IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PV Japan株式会社の特許一覧

特開2024-21580太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法
<>
  • 特開-太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法 図1
  • 特開-太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021580
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20240208BHJP
【FI】
H02S50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124503
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】517058912
【氏名又は名称】PV Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 一輝
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151JA15
5F151KA02
5F151KA07
5F251BA11
5F251JA15
5F251KA02
5F251KA07
(57)【要約】
【課題】太陽光パネルの保守による発電能力の向上が分かり易く見えるようにし、太陽光パネル設置者にとって納得した形で太陽光パネルの保守作業を行うことができる太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法を提供する
【解決手段】パネル面3を有する太陽光パネル2を複数並べて設置した太陽光パネルユニット1に対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出システム101で、太陽光パネルユニット1の発電量を計測記録する発電量計測装置103A,103B、太陽光パネルユニット1の保守作業を行う太陽光パネル保守装置10で保守作業を行った状態の太陽光パネルユニット1の一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の太陽光パネルユニット1の一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較装置102を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出システムであって、
前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測装置と、
前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較装置と、
を有することを特徴とする太陽光パネル保守効果算出システム。
【請求項2】
前記発電量計測装置を複数有しており、
複数の前記発電量計測装置で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、
前記発電量比較装置で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル保守効果算出システム。
【請求項3】
前記発電量比較装置は、
保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/B)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル保守効果算出システム。
【請求項4】
前記発電量計測装置として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測装置と第2発電量計測装置を有しており、
前記第1発電量計測装置と前記第2発電量計測装置で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、
その後、前記第1発電量計測装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測装置で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、
前記発電量比較装置は、
前記第1発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、
前記第2発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、
前記第1発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
前記第2発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル保守効果算出システム。
【請求項5】
前記発電量比較装置は、
保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、
保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、
保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、
保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル保守効果算出システム。
【請求項6】
パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出装置であって、
前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測部と、
前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較部と、
を有することを特徴とする太陽光パネル保守効果算出装置。
【請求項7】
前記発電量計測部を複数有しており、
複数の前記発電量計測部で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、
前記発電量比較部で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することを特徴とする請求項6に記載の太陽光パネル保守効果算出装置。
【請求項8】
前記発電量比較部は、
保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/B)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の太陽光パネル保守効果算出装置。
【請求項9】
前記発電量計測部として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測部と第2発電量計測部を有しており、
前記第1発電量計測部と前記第2発電量計測部で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、
その後、前記第1発電量計測部で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測部で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、
前記発電量比較部は、
前記第1発電量計測部で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、
前記第2発電量計測部で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、
前記第1発電量計測部で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
前記第2発電量計測部で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の太陽光パネル保守効果算出装置。
【請求項10】
前記発電量比較部は、
保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、
保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、
保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、
保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の太陽光パネル保守効果算出装置。
【請求項11】
パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出方法であって、
前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測工程と、
前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較工程と、
を有することを特徴とする太陽光パネル保守効果算出方法。
【請求項12】
前記発電量計測工程を複数同時に行えるようになっており、
複数の前記発電量計測工程で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、
前記発電量比較工程で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することを特徴とする請求項11に記載の太陽光パネル保守効果算出方法。
【請求項13】
前記発電量比較工程は、
保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/B)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の太陽光パネル保守効果算出方法。
【請求項14】
前記発電量計測工程として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測工程と第2発電量計測工程を有しており、
前記第1発電量計測工程と前記第2発電量計測工程で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、
その後、前記第1発電量計測工程で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測工程で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、
前記発電量比較工程は、
前記第1発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、
前記第2発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、
前記第1発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、
前記第2発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の太陽光パネル保守効果算出方法。
【請求項15】
前記発電量比較工程は、
保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、
保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、
保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、
保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、
として、
式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100
に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、
上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、
上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の太陽光パネル保守効果算出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルの発電能力の低下を防ぎ、効率良く発電等するために保守管理を行う太陽光パネル保守装置での保守作業に係る太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットが知られている。また、このような太陽光パネルユニットの、各太陽光パネルの発電能力の低下を防ぐために、太陽光を受光するパネル面を清掃する清掃装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-138854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、太陽光パネルを清掃してもパネル面が汚れている現状からの発電能力の向上が見込めるかどうか、不安に感じる太陽光パネル設置者が少なからず存在し、太陽光パネルの清掃等の保守をしていない状態で発電を続けているものも存在していた。
【0005】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、太陽光パネルの保守による発電能力の向上が分かり易く見えるようにし、太陽光パネル設置者にとって納得した形で太陽光パネルの保守作業を行うことができる太陽光パネル保守効果算出システム、太陽光パネル保守効果算出装置及び太陽光パネル保守効果算出方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出システムであって、前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測装置と、前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較装置と、を有する太陽光パネル保守効果算出システムとしたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測装置を複数有しており、複数の前記発電量計測装置で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、前記発電量比較装置で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する太陽光パネル保守効果算出システムとしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較装置は、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/B)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出システムとしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測装置として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測装置と第2発電量計測装置を有しており、前記第1発電量計測装置と前記第2発電量計測装置で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、その後、前記第1発電量計測装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測装置で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、前記発電量比較装置は、前記第1発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、前記第2発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、前記第1発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、前記第2発電量計測装置で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出システムとしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較装置は、保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出システムとしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出装置であって、前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測部と、前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較部と、を有する太陽光パネル保守効果算出装置としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測部を複数有しており、複数の前記発電量計測部で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、前記発電量比較部で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する太陽光パネル保守効果算出装置としたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較部は、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/B)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出装置としたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測部として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測部と第2発電量計測部を有しており、前記第1発電量計測部と前記第2発電量計測部で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、その後、前記第1発電量計測部で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測部で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、前記発電量比較部は、前記第1発電量計測部で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、前記第2発電量計測部で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、前記第1発電量計測部で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、前記第2発電量計測部で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出装置としたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較部は、保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出装置としたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、パネル面を有する太陽光パネルを複数並べて設置した太陽光パネルユニットに対する保守作業による保守効果を算出する太陽光パネル保守効果算出方法であって、前記太陽光パネルユニットの発電量を計測記録する発電量計測工程と、前記太陽光パネルユニットの保守作業を行う太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する発電量比較工程と、を有する太陽光パネル保守効果算出方法としたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測工程を複数同時に行えるようになっており、複数の前記発電量計測工程で、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録と、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、同じ一定期間で行い、前記発電量比較工程で、当該同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化する太陽光パネル保守効果算出方法としたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較工程は、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/B)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出方法としたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量計測工程として、同じ広さの前記太陽光パネルユニットの発電量をそれぞれ計測記録する第1発電量計測工程と第2発電量計測工程を有しており、前記第1発電量計測工程と前記第2発電量計測工程で、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を、それぞれ同じ所定期間行い、その後、前記第1発電量計測工程で保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を一定期間行うと共に、前記第2発電量計測工程で保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの発電量の計測記録を同じ一定期間で行い、前記発電量比較工程は、前記第1発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC1、前記第2発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの所定期間の発電量をC2、前記第1発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行った状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をA、前記第2発電量計測工程で計測記録した、保守作業を行っていない状態の前記太陽光パネルユニットの一定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/(B*(C1/C2)))*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出方法としたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記構成に加え、前記発電量比較工程は、保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、保守作業を行った後の状態の前記太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、保守作業を行う前の状態の前記太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出し、上昇率が所定%以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を保守作業費用とする計算を行うように構成された太陽光パネル保守効果算出方法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、太陽光パネル保守装置で保守作業を行った状態の太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の太陽光パネルユニットの一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、太陽光パネルの保守による発電能力の向上が分かり易く見えるようにし、太陽光パネル設置者にとって納得した形で太陽光パネルの保守作業を行うようにすることができる。
【0022】
また、本発明において、同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候による発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、より分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。
【0023】
また、本発明において、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がより納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。
【0024】
また、本発明において、2つの太陽光パネルユニット同士の発電量の比率を算出した上で、同じ一定期間に計測した発電量同士に発電量の比率を加味して比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候や太陽光パネルユニットの違いによる発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、さらに分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。その上で、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がさらに納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。
【0025】
また、本発明において、保守作業の前後の日射量あたりの発電量を算出し、その値同士を比較して、保守作業を行った後の状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候や太陽光パネルユニットの違いによる発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った後の状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、さらに分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。その上で、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がさらに納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。また、発電量の上昇度合いの比較を1つの太陽光パネルユニットだけで行うことができ、比較対象の太陽光パネルユニットを用意できない状態でも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明の実施の形態に係る太陽光パネル保守効果算出システムの概略ブロック図である。
図2】この発明の実施の形態に係る太陽光パネル保守装置の一例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
まず、この実施の形態の太陽光パネルユニット1について、図2を用いて説明する。
【0029】
一般に、太陽光パネルユニット1は、パネル面3が傾斜した状態又はパネル面3が水平な状態で設置される。すなわち、太陽光パネルユニット1を太陽光が当たる側(南側)から見て、パネル面3の奥側側面1aが手前側側面1bよりも上又は水平に位置する状態で設置される。図2において、横方向Pは略水平な方向であり、縦方向Lは傾斜したパネル面3と略平行で且つ水平方向(横方向P)と略直角な方向である。以下の説明では、図2に縦方向Lとして表された方向を、傾斜方向Lと記す場合もある。
【0030】
この太陽光パネルユニット1は、図2に示すように、複数の太陽光パネル2を、前後左右に並べて設置したものである。図2の例では、太陽光パネル2を、傾斜方向Lに4枚、水平方向Pに10枚(一部のみ図示)並べている。また、左右に隣り合う太陽光パネル2同士の間には、所定の隙間Sが設けられている。
【0031】
また、それぞれの太陽光パネル2は、前記したパネル面3と、その裏面側に配置された発電装置(図示省略)とを有するパネル本体4と、その周囲に設けられた縁部5とを有している。このうち、パネル面3はガラスで構成されており、縁部5はアルミニウム等の金属で構成されている。
【0032】
次に、この実施の形態の太陽光パネル保守装置について、図2を用いて説明する。なお、ここでは、太陽光パネル保守装置の一例として、太陽光パネルの表面に配置されているパネル面の清掃を行う太陽光パネル清掃装置について説明する。
【0033】
この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、図2に示すような、太陽光パネルユニット1の表面の清掃を行う。この太陽光パネル清掃装置10は、太陽光パネルユニット1に対する保守作業としての清掃作業を行う「保守機構」としての清掃機構を備えた装置本体と、当該装置本体を太陽光パネルユニット1上で移動させる移動機構とを有している。
【0034】
また、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、複数の分割体30A~30Dを連結させて連結体20として使用するように構成されている。
【0035】
そして、装置本体として図2に示すような太陽光パネルユニット1の縦方向L全体を覆う大きさの連結体20を用いて、当該連結体20が横方向Pに移動しながら清掃作業を行うようになっている。
【0036】
このような構成では、清掃作業(保守作業)を行う太陽光パネルユニット1が多く、1つ1つの太陽光パネルユニット1に対する作業時間を短くしたいとき等に、効率よく作業を行うことができる。
【0037】
なお、太陽光パネル保守装置としては、複数の分割体30A~30Dの一部を用いる、または予め分割体のような大きさに形成された小型体(図示省略)を装置本体として使用するような構成となっていても良い。また、前記した連結体20と小型体の双方に変更可能になっていても良い。
【0038】
このような小型体を用いる構成では、太陽光パネルユニット1の縦方向L全体を覆わない大きさの小型体を用いて、当該小型体が縦方向L及び横方向Pに移動しながら清掃作業を行うため、清掃作業(保守作業)を行う太陽光パネルユニット1が少なく、1つ1つの太陽光パネルユニット1に対する作業時間が多少長くなっても持ち運んだり設置したりする装置の重量を減らし、作業者の負担を軽減させたいとき等に有用である。
【0039】
次に、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10について、さらに詳細に説明する。
【0040】
この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、清掃機構40を備えた「装置本体」としての連結体20と、当該連結体20を移動させる「移動機構」としての移動手段50と、これらを制御するコントロールユニット(制御装置)55とを有する構成となっている。そして、連結体20は、太陽光パネルユニット1の傾斜方向L全体に渡る大きさの略直方体形状に形成されるようになっている。なお、この実施の形態では、連結体20内に移動手段50とコントロールユニット55を有する構成となっている。
【0041】
この実施の形態の連結体20は、複数の分割体30A~30Dを、連結させて構成されたものであり、ここでは上から順に、第1分割体30A、第2分割体30B、第3分割体30C、第4分割体30Dの4種類の形状の異なる分割体をパネル面3に沿って傾斜方向Lに一直線上に連結させた状態となっている。
【0042】
それぞれの分割体30A~30Dには、連結体20における清掃機構40の一部を構成する清掃機構分割部40A~40Dが設けられており、また、移動手段50の一部を構成する移動手段分割部50A~50Dが設けられている。
【0043】
具体的には、清掃機構分割部40A~40Dはそれぞれ、傾斜方向Lに延びる左右2つの回転ブラシを備えており、それぞれの回転ブラシを回転させる回転ブラシ用モータを備えている。これら回転ブラシ用モータは、コントロールユニット55による制御で、それぞれ独立して回転ブラシに動力を伝達するように構成されている。
【0044】
また、移動手段分割部50A~50Dはそれぞれ、回転ブラシの内側に傾斜方向Lに沿って2本設けられたシャフトにそれぞれ複数の走行輪が軸支されている。また、これらのシャフト同士は、連結されたときに端部同士で接続されて一体になるように構成されており、一体となると1つの動力で全体を回転させることができるようになっている。
【0045】
ここでは、上(奥側)から2番目位置の第2分割体30Bのみに移動用モータ54が設けられており、シャフトが連結された状態で移動用モータ54が駆動することで、その駆動力がシャフト全体に伝達され、その結果、シャフトに軸支された走行輪が回転して連結体20を横方向Pに移動させるように構成されている。
【0046】
また、下端(最も手前側)の第4分割体30Dのみにコントロールユニット55が設けられており、このコントロールユニット55によって連結体20における清掃機構40と移動手段50の駆動コントロールを行うようになっている。
【0047】
なお、分割体30A~30Dには、清掃機構分割部40A~40Dの構成として、回転ブラシと共に遮蔽ブラシ(図示省略)や「流体供給管」としての散水管(図示省略)を有していても良い。また、分割体30A~30Dの各構成は、図示しないフレームに取り付けられており、このフレームは、軽量化と強度の双方を満たす観点から、主にアルミニウムで構成されている。
【0048】
また、上端(最も奥側)の第1分割体30Aには、図2に示すように、ガイドローラ21が設けられている。このガイドローラ21は、連結体20の上端(すなわち、上端の分割体30Aの上端)に取り付けられて、当該連結体20を太陽光パネルユニット1の水平方向Pに安定して移動させるために設けられたものであり、太陽光パネルユニット1の上側側面1aに引っ掛けるように係止されて、設置される。また、ガイドローラ21は、上側側面1aに対向するような車輪で構成されており、これにより、ガイドローラ21で連結体20を水平方向Pに移動させることができる。
【0049】
また、各分割体30A~30Dは、それぞれ、これらの分割体30A~30Dを連結するための連結部を有している。詳述すると、第1分割体30Aは、その下端(手前)側に第1連結部を有しており、第2分割体30Bは、その上端(奥)側に第2連結部を有すると共に下端(手前)側に第3連結部を有しており、第3分割体30Cは、その上端(奥)側に第4連結部を有すると共に下端(手前)側に第5連結部を有しており、第4分割体30Dは、その上端(奥)側に第6連結部を有している。このような連結部を介して、各分割体30A~30Dを全て連結させて、連結体20が組み立てられるようになっている。
【0050】
また、左側の回転ブラシにおける分割体30A~30D同士の継ぎ目と、右側の回転ブラシにおける分割体30A~30D同士の継ぎ目は水平方向Pから見てずれるように構成されており、これにより清掃時に左側の回転ブラシと右側の回転ブラシの何れかが必ず通って拭き残し箇所がないように構成されている。
【0051】
また、図示しないが、各分割体30A~30Dには、ブラシ用モータを駆動させるための、電源ユニットが設けられている。また、第2分割体30Bには、移動用モータ54を駆動させるための電源ユニット(図示省略)も設けられている。
【0052】
また、回転ブラシの外側斜め上方には、清掃時に水タンクや水道等から供給された水等をパネル面3に撒く散水管(図示省略)が設けられている。この散水管は、分割体30A~30Dに、分割されて設けられている。すなわち、第1分割体30Aには第1分割散水管が、第2分割体30Bには第2分割散水管が、第3分割体30Cには第3分割散水管が、第4分割体30Dには第4分割散水管がそれぞれ設けられており、これらの分割散水管が互いに結合することで、散水管が構成される。
【0053】
なお、この実施の形態の太陽光パネル清掃装置10は、清掃を行う太陽光パネルユニット1の傾斜方向Lの長さに応じて、使用する際の分割体30A~30Dの種類や数を変更することが可能である。例えば、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが短いときには、第1分割体30Aと第4分割体30Dの2つを連結させて、図2のものより短い連結体を構成することが可能である。
【0054】
また、太陽光パネルユニットの傾斜方向Lの長さが長いときには、第1分割体30Aと、複数(例えば2個)の第2分割体30Bと、複数(例えば2個)の第3分割体30Cと、第4分割体30Dの計6つを連結させて、図2のものより長い連結体を構成することが可能である。
【0055】
ここで、第1~第4分割体30A~30Dの少なくとも何れかの代わりとして、その長さが互いに異なる複数種類の分割体を用意しておくことで、様々な寸法の太陽光パネルユニットに応じて連結体の寸法を変更し易くなる。
【0056】
コントロールユニット55は、上述のように、作業者が、リモートコントローラ等を用いて、太陽光パネル清掃装置10の動作を制御するために設けられる。具体的には、コントロールユニット55は、移動用モータ54を駆動させて連結体20を水平移動させる制御や、ブラシ用モータを駆動させてパネル面3の清掃を行う制御や、散水管による散水を行う制御等を実行する。この実施の形態に係るコントロールユニット55は、散水管による散水を開始してから所定の待機時間(例えば3~5秒)が経過した後で、移動用モータ54やブラシ用モータの駆動を開始させる。これにより、パネル面3の表面が十分に濡れた状態で回転ブラシの回転が開始されるので、太陽光パネル清掃装置10の作業開始位置での清掃効果を、十分なものにできる。なお、この待機時間の長さは、プログラム変更等により、実質的に無段階に調整できる。
【0057】
また、このコントロールユニット55は、バッテリ残量やバッテリ電圧をデジタル表示する機能を有する。また、バッテリ残量やバッテリ電圧が正常値を下回った場合に電源ランプを点滅させることで、作業者がバッテリ状態を正確に監視できる。
【0058】
さらに、このコントロールユニット55は、太陽光パネル清掃装置10の各駆動部分に異常な負荷が発生したために動作が非常停止した場合に、警告ランプを点滅させる機能を有する。この警告ランプは、負荷の発生場所等に応じて、異なる色(例えば、青色と赤色)で点滅する。これにより、太陽光パネル清掃装置10が非常停止した場合に、異常発生箇所を特定し易くなる。
【0059】
次に、この実施の形態の太陽光パネル保守効果算出システムについて、図1を用いて説明する。
【0060】
この実施の形態の太陽光パネル保守効果算出システム101は、前記した太陽光パネル清掃装置のような太陽光パネル保守装置10を用いてパネル面3の清掃等の保守作業を行った場合の保守効果を算出するものである。この実施の形態では、太陽光パネル保守効果算出システム101は、発電量計測装置としての第1発電量計測装置103A及び第2発電量計測装置103Bと、発電量比較装置102とを有する構成となっており、これらが互いにインターネットやクローズネットワーク等のネットワークで繋がるように構成されている。以下、各装置について詳しく説明する。
【0061】
この実施の形態の第1発電量計測装置103Aと第2発電量計測装置103Bは、それぞれ太陽光パネルユニット1の発電量を計測記録する装置であり、特に保守作業前の所定期間(例えば、1カ月、2カ月等の期間)や保守作業後の一定期間(例えば、1カ月、2カ月等の期間)の発電量(kwh)を計測記録しておくことができるようになっている。この発電量計測装置103A,103Bは、発電量比較装置102による比較方法により、1個~複数個設置されるようになっている。ここでは、2個の発電量計測装置として第1発電量計測装置103Aと第2発電量計測装置103Bが設置されるようになっている。
【0062】
そして、太陽光パネル保守装置10で太陽光パネルユニット1の保守作業を行う前の状態の太陽光パネルユニット1の所定期間(例えば、1カ月)の発電量を第1発電量計測装置103Aで計測記録し、他の太陽光パネルユニット1でも同じ所定期間(例えば、同じく1か月)の発電量を第2発電量計測装置103Bで計測記録するように構成されている。
【0063】
また、太陽光パネル保守装置10で太陽光パネルユニット1の保守作業を行った状態の太陽光パネルユニット1の一定期間(例えば、1カ月)の発電量を第1発電量計測装置103Aで計測記録し、太陽光パネル保守装置10での保守作業を行っていない状態の他の太陽光パネルユニット1の同じ一定期間(例えば、同じく1か月)の発電量を第2発電量計測装置103Bで計測記録するように構成されている。なお、この発電量測定装置103A,103Bは、この発明の計測用に後から取り付けても良いが、太陽光パネルユニット1の所定単位毎に予め取り付けられているパワーコンディショナ(PCS)を用いて計測しても良い。
【0064】
また、発電量比較装置102は、発電量計測装置103A,103Bのそれぞれの一定期間(例えば、同じ期間で1カ月)の測定値を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化するものである。ここでは、まず、第1発電量計測装置103Aで、保守作業を行う前の状態の太陽光パネルユニット1の所定期間(例えば、1カ月)計測記録した発電量C1(kwh)と、第2発電量計測装置103Bで、保守作業を行う前の状態の他の太陽光パネルユニット1の同じ所定期間(例えば、第1発電量計測装置103Aでの計測記録期間と同期間の1カ月)計測記録した発電量C2(kwh)とを比較して、第1発電量計測装置103Aで計測記録した太陽光パネルユニット1と、第2発電量計測装置103Bで計測記録した他の太陽光パネルユニット1の元々の発電量の比率を算出する。すなわち、「C1/C2」の値を算出しておくことで、C2を1としたときのC1の発電量の比率が算出される(例えば、C2よりC1の方が発電量が大きい場合は1より大きい数値、C2よりC1の方が発電量が小さい場合は1より小さい数値が算出される)。
【0065】
また、第1発電量計測装置103Aで、保守作業を行った状態の太陽光パネルユニット1の一定期間(例えば、1カ月)計測記録した発電量A(kwh)と、第2発電量計測装置103Bで、保守作業を行っていない状態の太陽光パネルユニット1の同じ一定期間(例えば、第1発電量計測装置103Aでの計測記録期間と同期間の1か月)計測記録した発電量B(kwh)とを比較して、保守作業を行った状態(発電量計測装置103Aの計測記録値)の発電量の上昇度合いを上昇率(%)として数値化するようになっている。その際、前記したような第1発電量計測装置で計測記録した太陽光パネルユニット1と第2発電量計測装置103Bで計測記録した他の太陽光パネルユニット1の発電量の比率を考慮して上昇率を算出するようになっている。
【0066】
ここでは、以下の式1に当てはめて上昇率X(%)を算出するようになっている。
【0067】
式1:X(%)=(A(kwh)/(B(kwh)*(C1/C2)))*100-100
この式に当てはめて算出された発電量の上昇率、第1発電量計測装置103Aで計測記録した発電量A,C1、第2発電量計測装置103Bで計測記録した発電量B,C2は、発電量比較装置102内で記録しておき、必要なときに表示させるようになっていても良いが、インターネット等のネットワークを介して、適宜、太陽光パネル設置者や太陽光パネル保守業者に送信されるようになっていても良い。
【0068】
また、ここでは、発電量の上昇率に応じて、保守作業費用を変更する計算も行うようになっている。例えば、保守作業を行った状態の発電量の上昇率が所定%(例えば、1%)以上であれば、保守作業費用を設定された満額に決定するようになっている。そして、前記した上昇率、発電量A,B,C1,C2のお知らせと共に、太陽光パネル保守業者から太陽光パネル設置者に満額の請求額が連絡されるようになっていても良い。
【0069】
また、保守作業を行った状態の発電量の上昇率が所定%(例えば、1%)未満であれば、設定された保守作業費用の満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額を今回の保守作業費用とする計算を行うようになっている。そして、前記した上昇率、発電量A,B,C1,C2のお知らせと共に、太陽光パネル保守業者から太陽光パネル設置者に割引後の請求額が連絡されるようになっていても良い。
【0070】
なお、保守作業費用は、次の式2、式3に当てはめて計算するようになっている。但し、年間総発電量Dは、第1発電量計測装置103Aで算出した保守作業前の状態の太陽光パネルユニット1の所定期間の発電量C1、又は、第2発電量計測装置103Bで算出した保守作業を行っていない状態の他の太陽光パネルユニット1の一定期間の発電量Bに発電比率「C1/C2」を掛けたものから割り出した年間総発電量である。また、FIT単価とは、当該発電所で発電した電力を電力会社が何円で買い取るかを決定したものであり、発電所設立時に決定されたものである。
【0071】
式2(満額請求時):請求金額=年間総発電量D(kwh)*FIT単価*1%
式3(割引請求時):請求金額=年間総発電量D(kwh)*FIT単価*X%
以上のように、前記した実施の形態によれば、太陽光パネル保守装置10で保守作業を行った状態の太陽光パネルユニット1の一定期間の発電量と、保守作業を行っていない状態の太陽光パネルユニット1の一定期間の発電量と、を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、太陽光パネル2の保守による発電能力の向上が分かり易く見えるようにし、太陽光パネル設置者にとって納得した形で太陽光パネル2の保守作業を行うようにすることができる。
【0072】
また、前記した実施の形態によれば、同じ一定期間に計測した発電量同士を比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候による発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、より分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。
【0073】
また、前記した実施の形態によれば、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がより納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。
【0074】
また、前記した実施の形態によれば、2つの太陽光パネルユニット1同士の発電量の比率を算出した上で、同じ一定期間に計測した発電量同士に発電量の比率を加味して比較して、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候や太陽光パネルユニット1の違いによる発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、さらに分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。その上で、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がさらに納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。
【0075】
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するものではない。
【0076】
例えば、前記した実施の形態では、発電量計測装置103A,103Bと発電量比較装置102とが互いにネットワークで繋がれた独立した装置で構成された太陽光パネル保守効果算出システム101について説明したが、これに限るものではなく、例えば、発電量計測部と発電量比較部を1つの装置内に有する太陽光パネル保守効果算出装置を太陽光パネルユニットに直接、間接で取り付けて計測、算出を行うようになっていても良い。
【0077】
また、発電量計測装置や発電量比較装置、発電量計測部や発電量比較部等の専用装置、専用部を有していなくても、既存の太陽光パネルユニットに取り付けられている機器やPC等を用いて、前記した実施の形態と同様の計測記録を行う発電量計測工程と、前記した実施の形態と同様の比較及び数値化を行う発電量比較工程を行う太陽光パネル保守効果算出方法として、実施することも考えられる。
【0078】
また、前記した実施の形態では、2個の発電量計測装置103A,103Bを用いて、保守作業前に計測して得られた2つの太陽光パネルユニット1の発電量の比率を算出し、さらに同じ期間で保守作業した場合と保守作業していない場合を計測し、発電量の比率を加味して発電量の上昇率を正確に算出するようになっていたが、これに限るものでない。
【0079】
例えば、2つの太陽光パネルユニット1同士の発電量C1,C2がほぼ同じであることが予め分かっている場合等には、発電量の比率を算出することなく、2個の発電量計測装置103A,103Bを用いて、同じ期間で保守作業した場合と保守作業していない場合を計測し、単純にこれらを比較するようになっていても良い。
【0080】
また、2個の発電量計測装置103A,103Bを用いて、同じ期間で保守作業した場合と保守作業していない場合を計測することに限るものでなく、例えば、1個の発電量計測装置で保守作業前の一定期間の発電量を計測し、保守作業後に一定期間の発電量を計測し、これらを比較するようになっていても良い。なお、この場合には、同じ期間で同時に計測を行わないので、季節や天候等で発電量が変化する場合を考慮して、結果を調整する必要が生じる場合がある。
【0081】
例えば、保守作業を行う前に、所定期間(保守作業直前の30日間等、任意の期間で可)、日射量を計測してその所定期間の総日射量を計測しておく。そして、その期間の総日射量に対して、同じ期間の総発電量を計測しておき、総発電量/総日射量を計算して、単位日射量あたりの発電量を算出しておく。次に、保守作業を行った後に、一定期間(保守作業直後の30日間等、任意の期間で可、保守作業前に計測した期間と同じ日数でも異なる日数でも可)、日射量を計測してその一定期間の総日射量を計測する。そして、その期間の総日射量に対して、同じ期間の総発電量を計測しておき、総発電量/総日射量を計算して、単位日射量あたりの発電量を算出する。その後、発電量比較装置において、(保守作業後の単位日射量あたりの発電量)/(保守作業前の単位日射量あたりの発電量)を計算し、その値に100を掛けてから100を引くことで、発電量の上昇率(%)を算出する。
【0082】
すなわち、保守作業を行った後に一定期間計測された総日射量をD1、保守作業を行う前に所定期間計測された総日射量をD2、保守作業を行った後の状態の太陽光パネルユニットの前記一定期間の発電量をA、保守作業を行う前の状態の太陽光パネルユニットの前記所定期間の発電量をB、として、式:X(%)=(A/D1)/(B/D2)*100-100に当てはめて保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いとして上昇率X(%)を算出する。
【0083】
その結果、上昇率が所定%(例えば1%等)以上であれば、保守作業費用を設定された満額とし、上昇率が所定%未満であれば、設定された満額から所定%との差の分だけ割り引いた金額(上昇率1%を閾値とした場合に、実際の上昇率が0.5%であった場合には、満額の1/2の金額とする等)を保守作業費用とする計算を行う、というようなシステム、装置、方法であっても良い。
【0084】
このように、保守作業の前後の日射量あたりの発電量を算出し、その値同士を比較して、保守作業を行った後の状態の発電量の上昇度合いを数値化することで、季節や天候や太陽光パネルユニットの違いによる発電量の変化を同じ条件にして、保守作業を行った後の状態の発電量の上昇度合いを数値化することができ、さらに分かり易く保守作業を行った状態の発電量の上昇度合いが見えるようにすることができる。その上で、発電量の上昇度合いに応じて保守作業費用を割り引くようにすることで、太陽光パネル設置者がさらに納得する形での太陽光パネル保守作業とすることができる。また、発電量の上昇度合いの比較を1つの太陽光パネルユニットだけで行うことができ、比較対象の太陽光パネルユニットを用意できない状態でも対応することができる。
【0085】
なお、計算に当たって、太陽光パネルユニット1の所定単位毎に予め取り付けられているパワーコンディショナ(PCS)毎を最小単位として扱うことが望ましい。また、不確定要素を含めないようにするために、保守作業日は保守作業前の期間にも保守作業後の期間にも算入させない方が望ましい。
【0086】
また、閾値となる発電量の上昇度合い(%)については、その状況に応じて料金設定(見積り)を行うようにすれば良い。そして、例えば、発電効率の回復が1%以上の場合、見積金額満額を請求し、発電効率の回復が1%未満の場合、その達成率を見積金額に乗じた金額を請求(例:0.5%回復した場合の請求金額→見積金額×0.5)とすれば良い。
【0087】
また、見積金額が前年の年間売電収益の何%にあたるかを算出し、算出した%以上の回復であった場合、見積金額満額を請求し、算出の%未満の回復であった場合、その達成率を見積金額に乗じた金額を請求(例:見積金額が前年年間売電収益の2%で、1%の回復であった場合の請求金額→見積金額×(1%/2%))としても良い。
【0088】
また、閾値の値や発電量の回復率(達成率)の算出方法等は、ここに挙げた方法以外の適宜の方法で算出しても良い。
【0089】
また、太陽光パネル保守装置としては、前記した実施の形態のものに限るものではなく、他の方式の太陽光パネル清掃装置を用いて保守作業を行った場合にも、本発明は適用可能である。
【0090】
また、前記した実施の形態では、保守作業として太陽光パネルの清掃作業を行うようになっていたが、これに限るものではなく、保守作業として、清掃以外の作業、例えば、太陽光パネルにコーティングを行った場合と行わない場合、太陽光パネルの電気部品の交換作業や太陽光パネルの設置角度調整等を行った場合と行わない場合とで発電量の計測記録、比較、数値化を行う場合にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 太陽光パネルユニット
1a 奥側側面(上側側面)
1b 手前側側面
2 太陽光パネル
3 パネル面
4 パネル本体
5 縁部
10 太陽光パネル清掃装置(太陽光パネル保守装置)
20 連結体(装置本体)
21 ガイドローラ
30A 第1分割体(分割体)
30B 第2分割体(分割体)
30C 第3分割体(分割体)
30D 第4分割体(分割体)
40 清掃機構(保守機構)
40A~40D 清掃機構分割部
50 移動手段
50A~50D 移動手段分割部
54 移動用モータ
55 コントロールユニット(制御装置)
101 太陽光パネル保守効果算出システム
102 発電量比較装置
103A 第1発電量計測装置(発電量計測装置)
103B 第2発電量計測装置(発電量計測装置)
P 水平方向(横方向)
L 傾斜方向(縦方向)
S 隙間
図1
図2