路72bを流下してきた遊技球よりも左流下経路72aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入球可能となっている。
【0079】
第2特別図柄表示手段79は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、普通利益状態中に開状態となった第2特別始動口121に遊技球が入球し、遊技球検出手段123がそれを検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、遊技球検出手段123による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第2大当り態様で、それ以外の場合には第2外れ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段79の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
【0080】
また、第1特別図柄表示手段78の図柄変動中、第2特別図柄表示手段79の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入球した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合(第2特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第2特別図柄の保留記憶が消化されて第2特別図柄の変動が行われ、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合(第1特別図柄に関する図柄変動開始条件が成立した場合)にはその第1特別図柄の保留記憶が消化されて第1特別図柄の変動が行われる。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動が優先的に行われるようになっている。なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段58等によって遊技者に報知される。
【0081】
第1,第2特別図柄表示手段78,79の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様で停止することによって第1,第2特別利益状態が発生した場合には、大入賞手段57の開閉部材151が所定の開放パターンに従って開放して、傾斜面136上を流下する遊技球を大入賞口137内へと入球させるようになっている。
【0082】
ここで、開閉部材151の開放パターンは、所定の単位開放動作を5R、10R等の所定ラウンド数実行するように構成されている。ここで、単位開放動作とは、大入賞口137を開放(通常状態から特定状態へ切り替え)してから所定上限時間(例えば28秒)が経過するか、それまでに所定上限個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)する動作である。このように、大入賞口137の開放中(特定状態中)における大入賞口137への遊技球の入賞個数が所定上限個数に達した場合には大入賞口137を閉鎖(特定状態を終了)するように制御されるため、大入賞手段57では、大入賞口137から遊技球検出手段147までの距離をむやみに大きくすることができず、大入賞口137の下流側近傍に遊技球検出手段147を配置している。
【0083】
また液晶表示手段58には、
図3に示すように、第1,第2特別図柄表示手段78,79による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄171が変動表示される他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4等の各種画像が表示されるようになっている。
【0084】
ここで演出図柄171は、1~9の数字等で構成される図柄画像171aと、キャラクタその他の装飾画像171bとの結合で構成され、左右方向に複数列、例えば3列で夫々変動可能であり、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って縦スクロール等による変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。なお演出図柄171では、例えば全て同じ図柄で揃った場合が大当り演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる場合には演出図柄171は大当り演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄171は外れ演出態様となる。
【0085】
図14は本パチンコ機の制御系のブロック図である。
図14において、主制御基板181は遊技動作を統括的に制御するもので、普通図柄表示手段76、第1,第2特別図柄表示手段78,79等の表示手段の他、普通図柄始動ゲート104、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137、普通入賞口87a,87b,138に対応して設けられた遊技球検出手段103,112,123,147,97,148等が接続されている。
【0086】
また主制御基板181の下位には、演出制御基板182、液晶制御基板183、払出制御基板184、発射制御基板185等の各種制御基板が接続されている。演出制御基板182は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて演出制御を行うもので、電飾手段186、スピーカ18,25、可動演出手段59等の各種演出手段の他、演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が接続されている。なお、電飾手段186は、LED基板99,154,163等、前枠3や遊技盤16に配置された各種発光手段により構成されている。
【0087】
液晶制御基板183は、演出制御基板182からの制御コマンドに基づいて液晶表示手段58を制御するものである。また払出制御基板184は、主制御基板181からの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御するもので、その下位に発射制御基板185が接続されている。発射制御基板185は、払出制御基板184からの発射制御信号、発射ハンドル32からの操作信号等に基づいて発射手段17を制御するようになっている。発射制御基板185は例えば発射手段17の裏側等に配置されている。
【0088】
主制御基板181は、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段191、普通始動口チェック処理手段192、普通乱数記憶手段193、普通図柄処理手段194、普通図柄表示制御手段195、普通利益状態発生手段196、特別乱数作成処理手段197、特別始動口チェック処理手段198、特別乱数記憶手段199、特別図柄処理手段200、特別図柄表示制御手段201、特別利益状態発生手段202、特別遊技状態発生手段203、入賞処理手段204、制御コマンド送信手段205等を備えている。
【0089】
普通乱数作成処理手段191は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段192は、普通図柄始動ゲート104による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、遊技球が普通図柄始動ゲート104を通過し、遊技球検出手段103がそれを検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段191で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段193に記憶させるように構成されている。
【0090】
普通図柄処理手段194は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の当り判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段193に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/外れの判定を行う当り判定機能、当り/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0091】
なお本実施形態では、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当り確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0092】
普通図柄表示制御手段195は、普通図柄処理手段194による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段76の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段76が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段193に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段76による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段194で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段194で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0093】
普通利益状態発生手段196は、普通図柄処理手段194による当り判定の結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段76の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別始動口121の開閉部材122が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
【0094】
特別乱数作成処理手段197は、大当り/外れの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0095】
特別始動口チェック処理手段198は、第1,第2特別始動口114,121への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段197で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段199に記憶させると共に、増加後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留増加コマンドを制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信するように構成されている。
【0096】
また、特別始動口チェック処理手段198は先読み判定手段198aを備えている。この先読み判定手段198aは、第1,第2特別始動口114,121に遊技球が入賞したときに取得される第1,第2特別乱数情報について、例えばその取得時に、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が第1,第2大当り判定値と一致するか否か等について先読み判定を行うようになっている。この先読み判定結果は、例えば第1,第2特別始動口114,121の何れかに遊技球が入賞することに基づいて送信される保留増加コマンドにより演出制御基板182等に伝達される。
【0097】
特別図柄処理手段200は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段78,79が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/外れの判定を行う大当り判定機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り図柄乱数値等に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当り判定の結果に応じて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
【0098】
また第1,第2特別図柄の変動開始時には、減少後の第1,第2特別保留個数等を指定する第1,第2保留減少コマンド、演出図柄171の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド等が制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。一方、第1,第2特別保留個数が共に0の状態で第1,第2特別図柄の変動が終了する等により第1,第2特別図柄の変動待機状態となった場合には、客待ちデモコマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0099】
特別図柄表示制御手段201は、第1,第2特別図柄表示手段78,79の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段200による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段78又は第2特別図柄表示手段79による第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。なお、第1,第2特別図柄の変動終了時には、演出図柄171の変動停止を指示する変動停止コマンドが制御コマンド送信手段205を介して演出制御基板182に送信される。
【0100】
特別利益状態発生手段202は、遊技者に有利な第1,第2特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段200による大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様(特定態様)となった場合に、大入賞口137を所定の開放パターンに従って開放する第1,第2特別利益状態(利益状態)を発生させるように構成されている。
【0101】
特別遊技状態発生手段203は、第1,第2特別利益状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合の大当り図柄乱数値に応じて例えば時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
【0102】
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄が当り態様となる確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別始動口121の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生するか、それまでに第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0103】
確変状態中は、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の切り換えも併せて行われる。なお、確変状態は第1,第2特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、第1,第2特別図柄の変動回数等の他の終了条件を付加してもよい。
【0104】
入賞処理手段204は、各入賞口、即ち普通入賞口87a,87b,138、第1,第2特別始動口114,121、大入賞口137への遊技球の入賞による賞球払い出しに関する処理を行うもので、例えばそれら入賞口87a、87b、138,114,121,137毎の入賞個数を、遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいてカウントし、その入賞口毎の入賞個数のカウント値と、入賞口毎に設定された賞球個数とに基づいて、例えば一入賞毎に払出個数指定コマンドを制御コマンド送信手段205を介して払出制御基板184に送信するようになっている。
【0105】
また入賞処理手段204は異常入賞判定手段204aを備えている。異常入賞判定手段204aは、ゴト行為等が疑われる異常入賞を判定するためのもので、各入賞口87a,87b,138,114,121,137に対応して設けられた遊技球検出手段97,148,112,123,147からの検出信号に基づいて異常入賞判定を行うように構成されている。この異常入賞判定手段204aで異常入賞と判定された場合には、エラー報知その他のエラー処理が実行される。なお本実施形態では、始動ゲート手段(第3入球手段)54に関しては、遊技球検出手段(第3検出手段)103からの検出信号に基づく異常判定は行わない。
【0106】
本実施形態では、普通入賞手段(第1入球手段)53に設けられた普通入賞口87a,87bへの入賞に関する第1異常入賞判定と、大入賞手段(第2入球手段)57に設けられた大入賞口137への入賞に関する第2異常入賞判定として、それぞれ次のような処理を行うようになっている。
【0107】
即ち、第1異常入賞判定(第1異常検出判定)では、遊技状態に拘わらず、所定時間に所定回数以上の入賞検出があった場合に異常と判定する。普通入賞口87a,87bの場合にはどのような遊技状態でも入賞の可能性があるため、1回の入賞検出では異常を判定することはできず、複数回の入賞検出によって異常を判定するようになっている。
【0108】
この第1異常入賞判定の一つの具体例としては、4ms毎のタイマ割込において、普通入賞口87a,87bに対応する遊技球検出手段97がONであるか否かを判定し、ONであれば異常判定カウンタをインクリメント(+1)し、OFFであれば異常判定カウンタを0クリアするとともに、その異常判定カウンタが250(所定値)に達した場合、即ち1000ms(タイマ割込250回)連続で遊技球検出手段97がONであった場合に異常と判定する。また、第1異常入賞判定の他の具体例としては、遊技球検出手段97がONになったことを契機として、タイマによる所定時間の計時(例えば5000msのタイマのカウントダウン)と、遊技球検出手段97がONになった回数のカウントとを開始し、タイマによる所定時間の計時中にカウント値が10回(所定回数)を超えた場合に異常と判定する。
【0109】
なお本実施形態の普通入賞手段53では、遊技球検出手段97が前側から視認不可能又は視認困難な位置に配置されているため、遊技球検出手段97に対するゴト行為を目視で確認することが難しい可能性があることから、上述のように異常入賞判定を常時行うことが有効である。
【0110】
また、第2異常入賞判定(第2異常検出判定)では、特別利益状態(特定状態)を含む特定期間中でない場合に大入賞口137に対応する遊技球検出手段147がONになった場合に異常と判定する。特定期間は、特別利益状態の開始時に開始され、特別利益状態の終了後、入賞有効時間が経過した時点で終了する。入賞有効時間とは、特別利益状態中に大入賞口137に入賞した遊技球が全て遊技球検出手段147を通過するまでに必要な時間であって、30秒等の所定時間に設定される。大入賞口137については、正規の入賞によって遊技球検出手段147がONになるのは特定期間中に限られるから、特定期間中以外で遊技球検出手段147が一回でもONになった場合にはその時点で異常と判断できる。即ち、普通入賞口の場合と比べて少ない回数の入賞検出によって異常を判定することが可能である。
【0111】
制御コマンド送信手段205は、各種制御コマンドを演出制御基板182等の制御基板に送信して制御指令を与えるためのものである。
【0112】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、普通入賞手段(第1入球手段)53が、透明本体板45に対して前側から装着され且つ少なくとも一部が透明又は半透明に形成された前側部材82と、透明本体板45の後側に装着される後側部材83とを備え、遊技領域23を流下してきた遊技球が入球可能な普通入賞口(第1入球口)87a,87bを前側部材82に配置し、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第1検出手段)97を、後側部材83における、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置しているため、いわゆる透明遊技盤を採用するにあたり、普通入賞口87a,87bに入球した遊技球を検出する遊技球検出手段97について前側からの視認性を抑制することで見栄えの低下を解消することが可能である。
【0113】
また、遊技盤16は、透明本体板45に対して前側から装着される大入賞ユニット(入球ユニット)132よりなる大入賞手段(第2入球手段)57を有し、大入賞ユニット132に、大入賞口(第2入球口)137と、遊技領域23を流下してきた遊技球が大入賞口137に入球可能な開状態と開状態よりも入球困難又は入球不可能な閉状態とに変化可能な開閉部材151と、大入賞口137に入球した遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第2検出手段)147とを配置し、普通入賞手段53における普通入賞口87a,87bから遊技球検出手段97までの上下方向距離を、大入賞手段57における大入賞口137から遊技球検出手段147までの上下方向距離よりも長くすることにより、遊技球検出手段97を正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0114】
また、大入賞手段57は、開閉部材151を閉状態に維持する通常状態と、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態とに切り替え可能であり、特定状態中に遊技球検出手段147による遊技球の検出個数が所定上限個数に達した場合に特定状態を終了するように構成されている。
【0115】
また、遊技球検出手段97を、透明本体板45の後側における遊技領域23の外側に対応する位置に配置している。
【0116】
また、前側部材82は、普通入賞口87a,87bの上流側に、遊技球を普通入賞口87a,87b側に案内する傾斜案内部(第1傾斜案内部)92を備え、大入賞ユニット132は、大入賞口137の上流側に、遊技球を大入賞口137側に案内する傾斜案内部(第2傾斜案内部)140を備えている。
【0117】
また、普通入賞手段53は、一つの遊技球検出手段97に対して複数の普通入賞口87a,87bを備え、それら複数の普通入賞口87a,87bから一つの遊技球検出手段97に向けて遊技球を案内する入賞球通路(球通路)93における合流部96を、正面視において視認不能又は視認困難な位置に配置している。
【0118】
また、大入賞手段57の遊技球検出手段147を、前面装飾板(装飾部材)134aに設けた装飾部153の後方に、正面視において視認不能又は視認困難な状態で配置している。
【0119】
また、遊技球検出手段147を、開閉部材151が開状態のときに大入賞口137を介して視認可能な位置に配置している。また、不透明に形成された開閉部材151を、前面装飾板134aを介して前側から視認可能としている。
【0120】
また、始動ゲート手段(第3入球手段)54は、透明本体板45に対して前側から装着される始動ゲート本体部(前構造体)102に、遊技領域23内で遊技球が通過可能に構成され且つ前側に装飾部(第3装飾部)106が設けられた普通図柄始動ゲート(ゲート部)104と、普通図柄始動ゲート104を通過する遊技球を検出可能な遊技球検出手段(第3検出手段)103とを配置し、遊技球検出手段103を普通図柄始動ゲート104における装飾部106の後方に配置することにより、前側から視認不能又は視認困難な状態としている。
【0121】
また、普通入賞手段53に関しては、時間経過と遊技球検出手段97による検出数とに基づく第1異常検出判定を実行し、大入賞手段57に関しては、開閉部材151を開状態に変化させる特定状態を含む特定期間中でない場合における遊技球検出手段147による検出に基づく第2異常検出判定を実行し、始動ゲート手段54に関しては遊技球検出手段103の検出に基づく異常検出判定を行わないようになっている。
【0122】
また、透明本体板45の後側に配置された後部装飾手段(装飾体)60を介して発せられる光によって透明本体板45を介して前側部材82を発光させることが可能であり、大入賞ユニット132に設けられたLED(発光手段)154aからの光によって透明本体板45を介することなく前面装飾板134aを発光させることが可能となっている。
【0123】
また、大入賞ユニット132にアウト口139を設けるとともに、前面装飾板134aにアウト口を示すアウト口識別情報(識別情報)91を表示し、LED154aからの光がアウト口識別情報91を照射するようになっている。
【0124】
図15,
図16は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、普通入賞手段53における遊技球検出手段97を正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置するとともに、透明本体板45における遊技球検出手段97の前側に対応する位置に装飾部211を配置した例を示している。
【0125】
本実施形態の普通入賞手段53は、普通入賞口87a,87b、アウト口88等を前側部材82に、入賞球通路93、遊技球検出手段97等を後側部材83に夫々配置する点については第1の実施形態と同様であるが、入賞球通路93の形状及び遊技球検出手段97の配置位置が第1の実施形態とは異なっている。
【0126】
即ち、入賞球通路93は、合流部96を含めてその略全体が正面視における遊技領域23内に対応して配置されており、またその入賞球通路93上に配置される遊技球検出手段97についても、正面視における遊技領域23内に対応する位置に配置されている。
【0127】
また本実施形態では、透明本体板45における、遊技球検出手段97及び入賞球通路93の合流部96の前側に対応する位置に装飾部211が形成されている。この装飾部211は、遊技球検出手段97等が正面視において視認困難又は視認不可能となるように目隠しとして機能するもので、少なくとも一部が不透明な装飾シート等により形成されている。なお、この装飾部211は、遊技球検出手段97等の目隠しとして機能するものであれば装飾シートに限られるものではなく、例えば透明本体板45の前面側に直接施された凹凸状の装飾であってもよい。透明部分であっても、そこに凹凸を形成して光を乱反射させれば目隠しとして機能させることが可能である。なお本実施形態では、装飾部211を透明本体板45の前面側に設けているが、背面側に設けてもよい。
【0128】
このように、透明本体板45に設けた装飾部211の後側に遊技球検出手段97を配置することで、遊技球検出手段97を遊技領域23内に対応する位置に配置した場合であっても正面視において視認不可能又は視認困難とすることが可能である。なお、本実施形態では装飾部211を透明本体板45に設けた例を示したが、装飾部211は前側部材82の前壁部84等、透明本体板45の前側に配置した部材に設けてもよいし、入賞球通路93の前面側等、透明本体板45の後側に配置した部材に設けてもよい。
【0129】
図17,
図18は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、透明本体板45の後側に設けた可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を発光させるように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、新たな可動演出手段220を設けた点のみである。
【0130】
本実施形態の遊技盤16には、透明本体板45の後側に可動演出手段59とは別に可動演出手段220が配置されている。この可動演出手段220は、可動体221と、この可動体221を例えば揺動駆動する駆動手段222とを備えている。可動体221は、その前面側に透光性を有する樹脂製の装飾板223が、内部にはLED基板224がそれぞれ配置されており、駆動手段222の駆動により、略全体が中央表示枠手段52による表示枠の外側に退避した状態となる原点位置(
図17に破線で示す)と、少なくとも一部分が中央表示枠手段52による表示枠内に進出する作動位置(
図17に二点鎖線で示す)との間で揺動可能に支持されている。
【0131】
なお、可動体221が原点位置にあるとき、その可動体221の少なくとも一部が、普通入賞手段53の後側に重なった状態となる。これにより、可動体221が原点位置にあるときにLED基板224の前面側のLED224aが点灯すると、それによって装飾板223が発光し、更にその装飾板223からの光が、後側部材83や透明本体板45を介してその前側の前側部材82を後側から照らすようになっている。なお、前側部材82を後側から照らすのは可動体221からの光だけでなく、第1の実施形態と同様、後部装飾手段60からの光についても前側部材82の一部を後側から照らすようになっている。
【0132】
このように、透明本体板45の後側に配置した可動体221からの光によって普通入賞手段53の前側部材82を後側から照らすように構成してもよい。
【0133】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図19~
図25は本発明をパチンコ機に採用した第4の実施形態を例示している。
図19において、遊技機本体501は、矩形状の外枠502と、この外枠502の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ503により開閉自在に枢着された前枠504とを備えている。前枠504には、遊技盤505等が上部側に、遊技盤505の前側の遊技領域505aに向けて遊技球を発射する発射手段506、下部スピーカSP1等が下部側にそれぞれ配置されると共に、遊技盤505等の前側に対応してガラス扉507が、発射手段506、下部スピーカSP1等の前側に対応して前面板508がそれぞれヒンジ503と同じ側のヒンジ509により開閉自在に枢支されている。なお、ガラス扉507と前面板508とを一つの扉体で構成することにより一体的に開閉可能としてもよい。
【0134】
ガラス扉507には、その略中央に、遊技領域505aに対応するガラス窓507aが設けられ、またそのガラス窓507aの周囲には、上部スピーカSP2、電飾装置510等の各種演出手段が配置されている。電飾装置510は、前面側にLED511aが配設されたLED基板511と、そのLED基板511の前側に配置された発光レンズ部512とを備えている。ガラス扉507の前面側には、上部スピーカSP2等を前側から覆う合成樹脂製のガラス枠カバー513が設けられており、そのガラス枠カバー513の少なくとも一部が、透光性を有する発光レンズ部512となっている。発光レンズ部512には、内部のLED基板511等を前側から見えにくくするとともにLED511aから発せられた光を適度に拡散させるべく、凹凸加工等の光拡散処理が施されている。
【0135】
前面板508の前側には、払い出し手段514(
図20参照)から払い出された遊技球を貯留して発射手段506に供給するための上皿515が上部側に配置され、またその上皿515の下側には、例えば上皿515が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿516が左端側に、発射手段506を作動させるための発射ハンドル517が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿515等を前側から覆う上皿カバー518上には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン519等の各種操作手段が設けられている。なお、上皿カバー518上にも電飾手段を配置してもよい。
【0136】
遊技盤505の前面側には、発射手段506から発射された遊技球を案内するガイドレール520が環状に装着されると共に、そのガイドレール520の内側の遊技領域505aに、センターケース521、普通図柄始動手段522、特別図柄始動手段523、大入賞手段524、普通入賞手段525等の各種遊技部品が配置されている。
【0137】
センターケース521は、例えば遊技領域505aの略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段526に対応する略矩形状の表示窓527を備え、その表示窓527を取り囲む装飾枠528上に、普通図柄表示手段531、特別図柄表示手段532、普通保留個数表示手段533、第1特別保留個数表示手段534等の各種表示手段の他、ステージ535、可動演出手段536等が設けられている。
【0138】
ステージ535は、画像表示手段526の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース521の側部、例えば左側に設けられたワープ入口535aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
【0139】
可動演出手段536は、可動電飾装置540と、この可動電飾装置540を移動可能に支持する可動体案内手段541と、可動電飾装置540を駆動する駆動手段542とを備えている。可動電飾装置(電飾装置)540は、左右方向の横長状に形成され、その前面側には任意の装飾(ここでは当該遊技機のタイトルである「カッパ伝説」の文字)が例えば立体的に形成されており、内部に配置されたLED573が点灯することによって所定部位(ここでは「カッパ伝説」の文字部分)が任意色で発光するようになっている。この可動電飾装置540の詳細については後述する。
【0140】
可動体案内手段541は、可動電飾装置540を画像表示手段526の表示画面526aの前面側に沿って所定方向(ここでは上下方向)に移動可能な状態で支持するもので、画像表示手段526の表示画面526aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール543を備え、それら各案内レール543によって可動電飾装置540の左右両端部が上下方向移動可能に支持されている。この可動体案内手段541により、可動電飾装置540は、画像表示手段526の上側の上部位置と、画像表示手段526の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は原点位置である上部位置に保持されている。
【0141】
駆動手段542は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠528の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動電飾装置540を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
【0142】
普通図柄始動手段522は、普通図柄表示手段531による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、センターケース521の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
【0143】
普通図柄表示手段531は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段522が遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段522による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合にははずれ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
【0144】
普通図柄始動手段522による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄表示手段531による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段533等によって遊技者に報知される。
【0145】
特別図柄始動手段523は、特別図柄表示手段532による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの始動入賞手段523a,523bと、下始動入賞手段523bを開閉する開閉手段546と、始動入賞手段523a,523bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース521の下側に配置されている。上始動入賞手段523aは開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段で、ステージ535の中央落下部の真下に上向き開口状に配置されている。下始動入賞手段523bは、開閉手段546により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、上始動入賞手段523aの下側に配置されており、普通図柄表示手段531の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段546が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0146】
特別図柄表示手段532は、特別図柄を変動表示するためのもので、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段523が遊技球を検出した場合(図柄始動条件が成立した場合)、即ち上下2つの始動入賞手段523a,523bの何れかに遊技球が入賞した場合に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段523a,523bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、一致しない場合には例えばはずれ態様で停止するようになっている。
【0147】
特別図柄始動手段523への遊技球入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別図柄表示手段532による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(特別保留個数)は、第1特別保留個数表示手段534、後述する第2特別保留個数表示手段549等によって遊技者に報知される。
【0148】
大入賞手段524は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板547を備えた開閉式入賞手段で、例えば特別図柄始動手段523の下側に配置されており、特別図柄表示手段532の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板547が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0149】
また画像表示手段526は、演出図柄表示手段548、第2特別保留個数表示手段549等を構成している。演出図柄表示手段548は、特別図柄表示手段532による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄Pを変動表示するものである。演出図柄Pは、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(
図19の例では左右方向に3つ)備えており、特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄Pでは、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外がはずれ演出態様となっており、特別図柄が大当り態様、はずれ態様となる場合には演出図柄Pは大当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0150】
第2特別保留個数表示手段549は、特別保留個数を報知するためのもので、特別保留個数分(最大4個)の保留表示画像Q4~Q1と、変動中の演出図柄Pに対応する変動中保留画像Q0とを表示画面526aの所定位置、例えば下部側に表示可能となっている。第2特別保留個数表示手段549は、特別図柄始動手段523への遊技球の入賞によって特別保留個数が増加した場合には、保留表示画像Q1~を待ち行列の最後尾(例えば左端側)に1個追加表示し、特別図柄の新たな変動が開始して特別保留個数が減少した場合には、例えば変動中保留画像Q0を消去すると共に、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば右側)に向けて1個分ずつシフトし、押し出された先頭の保留表示画像Q1を新たな変動中保留画像Q0に変化させるようになっている。
【0151】
また、遊技盤505上には、可動演出手段536の他にも、センターケース521等の各種遊技部品に電飾装置550が配置されている。電飾装置550は、前面側にLED551aが配設されたLED基板551と、そのLED基板551の前側に配置された発光レンズ部552とを備えている。発光レンズ部552は、装飾枠528の少なくとも一部に設けられた透光部により構成されている。発光レンズ部552には、内部のLED基板551等を前側から見えにくくするとともにLED551aから発せられた光を適度に拡散させるべく、凹凸加工等の光拡散処理が施されている。
【0152】
図20は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。
図20において、主制御基板561は遊技動作を統括的に制御するもので、遊技盤505上の普通図柄始動手段522、特別図柄始動手段523、大入賞手段524、普通入賞手段525、普通図柄表示手段531、特別図柄表示手段532、普通保留個数表示手段533、第1特別保留個数表示手段534等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板561からの制御コマンドに基づいて画像表示手段526による画像表示、スピーカSP1,SP2による音声出力、電飾装置510,540,550による発光、駆動手段542による可動体駆動等の演出制御を行うサブ制御基板562、主制御基板561からの制御コマンドに基づいて払い出し手段514を制御する払出制御基板563、この払出制御基板563からの発射制御信号等に基づいて発射手段506を制御する発射制御基板564等が接続されている。
【0153】
続いて、
図21~
図25等を参照しつつ可動電飾装置540の構成について説明する。可動電飾装置540は、
図21~
図24等に示すように、前カバー体571と、ベース体572と、複数のLED(光源)573が配置されたLED基板574とで構成されている。前カバー体571は、透光性を有する合成樹脂製で、前面板575と、この前面板575の外周に沿って後向きに延設された外周板576とを一体に備えている。前カバー体571の前面板575には、例えば横書きのゴシック体による「カッパ伝説」の文字列に対応する文字領域を除き、前面側に非透光処理が施されており(非透光部577)、これによって前面板575に「カッパ伝説」の横書き文字列を構成する透光文字部(透光部)578が形成されている。この透光文字部578は、
図21に示すように、非透光部577により互いに分離された複数(ここでは14個)の透光領域578a~578nで構成されている。例えば「カ」の文字は一つの透光領域578aで構成され、「ッ」の文字は三つの透光領域578b~578dで構成されている。
【0154】
なお、非透光部577を形成するための非透光処理は、メッキ処理、非透光性シートの貼付等、任意である。また非透光部577は、完全な非透光性が要求されるものではなく、透光文字部578に比べて光の透過率が十分に小さければよい。また非透光処理は前カバー体571の外周板576の外面側にも施すことが望ましい。
【0155】
前カバー体571の前面板575は、透光文字部578を構成する「カッパ伝説」の横書き文字列の外形に沿ってそれよりも一回り大きな横長形状に形成されるとともに、透光文字部578を構成する各文字の外周に沿って略一定幅の非透光縁取り部577aが前向き突出状に形成されている。本実施形態ではこの非透光縁取り部577aから外側が非透光部577、非透光縁取り部577aよりも内側が透光文字部578となっている。なお、非透光縁取り部577aは、必ずしも前向き突出状に形成する必要はなく、その他の非透光部577と同じ厚さに形成してもよい。
【0156】
また
図24に示すように、前カバー体571の内面側には、LED基板574等を前側から見えにくくするとともにLED573から発せられた光を適度に拡散させるべく、少なくとも透光文字部578に対応する領域にレンズカット加工その他の光拡散処理が施されている(光拡散部579)。
【0157】
なお
図24では、透光文字部578の後側の領域だけでなく、非透光部577の後側の領域にも光拡散処理を施した例を示したが、透光文字部578の後側の領域にのみ光拡散処理を施し、非透光部577の後側の領域には光拡散処理を施さないようにしてもよい。また、非透光部577の後側にも光拡散処理を施す場合、非透光部577全体ではなく、LED573の前側に対応する一定領域にのみ光拡散処理を施してもよい。また、透光文字部578と非透光部577との両方に対応して光拡散処理を施す場合、透光文字部578の後側と非透光部577の後側とで光拡散処理の種類(例えばレンズカット加工の種類)を異ならせてもよい。この場合のレンズカット加工の種類は、ボールカット加工、ローレット加工、ダイヤカット加工、アイスカット加工等、任意である。また透光文字部578に関しては、その透光文字部578側(すなわち前面側)にも内面側と同じ、又は異なる種類のレンズカット加工を施してもよい。
【0158】
前カバー体571は、ベース体572の前側にねじ止め等により着脱自在に固定されている。ベース体572は、透光性を有しない合成樹脂製で、前カバー体571の外形と略同じ形状に形成された前面板581と、この前面板581の外周に沿って後向きに延設された外周板582とを一体に備え、前面板581の前面側に前カバー体571が固定されている。前カバー体571の後側がこのベース体572の前面板581により略閉鎖されることにより、前カバー体571内には発光室583が形成されている。なお、ベース体572の左右両端側には、案内レール543に対してスライド移動可能に装着されるレール接続部584が設けられている。
【0159】
LED基板574は、前カバー体571における外周板576の内面に沿う形状とすることにより、透光文字部578よりも大で且つ縁部が透光文字部578の外形に沿うように形成された基板本体585と、この基板本体585の前面側に配置された複数のLED573と、基板本体585の裏面側に配置されたコネクタ586とを備え、発光室583内の後部所定位置に配置された状態でベース体572の前面板581に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0160】
ベース体572の前面板581には、基板支持用のボス587が前向き突出状に形成されており、このボス587により、LED基板574はベース体572との間に一定の隙間を保持した状態で支持されている。コネクタ586に接続されるハーネス588は、ベース体572に形成された開口部589を経て可動電飾装置540の後側に引き出され、中継基板等を介してサブ制御基板562に接続されている。
【0161】
LED基板574には、3×10=30個のLED573が、前カバー体571側の透光文字部578、即ち「カッパ伝説」の文字列に対応して配置されている。即ち、LED基板574には、
図25に示すように、可動電飾装置540の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED573よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置540の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Jの10組)配列されている。そして、LED基板574上のLED573は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED573の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0162】
なお
図23では、30個のLED573を、所属するLED列を示すA~Jの符号(
図25)と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED573をLED573A1、LED列Bに属する3番目のLED573をLED573B3としている。
【0163】
また、30個のLED573は何れも、少なくとも一部が正面視において非透光部577の後側に重なるように、透光文字部578と非透光縁取り部577aとの境目に沿って非透光縁取り部577aの後側に配置されている。具体的には、互いに近接する複数の透光文字部578により挟まれた非透光部577(中間非透光部)に対応して配置されるLED573(ここではLED573G3,573I1,573I2,573J2)については、その非透光部577の略中央(各透光文字部578から略等距離の位置)に対応してその後側に配置されている。また、周囲を透光文字部578により略囲まれた非透光部577に対応して配置されるLED573(ここでは573F1)については、その非透光部577の略中央(周囲の透光文字部578から略等距離の位置)に対応してその後側に配置されている。これらの場合は、非透光部577の幅とLED573との大小関係に応じて、LED573の方が大であれば(例えばLED573I1)、LED573の一部分が透光文字部578側にはみ出した状態となるが、LED573の方が小であれば(例えばLED573J2,573J3)、LED573の全体が非透光部577の後側に重なった状態となる。
【0164】
一方、それら以外のLED573、即ち透光文字部578に対して十分な広さの非透光部577が接している場合には、その非透光部577に対応して配置されるLED573(ここではLED573A1~573A3,573B1~573B3等)については、LED573の縁部が非透光部577と透光文字部578との境目と前後に略一致するように配置されている。この場合、LED573の縁部は透光文字部578側にはみ出さないことが望ましいが、一部はみ出すように配置してもよい。
【0165】
このように、LED573を非透光部577の後側に配置することで、LED573から真正面に向けて発せられた光が透光文字部578に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光文字部578の明度差を小さくすることが可能である。
【0166】
また複数の透光領域578a~578nのうち、複数のLED573が配置されている特定透光領域(ここでは透光領域578a,578d~578f,578h,578i,578n)については、各特定透光領域に対応するLED(特定光源)573が次のように配置されている。即ち、特定透光領域に対応する各LED573は、その特定透光領域に対応するその他のLED573のうちの少なくとも一つに対する直線経路全体が、正面視において特定透光領域内を通過するように配置されている。
【0167】
具体的には、特定透光領域578aに対応するLED573A1~573A3,573B1~573B3のうち、LED573A1に関しては、LED573A2に対する直線経路L1と、LED573A3に対する直線経路L2との各全体が正面視において特定透光領域578a内を通過している。同様に、LED573A2に関しては、LED573A1に対する直線経路L1と、LED573B1に対する直線経路L3との各全体が正面視において特定透光領域578a内を通過している。その他のLED573A3,573B1~B3に関しても同様である。これにより、複数のLED573による各発光領域が特定透光領域内で互いに重なりあうため、点光りによる透光文字部578の明度差をより小さくすることが可能である。
【0168】
また
図23の部分拡大図に示すように、LED573は略矩形状に形成され、四辺のうちの所定対辺573a,573bに夫々3つの端子569a~569c,569d~569fが配置されている。そして、それら各端子569a~569c,569d~569fからは、夫々配線パターン570a~570c,570d~570fが、所定対辺573a,573bに対して垂直な方向に少なくとも所定距離Xまでまっすぐ平行に引き出された後、任意の方向に屈折し、或いはそのままビア等に接続されている。従って、LED基板574の縁部近傍に配置され、特に基板縁部までの距離が所定距離Xに満たないLED573については、
図23の部分拡大図に示すように、端子569a~569c,569d~569fが設けられている所定対辺573a,573bとは別の、端子が設けられていない辺573cがLED基板574の縁部に向くように配置されている。これにより、LED573をLED基板574の縁部近傍に配置せざるを得ないにも拘わらず配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0169】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、透光文字部(透光部)578と、この透光文字部578を発光させる複数のLED(光源)573とを有する可動電飾装置(電飾装置)540を備え、透光文字部578の外縁に非透光部577を設け、LED573を、非透光部577の後側に配置しているため、可動電飾装置540の点光りによる透光文字部578の明度差を小さくすることにより発光時の見栄えをよくすることが可能である。
【0170】
また、LED573を、透光文字部578と非透光部577との境目に、少なくとも一部分が可動電飾装置540に対する正面視において非透光部577の後側に重なるように配置しており、しかも非透光部577のうち、両側を透光文字部578で挟まれた中間非透光部については、幅方向略中央に対応してその後側にLED573を配置しているため、点光りを解消しつつ、透光文字部578全体をより明るく且つなるべく均等に発光させることが可能である。
【0171】
また、透光文字部578は、非透光部577により互いに分離された複数の透光領域578a~578nを備え、複数の透光領域578a~578nのうちの特定透光領域に対応して、その外周の非透光部577の後側に複数のLED573(以下、特定光源)を配置し、それら特定光源を、その他の特定光源のうちの少なくとも一つに対する直線経路全体が、可動電飾装置540に対する正面視において特定透光領域内を通過するように配置しているため、複数の特定光源による各発光領域が特定透光領域内で互いに重なりあうことにより、点光りによる透光文字部578の明度差をより小さくすることが可能である。
【0172】
また可動電飾装置540の短手方向に配列された複数のLED573よりなるLED列(光源列)を、可動電飾装置540の長手方向に複数配列し、LED列毎に異なるチャンネルでLED573を制御するように構成しているため、LED573の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0173】
また、LED基板574を、少なくとも一部の縁部が透光文字部578の外形に沿う形状に形成し、LED基板574の縁部近傍のLED573に関しては、端子が設けられた所定対辺とは別の辺がLED基板574の縁部に向くように配置しているため、LED573をLED基板574の縁部近傍に配置せざるを得ないにも拘わらず配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0174】
図26~
図29は本発明の第5の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、透光部内に、非透光部よりなる非透光文字部を設け、非透光文字部の後側にLEDを配置した例を示している。本実施形態が第4の実施形態と異なるのは、可動電飾装置における透光部/非透光部の配置と、それに伴うLEDの配置及び可動電飾装置の形状のみである。以下、第4の実施形態と異なる分を中心に可動電飾装置の構成について説明する。
【0175】
本実施形態の可動電飾装置590は、
図26~
図28に示すように、第4の実施形態の可動電飾装置540と同様、前カバー体591と、ベース体592と、複数のLED(光源)593が配置されたLED基板594とで構成されている。前カバー体591は、透光性を有する合成樹脂製で、前面板595と、この前面板595の外周に沿って後向きに延設された外周板596とを一体に備えている。前カバー体591の前面板595には、例えば横書きのゴシック体による「カッパ伝説」の文字列に対応する文字領域(非透光文字部597a)と、それらの各文字を個別に取り囲む枠領域(非透光枠部597b)とに対して前面側に非透光処理が施されており、これによって前面板595には、矩形状に形成された五つの透光部598内に夫々非透光文字部597aを構成する「カ」,「ッ」,「パ」,「伝」,「説」の文字が形成されている。なお、前カバー体591の前面板595は、非透光枠部597bの外形に沿って横長矩形状に形成されている。
【0176】
非透光部597a,597bを形成するための非透光処理は、メッキ処理、非透光性シートの貼付等、任意である。また非透光部597a,597bは、完全な非透光性が要求されるものではなく、透光部598に比べて光の透過率が十分に小さければよい。また非透光処理は前カバー体591の外周板596の外面側にも施すことが望ましい。
【0177】
また、前カバー体591の内面側には、
図28に示すように、LED基板594等を前側から見えにくくするとともにLED593から発せられた光を適度に拡散させるべく、少なくとも透光部598に対応する領域にレンズカット加工その他の光拡散処理が施されている(光拡散部599)。
【0178】
なお
図28では、透光部598の後側の領域だけでなく、非透光部597a,597bの後側の領域にも光拡散処理を施した例を示したが、透光部598の後側の領域にのみ光拡散処理を施し、非透光部597a,597bの後側の領域には光拡散処理を施さないようにしてもよい。また、非透光部597a,597bの後側にも光拡散処理を施す場合、非透光部597a,597b全体ではなく、LED593の前側に対応する一定領域にのみ光拡散処理を施してもよい。また、透光部598と非透光部597a,597bとの両方に対応して光拡散処理を施す場合、透光部598の後側と非透光部597a,597bの後側とで光拡散処理の種類(例えばレンズカット加工の種類)を異ならせてもよい。この場合のレンズカット加工の種類は、ボールカット加工、ローレット加工、ダイヤカット加工、アイスカット加工等、任意である。また透光部598に関しては、その透光部598側(すなわち前面側)にも内面側と同じ、又は異なる種類のレンズカット加工を施してもよい。
【0179】
前カバー体591は、ベース体592の前側にねじ止め等により着脱自在に固定されている。ベース体592は、透光性を有しない合成樹脂製で、前カバー体591の外形と略同じ形状に形成された前面板601と、この前面板601の外周に沿って後向きに延設された外周板602とを一体に備え、前面板601の前面側に前カバー体591が固定されている。前カバー体591の後側がこのベース体592の前面板601により略閉鎖されることにより、前カバー体591内には発光室603が形成されている。なお、ベース体592の左右両端側には、案内レール543に対してスライド移動可能に装着されるレール接続部604が設けられている。
【0180】
LED基板594は、前カバー体591における外周板596の内面に沿う横長矩形状に形成された基板本体605と、この基板本体605の前面側に配置された複数のLED593と、基板本体605の裏面側に配置されたコネクタ606とを備え、発光室603内の後部所定位置に配置された状態でベース体592の前面板601に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0181】
ベース体592の前面板601には、基板支持用のボス607が前向き突出状に形成されており、このボス607により、LED基板594はベース体592との間に一定の隙間を保持した状態で支持されている。コネクタ606に接続されるハーネス608は、ベース体592に形成された開口部609を経て可動電飾装置590の後側に引き出され、中継基板等を介してサブ制御基板562に接続されている。
【0182】
LED基板594には、3×9=27個のLED593が、前カバー体591側の非透光文字部597a、即ち「カッパ伝説」の文字列に対応して配置されている。即ち、LED基板594には、
図29に示すように、可動電飾装置590の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED593よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置590の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Iの9組)配列されている。そして、LED基板594上のLED593は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED593の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0183】
なお
図27では、27個のLED593を、所属するLED列を示すA~Iの符号(
図29)と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED593をLED593A1、LED列Bに属する3番目のLED593をLED593B3としている。
【0184】
また、27個のLED593は、何れも非透光文字部597aの後側に配置されており、しかもその配置位置は正面視で非透光文字部597aの幅方向略中央となっている。これにより、LED593から真正面に向けて発せられた光が透光部598に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光部598の明度差を小さくすることが可能であるとともに、非透光文字部597aのシルエットをよりはっきりと浮かび上がらせることが可能である。
【0185】
図30,
図31は本発明の第6の実施形態を例示し、第5の実施形態を一部変更して、LED593を、非透光文字部597aの後側だけでなく非透光枠部597bの後側にも配置した例を示している。本実施形態が第5の実施形態と異なるのはLED593の配置のみである。以下、第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0186】
本実施形態のLED基板594には、3×16=48個のLED593が、前カバー体591側の非透光文字部597aと非透光枠部597bとに対応して配置されている。即ち、
図31に示すように、LED基板594には、可動電飾装置590の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED593よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置590の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Pの16組)配列されている。そして、LED基板594上のLED593は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED593の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0187】
なお
図30では、48個のLED593を、所属するLED列を示すA~Pの符号と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED593をLED593A1、LED列Bに属する3番目のLED593をLED593B3としている。
【0188】
また、48個のLED593は、何れも非透光文字部597aと非透光枠部597bとの何れかの後側に配置されている。そして、透光部598の内側に配置されている非透光文字部597aに対応するLED593(例えばLED593B2,593B3)は、正面視で非透光文字部597aの幅方向略中央に配置されている。また、透光部598の外側に配置されている非透光枠部597bに対応するLED593のうち、二つの透光部598により挟まれた非透光枠部597bに対応して配置されるLED593(例えばLED593D2,593G2等)については、その非透光枠部597bの略中央(各非透光枠部597bから略等距離の位置)に対応してその後側に配置されており、それら以外のLED593、即ち透光部598に対して十分な広さの非透光枠部597bが接している場合には、その非透光枠部597bに対応して配置されるLED593(ここではLED593A1~593A3,593B1,593C3等)については、LED593の縁部が非透光枠部597bと透光部598との境目と前後に略一致するように配置されている。なお何れの場合も、LED593の縁部は透光部598側にはみ出さないことが望ましいが、一部はみ出すように配置してもよい。
【0189】
LED593をこのように配置していることにより、LED593から真正面に向けて発せられた光が透光部598に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光部598の明度差を小さくすることが可能であるとともに、非透光文字部597aのシルエットをよりはっきりと浮かび上がらせることが可能である。
【0190】
また
図30の部分拡大図に示すように、LED593は略矩形状に形成され、四辺のうちの所定対辺593a,593bに夫々3つの端子569a~569c,569d~569fが配置されている。そして、それら各端子569a~569c,569d~569fからは、夫々配線パターン570a~570c,570d~570fが、所定対辺593a,593bに対して垂直な方向に少なくとも所定距離Xまでまっすぐ平行に引き出された後、任意の方向に屈折し、或いはそのままビア等に接続されている。従って、横長矩形状に形成されたLED基板594の縁部近傍に配置され、特に基板縁部までの距離が所定距離Xに満たないLED593(LED593A1~593A3,593B1等)については、
図30の部分拡大図に示すように、端子569a~569c,569d~569fが設けられている所定対辺593a,593bとは別の、端子が設けられていない辺593cがLED基板594の縁部に向くように配置されている。なお、LED593は、LED基板594の角部近傍を避けて配置されている(例えばLED593A1)。これにより、本実施形態のようにLED593をLED基板594の縁部近傍に配置せざるを得ない場合でも配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0191】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4~第6の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第4~第6の実施形態に係る遊技機に、第1~第3の実施形態に係る遊技機と同様の遊技盤の構成を採用することができ、また第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4~第6の実施形態に係る遊技機と同様の電飾装置を採用することも可能である。
【0192】
第1~第3の実施形態では大入賞口(第2入球口)137を開閉する開閉部材151をスライド式とした例を示したが、開閉部材151はスライド式に限られるものではなく、下部側の横軸廻りに揺動する形式、その他の任意の開閉部材を用いることが可能である。また、大入賞手段(第2入球手段)57の配置位置は任意であり、例えば遊技領域23の左右方向略中央における下部側に配置してもよい。同様に、始動ゲート手段54、第1始動入賞手段55、第2始動入賞手段56等の配置位置も任意である。
【0193】
第1~第3の実施形態の普通入賞手段(第1入球手段)53では、二つの普通入賞口(第1入球口)87a,87bに対して一つの遊技球検出手段97を配置した例を示したが、三つ以上の普通入賞口に対して一つの遊技球検出手段を配置してもよいし、普通入賞口毎に一つの遊技球検出手段を配置してもよい。
【0194】
第1~第3の実施形態では、普通入賞手段53を構成する後側部材83を後部装飾手段60と一体に設けた例を示したが、
図32に示すように、後側部材83を後部装飾手段60とは別に設けてもよい。また、第1~第3の実施形態では後部装飾手段60のLED基板99を後側部材83を避けて配置した例を示したが、
図33に示すように、後部装飾手段60のLED基板99を、その一部が後側部材83における入賞球通路93等の後側に位置するように配置してもよい。この場合、入賞球通路93とアウト球通路94を、前側部材82と同様、少なくとも一部、例えば全体が透明又は半透明となるように形成する方が、入賞球通路93とアウト球通路94と透明本体板45とを介して前側部材82を効果的に発光させることができる。
【0195】
第4~第6の実施形態の可動電飾装置の構成については、センターケース21等、遊技盤5上の遊技部品に固定的に配置された電飾装置50や、前枠4側に固定的に配置された電飾装置10等にも同様に適用可能である。もちろん、前枠4側に可動電飾装置を設ける場合にも同様に適用可能である。
【0196】
第4の実施形態では、透光部を文字形状(透光文字部78)とした例を示したが、この場合の透光部は文字形状のものに限られるものではなく、ロゴマーク等の図形やキャラクタ等の絵柄など、どのようなものでもよい。また、第5,第6の実施形態では、透光部内に文字形状の非透光部(非透光文字部97a)を配置した例を示したが、この場合の非透光部についても文字形状のものに限られるものではなく、ロゴマーク等の図形やキャラクタ等の絵柄など、どのようなものでもよい。
【0197】
第4~第6の実施形態では、透光性を有する前カバー体71の一部に非透光処理を施すことによって透光部と非透光部とを形成するように構成したが、例えば非透光性の第1部材と透光性の第2部材とを組み合わせる(例えば文字形状の開口部を有する第1部材の裏側に第2部材を嵌め合わせる)ことにより透光部と非透光部とを形成するように構成してもよい。
【0198】
第4~第6の実施形態では、電飾装置を遊技機本体1の正面に向けて配置した例を示したが、前枠4の上部側の電飾装置を斜め下向きに配置するなど、例えば正面が遊技者側に向くように、電飾装置を遊技機本体1の正面に対して斜めに配置してもよい。この場合、電飾装置のLED(光源)は、遊技機本体1に対する正面視ではなく、その電飾装置に対する正面視において非透光部の後側に配置することが望ましい。
【0199】
第4~第6の実施形態では、同一チャンネルのLED列に属するLEDを3個としたが、2個或いは4個以上としてもよい。
【0200】
上述した実施形態はどのように組み合わせてもよい。例えば、第3の実施形態は第1の実施形態を一部変更する形で例示したが、第2の実施形態を一部変更して第3の実施形態のように構成してもよい。第1~第6の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。
【0201】
また、本発明はパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0202】
16 遊技盤
23 遊技領域
45 透明本体板
53 普通入賞手段(第1入球手段)
57 大入賞手段(第2入球手段)
82 前側部材
83 後側部材
87a 普通入賞口(第1入球口)
87b 普通入賞口(第1入球口)
92 傾斜案内部(第1傾斜案内部)
93 入賞球通路(球通路)
96 合流部
97 遊技球検出手段(第1検出手段)
132 大入賞ユニット(入球ユニット)
137 大入賞口(第2入球口)
140 傾斜案内部(第2傾斜案内部)
147 遊技球検出手段(第2検出手段)
151 開閉部材
540 可動電飾装置
573 LED(光源)
577 非透光部
578 透光文字部(透光部)
578a~578n 透光領域
593 LED(光源)
597a 非透光文字部(非透光部)
597b 非透光枠部(非透光部)
598 透光部