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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021628
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】配線回路基板、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/10 20060101AFI20240208BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240208BHJP
   H05K 3/42 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
H05K3/10 E
H05K3/46 B
H05K3/42 630A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124605
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100163038
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 武志
(74)【代理人】
【識別番号】100193725
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 幸子
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼山 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 孝俊
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E343
【Fターム(参考)】
5E316DD16
5E316DD24
5E316DD44
5E316DD50
5E316EE01
5E316FF01
5E316FF04
5E316FF14
5E316FF17
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316HH31
5E317AA11
5E317AA21
5E317AA24
5E317CC25
5E317CC33
5E317CD25
5E317CD32
5E317GG01
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA12
5E343BB02
5E343DD23
5E343DD43
5E343DD80
5E343ER18
5E343ER49
5E343GG06
(57)【要約】
【課題】 絶縁層にボイドなどの不良が生じにくくかつ樹脂残渣を抑制して貫通孔を形成できる配線回路基板の製造方法の提供。
【解決手段】 支持基板上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する工程と、
ビアを形成するための貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成すること、及び配線を形成するための溝部をインプリントリソグラフィーにより形成することを含み、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層から前記貫通孔及び前記溝部が形成された絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に導体層を形成する工程と、
前記導体層の一部を除去して前記配線及び前記ビアを形成することにより、前記絶縁層内に前記配線及び前記ビアが形成されてなる配線層を作製する工程と、
を含む、配線回路基板の製造方法。
【選択図】図1J

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する工程と、
ビアを形成するための貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成すること、及び配線を形成するための溝部をインプリントリソグラフィーにより形成することを含み、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層から前記貫通孔及び前記溝部が形成された絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に導体層を形成する工程と、
前記導体層の一部を除去して前記配線及び前記ビアを形成することにより、前記絶縁層内に前記配線及び前記ビアが形成されてなる配線層を作製する工程と、
を含む、配線回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁層を形成する工程が、
フォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
インプリントリソグラフィーにより、前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
前記貫通孔及び前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁層を形成する工程が、
遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、前記インプリントモールドによるインプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層に配線を形成するための溝部を形成し、かつ前記インプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、前記絶縁層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理
を含む、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記インプリントリソグラフィーが、光インプリントリソグラフィーである、請求項3に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層を形成する工程が、
遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、前記インプリントモールドによる熱インプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に配線を形成するための溝部を形成し、かつ前記インプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記溝部及び前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、請求項3に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁層を形成する工程が、
インプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
フォトリソグラフィーにより、前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記貫通孔及び前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁層を形成する工程が、
フォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
インプリントリソグラフィーにより、前記貫通孔が形成された前記絶縁層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
を含む、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記配線層である第1の配線層の上に、絶縁層内に配線及びビアが形成されてなる第2の配線層を作製する工程を更に含み、
前記第1の配線層における前記配線と、前記第2の配線層における前記配線とが、前記第1の配線層における前記ビアを介して電気的に接続されている、
請求項1から7のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記配線層の表面における前記ビアの周囲にランドが形成されるように、前記インプリントリソグラフィーにより前記溝部を形成する際に、前記インプリントリソグラフィーにより前記貫通孔の開口部が広くされる、請求項2又は6に記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層の形成が、前記支持基板への液状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の塗布、又は前記支持基板へのフィルム状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の貼付により行われる、請求項1から7のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記支持基板が、金属製の支持基板である、請求項1から7のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
【請求項12】
支持基板と、前記支持基板の上に形成された配線層とを有し、
前記支持基板が、金属製の支持基板であり、
前記配線層が、絶縁層と、配線と、ビアとを有し、
前記配線が、前記絶縁層の前記支持基板側の表面と反対側の表面に埋没しており、
前記ビアが、前記絶縁層を貫通しており、
前記絶縁層が、絶縁層形成用感光性樹脂材料から形成された層であり、
前記配線層における前記支持基板側の第1の表面と反対側の第2の表面に、前記配線及び前記ビアが露出しており、前記第2の表面において、前記配線の露出面、前記ビアの露出面、及び前記絶縁層の表面が平坦面を形成している、
配線回路基板。
【請求項13】
前記支持基板が、端子に利用される、請求項12に記載の配線回路基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板の配線の形成方法としては、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法及びインプリント法などが知られている。
【0003】
サブトラクティブ法では、例えば、配線用導電膜上に形成したレジストパターンをマスクにして、その導電膜をウエットエッチングすることで配線を形成する。この方法では、エッチングが等方的に進行する。即ち、深さ方向に加えて、幅方向にもエッチングが進行する。そのため、微細パターンの形成が難しい。
【0004】
セミアディティブ法では、例えば、絶縁層上にシード層を形成した後、その上にめっき用レジストパターンを形成し、シード層に給電しながら、めっき用レジストパターンの開口部内に電解めっきによって導電膜を形成する。そして、めっき用レジストパターンを除去後、シード層をウエットエッチングすることにより、エッチングされずに残った導電膜によって配線が形成されることになる。
セミアディティブ法では、例えば、絶縁層上にシード層を形成した後、その上にめっき用レジストパターンを形成し、シード層に給電しながら、めっき用レジストパターンの開口部内に電解めっきによって導電膜を形成する。そして、めっき用レジストパターンを除去後、シード層をウエットエッチングすることにより、エッチングされずに残った導電膜によって配線が形成されることになる。
セミアディティブ法ではエッチング量が少ないため、サブトラクティブ法と比べて微細パターンの形成が可能である。他方、セミアディティブ法では、配線は絶縁層上に凸状に形成されるため、配線を有する絶縁層である積層体の表面は凹凸を有する。凹凸を有する積層体は、言い換えれば、厚みが不均一な積層体である。そのような積層体を積層することは非常に難しい。
【0005】
インプリント法は、金型(スタンパ)の表面の凹凸を樹脂層に印刻することにより、樹脂層に配線溝やビア用の孔を形成し、その溝や孔にめっき法等により導電膜を埋め込み、配線やビアを形成する方法である。
例えば、特許文献1には、高さの異なる突起部及び凸部を有するインプリントモールド(金型)を用いて、絶縁性基材にビア用の貫通孔と配線パターン用の溝部とを形成することが記載されている(特許文献1の図6参照)。この技術では、突起部によってビア用の貫通孔が形成され、凸部によって配線パターン用の溝部が形成される。
インプリント法では、微細パターンの形成が可能であり、かつ均一な厚みの積層体を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-51251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、インプリント法により、高さが大きく異なる突起部及び凸部を有する金型を用いて深さが大きく異なる貫通孔及び溝部を形成するには、加工する絶縁性基材の流動性に十分注意する必要がある。例えば、絶縁性基材の流動性が不適切だと、ボイドなどの不良が発生しやすい。また、インプリント法により絶縁性基材に貫通孔を形成しようとした際に、突起部が絶縁性基材を貫通せずに、貫通孔を形成しようとした箇所の底に薄い樹脂残渣が残り、貫通孔が形成されない場合がある。樹脂残渣が残っていると、ビアの導通不良を招く。そのため、この樹脂残渣を取り除くためのエッチングが必要になる。
【0008】
そこで、本発明は、絶縁層にボイドなどの不良が生じにくくかつ樹脂残渣を抑制して貫通孔を形成できる配線回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、配線回路基板の上に配線層を積層して積層体を形成する際に、均一な厚みの積層体が得られる配線回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決する為、鋭意検討を行った結果、上記の課題を解決出来ることを見出し、以下の要旨を有する本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下を包含する。
【0010】
[1] 支持基板上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する工程と、
ビアを形成するための貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成すること、及び配線を形成するための溝部をインプリントリソグラフィーにより形成することを含み、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層から前記貫通孔及び前記溝部が形成された絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に導体層を形成する工程と、
前記導体層の一部を除去して前記配線及び前記ビアを形成することにより、前記絶縁層内に前記配線及び前記ビアが形成されてなる配線層を作製する工程と、
を含む、配線回路基板の製造方法。
[2] 前記絶縁層を形成する工程が、
フォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
インプリントリソグラフィーにより、前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
前記貫通孔及び前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、[1]に記載の配線回路基板の製造方法。
[3] 前記絶縁層を形成する工程が、
遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、前記インプリントモールドによるインプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層に配線を形成するための溝部を形成し、かつ前記インプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、前記絶縁層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理
を含む、[1]に記載の配線回路基板の製造方法。
[4] 前記インプリントリソグラフィーが、光インプリントリソグラフィーである、[3]に記載の配線回路基板の製造方法。
[5] 前記絶縁層を形成する工程が、
遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、前記インプリントモールドによる熱インプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に配線を形成するための溝部を形成し、かつ前記インプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記溝部及び前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、[3]に記載の配線回路基板の製造方法。
[6] 前記絶縁層を形成する工程が、
インプリントリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
フォトリソグラフィーにより、前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記貫通孔及び前記溝部が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
を含む、[1]に記載の配線回路基板の製造方法。
[7] 前記絶縁層を形成する工程が、
フォトリソグラフィーにより、前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理と、
前記貫通孔が形成された前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理と、
インプリントリソグラフィーにより、前記貫通孔が形成された前記絶縁層に、配線を形成するための溝部を形成する処理と、
を含む、[1]に記載の配線回路基板の製造方法。
[8] 前記配線層である第1の配線層の上に、絶縁層内に配線及びビアが形成されてなる第2の配線層を作製する工程を更に含み、
前記第1の配線層における前記配線と、前記第2の配線層における前記配線とが、前記第1の配線層における前記ビアを介して電気的に接続されている、
[1]から[7]のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
[9] 前記配線層の表面における前記ビアの周囲にランドが形成されるように、前記インプリントリソグラフィーにより前記溝部を形成する際に、前記インプリントリソグラフィーにより前記貫通孔の開口部が広くされる、[2]又は[6]に記載の配線回路基板の製造方法。
[10] 前記絶縁層形成用感光性樹脂材料の層の形成が、前記支持基板への液状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の塗布、又は前記支持基板へのフィルム状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の貼付により行われる、[1]から[9]のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
[11] 前記支持基板が、金属製の支持基板である、[1]から[10]のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
[12] 支持基板と、前記支持基板の上に形成された配線層とを有し、
前記支持基板が、金属製の支持基板であり、
前記配線層が、絶縁層と、配線と、ビアとを有し、
前記配線が、前記絶縁層の前記支持基板側の表面と反対側の表面に埋没しており、
前記ビアが、前記絶縁層を貫通しており、
前記絶縁層が、絶縁層形成用感光性樹脂材料から形成された層であり、
前記配線層における前記支持基板側の第1の表面と反対側の第2の表面に、前記配線及び前記ビアが露出しており、前記第2の表面において、前記配線の露出面、前記ビアの露出面、及び前記絶縁層の表面が平坦面を形成している、
配線回路基板。
[13] 前記支持基板が、端子に利用される、[12]に記載の配線回路基板。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、絶縁層にボイドなどの不良が生じにくくかつ樹脂残渣を抑制して貫通孔を形成できる配線回路基板の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、配線回路基板の上に配線層を積層して積層体を形成する際に、均一な厚みの積層体が得られる配線回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その1)。
図1B図1Bは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その2)。
図1C図1Cは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その3)。
図1D図1Dは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その4)。
図1E図1Eは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その5)。
図1F図1Fは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その6)。
図1G図1Gは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その7)。
図1H図1Hは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その8)。
図1I図1Iは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その9)。
図1J図1Jは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その10)。
図1K図1Kは、配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である(その11)。
図2A図2Aは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その1)。
図2B図2Bは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その2)。
図2C図2Cは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その3)。
図2D図2Dは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その4)。
図2E図2Eは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その5)。
図2F図2Fは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その6)。
図2G図2Gは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その7)。
図2H図2Hは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その8)。
図2I図2Iは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その9)。
図3A図3Aは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その1)。
図3B図3Bは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その2)。
図3C図3Cは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その3)。
図3D図3Dは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その4)。
図3E図3Eは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その5)。
図3F図3Fは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その6)。
図3G図3Gは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その7)。
図3H図3Hは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その8)。
図3I図3Iは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その9)。
図3J図3Jは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その10)。
図4A図4Aは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その1)。
図4B図4Bは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その2)。
図4C図4Cは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その3)。
図4D図4Dは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その4)。
図4E図4Eは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その5)。
図4F図4Fは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その6)。
図4G図4Gは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その7)。
図4H図4Hは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その8)。
図4I図4Iは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その9)。
図4J図4Jは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その10)。
図4K図4Kは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その11)。
図5A図5Aは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その1)。
図5B図5Bは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その2)。
図5C図5Cは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その3)。
図5D図5Dは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その4)。
図5E図5Eは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その5)。
図5F図5Fは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その6)。
図5G図5Gは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その7)。
図5H図5Hは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その8)。
図5I図5Iは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その9)。
図5J図5Jは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その10)。
図5K図5Kは、配線回路基板の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その11)。
図6A図6Aは、ランドの形成方法の一例を説明するための概略図である(その1)。
図6B図6Bは、ランドの形成方法の一例を説明するための概略図である(その2)。
図6C図6Cは、ランドの形成方法の一例を説明するための概略図である(その3)。
図6D図6Dは、ランドの形成方法の一例を説明するための概略図である(その4)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(配線回路基板の製造方法、及び配線回路基板)
本発明の配線回路基板の製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、第4工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
第1工程は、支持基板上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する工程である。
第2工程は、ビアを形成するための貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成すること、及び配線を形成するための溝部をインプリントリソグラフィーにより形成することを含む。更に、第2工程では、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層から貫通孔及び溝部が形成された絶縁層を形成する。
第3工程は、絶縁層の表面に導体層を形成する工程である。
第4工程は、導体層の一部を除去して配線及びビアを形成することにより、絶縁層内に配線及びビアが形成されてなる配線層を作製する工程である。
インプリントリソグラフィーのみにより、絶縁層に配線用の溝部及びビア用の貫通孔を同時に形成しようとすると、溝部用の凸部と貫通孔用の凸部とを有する金型(インプリントモールド)を用いる必要がある。ここで、溝部用の凸部と貫通孔用の凸部とは高さが大きく異なる。そして、高さが大きく異なる凸部を有する金型を絶縁層に押し付ける場合、絶縁層の流動性に十分に注意しないと、凸部の高さの違いに起因してボイドなどの不良が発生しやすい。また、通常、貫通孔用の凸部の高さは、絶縁層の厚みと同じであるため、貫通孔用の凸部は、絶縁層を大きく貫通することはない。そのため、貫通孔を形成しようとした箇所の底に薄い樹脂残渣が残り、貫通孔が形成されない場合がある。
それに対して、本発明の配線回路基板の製造方法では、ビア用の貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成し、配線用の溝部をインプリントリソグラフィーにより形成する。そのため、インプリントリソグラフィーにおいて、高さが大きく異なる凸部を有する金型を用いる必要がなく、ボイドなどの不良が発生しにくい。また、本発明の配線回路基板の製造方法では、フォトリソグラフィーによりビア用の貫通孔を形成するため、樹脂残渣を抑制して貫通孔を形成できる。
さらに、フォトリソグラフィーによるビア用の貫通孔の形成は、レーザーによる貫通孔の形成に比べて位置精度に優れるため、必要な箇所にのみ貫通孔を形成できる。なお、レーザーによる貫通孔の形成においては、貫通孔を形成すべきではない箇所にまでレーザー照射がおよぶことがあるため、望まない位置にレーザー跡が形成されることがある。
【0014】
本発明の配線回路基板は、支持基板と、支持基板の上に形成された配線層とを有する。
支持基板は、金属製の支持基板である。
配線層は、絶縁層と、配線と、ビアとを有する。
配線は、絶縁層の支持基板側の表面と反対側の表面に埋没している。
ビアは、絶縁層を貫通している。
絶縁層は、絶縁層形成用感光性樹脂材料から形成された層である。
配線層における支持基板側の第1の表面と反対側の第2の表面に、配線及びビアが露出しており、第2の表面において、配線の露出面、ビアの露出面、及び絶縁層の表面が平坦面を形成している。
サブトラクティブ法、セミアディティブ法などのフォトリソグラフィーにより配線を形成する場合、通常、絶縁層の平坦な表面の上に配線が形成される。そのため、配線は、絶縁層の表面に凸状に形成される。そうすると、絶縁層と配線とからなる配線層の表面は平坦ではなく、凹凸がある。そのため、凹凸がある配線層は、厚みが不均一である。そのような配線層を複数重ねて積層体を形成した場合、積層体の厚みが不均一になる。
本発明の配線回路基板においては、第2の表面において、配線の露出面、ビアの露出面、及び絶縁層の表面が平坦面を形成していることにより、その上に配線層を積層した際に均一な厚みの積層体を形成することができる。
本発明の配線回路基板は、本発明の配線回路基板の製造方法により好適に製造することができる。
本発明の配線回路基板は、第2の表面において配線の露出面、ビアの露出面、及び絶縁層の表面が平坦面を形成している配線層の複数が積層されていることが好ましい。
【0015】
<第1工程>
第1工程は、支持基板上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する工程である。
【0016】
支持基板の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限されない。
支持基板は、樹脂製の支持基板であってもよいし、金属製の支持基板であってもよい。
支持基板の材質としては、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、モリブデン、及びタンタルから選択される1種、又はこれらの2種以上の合金が挙げられる。
【0017】
絶縁層形成用感光性樹脂材料としては、それ自体が絶縁層に転化可能な感光性樹脂材料であれば、特に制限されない。
絶縁層形成用感光性樹脂材料に含有される樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、ポリベンゾオキサゾール、エポキシ樹脂などが挙げられる。
絶縁層形成用感光性樹脂材料には、樹脂の他に、架橋剤、フィラー、各種添加剤などが含有されていもよい。
フォトリソグラフィーによって絶縁層形成用感光性樹脂材料の層をパターニングできるように、絶縁層形成用感光性樹脂材料は、露光部が現像液に溶解可能なポジ型であるか、または未露光部が現像液に溶解可能なネガ型である。
なお、インプリントリソグラフィーが、光インプリントリソグラフィーである場合、絶縁層形成用感光性樹脂材料は、通常、ネガ型である。
【0018】
金属製の支持基板は、好ましくは、端子に利用される。端子は、他の配線回路基板、半導体素子などとの接続に用いられる。
金属製の支持基板は、第4工程の後の工程において加工されて端子に利用されてもよいし、第4工程の後の工程において加工されることなく端子に利用されてもよい。
【0019】
絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、支持基板への液状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の塗布、支持基板へのフィルム状の絶縁層形成用感光性樹脂材料の貼付などが挙げられる。
塗布方法としては、特に制限されず、例えば、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、スリットコートなどが挙げられる。
【0020】
絶縁層形成用感光性樹脂材料の層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1μm以上、好ましくは3μm以上である。絶縁層形成用感光性樹脂材料の層の厚みは、例えば、7μm以下、好ましくは5μm以下である。
【0021】
<第2工程>
第2工程(絶縁層を形成する工程)は、ビアを形成するための貫通孔をフォトリソグラフィーにより形成すること、及び配線を形成するための溝部をインプリントリソグラフィーにより形成することを含む。そして、第2工程では、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層から貫通孔及び溝部が形成された絶縁層を形成する。
【0022】
貫通孔は、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層及び絶縁層の厚み方向に形成される。
貫通孔の開口の形状、開口の大きさとしては、特に制限されない。
貫通孔の開口の形状としては、例えば、円形、楕円形、角丸長方形、四角形(正方形、長方形)、五角以上の多角形などが挙げられる。
貫通孔の開口の大きさとしては、ビアの形成に適した大きさであれば、特に制限されず、開口が円形の場合、開口の直径は、例えば、5μm~10μmが挙げられる。
貫通孔は、順テーパー形状又は逆テーパー形状であってもよいし、テーパー形状でなくてもよい。
【0023】
溝部は、貫通孔と異なり、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層及び絶縁層を貫通していない。そのため、溝部の深さは、絶縁層の厚み未満である。
溝部の深さ、幅、及び形状としては、形成する配線の高さ、幅、及び形状に応じて、適宜決定される。
溝部の深さとしては、特に制限されないが、例えば、1μm以上、好ましくは1.5μm以上である。溝部の深さは、例えば、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
溝部の深さとしては、特に制限されないが、例えば、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層及び絶縁層の厚みの5%~50%が好ましい。
溝部の幅としては、特に制限されないが、例えば、1μm以上、好ましくは1.5μm以上である。溝部の幅は、例えば、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
溝部は配線を形成するための凹部であるため、溝部のパターンは配線のパターンに対応する。
【0024】
絶縁層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1μm以上、好ましくは3μm以上である。絶縁層の厚みは、例えば、7μm以下、好ましくは5μm以下である。
【0025】
フォトリソグラフィーでは、例えば、露光、現像、露光後ベークなどが行われる。
フォトリソグラフィーでは、例えば、露光の際に、フォトマスクが用いられる。
露光光の波長としては、特に制限されず、例えば、210nm~440nmが挙げられる。
露光光の光源としては、特に制限されず、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられる。
露光における照射量としては、特に制限されず、例えば、5mJ/cm~1,000mJ/cmが挙げられる。
現像は、溶剤現像であってもよいし、アルカリ現像であってもよい。
露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークを行ってもよい。露光後ベークは、絶縁層形成用感光性樹脂材料の種類に応じて、適宜行われる。
【0026】
インプリントリソグラフィーとしては、熱インプリントリソグラフィーであってもよいし、光インプリントリソグラフィーであってもよい。
熱インプリントリソグラフィーでは、例えば、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層は加熱されながら、インプリントモールドが押し付けらる。そして、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層にインプリントモールドの凹凸が転写される。
光インプリントリソグラフィーでは、例えば、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層は、インプリントモールドが押し付けられ、その後、光が照射される。そして、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層にインプリントモールドの凹凸が転写される。
熱インプリントリソグラフィーよりも光インプリントリソグラフィーの方が、インプリントモールドを絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層に押し付ける際の圧力が小さくてよい。ここで、押し付ける際の圧力が大きいと、形成される溝部、更には配線の位置精度が低下することがある。そのため、光インプリントリソグラフィーは、溝部及び配線の位置精度に優れる。その点で、光インプリントリソグラフィーは好ましい。
【0027】
インプリントリソグラフィーに使用されるインプリントモールドの材質、形状、大きさとしては、特に制限されない。
インプリントモールドの材質としては、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等を含んだ金属材料、シリコーン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくはこれらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものなどが挙げられる。
インプリントモールドは、配線を形成するための溝部を形成するための突起(以下、「溝部形成用突起」ということがある。)を有する。溝部形成用突起の高さ、幅、及び形状としては、形成する溝部の深さ、幅、及び形状、更には形成する配線の高さ、幅、及び形状に応じて、適宜決定される。
溝部形成用突起の高さは、例えば、1μm以上、好ましくは1.5μm以上である。溝部形成用突起の高さは、例えば、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
溝部形成用突起の幅は、例えば、1μm以上、好ましくは1.5μm以上である。溝部形成用突起の高さは、例えば、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
溝部形成用突起の断面形状は、例えば、矩形である。
インプリントモールドは、貫通孔を形成するための突起を有さない。
インプリントモールドは、例えば、突起として、溝部形成用突起のみを有する。
インプリントモールドは、例えば、最も高い突起として、溝部形成用突起を有する。
【0028】
インプリントモールドは、フォトリソグラフィーの際のフォトマスクとして利用するために、遮光部及び透光部を有していてもよい。この場合、例えば、インプリントモールドを絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に押し付けつつ、インプリントモールドを介して露光を行う。
絶縁層形成用感光性樹脂材料がネガ型の絶縁層形成用感光性樹脂材料である場合、インプリントモールドの透光部は、溝部形成用突起を有し、遮光部は、溝部形成用突起を有さない。そして、遮光部によって絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に未露光部が形成され、透光部によって絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に露光部が形成される。未露光部は現像され、貫通孔となる。露光部には、透光部の溝部形成用突起によって、溝部が形成される。
【0029】
インプリントモールドは、ビアの周囲にランドを形成するための突起(以下、「ランド形成用突起」ということがある。)を有していてもよい。
ランド形成用突起を有するインプリントモールドを用いることで、配線層の表面においてビアの周囲にランドを形成することができる。ビアの周囲にランドがあることで、ビアを利用した層間接続が良好になる。
ランド形成用突起の形状としては、特に制限されないが、例えば、円筒形状、直方体形状などが挙げられる。
ランド形成用突起の高さとしては、特に制限されないが、例えば、溝部形成用突起の高さの1/2~2倍が挙げられる。
【0030】
熱インプリントリソグラフィーを行う際には、インプリントモールドが押し付けられる対象である絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層は、加熱される。その際の加熱温度としては、特に制限されず、加熱は、インプリントリソグラフィーが効果的に行われるような加熱温度で行えばよい。
光インプリントリソグラフィーを行う際には、インプリントモールドが押し付けられた絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層には、光が照射される。その際の照射量としては、特に制限されない。
光インプリントリソグラフィーを行う際には、インプリントモールドが押し付けられる対象である絶縁層形成用感光性樹脂材料の層又は絶縁層は、加熱されていなくてもよい。
【0031】
第2工程(絶縁層を形成する工程)の一例は、以下の処理1a~処理1cを含む。
(処理1a):フォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理
(処理1b):インプリントリソグラフィーにより、貫通孔が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理
(処理1c):貫通孔及び溝部が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理
処理1a~処理1cを含む第2工程を含む本発明の配線回路基板の製造方法の一例については、図1A図1Kを用いて後述する。
【0032】
第2工程(絶縁層を形成する工程)の一例は、以下の処理2を含む。
(処理2):遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、インプリントモールドによるインプリントリソグラフィーにより、絶縁層に配線を形成するための溝部を形成し、かつインプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、絶縁層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理
処理2では、インプリントモールドは、フォトマスクを兼ねる。
処理2を含む第2工程は、遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用いることで、インプリントリソグラフィー及びフォトリソグラフィーを同時に行うことができる。そのため、処理2を含む第2工程は、工程短縮という利点がある。
【0033】
処理2の一例は、以下の処理2a-1である。
(処理2a-1):遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、インプリントモールドによる光インプリントリソグラフィーにより、絶縁層に配線を形成するための溝部を形成し、かつインプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、絶縁層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理
処理2a-1を含む第2工程を含む本発明の配線回路基板の製造方法の一例については、図2A図2Iを用いて後述する。
処理2a-1では、光インプリントリソグラフィーを用いることで、熱インプリントリソグラフィーを用いる場合よりも配線の位置精度に優れる。
【0034】
処理2の一例は、以下の処理2a-2~処理2b-2である。
(処理2a-2):遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、インプリントモールドによる熱インプリントリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に配線を形成するための溝部を形成し、かつインプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層にビアを形成するための貫通孔を形成する処理
(処理2b-2):溝部及び貫通孔が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理
処理2a-2~処理2b-2を含む第2工程を含む本発明の配線回路基板の製造方法の一例については、図3A図3Jを用いて後述する。
【0035】
第2工程(絶縁層を形成する工程)の他の一例は、以下の処理3a~処理3cを含む。
(処理3a):インプリントリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する処理
(処理3b):フォトリソグラフィーにより、溝部が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理
(処理3c):貫通孔及び溝部が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理
処理3a~処理3cを含む第2工程を含む本発明の配線回路基板の製造方法の一例については、図4A図4Kを用いて後述する。
処理3a~処理3cを含む第2工程は、フォトリソグラフィーよりも先にインプリントリソグラフィーを行う。この場合、インプリントリソグラフィーの前に露光がされていないため、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層が感光(例えば、現像に必要な程度の硬化)をしていない。そのため、インプリントリソグラフィーの条件(例えば、押し付け圧力、加熱など)を穏やかな条件で行うことができる。
【0036】
第2工程(絶縁層を形成する工程)の他の一例は、以下の処理4a~処理4cを含む。
(処理4a):フォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する処理
(処理4b):貫通孔が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層を加熱して、硬化させ、絶縁層を形成する処理
(処理4c):インプリントリソグラフィーにより、貫通孔が形成された絶縁層に、配線を形成するための溝部を形成する処理
処理4a~処理4cを含む第2工程を含む本発明の配線回路基板の製造方法の一例については、図5A図5Kを用いて後述する。
【0037】
<第3工程>
第3工程は、絶縁層の表面に導体層を形成する工程である。
導体層の形成方法としては、例えば、メッキが挙げられる。
第3工程では、例えば、絶縁層における支持基板側と反対側から絶縁層にメッキを施し、導体層を形成する。そのことにより、絶縁層の表面を覆う導体層が形成される。導体層の一部は、溝部を埋める。導体層の一部は、貫通孔を埋める、又は貫通孔の側面を覆う。
【0038】
メッキは、無電解メッキであってもよいし、電解メッキであってもよい。
無電解メッキ及び電解メッキの方法としては、特に制限されない。
電解メッキにより絶縁層にメッキを施す際には、予め、絶縁層の表面にシード層が形成される。シード層の形成方法としては、特に制限されず、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法、無電解メッキ法などが挙げられる。
【0039】
導体層及びシード層の材質としては、特に制限されず、例えば、銅、クロム、銀、及びニッケルから選択される1種、又はこれらの2種以上の合金が挙げられる。
なお、シード層の材質と、メッキの材質は同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
【0040】
<第4工程>
第4工程は、導体層の一部を除去して配線及びビアを形成することにより、絶縁層内に配線及びビアが形成されてなる配線層を作製する工程である。
【0041】
第4工程を行う前には、導体層の一部は、絶縁層の表面を覆っている。また、導体層の一部は、溝部を埋めている。導体層の一部は、貫通孔を埋めている、又は貫通孔の側面を覆っている。
第4工程では、各溝部を埋めている導体層の各一部と、貫通孔を埋めている又は貫通孔の側面を覆っている導体層の一部とが独立するように、導体層の一部が除去される。具体的には、第4工程では、例えば、絶縁層が露出するように導体層の一部が除去される。そうすることにより、溝部を埋めている導体層の一部は、配線となる。貫通孔を埋めている、又は貫通孔の側面を覆っている導体層の一部は、ビアとなる。
【0042】
形成されるビアにおける導体は、貫通孔を埋めていてもよいし、貫通孔を埋めていなくてもよい。
【0043】
導体層の一部を除去する方法としては、特に制限されず、例えば、CMP(化学機械研磨)、プラズマエッチング、ウェットエッチングなどが挙げられる。
【0044】
第4工程において導体層の一部を除去する際、通常、絶縁層は薄化されない。そのため、配線層の厚みは、通常、絶縁層の厚みと同じである。即ち、配線層の厚みとしては、特に制限されず、例えば、1μm以上、好ましくは1.5μm以上である。配線層の厚みは、例えば、7μm以下、好ましくは5μm以下である。
【0045】
得られる配線層における支持基板側の第1の表面と反対側の第2の表面においては、配線及びビアが露出している。そして、第2の表面において、配線の露出面、ビアの露出面、及び絶縁層の表面は平坦面を形成している。
【0046】
<その他の工程>
配線回路基板の製造方法は、第1工程~第4工程に加えて、配線層である第1の配線層の上に、第2の配線層を作製する工程を有していてもよい。
第2の配線層は、絶縁層内に配線及びビアが形成されてなる。
第2の配線層は、第1の配線層側の第1の表面と反対側の第2の表面においては、配線及びビアが露出している。そして、第2の表面において、配線の露出面、ビアの露出面、及び絶縁層の表面は平坦面を形成している。
例えば、第1の配線層における配線と、第2の配線層における配線とは、第1の配線層におけるビアを介して電気的に接続されている。
【0047】
以下、図を用いて、本発明の一実施形態について、説明する。
図1A図1Kは、本発明の配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である。この一例では、第2工程が処理1a~処理1cを含む。
まず、支持基板1上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層2)を形成する(図1A)。
次に、フォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する。貫通孔の形成は、例えば、以下の様に行われる。不図示のフォトマスクを介して感光性樹脂層2をパターン状に露光する。感光性樹脂層2は、ネガ型である。露光は、例えば、不図示のフォトマスクを用いて、貫通孔を形成する箇所が露光されない未露光部2bとなり、それ以外の箇所が露光部2aとなるように行われる(図1B)。その後、未露光部2bを現像液により現像して除去し、貫通孔2xを形成する(図1C)。露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークが行われてもよい。
次に、熱インプリントリソグラフィーにより、貫通孔が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する。溝部の形成は、例えば、以下の様に行われる。露光部2a(感光性樹脂層)を加熱しながら、溝部形成用突起3aを有するインプリントモールド3を、露光部2a(感光性樹脂層)の支持基板側1と反対側から露光部2a(感光性樹脂層)に押し付け、露光部2a(感光性樹脂層)に溝部2yを形成する(図1D、及び図1E)。その後、インプリントモールド3を露光部2a(感光性樹脂層)から離す(図1F)。
次に、貫通孔2x及び溝部2yが形成された露光部2a(感光性樹脂層)を加熱して、硬化させ、絶縁層2cを形成する(図1G)。加熱の温度、及び時間としては、特に制限されない。
次に、絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層の形成は、電解メッキにより行われる。まず、絶縁層2cの表面にシード層4を形成する(図1H)。シード層4の形成は、例えば、物理蒸着法により行われる。続いて、電解メッキにより、絶縁層2cの表面に導体層5を形成する(図1I)。例えば、シード層4は、メッキの金属と一体となって導体層5を構成する。
次に、導体層5の一部を除去する。導体層5の一部を除去して配線7及びビア6を形成することにより、絶縁層2c内に配線7及びビア6が形成されてなる配線層2dを作製する(図1J)。
以上により、配線回路基板が製造される。
得られた配線回路基板は、図1Jに示すように、配線層2dにおける支持基板1側の第1の表面と反対側の第2の表面2eに、配線7及びビア6が露出しており、第2の表面2eにおいて、配線7の露出面、ビア6の露出面、及び絶縁層2cの表面が平坦面を形成している。
この実施形態においては、更に、配線層2dの上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)を形成した上で、図1B図1Jを用いて説明した工程を行って、支持基板1上の配線層2d(第1の配線層)の上に、更に配線層2d(第2の配線層)を形成してもよい(図1K)。
【0048】
次に、本発明の他の一実施形態について、説明する。
図2A図2Iは、本発明の配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である。この一例では、第2工程が処理2a-1を含む。
まず、支持基板11上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層12)を形成する(図2A)。
次に、遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、インプリントモールドによる光インプリントリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に配線を形成するための溝部を形成し、かつインプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層にビアを形成するための貫通孔を形成する。この工程は、例えば、以下の様に行われる。インプリントモールドとして、溝部形成用突起13aと遮光部13bとを有するインプリントモールド13を用いる。インプリントモールド13の遮光部13b以外は、透光性である。インプリントモールド13を、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層12)の支持基板11側と反対側から絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層12)に押し付ける(図2B、及び図2C)。それと同時に、フォトマスクを兼ねるインプリントモールド13を介して、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層12)をパターン状に露光する。感光性樹脂層12は、ネガ型である。露光は、貫通孔を形成する箇所が露光されない未露光部12bとなり、それ以外の箇所が露光部となるように行われる。露光部は光によって十分に硬化し、溝部12yが形成されるとともに、露光部は絶縁層12cとなる(図2C)。その後、インプリントモールド13を、未露光部12bが残る絶縁層12cから離す(図2D)。その後、未露光部12bを現像液により現像して除去し、貫通孔12xを形成する(図2E)。露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークが行われてもよい。
次に、絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層の形成は、電解メッキにより行われる。まず、絶縁層12cの表面にシード層14を形成する(図2F)。シード層14の形成は、例えば、物理蒸着法により行われる。続いて、電解メッキにより、絶縁層12cの表面に導体層15を形成する(図2G)。例えば、シード層14は、メッキの金属と一体となって導体層15を構成する。
次に、導体層15の一部を除去する。導体層15の一部を除去して配線17及びビア16を形成することにより、絶縁層12c内に配線17及びビア16が形成されてなる配線層12dを作製する(図2H)。
以上により、配線回路基板が製造される。
得られた配線回路基板は、図2Hに示すように、配線層12dにおける支持基板11側の第1の表面と反対側の第2の表面12eに、配線17及びビア16が露出しており、第2の表面12eにおいて、配線17の露出面、ビア16の露出面、及び絶縁層12cの表面が平坦面を形成している。
この実施形態においては、更に、配線層12dの上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)を形成した上で、図2B図2Hを用いて説明した工程を行って、支持基板11上の配線層12d(第1の配線層)の上に、更に配線層12d(第2の配線層)を形成してもよい(図2I)。
【0049】
なお、図2A図2Iを用いた処理2a-1の説明では、露光によって露光部が十分に硬化して絶縁層が形成されるが、光インプリントリソグラフィーを用いた場合でも、後述する図3A図3Jを用いて示す、処理2a-2~処理2b-2と同様に、インプリントモールドを離した後に、加熱による硬化を行って絶縁層を形成してもよい。
【0050】
次に、本発明の他の一実施形態について、説明する。
図3A図3Jは、本発明の配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である。この一例では、第2工程が処理2a-2~処理2b-2を含む。
まず、支持基板21上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)を形成する(図3A)。
次に、遮光部及び透光部を有するインプリントモールドを用い、インプリントモールドによる熱インプリントリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に配線を形成するための溝部を形成し、かつインプリントモールドによるフォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層にビアを形成するための貫通孔を形成する。この工程は、例えば、以下の様に行われる。インプリントモールドとして、溝部形成用突起23aと遮光部23bとを有するインプリントモールド23を用いる。インプリントモールド23の遮光部23b以外は、透光性である。絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)を加熱しながら、インプリントモールド23を、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)の支持基板21側と反対側から絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)に押し付け、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)に溝部22yを形成する(図3B、及び図3C)。それと同時に、フォトマスクを兼ねるインプリントモールド23を介して、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層22)をパターン状に露光する。感光性樹脂層22は、ネガ型である。露光は、貫通孔を形成する箇所が露光されない未露光部22bとなり、それ以外の箇所が露光部22aとなるように行われる(図3C)。その後、インプリントモールド23を、露光部22a及び未露光部22bを有する絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)から離す(図3D)。その後、未露光部22bを現像液により現像して除去し、貫通孔22xを形成する(図3E)。露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークが行われてもよい。
次に、貫通孔22x及び溝部22yが形成された露光部22a(感光性樹脂層)を加熱して、硬化させ、絶縁層22cを形成する(図3F)。加熱の温度、及び時間としては、特に制限されない。
次に、絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層の形成は、電解メッキにより行われる。まず、絶縁層22cの表面にシード層24を形成する(図3G)。シード層24の形成は、例えば、物理蒸着法により行われる。続いて、電解メッキにより、絶縁層22cの表面に導体層25を形成する(図3H)。例えば、シード層24は、メッキの金属と一体となって導体層25を構成する。
次に、導体層25の一部を除去する。導体層25の一部を除去して配線27及びビア26を形成することにより、絶縁層22c内に配線27及びビア26が形成されてなる配線層22dを作製する(図3I)。
以上により、配線回路基板が製造される。
得られた配線回路基板は、図3Iに示すように、配線層22dにおける支持基板21側の第1の表面と反対側の第2の表面22eに、配線27及びビア26が露出しており、第2の表面22eにおいて、配線27の露出面、ビア26の露出面、及び絶縁層22cの表面が平坦面を形成している。
この実施形態においては、更に、配線層22dの上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)を形成した上で、図3B図3Iを用いて説明した工程を行って、支持基板21上の配線層22d(第1の配線層)の上に、更に配線層22d(第2の配線層)を形成してもよい(図3J)。
【0051】
次に、本発明の他の一実施形態について、説明する。
図4A図4Kは、本発明の配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である。この一例では、第2工程が処理3a~処理3cを含む。
まず、支持基板31上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)を形成する(図4A)。
次に、熱インプリントリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、配線を形成するための溝部を形成する。溝部の形成は、例えば、以下の様に行われる。絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)を加熱しながら、溝部形成用突起33aを有するインプリントモールド33を、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)の支持基板側31と反対側から絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)に押し付け、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)に溝部32yを形成する(図4B、及び図4C)。その後、インプリントモールド33を絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層32)から離す(図4D)。
次に、フォトリソグラフィーにより、貫通孔が形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する。貫通孔の形成は、例えば、以下の様に行われる。不図示のフォトマスクを介して感光性樹脂層32をパターン状に露光する。感光性樹脂層32は、ネガ型である。露光は、例えば、フォトマスクを用いて、貫通孔を形成する箇所が露光されない未露光部32bとなり、それ以外の箇所が露光部32aとなるように行われる(図4E)。その後、未露光部32bを現像液により現像して除去し、貫通孔32xを形成する(図4F)。露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークが行われてもよい。
次に、貫通孔32x及び溝部32yが形成された露光部32a(感光性樹脂層)を加熱して、硬化させ、絶縁層32cを形成する(図4G)。加熱の温度、及び時間としては、特に制限されない。
次に、絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層の形成は、電解メッキにより行われる。まず、絶縁層32cの表面にシード層34を形成する(図4H)。シード層34の形成は、例えば、物理蒸着法により行われる。続いて、電解メッキにより、絶縁層32cの表面に導体層35を形成する(図4I)。例えば、シード層34は、メッキの金属と一体となって導体層35を構成する。
次に、導体層35の一部を除去する。導体層35の一部を除去して配線37及びビア36を形成することにより、絶縁層32c内に配線37及びビア36が形成されてなる配線層32dを作製する(図4J)。
以上により、配線回路基板が製造される。
得られた配線回路基板は、図4Jに示すように、配線層32dにおける支持基板31側の第1の表面と反対側の第2の表面32eに、配線37及びビア36が露出しており、第2の表面32eにおいて、配線37の露出面、ビア36の露出面、及び絶縁層32cの表面が平坦面を形成している。
この実施形態においては、更に、配線層32dの上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)を形成した上で、図4B図4Jを用いて説明した工程を行って、支持基板31上の配線層32d(第1の配線層)の上に、更に配線層32d(第2の配線層)を形成してもよい(図4K)。
【0052】
次に、本発明の他の一実施形態について、説明する。
図5A図5Kは、本発明の配線回路基板の製造方法の一例を説明するための概略図である。この一例では、第2工程が処理4a~処理4cを含む。
まず、支持基板41上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層42)を形成する(図5A)。
次に、フォトリソグラフィーにより、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層に、ビアを形成するための貫通孔を形成する。貫通孔の形成は、例えば、以下の様に行われる。不図示のフォトマスクを介して感光性樹脂層42をパターン状に露光する。感光性樹脂層42は、ネガ型である。露光は、例えば、フォトマスクを用いて、貫通孔を形成する箇所が未露光部42bとなり、それ以外の箇所が露光されない露光部42aとなるように行われる(図5B)。その後、未露光部42bを現像液により現像して除去し、貫通孔42xを形成する(図5C)。露光の後かつ現像の前には、必要に応じて、露光後ベークが行われる。
次に、貫通孔42xが形成された露光部42a(感光性樹脂層)を加熱して、硬化させ、絶縁層42cを形成する(図5D)。加熱の温度、及び時間としては、特に制限されない。
次に、熱インプリントリソグラフィーにより、貫通孔が形成された絶縁層に、配線を形成するための溝部を形成する。溝部の形成は、例えば、以下の様に行われる。絶縁層を加熱しながら、溝部形成用突起43aを有するインプリントモールド43を、絶縁層42cの支持基板側41と反対側から絶縁層42cに押し付け、絶縁層42cに溝部42yを形成する(図5E、及び図5F)。その後、インプリントモールド43を絶縁層42cから離す(図5G)。
次に、絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層の形成は、電解メッキにより行われる。まず、絶縁層42cの表面にシード層44を形成する(図5H)。シード層44の形成は、例えば、物理蒸着法により行われる。続いて、電解メッキにより、絶縁層42cの表面に導体層45を形成する(図5I)。例えば、シード層44は、メッキの金属と一体となって導体層45を構成する。
次に、導体層45の一部を除去する。導体層45の一部を除去して配線47及びビア46を形成することにより、絶縁層42c内に配線47及びビア46が形成されてなる配線層42dを作製する(図5J)。
以上により、配線回路基板が製造される。
得られた配線回路基板は、図5Jに示すように、配線層42dにおける支持基板41側の第1の表面と反対側の第2の表面42eに、配線47及びビア46が露出しており、第2の表面42eにおいて、配線47の露出面、ビア46の露出面、及び絶縁層42cの表面が平坦面を形成している。
この実施形態においては、更に、配線層42dの上に、絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(感光性樹脂層)を形成した上で、図5B図5Jを用いて説明した工程を行って、支持基板41上の配線層42d(第1の配線層)の上に、更に配線層42d(第2の配線層)を形成してもよい(図5K)。
【0053】
次に、ビアの周囲にランドを有する配線回路基板を製造する一実施形態を、図6A図6Dを用いて説明する。この実施形態では、配線層の表面におけるビアの周囲にランドが形成されるように、熱インプリントリソグラフィーにより溝部を形成する際に、熱インプリントリソグラフィーにより貫通孔の開口部が広くされる。
まず、図1A図1Cを用いて説明した方法と同様にして、貫通孔2xが形成された絶縁層形成用感光性樹脂材料の層(露光部2a)を作製する。
次に、配線を形成するための溝部を形成する際に、溝部形成用突起3a及びランド形成用突起3cを有するインプリントモールド3を用いる。溝部形成用突起3a及びランド形成用突起3cを有するインプリントモールド3を、露光部2a(感光性樹脂層)の支持基板側1と反対側から露光部2a(感光性樹脂層)に押し付け、露光部2a(感光性樹脂層)に溝部2yを形成すると同時に、ランド形成用突起3cによって貫通孔2xの開口部を広くする。その後、インプリントモールド3を露光部2a(感光性樹脂層)から離す(図6A図6C)。
その後は、図1G図1Iを用いて説明した方法と同様にして、加熱硬化による絶縁層の形成、電解メッキによる導体層の形成、及び導体層の一部の除去を行う。そうすることにより、図6Dに示すような、ビア6の周囲にランド8が形成された配線層2dが得られる。
この場合、得られた配線回路基板は、図6Dに示すように、配線層2dにおける支持基板1側の第1の表面と反対側の第2の表面2eに、配線7、ビア6、及びランド8が露出しており、第2の表面2eにおいて、配線7の露出面、ビア6の露出面、ランド8の露出面及び絶縁層2cの表面が平坦面を形成している。
【符号の説明】
【0054】
1 支持基板
2 感光性樹脂層
2a 露光部
2b 未露光部
2c 絶縁層
2d 配線層
2e 第2の表面
2x 貫通孔
2y 溝部
3 インプリントモールド
3a 溝部形成用突起
3c ランド形成用突起
4 シード層
5 導体層
6 ビア
7 配線
8 ランド
11 支持基板
12 感光性樹脂層
12b 未露光部
12c 絶縁層
12d 配線層
12e 第2の表面
12x 貫通孔
12y 溝部
13 インプリントモールド
13a 溝部形成用突起
13b 遮光部
14 シード層
15 導体層
16 ビア
17 配線
21 支持基板
22 感光性樹脂層
22a 露光部
22b 未露光部
22c 絶縁層
22d 配線層
22e 第2の表面
22x 貫通孔
22y 溝部
23 インプリントモールド
23a 溝部形成用突起
23b 遮光部
24 シード層
25 導体層
26 ビア
27 配線
31 支持基板
32 感光性樹脂層
32a 露光部
32b 未露光部
32c 絶縁層
32d 配線層
32e 第2の表面
32x 貫通孔
32y 溝部
33 インプリントモールド
33a 溝部形成用突起
33b 遮光部
34 シード層
35 導体層
36 ビア
37 配線
41 支持基板
42 感光性樹脂層
42a 露光部
42b 未露光部
42c 絶縁層
42d 配線層
42e 第2の表面
42x 貫通孔
42y 溝部
43 インプリントモールド
43a 溝部形成用突起
43b 遮光部
44 シード層
45 導体層
46 ビア
47 配線
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図6A
図6B
図6C
図6D