IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社藤商事の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021569
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240208BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 326C
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124482
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今山 武成
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088EA10
2C088EA15
(57)【要約】
【課題】遊技機の価格高騰をより適切に抑制する。
【解決手段】外枠2に対してヒンジ部4廻りに回転可能な前枠3の背面側に、電源操作部128及びRAMクリア操作部107を設け、前枠3の前側に発射ハンドル39よりも前側に突出する突出部を有する遊技機で、電源操作部128及びRAMクリア操作部107を、前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置に配置し、前枠3を外枠2に対して第1開放状態まで開放したとき、電源操作部128及びRAMクリア操作部107が、外枠2と前枠3の間から視認可能となり、第1開放状態では、電源操作部128及びRAMクリア操作部107が外枠2の前縁よりも前側に位置するとともに、突出部はその全体がヒンジ部4よりも左右方向内側に位置している。また、透光部と複数のLEDとを有する電飾装置において、透光部の外縁に非透光部を設け、LEDを、非透光部の後側に配置する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部及び該透光部を発光させる複数の光源を有する電飾装置と、
遊技島設備に固定可能な外枠と、
後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、
前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、
前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルとを備え、
前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、
前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、
前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な
遊技機において、
前記透光部の外縁に非透光部を設け、
前記光源を、前記非透光部の後側に配置し、
前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、
前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、
前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置している
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機は、遊技島設備に固定される外枠と、その外枠の前側に、左右方向一端側、例えば左端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着される前枠とを備えている。前枠は、外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により外枠に対して施錠可能となっている(例えば特許文献1)。
また、前枠の背面側には、電源操作部、RAMクリア操作部等の各種操作部や、エラー表示手段等の各種表示手段が配置されており、電源操作部及びRAMクリア操作部によるRAMクリア操作を行う場合や、エラー表示手段によりエラー内容を確認する場合には、遊技ホールの担当者が前枠を開放した上で作業を行う必要がある。
また、この種の遊技機では、遊技機本体の前側各部に電飾装置が配置されており、画像表示手段、可動体、音声出力手段等の他の演出手段と同期して所定の発光パターンで発光することにより、遊技状態に応じた演出を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-122649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では部材供給量の低下に伴って部品価格が上昇し、その結果、遊技機の価格高騰に繋がっている。そのような背景から、遊技機の価格を抑える為の対策が求められている。遊技機の価格高騰に対する対策としては、新規部品の調達量を減らすために、遊技部品の小型化やリユース、他の機種への流用等を進めることが考えられる。
しかしながら、このようなリユース等の対策を進めることで、真新しさが薄れ、遊技者が飽きを感じやすくなってしまうという懸念が生じる。そのため、電飾装置等の演出手段の見栄えをよくするなど、演出効果をより高めるための工夫が求められている。また、遊技部品のリユース等を促進するためには、リユースの際の配線作業やホール関係者による管理作業を容易化するための工夫を行うことも重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機の価格高騰をより適切なかたちで抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、透光部及び該透光部を発光させる複数の光源を有する電飾装置と、遊技島設備に固定可能な外枠と、後部側を前記外枠内に挿入した状態で前記外枠の前側に配置される前枠と、前記前枠の背面側に配置される電源操作部及びRAMクリア操作部と、前記前枠の前面側に突設され且つ遊技球の発射操作が可能な発射ハンドルとを備え、前記前枠は、前記外枠に対して、左右方向一端側のヒンジ部廻りに回転可能な状態で装着されるとともに、前記外枠に対する回転角度が0°となる閉状態のときに、前記前枠における左右方向他端側である開閉端近傍に鍵穴を有する施錠手段により前記外枠に対して施錠可能であり、前記前枠は前記発射ハンドルよりも前側に突出する突出部を有し、前記RAMクリア操作部をONにした状態で、前記電源操作部を電源OFFから電源ONに切り替えることにより、RAMに保持されている電源OFF時の遊技情報を消去しつつ起動させることが可能な遊技機において、前記透光部の外縁に非透光部を設け、前記光源を、前記非透光部の後側に配置し、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部を、前記前枠における左右方向の前記開閉端寄りの位置に配置し、前記前枠を前記外枠に対して第1開放状態まで開放したとき、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が、前記外枠と前記前枠の間から視認可能となり、前記第1開放状態では、前記電源操作部及び前記RAMクリア操作部が前記外枠の前縁よりも前側に位置するとともに、前記突出部はその全体が前記ヒンジ部よりも左右方向内側に位置しているものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機の価格高騰をより適切に抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
図2】同パチンコ機の分解斜視図である。
図3】同パチンコ機の側面図である。
図4】同パチンコ機の下部前面ユニットの平面図である。
図5】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図6】同パチンコ機の背面図である。
図7】同パチンコ機の側面断面図である。
図8】同パチンコ機の下部側の背面図である。
図9】同パチンコ機の下部側の側面断面図である。
図10】同パチンコ機の平面断面図である。
図11】同パチンコ機の通常状態及び3種類の有利状態の設定内容を示す図である。
図12】同パチンコ機の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示す図である。
図13】同パチンコ機の第1,第2特別図柄変動に関し、(a)は大当り態様の種類、振分率、特別利益状態、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示し、(b)は時短態様の種類、振分率、移行先の有利状態、有利状態終了条件を示す図である。
図14】同パチンコ機における遊技状態の移行に関する説明図である。
図15】同パチンコ機における払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示す図である。
図16】同パチンコ機の音量設定テーブルを示す図である。
図17】同パチンコ機における前枠の第1開放状態を示す平面図である。
図18】同パチンコ機における前枠の第2開放状態を示す平面図である。
図19】同パチンコ機における前枠の第3開放状態を示す平面図である。
図20】同パチンコ機における前枠の第4開放状態を示す平面図である。
図21】同パチンコ機における前枠の第5開放状態を示す平面図である。
図22】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の背面図である。
図23】同パチンコ機の平面断面図である。
図24】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機の電源基板ケースの要部斜視図である。
図25】同パチンコ機の電源基板ケースの要部側面断面図である。
図26】本発明の第4の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
図27】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
図28】同パチンコ機の可動電飾装置の正面図である。
図29】同パチンコ機の可動電飾装置の分解斜視図である。
図30】同パチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
図31】同パチンコ機の可動電飾装置の側面断面図である。
図32】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
図33】本発明の第5の実施形態に係るパチンコ機の可動電飾装置の正面図である。
図34】同パチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
図35】同パチンコ機の可動電飾装置の側面断面図である。
図36】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
図37】本発明の第6の実施形態に係るパチンコ機の可動電飾装置の正面断面図である。
図38】同パチンコ機の可動電飾装置のLED列の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図21は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、遊技ホール内に設置された遊技島設備に固定可能な外枠2と、後部側を外枠2内に挿入した状態で外枠2の前側に配置される前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第1ヒンジ(ヒンジ部)4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向他端側である開閉端側(ここでは右端側)に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。なお本実施形態では、外枠2に対する前枠3の第1ヒンジ4廻りの開放角度(回転角度)については、閉状態を基準(0°)とし、開放方向(即ち平面視における時計廻り)をプラス方向とする。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側(ここでは左端側)に配置された縦軸の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、本実施形態では第2ヒンジ8と第1ヒンジ4とを同軸としている。
【0010】
施錠手段5は、前枠3の開閉端側(右端側)近傍における上下方向所定位置、例えば下部側に前向きに配置された鍵穴5aを備えており、この鍵穴5aに専用鍵を差し込み、左右方向の一方側(例えば右側)に回転させることによって外枠2に対する前枠3の施錠状態が解除され、左右方向の他方側(例えば左側)に回転させることによって内枠6に対するガラス扉7の施錠状態が解除されるようになっている。
【0011】
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。本実施形態では、上下の横枠材2c,2dは木製で、左右の縦枠材2a,2bは金属製(導電性部材)となっている。外枠2の前側下部には、合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
【0012】
内枠6は合成樹脂製で、図2に示すように、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が左下部に夫々配置されている。
【0013】
ガラス扉7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動体26、枠第2可動体27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
【0014】
扉ベース22の上部前面側には、図1等に示すように、ガラス窓24に対するヒンジ端側(左側)を覆う左装飾カバー部29aと、ガラス窓24に対する開閉端側(右側)を覆う右装飾カバー部29bと、ガラス窓24に対する上部側を覆う上装飾カバー部29cとが設けられている。左装飾カバー部29aと右装飾カバー部29bとを比較すると、図2図3等に示すように、開閉端側の右装飾カバー部29bの方がヒンジ端側の左装飾カバー部29aよりも前側への突出量が大きく、また右装飾カバー部29bについては下部側よりも上部側の方が前側への突出量が大きくなっている。また、上装飾カバー部29cの前側への突出量は、右装飾カバー部29bの上部側の突出量と同程度となっている。
【0015】
枠第1可動体26は、上装飾カバー部29cの前面側で且つ左右方向略中央に配置されており、所定形状、ここでは蝶をモチーフとする立体的形状に形成されている。この枠第1可動体26は、図外の駆動手段の駆動により、原点位置とそれよりも前側の突出位置との間で略前後方向のスライド移動が可能であり、通常時は図3に示す原点位置に保持されている。枠第2可動体27は、右装飾カバー部29bの前面側で且つ上下方向略中央に配置されており、図3等に示すように、右装飾カバー部29bから前向きに突設される突設部27aと、この突設部27aの前端側に設けられた操作部27bとを備えている。この枠第2可動体27は、図外の駆動手段の駆動により前後方向へのスライド移動が可能であると共に、遊技者による押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が枠第2可動体27を操作するタイミングで、その枠第2可動体27に触れている遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
【0016】
扉ベース22の下部前側には、下部前面ユニット31が配置されている。この下部前面ユニット31には、図1図4に示すように、内枠6の後側に配置された払い出し手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、この上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34等が配置される他、上面側には、演出ボタン35、十字キー36、音量調整操作部37、光量調整操作部38、その他の各種操作手段が配置されている。なお、下部前面ユニット31は、前向きの突出量が左右方向の中央部から両端側にかけて徐々に小さくなっており、最も突出量が大きい左右方向中央部に対応して演出ボタン35が配置されている。また、下部前面ユニット31に対する開閉端側(右側)には、発射手段17により遊技球を発射させるための発射操作が可能な発射ハンドル39が前向きに突設されている。
【0017】
なお、枠第1可動体26、枠第2可動体27及び下部前面ユニット31については、それらの前向きの最大突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大となっている(図3等)。また、装飾カバー部29a~29cについては、右装飾カバー部29bの上部側及び上装飾カバー部29cにおける前向き突出量が発射ハンドル39の突出量よりも大であり、右装飾カバー部29bの下部側及び左装飾カバー部29aにおける前向き突出量は発射ハンドル39の突出量よりも小となっている(図3等)。
【0018】
扉ベース22の背面側には、図2に示すように、窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが左下部に夫々配置されている。
【0019】
また、下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0020】
遊技盤16は、図5に示すように、ポリカーボネート等よりなるベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、大入賞ユニット49、普通入賞ユニット50等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0021】
遊技盤16の複数のユニット部品47~50上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
【0022】
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の前側に対応する表示窓47aが略中央に形成されるとともに、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、表示窓47aの左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、表示窓47aの下側で装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
【0023】
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0024】
なお、中央表示枠ユニット47上には、普通図柄表示手段81、普通保留個数表示手段82、第1特別図柄表示手段83、第2特別図柄表示手段84等の各種表示手段が設けられている。もちろん、それら表示手段81~84は中央表示枠ユニット47上に限らず、遊技盤16の前側の任意の位置に前側から視認可能な状態で配置可能である。
【0025】
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。大入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の右側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット50は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
【0026】
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段81による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
【0027】
普通図柄表示手段81は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数(ここでは2個)のLEDで構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLEDが普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0028】
普通図柄が当り態様となる確率(当り確率)には、低確率(ここでは100/251)と高確率(ここでは250/251)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。また、普通図柄の変動時間には、通常(非短縮)変動時間(ここでは5秒)とそれよりも短い短縮変動時間(ここでは4.9秒)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0029】
また、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄の変動が可能になる毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段82等によって遊技者に報知される。
【0030】
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段83による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0031】
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段84による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段81の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉部78が所定時間開放するようになっている。
【0032】
なお、この普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間には、通常(非延長)開放時間(ここでは80ms)とそれよりも長い延長開放時間(ここでは4000ms)とがあり、遊技状態(後述する通常状態、第1~第3有利状態)に応じてそれらの何れかが用いられる(図11)。
【0033】
この第2特別図柄始動手段63は、中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0034】
第1特別図柄表示手段83は、第1特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することに基づいて第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0035】
本実施形態では、図13(a)に示すように第1特別図柄表示手段83の大当り態様としてA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第1特別図柄表示手段83の時短態様としてB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第1特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0036】
第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第1特別図柄表示手段83の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(ここでは第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0037】
第2特別図柄表示手段84は、第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することに基づいて第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様で、予め定められた時短判定値と一致する場合(時短抽選で当選した場合)には時短態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0038】
本実施形態では、図13(a)に示すように、第2特別図柄表示手段84の大当り態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくA1,A2の2種類が設けられており、大当り抽選結果が大当りの場合に、それら大当り態様A1,A2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは6:4)で選択されるようになっている。また図13(b)に示すように、第2特別図柄表示手段84の時短態様として、第1特別図柄表示手段83と同じくB1,B2の2種類が設けられており、時短抽選で当選した場合に、それら時短態様B1,B2の何れかが、第2特別乱数情報に含まれる図柄判定乱数に基づいて所定の振分率(ここでは1:9)で選択されるようになっている。
【0039】
第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類(A1,A2の何れか)に応じて特別利益状態が発生し、その特別利益状態の終了後に所定の有利状態(ここでは第2,第3有利状態の何れか)に移行する(図13(a))。また、第2特別図柄表示手段84の変動後の停止図柄が時短態様となった場合には、特別利益状態が発生することなく、その時点で、時短態様の種類(B1,B2の何れか)に応じて所定の有利状態(第1,第2有利状態の何れか)に移行する(図13(b))。
【0040】
なお、時短抽選は通常状態中にのみ行われるが(図11)、後述するように本実施形態の場合には通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、実際上は第2特別図柄表示手段84に関して時短抽選が行われることは殆どない。
【0041】
図12は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の大当り/時短抽選における大当り判定乱数値と大当り/時短判定値との関係を示したものである。図12に示すように、大当り判定乱数値は0~65535の範囲で生成され、そのうち、大当り確率が高確率の場合には10001~12048の範囲が大当り判定値となるが、低確率の場合にはそれよりも狭い10001~10205の範囲が大当り判定値となる。このように、第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(大当り確率)については、低確率(ここでは1/319)と高確率(ここでは1/32)とに切り替え可能となっている。大当り確率は、後述する第3有利状態中は高確率に、それ以外の通常状態中及び第1,第2有利状態中は低確率に夫々設定される(図11)。
【0042】
また図12に示すように、後述する通常状態中に限り、20001~22184の範囲が時短判定値となり(当選確率≒1/30)、有利状態中については時短判定値は設定されない。即ち、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。或いは、有利状態中については、時短抽選が行われないのではなく、時短抽選における当選確率が0に設定されると言い換えることもできる。以上のように本実施形態では、大当り抽選と時短抽選は共通の乱数値を用いて行われる。
【0043】
また本実施形態では、通常状態及び複数種類の有利状態について図11のように設定されている。即ち、通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。
【0044】
また、その通常状態に対し、普通図柄の変動時間を短縮変動時間(4.9秒)に変更したのが第1有利状態であり、更にその第1有利状態に対し、第2特別図柄始動手段63の開放時間を延長開放時間(4000ms)に変更したのが第2有利状態であり、更にその第2有利状態に対し、第1,第2特別図柄の大当り確率を高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率を高確率(250/251)に夫々変更したのが第3有利状態である。そして上述したように、時短抽選は通常状態中にのみ行われ、第1~第3有利状態中には行われない。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1有利状態は、時短抽選を行うか否かが異なる以外は実質的に同じであると言える。
【0045】
また図11より明らかなように、通常状態中及び第1有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、通常状態中及び第1有利状態中については、遊技状態が変化しても入賞困難性が変化しない第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。
【0046】
一方、第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中及び第1有利状態中は主として第1特別図柄表示手段83が変動し、第2,第3有利状態中は主として第2特別図柄表示手段84が変動することになる。このように、通常状態中に第2特別図柄表示手段84が変動することは殆どないため、第2特別図柄表示手段84の変動に関して時短抽選が行われることも殆どない。なお、第2特別図柄表示手段84に関しては遊技状態に拘わらず時短抽選を行わないようにしてもよい。
【0047】
また、第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の変動時には、これと並行して液晶表示手段66上で演出図柄88による図柄変動表示が行われる。演出図柄88は、図5に示すように、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部88aと、この図柄本体部88aに付随するキャラクタその他の装飾部88bとの結合で構成されている。なお演出図柄88は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部88bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0048】
演出図柄88は、第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が、抽選により決定された態様となるように第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄88では、有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が時短演出態様又ははずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が大当り態様、時短態様、はずれ態様となる場合、演出図柄88は夫々大当り演出態様、時短演出態様、はずれ演出態様となる。
【0049】
また、第1,第2特別図柄始動手段62,63への入賞時に取得された第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶され、第1,第2特別図柄の変動が可能になった時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
【0050】
保留記憶されている第1,第2特別乱数情報の個数(第1,第2特別保留個数)は、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。液晶表示手段66には、図5に示すように、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zを表示可能となっている。即ち、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段83,84による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0051】
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、大入賞ユニット49に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段83,84の第1,第2特別図柄が変動後に大当り態様で停止した場合に発生する特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
特別利益状態における大入賞手段64の開放パターンは、大入賞手段64を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を3R,10R等の所定ラウンド数行うように構成されており、本実施形態では、第1,第2特別図柄の何れが大当り態様となった場合でも、その大当り態様の種類(A1,A2)に拘わらず10R開放パターンが選択されるようになっている(図13(a))。
【0053】
また、遊技領域23内には、普通入賞ユニット50等に複数の普通入賞手段65が配置されている。普通入賞手段65は、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段で、入賞した遊技球を検出する遊技球検出スイッチ(図示省略)を備えており、遊技球が入賞すると、一入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
【0054】
なお、上述した第1,第2特別図柄始動手段62,63、大入賞手段64、普通入賞手段65等の入賞手段に入賞した遊技球は、夫々遊技球検出スイッチにより検出された後、遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。また、何れの入賞手段にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23内に配置されている一又は複数のアウト口90から遊技盤16の裏側を経て遊技機外に排出される。
【0055】
また図7等に示すように、遊技盤16の裏側には、大入賞手段64等の入賞手段やアウト口90等を覆う裏装着体91が配置されている。この裏装着体91は、裏取付台92と集球ケース93とで構成されている。裏取付台92には、その背壁92a側で且つ中央表示枠ユニット47の表示窓47aの後方に対応する位置に液晶表示手段66が着脱自在に装着され、また遊技盤16のベース板45と背壁92aとの間には盤可動演出手段67(図5)が配置されている。
【0056】
集球ケース93は、大入賞手段64等の入賞手段に入賞し、或いはアウト口90を通過して遊技盤16の裏側に案内されてきた遊技球を受けて下流側に排出するためのもので、図7に示すように裏取付台92の下部側を覆うように配置され、その底壁93aの所定位置、例えば左右方向略中央における前部側に、集球した遊技球を下側に排出する排出口94が形成されている。
【0057】
また裏装着体91の背面側には、図7図8等に示すように、主制御基板ケース102、演出基板ケース106等が着脱自在に装着されている。主制御基板ケース102は、裏装着体91の下部側、即ち集球ケース93の後側に配置されており、その内部には、主制御基板101が、主要電子部品が装着される第1面101aを後側に向けた状態で収容されている。演出基板ケース106は、液晶表示手段66の後側に対応して主制御基板ケース102の上側に配置されており、その内部には、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104及び液晶制御基板105が、何れも主要電子部品が装着される第1面103a,104a,105aを後側に向けた状態で収容されている。
【0058】
主制御基板101は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、図6図8図9等に示すように、第1面101aにおける下部側で且つ開閉端側、即ち背面視における左下部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)にRAMクリアスイッチ107が配置されている。RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)107は、電源投入時にRAMクリアを行う場合に操作するもので、主制御基板ケース102の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。なお、前枠3が閉状態のとき、RAMクリアスイッチ107は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0059】
また演出インターフェース基板103には、図6に示すように、第1面103a側の所定位置、例えば前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置に、音量設定つまみ108が配置されている。音量設定つまみ108は、ホール担当者が音量に関する選択操作を行うためのもので、複数段階(ここではホール設定値T0~T9に対応する10段階)に切り換え可能なロータリースイッチにより構成されており、演出基板ケース106の外側から回転操作可能となっている。なお、前枠3が閉状態のとき、音量設定つまみ108は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0060】
また前枠3の裏側には、図6図7等に示すように遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う背面カバー110が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク111及び第1タンクレール112aが、左右一側に第2タンクレール112b、払い出し手段32及び払出通路113が夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞手段に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク111内の遊技球を第1,第2タンクレール112a,112b経由で払い出し手段32により払い出し、その遊技球を払出通路113経由で上皿33に案内するようになっている。
【0061】
背面カバー110は、透明な合成樹脂製で、左右方向一端側、例えば右端側(背面視では左端側)に縦軸のヒンジ114が、左右方向他端側、例えば左端側(背面視では右端側)には、閉状態で固定するための一又は複数のラッチ手段115が夫々配置されており、閉状態では、演出基板ケース106の略全体と主制御基板ケース102の上部側の一部分とを後側から覆うようになっている。主制御基板101に設けられたRAMクリアスイッチ107は、背面カバー110の外側(下側)に配置されており、背面カバー110を閉じたままで操作可能となっている。また、演出インターフェース基板103に設けられた音量設定つまみ108は背面カバー110の内側に配置されているが、背面カバー110には、音量設定つまみ108の後側に対応して開口部110aが形成されており、この開口部110aにドライバー等の工具を差し込むことにより、背面カバー110を閉じたままでも音量設定つまみ108を操作することが可能となっている。もちろん、背面カバー110を開放した状態であれば工具を使用することなく音量設定つまみ108を操作可能である。
【0062】
また図6図10に示すように、前枠3の裏側下部、即ち下部装着部15の裏側には基板装着台121が配置されており、この基板装着台121の背面側に、電源ユニット122を構成する部品群の一つである電源基板123を収容する電源基板ケース124、払出発射制御基板125を収容する払出発射基板ケース126が夫々着脱自在に装着されている。なお、基板装着台121の前面側には、遊技盤16の裏側に案内された遊技球を機外に排出するための球排出通路127が例えば一体に設けられている。球排出通路127は、上流端側の流入口127aが集球ケース93側の排出口94に対して下側から連通し、下流端側の流出口127bが、基板装着台121の下端部前側で下向きに開口している。
【0063】
電源基板ケース124と払出発射基板ケース126は、前後に重なった状態で、主制御基板ケース102の下側近傍に配置されており、電源基板ケース124が基板装着台121の背面側に着脱自在に装着され、その電源基板ケース124の背面側に払出発射基板ケース126が着脱自在に装着されている。なお、払出発射基板ケース126は電源基板ケース124ではなく基板装着台121等に固定してもよい。
【0064】
電源基板123は、バックアップ電源を有しておらず、また電源がOFFになった際の電源異常信号に関する判断及び出力の機能を有していないなど、遊技の結果に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を一切有しておらず、その他の各基板及び部品等へ電源を供給又は停止する機能のみを有している。このように、電源基板123は、電源ユニット122を構成する部品群のうちの一部品に過ぎないため、会社名、基板番号等よりなる基板識別情報を刻印する必要がなく、従ってグループ会社等の間で共通に使用することが可能である。
【0065】
なお、バックアップ電源については、電源基板123と主制御基板101との間を中継する中継基板や払出発射制御基板125等に設けることが可能であるが、主制御基板101には設けることはできない。主制御基板101単体で遊技状態に関する情報をバックアップ可能にすると、不正行為が容易になる可能性があるためである。電源異常信号に関する判断及び出力を行う機能については、中継基板、払出発射制御基板125等の他、主制御基板101に設けることも可能である。
【0066】
電源基板123は、前枠3の左右方向中央を挟んで開閉端側とヒンジ端側とに跨がる横長略矩形状で、主要電子部品が装着される第1面123aを後側に向けた状態で電源基板ケース124に収容されており、その第1面123aにおける上部側で且つ前枠3における開閉端側、即ち背面視における左上部(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、電源スイッチ128が電源基板ケース124の外側から操作可能な状態で配置されている。
【0067】
電源スイッチ(電源操作部)128は、電源のON/OFF操作を行うためのもので、図6図8図10に示すように、電源ON部128aと電源OFF部128bとを有するとともに電源ON部128aを押し込んだときには電源OFF部128bが突出し(電源ON状態)、電源OFF部128bを押し込んだときには電源ON部128aが突出する(電源OFF状態)、いわゆるロッカースイッチ(シーソースイッチ)により構成されており、電源OFF部128bに対して電源ON部128aが下側となるように配置されている。これにより、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突したとしても、それによって電源がOFFになってしまう可能性を極力小さくできる。なお、前枠3が閉状態のとき、電源スイッチ128は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0068】
また、電源基板123の第1面123aにおける電源スイッチ128の近傍、例えば下側には、電源ハーネス129を接続するための電源コネクタ130が、電源基板ケース124から後向きに露出している。電源ハーネス129は、電源基板123を外部電源(24V)に接続するためのもので、図6図10に示すように、一端側に電源プラグ129aが設けられ、他端側の接続コネクタ129bが電源基板123の電源コネクタ130に接続されている。
【0069】
電源ハーネス129は、電源基板123との接続部(電源基板123の背面視における左端部)から前枠3の背面側におけるヒンジ端側上部まで、前枠3の背面側で所定の配線経路131に沿って案内されている。この配線経路131は、電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に配設される第1配線経路131aと、前枠3のヒンジ端側に沿って上下方向に配設される第2配線経路131bとを備えている。電源ハーネス129は、第1配線経路131aについては第1案内手段132により案内され、第2配線経路131bについては第2案内手段133により案内されている。
【0070】
第1案内手段132は、電源基板ケース124の下縁側に沿って左右方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは4個)の係止具132a~132dにより構成されている。係止具132a~132dは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、基板装着台121の背面側に一体に形成され、或いは基板装着台121に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第1案内手段132により、球排出通路127の流出口127bを避けつつ電源基板ケース124の下側に沿って左右方向に案内されている(第1配線経路131a)。
【0071】
第2案内手段133は、前枠3のヒンジ端側縁部に沿って上下方向に所定間隔を空けて配置される複数(ここでは5個)の係止具133a~133eにより構成されている。係止具133a~133eは、電源ハーネス129を係止可能なフック状、その他の任意の形状に形成されており、内枠6を構成する枠部13の背面側に一体に形成され、或いは枠部13に対して着脱自在に装着されている。電源ハーネス129は、この第2案内手段133により、外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aの内面側に沿って上下方向に案内され(第2配線経路131b)、最上部の係止具133eにより構成される引き出し部134から上向きに引き出されている。これにより、前枠3を開いたときに電源ハーネス129が外枠2と前枠3との間に挟まれることがなく、前枠3の開閉動作をスムーズに行うことが可能となる。なお、第2案内手段133を構成する複数(5個)の係止具133a~133eのうち、最下部の係止具133aは主制御基板101よりも下側に配置され、最上部の係止具133eは演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に配置されている。
【0072】
以上のように、電源ハーネス129は、第2配線経路131bにおいて、外枠2を構成する金属製(導電性)の縦枠材2aに沿って配置されるとともに、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2配線経路131bとの間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。
【0073】
また、第1配線経路131aについても、CPUを搭載した複数の制御基板の間、例えば主制御基板101と払出発射制御基板125との間に配線されることなく、それら制御基板よりも下側に配置されている。即ち、電源ハーネス129の配線経路131は、CPUを搭載した複数の制御基板の間に配設されることなく、即ち第1配線経路131aは全ての制御基板よりも下側に、第2配線経路131bは全ての制御基板よりもヒンジ端側に配設されることにより、電源基板123との接続部から前枠3の背面側におけるヒンジ部側上部の引き出し部134に至るように配置されているため、電源ハーネス129からのノイズによる各制御基板への悪影響を効果的に排除することが可能となっている。
【0074】
また、電源ハーネス129は背面カバー110の外側に配設されると共に、主制御基板101はもちろん、演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側の引き出し部134から引き出されているため、電源ハーネス129が各制御基板に当接又は近接してしまうこともない。
【0075】
払出発射基板ケース126は、上述したように電源基板ケース124の後側に配置されているが、図6図8図10に示すように、電源スイッチ128の後側に重ならないように、背面視における左端側(前枠3における開閉端側)が、電源基板ケース124に対して背面視における右側(前枠3におけるヒンジ端側)に若干ずれた状態で配置されている。なお、払出発射制御基板125及び払出発射基板ケース126は、電源基板123及び電源基板ケース124よりも左右方向に短いため、払出発射基板ケース126を装着した状態でも、電源基板123及び電源基板ケース124の左端側(背面視における右端側)の一部が後側から視認可能となっている。
【0076】
また払出発射制御基板125の第1面125aには、前枠3における開閉端側、即ち背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に、エラー表示手段141とエラー解除ボタン(エラー解除操作部)142とが配置されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー表示手段141及びエラー解除ボタン142は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0077】
エラー表示手段141は、複数種類のエラー状態の何れかが発生した場合にその種類を報知するためのもので、複数(ここでは3個)の第1~第3LED141a~141cで構成されている。このエラー表示手段141では、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの3種類のエラー状態を報知対象としており、球計数スイッチ断線エラーの場合には第1LED141aを、払出不足エラーの場合には第2LED141bを、球計数スイッチエラーの場合には第3LED141cを、夫々点灯させるようになっている(図15)。もちろん、エラー表示手段141は7セグLED等で構成してもよい。なお、各エラー状態の内容等については後述する。
【0078】
エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143に表示されている。エラー報知情報シール143は、図8等に示すように、払出発射基板ケース126の背面側で且つ背面視における左端側(前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置)に貼付されている。なお、前枠3が閉状態のとき、エラー報知情報シール143は外枠2の後縁側よりも後側に位置している。
【0079】
エラー解除ボタン142は、特定のエラー状態を解除する場合に操作するもので、払出発射基板ケース126の外側から押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。本実施形態では、上述した払出不足エラー、球計数スイッチエラーを解除するためのエラー解除条件(特定エラー解除条件)に、エラー解除ボタン142の操作が含まれている(図15)。エラー解除条件の詳細については後述する。
【0080】
以上のように、前枠3の背面側には、RAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142、音量設定つまみ108等の操作手段や、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143等の表示手段が配置されている。以下、これら前枠3の背面側に配置された操作手段、表示手段に関連する事項について説明する。
【0081】
<RAMクリア処理について>
本パチンコ機では、主制御基板101が遊技進行を統括的に制御するようになっており、遊技状況を示す各種遊技情報は、主制御基板101に設けられるRAMの所定領域に記憶される。そして、遊技ホールの営業終了や停電等によって電源の供給が停止した場合(電源OFF時)には、バックアップ電源からの給電により、RAMの記憶内容は一定時間保持されるようになっている。その後、RAMクリアスイッチ107がOFFのままで電源の供給が再開された場合(電源ON時)には、RAMに保持されている遊技情報に基づいて、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態から遊技が再開される(バックアップ復帰)。
【0082】
これに対し、RAMクリアスイッチ107をONにした状態で、電源スイッチ128をOFFからONに切り替えた場合には(以下、RAMクリア起動操作という)、RAMの所定領域が強制的にクリアされ、電源供給停止(電源OFF)直前の遊技状態に拘わらず初期状態から遊技が開始される。
【0083】
このように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、RAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作する必要がある。
【0084】
<払出制御に関連するエラーとその解除方法について>
図15は、払出制御に関連する複数種類のエラーについて、その概要、エラー表示方法及びエラー解除方法を示したものである。球詰まりエラーは、下皿34に球が詰まった場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、下皿34の球を抜くことによってエラーが解除される。補給切れエラーは、遊技球タンク111内の遊技球が不足した場合のエラーで、液晶表示手段66によりエラー表示が行われ、遊技球タンク111に遊技球を補給することによってエラーが解除される。
【0085】
球計数スイッチ断線エラーは、球計数スイッチが断線した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第1LED141aが点灯することによりエラー表示が行われ、球計数スイッチを正常な状態に戻すことによってエラーが解除される。なお、球計数スイッチ(図示省略)は、払い出し手段32から払い出された遊技球の個数を計数するためのもので、払い出し手段32の下流側に配置されている(図示省略)。
【0086】
払出不足エラーは、払出不足個数(払い出すべき個数に対して実際に払い出された個数の不足分)が所定個数(例えば2個)以上の払い出し動作が所定時間(例えば300000.4ms≒5分間)内に所定回数(例えば2回)発生した場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第2LED141bが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0087】
球計数スイッチエラーは、払い出し手段32の払い出しモータ未作動時における検出個数及び過剰払い出し時の検出個数が所定個数(例えば25個)となった場合のエラーで、エラー表示手段141を構成する第3LED141cが点灯することによりエラー表示が行われ、エラー解除ボタン142が操作されてONとなることによって払い出し手段32の払い出しモータがイニシャライズされ、それによって正常動作が確認された場合(エラー解除ボタン142が操作されることを含む特定エラー解除条件を満たす場合)にエラーが解除される。
【0088】
このように、球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー、球計数スイッチエラーの発生に関してホール担当者が確認を行う場合には、施錠手段5を解除して前枠3を開放し、エラー表示手段141の点灯状態を見て判断する必要がある。なお、エラー表示手段141の点灯状態とエラーの種類との関係は、エラー表示手段141の近傍に配置されたエラー報知情報シール143により確認可能である。また、エラー表示手段141によって払出不足エラー、球計数スイッチエラーの何れかであることが確認された場合、ホール担当者は、前枠3を開放したままエラー解除ボタン142を操作することによってエラーを解除することが可能である。
【0089】
<音量調整操作について>
本パチンコ機では、前枠3の裏側に配置された音量設定つまみ108の設定と、前枠3の前側に配置された音量調整操作部37による音量調整操作とに基づいて、音量を複数段階、例えばV0(無音)からV7(最大音量)までの8段階の何れかに設定可能となっている。
【0090】
図16は、音量設定つまみ108によるT0~T9の10段階の設定と、音量調整操作部37によるM1~M5の5段階の設定とに対応する音量の一例を示している。音量設定つまみ108の設定がT0~T3の何れかである場合、音量は夫々V0~V3に固定され、音量調整操作部37による音量調整はできないようになっている。また、音量設定つまみ108の設定がT4~T9の何れかである場合、音量調整操作部37による音量調整可能範囲は何れもV3~V7で共通であるが、初期設定値が異なっている。特に音量設定つまみ108による設定がT4~T7の範囲では、初期設定値が夫々V4~V7となっている。これにより、音量設定つまみ108の設定がT0~T7の範囲では、その設定段階が高いほど音量の初期設定値が高くなる。
【0091】
このように本パチンコ機では、音量をV0~V3の何れかに固定したい場合や、遊技者による音量調整を許容しつつ初期設定値をV3~V7の何れかに設定したい場合、ホール担当者は施錠手段5を解除して前枠3を開放した上で、背面カバー110を開放して、或いは背面カバー110を閉じたまま開口部110aからドライバー等の工具を挿入することによって音量設定つまみ108を回転操作する必要がある。
【0092】
以上説明したように、ホール担当者がRAMクリア起動操作を行う場合、所定エラーの確認とその解除操作を行う場合、遊技ホール側の音量設定を行う場合などは、前枠3を開放してその背面側で所定の操作を行い、或いは所定箇所の表示内容を視認する必要がある。一方、本パチンコ機のように、前枠3に前側に大きく突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を備えている場合には、前枠3を大きく開放するとその突出部分が隣の遊技機に接触して破損してしまう可能性があるため、RAMクリア起動操作等の作業を行う場合であっても前枠3を大きく開放することはできない。
【0093】
その点、本パチンコ機では、前枠3を隣の遊技機に接触しない程度に開放した状態でも前枠3の裏側での作業を効率的に行うことが可能となっている。以下、対象とする作業毎に最低限必要な前枠3の開放状態(開放角度)について説明する。なお、以下の説明では、発射ハンドル39よりも前側に突出する部分(枠第1可動体26、枠第2可動体27、下部前面ユニット31等)を「突出部」とし、それ以外の部分(非突出部)と区別する。前枠3を開放する場合には隣の遊技機との位置関係が問題となるが、発射ハンドル39よりも突出量が小さい非突出部については、前枠3を大きく開放した場合でも、隣の遊技機の発射ハンドル、その他の部分との接触が問題となることは殆どないからである。
【0094】
<RAMクリア起動操作を行う場合の前枠3の開放状態>
RAMクリア起動操作は、上述したようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とを同時に操作することにより行われる。本実施形態では、それらRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128は、何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されており、しかも両者は片手で同時に操作できる程度に互いに接近した位置に配置されている。即ち図8図9等に示すように、RAMクリアスイッチ107が設けられる主制御基板101と、電源スイッチ128が設けられる電源基板123とは上下に隣接して配置されており、しかもRAMクリアスイッチ107は主制御基板101の背面視における左下部に、電源スイッチ128は電源基板123の背面視における左上部に設けられている。
【0095】
また、RAMクリア起動操作が可能となるのは、前枠3を閉状態から徐々に開放し、図17に示すようにRAMクリアスイッチ107と電源スイッチ128とが共に外枠2の前縁よりも前側に達することにより、外枠2と前枠3との間からそれらを視認可能且つ操作可能となったときである(第1開放状態)。図17に示す第1開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図17に示す第1開放状態では、前枠3の開放角度は約21度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約21度で鋭角となっている。真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が90度を超えて鈍角になる等、隣の遊技機に接触する程度まで前枠3を開放した場合、鍵穴5aから専用鍵を抜き取る際には隣の遊技機に接触しないよう配慮する必要があるが、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度が鋭角であれば、そのような配慮をすることなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0096】
<エラー解除操作を行う場合の前枠3の開放状態>
払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合に、それらを解除するにはエラー解除ボタン142を操作する必要がある(図15)。本実施形態では、エラー解除ボタン142は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図8図10等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図18に示すようにエラー解除ボタン142が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー解除ボタン142は外枠2と前枠3との間から視認可能且つ操作可能となる(第2開放状態)。図18に示す第2開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図18に示す第2開放状態では、前枠3の開放角度は約22.3度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.3度で鋭角であるから、上述したように隣の遊技機に接触しないよう配慮することなく鍵穴5aから専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0097】
<エラーの確認を行う場合の前枠3の開放状態>
球計数スイッチ断線エラー、払出不足エラー又は球計数スイッチエラーが発生した場合には、エラー表示手段141によりエラーの種類を確認することができる(図15)。また、エラー表示手段141の点灯態様とエラー状態との対応関係については、払出発射基板ケース126に貼付されたエラー報知情報シール143により確認することができる。本実施形態では、エラー表示手段141、エラー報知情報シール143の何れも前枠3の背面側における開閉端寄りの位置に配置されている(図8図10等)。
【0098】
そして、前枠3を徐々に開放し、図19に示すようにエラー表示手段141が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー表示手段141は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第3開放状態)。またそこから更に前枠3を開放し、図20に示すようにエラー報知情報シール143の略全体が外枠2の前縁よりも前側に達したときに、このエラー報知情報シール143は外枠2と前枠3との間から視認可能となる(第4開放状態)。
【0099】
図19図20に示す第3,第4開放状態では、突出部(枠第1可動体26等)は、第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図19に示す第3開放状態では、前枠3の開放角度は約22.7度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約22.7度で鋭角であり、また図20に示す第4開放状態では、前枠3の開放角度は約30.2度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約30.2度で鋭角であるから、何れの場合も、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0100】
<遊技ホール側の音量設定を行う場合の前枠3の開放状態>
遊技ホール側の音量設定値であるT0~T9を変更するには音量設定つまみ108を操作する必要がある。本実施形態では、音量設定つまみ108は前枠3の背面側における開閉端寄りの位置、即ち開閉端側近傍に配置されている(図6等)。そして、前枠3を徐々に開放し、図21に示すように音量設定つまみ108の後方への延長線が平面視で外枠2よりも左右方向外側に達したとき、背面カバー110を閉じたまま、開口部110aから工具を挿入して音量設定つまみ108を容易に操作可能な状態となる(第5開放状態)。図21に示す第5開放状態では、突出部(ここでは枠第1可動体26)は第1ヒンジ4よりも(もちろん外枠2の側面よりも)左右方向内側(ここでは右側)に位置しているため、隣の遊技機に接触する虞はない。なお、図21に示す第5開放状態では、前枠3の開放角度は約32度で、真正面に対する鍵穴5aの傾斜角度も同じく約32度で鋭角であるから、解錠のために鍵穴5aに差し込んだ専用鍵を容易に抜き取ることができ、効率よく作業することができる。
【0101】
以上のように、本実施形態では第1~第5開放状態の開放角度が何れも45度未満となっている。前枠3の開放角度が45度未満であれば、本パチンコ機の場合はもちろん、突出部の形状が異なる遊技機であっても、隣の遊技機に接触する可能性は極めて低い。従って、遊技ホール関係者は、前枠3を開放してRAMクリア起動操作その他の作業を行う場合には、前枠3の開放角度を必要最小限(第1~第5開放状態)にするか、最大でも45度を超えないように配慮するだけで、隣の遊技機との接触を防止することが可能である。
【0102】
続いて、本パチンコ機の遊技進行について具体的に説明する。上述したように、本パチンコ機では、遊技状態として通常状態と第1~第3有利状態とが設けられている(図11)。通常状態では、第1,第2特別図柄の大当り確率が低確率(1/319)に、普通図柄の当り確率が低確率(100/251)に、普通図柄の変動時間が通常(非短縮)変動時間(5秒)に、第2特別図柄始動手段63の開放時間が通常(非延長)開放時間(80ms)に夫々設定される。また、時短抽選はこの通常状態中にのみ行われ、有利状態中には行われない。
【0103】
その通常状態に対し、第1有利状態は、普通図柄の変動時間が短縮変動時間(4.9秒)に設定され、時短抽選は行われないという点のみが異なっている。またその第1有利状態に対し、第2有利状態は、第2特別図柄始動手段63の開放時間が延長開放時間(4000ms)に設定される点のみが異なっている。更にその第2有利状態に対し、第3有利状態は、第1,第2特別図柄の大当り確率が高確率(1/32)に、普通図柄の当り確率が高確率(250/251)に夫々設定される点のみが異なっている。なお、普通図柄の変動時間については、通常(非短縮)変動時間(5秒)と短縮変動時間(4.9秒)の差は僅かであり、遊技者がその違いを見分けることは困難である。従って、通常状態と第1遊技状態とは、時短抽選を行うか否かという点以外は実質的に同じであると言える。
【0104】
また本パチンコ機では、通常状態が初期状態となっているため、RAMクリア時(RAMクリア起動操作が行われた場合)はこの通常状態から遊技が開始される(図14)。この通常状態では、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が僅か(80ms)であるため、遊技者が普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙って遊技球を発射し、普通利益状態を発生させたとしても第2特別図柄始動手段63に入賞させることは困難である。従って遊技者は、この通常状態中については、第1特別図柄始動手段62を狙っていわゆる左打ちをすることが望ましい。これにより、通常状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第1特別図柄が変動する。
【0105】
この通常状態中は、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図12)。時短抽選で当選すると、第1特別図柄は時短態様B1,B2の何れかで停止する(図13(b))。そして、第1特別図柄が時短態様B1となった場合(振分率10/100)にはその時点で第2有利状態に移行し(図14のS1)、その後、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図14のS2)。
【0106】
一方、第1特別図柄が時短態様B2となった場合(振分率90/100)にはその時点で第1有利状態に移行する(図14のS3)。この第1有利状態は、第1,第2特別図柄の変動回数が第2所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(b))、それまでには第1特別図柄が大当りとなる可能性が高いから(大当り確率1/319)、この変動回数の制限によって第1有利状態が終了する可能性は極めて低い。なお、上述したようにこの第1有利状態は、実質的には時短抽選が行われないだけの通常状態である。
【0107】
以上のように、RAMクリア時には通常状態で遊技が開始され、当選確率約1/30の時短抽選が行われ、これに当選した場合には、振分率10/100で第2有利状態に移行し、振分率90/100で第1有利状態(時短抽選を行わない実質的な通常状態)に移行する。このように本パチンコ機では、RAMクリア時には、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益を遊技者に付与することができる。これにより、遊技ホール側がRAMクリアして営業を開始することで、意図的に遊技者に対して時短抽選が行われる通常状態で遊技を開始させることができる。なお、電断時には、通常状態ではなく第1有利状態となっている可能性が高いことから、遊技ホール側がRAMクリアすることなく営業を開始した場合の多くは第1有利状態で遊技が開始され、遊技者は上述の特別な利益を享受することはできない。
【0108】
通常状態中、時短抽選で当選するよりも前に第1特別図柄が大当り態様となった場合には、その大当り態様の種類に応じて、特別利益状態が発生するとともに、その終了後に所定の有利状態に移行する(図13(a))。本実施形態では、特別利益状態については大当り態様の種類に拘わらず10R開放パターンで大入賞手段64が開放される。そしてその後の移行先(有利状態)は、大当り態様A1(振分率60/100)の場合には第3有利状態(図14のS4)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合には第2有利状態(図14のS5)となっている。
【0109】
また、通常状態から移行した第1有利状態中については、時短抽選が行われない点を除いて通常状態中と同様に遊技が進行する。そして、第1特別図柄が大当り態様となった場合には、通常状態中と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に(図14のS6)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に(図14のS7)夫々移行する。
【0110】
第2,第3有利状態中については、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開放時間が長くなって(4000ms)入賞が容易となるため(図11)、遊技者は普通図柄始動手段61及び第2特別図柄始動手段63を狙っていわゆる右打ちをすることが望ましい。従ってこの第2,第3有利状態中は、第1,第2特別図柄のうち、主に第2特別図柄が変動する。
【0111】
なお、第1特別図柄が大当り態様A2となって第2有利状態に移行した場合は、時短抽選に当選して第2有利状態に移行した場合と同じく、第1,第2特別図柄の変動回数が第1所定回数(ここでは100回)に達した時点で通常状態に復帰する(図13(a))。一方、第1特別図柄が大当り態様A1となって第3有利状態に移行した場合は、第1,第2特別図柄の変動回数が第3所定回数(ここでは10000回)に達するまで継続するが(図13(a))、それまでには第2特別図柄が大当りとなる可能性が極めて高いから(大当り確率1/32)、この変動回数の制限によって第3有利状態が終了する可能性は極めて低い。
【0112】
第2有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第2特別図柄が大当り態様になることなく第1,第2特別図柄の変動回数が100回に達した場合には通常状態に移行し(図14のS2)、上述したRAMクリア時と同様、第1特別図柄始動手段62への遊技球の入賞に基づいて、低確率(1/319)での大当り抽選と併せて時短抽選(当選確率約1/30)が行われる(図11)。このように本実施形態では、図柄変動回数の制限(100回)によって第2有利状態を抜けた場合についても、RAMクリア時と同様、当選確率1/30の時短抽選を行い、その当選時には振分率10/100で第2有利状態に移行するという特別な利益が遊技者に付与される。
【0113】
一方、第2有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、第1特別図柄が大当り態様となった場合と同様、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は第3有利状態に移行し(図14のS8)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は再び図柄変動100回を限度とする第2有利状態が開始される(図14のS9)。
【0114】
また第3有利状態中は、第2特別図柄始動手段63への遊技球の入賞に基づいて、高確率(1/32)での大当り抽選が行われる(図11)。そして、第3有利状態中に第2特別図柄が大当り態様となった場合には、10R開放パターンの特別利益状態が発生し、その終了後に、大当り態様A1(振分率60/100)の場合は再び第3有利状態が開始され(図14のS10)、大当り態様A2(振分率40/100)の場合は第2有利状態に移行する(図14のS11)。
【0115】
このように本実施形態では、通常状態(初期状態)と複数種類の有利状態とを設け、通常状態中は時短抽選を実行し、それ以外の有利状態中は時短抽選を実行せず、複数種類の有利状態は、時短抽選を行うか否かという点を除いて実質的に通常状態と大差ない第1有利状態(特定有利状態)を含み、時短抽選に当選した場合には、所定の振分率で第1有利状態とその他の有利状態との何れかに移行するように構成されているため、RAMクリア起動操作を行った場合(即ち通常状態から遊技を開始する場合)に、バックアップ復帰の場合(即ち第1有利状態等、通常状態以外で遊技を開始する場合)と比べて特別な利益を遊技者に付与することができる。このように、遊技ホールが営業開始前に各遊技機に対してRAMクリアを行うか否かによって、営業開始時に時短抽選が行われる通常状態の可能性があるという期待感を遊技者に提供できる。本パチンコ機では、RAMクリア操作に関連する部材について上述のような構成を採用しているため、起動時のRAMクリア操作による遊技者への期待感付与の作業を効率的に行うことができる。
【0116】
図22図23は本出願の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源ハーネス129を第2配線経路131bに沿って案内するための第2案内手段133′を導電性部材で形成した例を示している。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なるのは第2案内手段133′(第1の実施形態では第2案内手段133)のみである。
【0117】
本実施形態の第2案内手段133′は、図22に示すように。外枠2におけるヒンジ側の縦枠材2aと、前枠3における第1タンクレール112a、払い出し手段32及び払出通路113との間に上下方向に配置されており、その下端側は主制御基板101よりも下側に、上端側は演出インターフェース基板103、液晶インターフェース基板104、液晶制御基板105等よりも上側に夫々位置している。この第2案内手段133′は、図23に示すように、板金(導電性部材)を曲げ加工することにより、左右一対の側壁133a′,133b′と背壁133c′とで前側が開放する断面略コの字型に形成され、前側を塞ぐように内枠6の背面側に着脱自在に装着されており、その内部に電源ハーネス129が挿通され、電源ハーネス129の先端側、即ち電源プラグ129a側がこの第2案内手段133′の上端側の引き出し部134から上向きに引き出されている。
【0118】
このように、電源プラグ129aを収容している第2案内手段133′は導電性で、その上端側の引き出し部134を含めて、主制御基板ケース102等を覆う背面カバー110の外側(ヒンジ側)に配置されており、またその背面カバー110と第2案内手段133′との間には第2タンクレール112b、払い出し手段32、払出通路113等が配置されることによって一定の距離が保たれているため、電源ハーネス129からのノイズによる主制御基板101等への悪影響を排除することが可能となっている。なお本実施形態では、第2案内手段133′だけでなく、第2配線経路131bに沿う外枠2の縦枠材2aについても導電性部材で構成しているが、外枠2の縦枠材2aについては導電性部材でなくてもよい。
【0119】
図24図25は本出願の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、電源スイッチ128の周囲に、電源スイッチ128の最大高さよりも高い周壁を設けた例を示している。
【0120】
本実施形態の電源基板ケース124には、図24図25に示すように、背面124a側に凹部151が形成されており、その凹部151内に電源スイッチ128が配置されている。この凹部151は、周壁152により周囲(上下左右)を取り囲まれることによって形成されている。なお、この周壁152の高さ(後端側の位置)は、電源スイッチ128における最大高さ(最後部の位置)と略同じかそれよりも大(後方)となっている。
【0121】
これにより、例えば前枠3の背面側の各部を手探りで探すような場合でも誤って電源スイッチ128を操作してしまう事態を防止できる。また、遊技球等の落下物が電源スイッチ128に衝突してON/OFFしてしまう可能性を極力排除できる。なお、周壁152は、電源スイッチ128の周囲の一部分、例えば上側と左右両側にのみ設けてもよい。
【0122】
続いて、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて詳述する。図26図32は本発明をパチンコ機に採用した第4の実施形態を例示している。図26において、遊技機本体501は、矩形状の外枠502と、この外枠502の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ503により開閉自在に枢着された前枠504とを備えている。前枠504には、遊技盤505等が上部側に、遊技盤505の前側の遊技領域505aに向けて遊技球を発射する発射手段506、下部スピーカSP1等が下部側にそれぞれ配置されると共に、遊技盤505等の前側に対応してガラス扉507が、発射手段506、下部スピーカSP1等の前側に対応して前面板508がそれぞれヒンジ503と同じ側のヒンジ509により開閉自在に枢支されている。なお、ガラス扉507と前面板508とを一つの扉体で構成することにより一体的に開閉可能としてもよい。
【0123】
ガラス扉507には、その略中央に、遊技領域505aに対応するガラス窓507aが設けられ、またそのガラス窓507aの周囲には、上部スピーカSP2、電飾装置510等の各種演出手段が配置されている。電飾装置510は、前面側にLED511aが配設されたLED基板511と、そのLED基板511の前側に配置された発光レンズ部512とを備えている。ガラス扉507の前面側には、上部スピーカSP2等を前側から覆う合成樹脂製のガラス枠カバー513が設けられており、そのガラス枠カバー513の少なくとも一部が、透光性を有する発光レンズ部512となっている。発光レンズ部512には、内部のLED基板511等を前側から見えにくくするとともにLED511aから発せられた光を適度に拡散させるべく、凹凸加工等の光拡散処理が施されている。
【0124】
前面板508の前側には、払い出し手段514(図27参照)から払い出された遊技球を貯留して発射手段506に供給するための上皿515が上部側に配置され、またその上皿515の下側には、例えば上皿515が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿516が左端側に、発射手段506を作動させるための発射ハンドル517が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿515等を前側から覆う上皿カバー518上には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン519等の各種操作手段が設けられている。なお、上皿カバー518上にも電飾手段を配置してもよい。
【0125】
遊技盤505の前面側には、発射手段506から発射された遊技球を案内するガイドレール520が環状に装着されると共に、そのガイドレール520の内側の遊技領域505aに、センターケース521、普通図柄始動手段522、特別図柄始動手段523、大入賞手段524、普通入賞手段525等の各種遊技部品が配置されている。
【0126】
センターケース521は、例えば遊技領域505aの略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段526に対応する略矩形状の表示窓527を備え、その表示窓527を取り囲む装飾枠528上に、普通図柄表示手段531、特別図柄表示手段532、普通保留個数表示手段533、第1特別保留個数表示手段534等の各種表示手段の他、ステージ535、可動演出手段536等が設けられている。
【0127】
ステージ535は、画像表示手段526の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース521の側部、例えば左側に設けられたワープ入口535aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
【0128】
可動演出手段536は、可動電飾装置540と、この可動電飾装置540を移動可能に支持する可動体案内手段541と、可動電飾装置540を駆動する駆動手段542とを備えている。可動電飾装置(電飾装置)540は、左右方向の横長状に形成され、その前面側には任意の装飾(ここでは当該遊技機のタイトルである「カッパ伝説」の文字)が例えば立体的に形成されており、内部に配置されたLED573が点灯することによって所定部位(ここでは「カッパ伝説」の文字部分)が任意色で発光するようになっている。この可動電飾装置540の詳細については後述する。
【0129】
可動体案内手段541は、可動電飾装置540を画像表示手段526の表示画面526aの前面側に沿って所定方向(ここでは上下方向)に移動可能な状態で支持するもので、画像表示手段526の表示画面526aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール543を備え、それら各案内レール543によって可動電飾装置540の左右両端部が上下方向移動可能に支持されている。この可動体案内手段541により、可動電飾装置540は、画像表示手段526の上側の上部位置と、画像表示手段526の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は原点位置である上部位置に保持されている。
【0130】
駆動手段542は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠528の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動電飾装置540を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
【0131】
普通図柄始動手段522は、普通図柄表示手段531による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、センターケース521の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
【0132】
普通図柄表示手段531は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段522が遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段522による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合にははずれ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
【0133】
普通図柄始動手段522による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄表示手段531による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段533等によって遊技者に報知される。
【0134】
特別図柄始動手段523は、特別図柄表示手段532による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの始動入賞手段523a,523bと、下始動入賞手段523bを開閉する開閉手段546と、始動入賞手段523a,523bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース521の下側に配置されている。上始動入賞手段523aは開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段で、ステージ535の中央落下部の真下に上向き開口状に配置されている。下始動入賞手段523bは、開閉手段546により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、上始動入賞手段523aの下側に配置されており、普通図柄表示手段531の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段546が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0135】
特別図柄表示手段532は、特別図柄を変動表示するためのもので、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段523が遊技球を検出した場合(図柄始動条件が成立した場合)、即ち上下2つの始動入賞手段523a,523bの何れかに遊技球が入賞した場合に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段523a,523bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、一致しない場合には例えばはずれ態様で停止するようになっている。
【0136】
特別図柄始動手段523への遊技球入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別図柄表示手段532による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(特別保留個数)は、第1特別保留個数表示手段534、後述する第2特別保留個数表示手段549等によって遊技者に報知される。
【0137】
大入賞手段524は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板547を備えた開閉式入賞手段で、例えば特別図柄始動手段523の下側に配置されており、特別図柄表示手段532の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板547が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0138】
また画像表示手段526は、演出図柄表示手段548、第2特別保留個数表示手段549等を構成している。演出図柄表示手段548は、特別図柄表示手段532による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄Pを変動表示するものである。演出図柄Pは、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(図26の例では左右方向に3つ)備えており、特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。なお演出図柄Pでは、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外がはずれ演出態様となっており、特別図柄が大当り態様、はずれ態様となる場合には演出図柄Pは大当り演出態様、はずれ演出態様となる。
【0139】
第2特別保留個数表示手段549は、特別保留個数を報知するためのもので、特別保留個数分(最大4個)の保留表示画像Q4~Q1と、変動中の演出図柄Pに対応する変動中保留画像Q0とを表示画面526aの所定位置、例えば下部側に表示可能となっている。第2特別保留個数表示手段549は、特別図柄始動手段523への遊技球の入賞によって特別保留個数が増加した場合には、保留表示画像Q1~を待ち行列の最後尾(例えば左端側)に1個追加表示し、特別図柄の新たな変動が開始して特別保留個数が減少した場合には、例えば変動中保留画像Q0を消去すると共に、保留表示画像Q1~を待ち行列の前側(例えば右側)に向けて1個分ずつシフトし、押し出された先頭の保留表示画像Q1を新たな変動中保留画像Q0に変化させるようになっている。
【0140】
また、遊技盤505上には、可動演出手段536の他にも、センターケース521等の各種遊技部品に電飾装置550が配置されている。電飾装置550は、前面側にLED551aが配設されたLED基板551と、そのLED基板551の前側に配置された発光レンズ部552とを備えている。発光レンズ部552は、装飾枠528の少なくとも一部に設けられた透光部により構成されている。発光レンズ部552には、内部のLED基板551等を前側から見えにくくするとともにLED551aから発せられた光を適度に拡散させるべく、凹凸加工等の光拡散処理が施されている。
【0141】
図27は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図27において、主制御基板561は遊技動作を統括的に制御するもので、遊技盤505上の普通図柄始動手段522、特別図柄始動手段523、大入賞手段524、普通入賞手段525、普通図柄表示手段531、特別図柄表示手段532、普通保留個数表示手段533、第1特別保留個数表示手段534等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板561からの制御コマンドに基づいて画像表示手段526による画像表示、スピーカSP1,SP2による音声出力、電飾装置510,540,550による発光、駆動手段542による可動体駆動等の演出制御を行うサブ制御基板562、主制御基板561からの制御コマンドに基づいて払い出し手段514を制御する払出制御基板563、この払出制御基板563からの発射制御信号等に基づいて発射手段506を制御する発射制御基板564等が接続されている。
【0142】
続いて、図28図32等を参照しつつ可動電飾装置540の構成について説明する。可動電飾装置540は、図28図31等に示すように、前カバー体571と、ベース体572と、複数のLED(光源)573が配置されたLED基板574とで構成されている。前カバー体571は、透光性を有する合成樹脂製で、前面板575と、この前面板575の外周に沿って後向きに延設された外周板576とを一体に備えている。前カバー体571の前面板575には、例えば横書きのゴシック体による「カッパ伝説」の文字列に対応する文字領域を除き、前面側に非透光処理が施されており(非透光部577)、これによって前面板575に「カッパ伝説」の横書き文字列を構成する透光文字部(透光部)578が形成されている。この透光文字部578は、図28に示すように、非透光部577により互いに分離された複数(ここでは14個)の透光領域578a~578nで構成されている。例えば「カ」の文字は一つの透光領域578aで構成され、「ッ」の文字は三つの透光領域578b~578dで構成されている。
【0143】
なお、非透光部577を形成するための非透光処理は、メッキ処理、非透光性シートの貼付等、任意である。また非透光部577は、完全な非透光性が要求されるものではなく、透光文字部578に比べて光の透過率が十分に小さければよい。また非透光処理は前カバー体571の外周板576の外面側にも施すことが望ましい。
【0144】
前カバー体571の前面板575は、透光文字部578を構成する「カッパ伝説」の横書き文字列の外形に沿ってそれよりも一回り大きな横長形状に形成されるとともに、透光文字部578を構成する各文字の外周に沿って略一定幅の非透光縁取り部577aが前向き突出状に形成されている。本実施形態ではこの非透光縁取り部577aから外側が非透光部577、非透光縁取り部577aよりも内側が透光文字部578となっている。なお、非透光縁取り部577aは、必ずしも前向き突出状に形成する必要はなく、その他の非透光部577と同じ厚さに形成してもよい。
【0145】
また図31に示すように、前カバー体571の内面側には、LED基板574等を前側から見えにくくするとともにLED573から発せられた光を適度に拡散させるべく、少なくとも透光文字部578に対応する領域にレンズカット加工その他の光拡散処理が施されている(光拡散部579)。
【0146】
なお図31では、透光文字部578の後側の領域だけでなく、非透光部577の後側の領域にも光拡散処理を施した例を示したが、透光文字部578の後側の領域にのみ光拡散処理を施し、非透光部577の後側の領域には光拡散処理を施さないようにしてもよい。また、非透光部577の後側にも光拡散処理を施す場合、非透光部577全体ではなく、LED573の前側に対応する一定領域にのみ光拡散処理を施してもよい。また、透光文字部578と非透光部577との両方に対応して光拡散処理を施す場合、透光文字部578の後側と非透光部577の後側とで光拡散処理の種類(例えばレンズカット加工の種類)を異ならせてもよい。この場合のレンズカット加工の種類は、ボールカット加工、ローレット加工、ダイヤカット加工、アイスカット加工等、任意である。また透光文字部578に関しては、その透光文字部578側(すなわち前面側)にも内面側と同じ、又は異なる種類のレンズカット加工を施してもよい。
【0147】
前カバー体571は、ベース体572の前側にねじ止め等により着脱自在に固定されている。ベース体572は、透光性を有しない合成樹脂製で、前カバー体571の外形と略同じ形状に形成された前面板581と、この前面板581の外周に沿って後向きに延設された外周板582とを一体に備え、前面板581の前面側に前カバー体571が固定されている。前カバー体571の後側がこのベース体572の前面板581により略閉鎖されることにより、前カバー体571内には発光室583が形成されている。なお、ベース体572の左右両端側には、案内レール543に対してスライド移動可能に装着されるレール接続部584が設けられている。
【0148】
LED基板574は、前カバー体571における外周板576の内面に沿う形状とすることにより、透光文字部578よりも大で且つ縁部が透光文字部578の外形に沿うように形成された基板本体585と、この基板本体585の前面側に配置された複数のLED573と、基板本体585の裏面側に配置されたコネクタ586とを備え、発光室583内の後部所定位置に配置された状態でベース体572の前面板581に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0149】
ベース体572の前面板581には、基板支持用のボス587が前向き突出状に形成されており、このボス587により、LED基板574はベース体572との間に一定の隙間を保持した状態で支持されている。コネクタ586に接続されるハーネス588は、ベース体572に形成された開口部589を経て可動電飾装置540の後側に引き出され、中継基板等を介してサブ制御基板562に接続されている。
【0150】
LED基板574には、3×10=30個のLED573が、前カバー体571側の透光文字部578、即ち「カッパ伝説」の文字列に対応して配置されている。即ち、LED基板574には、図32に示すように、可動電飾装置540の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED573よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置540の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Jの10組)配列されている。そして、LED基板574上のLED573は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED573の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0151】
なお図30では、30個のLED573を、所属するLED列を示すA~Jの符号(図32)と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED573をLED573A1、LED列Bに属する3番目のLED573をLED573B3としている。
【0152】
また、30個のLED573は何れも、少なくとも一部が正面視において非透光部577の後側に重なるように、透光文字部578と非透光縁取り部577aとの境目に沿って非透光縁取り部577aの後側に配置されている。具体的には、互いに近接する複数の透光文字部578により挟まれた非透光部577(中間非透光部)に対応して配置されるLED573(ここではLED573G3,573I1,573I2,573J2)については、その非透光部577の略中央(各透光文字部578から略等距離の位置)に対応してその後側に配置されている。また、周囲を透光文字部578により略囲まれた非透光部577に対応して配置されるLED573(ここでは573F1)については、その非透光部577の略中央(周囲の透光文字部578から略等距離の位置)に対応してその後側に配置されている。これらの場合は、非透光部577の幅とLED573との大小関係に応じて、LED573の方が大であれば(例えばLED573I1)、LED573の一部分が透光文字部578側にはみ出した状態となるが、LED573の方が小であれば(例えばLED573J2,573J3)、LED573の全体が非透光部577の後側に重なった状態となる。
【0153】
一方、それら以外のLED573、即ち透光文字部578に対して十分な広さの非透光部577が接している場合には、その非透光部577に対応して配置されるLED573(ここではLED573A1~573A3,573B1~573B3等)については、LED573の縁部が非透光部577と透光文字部578との境目と前後に略一致するように配置されている。この場合、LED573の縁部は透光文字部578側にはみ出さないことが望ましいが、一部はみ出すように配置してもよい。
【0154】
このように、LED573を非透光部577の後側に配置することで、LED573から真正面に向けて発せられた光が透光文字部578に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光文字部578の明度差を小さくすることが可能である。
【0155】
また複数の透光領域578a~578nのうち、複数のLED573が配置されている特定透光領域(ここでは透光領域578a,578d~578f,578h,578i,578n)については、各特定透光領域に対応するLED(特定光源)573が次のように配置されている。即ち、特定透光領域に対応する各LED573は、その特定透光領域に対応するその他のLED573のうちの少なくとも一つに対する直線経路全体が、正面視において特定透光領域内を通過するように配置されている。
【0156】
具体的には、特定透光領域578aに対応するLED573A1~573A3,573B1~573B3のうち、LED573A1に関しては、LED573A2に対する直線経路L1と、LED573A3に対する直線経路L2との各全体が正面視において特定透光領域578a内を通過している。同様に、LED573A2に関しては、LED573A1に対する直線経路L1と、LED573B1に対する直線経路L3との各全体が正面視において特定透光領域578a内を通過している。その他のLED573A3,573B1~B3に関しても同様である。これにより、複数のLED573による各発光領域が特定透光領域内で互いに重なりあうため、点光りによる透光文字部578の明度差をより小さくすることが可能である。
【0157】
また図30の部分拡大図に示すように、LED573は略矩形状に形成され、四辺のうちの所定対辺573a,573bに夫々3つの端子569a~569c,569d~569fが配置されている。そして、それら各端子569a~569c,569d~569fからは、夫々配線パターン570a~570c,570d~570fが、所定対辺573a,573bに対して垂直な方向に少なくとも所定距離Xまでまっすぐ平行に引き出された後、任意の方向に屈折し、或いはそのままビア等に接続されている。従って、LED基板574の縁部近傍に配置され、特に基板縁部までの距離が所定距離Xに満たないLED573については、図30の部分拡大図に示すように、端子569a~569c,569d~569fが設けられている所定対辺573a,573bとは別の、端子が設けられていない辺573cがLED基板574の縁部に向くように配置されている。これにより、LED573をLED基板574の縁部近傍に配置せざるを得ないにも拘わらず配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0158】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、透光文字部(透光部)578と、この透光文字部578を発光させる複数のLED(光源)573とを有する可動電飾装置(電飾装置)540を備え、透光文字部578の外縁に非透光部577を設け、LED573を、非透光部577の後側に配置しているため、可動電飾装置540の点光りによる透光文字部578の明度差を小さくすることにより発光時の見栄えをよくすることが可能である。
【0159】
また、LED573を、透光文字部578と非透光部577との境目に、少なくとも一部分が可動電飾装置540に対する正面視において非透光部577の後側に重なるように配置しており、しかも非透光部577のうち、両側を透光文字部578で挟まれた中間非透光部については、幅方向略中央に対応してその後側にLED573を配置しているため、点光りを解消しつつ、透光文字部578全体をより明るく且つなるべく均等に発光させることが可能である。
【0160】
また、透光文字部578は、非透光部577により互いに分離された複数の透光領域578a~578nを備え、複数の透光領域578a~578nのうちの特定透光領域に対応して、その外周の非透光部577の後側に複数のLED573(以下、特定光源)を配置し、それら特定光源を、その他の特定光源のうちの少なくとも一つに対する直線経路全体が、可動電飾装置540に対する正面視において特定透光領域内を通過するように配置しているため、複数の特定光源による各発光領域が特定透光領域内で互いに重なりあうことにより、点光りによる透光文字部578の明度差をより小さくすることが可能である。
【0161】
また可動電飾装置540の短手方向に配列された複数のLED573よりなるLED列(光源列)を、可動電飾装置540の長手方向に複数配列し、LED列毎に異なるチャンネルでLED573を制御するように構成しているため、LED573の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0162】
また、LED基板574を、少なくとも一部の縁部が透光文字部578の外形に沿う形状に形成し、LED基板574の縁部近傍のLED573に関しては、端子が設けられた所定対辺とは別の辺がLED基板574の縁部に向くように配置しているため、LED573をLED基板574の縁部近傍に配置せざるを得ないにも拘わらず配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0163】
図33図36は本発明の第5の実施形態を例示し、第4の実施形態を一部変更して、透光部内に、非透光部よりなる非透光文字部を設け、非透光文字部の後側にLEDを配置した例を示している。本実施形態が第4の実施形態と異なるのは、可動電飾装置における透光部/非透光部の配置と、それに伴うLEDの配置及び可動電飾装置の形状のみである。以下、第4の実施形態と異なる分を中心に可動電飾装置の構成について説明する。
【0164】
本実施形態の可動電飾装置590は、図33図35に示すように、第4の実施形態の可動電飾装置540と同様、前カバー体591と、ベース体592と、複数のLED(光源)593が配置されたLED基板594とで構成されている。前カバー体591は、透光性を有する合成樹脂製で、前面板595と、この前面板595の外周に沿って後向きに延設された外周板596とを一体に備えている。前カバー体591の前面板595には、例えば横書きのゴシック体による「カッパ伝説」の文字列に対応する文字領域(非透光文字部597a)と、それらの各文字を個別に取り囲む枠領域(非透光枠部597b)とに対して前面側に非透光処理が施されており、これによって前面板595には、矩形状に形成された五つの透光部598内に夫々非透光文字部597aを構成する「カ」,「ッ」,「パ」,「伝」,「説」の文字が形成されている。なお、前カバー体591の前面板595は、非透光枠部597bの外形に沿って横長矩形状に形成されている。
【0165】
非透光部597a,597bを形成するための非透光処理は、メッキ処理、非透光性シートの貼付等、任意である。また非透光部597a,597bは、完全な非透光性が要求されるものではなく、透光部598に比べて光の透過率が十分に小さければよい。また非透光処理は前カバー体591の外周板596の外面側にも施すことが望ましい。
【0166】
また、前カバー体591の内面側には、図35に示すように、LED基板594等を前側から見えにくくするとともにLED593から発せられた光を適度に拡散させるべく、少なくとも透光部598に対応する領域にレンズカット加工その他の光拡散処理が施されている(光拡散部599)。
【0167】
なお図35では、透光部598の後側の領域だけでなく、非透光部597a,597bの後側の領域にも光拡散処理を施した例を示したが、透光部598の後側の領域にのみ光拡散処理を施し、非透光部597a,597bの後側の領域には光拡散処理を施さないようにしてもよい。また、非透光部597a,597bの後側にも光拡散処理を施す場合、非透光部597a,597b全体ではなく、LED593の前側に対応する一定領域にのみ光拡散処理を施してもよい。また、透光部598と非透光部597a,597bとの両方に対応して光拡散処理を施す場合、透光部598の後側と非透光部597a,597bの後側とで光拡散処理の種類(例えばレンズカット加工の種類)を異ならせてもよい。この場合のレンズカット加工の種類は、ボールカット加工、ローレット加工、ダイヤカット加工、アイスカット加工等、任意である。また透光部598に関しては、その透光部598側(すなわち前面側)にも内面側と同じ、又は異なる種類のレンズカット加工を施してもよい。
【0168】
前カバー体591は、ベース体592の前側にねじ止め等により着脱自在に固定されている。ベース体592は、透光性を有しない合成樹脂製で、前カバー体591の外形と略同じ形状に形成された前面板601と、この前面板601の外周に沿って後向きに延設された外周板602とを一体に備え、前面板601の前面側に前カバー体591が固定されている。前カバー体591の後側がこのベース体592の前面板601により略閉鎖されることにより、前カバー体591内には発光室603が形成されている。なお、ベース体592の左右両端側には、案内レール543に対してスライド移動可能に装着されるレール接続部604が設けられている。
【0169】
LED基板594は、前カバー体591における外周板596の内面に沿う横長矩形状に形成された基板本体605と、この基板本体605の前面側に配置された複数のLED593と、基板本体605の裏面側に配置されたコネクタ606とを備え、発光室603内の後部所定位置に配置された状態でベース体592の前面板601に対してねじ止め等により着脱自在に固定されている。
【0170】
ベース体592の前面板601には、基板支持用のボス607が前向き突出状に形成されており、このボス607により、LED基板594はベース体592との間に一定の隙間を保持した状態で支持されている。コネクタ606に接続されるハーネス608は、ベース体592に形成された開口部609を経て可動電飾装置590の後側に引き出され、中継基板等を介してサブ制御基板562に接続されている。
【0171】
LED基板594には、3×9=27個のLED593が、前カバー体591側の非透光文字部597a、即ち「カッパ伝説」の文字列に対応して配置されている。即ち、LED基板594には、図36に示すように、可動電飾装置590の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED593よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置590の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Iの9組)配列されている。そして、LED基板594上のLED593は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED593の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0172】
なお図34では、27個のLED593を、所属するLED列を示すA~Iの符号(図36)と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED593をLED593A1、LED列Bに属する3番目のLED593をLED593B3としている。
【0173】
また、27個のLED593は、何れも非透光文字部597aの後側に配置されており、しかもその配置位置は正面視で非透光文字部597aの幅方向略中央となっている。これにより、LED593から真正面に向けて発せられた光が透光部598に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光部598の明度差を小さくすることが可能であるとともに、非透光文字部597aのシルエットをよりはっきりと浮かび上がらせることが可能である。
【0174】
図37図38は本発明の第6の実施形態を例示し、第5の実施形態を一部変更して、LED593を、非透光文字部597aの後側だけでなく非透光枠部597bの後側にも配置した例を示している。本実施形態が第5の実施形態と異なるのはLED593の配置のみである。以下、第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0175】
本実施形態のLED基板594には、3×16=48個のLED593が、前カバー体591側の非透光文字部597aと非透光枠部597bとに対応して配置されている。即ち、図38に示すように、LED基板594には、可動電飾装置590の短手方向(ここでは文字列の幅方向である上下方向)に配列された複数(ここでは3個)のLED593よりなるLED列(光源列)が、可動電飾装置590の長手方向(ここでは文字列の配列方向である左右方向)に複数(ここではA~Pの16組)配列されている。そして、LED基板594上のLED593は、LED列毎に異なるチャンネルで発光制御されるようになっている。これにより、LED593の発光状態(発光色や点灯/消灯等の発光態様)を文字列の配列方向に順次変化させるような発光制御を容易に行うことが可能である。
【0176】
なお図37では、48個のLED593を、所属するLED列を示すA~Pの符号と、それら各LED列内の番号を示す1~3の符号とを付加することにより区別している。例えば、LED列Aに属する1番目のLED593をLED593A1、LED列Bに属する3番目のLED593をLED593B3としている。
【0177】
また、48個のLED593は、何れも非透光文字部597aと非透光枠部597bとの何れかの後側に配置されている。そして、透光部598の内側に配置されている非透光文字部597aに対応するLED593(例えばLED593B2,593B3)は、正面視で非透光文字部597aの幅方向略中央に配置されている。また、透光部598の外側に配置されている非透光枠部597bに対応するLED593のうち、二つの透光部598により挟まれた非透光枠部597bに対応して配置されるLED593(例えばLED593D2,593G2等)については、その非透光枠部597bの略中央(各非透光枠部597bから略等距離の位置)に対応してその後側に配置されており、それら以外のLED593、即ち透光部598に対して十分な広さの非透光枠部597bが接している場合には、その非透光枠部597bに対応して配置されるLED593(ここではLED593A1~593A3,593B1,593C3等)については、LED593の縁部が非透光枠部597bと透光部598との境目と前後に略一致するように配置されている。なお何れの場合も、LED593の縁部は透光部598側にはみ出さないことが望ましいが、一部はみ出すように配置してもよい。
【0178】
LED593をこのように配置していることにより、LED593から真正面に向けて発せられた光が透光部598に直接照射されることがない(又は少ない)ため、点光りを解消して透光部598の明度差を小さくすることが可能であるとともに、非透光文字部597aのシルエットをよりはっきりと浮かび上がらせることが可能である。
【0179】
また図37の部分拡大図に示すように、LED593は略矩形状に形成され、四辺のうちの所定対辺593a,593bに夫々3つの端子569a~569c,569d~569fが配置されている。そして、それら各端子569a~569c,569d~569fからは、夫々配線パターン570a~570c,570d~570fが、所定対辺593a,593bに対して垂直な方向に少なくとも所定距離Xまでまっすぐ平行に引き出された後、任意の方向に屈折し、或いはそのままビア等に接続されている。従って、横長矩形状に形成されたLED基板594の縁部近傍に配置され、特に基板縁部までの距離が所定距離Xに満たないLED593(LED593A1~593A3,593B1等)については、図37の部分拡大図に示すように、端子569a~569c,569d~569fが設けられている所定対辺593a,593bとは別の、端子が設けられていない辺593cがLED基板594の縁部に向くように配置されている。なお、LED593は、LED基板594の角部近傍を避けて配置されている(例えばLED593A1)。これにより、本実施形態のようにLED593をLED基板594の縁部近傍に配置せざるを得ない場合でも配線パターンの引き回しが容易になるという利点がある。
【0180】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1~第3の実施形態と、第4~第6の実施形態とは、全く別の遊技機として具現化されているが、前者と後者とを適切に結合することによって同一の遊技機として具現化できることは言うまでもない。例えば、第4~第6の実施形態に係る遊技機に、第1~第3の実施形態に係る遊技機と同様の枠構成を採用することができ、また第1~第3の実施形態に係る遊技機上で、第4~第6の実施形態に係る遊技機と同様の電飾装置を採用することも可能である。
【0181】
第1~第3の実施形態では第1~第5開放状態の順に前枠3の開放角度が大きくなるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば第1~第5開放状態のうちの何れか2つ以上で開放角度が略同じであってもよいし、第2開放状態における開放角度よりも第1開放状態における開放角度の方が大であるなど、第1~第5開放状態の順番とそれに対応する開放角度の順番とが一致しなくてもよい。
【0182】
第1~第3の実施形態では、第1~第5開放状態の全てにおいて、前枠3の開放角度が鋭角(以下、第1条件という)で且つ突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置する(以下、第2条件という)ように構成した例を示したが、第1~第5開放状態の少なくとも一つについて、第1条件と第2条件のうちの何れか一方のみを満足し、他方は満足しないように構成してもよい。
【0183】
前枠3の背面側に、上述したRAMクリアスイッチ107、電源スイッチ128、エラー解除ボタン142等以外の操作手段(以下、その他の操作手段という)を設ける場合や、エラー表示手段141等以外の表示手段(以下、その他の表示手段という)を設ける場合、それらの操作手段や表示手段についても、前枠3における左右方向の開閉端寄りの位置、例えば開閉端近傍に配置し、前枠3を外枠2に対して所定開放状態まで開放したとき、それら操作手段、表示手段が外枠2の前縁よりも前側に位置することによって外枠2と前枠3との間から視認可能となり、また操作手段については操作可能となり、そのときに突出部が第1ヒンジ4(及び外枠2)よりも左右方向内側に位置するように構成することが望ましい。
【0184】
その他の操作手段としては、大当り確率に対応する設定値を複数段階(例えば設定1~設定6の6段階)の何れかに設定可能な仕様とする場合に、その設定を行うために操作する設定キースイッチ(設定操作手段)が考えられる。この設定キースイッチは、RAMクリアスイッチ107等とともに主制御基板101等に設けられ、主制御基板ケース102の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。そして、設定キースイッチがON、RAMクリアスイッチ107がONの状態で電源スイッチ128がOFFからONに切り替えられた場合に、その起動処理において、設定値の設定が可能な設定値設定期間が設けられる。そして、その設定値設定期間中にRAMクリアスイッチ107が操作されることによって設定値が順次変更され、その後に設定キースイッチがOFFに切り替えられることによって変更後の設定値が確定する。
【0185】
また、その他の表示手段としては、遊技実績に基づいて得られる特定情報を表示する特定情報表示手段(例えばベース値を表示するベースモニタ)や、上述した設定値に関する情報を表示する設定情報表示手段等が考えられる。それら特定情報表示手段、設定情報表示手段は、例えば主制御基板ケース102の外側から視認可能な状態で主制御基板101に配置される。特定情報表示手段と設定情報表示手段を共通の表示手段により構成してもよい。
【0186】
第1~第3の実施形態では、電源ハーネス129の電源基板123に対する接続部を電源スイッチ128の近傍に配置したが、電源ハーネス129の接続部は、電源スイッチ128から離れた位置に配置してもよい。また、電源ハーネス129の接続部の配置位置は、電源基板123における前枠3の開閉端側に限られるものではなく、電源基板123の下縁側近傍に配置してもよいし、電源基板123における前枠3のヒンジ端側に配置してもよい。この場合、第1配線経路131aは短く、又は不要となる。
【0187】
また、第1~第3の実施形態ではRAMクリアスイッチ107を主制御基板101に設けた例を示したが、これに限られるものではなく、その他の基板等、例えば払出発射制御基板125に設けてもよい。またこの場合、払出発射制御基板125に設けたRAMクリアスイッチをエラー解除ボタンと兼用してもよい。
【0188】
第4~第6の実施形態の可動電飾装置の構成については、センターケース21等、遊技盤5上の遊技部品に固定的に配置された電飾装置50や、前枠4側に固定的に配置された電飾装置10等にも同様に適用可能である。もちろん、前枠4側に可動電飾装置を設ける場合にも同様に適用可能である。
【0189】
第4の実施形態では、透光部を文字形状(透光文字部78)とした例を示したが、この場合の透光部は文字形状のものに限られるものではなく、ロゴマーク等の図形やキャラクタ等の絵柄など、どのようなものでもよい。また、第5,第6の実施形態では、透光部内に文字形状の非透光部(非透光文字部97a)を配置した例を示したが、この場合の非透光部についても文字形状のものに限られるものではなく、ロゴマーク等の図形やキャラクタ等の絵柄など、どのようなものでもよい。
【0190】
第4~第6の実施形態では、透光性を有する前カバー体71の一部に非透光処理を施すことによって透光部と非透光部とを形成するように構成したが、例えば非透光性の第1部材と透光性の第2部材とを組み合わせる(例えば文字形状の開口部を有する第1部材の裏側に第2部材を嵌め合わせる)ことにより透光部と非透光部とを形成するように構成してもよい。
【0191】
第4~第6の実施形態では、電飾装置を遊技機本体1の正面に向けて配置した例を示したが、前枠4の上部側の電飾装置を斜め下向きに配置するなど、例えば正面が遊技者側に向くように、電飾装置を遊技機本体1の正面に対して斜めに配置してもよい。この場合、電飾装置のLED(光源)は、遊技機本体1に対する正面視ではなく、その電飾装置に対する正面視において非透光部の後側に配置することが望ましい。
【0192】
第4~第6の実施形態では、同一チャンネルのLED列に属するLEDを3個としたが、2個或いは4個以上としてもよい。
【0193】
第1~第6の実施形態のうちの2以上を適宜組み合わせてもよい。また、実施形態は本発明をパチンコ機に採用した例を示したが、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0194】
2 外枠
3 前枠
4 第1ヒンジ(ヒンジ部)
5 施錠手段
5a 鍵穴
39 発射ハンドル
107 RAMクリアスイッチ(RAMクリア操作部)
128 電源スイッチ(電源操作部)
540 可動電飾装置
573 LED(光源)
577 非透光部
578 透光文字部(透光部)
578a~578n 透光領域
593 LED(光源)
597a 非透光文字部(非透光部)
597b 非透光枠部(非透光部)
598 透光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38