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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002169
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】包材供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/18 20060101AFI20231228BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65H19/18
B65B41/12 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101211
(22)【出願日】2022-06-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年2月15日から2月18日に開催されたJAPAN PACK 2022 (日本包装産業展)において公開された。 2022年3月5日に取引先に納品した。 2022年3月26日に取引先に納品した。
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴樹
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BA02
3F064BB03
3F064BB09
3F064BB15
3F064BB17
3F064BB23
(57)【要約】
【課題】先行包材の供給を停止することなく、後行包材を接続台にセット可能な製袋充填包装機の包材供給装置を提供する。
【解決手段】包材供給装置は、繰り出し位置と待機位置との間で複数のリール軸Lを旋回させる旋回アームと、先行包材と後行包材の先端部とを接続する接続器と、旋回アームに保持部材を介して複数のリール軸ごとに対応して設けられ、接続器との間で先行包材および後行包材を挟み込む台座部62と、後行包材の先端部を仮固定可能なクランプ機構61(仮固定部材)とを有する複数の接続台60とを備え、接続台60は、接続位置に対応したロック位置PLと、ロック位置PLよりも待機位置にあるリール軸側の包材セット位置との間で、水平方向(移動方向)に溝500に沿って移動可能に保持部材50に取り付けられる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材が装填された複数のリール軸と、
前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で、前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームと、
前記リール軸から前記包材のうち先行して使用される先行包材と、前記包材のうち前記先行包材の次に使用される後行包材の先端部とを接続する接続器と、
前記旋回アームに保持部材を介して前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記接続器による前記先行包材と前記後行包材との接続位置において、前記接続器との間で前記先行包材および前記後行包材を挟み込む台座部と、前記後行包材の先端部を仮固定可能な仮固定部材とを有する複数の接続台と、
を備え、
前記接続台は、前記接続位置に対応した第1位置と、前記第1位置よりも前記待機位置にある前記リール軸側の第2位置との間で、前記旋回アームの中心軸の軸方向と直交する方向である移動方向に沿って移動可能に、前記保持部材に取り付けられる
包材供給装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記移動方向に沿って延びる溝を有し、前記軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、
前記接続台は、前記保持部材に隣接して前記軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられた接続台フレームを有し、
前記接続台フレームは、隣接する前記保持部材の前記溝に摺動可能に保持され、前記移動方向において互いに間隔を空けて設けられた第1規制部材および第2規制部材を有する
請求項1に記載の包材供給装置。
【請求項3】
前記第1規制部材は、前記溝を回転摺動可能な第1規制ローラであり、
前記第2規制部材は、前記溝を回転摺動可能な第2規制ローラである
請求項2に記載の包材供給装置。
【請求項4】
前記移動方向は、水平方向であり、
前記溝は、水平方向に沿って延びる第1溝部と、前記第1溝部の中途部から上方に延びる第2溝部とを有し、
前記第1規制ローラおよび前記第2規制ローラは、前記第2規制ローラが前記第1溝部の前記第2位置側の端部に当接したとき、前記第1規制ローラが前記第2溝部の下方に位置するように、前記接続台フレームに設けられる
請求項3に記載の包材供給装置。
【請求項5】
前記第2溝部は、前記第1溝部の前記端部側に向かうにつれて上方に延びる傾斜部と、前記傾斜部よりも前記第1溝部の前記端部側で上下方向に延びる規制部と、前記傾斜部と前記規制部とをつなぐ終端部とを有する請求項4に記載の包材供給装置。
【請求項6】
前記軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、一端が隣接する前記保持部材に回転可能に連結されたフレームリンクと、
前記軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、一端が隣接する前記第2規制部材に対して回転可能に連結され、他端が隣接する前記フレームリンクに回転可能に連結された中間リンクと
を有し、
前記軸方向において一対で設けられた前記フレームリンクおよび前記中間リンクが互いに連結されたリンク機構をさらに備える
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の包材供給装置。
【請求項7】
前記接続台ごとに対応して設けられ、前記接続台の前記保持部材に対する移動を規制するロック機構をさらに備え、
前記保持部材は、ロック溝を有し、
前記ロック機構は、前記接続台フレームに対して回転可能なロックハンドルと、前記ロックハンドルに取り付けられ、前記ロックハンドルの回転に伴って前記ロック溝に係合可能なロック溝係合部材と有する
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の包材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のリール軸に包材を装填し、使用する包材を切り替える包材供給装置を備えた包装機に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、繰り出しローラにより先行フィルム(包材)のリール軸から先行包材(先行フィルム)を繰り出し、先行フィルムの終端部を終端検出手段で検出して、フィルム接続器により後行包材(後行フィルム)の先端部と接続する製袋充填包装機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-177422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製袋充填包装機の包材供給装置では、先行包材を繰り出すためのリール軸の繰り出し位置や、後行包材が装填されたリール軸を待機させておく待機位置を所望の位置とするために、複数のリール軸を旋回可能な構造を採用することがある。
【0005】
しかしながら、複数のリール軸を旋回可能な構造とした場合、後行包材の先端部を接続器のヒータブロックとの間で挟み込む接続台にセットするために、後行包材が装填されたリール軸を待機位置からずらす場合がある。その結果、先行包材が装填されたリール軸も繰り出し位置からずれてしまい、先行包材に張力を付与するための部材から先行包材が離れ、先行包材の供給を継続できなくなってしまう恐れがある。そのため、先行包材を供給している最中に、複数のリール軸の位置を変更することなく、後行包材を上記接続台にセットすることが求められる。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、先行包材の供給を停止することなく、後行包材を接続台にセット可能な包材供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の包材供給装置は、包材が装填された複数のリール軸と、前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で、前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームと、前記リール軸から前記包材のうち先行して使用される先行包材と、前記包材のうち前記先行包材の次に使用される後行包材の先端部とを接続する接続器と、前記旋回アームに保持部材を介して前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記接続器による前記先行包材と前記後行包材との接続位置において、前記接続器との間で前記先行包材および前記後行包材を挟み込む台座部と、前記後行包材の先端部を仮固定可能な仮固定部材とを有する複数の接続台とを備え、前記接続台は、前記接続位置に対応した第1位置と、前記第1位置よりも前記待機位置にある前記リール軸側の第2位置との間で、前記旋回アームの中心軸の軸方向と直交する方向である移動方向に沿って移動可能に、前記保持部材に取り付けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包材供給装置によれば、先行包材の供給を停止することなく、後行包材を接続台にセット可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図である。
図2】製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。
図3】包材供給装置の概略を示す側面図である。
図4】包材供給装置の概略を示す斜視図である。
図5】保持部材の近傍における包材供給装置を示す拡大側面図である。
図6】接続器により先行包材と後行包材の先端部との接続を行う様子を示す説明図である。
図7】包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図8】包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図9】包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図10】保持部材および接続台を示す斜視図である。
図11】保持部材を軸方向一方側から視た側面図である。
図12】保持部材への接続台の取り付け構造を模式的に示す説明図である。
図13】接続台を軸方向他方側から視た側面図である。
図14】接続台が保持部材に対して移動する動作をステップS10からステップS30で模式的に示した説明図である。
図15】接続台が保持部材に対して移動する動作をステップS40からステップS60で模式的に示した説明図である。
図16】第1規制ローラが第2溝部へと移動する動作の他の例を模式的に示す説明図である。
図17】ロック機構の作動状態検出装置の要部を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
(製袋充填包装機)
図1は、実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図であり、図2は、製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。製袋充填包装機1は、実施形態にかかる包材供給装置10と、製袋包装装置20と、制御装置30(図2参照)とを備える。
【0012】
(包材供給装置)
包材供給装置10は、包材Wを製袋包装装置20へと供給する装置である。包材Wは、ヒートシール可能なフィルムなどにより構成される。包材供給装置10は、複数(本実施形態では、2つ)のリール軸L(図3参照)を備えており、各リール軸Lに装填された包材ロールWRから包材Wを複数の経路ローラR1を介して製袋包装装置20へと供給する。複数の経路ローラR1は、可動ロールの位置を調整することで包材供給装置10と製袋包装装置20との間における包材Wの張力を調整可能な、いわゆるダンサローラと称される張力調整機構14を含む。包材供給装置10の詳細な構成については、後述する。
【0013】
(製袋包装装置)
製袋包装装置20は、包材供給装置10から供給された包材Wを袋状に形成すると共に、形成した袋に粉粒体やスナック菓子などの充填物を充填する装置である。なお、図1においては、製袋包装装置20を通過する包材Wの記載を一部省略している。製袋包装装置20は、内容物を供給するホッパ21の下方に、上下方向に延びる製袋チューブ22が設けられている。製袋チューブ内には、充填チューブ26が配置され、充填チューブ26は、製袋チューブ22から上方に向けて突出してホッパ21に接続される。また、製袋チューブ22の上部には、包材供給装置10から供給された包材Wを略筒状に成形してガイドするフォーマ27が設けられている。包材Wは、フォーマ27を通過する際、両側縁が所定の形態にて互いに重ねあわされたラップ部が形成される。製袋チューブ22の両側には、一対の繰り出しベルト23(包材フィーダ)が設けられており、一対の繰り出しベルト23によって製袋チューブ22の周囲に沿って延在する包材Wが下方に繰り出される。なお、製袋チューブ22の下方には、包材Wを所定形状に成形する図示しない成形ガイドが設けられている。
【0014】
また、製袋チューブ22の近傍には、開閉可能な縦シーラ24が設けられている。縦シーラ24は、包材Wの上記ラップ部をヒートシールし、両側縁を互いに接着させた縦シールフラップを形成する。さらに、製袋チューブ22の下方には、開閉可能な横シーラ25が設けられている。横シーラ25は、一対のヒータブロック25a、25bと、図示しないカッターを有している。横シーラ25が閉動作したとき、一対のヒータブロック25a、25bが包材Wを前後から挟み付けることで、包材Wに横シールを形成し、カッターにより包材Wが切断される。それにより、包材Wは、上下端が横シールにより閉じられ、図1に示すように、ホッパ21から充填チューブ26を介して供給される内容物が充填された袋Fが形成される。
【0015】
(制御装置)
制御装置30は、製袋充填包装機1の全体制御を行うコントローラである。制御装置30は、図2に示すように、入力側に設定入力装置2、後述する光センサ90などが電気的に接続されている。また、制御装置30は、出力側に張力調整機構14、繰り出しローラ駆動装置100、旋回アーム駆動装置200、後述する接続器70、繰り出しベルト23、縦シーラ24、横シーラ25などが電気的に接続されている。
【0016】
設定入力装置2は、作業者が製袋充填包装機1を駆動させるための各種設定値を入力するためのインターフェースである。光センサ90は、包材Wの終端部E(図6および図8参照)を検出するためのセンサである。なお、光センサ90に代えて、超音波センサなどを用いてもよい。その場合、後述する反射板91は省略されてもよい。繰り出しローラ駆動装置100は、後述する複数の繰り出しローラ80を回転駆動させる装置であり、少なくとも図示しないサーボモータを含む。旋回アーム駆動装置200は、後述する旋回アーム40を回転駆動させる装置であり、少なくとも図示しないサーボモータを含む。制御装置30は、設定入力装置2で作業者により入力などされた各種設定にしたがって、出力側に接続された上記各種装置を制御する。また、本実施形態において、制御装置30は、包材供給装置10の複数のリール軸Lに装填された包材ロールWRを選択的に切り替えながら包材Wを製袋包装装置20へと供給させる包材供給制御を実行する。包材供給制御の詳細については、後述する。
【0017】
(包材供給装置の詳細構成)
次に、実施形態にかかる包材供給装置10の詳細な構成について説明する。図3は、包材供給装置10の概略を示す側面図であり、図4は、包材供給装置10の概略を示す斜視図である。なお、図4においては、包材供給装置10の一部の構成要素の記載を省略している。包材供給装置10は、上記複数のリール軸Lと、中心軸40aを中心とする旋回アーム40と、複数の保持部材50と、複数の接続台60と、接続器70と、複数の繰り出しローラ80と、受けローラ85と、光センサ90と、上記繰り出しローラ駆動装置100と、上記旋回アーム駆動装置200とを備える。
【0018】
(複数のリール軸)
複数のリール軸Lは、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに所定角度だけ回転した位置に配置される。以下、リール軸Lに対応して設けられる部材についても、同様である。本実施形態では、複数のリール軸Lは、互いに平行な第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを有する。第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置される。
【0019】
第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40によって、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で旋回して位置を切り替え可能に構成されている。以下の説明では、繰り出し位置P1にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRから先行して使用される包材Wを「先行包材W1」と称し、先行包材W1の次に使用される包材W、すなわち、待機位置P2にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRの包材Wを「後行包材W2」と称する。また、以下の説明では、各リール軸Lが繰り出し位置P1、待機位置P2にある状態を基準として、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。また、以下の説明では、旋回アーム40の軸方向を単に「軸方向」と称して、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。なお、図3の上下方向が鉛直上下方向であり、左右方向が水平方向であり、紙面方向が上記軸方向である。
【0020】
(旋回アーム)
旋回アーム40は、上述したように、第1リール軸LAと第2リール軸LBとを繰り出し位置P1と待機位置P2との間で旋回させる部材である。旋回アーム40は、包材供給装置10の図示しない本体フレームに、中心軸40aを中心として回転可能に取り付けられる。中心軸40aには、旋回アーム駆動装置200の図示しないサーボモータが接続されている。旋回アーム40は、サーボモータの駆動によって、中心軸40aを中心として旋回可能であり、任意の角度で姿勢を固定可能とされている。
【0021】
旋回アーム40には、リール軸Lを支持する複数(本実施形態では、2つ)のリール軸支持部材41が取り付けられている。リール軸支持部材41は、第1リール軸LA側に延びて第1リール軸LAを回転可能に支持する第1リール軸支持部材41Aと、第2リール軸LB側に延びて第2リール軸LBを回転可能に支持する第2リール軸支持部材41Bとを含む。第1リール軸支持部材41Aおよび第2リール軸支持部材41Bは、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0022】
また、旋回アーム40には、各リール軸支持部材41を介して、複数(本実施形態では、2つ)のフレーム部材42が取り付けられている。フレーム部材42は、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの上方側に延在する第1フレーム部材42Aと、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの下方側に延在する第2フレーム部材42Bとを有する。第1フレーム部材42Aおよび第2フレーム部材42Bは、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。第1フレーム部材42Aの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。同様に、第2フレーム部材42Bの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。
【0023】
また、フレーム部材42の各経路ローラR2には、光センサ90の反射板91が取り付けられている。光センサ90は、図3に示すように、繰り出し位置P1にあるリール軸Lの近傍に配置され、反射板91に向けて光を射出し、反射板91からの反射光を受光するセンサである。光センサ90は、受光した反射光の強度に応じて、反射板91との間に包材W(すなわち先行包材W1)が存在するか否かを検出し、検出結果を制御装置30へと出力する。
【0024】
(保持部材)
保持部材50は、後述する接続台60および繰り出しローラ80を保持するための部材である。保持部材50は、図4に示すように、旋回アーム40の上下方向の端部に設けられた板状部材44の軸方向における両端部に一対で設けられる。保持部材50は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1保持部材50A、第2リール軸LBに対応して設けられた第2保持部材50Bを有する。第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0025】
図5は、保持部材50の近傍における包材供給装置10を示す拡大側面図である。保持部材50は、平板状の部材であり、脚部51と、接続台保持部52と、ローラ保持部53とを有する。脚部51は、板状部材44から上下方向に延びる部分である。接続台保持部52は、脚部51から水平方向の両側に延びる。接続台保持部52には、後述する接続台60の位置と姿勢を規定するための溝500が形成されている。また、接続台保持部52の水平方向の対応するリール軸L側(図4の左側)の端部には、包材Wをガイドするための経路ローラR3が設けられている。ローラ保持部53は、接続台保持部52の水平方向の中央部で、脚部51とは反対側に向けて略三角形状に張り出す部分である。ローラ保持部53は、繰り出しローラ80の軸端部を回転可能に支持する。
【0026】
(接続台)
図3から図5を参照しながら、複数の接続台60について説明する。接続台60は、先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続器70により接続する際の台座となる部材である。すなわち、接続台60は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71との間で先行包材W1および後行包材W2を挟み込む部材である。
【0027】
接続台60は、先行包材W1に対して後行包材W2を接続するために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、接続台60は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1接続台60Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2接続台60Bとを含む。図3に示すように、第1接続台60Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2接続台60Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。第1接続台60Aおよび第2接続台60Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0028】
各接続台60は、図4に示すように、包材Wの幅よりも幅広となるように、軸方向において一対で設けられた保持部材50の間に延在し、各保持部材50の接続台保持部52により保持される。接続台60は、保持部材50に保持された繰り出しローラ80に対して、対応するリール軸Lとは水平方向の反対側(図4では、右側)に配置される。また、接続台60は、図4に示すように、包材Wの幅よりも幅広となるように、軸方向において一対で設けられた保持部材50の間に延在する。接続台60は、仮固定部材としてクランプ機構61と、2つの台座部62とを有する。クランプ機構61は、作業者が手動により上下に開閉動作をさせ、後行包材W2の先端をクランプして仮固定することができるように構成されている。2つの台座部62は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71に対応する間隔を空けて設けられ、一対のヒータブロック71との間で先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを挟み込む部分である。また、接続台60の台座部62の近傍には、後行包材W2をガイドするための経路ローラR4が設けられている。なお本実施形態では仮固定部材としてクランプ機構61を使用したが、仮固定部材は、例えば吸着部材や粘着部材を用いるなど、他の手法で後行包材W2の先端部Sを接続位置CPに仮固定し、接続器70による先行包材W1との接続後に容易に仮固定が解除できるものであってもよい。
【0029】
(接続器)
接続器70は、図3に示すように、先行包材W1を繰り出している繰り出しローラ80を保持する保持部材50に設けられた接続台60(図3では第1接続台60A)の上部に位置するように設けられる。接続器70は、後述する繰り出しローラ80よりも、先行包材W1の繰り出し方向における下流側に配置される。接続器70は、一対のヒータブロック71と、一対のヒータブロック71間に配置されたカッター72とを有する。接続器70は、一対のヒータブロック71とカッター72とが上下方向に移動可能とされており、制御装置30によって駆動制御される。なお、本実施形態では、接続器70が一対のヒータブロック71を有するものとしたが、接続器70は、例えば超音波シーラといった包材W同士を接続可能な他のシーラを有するものであってもよい。その場合、接続器70が超音波シーラの超音波振動ホーンを備え、接続台60が超音波振動ホーンとの間で包材Wを挟み込む固定治具としてのアンヴィルを備えるものであればよい。
【0030】
図6は、接続器70により先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続を行う様子を示す説明図である。図示するように、接続器70は、上下に重なった先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを、一対のヒータブロック71で接続台60の台座部62に押し付けつつ熱溶着により接着して接続する。そして、接着された先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとをカッター72で切断する。それにより、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の下流側に位置する部分が連続する一枚の包材Wとなる。一方、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の上流側に位置する部分は、1枚の切れ端となる。このように、一対のヒータブロック71の間にカッター72を配置することで、互いに接着された1枚の切れ端が残るようにすることができ、切れ端の処理が容易となる。なお、当該切れ端は、包材供給装置10の内部に自然落下する。一対のヒータブロック71による先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続処理、カッター72による切断処理は、先行包材W1の終端部Eが繰り出しローラ80を通過する以前に行われる。
【0031】
(繰り出しローラ)
複数の繰り出しローラ80は、先行包材W1を繰り出すために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、複数の繰り出しローラ80は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1繰り出しローラ80Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2繰り出しローラ80Bとを有する。図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2繰り出しローラ80Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。
【0032】
各繰り出しローラ80は、図4および図5に示すように、軸方向において一対で設けられた保持部材50のローラ保持部53によって、その軸端部が回転可能に支持される。各繰り出しローラ80は、繰り出しローラ駆動装置100の図示しないサーボモータによって回転駆動される。また、図3および図4に示すように、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応した繰り出しローラ80(図3および図4では第1繰り出しローラ80A)の上部には、回転可能な受けローラ85が配置される。受けローラ85は、略上下方向に移動可能に構成されており、繰り出しローラ80との間で先行包材W1を挟み込むことができる。それにより、繰り出しローラ80が図示しないサーボモータによって回転駆動されると、繰り出しローラ80と受けローラ85との間に挟み込まれた先行包材W1が繰り出しローラ80の回転によって包材ロールWRから繰り出される。
【0033】
ここで、図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aおよび受けローラ85は、図3に示すように、接続器70よりも第1リール軸LA側に設けられている。つまり、繰り出しローラ80および受けローラ85は、先行包材W1の繰り出し方向において、接続器70による先行包材W1と後行包材W2との接続位置CP(図6参照)よりも、先行包材W1が装填されたリール軸L側に設けられる。先行包材W1が装填されたリール軸L側とは、先行包材W1の繰り出し方向における上流側を意味する。
【0034】
(製袋充填包装機の動作)
以上のように構成された製袋充填包装機1の動作について、図7から図9を参照しながら説明する。図7から図9は、制御装置30により包材供給制御が実行されている最中のステップS1からステップS6における包材供給装置10の状態を示している。図7は、包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図8は、包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図9は、包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置10の状態を示す説明図である。
【0035】
まず、図7のステップS1に示すように、第1リール軸LAが繰り出し位置P1に位置付けられ、第2リール軸LBが待機位置P2に位置付けられた状態を想定する。このとき、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRから先行包材W1は、第1保持部材50Aに取り付けられた第1繰り出しローラ80Aと、受けローラ85とに挟み込まれた状態である。制御装置30は、ステップS1に示す状態で、繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23によって、第1リール軸LAから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。上述したように、第1フレーム部材42Aに経路ローラR2が設けられ、第1保持部材50Aに経路ローラR3が設けられることで、先行包材W1を第1繰り出しローラ80Aまで安定した姿勢で案内することができる。
【0036】
第1リール軸LAから先行包材W1が繰り出されることで、ステップS2に示すように、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの径が減少していく。この間、作業者は、任意あるいは指定された時点で、待機位置P2にある第2リール軸LBに新たな包材ロールWRをセットすると共に、装填された包材ロールWRの後行包材W2の先端部Sを接続台60のクランプ機構61にセットする。なお、後行包材W2の接続台60へのセットは、例えば、接続台60を後行包材W2の包材ロールWRが装填されたリール軸L側(ここでは、第2リール軸LB側)に移動可能としておけば、先行包材W1の繰り出しを停止することなく実行することができる。ただし、新たな包材ロールWRのリール軸Lへの装填および後行包材W2の接続台60へのセットは、図9に示すステップS5の状態で、いったん旋回アーム40の旋回を停止させた上で行われてもよい。
【0037】
図7に示す状態が継続されると、図8のステップS3に示すように、先行包材W1が使い切られて第1リール軸LAから先行包材W1が離れた状態となる。その結果、光センサ90が受光する反射板91からの反射光の強度が、光センサ90と反射板91との間に先行包材W1がある状態から変化する。それにより、第1リール軸LAの先行包材W1を使い切ったこと、すなわち、先行包材W1の終端部Eが光センサ90と反射板91との間を通過したことを光センサ90が検出し、検出結果が制御装置30へと出力される。当該検出結果が入力されると、制御装置30は、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23による先行包材W1の繰り出しをいったん停止させる。そして、制御装置30は、接続器70によって先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続させる(図6参照)。なお、上述したように、光センサ90に代えて超音波センサなどの他のセンサを用いてもよい。
【0038】
ここで、上述したように、先行包材W1を繰り出す繰り出しローラ80は、先行包材W1と後行包材W2との接続位置CPよりも先行包材W1のリール軸L(ここでは、第1リール軸LA)側に設けられている。そのため、先行包材W1が当該リール軸Lから離れた後も、繰り出しローラ80から接続位置CPまでの間の先行包材W1の張力が維持される。それにより、先行包材W1の張力がなくなることに起因して先行包材W1の姿勢が不安定となり、先行包材W1と後行包材W2とを所望の位置で接続できなくなることが抑制される。
【0039】
次に、制御装置30は、ステップS4に示すように、旋回アーム駆動装置200を駆動制御し、実線矢印に示すように旋回アーム40を中心軸40aで旋回させる。それにより、第1リール軸LAが繰り出し位置P1側から待機位置P2側へと移動し、第2リール軸LBが待機位置P2側から繰り出し位置P1側へと移動する。このとき、旋回アーム40全体が旋回することから、第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bも同方向に旋回する。さらに旋回アーム40の旋回が進むと、図9のステップS5に示すように、第2フレーム部材42Bの経路ローラR2および第2保持部材50Bの経路ローラR3が後行包材W2と当接する。これにより、旋回アーム40の旋回中においても、後行包材W2の姿勢を安定的に維持することができる。
【0040】
そして、ステップS6に示すように、第2リール軸LBが繰り出し位置P1に位置付けられ、第1リール軸LAが待機位置P2に位置付けられる。この時点で、制御装置30は、旋回アーム駆動装置200のサーボモータにより旋回アーム40の旋回を停止させると共に、旋回アーム40をステップS6の姿勢で固定させる。これにより、後行包材W2が、第2保持部材50Bに取り付けられた第2繰り出しローラ80Bと受けローラ85とに挟み込まれ、第2繰り出しローラ80Bによって繰り出せる状態となる。言い換えると、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの包材Wが先行包材W1となる。制御装置30は、再び繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第2繰り出しローラ80Bおよび繰り出しベルト23によって、第2リール軸LBから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。以上のステップS1からステップS6の処理を繰り返し実行することで、第1リール軸LAおよび第2リール軸LBに装填された包材ロールWRからの包材Wを製袋包装装置20へと順次供給することができる。
【0041】
次に、実施形態にかかる製袋充填包装機1の包材供給装置10の要部として、保持部材50および接続台60の構成について説明する。図10は、保持部材50および接続台60を示す斜視図である。図11は、保持部材50を軸方向一方側から視た側面図である。図12は、保持部材50への接続台60の取り付け構造を模式的に示す説明図である。図13は、接続台60を軸方向他方側から視た側面図である。以下の説明では、繰り出し位置P1(図3参照)にあるリール軸Lに対応した保持部材50および接続台60を基準として各構成要素の方向を規定する。
【0042】
(保持部材の詳細構成)
保持部材50は、上述したように、接続台保持部52に溝500が形成されている。溝500は、接続台60を水平方向(移動方向)に沿って移動可能に位置と姿勢を規定するための係合溝である。溝500は、内側側面50aおよび外側側面50b(図10参照)を貫いて形成される。なお、内側側面50aは、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられた保持部材50の互いに対向する側面であり、外側側面50bは、内側側面50aと反対側の側面である。
【0043】
溝500は、図11に示すように、第1溝部501と、第2溝部502とを有している。第1溝部501は、一方側の端部501aから他方側の端部501bまで水平方向に沿って延びる。第1溝部501の端部501aおよび端部501bは、円弧状に形成されている。第2溝部502は、第1溝部501の中央部近傍から上方に向けて略三角形状に延びる。より詳細には、第2溝部502は、水平方向一方側から他方側に向かうにつれて上方に向けて延びる傾斜部502aと、傾斜部502aよりも水平方向他方側で上下方向に沿って延びる規制部502bと、傾斜部502aと規制部502bとをつなぐ円弧状の終端部502cとを有する。なお、終端部502cの形状は、円弧状に限られない。
【0044】
また、保持部材50の水平方向他方側における端部近傍には、上部を一部切り欠いたロック溝505が形成されている。なお、ロック溝505は、軸方向において一対で設けられた保持部材50のうち、後述するロック機構66が配置される側(図10では軸方向他方側)のものにのみ形成されればよい。ロック溝505には、ロック機構66のロック溝係合ローラ664(ロック溝係合部材)が係合可能とされている。
【0045】
(接続台の詳細構成)
次に、接続台60の詳細構造について説明する。接続台60は、上述したクランプ機構61および台座部62に加えて、接続台フレーム63と、リンク機構65とを有している。本実施形態において、接続台60は、接続位置CPに対応したロック位置PL(第1位置、図10および図14参照)と、ロック位置PLよりも待機位置P2にあるリール軸L側へと引き出された包材セット位置PS(第2位置、図15参照)との間で、水平方向に沿って移動可能に保持部材50に取り付けられる。
【0046】
(接続台フレーム)
接続台フレーム63は、図10に示すように、クランプ機構61および台座部62を保持する板状部材であり、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられる。以下の説明では、適宜、軸方向一方側に配置された接続台フレーム63を「接続台フレーム631」と称し、軸方向他方側に配置された接続台フレーム63を「接続台フレーム632」と称する。
【0047】
各接続台フレーム63は、隣接する保持部材50の外側側面50bと当接するように配置され、保持部材50の溝500に取り付けられる。各接続台フレーム63は、図13に示すように、水平方向に延びる部分と、水平方向部分から斜め上方向に延びる部分を有する。斜め上方向に延びる部分は、保持部材50よりも上方まで延在するように形成されている。一対の接続台フレーム63の斜め上方向に延びる部分間には、クランプ機構61および台座部62が架け渡されて固定されている。
【0048】
(規制ローラ)
また、接続台フレーム63には、図12に示すように、複数の規制ローラ64が取り付けられている。複数の規制ローラ64は、第1規制ローラ641(第1規制部材)と、第2規制ローラ642(第2規制部材)とを含む。第1規制ローラ641と、第2規制ローラ642とは、水平方向に互いに間隔を空けて設けられる。
【0049】
一対の第1規制ローラ641は、接続台フレーム631および接続台フレーム632の水平方向一方側の端部に1つずつ、軸方向と平行な軸周りに回転可能に取り付けられる。一対の第1規制ローラ641同士の間には、図10および図12に示すように、互いを連結する回転軸645が接続されている。各第1規制ローラ641は、保持部材50の第1溝部501と回転摺動可能な大きさに形成されており、第1溝部501内に保持される。
【0050】
一対の第2規制ローラ642は、接続台フレーム631および接続台フレーム632の水平方向の中途部に、軸方向と平行な軸周りに回転可能に取り付けられる。一対の第2規制ローラ642同士の間には、図12に示すように、互いを連結する回転軸646が接続されている。各第2規制ローラ642は、保持部材50の第1溝部501と回転摺動可能な大きさに形成されており、各第1規制ローラ641よりも水平方向他方側で第1溝部501内に保持される。
【0051】
(クランプ機構)
クランプ機構61(仮固定部材)は、図10および図13に示すように、軸方向一方側の接続台フレーム631に取り付けられた第1レバー部材611と、軸方向他方側の接続台フレーム632に取り付けられた第2レバー部材612とを有する。第1レバー部材611は、図10に示すように、軸方向と平行な回転支持軸613a周りに回転可能となるように、接続台フレーム631に固定される。また、第2レバー部材612は、図13に示すように、軸方向と平行な回転支持軸613b周りに回転可能となるように、接続台フレーム632に固定される。また、第1レバー部材611と接続台フレーム631との間には、上下方向に伸縮するスプリング614aが架け渡され、第2レバー部材612と接続台フレーム632との間には、上下方向に伸縮するスプリング614bが架け渡される。
【0052】
第1レバー部材611と第2レバー部材612との間には、軸方向に延びる板状の抑え部材615が架け渡されて固定される。抑え部材615の下方には、受け部616が配置されており、抑え部材615と受け部616との間で後行包材W2の先端部S(図6参照)を仮固定することができるように構成されている。
【0053】
また、接続台フレーム631には、図10に示すように、軸方向と平行なストッパ回転軸620周りに回転可能にストッパ618が取り付けられている。ストッパ618の水平方向他方側の端部には、作業者が把持するためのグリッパ619が設けられる。一方、ストッパ618の水平方向一方側の端部には、階段状の第1段部618a、第2段部618bが形成されている。第1レバー部材611は、スプリング614aの付勢力により接続台フレーム631に対して下方向に引っ張られ、一端611aがストッパ618の第1段部618aに当接して姿勢が保持される。この状態で、抑え部材615と受け部616とは互いに当接しあう。
【0054】
以上のように構成されたクランプ機構61において、作業者がグリッパ619を下方向に動かしてストッパ618をストッパ回転軸620に対して回転させると、第1レバー部材611の一端611aがストッパ618により上方向に押圧される。それにより、スプリング614aの付勢力に抗して、一端611a側が上方に向かうように第1レバー部材611が回転支持軸613a周りに回転する。その結果、第1レバー部材611に固定された抑え部材615が受け部616に対して上方に移動し、抑え部材615と受け部616との間に間隙が生じる。なお、この抑え部材615の動きにより、第2レバー部材612も、スプリング614bの付勢力に抗して回転支持軸613b周りに回転する。また、このとき、第1レバー部材611の一端611aは、ストッパ618に形成された第2段部618bに当接して、姿勢が保持される。
【0055】
作業者は、抑え部材615と受け部616との間に生じた上記間隙に後行包材W2の先端部Sを配置する。そして、上記間隙への後行包材W2の先端部Sの配置を終えた後、作業者がグリッパ619を上方向に動かせば、グリッパ619を下方向に動かしたときとは逆手順にストッパ618、第1レバー部材611および第2レバー612が動作する。それにより、抑え部材615と受け部616とが後行包材W2の先端部Sを挟んで互いに当接し、接続台60に後行包材W2の先端部Sがセットされた状態となる。
【0056】
(リンク機構)
リンク機構65は、図12に示すように、板状のフレームリンク651と、板状の中間リンク652とを有する。リンク機構65のフレームリンク651および中間リンク652は、各保持部材50の内側側面50aに沿って1つずつ、軸方向において互いに間隔を空けて一対で配置される。軸方向において一対で配置されたフレームリンク651および中間リンク652同士は、互いに連結されており、同じ動作を行う。
【0057】
フレームリンク651の一端651aは、図10に示すように、隣接する保持部材50の内側側面50aに軸方向と平行な回転軸周りに回転可能に連結される。一方、フレームリンク651の他端651bは、図12に示すように、回転軸654を介して、隣接する中間リンク652の他端652bに回転可能に連結される。なお、回転軸654は、一対のフレームリンク651をかけ渡して配置されている。また、中間リンク652の一端652aは、回転軸646を介して、隣接する第2規制ローラ642に軸方向と平行な軸周りに回転可能に連結される。
【0058】
(接続台の動作)
図14および図15を参照しながら、接続台60の動作について説明する。図14は、接続台60が保持部材50に対して移動する動作をステップS10からステップS30で模式的に示した説明図であり、図15は、接続台60が保持部材50に対して移動する動作をステップS40からステップS60で模式的に示した説明図である。
【0059】
まず、図14のステップS10に示すように、接続台60が接続位置CPに対応したロック位置PLに位置付けられるときについて説明する。この状態では、各接続台フレーム63に取り付けられた第1規制ローラ641が第1溝部501の端部501aに当接し、第2規制ローラ642が第1溝部501の中途部に位置するように構成されている。つまり、接続台60の水平方向一方側への移動が第1規制ローラ641と第1溝部501により規制される。この状態から、作業者が手動により接続台60を水平方向他方側へと引き出すと、ステップS20、ステップS30および図15のステップS40に示すように、第1規制ローラ641および第2規制ローラ642が第1溝部501に沿って水平方向他方側へと移動していく。さらに、第1規制ローラ641および第2規制ローラ642の移動が進むと、ステップS50に示すように、第2規制ローラ642が第1溝部501の端部501bに当接し、接続台60の水平方向他方側への移動が規制される。これにより、接続台60が包材セット位置PSに位置付けられる。
【0060】
上述のように接続台60を移動させる際、リンク機構65のフレームリンク651は、一端651aを中心に回転し、中間リンク652は、第2規制ローラ642を中心に回転すると共に、回転軸654を中心に互いの角度を変えながら姿勢を変える。フレームリンク651および中間リンク652は、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、かつ、互いに連結されていることから、第2規制ローラ642の移動に伴って軸方向の両側で同じ動作を行うことになる。それにより、第2規制ローラ642が軸方向に並んだ状態を維持させながら、つまり、接続台60が軸方向の片側によれた状態とならないようにすることができる。
【0061】
また、本実施形態では、接続台60が包材セット位置PSに位置付けられたとき、第1規制ローラ641が第2溝部502の下方に位置するように構成されている。その結果、ステップS60に示すように、接続台60の水平方向他方側の端部を下方に移動させると、第1規制ローラ641が第2溝部502内へと移動し、第2溝部502の規制部502bおよび終端部502c(図11参照)に当接する。これにより、クランプ機構61や台座部62が配置された接続台60の水平方向他方側の端部が、水平方向から斜め下側を向くように位置付けられる。なお、クランプ機構61や台座部62が配置された接続台60の水平方向他方側の端部は、水平方向一方側の端部に比べて重量が大きいことから、作業者が接続台60を把持しなくとも、接続台60の姿勢がステップS60に示す状態で維持される。その結果、作業者がクランプ機構61に後行包材W2の先端部Sを容易にセットすることが可能となる。作業者がクランプ機構61に後行包材W2の先端部Sをセットした後は、ステップS10からステップS60の動作を逆に行えば、接続台60を再びロック位置PLへと戻すことができる。
【0062】
なお、上記ステップS40の後の接続台60の動作は、上記ステップS50、S60に示したものに限られない。図16は、第1規制ローラ641が第2溝部502へと移動する動作の他の例を模式的に示す説明図である。作業者は、図16のステップS55に示すように、第2規制ローラ642が第1溝部501の端部501bに当接する前に、第1規制ローラ641が第2溝部502へと移動させるように接続台60を動かしてもよい。すなわち、作業者は、第1規制ローラ641を第2溝部502の傾斜部502aに沿って移動させながら、第2規制ローラ642を第1溝部501内の水平方向他方側へと移動させてもよい。そして、ステップS65に示すように、第1規制ローラ641が第2溝部502の規制部502bおよび終端部502c(図11参照)に当接すると、第2規制ローラ642が第1溝部501の端部501bに当接し、上記ステップS60と同じように接続台60が包材セット位置PSに位置付けられる。このように、第2溝部502に傾斜部502aが形成されることで、第2溝部502の入口が広くなっており、かつ、傾斜部502aに沿って第1規制ローラ641を第2溝部502内へと移動させることができるため、第1規制ローラ641を第2溝部502に対して容易に挿抜させることができる。
【0063】
以上のように、実施形態の包材供給装置10では、後行包材W2の先端部Sを接続台60にセットする間、旋回アーム40の旋回を行う必要がなく、各リール軸Lは、繰り出し位置P1または待機位置P2から移動しない。したがって、繰り出しローラ80および受けローラ85が先行包材W1から離れることなく、先行包材W1の張力が維持されたまま、繰り出しローラ80によって先行包材W1の供給が継続される。
【0064】
(ロック機構)
次に、図13を参照しながら接続台60のインターロック機構としてのロック機構66について説明する。ロック機構66は、ロック位置PLに位置付けられた接続台60の保持部材50に対する水平方向の移動を規制する機構である。ロック機構66は、各接続台60(第1接続台60Aおよび第2接続台60B)に対応して設けられる。
【0065】
ロック機構66は、図13に示すように、軸方向他方側の接続台フレーム632に、軸方向と平行な軸周りに回転可能に取り付けられたロックハンドル661を有する。ロックハンドル661は、作業者が把持する把持部材661aと、当該把持部材661aが形成された部分と直交する方向に延びる当接部材661bとを含む。当接部材661bと接続台フレーム632との間には、水平方向に伸縮するスプリング662が架け渡される。また、ロックハンドル661の中途部には、ロック溝係合ローラ664(図11参照)が軸方向と平行な回転軸663周りに回転可能に取り付けられている。ロック溝係合ローラ664は、接続台フレーム63よりも保持部材50側に配置されており、接続台フレーム632には、回転軸663の移動経路となる円弧状の切り欠き632sが形成されている。ロック溝係合ローラ664は、図11に示すように、保持部材50に形成されたロック溝505に係合可能な大きさに形成されている。
【0066】
以上のように構成されたロック機構66は、スプリング662の付勢力によって当接部材661bが水平方向一方側へと引っ張られた状態を維持する。このとき、図11に示すように、ロック溝係合ローラ664が保持部材50のロック溝505に係合し、ロックハンドル661および接続台フレーム632が保持部材50に対して水平方向に移動不能となる。つまり、接続台60がロック位置PLでロックされる。なお、この状態で、当接部材661bが後述するメカニカルバルブVのプッシュボタンBと当接する。
【0067】
接続台60がロック位置PLでロックされた状態から、作業者が手動によりロックハンドル661を上方に押し上げると、図13に破線で示すように、ロックハンドル661がスプリング662の付勢力に抗して接続台フレーム632に対して回転する。その結果、切り欠きS内を回転軸663が上方に移動し、図11に破線で示すように、ロック溝係合ローラ664が保持部材50のロック溝505から離れる。これにより、接続台60のロックの保持部材50に対するロックが解除され、接続台60が水平方向に移動可能となる。
【0068】
(ロック機構の作動状態検出装置)
さらに、ロック機構66の作動状態検出装置670について説明する。図17は、ロック機構66の作動状態検出装置670の要部を示す概略構成図である。本実施形態の包材供給装置10は、作動状態検出装置670として、上記制御装置30と、複数のエア経路ALと、ロータリジョイント672と、複数の圧力検出センサ674と、複数のエア供給バルブ496と、複数のメカニカルバルブVとを有している。なお、以下の説明では、適宜、第1接続台60Aに設けられたロック機構66を「第1ロック機構66」と称し、第2接続台60Bに設けられたロック機構66を「第2ロック機構66」と称する。
【0069】
複数のエア経路ALは、包材供給装置10に搭載されたエア駆動式の各種装置に接続され、当該各種装置に駆動用のエアを供給するための経路である。また、エア経路ALは、各種インターロック機構の作動状態を検出するための各種装置にエアを供給するための経路も含んでいる。各エア経路ALは、図示しないエア供給源に電磁弁である各エア供給バルブ496を介して接続されており、制御装置30が所定のタイミングで電磁弁を駆動することで、各エア経路ALへのエアの供給の開始および停止が制御される。本実施形態では、複数のエア経路ALのうち、第1ロック機構66に対応して設けられた第1エア経路ALAと、第2ロック機構66に対応して設けられた第2エア経路ALBが上記作動状態検出装置670に含まれる。
【0070】
ロータリジョイント672は、エアといった流体を回転する上記各種装置へと供給するための複数のエア経路ALの一部をその内部に形成する回転式軸継ぎ手である。ロータリジョイント672は、図1から図9では図示省略したが、旋回アーム40の中心軸40aに取り付けられる。
【0071】
複数の圧力検出センサ674は、第1ロック機構66に対応して設けられた第1圧力検出センサ674Aと、第2ロック機構66に対応して設けられた第2圧力検出センサ674Bとを有する。各圧力検出センサ494は、旋回アーム40と共に回転する部位ではない箇所に取り付けられる。第1圧力検出センサ674Aは、第1エア経路ALAに接続されて第1エア経路ALA内の圧力を検出する。第2圧力検出センサ674Bは、第2エア経路ALBに接続されて第2エア経路ALB内の圧力を検出する。第1圧力検出センサ674Aおよび第2圧力検出センサ674Bは、検出結果を制御装置30へと出力する。
【0072】
メカニカルバルブVは、プッシュボタンBが押された状態と押されていない状態とで内部のスプールの位置が変更されることにより、接続された経路を排気状態と非排気状態とに切り替えるプッシュ式の空気圧入力開閉弁である。本実施形態では、メカニカルバルブVは、ノーマルオープンタイプの開閉弁とされている。メカニカルバルブVは、第1ロック機構66に対応して設けられた第1メカニカルバルブVAと、第2ロック機構66に対応して設けられた第2メカニカルバルブVBとを有する。第1メカニカルバルブVAは、第1エア経路ALAに接続され、プッシュボタンBが押されていないときには、第1エア経路ALAを排気状態とし、プッシュボタンBが押されているときには、第1エア経路ALAを非排気状態とする。また、第2メカニカルバルブVBは、第2エア経路ALBに接続され、プッシュボタンBが押されていないときには、第2エア経路ALBを排気状態とし、プッシュボタンBが押されているときには、第2エア経路ALBを非排気状態とする。
【0073】
メカニカルバルブVは、図13に示すように、ロック機構66の近傍で接続台フレーム632に取り付けられている。より詳細には、メカニカルバルブVは、ロック機構66のロックハンドル661が回転するときの当接部材661bの回転軌道上にプッシュボタンBが位置するように配置される。それにより、ロック溝係合ローラ664がロック溝505に係合したとき、当接部材661bがプッシュボタンBに当接し、プッシュボタンBが押される。一方、図13の破線に示すように、ロック溝係合ローラ664がロック溝505から離れるようにロックハンドル661が回転すると、当接部材661bがプッシュボタンBに当接しない状態となる。したがって、メカニカルバルブVは、接続台60が保持部材50にロックされた状態では、接続された第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALBを非排気状態とする。一方、メカニカルバルブVは、接続台60が保持部材50にロックされていない状態では、接続された第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALBを排気状態とする。
【0074】
以上の構成により、ロック機構66によって接続台60が保持部材50にロックされていない状態かロックされた状態かで、圧力検出センサ674によって検出されるエア経路AL(第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALB)内の圧力が変動する。制御装置30は、圧力検出センサ674からの入力に基づいて、当該エア経路AL内の圧力が所定値未満である場合には、ロック機構450によってリール軸Lが旋回アーム40にロックされていない状態であると判定し、当該エア経路AL内の圧力が所定値以上である場合には、ロック機構66によって接続台60が保持部材50にロックされた状態であると判定する。上記所定値は、ロック機構450の動作に応じたエア経路ALの圧力値として予め設定される値である。なお、制御装置30は、圧力検出センサ496により検出される圧力の変動量に基づいて接続台60が保持部材50にロックされた状態であるか、ロックされていない状態であるかを判定してもよい。
【0075】
また、上述したように、エア経路ALは、図示しないエア供給源にエア供給バルブ496を介して接続されている。制御装置30は、作業者が接続台60に後行包材W2の先端部Sをセットするために、接続台60をロック位置PLから包材セット位置PSに引き出すタイミングにおいて、対応するエア経路AL(第1エア経路ALAまたは第2エア経路ALB)に接続されたエア供給バルブ496を制御して、エアの供給を開始する。例えば、設定入力装置2に含まれる操作パネルなどに、作業者が接続台60に後行包材W2の先端部Sをセットする作業を行う旨を指示するボタンを設けておき、当該ボタンを介して作業者が入力する指示に応じて、制御装置30が当該エア経路ALへのエアの供給を制御することができる。
【0076】
また、制御装置30は、接続台60が保持部材50にロックされた状態であると判定した後には、エア供給バルブ496を制御して、当該エア経路AL内へのエアの供給を停止させる。それにより、不要なエアの供給を実行しないようにすることができる。
【0077】
(実施形態の効果)
以上説明したように、実施形態にかかる包材供給装置10は、包材Wが装填された複数のリール軸Lと、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で、複数のリール軸Lを旋回させる旋回アーム40と、リール軸Lから包材Wのうち先行して使用される先行包材W1と、包材Wのうち先行包材W1の次に使用される後行包材W2の先端部Sとを熱溶着により接続するヒータブロック71を有する接続器70と、旋回アーム40に保持部材50を介して複数のリール軸Lごとに対応して設けられ、接続器70による先行包材W1と後行包材W2との接続位置CPにおいて、ヒータブロック71との間で先行包材W1および後行包材W2を挟み込む台座部62と、後行包材W2の先端部Sを仮固定可能なクランプ機構61(仮固定部材)とを有する複数の接続台60とを備え、接続台60は、接続位置CPに対応したロック位置PL(第1位置)と、ロック位置PLよりも待機位置P2にあるリール軸L側の包材セット位置PS(第2位置)との間で、旋回アーム40の中心軸40aの軸方向と直交する方向である水平方向(移動方向)に沿って移動可能に、保持部材50に取り付けられる。
【0078】
この構成により、先行包材W1と後行包材W2とを接続する接続位置CPに対応したロック位置PLよりも、待機位置P2にあるリール軸L側の包材セット位置PSに接続台60を移動させることができる。つまり、繰り出し位置P1にあるリール軸Lおよび待機位置P2にあるリール軸Lの位置を変更することなく、接続台60のクランプ機構61に後行包材W2の先端部Sを仮固定させることができる。したがって、実施形態にかかる包材供給装置10によれば、先行包材W1の供給を停止することなく、後行包材W2を接続台60にセット可能となる。
【0079】
また、保持部材50は、水平方向に沿って延びる溝500を有し、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、接続台60は、保持部材50に隣接して軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられた接続台フレーム63を有し、接続台フレーム63は、隣接する保持部材50の溝に摺動可能に保持され、水平方向において互いに間隔を空けて設けられた第1規制ローラ641(第1規制部材)および第2規制ローラ642(第1規制部材)を有する。
【0080】
この構成により、保持部材50の溝に沿って摺動可能な第1規制ローラ641および第2規制ローラ642により、接続台60を保持部材50に対して上記水平方向に移動可能となるように保持させることができる。また、第1規制ローラ641および第2規制ローラ642が溝を回転摺動可能であるため、第1規制ローラ641および第2規制ローラ642を溝に沿って滑らかに摺動させて、接続台60を滑らかに移動させることができる。
【0081】
また、接続台60の移動方向は、水平方向であり、溝500は、水平方向に沿って延びる第1溝部501と、第1溝部501の中途部から上方に延びる第2溝部502とを有し、第1規制ローラ641および第2規制ローラ642は、第2規制ローラ642が第1溝部501の他方側(第2位置側、包材セット位置PS側)の端部501bに当接したとき、第1規制ローラ641が第2溝部502の下方に位置するように、接続台フレーム63に設けられる。
【0082】
この構成により、第2規制ローラ642が第1溝部501の包材セット位置PS側の端部501bに当接し、接続台60が包材セット位置PSに位置付けられた後、第1規制ローラ641が第2溝部502内に移動するように、接続台60の包材セット位置PS側の端部を、第2規制ローラ642を中心に下方に向けて回転させることができる。その結果、接続台60のクランプ機構61(仮固定部材)へと後行包材W2の先端部Sを容易にセットすることが可能となる。
【0083】
また、第2溝部502は、第1溝部501の端部501b側に向かうにつれて上方に延びる傾斜部502aと、傾斜部502aよりも端部501b側で上下方向に延びる規制部502bと、傾斜部502aと規制部502bとをつなぐ終端部502cとを有する。
【0084】
この構成により、第2溝部502の第1溝部501と連通する入口を広く形成して、第1規制ローラ641の第2溝部502への挿抜を容易にすることができる。また、第1規制ローラ641を傾斜部502aに沿って移動させることも可能となり、第1規制ローラ641の第2溝部502への挿抜をさらに容易にすることができる。
【0085】
また、上記製袋充填包装機1の包材供給装置10は、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、一端651aが隣接する保持部材50に回転可能に連結されたフレームリンク651と、軸方向において互いに間隔を空けて一対で設けられ、一端652aが隣接する第2規制ローラ642に回転可能に連結され、他端652bが隣接するフレームリンク651に回転可能に連結された中間リンク652とを有し、軸方向において一対で設けられたフレームリンク651および中間リンク652が互いに連結されたリンク機構65をさらに備える。
【0086】
この構成により、軸方向において互いに間隔を空けて設けられ、かつ、互いに連結されたリンク機構65のフレームリンク651および中間リンク652が第2規制ローラ642の移動に伴って同じ動作を行うことになる。それにより、第2規制ローラ642が軸方向に並んだ状態を維持させたまま、接続台60を水平方向に沿って移動させることができる。つまり、接続台60を移動させるとき、軸方向の一方側または他方側に接続台60の姿勢がよれてしまうことを抑制可能し、接続台60を滑らかに移動させることが可能となる。
【0087】
また、上記製袋充填包装機1の包材供給装置10は、接続台60ごとに対応して設けられ、接続台60の保持部材50に対する移動を規制するロック機構66をさらに備え、保持部材50は、ロック溝505を有し、ロック機構66は、接続台フレーム63に対して回転可能なロックハンドル661と、ロックハンドル661に取り付けられ、ロックハンドル661の回転に伴ってロック溝505に係合可能なロック溝係合ローラ664(ロック溝係合部材)と有する。
【0088】
この構成により、ロックハンドル661を保持部材50に対して回転させるだけで、接続台60の保持部材50に対する移動のロックおよびロックの解除を容易に行うことができる。
【0089】
(変形例)
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、複数のリール軸Lが第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを備えるものとしたが、リール軸Lの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0090】
また、本実施形態では、接続台60の移動方向を旋回アーム40の軸方向と直交する水平方向としたが、繰り出し位置P1にあるリール軸Lに対応した接続台60の姿勢によっては、移動方向は、水平方向に対して所定の角度を持った方向であってもよい。
【0091】
また、接続台60の保持部材50への取り付け構造は、実施形態で示したものに限られない。例えば、接続台60に溝500に相当する部分を設け、保持部材50に第1規制ローラ641(第1規制部材)および第2規制ローラ642(第2規制部材)に相当する部材を設けてもよい。
【0092】
また、第1規制ローラ641(第1規制部材)および第2規制ローラ642(第2規制部材)は、溝500に摺動可能に保持されるものであれば、単に突起などで形成されてもよい。
【0093】
また、溝500は、少なくとも第1溝部501を有するものであれば、第2溝部502を有さないものであってもよい。また、第2溝部502は、第2規制ローラ642(第2規制部材)が第1溝部501の端部501bに当接したときに、第1規制ローラ641が下方に位置するものであれば、単に第1溝部501から上方向に延びるものであってもよい。
【0094】
また、リンク機構65は、接続台60から省略されてもよい。
【0095】
また、ロック機構66は、接続台60の保持部材50に対する移動をロックできるものであれば、いかなる機構であってもよい。例えば、保持部材50側にロックハンドル661やロック溝係合ローラ664に相当する部材を設け、接続台フレーム63にロック溝505に相当する部分を設けてもよい。また、ロック溝係合ローラ664は、ロック溝505に係合可能であれば、単なる突起であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 製袋充填包装機
10 包材供給装置
20 製袋包装装置
30 制御装置
40 旋回アーム
40a 中心軸
42 フレーム部材
50 保持部材
500 溝
501 第1溝部
501a、501b 端部
502 第2溝部
502a 傾斜部
502b 規制部
502c 終端部
505 ロック溝
60 接続台
61 クランプ機構
62 台座部
63、631、632 接続台フレーム
64 複数の規制ローラ
641 第1規制ローラ(第1規制部材)
642 第2規制ローラ(第2規制部材)
645、646、654 回転軸
65 リンク機構
651 フレームリンク
651a、652a 一端
651b、652b 他端
652 中間リンク
66 ロック機構
661 ロックハンドル
661a 把持部材
661b 当接部材
662 スプリング
663 回転軸
664 ロック溝係合ローラ
70 接続器
80 繰り出しローラ
85 受けローラ
CP 接続位置
L リール軸
P1 繰り出し位置
P2 待機位置
PL ロック位置(第1位置)
PS 包材セット位置(第2位置)
S 先端部
V メカニカルバルブ
W 包材
W1 先行包材
W2 後行包材
WR 包材ロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17