IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレコム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-健康器具 図1
  • 特開-健康器具 図2
  • 特開-健康器具 図3
  • 特開-健康器具 図4
  • 特開-健康器具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021688
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】健康器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20240208BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
A61H39/04 C
A61H15/00 310F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124703
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】芝 健太郎
【テーマコード(参考)】
4C100
4C101
【Fターム(参考)】
4C100AE02
4C100AF03
4C100BB01
4C100DA05
4C100DA08
4C100DA10
4C101BA01
4C101BB01
4C101BB06
4C101BB10
4C101BC09
4C101BD06
4C101BE01
(57)【要約】
【課題】 転がし易く、使い心地も良好な健康器具の提供。
【解決手段】 中心軸線周りに形成される外周面と内周面とを備え、内周面により径方向中央部に空洞部が形成される筒状の健康器具であって、中心軸線方向における軸方向一端部に設けられ、健康器具を設置面上で転動させる際に設置面に当接して転動をガイドするガイド面を有するガイド部と、ガイド部の中心軸線方向の中央側に設けられ、使用者の身体に当接して身体に刺激を与える凸部を有する刺激付与部とを備え、ガイド部におけるガイド面と内周面との間は中実に構成され、刺激付与部における凸部の先端面と内周面との間は中空に構成されている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線周りに形成される外周面と内周面とを備え、前記内周面により径方向中央部に空洞部が形成される筒状の健康器具であって、
中心軸線方向における軸方向一端部に設けられ、前記健康器具を設置面上で転動させる際に前記設置面に当接して前記転動をガイドするガイド面を有するガイド部と、
該ガイド部の前記中心軸線方向の中央側に設けられ、使用者の身体に当接して前記身体に刺激を与える凸部を有する刺激付与部と、を備え、
前記ガイド部における前記ガイド面と前記内周面との間は中実に構成され、
前記刺激付与部における前記凸部の先端面と前記内周面との間は中空に構成されたことを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記刺激付与部は、前記凸部を有する本体付与部と、該本体付与部の径内側に設けられ、前記内周面を構成する筒状の芯付与部とを備え、
該芯付与部は前記本体付与部よりも硬質であり、
前記芯付与部と前記凸部の前記先端面との間が中空に構成される請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記ガイド面を有する本体ガイド部と、該本体ガイド部の径内側に設けられ、前記内周面を構成する筒状の芯ガイド部とを備え、
前記芯ガイド部は前記本体ガイド部よりも硬質であり、
前記芯ガイド部と前記ガイド面との間が中実に構成される請求項1または請求項2に記載の健康器具。
【請求項4】
前記本体ガイド部は、前記芯ガイド部に対して前記中心軸線方向の外側に配置され、且つ前記本体ガイド部の軸方向一方端面を覆うように径内方へ突設される端面保護部を備える請求項3に記載の健康器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の身体の体重の一部を負荷するようにして使用する健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には健康器具が開示されている。特許文献1において第3の形態の健康器具1では、円筒パイプ状の本体53の外表面に緩衝材52を装着し、緩衝材52の厚みを不均一にして凹凸を付けている。この健康器具1は床3に置いて、人6が仰向けの状態で健康器具1を転がしながら利用するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-305232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本体53に緩衝材52を装着し、その緩衝材52に凹凸があると、その分だけ床3に対して転がりにくい。一方で、健康を促進するためにも、健康器具1の使い心地は重要となる。
【0005】
そこで本発明は、転がし易く、さらに使い心地も良好な健康器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中心軸線周りに形成される外周面と内周面とを備え、前記内周面により径方向中央部に空洞部が形成される筒状の健康器具であって、中心軸線方向における軸方向一端部に設けられ、前記健康器具を設置面上で転動させる際に前記設置面に当接して前記転動をガイドするガイド面を有するガイド部と、該ガイド部の前記中心軸線方向の中央側に設けられ、使用者の身体に当接して前記身体に刺激を与える凸部を有する刺激付与部と、を備え、前記ガイド部における前記ガイド面と前記内周面との間は中実に構成され、前記刺激付与部における前記凸部の先端面と前記内周面との間は中空に構成されたことを特徴とする。
【0007】
上記構成の健康器具によれば、ガイド部は中実なので、ガイド部の剛性が高くて転がり易く、刺激付与部は中空なので適度な硬さであるから、使用者の身体に心地よい刺激を付与できる。
【0008】
本発明の健康器具では、前記刺激付与部は、前記凸部を有する本体付与部と、該本体付与部の径内側に設けられ、前記内周面を構成する筒状の芯付与部とを備え、該芯付与部は前記本体付与部よりも硬質であり、前記芯付与部と前記凸部の前記先端面との間が中空に構成されていてもよい。
【0009】
上記構成の健康器具によれば、硬質の芯付与部で径内部に剛性を持たせつつ、径外側の凸部を中空とすることで、適度な刺激を付与できる。
【0010】
本発明の健康器具では、前記ガイド部は、前記ガイド面を有する本体ガイド部と、該本体ガイド部の径内側に設けられ、前記内周面を構成する筒状の芯ガイド部とを備え、前記芯ガイド部は前記本体ガイド部よりも硬質であり、前記芯ガイド部と前記ガイド面との間が中実に構成されていてもよい。
【0011】
上記構成の健康器具によれば、芯ガイド部の硬質の構成と、芯ガイド部とガイド面の中実の構成とによって、ガイド部に剛性をもたせることができ、健康器具が転がり易くなる。
【0012】
本発明の健康器具では、前記本体ガイド部は、前記芯ガイド部に対して前記中心軸線方向の外側に配置され、且つ前記本体ガイド部の軸方向一方端面を覆うように径内方へ突設される端面保護部を備えていてもよい。
【0013】
上記構成の健康器具によれば、端面保護部により、硬質の芯ガイド部の軸方向一方端面が露出しないようにして、使用者の怪我を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の健康器具によれば、ガイド部は中実なので、ガイド部の剛性が高くて転がり易く、刺激付与部は中空なので適度な硬さであるから、使用者の身体に心地よい刺激を付与できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一の実施形態を表す健康器具の斜視図であり、一方の凸部を主とした斜視図である。
図2】同斜視図であり、他方の凸部を主とした斜視図である。
図3】同一方の凸部および他方の凸部の周方向中央部における断面図である。
図4】同設置面に対して身体の脚を負荷させた、健康器具の使用状態図である。
図5】本発明の別の実施形態の断面図であり、(a)は第二の実施形態を表す、一方の凸部および他方の凸部の周方向中央部における一部断面図、(b)は第三の実施形態を表す、一方の凸部および他方の凸部の周方向中央部における一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る健康器具を、図1ないし図5を参照して説明する。まず、本発明の第一の実施形態における健康器具1を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0017】
健康器具1はフォームローラとも呼ばれ、図4に示すように、使用者Hの身体の一部分が当接した状態、例えば使用者Hの脚H1が乗る状態(脚H1を健康器具1に負荷させた状態)で使用される。しかしながら、図4では使用者Hの脚H1に当接させているが、例えば背中、腕等に当接させることもでき、使用者Hの身体の具合に合わせて、多彩な使用が可能である。
【0018】
本実施形態では、健康器具1は、図1図2に示すようにガイド部2と、刺激付与部3とを備える。このうちガイド部2は、設置面4(例えば、図4に示す床面)上で転動させる際に、設置面4に当接して該転動をガイドする機能を有する。また、刺激付与部3は、ガイド部2の中心軸線5方向の中央側に設けられ、使用者Hの身体に当接して身体に刺激を与える機能を有する。
【0019】
図3に示すように、健康器具1は、ガイド部2および刺激付与部3として、中心軸線5周りに転動可能な器具本体6と、器具本体6の径内側に配置されて、中心軸線5周りに転動可能な芯体7とを有し、これらは中心軸線5周りに形成されている。本実施形態では、器具本体6は中心軸線5に沿って一体形成され、芯体7は中心軸線5に沿う、一個の筒状に形成されている。なお、本実施形態では、器具本体6はエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を材料とする発泡材であり、芯体7はポリプロピレン(PP)を材料とする非発泡材料である。なお、器具本体6と芯体7とは接着剤を介して固定されている。
【0020】
ガイド部2について、さらに詳述する。ガイド部2は、器具本体6のうちの本体ガイド部8と、芯体7のうちの芯ガイド部9とを備える。本体ガイド部8は、中心軸線5周りの環状に形成される。この本体ガイド部8は、中心軸線5方向の両側端部に配置されている。
【0021】
本体ガイド部8は、径外側に配置される外側面8aと、外側面8aに対して径内側に配置される内側面8Bと、中心軸線5方向外側に配置される一方側面8cと、中心軸線5方向内側に配置される他方側面8dとを有する。
【0022】
外側面8aは、健康器具1を設置面4上で転動させる際に、設置面4に当接して該転動をガイドするガイド面とされ、このガイド面は、中心軸線5周りの環状面、すなわち、中心軸線5周りに全周に連続した面である。内側面8Bは環状面、すなわち、中心軸線5周りに全周に連続した面に形成されている。
【0023】
内側面8Bは、径内側に配置される突出内面8eと、突出内面8eの中心軸線5方向内側にあって径外側配置される挿入内面8fと、突出内面8eおよび挿入内面8fを径方向で連結する段付面8gとを備える。突出内面8eは、径方向に垂直な環状面であり、本体ガイド部8における中心軸線5における中心軸線5方向の外側端面である一方向面から中央側へ延設される。挿入内面8fは、径方向に垂直な環状面であり、突出内面8eの中心軸線5方向の中央側の端面からさらに中央側へ延設される。段付面8gは、中心軸線5方向に垂直な面であり、中心軸線5周り全周に連続するフランジ状面である。段付面8gは、突出内面8eの中心軸線5方向の中央側の端縁と、挿入内面8fの中心軸線5方向の外側の端縁とを連結する面である。
【0024】
挿入内面8fと段付面8gとで、芯ガイド部9が挿入される挿入空間10が区画され、挿入空間10が芯ガイド部9の外面9aに当接し、段付面8gが芯ガイド部9の端面9bに当接する。
【0025】
すなわち、本体ガイド部8の径内部は、中心軸線5方向の中央側で芯ガイド部9が挿入される挿入部12と、挿入部12の中心軸線5方向の外側で芯ガイド部9の端面9bを覆う端面保護部11とを備える。
【0026】
端面保護部11の突出内面8eと、芯ガイド部9の内周面とは面一に配置されており、芯体7は一個の筒状に形成されて、突出内面8eと芯ガイド部9の内周面が、健康器具1における内周面1aとされている。なお、芯ガイド部9の領域を中心軸線5方向で定義すると、端面保護部11から他方側面8dの終点までである。
【0027】
一方側面8cは、健康器具1における中心軸線5方向の端面とされており、一方側面8cは、中心軸線5に直交する面とされている。他方側面8dは、中心軸線5内側に向けて傾斜して形成されている。
【0028】
ガイド部2は、その断面が中実断面である。具体的には、本体ガイド部8の外側面8a(ガイド面)、内側面8B、一方側面8cおよび他方側面8dで囲まれる内部が中実である。また、芯ガイド部9は、段付面8gに当接する端面9b、外面9a、内周面1aで囲まれる内部が中実である。本実施形態では、芯ガイド部9の外面9aは、本体ガイド部8の挿入内面8fに当接し、芯ガイド部9の端面9bは、段付面8gに当接している。よって、本体ガイド部8と芯ガイド部9との間にも、隙間は形成されていない。このように、ガイド部2は、外側面8a(ガイド面)と内周面1aとの間が中実構造となっており、具体的には、芯ガイド部9と外側面8a(ガイド面)との間が中実構造となっている。
【0029】
芯ガイド部9は、本体ガイド部8よりも硬質の材料で形成されている。例えば、芯ガイド部9はポリプロピレンを材料とする非発泡材の剛体であり、本体ガイド部8はエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を材料とする発泡材で形成される発泡体(弾性体)である。
【0030】
刺激付与部3について詳述する。刺激付与部3は、器具本体6のうちの本体付与部13と、芯体7のうちの芯付与部14とを備える。本体付与部13は、身体に刺激を与える凸部15,16を有する。本実施形態の場合では、二種類の凸部15,16から成っている。凸部15として、多数の凸部15を健康器具1の周方向、および中心軸線5周りに配置した集合体とされ、凸部16として、周方向に並べた複数の集合体とされ、凸部15,16は、健康器具1の周方向略半分の長さに設定されている。なお、本実施形態では二種類の凸部15,16を説明するが、凸部の形状(性状)や配置は問わないものとする。
【0031】
一方の凸部15について説明する。一方の凸部15は、図1および図3に示すように、中心軸線5周りに形成されており、中心軸線5側に形成される一方底面壁15aと、一方底面壁15aの端部から径外方向に一体的に形成されて、一方底面壁15aに対して凸となる一方凸面壁15Aとを有する。
【0032】
一方凸面壁15Aは、径外側に配置される一方先端面部15bと、一方先端面部15bの四隅から一方底面壁15a側へ向けて傾斜し、一方底面壁15aに一体的に形成された一方側面部15cとを有する。また、一方凸面壁15Aは、外郭形状を角錐台形状(この場合、四角錐台形状)に形成されている。一方凸面壁15Aにおける一方先端面部15bは、その先端に一方先端面15dを有し、この一方先端面15dは、健康器具1の周方向に沿う形状、すなわち中心軸線5と同心円上に形成されている。この一方先端面15dは、健康器具1の外周面とされる。一方の凸部15の間には、凸部15の形状対応した一方の凹部17が形成されている。
【0033】
他方の凸部16について説明する。他方の凸部16は、図1および図3に示すように、中心軸線5周りに形成されており、中心軸線5側に形成されて他方底面壁16aと、他方底面壁16aの端部から径外方向に一体的に形成されて凸となる他方凸面壁16Aとを有する。
【0034】
他方凸面壁16Aは、径外側に配置される他方先端面部16bと、他方先端面部16bの四隅から他方底面壁16a側へ向けて傾斜し、他方底面壁16aに一体的に形成された他方側面部16cとを有する。また、他方凸面壁16Aは、外郭形状として周方向に沿った長方形形状に形成されている。他方凸面壁16Aにおける他方先端面部16bは、その先端に他方先端面16dを有し、この他方先端面16dは、健康器具1の周方向に沿う形状、すなわち、中心軸線5と同心円上に形成されている。この他方先端面16dは、健康器具1の外周面とされ、一方先端面15dと他方先端面16dとは面一に配置されている。他方の凸部16の間には、凸部16の形状に対応した他方の凹部18が形成されている。
【0035】
芯付与部14について説明する。芯付与部14は、図3に示すように、芯ガイド部9の中心軸線5方向内側に一体的に形成されている。つまり、芯付与部14と芯ガイド部9とは、前述するように一個の筒状体から構成されている。芯付与部14の外面14aに、一方底面壁15aと他方底面壁16aとが径方向で当接される。また、芯ガイド部9の内周面と、芯付与部14の内周面によって、健康器具1の径方向中央部に、空洞部19が形成される。
【0036】
このような刺激付与部3の凸部15,16は中空断面である。具体的には、一方の凸部15における一方先端面部15bおよび一方側面部15cと、芯付与部14の外面14aとの間は中空Kに構成されている。また、他方の凸部16における他方先端面部16bおよび他方側面部16cと、芯付与部14の外面14aとの間は中空Kに構成されている。要は、凸部15,16と芯付与部14との間は中空Kに形成されている。また、芯付与部14は、本体付与部13よりも硬質の材料で形成されている。例えば、芯付与部14はポリプロピレンを材料とする非発泡材の剛体であり、本体付与部13はエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を材料とする発泡材の弾性体で形成される。
【0037】
図3に示すように、一方先端面15dと他方先端面16dにおける中心軸線5からの高さT1は同一であり、この高さT1は、本体ガイド部8の外側面8aにおける中心軸線5からの高さT2よりも低く設定されている。なお、一方先端面15d、他方先端面16d、外側面8aで、健康器具1の外周面となっている。
【0038】
上記構成の健康器具1の大きさ(サイズ)として、健康器具1の中心軸線5方向の長さは20~40cm、本体ガイド部8の外側面8aの径は10~20cm、本体付与部13の径は、本体ガイド部8の外側面8aの径より小さく8~15cmとされる。一例を示すと、健康器具1の中心軸線5方向の長さは33cm、本体ガイド部8の外側面8aの径は14cm、本体付与部13の径は12cmである。
【0039】
健康器具1は、床などの設置面上に設置され、例えば図4のように、使用者Hの脚H1(この場合、ふくらはぎ)が乗った状態で用いられる。このとき、ガイド部2の中心軸線5方向の中央側に設けられた刺激付与部3において、脚H1の当接部分が、凸部15を主として選択するか、凸部16を主として選択するかは、使用者Hの好みによる。
【0040】
続いて使用者Hは、図4の実線で示す状態から仮想線で示す状態に、健康器具1を矢印20のように中心軸線5周りに、設置面上で転動する。凸部15、凸部16は、健康器具1の周方向略半分の長さに設定されているから、周方向略半分の長さに対応する転動に伴い、脚H1が凸部15から凸部16、あるいは凸部16から凸部15へ移行する。そして、健康器具1は、設置面4に設置されているとともに、使用者Hの脚H1の重さが働いているから、該転動により、脚H1に刺激を与えることができる。
【0041】
凸部15の一方先端面15dと凸部16の他方先端面16dにおける中心軸線5からの高さT1は、本体ガイド部8の外側面8aにおける中心軸線5からの高さT2よりも低く設定されており、ガイド部2の外側面8aは、健康器具1を設置面4上で転動させる際に、設置面4に当接して該転動をガイドする外側面8aとされている。つまり、中心軸線5に対して刺激付与部3が低く形成されており、ガイド部2が高く形成されている。
【0042】
このことから、中心軸線5方向の両端部で、ガイド部2によって脚H1が支持されるから、中央側に乗せる脚H1は安定している。しかも、外側面8aが設置面4に対するガイドとなることから、健康器具1を円滑に転動させることができる。そして、このような上記転動を繰返しても、凸部15の一方先端面15dと凸部16の他方先端面16dとは設置面4に直接触れることが無く、外側面8aが設置面4に当接して転動するだけであるので、健康器具1の使用に際して、極力静粛に行うことができる。また、刺激付与部3(凸部15,16)は中空Kなので、脚H1に対して適度な刺激を付与できる。
【0043】
ところで、芯ガイド部9は本体ガイド部8よりも硬質に構成され、芯ガイド部9と外側面8aとの間が中実断面に構成されている。この構成によれば、ガイド部2に剛性をもたせることができるから、健康器具1が転がり易くなって転動を円滑に行うことができる。加えて、芯付与部14は本体付与部13よりも硬質であり、芯付与部14と凸部15,16との間が中空Kに構成されている。この構成によれば、硬質の芯付与部14で径内部に剛性を持たせつつ、径外側の凸部15,16を中空Kとすることで、刺激付与部3は適度な硬さを有するから、使用者Hの身体に心地よい刺激を与えることができる。さらに、芯付与部14の内周面によって空洞部19が形成されることで、刺激付与部3を脚H1の自重で押圧した際に、空洞部19により、芯付与部14の押圧に対するクッションの機能を果たし得る。
【0044】
また、本体ガイド部8は、芯ガイド部9に対して中心軸線5方向の外側に配置され、且つ本体ガイド部8の軸方向一方端面を覆うように径内方へ突設される端面保護部11を備えている。このため、硬質の芯ガイド部9の軸方向一方端面が露出しないようにして、使用者の怪我を防止できる。また、中心軸線5方向の両端部に配置された各端面保護部11に芯ガイド部9の軸方向両方端面が、中心軸線5方向にそれぞれ当接することで、芯体7が器具本体6から抜け出ることを防止できる。
【0045】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
【0046】
上記実施形態では、芯ガイド部9は、本体ガイド部8の内側面8Bにおける、中心軸線5外側の端面保護部11を除いて配置され、芯体7は中心軸線5に沿う一個の筒状に形成された例を挙げた。しかしながら、図5(a)の第二の実施形態で示すように、芯ガイド部9の端部を径外方向に拡大した拡大部9Aを形成したうえで、本体ガイド部8内に形成した環状のスペース8Aに突出させることもできる。この構成においても、芯ガイド部9が本体ガイド部8よりも硬質であり、芯付与部14と外側面8aとの間が中実に構成されることで、ガイド部2に剛性をもたせることができ、健康器具1が転がり易くなる。また、拡大部9Aの軸方向一方端面が本体ガイド部8に中心軸線5方向で当接することで、硬質の芯ガイド部9の軸方向端面が露出しないようにして、使用者の怪我を防止できる。他の構成は、第一実施形態と同様である。
【0047】
上記実施形態では、芯ガイド部9は、本体ガイド部8の内側面8Bにおける、中心軸線5外側の端面保護部11を除いて配置され、芯体7は中心軸線5に沿う一個の筒状に形成された例を挙げた。しかしながら、図5(b)の第三の実施形態で示すように、芯ガイド部9は、本体ガイド部8の内側面8Bに貫通させ、芯ガイド部9の軸方向一方端面と一方側面8cとを面一として、中心軸線5に直交する面としてもよい。この構成においても、芯ガイド部9が本体ガイド部8よりも硬質であり、芯付与部14と外側面8aとの間が中実に構成されることで、芯ガイド部9に剛性をもたせることができ、健康器具1が転がり易くなる。
【0048】
あるいは、別例として、芯ガイド部9は、図3で示した端面保護部11を中心軸線5方向の中央側に延長させて、例えば、芯ガイド部9の軸方向一方端面を、他方側面8dの径内側に配置することもできる。或いは、芯ガイド部9を設けない構成もできる。
【0049】
上記第一~第三の実施形態では、本体付与部13の径内側に芯付与部14を配置したが、芯体7のうち芯付与部14を省くこともできる。この場合では、凸部15,16の径内側は開口とされる。なお、芯体7を省くこともできる。
【0050】
また、図示しないが、上記各実施形態の健康器具1の空洞部19の中心軸線5方向の両側に、空洞部19を閉鎖する蓋を形成することもできる。また、上記実施形態では、器具本体6はエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂の発泡材であり、芯体7はポリプロピレンの非発泡材とされたが、これらの材料は特に限定されるものではなく、器具本体6に比べて芯体7のほうが硬質であればよい。
【0051】
上記実施形態では、本体ガイド部8と本体付与部13とで構成される器具本体6は、一体形成されていた。しかしながら、本体ガイド部8と本体付与部13とは別体で形成することも可能である。この場合の別体位置とは、例えば、本体ガイド部8の他方側面8dと、一方の凸部15の一方底面壁15aとの境界位置、本体ガイド部8の他方側面8dと、他方の凸部16の他方底面壁16aとの境界位置とされる。なお、器具本体6を中心軸線5方向に垂直、または平行な面で分割した別体とすることもできる。さらに、芯体7について、中心軸線5方向に垂直、または平行な面で分割して別体とすることもできる。
【0052】
上記実施形態では、一方先端面15dと他方先端面16dとの、中心軸線5からの高さT1は同一とされた。しかしながら、外側面8aにおける中心軸線5からの高さT2よりも低く設定されることを条件に、一方先端面15dと他方先端面16dとの、中心軸線5からの高さT1は異なって配置されることも可能である。また、芯体7と器具本体6とは固定しないようにすることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…健康器具、1a…内周面、2…ガイド部、3…刺激付与部、4…設置面、5…中心軸線、6…器具本体、7…芯体、8…本体ガイド部、8A…スペース、8B…内側面、8a…外側面(ガイド面)、8c…一方側面、8d…他方側面、8e…突出内面、8f…挿入内面、8g…段付面、9…芯ガイド部、9A…拡大部、9a…外面、9b…端面、10…挿入空間、11…端面保護部、12…挿入部、13…本体付与部、14…芯付与部、14a…外面、15,16…凸部、15A…一方凸面壁、15a…一方底面壁、15b…一方先端面部、15c…一方側面部、15d…一方先端面、16A…他方凸面壁、16a…他方底面壁、16b…他方先端面部、16c…他方側面部、16d…他方先端面、19…空洞部、H…使用者、H1…脚、K…中空
図1
図2
図3
図4
図5