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特開2024-21646建築物販売方法、及び建築物販売システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021646
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】建築物販売方法、及び建築物販売システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240208BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240208BHJP
【FI】
G06Q30/06 320
G06Q30/06 340
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124634
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】511204854
【氏名又は名称】株式会社アントール
(71)【出願人】
【識別番号】511104048
【氏名又は名称】電子模型製作所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 孝一
(72)【発明者】
【氏名】中谷 忠史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB27
5L049BB66
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】請負者が顧客に住宅等の建築物を販売する際に、顧客が少ない負荷で容易に建築物を購入することを可能とする、建築物販売方法、及び建築物販売システムを提供する。
【解決手段】WEB上の販売サイトを介して建築物を販売するための建築物販売方法は、販売対象の一または複数の建築物に関連する建築物情報を、販売サイト上に建築物毎に識別可能にアップロードする出品工程と、出品工程において販売サイトにアップロードされた建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付ける購入受付工程と、購入受付工程において注文が受け付けられた、建築物情報を、顧客が使用可能とする、情報提供工程と、を有し、建築物情報は、所定の建築仕様が反映されるとともに、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
WEB上の販売サイトを介して建築物を販売するための建築物販売方法であって、
販売対象の一または複数の建築物に関連する建築物情報を、前記販売サイト上に前記建築物毎に識別可能にアップロードする出品工程と、
前記出品工程において前記販売サイトにアップロードされた前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付ける購入受付工程と、
前記購入受付工程において前記注文が受け付けられた、前記建築物情報を、前記顧客が使用可能とする、情報提供工程と、
を有し、
前記建築物情報は、所定の建築仕様が反映されるとともに、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含むことを特徴とする、建築物販売方法。
【請求項2】
前記情報提供工程は、前記顧客が所定のネットワークにおけるクラウド上のサーバーに格納された前記可動画像をストリーミング配信によって視聴し動かすことを可能とする工程であることを特徴とする、請求項1に記載の建築物販売方法。
【請求項3】
前記可動画像は、過去に所定の建築主が特定の建築物を購入しまたは購入検討する際に作成された既存可動画像であり、
前記出品工程においてアップロードされる前記建築物情報は、前記建築主の許可を得た後の前記既存可動画像を含み、
前記購入受付工程で前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付けた場合に、売上金を算出する売上金算出工程と、
前記建築主に還元する還元金を算出する還元金算出工程と、
をさらに有することを特徴とする、請求項1または2に記載の建築物販売方法。
【請求項4】
前記建築物情報は、前記特定の建築物の平面図、立面図、仕様表、仕上げ表、構造図、短計図、電気図のうち少なくともいずれかをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の建築物販売方法。
【請求項5】
所定の建築仕様を反映した前記建築物のモデルデータを作成するモデルデータ作成工程と、
前記モデルデータ作成工程において作成された前記モデルデータに基づいて、所定の操作を加えることで動かすことが可能で前記建築仕様を反映した前記建築物の画像を含む可動画像を作成する可動画像作成工程と、
前記可動画像作成工程において作成された前記可動画像を前記クラウド上のサーバーにオンラインで保存する可動画像保存工程と、をさらに有することを特徴とする、請求項2に記載の建築物販売方法。
【請求項6】
WEB上の販売サイトを介して建築物を販売する建築物販売システムであって、
販売対象の一または複数の建築物に関連する建築物情報を前記販売サイト上に展示する指示を受け付ける展示受付部と、
前記展示受付部によって受け付けられた前記建築物情報を前記建築物毎に識別可能に前記販売サイトにアップロードする展示部と、
前記展示部によって前記販売サイトに展示された前記建築物情報を購入する注文があった場合に当該注文を受け付ける購入受付部と、
前記購入受付部によって前記注文が受け付けられた、前記建築物情報を、前記顧客が使用可能とする、情報提供部と、
を有し、
前記建築物情報は、所定の建築仕様が反映されるとともに、所定の操作を加えることで
動かすことが可能な可動画像を含むことを特徴とする、建築物販売システム。
【請求項7】
前記情報提供部は、前記顧客が所定のネットワークにおけるクラウド上のサーバーに格納された前記可動画像をストリーミング配信によって視聴し動かすことを可能とすることを特徴とする、請求項6に記載の建築物販売システム。
【請求項8】
前記可動画像は、過去に所定の建築主が特定の建築物を購入しまたは購入検討する際に作成された既存可動画像であり、
前記展示部においてアップロードされる前記建築物情報は、前記建築主の許可を得た後の前記既存可動画像を含み、
前記購入受付部が前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付けた場合に、売上金を自動的に算出する売上金算出部と、
前記建築主に還元する還元金を自動的に算出する還元金算出部と、
をさらに有することを特徴とする、請求項6または7に記載の建築物販売システム。
【請求項9】
前記建築物情報は、前記特定の建築物の平面図、立面図、仕様表、仕上げ表、構造図、短計図、電気図のうち少なくともいずれかをさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の建築物販売システム。
【請求項10】
所定の建築仕様を反映した前記建築物のモデルデータを作成するモデルデータ作成部と、
前記モデルデータ作成部によって作成された前記モデルデータに基づいて、所定の操作を加えることで動かすことが可能で前記建築仕様を反映した前記建築物の画像を含む可動画像を作成する可動画像作成部と、
前記可動画像作成部によって作成された前記可動画像を前記クラウド上のサーバーにオンラインで保存する可動画像保存部と、をさらに有することを特徴とする、請求項7に記載の建築物販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に住宅等の建築物を販売するための建築物販売方法、及び建築物販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Computer Aided Design(CAD)技術、シミュレーション技術の発展に伴い、建築物の3D画像を請負者が作成し、顧客がディスプレイ上で確認するシステムが公知となっている。これに関しては、顧客が建築物について目視で確認するには、請負者との打ち合わせの際に、請負者が事務所等において提示する画像を顧客がディスプレイ上で確認することが主流であり、建築物の仕様決定に時間と手間を要するとともに、実際の建築物と画像の見え方の相違等からトラブルになる場合もあった。
【0003】
これに関しては、インターネット等を介して、利用者が希望する住宅の概略外観デザインと内部レイアウトとを、希望条件に基づいて又はサーバーが提示した選択肢の中から検索することによって概略設計図等と、有償の場合のサービス内容、流れ、費用等を無償で提示する段階1~8と、希望する利用者に希望条件に基づいてサーバーが提示した選択肢の中から具体的設計図等を有償で提示し、発注し、施工を指示し、建築することを支援する段階9~14とからなるインターネット等による住宅建築方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この技術においては、利用者はインターネットを介して概略設計図等を見ることができるものの、実際の建築物と利用者が確認可能な画像との差によりトラブルが生じる危険性は逆に増加するものと考えられた。また、建築物の建築仕様を決定するにあたって打ち合わせに多大な時間を要する虞があった。
【0005】
また、建築業者側コンピュータ1と施主側コンピュータ2とをインターネット回線3で双方向通信可能とし、両コンピュータに、建築物の間取り設計の共通のソフト及び建具・内装装置・備品等の共通のデータとして間取り設計ソフト部A、そのデータ部AD、間取り設計ソフトJ、そのデータ部JDを保有させ、更に建築業者側コンピュータ1には外観・内観の三次元視覚画像を生成させる。プレゼンテーション資材作成部B及び住宅ローン試算ソフト部C、仕様書作成ソフト部D、見積り作成ソフト部Eとを保有させる技術が公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、この技術においては、建築業者側コンピュータ1と施主側コンピュータ2とにおいて共通のソフトを保有させる必要があり、システムのコスト及び、準備に必要な作業が増大する可能性があった。また、このような場合には、ソフトを施主に提供することが必要で、ソフトのセキュリティの問題が生じることも考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-016137号公報
【特許文献2】特開2002-251427号公報
【特許文献3】特開2015-125761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本件開示の技術は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、請
負者が顧客に住宅等の建築物を販売する際に、顧客が少ない負荷で容易に建築物を購入することを可能とする、建築物販売方法、及び建築物販売システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本開示は、
WEB上の販売サイトを介して建築物を販売するための建築物販売方法であって、
販売対象の一または複数の建築物に関連する建築物情報を、前記販売サイト上に前記建築物毎に識別可能にアップロードする出品工程と、
前記出品工程において前記販売サイトにアップロードされた前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付ける購入受付工程と、
前記購入受付工程において前記注文が受け付けられた、前記建築物情報を、前記顧客が使用可能とする、情報提供工程と、
を有し、
前記建築物情報は、所定の建築仕様が反映されるとともに、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含むことを特徴とする、建築物販売方法を含む。
【0010】
本開示においては、WEB上の販売サイトにおいて、所定の建築仕様が反映され、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含む建築物情報をアップロードし、顧客はこの建築物情報を選択することで、容易に可動画像を入手することが可能である。そして、顧客は、提供された可動画像を操作することで、例えば、建築物の各場所に移動するように画像を動かして各場所おける仕様をゲーム感覚で確認することが可能となる。これによれば、より容易に、より詳細且つ正確に、当該建築物の仕様等を理解することができる。その結果、建築物の販売を促進することが可能である。
【0011】
また、本開示においては、前記情報提供工程は、前記顧客が所定のネットワークにおけるクラウド上のサーバーに格納された前記可動画像をストリーミング配信によって視聴し動かすことを可能とする工程であることを特徴とする、建築物販売方法としてもよい。
【0012】
これによれば、顧客は、より低スペックの端末を用いて、より少ないデータ容量で、可動画像を使用する(視聴し動かす)ことが可能となる。
【0013】
また、本開示においては、前記可動画像は、過去に所定の建築主が特定の建築物を購入しまたは購入検討する際に作成された既存可動画像であり、前記出品工程においてアップロードされる前記建築物情報は、前記建築主の許可を得た後の前記既存可動画像を含み、前記購入受付工程で前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付けた場合に、売上金を算出する売上金算出工程と、前記建築主に還元する還元金を算出する還元金算出工程と、をさらに有することを特徴とする、建築物販売方法としてもよい。
【0014】
これによれば、過去に可動画像を作成した建築主が、その可動画像をWEB上の販売サイトにアップロードすることができ、当該可動画像が顧客により購入された場合には、収入を得ることができ、且つ、自らが過去に作成した建築仕様を有効に活用することが可能である。結果として、建築物の販売を促進することが可能であり、建築主による過去の成果物をより有効に活用することが可能である。
【0015】
また、本開示においては、前記建築物情報は、前記特定の建築物の平面図、立面図、仕様表、仕上げ表、構造図、短計図、電気図のうち少なくともいずれかをさらに含むことを特徴とする、建築物販売方法としてもよい。
【0016】
これによれば、顧客は建築物情報としてより詳細な情報を容易に得ることができ、建築物の販売を促進することが可能である。
【0017】
また、本開示においては、所定の建築仕様を反映した前記建築物のモデルデータを作成するモデルデータ作成工程と、前記モデルデータ作成工程において作成された前記モデルデータに基づいて、所定の操作を加えることで動かすことが可能で前記建築仕様を反映した前記建築物の画像を含む可動画像を作成する可動画像作成工程と、前記可動画像作成工程において作成された前記可動画像を前記クラウド上のサーバーにオンラインで保存する可動画像保存工程と、をさらに有することを特徴とする、建築物販売方法としてもよい。
【0018】
すなわち、本開示においては、WEB上の販売サイトによる建築物の販売において、新たに作成された、モデルデータと、モデルデータに基づいて作成された可動画像を含む建築物情報をアップロードすることが可能である。これにより、顧客は、新たに作成された提供された可動画像を操作することで、例えば、建築物の各場所に移動するように画像を動かして各場所おける仕様をゲーム感覚で確認することで、新規で詳細な建築物情報を得ることが可能である。
【0019】
顧客は、購入した可動画像に表示された仕様に対し、修正依頼をすることも可能である。これにより、顧客は、好きな時間及び場所で、より楽しく、自分が納得できるまで建築仕様の確認をすることができる。その結果、建築仕様決定までの時間的・工数的な効率を高めて、コスト低減することが可能となる。また、顧客は、実使用により近い状態で建築仕様を確認できるため、顧客側と請負者側の建築仕様に対する認識の相違によるトラブルの発生を抑制することが可能となる。
【0020】
また、本発明においては、可動画像作成工程においては、モデルデータ作成工程において作成されたモデルデータを、ゲームエンジンプログラムである可動画像作成手段に適用することで、可動画像を作成するようにしてもよい。ここで、可動画像作成手段として所謂ゲームエンジンプログラムを使用することで、より容易に、より鮮明で高画質の可動画像を作成することが可能となる。また、可動画像の動かし方についてもより高度な動かし方とすることが可能となる。
【0021】
また、本開示は、
WEB上の販売サイトを介して建築物を販売する建築物販売システムであって、
販売対象の一または複数の建築物に関連する建築物情報を前記販売サイト上に展示する指示を受け付ける展示受付部と、
前記展示受付部によって受け付けられた前記建築物情報を前記建築物毎に識別可能に前記販売サイトにアップロードする展示部と、
前記展示部によって前記販売サイトに展示された前記建築物情報を購入する注文があった場合に当該注文を受け付ける購入受付部と、
前記購入受付部によって前記注文が受け付けられた、前記建築物情報を、前記顧客が使用可能とする、情報提供部と、
を有し、
前記建築物情報は、所定の建築仕様が反映されるとともに、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含むことを特徴とする、建築物販売システムを含んでもよい。
【0022】
本開示においては、WEB上の販売サイトにおいて、所定の建築仕様が反映され、所定の操作を加えることで動かすことが可能な可動画像を含む建築物情報をアップロードし、顧客はこの建築物情報を選択することで、容易に可動画像を入手することが可能である。そして、顧客は、提供された可動画像を操作することで、例えば、建築物の各場所に移動するように画像を動かして各場所おける仕様をゲーム感覚で確認することが可能となる。これによれば、より容易に、より詳細且つ正確に、当該建築物の仕様等を理解することが
できる。その結果、建築物の販売を促進することが可能である。
【0023】
また、本開示においては、前記情報提供部は、前記顧客が所定のネットワークにおけるクラウド上のサーバーに格納された前記可動画像をストリーミング配信によって視聴し動かすことを可能とすることを特徴とする、建築物販売システムとしてもよい。
【0024】
これによれば、顧客は、より低スペックの端末を用いて、より少ないデータ容量で、可動画像を使用することが可能となる。
【0025】
また、本開示においては、前記可動画像は、過去に所定の建築主が特定の建築物を購入しまたは購入検討する際に作成された既存可動画像であり、前記展示部においてアップロードされる前記建築物情報は、前記建築主の許可を得た後の前記既存可動画像を含み、前記購入受付部が前記建築物情報を購入する顧客からの注文を受け付けた場合に、売上金を自動的に算出する売上金算出部と、前記建築主に還元する還元金を自動的に算出する還元金算出部と、をさらに有することを特徴とする、建築物販売システムとしてもよい。
【0026】
これによれば、過去に可動画像を作成した建築主が、その可動画像をWEB上の販売サイトにアップロードすることができ、当該可動画像が顧客により購入された場合には、収入を得ることができ、且つ、自らが過去に作成した建築仕様を有効に活用することが可能である。結果として、建築物の販売を促進することが可能であり、建築主による過去の成果物をより有効に活用することが可能である。
【0027】
また、本開示においては、前記建築物情報は、前記特定の建築物の平面図、立面図、仕様表、仕上げ表、構造図、短計図、電気図のうち少なくともいずれかをさらに含むことを特徴とする、建築物販売システムとしてもよい。
【0028】
これによれば、顧客は建築物情報としてより詳細な情報を容易に得ることができ、建築物の販売を促進することが可能である。
【0029】
また、本開示においては、所定の建築仕様を反映した前記建築物のモデルデータを作成するモデルデータ作成部と、前記モデルデータ作成部によって作成された前記モデルデータに基づいて、所定の操作を加えることで動かすことが可能で前記建築仕様を反映した前記建築物の画像を含む可動画像を作成する可動画像作成部と、前記可動画像作成部によって作成された前記可動画像を前記クラウド上のサーバーにオンラインで保存する可動画像保存部と、をさらに有することを特徴とする、建築物販売システムとしてもよい。
【0030】
これによれば、顧客は、新たに作成された提供された可動画像を操作することで、例えば、建築物の各場所に移動するように画像を動かして各場所おける仕様をゲーム感覚で確認することで、新規で詳細な建築物情報を得ることが可能である。
【0031】
なお、上記の手段は、可能な限り互いに組み合わせて使用することができる。
【発明の効果】
【0032】
本件開示の技術によれば、請負者が顧客に住宅等の建築物を販売する際に、顧客が少ない負荷で容易に建築物を購入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、実施例1に係る建築物販売方法において建築物の建築仕様を決定するための方法を示すフロー図である。
図2図2は、実施例1に係る建築物販売方法において建築物の建築仕様を決定するための方法を実現するためのシステム構成を説明するための図である。
図3図3は、実施例1に係る建築物販売方法において建築物の建築仕様を決定するための方法におけるデータフローを示す図である。
図4図4は、実施例1に係る建築物販売方法を説明するための簡略的なブロック図である。
図5図5は、実施例1に係る建築物販売方法の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、実施例1に係る建築物販売システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、実施例1に係るアプリを実行する際の携帯端末における表示態様の第一の例である。
図8図8は、実施例1に係るアプリを実行する際の携帯端末における表示態様の第二の例である。
図9図9は、実施例1に係るアプリを実行する際の携帯端末における表示態様の第三の例である。
図10図10は、実施例2に係る建築物販売システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本開示の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本開示の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0035】
<実施例1>
図1は、実施例1に係る建築物販売方法において建築物の建築仕様を決定するための方法を示すフロー図である。本フローにおいては、先ずステップS1において、例えば建築物の購入を希望する顧客21から、建設会社、建築事務所等の請負者3に設計依頼がある。本実施例では、この設計依頼はWEBサイト、SNSを介して行うことが可能となっている(もちろん、電話、電子メールによる設計依頼も可能である。)。請負者3はステップS2においてこの依頼に対して受任処理を行う。また、ステップS3において顧客21から建築物の希望仕様が連絡される。この希望仕様については、顧客21の所有する携帯端末5(以下の図2に図示)を用いて連絡されてもよい。また、ステップS1において設計依頼をする際に同時に行っても構わない。
【0036】
そして、請負者3はステップS4において、ステップS3で顧客21から連絡のあった希望仕様を織り込んだアプリケーション(以下、単にアプリともいう。)を作成する。このアプリは、所謂ゲームエンジンソフトを用いて作成されるアプリで、機能としては、(a)建築物の構造、壁面・床面等のデザイン、設備が再現されている。(b)建築物の外側および内側をウォークスルーで、あるいは移動先を選択することで移動可能となっている。(c)建築物の各場所(各部屋)において、壁面・床面等のデザイン、設備を変更して視覚的に確認可能となっている。その他、(d)建築物を舞台として簡単なゲーム機能を有していてもよい。ここで、ステップS4の工程は、本開示におけるモデルデータ作成工程および可動画像作成工程に相当する。また、アプリは、本開示における可動画像に相当する。
【0037】
ステップS4において作成されたアプリは、クラウド上のサーバー6(以下の図2に図示)にアップロードされ、その旨が請負者3から顧客21に連絡される。連絡があった後は、ステップS5において顧客21が携帯端末5からサーバー6にアクセスし、アプリが配信され、サーバー6に格納されたアプリを実行することで、アプリ内の建築物の仕様の確認がなされる。
【0038】
そして、顧客21は、アプリ内の建築物の仕様に対して変更希望がある場合には、請負者3に仕様の修正依頼をする。実際には、サーバー6へのアクセス状態において、アプリの実行中に仕様変更可能にしても構わないし、変更箇所のみを電子メールやライン等の通信手段を用いて別途、連絡しても構わない。そして、顧客21から仕様の修正依頼があった場合には、ステップS6において請負者3によるアプリのデータ修正が行われ、修正後のアプリが再度サーバー6にアップロードされ、その旨が請負者3から顧客21に連絡され、再度ステップS5において顧客21が携帯端末5からサーバー6にアクセスし、アプリが配信・実行され、アプリ内の建築物の仕様の確認がなされる。ここでは、ステップS5において顧客21がアプリ内で表示される仕様を承認するまで、ステップS5の処理と、ステップS6の処理が繰り返し行われる。
【0039】
そして、ステップS5のアプリ確認において顧客21によって建築仕様が承認された場合には、その旨が請負者3に連絡され、ステップS7において、請負者3が承認されたアプリにおける最終的な建築仕様の内容を確認する。次に、ステップS8において、承認された建築仕様に基づく見積りの作成が行われ、顧客21に連絡される。
【0040】
次に、図2には、実施例1に係る建築物販売方法において使用する各装置のハードウェア構成を示す。図2においては、請負者3側の端末4、顧客21側の携帯端末5、及びネットワークにおけるクラウド上に設けられたサーバー6のハードウェア構成が示されている。
【0041】
請負者3側において使用される端末4は、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置44、ゲートウェイ等を介してクラウド上のサーバー6の通信部65に接続される通信部45、タッチパネル等の操作部46、及びディスプレイ等の表示部47を備えたコンピュータやタブレット端末等である。
【0042】
図1に示すステップS4の工程(アプリを作成する工程)や、ステップS6の工程(アプリのデータ修正を行う工程)は、請負者3が操作部46を操作することによってサーバー6上で実行されてもよい。なお、通信部45は、例えば、無線LANのアクセスポイント等を介してサーバー6にアクセスするためのNIC(Network interface controller)の他、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話通信網を介してサーバー6にアクセスする機能を有していてもよい。また、図2では、端末4は1台で例示されているが、端末4は、例えば、ネットワークで接続された複数台のコンピュータにより構成されてもよい。
【0043】
一方、顧客21側において使用される携帯端末5は、CPU51、RAM52、ROM53、HDD等の補助記憶装置54、サーバー6にアクセスするための通信部55、タッチパネル等の操作部56、及びディスプレイ等の表示部57を備えたスマートフォンやタブレット端末等である。携帯端末5のハードウェア構成は、端末4のハードウェア構成と同等である。なお、携帯端末5の代わりに据え置き型の端末を用いてもよい。図1に示すステップS5の工程(アプリ内の建築物の仕様の確認を行う工程)は、顧客21が携帯端末5からサーバー6にアクセスし、アプリが携帯端末5にストリーミング配信されて実行される。図2に示すように、本開示のハードウェア構成は、顧客21毎に保有する複数台の携帯端末5を含んでいる。
【0044】
クラウド上のサーバー6は、CPU61、RAM62、ROM63、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置64、及び通信部65を備えたコンピュータである。サーバー6のハードウェア構成は、端末4および携帯端末5のハードウェア
構成と類似しているが、必ずしも操作部46(操作部56)および表示部47(表示部57)を備える必要がない点で、サーバー6のハードウェア構成は、端末4および携帯端末5のハードウェア構成と相違する。また、サーバー6は、作成したアプリやデータ修正を行ったアプリの情報を記憶する記憶装置(不図示)を備えていてもよい。
【0045】
CPU61は、中央処理装置であり、RAM62等に展開されたコマンドおよびデータを処理することで、RAM62や補助記憶装置64等を制御する。RAM62は、主記憶装置であり、CPU61によって制御され、各種コマンドやデータが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置64は、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラム、永続的な保存が求められるデータ等が記憶される。
【0046】
図3は、実施例1に係る建築仕様に係る情報の処理についてより詳細に説明するための図である。本実施例では、まず、ステップS9において、請負者3が所有する端末4を用いて、その時点の建築仕様を反映した建築物のモデルデータが作成される。ここで、ステップS9の工程は、本開示におけるモデルデータ作成工程に相当する。このモデルデータは、例えば3Dグラフィックスソフト等を用いて作成される。ここで、3Dグラフィックスソフトは、本開示におけるモデルデータ作成部に相当する。また、壁や床の模様等のデータについてはさらに、画像処理ソフト(PHOTOSHOP(登録商標)や、イラストレーター(登録商標)等でもよい。)を用いて作成されてもよい。
【0047】
次に、ステップS10において、上述のように請負者3がゲームエンジンソフトを用いて、建築物の3D画像を表示および操作可能なアプリを開発する。このゲームエンジンソフトは、図2に示す端末4に格納されていてもよいが、他のコンピュータに格納されていてもよい。ゲームエンジンソフト(例えば、UNREAL ENGINE(登録商標)、Unity、CryENGINE(登録商標)等でもよい。)によって、建築物の3D画像を顧客21がゲーム感覚で動かすことが可能なアプリケーションプログラムを作成する。ここで、ステップS10の工程は、本開示における可動画像作成工程に相当する。また、ステップS10においては、端末4において、上記のゲームエンジンソフトの他、3Dグラフィックスソフトや画像処理ソフト等のツールを用いてもよい。ここで、ゲームエンジンソフトは、本開示における可動画像作成部に相当する。また、図1に示すステップS4の工程は、図3におけるステップS9とステップS10の工程を合わせた工程に相当すると言える。
【0048】
そして、図3に示すように、作成したアプリを、ステップS11において、サーバー6にアップロードする。その際のファイル形式は、例えばAPKファイル等であってもよい。そして、ステップS12では、サーバー6上でこのアプリデータが保存され、管理される。そして、ステップS13において、顧客21が所有する携帯端末5からサーバー6にアクセスする。アクセスして実行コマンドを入力した後は、ステップS14においてアプリが配信され、ステップS15において、アプリが携帯端末5においてストリーミング再生、または駆動される。ステップS15において、顧客21が建築仕様を確認して、当該仕様に修正が必要と判断した場合には、ステップS16において、修正や要望等の情報を請負者3が所有する端末4に送信する。請負者3側においては、ステップS17において、建築仕様に関わるデータの修正が行われる。
【0049】
その後、ステップS9に戻り、モデルデータが再度作成され、さらにステップS10において、ゲームエンジンソフトを用いてアプリが再度作成される。そして、ステップS18において、更新アプリファイルがサーバー6にアップロードされる。そして、ステップS12の工程からステップS15の工程が再度実行される。ステップS15において、顧客21がストリーミング再生、または駆動を実行し、建築仕様の内容を確認した際に、建築仕様の修正の必要が無くなり、顧客21により建築仕様が承認されるまでこのフローが
継続される。
【0050】
以上より、本実施例における建築物販売方法によって、顧客21は、請負者3と直接会って打ち合わせをする必要はなく、基本的にデータのやり取りのみで住宅の建築仕様を決定することが可能である。よって、建築仕様の決定に要する時間的、費用的なコストを低減することができる。また、顧客21は、請負者3に面と向かって伝え難い内容を充分に仕様に反映させることが可能となる。
【0051】
図4は、実施例1に係る建築物販売方法を説明するための簡略的なブロック図である。図4に示すように、本実施例に係る建築物販売方法においては、建築物の一例として住宅(以下、住宅はあくまで建築物の一例であり、居住用以外の業務用の建築物であってもよい。)の購入を希望する購入者2が、請負者3が運営するWEB上の販売サイトであるElectronic Commerceサイト(ECサイト)7にアップロードされた上述のアプリを購入する過程が含まれる。アプリは、請負者3によって適宜ECサイト7に建築物情報としてアップロードされる。なお、図4に示すアプリは、図3に示すフローに基づいて作成されたアプリでもよいし、ECサイト7に建築物情報としてアップロードすることを目的として作成されたアプリでもよい。
【0052】
なお、購入者2とは、本実施例では具体的に、上述の顧客21の他に、ハウスメーカー22(工務店であってもよい。)や設計事務所23(不動産会社であってもよい。)であってもよい。購入者2がECサイト7にアップロードされたアプリを購入した後の一例として、顧客21は、このアプリに基づいて、ハウスメーカー(ハウスメーカー22とは異なるハウスメーカーであってもよいし、ハウスメーカー22であってもよい。)に住宅の建築を依頼してもよい。ハウスメーカー22や設計事務所23がECサイト7にアップロードされたアプリを購入した場合には、このアプリに基づいて、顧客(顧客21とは異なる顧客であってもよいし、顧客21であってもよい。)に住宅のデザインや間取り等を提案してもよい。
【0053】
ECサイト7には、例えばECサイト7の標章やサイト内の操作を行うための操作ボタン等が表示されたホーム画面や、複数の住宅サンプル(図4には住宅サンプルAから住宅サンプルDを例示しているが、住宅サンプルの数はこの限りでない。)等が掲載されている。ここで、住宅サンプルとは、ECサイト7上でクリック可能な画像のことであり、各々の住宅サンプルには、建築した後の住宅の外観のイメージ画像や価格等が表示されている。各々の住宅サンプルをクリックすると、その住宅に係る建築物情報として、アプリの他、設計図(例えば平面図や立面図等を含む。)や仕様書等を閲覧することや購入する手続きを行うことが可能である。なお、本実施例において、以降の説明では、アプリには設計図や仕様書等が含まれていてもよい。すなわち、例えばアプリを購入する際には、設計図や仕様書等が付属されていてもよい。ECサイト7は、顧客21(以下においても、購入者2として顧客21を例示するが、ハウスメーカー22や設計事務所23であってもよい。)の所有する携帯端末5から閲覧することが可能である。そのため、顧客21は、請負者3に直接会わなくても、ECサイト7を介して複数の住宅サンプルの中から好みの住宅サンプルを選択し、所望のアプリを購入することが可能である。
【0054】
また、本実施例においては、購入者2とは異なる、過去の購入者である建築主20が、例えば秘密保護等の観点から、建築主20が過去に購入したアプリを請負者3がECサイト7にアップロードすることについての可否を判断することができる。建築主20が許可すれば、請負者3はECサイト7にアプリをアップロードしてもよい。上述の通り、建築主20は請負者3に対して、過去に住宅の建築仕様の修正を希望した場合がある(図3に示すステップS16)、すなわち、請負者3が作成して提案したアプリに建築主20のアイディアが反映されて新たなアプリが作成された場合があるため、請負者3がECサイト
7にアプリをアップロードすることは、建築主20のアイディアが盛り込まれた住宅のデザインを世界中に発信することにつながり得る。顧客21が当該デザインを参照して住宅を購入することも可能である。
【0055】
顧客21がECサイト7にアップロードされたアプリを購入し、支払いすると、請負者3が売上金を取得する。このとき、上述の通り、建築主20が許可したことによって請負者3がECサイト7にアップロードしたアプリが購入され、それによって請負者3が売上金を取得した場合は、売上金の一部が還元金として請負者3から建築主20に還元される。また、請負者3の協力社であるパートナー社31があり、建築主201(建築主20とは異なる建築主)が許可したことによってパートナー社31がECサイト7にアップロードしたアプリが購入され、それによってパートナー社31が売上金を取得した場合は、同様に還元金がパートナー社31から建築主201に還元される。
【0056】
以上より、本実施例における建築物販売方法によって、顧客21は、実際に住宅を購入した、あるいは購入の準備を進めた実績のある建築主20の考案が反映された住宅のデザインを参照できる場合があるため、安心と信頼をもって住宅を購入し得る。故に、顧客21は、少ない負荷で容易に住宅を購入することが可能である。また、建築主20も利益を得ることが可能である。具体的には、建築主20が過去に購入したアプリが購入される度に建築主20に上記の還元金が還元され、収入が増加する。また、建築主20が許可したことによって請負者3がECサイト7にアップロードしたアプリを繰り返し住宅の建築に役立てることができる。以上のような建築主20と請負者3の双方が利益を得られる建築物販売方法は、住宅の建築の仕組みの改革につながる。
【0057】
図5は、実施例1に係る建築物販売方法の手順を示すフローチャートである。本フローチャートに示すアプリは、図3に示すフローに基づいて作成されたアプリを顧客21に提供する場合についてのものである。本フローチャートでは、先ず、ステップS101において、建築主20が過去に購入したアプリを請負者3(パートナー社31であってもよい。以下、本フローチャートにおいて同様である。)がECサイト7にアップロードすることについての可否を、建築主20が判断する。次にステップS101においてアップロードすることが許可されたアプリを、ステップS102において、請負者3がECサイト7にアップロードする。新たにアプリがアップロードされた際には、ECサイト7においてその旨が通知されてもよい。ここで、ステップS102の工程は、本開示における出品工程に相当する。
【0058】
次にステップS102においてアプリがECサイト7にアップロードされた後、ステップS103において、アプリを購入する注文があった場合に当該注文を受付する。この注文は、建築主20や請負者3に自動的に通知されてもよい。ここで、ステップS103の工程は、本開示における購入受付工程に相当する。次にステップS103において注文が受付されたアプリは、ステップS104において、顧客21に提供される。これによって、顧客21はアプリを使用することが可能となる。ここで、ステップS104の工程は、本開示における情報提供工程に相当する。
【0059】
次にステップS103において購入する注文を受付されたアプリが、ステップS105において、購入された際に、そのアプリの売上金が算出される。上述の通り、請負者3が算出された売上金を取得する。なお、ステップS104においてアプリを顧客21に提供したことに基づいて、ステップS105において、売上金を算出してもよい。ここで、ステップS105の工程は、本開示における売上金算出工程に相当する。
【0060】
次にステップS105において算出された売上金の一部が、ステップS106において、建築主20に還元される還元金として算出される。還元金が算出されるか否かは、ステ
ップS101における判断に基づいており、建築主20が過去に購入したアプリを請負者3がECサイト7にアップロードしたと判断されて初めて還元金が算出され得る。ここで、ステップS106の工程は、本開示における還元金算出工程に相当する。なお、ステップS154における売上金の算出およびステップS106における還元金の算出は、人為的に行われてもよいが、サーバー6の例えば記憶装置64に記憶されたプログラムによって自動的に算出されてもよい。
【0061】
図6は、実施例1に係る建築物販売システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施例に係る建築物販売システム1は大別して、携帯端末5においてアプリを駆動可能とする処理を実行するためのアプリ処理部11、及びECサイト7における操作を制御するためのECサイト制御部12を備えて構成される。
【0062】
アプリ処理部11はさらに、モデルデータ作成部111、可動画像作成部112、可動画像保存部113、及び可動画像駆動部114を備えて構成される。モデルデータ作成部111によって住宅のモデルデータを作成する。モデルデータ作成部111によって作成されたモデルデータに基づいて、可動画像作成部112によってアプリを作成する。可動画像作成部12はゲームエンジンプログラムであり、このゲームエンジンプログラムを用いることによって、住宅の建築仕様を立体的に表示し、顧客21を想定したキャラクターをゲームで遊ぶ感覚で操作可能なアプリを開発することができる。なお、アプリを駆動する際の携帯端末5における表示態様の一例については、以下の図7乃至図9に示す。
【0063】
可動画像作成部112によって作成されたアプリは、可動画像保存部113によってオンラインで保存される。この可動画像保存部113は、クラウドサービスの一種であり、例えばGoogleDriveやDropbox(登録商標)等のようなものでもよい。可動画像保存部113によって保存されたアプリは、可動画像駆動部114によって携帯端末5においてストリーミング配信することが可能となる。ここで、可動画像駆動部114によって、顧客21は携帯端末5においてアプリをストリーミング(再生と駆動の両方の意味を含む。)することが可能である(図3に示すステップS15)が、可動画像駆動部114によってアプリを携帯端末5にダウンロードすることも可能であってもよい。具体的には、ダウンロードを実行するためのコマンドが携帯端末5から可動画像駆動部114に入力されると、アプリを携帯端末5にダウンロードすることが開始されてもよい。なお、図3において、アプリを携帯端末5にダウンロードする場合も、ステップS9からステップS11までのフロー、及びステップS16からステップS18までのフローが継続される点は、携帯端末5においてアプリをストリーミングする場合と同様である。
【0064】
携帯端末5においてアプリをストリーミングする場合は、インターネット環境が整っていれば円滑にアプリを駆動させることや、携帯端末5のストレージ容量を節約することが可能である。また、著作権等の問題でアプリをダウンロードできない場合には、ストリーミングすることによって当該問題を解決でき得る。対して、一度ダウンロードすれば、オフライン環境においてもデータ通信量を消費することなくアプリを起動させることが可能である。
【0065】
ECサイト制御部12はさらに、展示受付部121、展示部122、購入受付部123、及び情報提供部124を備えて構成される。可動画像作成部112によって作成されたアプリがECサイト7にアップロードされた際には、アプリをECサイト7に展示する指示(より正確には、ECサイト7の住宅サンプルをクリックすることでアプリを閲覧することや購入する手続きを行うことを可能とする指示)が展示受付部121によって受付される。なお、図6では、可動画像作成部112によって作成されたアプリが展示受付部121によって受付されているが、可動画像保存部113によって過去に保存されたアプリが展示受付部121によって受付されてもよい。展示受付部121によって受付されたア
プリは、展示部122によってECサイト7に展示される。ECサイト7の住宅サンプルの表示態様は、この展示部122によって制御されていると言える。展示部122によってECサイト7に展示されたアプリを購入する注文があった場合には、購入受付部123によって当該注文を受付する。購入受付部123によって注文が受付されたアプリは、情報提供部124によって顧客21に提供される。これによって、顧客21はアプリを使用することが可能となる。
【0066】
以下図7乃至図9には、図1に示すステップS4や図3に示すステップS10(可動画像作成工程)において作成されたアプリを実行する際の携帯端末5における表示態様の一例を示す。上述の通り、本実施例に係るアプリは、顧客21の所有する携帯端末5においてストリーミングすること、またはダウンロードすることが可能である。これによって、顧客21は、請負者3に直接会いに行く手間をかけることなく、容易に、且つ明確に、住宅の建築仕様を確認することができる。
【0067】
図7は、実施例1に係るアプリを実行した際に見られる画像80の一例である。図7においては、顧客21が希望した建築仕様が反映された住宅81(実際に販売される住宅を想定した仮想の住宅81)の外観を視認することが可能になっている。また、画面左上には、外壁の仕様を選択可能なタブ82が表示され、顧客21がタブ82のうち、気に入った外壁のデザインを選択することで、住宅81の外壁の表示を変更することが可能となっている。また、アプリでは、視点を一人称視点と三人称視点で選択可能である。
【0068】
図7に示す画像80では三人称視点が選択されており、顧客21を想定したキャラクター83が表示されている。そして、アプリではこのキャラクター83は歩行可能であり、例えば、顧客21の操作に基づいて住宅81の内部を部屋毎に移動することが可能である。画像80の右上には、キャラクター83が住宅81の何れの場所に居るかを表示するウィンドウ84が設けられている。また、画面の下部には、移動先を選択可能なラジオボタン85が表示されており、これを適切に選択することで、目的とする移動先にキャラクター83を移動させることも可能である。
【0069】
次に、図8は、建築物における一つの移動先の部屋91に移動した場合の画像90を示している。このように、顧客21は住宅81における各部屋の内装、設備(照明、家具、ファブリックを含む)等を確認することができる。また、図8の画面左上には、床色の仕様を選択可能なタブ92が表示され、顧客21がタブ92のうち、気に入った床色のデザインを選択することで、部屋91の床の表示を変更することが可能となっている。なお、図7図8においてタブ82、92で選択可能な外壁や床色のデザインでは、経年変化した後のものを選択、確認できるようにしてもよい。図9には、図8と同じ部屋91に関して、視点を一人称視点に変更した場合の画像95を示す。
【0070】
なお、実施例1においては、可動画像としてのアプリを作成する場合に、3Dグラフィックスソフト、画像処理ソフトとゲームエンジンソフトを用いて作成したが、建築仕様を反映した可動画像が作成できるツールであれば、他のツールを用いてアプリを作成しても構わない。
【0071】
<実施例2>
次に、図10を用いて、本開示の実施例2に係る建築物販売システム1aについて説明する。建築物販売システム1aは、実施例1の図6に示す建築物販売システム1と多くの構成を共通にしているため、そのような構成については同一の符号を付し、改めての説明は省略する。実施例1の図6に示す建築物販売システム1との相違点として、実施例2の図10に示す建築物販売システム1aは、売上金算出部125および還元金算出部126をECサイト制御部12a内に備える。
【0072】
実施例2においては、購入受付部123によってアプリを購入する注文が受付され、アプリが購入された際には、売上金算出部125によってアプリの売上金が自動的に算出される。売上金算出部125によって算出された売上金の一部が、還元金算出部126によって建築主20に還元される還元金として自動的に算出される。還元金は、売上金に所定比率を乗じることによって算出される。これによって、アプリをECサイト7にアップロードすることの判断が適切になされ、また、建築主20に還元される還元金が売上金に基づいて、容易に、且つ正確に算出される。
【0073】
なお、実施例2の図10に示す建築物販売システム1aは、実施例1に示す建築物販売方法に適用してもよい。例えば、建築物販売システム1aを用いて、図5に示す建築物販売方法の手順を実行してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1a・・・建築物販売システム
11・・・アプリ処理部
111・・・モデルデータ作成部
112・・・可動画像作成部
113・・・可動画像保存部
114・・・可動画像駆動部
12、12a・・・ECサイト制御部
121・・・展示受付部
122・・・展示部
123・・・購入受付部
124・・・情報提供部
125・・・売上金算出部
126・・・還元金算出部
2・・・購入者
20、201・・・建築主
21・・・顧客
22・・・ハウスメーカー
23・・・設計事務所
3・・・請負者
31・・・パートナー社
4・・・端末
41・・・CPU
42・・・RAM
43・・・ROM
44・・・補助記憶装置
45・・・通信部
46・・・操作部
47・・・表示部
5・・・携帯端末
51・・・CPU
52・・・RAM
53・・・ROM
54・・・補助記憶装置
55・・・通信部
56・・・操作部
57・・・表示部
6・・・サーバー
61・・・CPU
62・・・RAM
63・・・ROM
64・・・補助記憶装置
65・・・通信部
7・・・ECサイト
80、90、95・・・画像
81・・・住宅
82、92・・・タブ
83・・・キャラクター
84・・・ウィンドウ
85・・・ラジオボタン
91・・・部屋
図1
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