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  • 特開-太陽電池モジュールの支持ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021678
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの支持ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20240208BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20240208BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20240208BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
H02S20/10 S
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124681
(22)【出願日】2022-08-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】513002441
【氏名又は名称】株式会社サドル
(71)【出願人】
【識別番号】516043317
【氏名又は名称】株式会社青和
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 芳広
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(72)【発明者】
【氏名】奥山 誠司
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108KS01
2E108MM05
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】冷凍倉庫や冷蔵倉庫の屋根に太陽電池モジュールをより安価に載置しうる手段を提供する。
【解決手段】デッキプレート1と、該デッキプレート1を下方から支持するH鋼2とを有する屋根基体上に、断熱層4を有する冷凍・冷蔵倉庫の屋根に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであって、断熱層4を貫通する鋼管3と、該鋼管3の上端に取り付けられる、太陽電池モジュールを取り付ける載置板8と、鋼管3の下端と、H鋼2の一方のフランジ2aとの間に配置される、繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロック9とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根基体と、前記屋根基体上に積層された断熱層と、を有する冷凍・冷蔵倉庫の屋根の上に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであって、
前記断熱層を貫通する上下に長尺の金属製の支持材と、
前記支持材の下端と前記屋根基体との間に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、
前記支持材の上端に取り付けられた金属製の載置板と、を有することを特徴とする太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項2】
屋根基体と、前記屋根基体上に積層された断熱層と、を有する冷凍・冷蔵倉庫の屋根の上に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであって、
前記断熱層を貫通し、下端が前記屋根基体に取り付けられた上下に長尺の金属製の支持材と、
前記支持材の上端に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、
前記断熱ブロック上に配置された金属製の載置板と、を有することを特徴とする太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項3】
屋根基体と、前記屋根基体上に積層された断熱層と、を有する冷凍・冷蔵倉庫の屋根の上に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであって、
前記断熱層を貫通し、下端が前記屋根基体に取り付けられた上下に長尺の金属製の支持材であって、上下に2以上に分割された支持材と、
前記支持材の分割箇所において、上下の支持材の間に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、
前記支持材の上端に配置された金属製の載置板と、を有することを特徴とする太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項4】
前記屋根基体は、少なくともデッキプレートを備え、前記断熱層の下面と前記屋根基体の上面との間の空間において、前記支持材の下端の周囲に断熱材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項5】
前記支持材が鋼管であり、内部に断熱材が充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項6】
前記繊維強化樹脂発泡体が、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項7】
前記ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが、JIS E 1203に規定される合成まくらぎであることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項8】
前記支持材の側面に断熱層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【請求項9】
前記屋根基体上に積層された断熱層上に防水層が積層され、前記防水層が、前記支持材の側面に積層された前記断熱層の表面に連続して積層されていることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュールの支持ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍・冷蔵倉庫の屋根上に太陽電池モジュールを取り付けるための支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根の上に太陽電池モジュールを載置する際には、支持金具を介して取り付ける方法が一般的であった。例えば、特許文献1には、太陽電池モジュールを主として金属材料からなる取付部でスレート屋根に取り付ける形態が開示されている。特許文献1の形態では、太陽電池モジュールが配置されていない領域で高温になった屋根から太陽電池モジュールへ熱が伝導し、太陽電池モジュールが高温になって効率が低下するのを抑制するために、太陽電池モジュールとスレート屋根との間に断熱材を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-182323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された形態では、屋根から太陽電池モジュールへの熱伝導を抑制するために、太陽電池モジュールの背面に断熱材を配置しているが、太陽電池モジュールを取り付ける建物が冷凍倉庫や冷蔵倉庫の場合、支持金具を取り付ける屋根自体が低温であり、これが支持金具を介して太陽電池モジュールに伝わり、支持金具や太陽電池モジュールの温度が低下して結露するおそれがあった。
【0005】
そのため、冷凍倉庫や冷蔵倉庫の屋根に太陽電池モジュールを載置する際には、支持金具の周囲に断熱層を配置して支持金具の結露を防止すると同時に、支持金具を上下方向に長さが長い形状とすることで、屋根と太陽電池モジュールとの温度差を支持金具で吸収し、太陽電池モジュールが低温にならないような手段が講じられていた。
【0006】
しかしながら、倉庫の屋根を利用して多数の太陽電池モジュールを載置する上で、支持金具も多数必要となる。そのため、支持金具やその周囲の断熱層にかかる費用が嵩んでしまう。
【0007】
本発明の課題は、冷凍倉庫や冷蔵倉庫の屋根に太陽電池モジュールをより安価に載置しうる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、屋根基体と、前記屋根基体上に積層された断熱層と、を有する冷凍・冷蔵倉庫の屋根の上に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであり、以下の第1~第3のいずれかの特徴を有している。
【0009】
本発明の第1は、前記断熱層を貫通する上下に長尺の金属製の支持材と、前記支持材の下端と前記屋根基体との間に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、前記支持材の上端に取り付けられた金属製の載置板と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2は、前記断熱層を貫通し、下端が前記屋根基体に取り付けられた上下に長尺の金属製の支持材と、前記支持材の上端に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、前記断熱ブロック上に配置された金属製の載置板と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3は、前記断熱層を貫通し、下端が前記屋根基体に取り付けられた上下に長尺の金属製の支持材であって、上下に2以上に分割された支持材と、前記支持材の分割箇所において、上下の支持材の間に配置された繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックと、前記支持材の上端に配置された金属製の載置板と、を有することを特徴とする。
【0012】
そして、本発明は、以下の構成を好ましい態様として含む。
前記屋根基体が、少なくともデッキプレートを備え、前記断熱層の下面と前記屋根基体の上面との間の空間において、前記支持材の下端の周囲に断熱材が配置されている。
前記支持材が鋼管であり、内部に断熱材が充填されている。
前記繊維強化樹脂発泡体が、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームである。さらに、前記ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが、JIS E 1203に規定される合成まくらぎである。
前記支持材の側面に断熱層が積層されている。さらに、前記屋根基体上に積層された断熱層上に防水層が積層され、前記防水層が、前記支持材の側面に積層された前記断熱層の表面に連続して積層されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、太陽電池モジュールと屋根基体とを連結する支持材の上端、下端、途中、の少なくとも一箇所に特定の材料からなる断熱ブロックを配置することによって、太陽電池モジュールと屋根基体との間での熱伝導が大幅に抑制されるため、従来よりも支持材を短くすることができ、太陽電池モジュールの載置に係る費用を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の支持ユニットの一実施形態を屋根に取り付けた状態の垂直方向の切断端面図である。
図2】本発明の支持ユニットの一実施形態を屋根に取り付けた状態の垂直方向の切断端面図である。
図3図1図2の切断端面図の切断部位を示す平面図である。
図4図1の断熱ブロック周辺の拡大図と、該拡大図を上方から見た平面図である。
図5】本発明の支持ユニットの他の実施形態を屋根に取り付けた状態の垂直方向の切断端面図である。
図6】本発明の支持ユニットの他の実施形態を屋根に取り付けた状態の垂直方向の切断端面図である。
図7】従来の支持ユニットを屋根に取り付けた状態の垂直方向の切断端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、冷凍倉庫や冷蔵倉庫(以下、「冷凍・冷蔵倉庫」と記す)の屋根に太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットであり、繊維強化樹脂発泡体からなる断熱ブロックを用いたことに特徴を有する。先ず、従来の支持ユニットの構成について説明する。
【0016】
図7は、冷凍・冷蔵倉庫の屋根に太陽電池モジュールを取り付けるための従来の支持ユニットを取り付けた状態を模式的に示す図であり、垂直方向の切断端面図である。
【0017】
図7の構成においては、屋根材としてのデッキプレート1と、屋根材を支持する梁材としてのH形鋼2とを、屋根基体として有しており、H形鋼2は、一方のフランジ2aの上面でデッキプレート1を下方から支持している。デッキプレート1上には、デッキプレート1より下方の空間の温度を保持するための断熱層4が積層されている。断熱層4は所定の厚さとなるように、複数の断熱材4a~4dを積層して形成されている。
【0018】
図7中の3は支持材としての鋼管であり、H形鋼2のフランジ2a上に長手方向が垂直方向に平行になるように配置され、断熱層4を貫通して下端がフランジ2aの上面に溶接等で取り付けられている。鋼管3内には断熱材7が充填され、鋼管3の外周にも断熱材5a~5cが積層されて断熱層5が形成されている。さらに、デッキプレート1上の断熱層4と鋼管3外周の断熱層5の表面に連続して防水層6が積層され、鋼管3の上端には、太陽電池モジュールを取り付けるための載置板8が溶接等で取り付けられている。載置板には、太陽電池モジュールが直接、或いは必要に応じて下地材などの部材を介して間接的に取り付けられる。載置板8は、H形鋼2や鋼管3と同様の材料で形成される。図7中、鋼管3、断熱材7、載置板8が支持ユニットである。
【0019】
図7の構成中、デッキプレート1、H形鋼2、鋼管3、載置板8は金属製である。そのため、太陽電池モジュールを載置するための支持ユニットを配置することで、載置板8上に載置される太陽電池モジュールと、デッキプレート1下の倉庫内空間との間に伝熱経路が形成され、倉庫内空間の温度が太陽電池モジュールに伝わるおそれがあった。そのため、従来は、デッキプレート1上の防水層6の表面から載置板8の表面までの距離をおよそ1.5m程度と長く設定することで、鋼管3及び載置板8を介して倉庫内の温度が太陽電池モジュールに伝わり、結露するのを抑制していた。
【0020】
本発明は、H形鋼2から載置板8までの間に断熱ブロックを配置したことに特徴を有し、該特徴以外の構成は基本的に図7の従来の構成と同様である。尚、本発明において、断熱ブロックを配置する位置としては、鋼管3の下端、上端、及び途中のいずれでもよい。以下にそれぞれについて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の支持ユニットの一実施形態を冷凍・冷蔵倉庫の屋根に取り付けた状態を模式的に示す垂直方向の切断端面図であり、図2は、図1の紙面に直交する方向の切断端面図である。また、図3は、図1図2の切断位置を示すための模式図であり、図1図2の状態を上方から見た平面図である。図3中のA-A’部位での切断端面図が図1,B-B’部位での切断端面図が図2である。図1は、水平方向の断面が正方形である鋼管3の該正方形の中心を含む切断端面図であり、図2は、該正方形の中心からずれた位置での切断端面図である。図3においては、図1図2に記載された部材のうち、一部の部材のみを図示した。尚、図1図3中、図7に記載された部材と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0022】
本実施形態において、支持材としての鋼管3の下端と梁材であるH形鋼2のフランジ2aとの間に、断熱ブロック9が配置されており、係る断熱ブロック9が介在することで、H形鋼2と鋼管3との間で熱が伝わりにくくなり、鋼管3の長さを従来よりも半分程度に短くしても、従来と同程度に、太陽電池モジュールが低温になるのを抑制することができる。図4(a)は、図1の断熱ブロック9周辺の部分拡大図であり、主要な部材のみを図示する。また、図4(b)は図4(a)で示される部位を上方から見た図であり、図4(b)中のC-C’部位の切断端面図が図4(a)である。図4に示すように、鋼管3の下端に溶接等で取り付けられたフランジ3aと、H形鋼2のフランジ2aとで断熱ブロック9を挟持してボルト11で固定することにより、断熱ブロック9及び鋼管3がH形鋼2に取り付けられる。ボルト11は金属製であるため、鋼管3とH形鋼2との間での伝熱経路となるが、鋼管3とH形鋼2とが直接連結される形態に比べて、熱伝導効率は大幅に低くなる。
【0023】
鋼管3の上端は載置板8によって塞がれており、鋼管3と載置板8とは溶接によって連結されるが、鋼管3の上端に溶接等によって下端のフランジ3aと同様のフランジを取り付け、該フランジと載置板8とをボルト等で固定してもかまわない。
【0024】
図5図6は、本発明の支持ユニットの他の実施形態を冷凍・冷蔵倉庫の屋根に取り付けた状態を模式的に示す垂直方向の切断端面図であり、図中の符号は図1図3と同様の部材を示す。
【0025】
図5は断熱ブロック9を鋼管3の上端と載置板8との間に配置した例である。本実施形態においては、鋼管3の上端に溶接等でフランジ3bを取り付け、該フランジ3bと載置板8とで断熱ブロック9を挟持し、ボルト等でフランジ2bと断熱ブロック9と載置板8とを固定すればよい。また、鋼管3の下端は、H形鋼2のフランジ2aに溶接等で固定すればよいが、鋼管3の下端に、図1の鋼管3の下端と同様のフランジ3aを取り付け、該フランジ3aとH形鋼2のフランジ2aとをボルト等で固定しても構わない。
【0026】
図6は断熱ブロック9を鋼管3の途中に介在させた例である。本実施形態では、鋼管3を上下に分割し、その分割箇所において、上下の鋼管22,21の間に断熱ブロック9を配置する。上方の鋼管22の下端にフランジ22aを、下方の鋼管21の上端にフランジ21aをそれぞれ溶接等で取り付け、断熱ブロック9を挟んで上下のフランジ22a,21aをボルト等で固定すればよい。また、鋼管22の上端と載置板8との連結、及び、鋼管21の下端とH形鋼2のフランジ2aとの連結は、溶接でも良いし、図1図5に示したように、鋼管22の上端、鋼管21の下端にフランジを取り付け、該フランジと載置板8,フランジ2aとをボルト等で固定しても良い。尚、分割箇所は2以上でも構わない。
【0027】
本発明においては、断熱ブロック9は、図1図5図6に図示されたように、支持材の下端、上端、途中のいずれか一箇所に配置すればよいが、一箇所に配置した場合に、断熱ブロック9が十分な厚さを確保できない場合には、複数箇所に配置して全体として必要な厚さを確保しても構わない。
【0028】
本発明において用いられる断熱ブロック9は、繊維強化樹脂発泡体からなる。繊維強化樹脂発泡体は、マトリックスとしての樹脂発泡体にフィラーとして繊維を混入することで強度を高めた材料である。樹脂発泡体の樹脂材料としては、不飽和ポリエステル、ポリビニルエステル、エポキシ樹脂、ポリフェノール、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂が挙げられ、繊維としては、炭素繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などが挙げられる。中でも、ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームが好ましくも用いられる。ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームは、多数のガラス長繊維が硬質ポリウレタンフォーム中に平行に配置し、天然木材とプラスチックの特徴を併せ持ち、軽量で強度に富み、腐食しにくく、高い断熱性も備えている。
【0029】
ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームとして、より具体的には、JIS E 1203に規定される合成まくらぎである。係る合成まくらぎを用いた場合に、断熱ブロック9の好ましい厚さは50~100mm程度である。断熱ブロック9が複数箇所に配置される場合には、全ての断熱ブロックの厚さの合計が上記範囲になるようにすればよい。
ガラス繊維強化硬質ポリウレタンフォームは、ガラス長繊維の方向によって強度が異なるが、まくらぎとして使用される場合と同様に、ガラス長繊維が水平方向に平行になるように断熱ブロック9を配置すればよい。
【0030】
上記した実施形態においては、支持ユニットの支持材として鋼管3,21,22を用いており、その内部には断熱材7が充填されていることが好ましい。断熱材7としては、注入施工が可能なポリウレタンフォームが好ましく用いられる。また、鋼管を用いる場合、水平方向断面は上記実施形態に例示した正方形に限らず、長方形や四角形以外の多角形、円形、楕円形であってもよい。また、支持材としては鋼管以外にも、H形鋼や山形鋼(アングル)、溝形鋼、平鋼などの長尺の部材であれば用いることができ、これらを複数組み合わせて用いても良い。
【0031】
本発明においては、上記実施形態でも例示したように、支持材の側面には断熱層5を積層することで、支持材の結露や、支持材を介して外部の熱が倉庫内に伝わるのを抑制することができ、好ましい。H形鋼や溝形鋼では、一対のフランジと該フランジ間を連結するウエブとで形成される空間に断熱材を吹き付けて充填した上で、断熱層を積層しても良い。断熱層5としては、所定の厚さを得るために、図1図2図5図6に例示するように、複数の断熱材5a~5cを積層して形成しても良い。また、種類の異なる複数の断熱材を積層しても構わない。例えば、断熱材4a~4c、5a,5bをポリスチレンフォームとし、断熱材4d、5cをポリウレタンフォームとしてもよい。尚、図1図2図5図6では、断熱層4,5はいずれも断熱材を複数層積層しているが、本発明は係る構成に限定されるものではなく、所望の断熱性が得られるのであれば、単層であってもよく、また複数層積層する際の層数も限定されない。
【0032】
本発明においてはさらに、断熱層4,5の表面に連続して、防水層6を設けることが好ましく、具体的には、アスファルト防水材が好ましく用いられる。また、その場合、防水層6に接する断熱材4d、5cは、耐熱性を有する材料を用いるか、表面に耐熱性を有する材料からなる膜を設けておくことが好ましい。
【0033】
図1図6の実施形態においては、屋根基体としてデッキプレート1とH形鋼2とを用い、鋼管3又は断熱ブロック9はH形鋼2のフランジ2aの上面に接するように、該領域ではデッキプレート1の端部同士を離して取り付けている。よって、図1図5図6に図示したように、鋼管3の下端の周囲には、デッキプレート1の上面と、断熱層4の下面との間に空間が生じるため、係る空間において、鋼管3や断熱ブロック9の周囲に断熱材10を配置しても良い。断熱材10としては、吹き付け施工が可能なポリウレタンフォームが好ましく用いられる。
【0034】
図1図6の実施形態においては、屋根材としてデッキプレート1を、梁材としてH形鋼2を有する屋根基体を示したが、本発明において屋根基体の構成はこれらに限定されない。屋根材は平坦なパネルを用いても良く、その場合、支持材や断熱ブロック9は、屋根材に取り付けても良い。また、梁材を用いない形態でも構わないが、太陽電池モジュールの重量を支持する上で、支持材は梁材上に配置することが好ましい。また、屋根材としては、デッキプレートなどの金属製の部材に限らず、コンクリートスラブなどの非金属製の部材であっても、本発明の効果が得られる。
【符号の説明】
【0035】
1:デッキプレート、2:H形鋼、2a,2b:フランジ、3:鋼管、3a,3b:フランジ、4,5:断熱層、4a~4d,5a~5c:断熱材、6:防水層、7:断熱材、8:載置板、9:断熱ブロック、10:断熱材、11:ボルト、21,22:鋼管、21a,22a:フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7