(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021596
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20240208BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20240208BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20240208BHJP
【FI】
F24F8/80 150
F24F8/80 115
F24F8/80 170
F24F11/49
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124539
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】姉▲崎▼ 芳和
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA09
3L260BA38
3L260CA17
3L260HA02
(57)【要約】
【課題】 送風部の運転状態が変動した場合であっても、より安定して清浄度を検知することが可能な空気清浄機を提供すること。
【解決手段】 空気清浄機A1は、吸込口1aおよび吹出口1bを有する筐体1と、吸込口1aから吹出口1bに至る空気の流れを発生させる送風部2と、吸込口1aから吸い込まれた空気を清浄化する清浄化部3と、空気の清浄度を検知する検知部4と、検知部4を収容する収容部5と、を備え、筐体1は、y方向において収容部5に対向する背面パネル14を含み、収容部5と背面パネル14との間に挟まれた封止部材6をさらに備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口および吹出口を有する筐体と、
前記吸込口から前記吹出口に至る空気の流れを発生させる送風部と、
前記吸込口から吸い込まれた空気を清浄化する清浄化部と、
空気の清浄度を検知する検知部と、
前記検知部を収容する収容部と、を備え、
前記筐体は、第1方向において前記収容部に対向するパネルを含み、
前記収容部と前記パネルとの間に挟まれた封止部材をさらに備える、空気清浄機。
【請求項2】
前記封止部材は、ゴム材料からなる、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記封止部材は、内部に開口部を有する環状であり、
前記収容部は、空気が導入される導入口と、前記導入口から内部を通過した空気を排出する排出口と、を有し、
前記第1方向に視て、前記封止部材は、前記収容部と重なり、且つ、前記導入口および前記排出口は、前記封止部材の前記開口部から露出している、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記収容部は、前記第1方向において前記パネルと対向する表面と、前記第1方向と交差する方向を向く側面と、を有し、
前記封止部材は、前記表面と前記パネルとの間に位置する第1封止部と、前記側面と対向する第2封止部と、を含む、請求項3に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内等において空気に含まれる塵埃等を除去することにより空気を清浄化する空気清浄機が広く用いられている。特許文献1には、従来の空気清浄機の一例が開示されている。同文献に開示された空気清浄機は、ホコリセンサを有する。ホコリセンサは、外部から導入した空気に含まれる塵埃等の量を検知することにより空気の清浄度を検知する。同文献に開示された空気清浄機においては、センサ入口近傍空間が負圧空間に連通されている。負圧空間は、送風部のファンの駆動によって負圧となる空間である。これにより、ホコリセンサから比較的離れた位置の空気を取り込むことが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献に開示された空気清浄機において、強運転時等にファンの駆動が強められると、負圧空間の負圧が大きくなる。このため、センサ入口空間からセンサの内部に取り込まれるべき空気が、負圧空間に吸い込まれてしまうことが懸念される。このようなことでは、ファンの駆動状態によって、ホコリセンサによる検知が不安定になってしまう。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、送風部の運転状態が変動した場合であっても、より安定して清浄度を検知することが可能な空気清浄機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される空気清浄機は、吸込口および吹出口を有する筐体と、前記吸込口から前記吹出口に至る空気の流れを発生させる送風部と、前記吸込口から吸い込まれた空気を清浄化する清浄化部と、空気の清浄度を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部と、を備え、前記筐体は、第1方向において前記収容部に対向するパネルを含み、前記収容部と前記パネルとの間に挟まれた封止部材をさらに備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封止部材は、ゴム材料からなる。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封止部材は、内部に開口部を有する環状であり、前記収容部は、空気が導入される導入口と、前記導入口から内部を通過した空気を排出する排出口と、を有し、前記第1方向に視て、前記封止部材は、前記収容部と重なり、且つ、前記導入口および前記排出口は、前記封止部材の前記開口部から露出している。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記収容部は、前記第1方向において前記パネルと対向する表面と、前記第1方向と交差する方向を向く側面と、を有し、前記封止部材は、前記表面と前記パネルとの間に位置する第1封止部と、前記側面と対向する第2封止部と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、送風部の運転状態が変動した場合であっても、より安定して清浄度を検知することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す部分拡大背面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す部分拡大正面図である。
【
図6】
図4のVI-VI線に沿う部分拡大断面図である。
【
図7】
図4のVII-VII線に沿う部分拡大断面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示す分解部分拡大断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る空気清浄機の第1変形例を示す分解部分拡大断面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る空気清浄機を示す部分拡大背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図8は、本発明の第1実施形態に係る空気清浄機を示している。本実施形態の空気清浄機A1は、筐体1、送風部2、清浄化部3、検知部4、収容部5および封止部材6を備えている。空気清浄機A1は、たとえば室内の床面等に載置される。空気清浄機A1は、周囲の空気に含まれる塵埃を除去することにより、周囲の空気を清浄化するものである。なお、以降の説明における空気清浄機A1の各部の構成は、あくまで一例であり、種々多様なタイプの空気清浄機に本発明を適用可能である。
【0016】
図1は、空気清浄機A1を示す斜視図である。
図2および
図3は、空気清浄機A1を示す分解斜視図である。
図4は、空気清浄機A1を示す部分拡大背面図である。
図5は、空気清浄機A1を示す部分拡大正面図である。
図6は、
図4のVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、
図4のVII-VII線に沿う断面図である。
図8は、空気清浄機A1を示す分解部分拡大断面図である。
【0017】
これらの図において、本発明の第1方向をy方向と定義する。x方向は、y方向に対して直交する方向であり、z方向は、x方向およびy方向に対して直交する方向である。空気清浄機A1の通常の使用状態においては、z方向は、鉛直方向と一致する。また、x方向およびy方向は、水平方向と一致する。以降の説明において、y方向のy1側を前面側、y2側を背面側と称する場合がある。また、説明の便宜上、x方向の一方側をx1側、他方側をx2側と称する場合がある。また、z方向の一方側(上側)をz1側、他方側(下)をz2側と称する場合がある。
【0018】
〔筐体1〕
筐体1は、空気清浄機A1の外観のほとんどをなしており、送風部2、清浄化部3、検知部4、収容部5および封止部材6を収容している。
図1~
図3に示すように、本実施形態の筐体1は、本体パネル11、前面パネル12、前面カバー13、背面パネル14および背面カバー15と、吸込口1aおよび吹出口1bと、を有している。筐体1の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等が用いられる。
【0019】
本体パネル11は、筐体1の本体をなす部位である。本実施形態においては、本体パネル11は、送風部2、検知部4、収容部5および封止部材6を収容している。また、
図1~
図3に示すように、本実施形態においては、本体パネル11のz方向のz1側(上側)の部分に、吹出口1bが形成されている。吹出口1bは、空気清浄機A1によって清浄化された空気を吹き出すための開口である。吹出口1bは、本体パネル11をz方向に貫通している。吹出口1bの具体的な構成は何ら限定されず、図示された例においては、複数の孔がマトリクス状に配置された構成である。また、吹出口1bは、本体パネル11に形成される構成に限定されず、筐体1の他の部位に形成されていてもよい。
【0020】
また、図示された例においては、本体パネル11のz方向のz1側(上側)の部分に操作部7が設けられている。操作部7は、空気清浄機A1の使用者が空気清浄機A1を操作するためのボタン等を有する。また、操作部7は、空気清浄機A1の操作や状態把握に用いられる表示部を含んでいてもよい。
【0021】
前面パネル12は、本体パネル11のy方向のy1側(前面側)に取り付けられた部位である。前面パネル12は、本体パネル11に対して脱着可能であってもよい。図示された例においては、前面パネル12は、本体パネル11のy方向のy1側に位置する部分と、x方向のx2側に位置する部分とを含んでいる。
【0022】
図2に示すように、前面パネル12には、通気口121が設けられている。通気口121は、吸込口1aから吸い込んだ空気を送風部2に向けて通過させる開口である。通気口121の具体的構成は何ら限定されず、図示された例においては、複数の孔がマトリクス状に配置された構成である。
【0023】
前面カバー13は、前面パネル12に対してy方向のy1側に係合機構等(図示略)によって脱着可能に設けられている。図示された例においては、前面カバー13は、y方向に視て矩形状の板状部材である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態においては、前面パネル12と前面カバー13との隙間によって、吸込口1aが構成されている。吸込口1aは、空気清浄機A1によって清浄化される空気を吸い込むための開口である。吸込口1aの具体的な構成は何ら限定されず、前面パネル12と前面カバー13との隙間によって構成されるもの以外に、筐体1の他の部位に形成されていてもよい。
【0025】
背面パネル14は、
図3に示すように、本体パネル11のy方向のy2側(背面側)に取り付けられた部位である。背面パネル14は、本体パネル11に対して脱着可能であってもよい。図示された例においては、背面パネル14は、本体パネル11のy方向のy2側に位置する部分と、x方向のx2側に位置する部分とを含んでいる。
【0026】
図3、
図5、
図6および
図7に示すように、本実施形態の背面パネル14は、凹部140を有する。
図5は、凹部140をy方向のy1側からy2側に視た拡大正面図である。凹部140は、y方向のy2側(背面側)からy1側(前面側)に凹んだ部分である。凹部140の大きさや形状は何ら限定されず、図示された例においては、y方向に視て矩形状である。
【0027】
背面パネル14は、導入口141および排出口142を有する。導入口141は、検知部4によって清浄度を検知する対象となる空気を導入するための開口である。排出口142は、検知部4によって塵埃等が検知された空気を排出するための開口である。図示された例においては、導入口141および排出口142は、凹部140に形成されている。また、図示された例においては、導入口141は、凹部140のz方向のz2側端寄り(下端寄り)に配置されており、排出口142は、凹部140のz方向のz1側端寄り(上端寄り)に配置されている。また、導入口141は、x方向のx1側に配置されており、排出口142は、x方向のx2側に配置されている。導入口141および排出口142の形状は、何ら限定されず、図示された例においては、x方向を長手方向とする長矩形状である。
【0028】
背面カバー15は、
図3、
図6および
図7に示すように、背面パネル14に対してy方向のy2側(背面側)に脱着可能に取り付けられている。本実施形態においては、背面カバー15は、背面パネル14の凹部140を塞ぐようにして、背面パネル14に取り付けられる。背面カバー15の大きさや形状は何ら限定されず、図示された例においては、y方向に視て矩形状である。
【0029】
背面カバー15は、導入口151および排出口152を有する。導入口151は、検知部4によって清浄度を検知する対象となる空気を導入するための開口である。排出口152は、検知部4によって塵埃等が検知された空気を排出するための開口である。図示された例においては、導入口151は、背面カバー15のz方向のz2側端寄り(下端寄り)に配置されており、排出口152は、背面カバー15のz方向のz1側端寄り(上端寄り)に配置されている。また、導入口151は、x方向のx1側に配置されており、排出口152は、x方向のx2側に配置されている。導入口151および排出口152の形状は、何ら限定されない。
【0030】
〔送風部2〕
送風部2は、吸込口1aから吹出口1bに至る空気の流れを発生させるためのものである。送風部2の具体的構成は何ら限定されず、ファン、モータ、ケーシング等の構成部品を具備する。図示された例においては、送風部2は、y方向のy1側(前面側)に位置する吸込口1aから通気口121を経由して空気を吸込み、z方向のz1側(上側)に位置する吹出口1bから空気を吹き出す、いわゆるシロッコファンである。
【0031】
〔清浄化部3〕
清浄化部3は、吸込口1aから吸い込まれた空気に含まれる塵埃等を除去することにより、空気を清浄化する機能を果たすものである。清浄化部3の具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、前面カバー13と前面パネル12との間に配置されており、粗塵フィルタ部31、集塵フィルタ部32および活性炭フィルタ部33を含む。
【0032】
粗塵フィルタ部31は、前面カバー13のy方向のy2側に配置されている。粗塵フィルタ部31は、吸込口1aから吸い込まれた空気に含まれる塵埃等のうち、比較的粒径が大きい塵埃等を除去するためのものである。
【0033】
集塵フィルタ部32は、粗塵フィルタ部31のy方向のy2側に配置されている。集塵フィルタ部32は、粗塵フィルタ部31によって除去される塵埃等と比べて粒径が小さい塵埃等を除去するためのものであり、粗塵フィルタ部31を通過してきた塵埃等を集塵する。集塵フィルタ部32の具体例としては、たとえばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタが挙げられる。
【0034】
活性炭フィルタ部33は、活性炭を含むフィルタである。活性炭フィルタ部33は、たとえば空気に含まれる臭いの原因となる分子を捕集する機能を果たす。
【0035】
〔収容部5〕
収容部5は、検知部4を収容する部位である。収容部5の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂材料からなる。
図3、
図6および
図7に示すように、本実施形態においては、収容部5は、本体パネル11に設けられた凹部形状の部分に、y方向のy2側(背面側)から挿入されている。
図3、
図4、
図6および
図7に示すように、収容部5は、空隙部50、表面51、側面52、導入口55および排出口56を有する。
【0036】
空隙部50は、収容部5の内部に形成された空間部分である。空隙部50には、検知部4が収容される。また、検知部4によって清浄度が検知される空気は、空隙部50内を通過する。
【0037】
表面51は、y方向のy2側(背面側)を向く面であり、図示された例においては、x方向およびz方向に沿った平坦な面である。表面51は、背面パネル14の凹部140と対向している。側面52は、y方向と交差する方向を向く面である。本実施形態においては、側面52は、y方向と交差する方向であるx方向またはz方向を向いている。
【0038】
導入口55は、検知部4によって清浄度を検知する対象となる空気を導入するための開口である。排出口56は、検知部4によって塵埃等が検知された空気を排出するための開口である。図示された例においては、導入口55は、表面51のz方向のz2側端寄り(下端寄り)に配置されており、排出口56は、表面51のz方向のz1側端寄り(上端寄り)に配置されている。また、導入口55は、x方向のx1側に配置されており、排出口56は、x方向のx2側に配置されている。導入口55および排出口56の形状は、何ら限定されない。
図6に示すように、背面カバー15の導入口151、背面パネル14の導入口141および収容部5の導入口55は、y方向に視て互いに重なる配置である。また、背面カバー15の排出口152、背面パネル14の排出口142、および収容部5の排出口56は、y方向に視て互いに重なる配置である。
【0039】
〔検知部4〕
検知部4は、空気に含まれる塵埃等の量に応じて空気の清浄度を検知するためのものである。検知部4の具体的構成は何ら限定されず、種々の検知原理を用いた構成が採用される。本実施形態においては、検知部4は、光学的な検知原理を用いた構成であり、
図4、
図6および
図7に示すように、発光部41、受光部42およびヒータ43を有する。
【0040】
発光部41は、空隙部50内を通過する空気に、光を出射するものである。発光部41は、たとえば光源としてLEDチップを有するが、具体的構成は何ら限定されない。LEDチップを有する発光部41は、所定の波長の光を出射する。
【0041】
受光部42は、発光部41から出射された光が、
図4に示すように、空気中の塵埃Dsによって散乱された場合に、この散乱光を受光するものである。受光部42は、たとえばフォトダイオードやフォトIC等を有するが、具体的構成は何ら限定されない。受光部42が受光する光の光度や、所定時間当たりの受光頻度等に基づいて、空気の清浄度が検知される。
【0042】
本実施形態においては、発光部41および受光部42は、空隙部50内においてz方向のz1側の部分に配置されている。また、発光部41は、x方向のx2側に配置されており、受光部42は、x方向のx1側に配置されている。発光部41からは、x方向に対してz方向のz2側(下側)に若干傾いた方向に光が出射される。塵埃Dsに散乱された光は、x方向に対してz方向のz1側(上側)に若干傾いた方向に進行し、受光部42に受光される。
【0043】
ヒータ43は、空隙部50内において、導入口55から排出口56に向かう空気の流れを生じさせるためのものである。ヒータ43は、空隙部50においてz方向のz2側(下側)の端部に配置されている。ヒータ43は、たとえば電気抵抗を利用して周囲の空気を加熱する。これにより、
図6に示すように、温められた空気が空隙部50内を上昇して排出口56から排出される。また、この気流に伴って、導入口55から空気が導入される。
【0044】
たとえば、検知部4による空気の清浄度が高い場合(塵埃等が少ない場合)、空気清浄機A1においては、送風部2のファンの回転数を低下させる等により、弱運転モードに設定される。一方、検知部4による空気の清浄度が低い場合(塵埃等が多い場合)、空気清浄機A1においては、送風部2のファンの回転数を上昇させる等により、強運転モードに設定される。
【0045】
〔封止部材6〕
封止部材6は、
図3~
図7に示すように、収容部5と背面パネル14との間に挟まれており、収容部5と背面パネル14との間の空間の気密性を高めるためのものである。封止部材6の材質は何ら限定されず、ゴム材料、スポンジ等の可撓性に富んだ材質や、樹脂等の材質によって適宜構成される。本実施形態においては、封止部材6は、ゴム材料からなる。なお、
図4および
図5においては、理解の便宜上、封止部材6を想像線とドット状のハッチングによって示している。
【0046】
本実施形態においては、封止部材6は、収容部5と背面パネル14の凹部140との間に挟まれている。また、封止部材6の大部分は、収容部5の表面51と背面パネル14の凹部140との間に挟まれている。
【0047】
また、本実施形態においては、封止部材6は、y方向に視て環状であり、開口部60を有する。
図4および
図6に示すように、導入口55および排出口56は、y方向に視て、封止部材6の開口部60から露出している。すなわち、封止部材6は、導入口55および排出口56に対してz方向の外側に位置している。さらに、本実施形態においては、
図5に示すように、背面パネル14の導入口141および排出口142は、y方向に視て、封止部材6の開口部60から露出している。すなわち、封止部材6は、導入口141および排出口142に対してz方向の外側に位置している。
【0048】
図6に示すように、封止部材6は、第1封止部61および第2封止部62を有しており、断面がL字状である。第1封止部61は、表面51と背面パネル14との間に位置する部位である。図示された例においては、第1封止部61は、表面51と凹部140との間に位置している。
【0049】
第2封止部62は、側面52と対向する部位である。図示された例においては、第2封止部62は、側面52に対してx方向に対向する部分と、z方向に対向する部分とを含む。第2封止部62は、側面52に接していてもよいし、側面52との間に隙間を挟んでいてもよい。なお、封止部材6の断面形状は、何ら限定されず、第2封止部62を有さない、平坦な矩形状等であってもよい。
【0050】
図8に示す例においては、収容部5と背面パネル14とに挟まれる前の状態において、封止部材6は、断面は、たとえば矩形状である。封止部材6がゴム材料等の可撓性に富んだ材質からなる場合、断面が矩形状の封止部材6が、収容部5と背面パネル14とに挟まれることにより、封止部材6が弾性変形し、
図6に示す第1封止部61および第2封止部62を有する断面がL字状の形状となる。
【0051】
図9は、空気清浄機A1の封止部材6に関する第1変化例を示している。本変形例に置いては、収容部5と背面パネル14とに挟まれる前の状態において、封止部材6が、第1封止部61および第2封止部62を有している。すなわち、封止部材6は、あらかじめ第1封止部61および第2封止部62を有する形状に形成されている。このような例は、たとえば封止部材6が樹脂等の比較的硬質の材質からなる場合に採用され得る。また、封止部材6がゴム材料等の可撓性に富んだ材質からなる場合に、あらかじめ第1封止部61および第2封止部62を有する形状に形成されていてもよい。
【0052】
次に、空気清浄機A1の作用について説明する。
【0053】
本実施形態によれば、
図3~
図7に示すように、収容部5と背面パネル14との間に封止部材6が挟まれている。これにより、空気清浄機A1の動作時に、たとえば送風部2の駆動によって筐体1内に負圧となる部位が生じたとしても、この負圧部分と収容部5との間の気密性を高めることが可能である。これにより、検知部4によって清浄度が検知されるべき空気が、意図せずに負圧空間に吸い込まれてしまうことを抑制することが可能である。したがって、送風部2の運転状態が変動した場合であっても、より安定して清浄度を検知することができる。
【0054】
封止部材6がゴム材料からなる場合、
図6および
図7に示すように、収容部5および背面パネル14に対して封止部材6をより密着させることが可能である。これは、負圧部分と収容部5との気密性を高めるのに好ましい。
【0055】
図3~
図7に示すように、本実施形態の封止部材6は、開口部60を有する環状である。収容部5の導入口55および排出口56は、開口部60の内側に配置されており、開口部60の外側の負圧空間と区画されている。これにより、検知部4によって清浄度が検知されるべき空気を、収容部5の導入口55により確実に導入することができる。
【0056】
図6に示すように、本実施形態の封止部材6は、第1封止部61および第2封止部62を有する。第1封止部61は、収容部5の表面51と背面パネル14とに挟まれている。これにより、開口部60の内側と外側とをより確実に区画することができる。また、第2封止部62は、側面52に対してx方向またはz方向の外側から対向している。これにより、収容部5および背面パネル14と第1封止部61との間に隙間が生じうる状態であっても、この隙間を第2封止部62によって塞ぐことが可能である。
【0057】
本実施形態においては、第1封止部61は、収容部5の表面51と背面パネル14の凹部140とによって挟まれている。凹部140は、背面パネル14のうちy方向のy1側(前面側)に凹んだ部分である。このため、背面パネル14を本体パネル11に対してy方向のy2側(背面側)からy1側(前面側)に接近させて取り付ける際に、凹部140によって封止部材6をより強く押圧することが可能である。これは、封止部材6による気密性の向上に有利である。
【0058】
図10および
図11は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0059】
<第2実施形態>
図10および
図11は、本発明の第2実施形態に係る空気清浄機を示している。本実施形態の空気清浄機A2においては、y方向に視た封止部材6の形状および大きさが上述の実施形態と異なっている。
【0060】
本実施形態においては、封止部材6の開口部60のすべてが、y方向に視て収容部5の表面51に重なっている。すなわち、
図3および
図7に例示した通り、収容部5は、表面51以外に、表面51に対してy方向のy1側(前面側)に位置する部位を含む場合がある。空気清浄機A1においては、y方向に視て、封止部材6の一部が表面51に重なり、他の部分が、表面51に重なっていない。空気清浄機A2においては、開口部60の全周において収容部5の表面51と接している。
【0061】
また、図示された例の表面51の形状に合わせて、開口部60のz方向のz1側にz1側に突出する部分が設けられている。このような開口部60の形状は、表面51の形状に対応した形状の一例である。
【0062】
本実施形態によっても、送風部2の運転状態が変動した場合であっても、より安定して清浄度を検知することができる。また、本実施形態においては、収容部5の表面51、封止部材6および背面パネル14の凹部140によって、より密閉された空間が実現されている。これにより、清浄度の検知をさらに安定して実行することができる。
【0063】
本発明に係る空気清浄機は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る空気清浄機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0064】
A1,A2:空気清浄機
1 :筐体
1a :吸込口
1b :吹出口
2 :送風部
3 :清浄化部
4 :検知部
5 :収容部
6 :封止部材
7 :操作部
11 :本体パネル
12 :前面パネル
13 :前面カバー
14 :背面パネル
15 :背面カバー
31 :粗塵フィルタ部
32 :集塵フィルタ部
33 :活性炭フィルタ部
41 :発光部
42 :受光部
43 :ヒータ
50 :空隙部
51 :表面
52 :側面
55 :導入口
56 :排出口
60 :開口部
61 :第1封止部
62 :第2封止部
121 :通気口
140 :凹部
141 :導入口
142 :排出口
151 :導入口
152 :排出口
Ds :塵埃