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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021692
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】粉体処理装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/10 20060101AFI20240208BHJP
   F26B 3/06 20060101ALI20240208BHJP
   B02C 13/18 20060101ALI20240208BHJP
   B07B 7/083 20060101ALI20240208BHJP
【FI】
F26B17/10 A
F26B3/06
B02C13/18 Z
B07B7/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124710
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正史
(72)【発明者】
【氏名】猪ノ木 雅裕
【テーマコード(参考)】
3L113
4D021
4D065
【Fターム(参考)】
3L113AA03
3L113AA09
3L113AB03
3L113AB05
3L113AC01
3L113AC15
3L113AC40
3L113AC45
3L113AC46
3L113AC52
3L113AC53
3L113AC63
3L113AC67
3L113AC90
3L113BA02
3L113DA07
4D021FA23
4D021GA02
4D021GA06
4D021GA17
4D065AA18
4D065BB04
4D065BB20
4D065EC02
4D065EC03
4D065EC05
4D065ED03
4D065ED24
4D065ED31
4D065ED32
4D065EE02
4D065EE08
4D065EE18
(57)【要約】
【課題】シャフト及び軸受の温度上昇を抑制し、長期間安定して動作可能な粉体処理装置を提供する。
【解決手段】粉体処理装置Aであって、筐体10と、中心軸Cxを中心に回転可能であるとともに筐体10の内部空間100において中心軸Cx周りに回転して粉体を処理する粉体処理部40が取り付けられるシャフト部20と、シャフト部20を筐体10に対して回転可能に支持する軸受Br1、Br2と、シャフト部20及び軸受Br1、Br2を冷却する冷却部50と、を有する。冷却部50は、シャフト部20に沿って延びるとともに冷媒が流動する冷媒配管51を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
中心軸を中心に回転可能であるとともに前記筐体の内部空間において前記中心軸の周りに回転して粉体を処理する粉体処理部が取り付けられるシャフト部と、
前記シャフト部を前記筐体に対して回転可能に支持する軸受と、
前記シャフト部及び前記軸受を冷却する冷却部と、を有し、
前記冷却部は、前記シャフト部に沿って延びるとともに冷媒が流動する冷媒配管を有する粉体処理装置。
【請求項2】
前記冷媒配管は、前記シャフト部の内部に配置されて前記中心軸に沿って延びる請求項1に記載の粉体処理装置。
【請求項3】
前記冷媒配管は、前記シャフト部の外面に開口する吐出部を有する請求項2に記載の粉体処理装置。
【請求項4】
前記軸受は、前記シャフト部の軸方向に離れた少なくとも2か所を回転可能に支持しており、
前記吐出部は、軸方向において前記軸受よりも前記粉体処理部に近い部分に開口する請求項3に記載の粉体処理装置。
【請求項5】
前記冷媒配管は、前記筐体の前記シャフト部に隣接した部分の内部に形成される請求項1から請求項4のいずれかに記載の粉体処理装置。
【請求項6】
前記冷媒配管は、
吹出管と、
前記吹出管の出口に接続されて前記出口よりも断面積が大きい減圧管と、を有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の粉体処理装置。
【請求項7】
前記粉体処理部は、
それぞれ、異なる粉体処理を実行する第1粉体処理部及び第2粉体処理部を有し、
前記シャフト部は、
前記第1粉体処理部及び第2粉体処理部の一方に接続される第1シャフトと、
前記第1粉体処理部及び前記第2粉体処理部の他方に接続される第2シャフトと、を有し、
前記第1シャフトは、前記軸受を介して前記第2シャフトに回転可能に支持され、前記第2シャフトは、前記軸受を介して前記筐体に回転可能に支持され、
前記冷却部は、前記第1シャフト及び前記第2シャフトの少なくとも一方の内部に配置される請求項1から請求項4のいずれかに記載の粉体処理装置。
【請求項8】
前記第1シャフトは円柱状であり、前記第2シャフトは前記第1シャフトの径方向外側に配置される筒状である請求項7に記載の粉体処理装置。
【請求項9】
前記シャフト部の中心軸を水平方向に配置するとともに前記シャフト部に配置された粉体処理部により粉体を乾燥させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の粉体処理装置。
【請求項10】
前記シャフト部の中心軸を垂直方向に配置するとともに投入された原料を粉砕し、粉砕して生成された粉体を乾燥させつつ所定の粒径以下の粉体を取り出す請求項1から請求項4のいずれかに記載の粉体処理装置。
【請求項11】
前記シャフト部の中心軸を垂直方向に配置するとともに投入された原料を粉砕し、粉砕して生成された粉体を乾燥させつつ所定の粒径以下の粉体を取り出す請求項8に記載の粉体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体の処理を行う粉体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾燥機等、粉体に熱を加えて処理を行う装置が知られている(例えば、特許文献1)。乾燥機では、高温の気流を流入されており、粉体は、上昇する高温の気流に乗って上昇する間に、乾燥される。そして、上部に設けられた分級部で分級された粉体が外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-041652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の乾燥機では、流入される高温の気流によってシャフトの温度が上昇する。シャフトの昇温によりシャフトが変形する場合があり、シャフトの変形によって、分級部の回転の精度が低下し、分級装置の分級性能が低下する虞がある。また、高温の気流を流入させない構成の粉体処理装置であっても、シャフトを支持する軸受、オイルシール、グランドパッキン等の摩擦によって発熱し、その熱によってシャフトが変形する。シャフトの変形により粉体処理の精度が低下する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は上記のような課題を解決するため、シャフト及び軸受の温度上昇を抑制し、長期間安定して動作可能な粉体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明にかかる粉体処理装置は、筐体と、中心軸を中心に回転可能であるとともに前記筐体の内部空間において前記中心軸周りに回転して粉体を処理する粉体処理部が取り付けられるシャフト部と、前記シャフト部を前記筐体に対して回転可能に支持する軸受と、前記シャフト部及び前記軸受を冷却する冷却部と、を有する。前記冷却部は、前記シャフト部に沿って延びるとともに冷媒が流動する冷媒配管を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、シャフト及び軸受の温度上昇を抑制し、長期間安定して動作可能な粉体処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明にかかる第1実施形態の粉体処理装置の断面図である。
図2】冷却部の構造を示す概略拡大図である。
図3】第2実施形態の粉体処理装置の断面図である。
図4】冷却部の構造を示す概略拡大図である。
図5】第3実施形態にかかる粉体処理装置の断面図である。
図6】冷却部の構造を示す概略拡大図である。
図7】第1変形例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図8】第1変形例の他の例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図9】第1変形例の別例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図10】第2変形例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図11】第3変形例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図12】第3変形例の中心軸を含む面で切断した概略断面図である。
図13】第4変形例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図14】第4変形例の中心軸を含む面で切断した概略断面図である。
図15】第5変形例の冷却部の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。
図16】第5変形例の冷却部の中心軸を含む面で切断した概略断面図である。
図17】第6変形例の冷却部の中心軸を含む面で切断した概略断面図である。
図18】第4実施形態の粉体処理装置の第1粉体処理部及び第2粉体処理部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明にかかる粉体処理装置について図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明にかかる第1実施形態の粉体処理装置Aの断面図である。粉体処理装置Aにおいて、シャフト部20の回転中心である中心軸Cxが延びる方向を軸方向とする。また、軸方向と直交する方向を径方向とし、中心に向かう側を内側、中心からは離れる側を外側とする。さらに、中心軸Cxを中心とする円周に沿う方向を周方向とする。なお、本実施形態の粉体処理装置Aでは、軸方向が横方向であり、必要に応じ左右方向とする。また、図1に示す状態を基準として、軸に沿って「左側」及び「右側」を定義する。なお、以下の説明において、「粉体」とは、微小な固体の集合体を指す。また、「粒体」とは、「粉体」よりも大きな外径の固体の集合体を指す。例えば、「粉体」が水分等によって凝集された塊体の集合体、粉砕される前の固体の集合体を含む。さらに、「粉粒体」とは、「粉体」と「粒体」とが混合された集合体を指す。
【0011】
粉体処理装置Aでは、水分を含む原料から水分を分離し、乾燥された製品を外部に排出する。さらに詳しく説明すると、粉体処理装置Aは、粉粒体である原料に含まれる水分により塊化した「粒体」から水分を分離するとともにほぐして粉体を生成する。そして、生成された粉体をさらに乾燥し、乾燥された粉体を製品として外部に排出する乾燥装置である。本実施形態では、水分を含む原料としているが、含まれる液体は、水分に限定されない。図1に示すように、粉体処理装置Aは、筐体10と、シャフト部20と、駆動部30と、粉体処理部40と、冷却部50と、を有する。
【0012】
<筐体10>
筐体10は、筒部11と、第1蓋部12と、第2蓋部13と、ジャケット部14と、を有する。筒部11は、中心軸Cxを中心とする円筒状である。なお、筐体10は、内部空間100の中心軸Cxと直交する面で切断した断面が円形であればよく、筐体10の外径は円筒形状でなくてもよい。
【0013】
筒部11は、内部空間100を有する。内部空間100は、軸方向の両端、換言すると、左右両端が開口する。内部空間100には、シャフト部20が回転可能な状態で収納される。筒部11は、原料投入部111と、製品排出部112と、を有する。原料投入部111は、筒部11の軸方向の左端部の上方に配置される。原料投入部111は、内部空間100に繋がる。原料投入部111から原料が投入される。なお、原料投入部111には、開口を閉じる蓋部材(不図示)が設けられて、必要に応じて蓋部材で封止されてもよい。このような構成の場合に、原料投入部111の蓋部材を開いて原料を投入する。そして、蓋部材で開口を閉じた状態で粉体処理を行うことで、粉体の処理を効率よく実行することができる。
【0014】
製品排出部112は、筒部11の右側の端部、つまり右端部の下方に配置される。製品排出部112は、内部空間100に繋がる。製品排出部112は、内部空間100で処理された粉体である製品を内部空間100から外部に排出する排出口である。製品排出部112には、不図示の蓋部材が設けられており、内部空間100で粉体処理が実行されるときには、蓋部材が閉じられる。このようにすることで、処理が不十分な粉体が製品として外部に排出されることを抑制できる。製品排出部112にロータリバルブを取り付けることで、外部雰囲気と切り離しながら排出を行うことができる。
【0015】
図1に示すように、筒部11において、原料投入部111は、開口101よりも右側、つまり、一方の開口101よりも軸方向中央側に配置される。また、製品排出部112は、開口102よりも左側、つまり、他方の開口102よりも軸方向中央側に配置される。
【0016】
<第1蓋部12>
第1蓋部12は、筒部11の左側の端部、つまり左端部に取り付けられて、開口101を塞ぐ。第1蓋部12は、蓋本体部121と、支持部122と、差込フランジ部123と、キャップ部124とを有する。
【0017】
蓋本体部121は、筒部11の左端部から径方向外側に拡がるフランジ部110に固定される。蓋本体部121は、中央に軸方向に貫通する貫通孔を有し、シャフト部20が貫通孔を貫通する。蓋本体部121には、軸受Br1が取り付けられている。支持部122は、蓋本体部121を挟んでフランジ部110に固定される。なお、支持部122は、蓋本体部121とともに、ねじScによって、フランジ部110にねじ止めされる。
【0018】
差込フランジ部123は、蓋本体部121の左側に配置される。差込フランジ部123は、ねじにて蓋本体部121に固定される。差込フランジ部123は、中央に軸方向に延びるハブ部を有する。ハブ部は、蓋本体部121の凹部に嵌入されている。差込フランジ部123は、シャフト部20が中央を貫通しており、差込フランジ部123の端部には、オイルシールが配置されている。つまり、差込フランジ部123は、蓋本体部121に配置される軸受Br1を軸方向に押えるととともに、蓋本体部121から筒部11の内部空間100に塵、埃、水分等の異物が混入するのを抑制するためのシールとしての役割を果たす。なお、本実施形態では、シールとしてオイルシールを用いているが、これに限定されない。例えば、グランドパッキンを用いることも可能である。さらには、蓋本体部121から筒部11の内部空間100に塵、埃、水分等の異物の混入を抑制できる構造を広く採用することができる。
【0019】
支持部122は、蓋本体部121と軸方向に離れた位置に配置された支持筒部1221を有し、支持筒部1221は、軸方向に貫通する貫通孔を有する。シャフト部20は、支持筒部1221の貫通孔を軸方向に貫通する。そして、支持筒部1221には軸受Br2が取り付けられている。軸受Br2は、ボールベーアリングであり、シャフト部20を支持筒部1221に回転可能に支持する。支持筒部1221の軸方向右端には、オイルシールが設けられている。また、支持筒部1221の軸方向左端には、キャップ部124が取り付けられている。キャップ部124は、シャフト部20が貫通しており、キャップ部124とシャフト部20との隙間を密閉するオイルシールが設けられる。
【0020】
支持筒部1221の軸受Br2が配置される空間は、支持筒部1221に設けられるオイルシールと、キャップ部124に設けられるオイルシールとで、密閉される。外部からの塵、埃、水分等の異物の軸受Br2が配置される空間への進入が抑制される。これにより、軸受Br2に異物が付着することを抑制し、軸受Br2が長期間にわたり円滑に回転することができる。
【0021】
<第2蓋部13>
第2蓋部13は、筒部11の右側の端部、つまり右端部に取り付けられて、開口102を塞ぐ。第2蓋部13は向きが反転しているが、第2蓋部13のほとんどの構成は、実質上、第1蓋部12と同様の構成を有する。そのため、第2蓋部13の説明では、第1蓋部12と対応関係を説明し、第1蓋部12と異なる部分のみ、詳細に説明する。
【0022】
第2蓋部13は、蓋本体部121と対応する蓋本体部131と、支持部122と対応する支持部132と、差込フランジ部123と対応する差込フランジ部133と、キャップ部124と対応するキャップ部134と、を有する。
【0023】
支持部132は、支持筒部1221と対応する支持筒部1321を有する。そして、第2蓋部13において、キャップ部134は、シャフト部20が貫通する構成にはなっていない。そのため、キャップ部134にオイルシールは取り付けられず、右側の端部が平面状に形成されて閉じている。
【0024】
<ジャケット部14>
ジャケット部14は、筒部11の外周面に配置される。ジャケット部14は、内部を流体が流れることができるような流路が形成されている。ジャケット部14の内部には、高温の蒸気、加熱油等の高温の流体(熱媒)が流入している。このように、ジャケット部14に熱媒を流入させることで、筐体10の内部の内部空間100が均一又は略均一に加熱される。その結果、内部空間100がむらなく昇温される。
【0025】
<シャフト部20>
次にシャフト部20について、説明する。シャフト部20は、円筒形状であり、軸方向の両端部、つまり、左右両端に段差を有する。シャフト部20の左右の段差には、軸受Br2が取り付けられている。図1に示すように、軸受Br2は、複列アンギュラ玉軸受である。軸受Br2は、中心軸Cxを中心にシャフト部20を回転可能に支持するとともに、シャフト部20の軸方向の荷重を受けることができる。つまり、シャフト部20は、軸方向の両端を軸受Br2で支持されることで、中心軸Cx周りに回転可能であるとともに、軸方向移動が制限される。なお、軸受Br2は、複列アンギュラ玉軸受に限定されずシャフト部20が中心軸Cxを中心に円滑に回転可能なように、シャフト部20を支持できる構成の軸受を広く採用することができる。
【0026】
シャフト部20は、左側の端部が、第1蓋部12のキャップ部124よりも左側に突出する。シャフト部20の左側の端部には、駆動部30がとりつけられている。
【0027】
<駆動部30>
粉体処理装置Aは、不図示のモータの動力が駆動部30を介してシャフト部20に伝達され、シャフト部20が回転される。駆動部30は、シャフト部20の一方の端部、図1において、左側の端部に固定されるプーリ31を有する。
【0028】
プーリ31は、シャフト部20に回り止めされつつ固定されている。プーリ31の固定方法としては、例えば、圧入、溶接、接着等を挙げることができるが、これに限定されない。また、確実に回り止めを行うために、キー及びキー溝を採用してもよい。また、シャフト部20の断面形状を円形以外の形状として、回り止めするようにしてもよい。
【0029】
プーリ31には、ベルト(不図示)が巻き回されている。ベルト(不図示)を介してモータ(不図示)からの回転力が伝達されて、プーリ31が中心軸Cx周りに回転する。なお、モータの駆動力の伝達は、ベルトに限定されない、例えば、回転速度が遅い場合、チェーン、ギヤで伝達する構成であってもよい。また、カップリング等を用いて、モータの出力軸とシャフト部20とを直結してモータの駆動力を伝達してもよい。
【0030】
<粉体処理部40>
粉体処理装置Aでは、筐体10の内部空間100に投入された原料を加熱して、原料に含まれる水分を取り除く。このとき、原料を撹拌することで、原料の内部に熱が伝わりやすくなり、原料の水分を効率よく取り除くことができる。粉体処理装置Aにおいて、粉体処理部40では、内部空間100内の原料が撹拌される。
【0031】
粉体処理部40は、シャフト部20の外縁部に取り付けられた複数のパドル401を有する。パドル401は、シャフト部20の外縁部に設定された、らせんの上に並んで配置される。パドル401は、支柱部402と、フィン403とを有する。支柱部402はシャフト部20の外面から径方向外側に突出する。フィン403は、支柱部402の径方向先端側に取り付けられている。フィン403は、中心軸Cxを中心とする周方向に投影面を有する。そして、フィン403は、周方向に対して傾いている。
【0032】
さらに説明すると、フィン403は、シャフト部20が回転したときに、フィン403は原料を周方向に押すことができるとともに、軸方向にも押すことができるような面を有する。なお、本実施形態にかかる粉体処理部40において、パドル401は、らせんの上に並んで配置される構成としているが、これに限定されない。例えば、同心円上に配置されてもよい。また、これらに限定されず、撹拌される原料の特性に合わせた配置が採用されてもよい。
【0033】
原料は、加熱された筐体10からの伝熱、輻射熱により加熱される。さらに、シャフト部20を回転させることで、原料が撹拌され、内部に空気が混ざる。上述のとおり、内部空間100内の空気は、筐体加熱されて、高温であり低湿である、つまり、乾燥空気である。ばらばらに分散された原料の内部に乾燥空気が混ざることで、原料の内部の水分が乾燥空気に吸収されて、原料が乾燥される。これにより、乾燥された粉体が生成される。
【0034】
<冷却部50>
粉体処理装置Aでは、筐体10を加熱して内部空間100の内部の空気を昇温させて、原料を乾燥させている。そのため、粉体処理装置A自体の温度も上昇する。また、プーリ31が取り付けられるシャフト部20の左側はベルトの張力によりたわみやすい。また、ベルトの張力によって左側の軸受Br1及び軸受Br2には、右側に比べて大きな力が作用する。そのため、左側の軸受Br1及び軸受Br2は、回転時の摩擦によって、発熱しやすい。
【0035】
内部空間100の温度上昇によって、シャフト部20が高温になると、シャフト部20が膨張し、たわみやすくなる。また、一般的に軸受は高温かつ径方向の力が大きくなると、回転の滑らかさが低下しやすい。そこで、本実施形態の粉体処理装置Aでは、冷却部50を用いて、シャフト部20の左側部分及び左側の軸受Br1及びBr2の温度の上昇を抑制する。これにより、シャフト部20の左側のたわみを抑制する。また、シャフト部20のたわみを抑制するとともに、軸受Br1及びBr2の回転の滑らかさを維持する。その結果、シャフト部20が安定して回転される。
【0036】
以下に、冷却部50の詳細について、図面を参照して説明する。図2は、冷却部50の構造を示す概略拡大図である。図2では、冷却部50の軸方向の中間部分を省略して図示している。図1図2に示すように冷却部50は、シャフト部20に形成された後述の各配管に、粉体処理装置A及び内部空間100内の空気よりも低温の冷媒を循環させる。これにより、シャフト部20及び軸受Br1、Br2を冷却する。
【0037】
なお、冷媒として、ここでは、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いている。しかしながら、これに限定されず、粉体、粉体処理装置Aと反応しない、又は、反応しにくい気体を広く採用することができる。また、配管内を流動できる材料であれば、水、アルコール等の液体であってもよい。すなわち、冷媒としては、配管を流動可能であるとともに、シャフト部20及び軸受Br1、Br2を冷却できる流体を広く採用することができる。
【0038】
図1に示すように、冷却部50は、冷媒配管51と、連結管部52と、吐出部53と、流体ジョイント55と、を有する。冷媒配管51は、第1配管511と、第2配管512とを有する。図2に示すように、冷媒配管51では、1個の第1配管511と、2個の第2配管512と、を有する。
【0039】
第1配管511は、シャフト部20の径方向中央部分を軸方向に沿って延びる。第1配管511は、シャフト部20の左側の端部に開口513を有し、流体ジョイント55が接続されている。冷媒が流体ジョイント55を介して、不図示の冷媒供給装置に接続されている。流体ジョイント55を介して、冷媒供給装置から冷媒が供給される。
【0040】
第2配管512は、シャフト部20の径方向中央から径方向外側にずれた位置を軸方向に沿って延びる。2つの第2配管512は、軸方向から見て、中心軸Cx、つまり、第1配管511を挟んで対をなすように配置される。図1に示すように、第1配管511及び第2配管512は、シャフト部20の軸方向中央よりも左側に配置される。第2配管512は、左端部に開口514を有し、流体ジョイント55が接続されている。第2配管512の開口514から流出した冷媒は、流体ジョイント55を介して冷媒収集装置(不図示)に回収される。
【0041】
連結管部52は、シャフト部20の軸方向一方側に設けられる。連結管部52は、径方向に延びる管体である。連結管部52は、第1配管511の端部と、第2配管512の端部とを連結する。
【0042】
連結管部52は、製造方法上、径方向の少なくとも一方がシャフト部20の外周面から外部に開口する。そして、連結管部52の開口は、栓部材によって塞がれている。これにより、第1配管511を左から右に流れた冷媒は、連結管部52を流れ、第2配管512に流入する。
【0043】
そして、第2配管512に流入した冷媒は、右から左に流れる。第2配管512には、吐出部53が接続している。第2配管512を流れる冷媒の一部は吐出部53に流れ、残りは、第2配管512の左側の端部から、外部又は流体ジョイント55を介して冷媒収集装置に回収される。
【0044】
吐出部53は、連結管部52と接続され、シャフト部20の外周面に開口する。そして、吐出部53の開口は、第1蓋部12の差込フランジ部123の軸方向右側に形成される。つまり、吐出部53は、軸受Br1及び軸受Br2よりも、粉体が処理される内部空間100に近い部分に形成される。
【0045】
吐出部53の開口は、第1蓋部12の蓋本体部121の貫通孔の内面と径方向に対向する。吐出部53に流入した冷媒は、吐出部53からシャフト部20の外部に吐出される。吐出部53から冷媒が第1蓋部12の蓋本体部121の貫通孔の内面とシャフト部20の外面との間の隙間に流れる。隙間の左側には、軸受Br1が配置されている。吐出部53から吐出された冷媒は、左側が閉じられているため、右側、つまり、内部空間100に向かって流れる。
【0046】
蓋本体部121の貫通孔の内面とシャフト部20の外面との隙間は、筐体10の内部空間100と連通している。つまり、内部空間100で乾燥された粉体は、この隙間に流入することができる。しかしながら、隙間において、冷媒が内部空間100側に流れていることで、粉体の軸受Br1及び軸受Br2側に流入することが抑制される。これにより、軸受Br1及びBr2への粉体の進入が抑制され、軸受Br1、Br2の動作不良を抑制できる。
【0047】
なお、吐出部53が、第2配管512を流れる冷媒の全量を吐出するように構成されてもよい。また、連結管部52の両端の少なくとも一方を開口し、吐出部53としてもよい。また、吐出部53から出た冷媒は内部空間100の乾燥によって湿った空気を流すためのキャリアガスとしても使用できる。なお、必要に応じてガス抜きとして集塵機を設けてもよい。
【0048】
流体ジョイント55は、シャフト部20の筐体10の外部に突出している端部(図1における左側の端部)に接続している。流体ジョイント55は、冷媒供給部551(図1参照)と、冷媒回収部552と、注入スリーブ553と、冷媒チャンバ554と、を有する。流体ジョイント55には、不図示の冷媒供給装置が接続される。
【0049】
冷媒供給部551において、冷媒は、径方向外面に設けられる流入口から供給される。冷媒供給装置は、冷媒を圧縮して圧力を高める圧縮機(不図示)を備える。圧縮機によって圧縮された冷媒は、注入スリーブ553を介して、冷媒配管51の第1配管511に流入する。注入スリーブ553は、例えば、ゴム、合成樹脂等の弾性変形可能な材料で形成される。そして、注入スリーブ553は、管体であり冷媒供給部551に取り付けられて、一部が開口513から第1配管511に挿入されている。
【0050】
注入スリーブ553の外周面と第1配管511の内面とは、冷媒が漏れない程度に気密性を保って接触している。冷媒供給部551は、回転するシャフト部20に冷媒を供給する。そのため、冷媒供給部551は、回転するシャフトに冷媒を供給できる、いわゆる、ロータリージョイントを構成する。
【0051】
冷媒回収部552には、冷媒収集装置(不図示)が接続されている。冷媒収集装置は、冷媒を吸引する吸引部(不図示)が設けられており、冷媒回収部552を介して冷媒を吸引する。冷媒回収部552は、冷媒チャンバ554と連通している。冷媒チャンバ554は、シャフト部20の軸方向の端部(左側端部)を覆う空間を有し、シャフト部20の外周面に冷媒が漏れない程度に気密性を保って接触している。
【0052】
冷媒回収部552も、冷媒供給部551と同様、ロータリージョイントを構成する。図2に示すように、第2配管512の開口514は、冷媒チャンバ554の内部に開口している。つまり、第2配管512を流れ、開口514から排出される冷媒は、冷媒チャンバ554に流入する。そして、冷媒収集装置の吸引部が吸引することで冷媒チャンバ554に流入した冷媒は、冷媒収集装置に収集される。
【0053】
冷却部50では、冷媒の供給及び排出の両方を実行可能な複式のロータリージョイントが採用されており、冷媒供給部551及び冷媒回収部552が1つのロータリージョイントに含まれている。
【0054】
<粉体処理装置Aの動作について>
粉体処理装置Aでは、以上示したような構成を有する。本実施形態の粉体処理装置Aは、粉体を乾燥させる乾燥装置であり、筐体10及び内部空間100内の空気が十分に昇温される前に原料を投入すると、原料を粉体処理部40で撹拌したとしても原料を十分に乾燥させることができなくなる虞がある。そのため、粉体処理装置Aでは、粉体処理を実行する前に、筐体10及び内部空間100の内部の気体(空気)を昇温させる。具体的には、処理を実行する前に、筐体10のジャケット部14に熱媒を供給する。熱媒により筐体10が加熱されて、筐体10及び内部空間100内の空気が昇温される。そして、筐体10及び内部空間100内の空気が一定の温度に昇温された後、原料を原料投入部111から投入する。
【0055】
筐体を加熱する前に、原料を原料投入部111から内部空間100に一定量投入しておき、その後、ジャケット部14に熱媒を供給して、筐体10及び内部空間100の内部の空気を昇温させてもよい。
【0056】
そして、駆動部30を駆動してシャフト部20を回転させた状態で、内部空間100内に原料が投入される。上述のとおり、粉体処理部40のパドル401のフィン403は、中心軸Cxを中心に回転することで、原料に対して軸方向の力を作用する。回転方向をフィン403が原料を原料投入部111から製品排出部112に向けて移動する方向に力が付与されるように、シャフト部20を回転させる。なお、複数のパドル401の内の幾つかのパドル401のフィン403を逆向きに配置してもよい。このようにフィン403を逆向きに配置することで、原料が内部空間100内に滞留する時間、換言すると、原料の乾燥時間を調整することが可能である。
【0057】
また、シャフト部20が回転するときに、粉体処理部40が中心軸Cxを中心に回転され、原料が内部空間100内で撹拌される。これにより、原料の異なる部分が内部空間100の内面に接触しつつ、製品排出部112に向けて移動される。また、原料は、撹拌されることで分散され、分散された原料に内部空間100内の高温の空気が混ざり、原料に含まれる水分が高温の空気に吸収される。これらにより、原料が乾燥され、水分が取り除かれるとともに、原料が分散されて粉体となる。
【0058】
そして、予め決めた期間、内部空間100内で原料を撹拌した後、原料を乾燥させることで生成された製品を、製品排出部112から外部に排出する。本実施形態にかかる粉体処理装置Aでは、内部空間100において、原料の処理を行うときに、シャフト部20及び軸受Br1、Br2の昇温を抑制するため、冷却部50を利用して冷却を行っている。冷却部50は、粉体処理装置Aの動作開始時点から動作してもよいし、シャフト部20及び軸受Br1、Br2が予め決められた温度を越えたときに動作するようにしてもよい。
【0059】
本実施形態の粉体処理装置Aにおいて冷却部50は、シャフト部20のプーリ31が取り付けられている側、すなわち、左側だけに設けられているが、これに限定されない。例えば、シャフト部20のプーリ31が取り付けられるのと反対側、すなわち、右側だけに設けられてもよい。また、左右両側に設けられてもよい。さらには、冷媒配管51がシャフト部20を中心軸Cxに沿って、左右の両端部を繋ぐように形成してもよい。
【0060】
このように形成することで、シャフト部20の全長に渡って冷媒を流すことができるので、シャフト部20全体及び全ての軸受Br1、Br2を冷却することができる。これにより、シャフト部20全体の熱による変形を抑制できるとともに、全ての軸受Br1及びBr2の冷却が可能であり、冷却によるシャフト部20を滑らかに回転させる効果を高めることができる。また、両側に冷却部を設ける構成に比べて構成部材を減らすことができるとともに、製造に要する手間と時間を削減することができる。
【0061】
本実施形態の粉体処理装置Aは、中心軸Cxが水平方向に延びるシャフト部20を有し、シャフト部20の軸方向の両端を回転可能に支持している。しかしながら、この構成に限定されない。例えば、シャフト部20の軸方向の端部の一方のみが回転可能に支持されるいわゆる、片持ちであってもよい。この場合、シャフト部20の支持されている側の端部の近傍が、冷媒により冷却される。さらに、片持ちのシャフトを用いる場合、片持ちのシャフトを左右それぞれに配置した構成であってもよい。また、粉体処理装置Aとしては、乾燥機に限定されず、例えば、粉体処理装置Aとして、粉体を粒径によって分類する(分級する)分級機とすることもできる。
【0062】
冷媒は、第1配管511を流れるとき、第2配管512を流れるときに比べて温度が低い。そこで、流体ジョイントに方向切換弁等の切換機構を備えておき、シャフト部20、軸受Br1、軸受Br2及び外部の温度によって、冷媒の流れる方向を切り替えるようにしてもよい。以下の説明で用いられる冷却部においても同様の構成を有していてもよい。
【0063】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の粉体処理装置Bの断面図である。図3に示すように、粉体処理装置Bは、乾燥分級装置である。乾燥分級装置は、水分を含む原料を必要に応じて粉砕し、さらに高温の気流によって乾燥された後、一定の粒径以下の粉体を製品として外部に排出する。
【0064】
図3に示すように、粉体処理装置Bは、筐体10bと、第1シャフト21bと、第2シャフト22bと、第1駆動部31bと、第2駆動部32bと、第1粉体処理部41bと、第2粉体処理部42bと、冷却部50bとを有する。
【0065】
<筐体10b>
筐体10bは、筒部11bと、底部15と、蓋部16と、を有する。筒部11bは、上下に延びる中心軸Cx2に沿う筒体を軸方向に組み合わせて形成されている。本実施形態の粉体処理装置Bにおいて、筒部11bは、円筒状である。筒部11bの内部に内部空間100が形成される。筒部11bの下部には、底部15が取り付けられている。また、筒部11bの上部には、蓋部16が取り付けられている。
【0066】
筒部11bは、気流流入部113と、原料投入部114と、を有する。気流流入部113は、筒部11bの下部に設けられて、内部空間100に繋がる。気流流入部113には、粉体処理装置Bの外部に設けられて乾燥した熱風を供給する熱風供給装置(不図示)から乾燥した熱風が供給される。気流流入部113は、第1粉体処理部41bの後述する粉砕ロータ411bよりも軸方向下方に配置される。
【0067】
原料投入部114は、気流流入部113よりも上方に配置される。原料投入部114は、第1粉体処理部41bの粉砕ロータ411bよりも軸方向上方で筒部11bに接続している。原料投入部114は、筒状であり、内部にスクリューフィーダ115が配置されている。原料投入部114と連設されたホッパー(不図示)等に蓄えられる原料は、スクリューフィーダ115により引き出されて、原料投入部114から筒部11bに投入される。
【0068】
筒部11bの内部にはガイドリング116が配置される。ガイドリング116は、円筒状であり、中心が中心軸Cxを重なるように配置される。ガイドリング116を設けることで、気流流入部113から流入する熱風は、筒部11bとガイドリング116の間を上昇する。また、ガイドリング116によって、乾燥が十分ではない原料は、ガイドリング116の内側を降下する。このようにして、第1粉体処理部41bで粉砕された原料は、ガイドリング116の内周側と外周側とを循環し、乾燥される。
【0069】
<底部15>
底部15は、筒部11bの下部に取り付けられて、筒部11bの下部の開口を塞ぐ。底部15の中央部分には、軸方向、すなわち、上下方向に貫通する貫通孔151が形成されている。貫通孔151には、シャフト支持部152が固定されている。シャフト支持部152は、円筒状であり、底部15の貫通孔151に圧入により固定されている。なお、シャフト支持部152の貫通孔151への固定は、圧入に限定されない。
【0070】
シャフト支持部152の中心線は、中心軸Cx2と一致する。シャフト支持部152の内周面には、軸受Br3を介して、第1シャフト21bが回転可能に支持される。第1シャフト21bは、軸受Br3を介してシャフト支持部152の内面に取り付けられることで、中心軸Cx2を中心に回転可能に支持される。
【0071】
<蓋部16>
蓋部16は、筒部11bの上部に取り付けられて、筒部11bの上部の開口を塞ぐ。蓋部16の中央には、中心軸Cx2に沿って延びる上部筒部161が形成されている。上部筒部161には、排気ダクト163が連設されている。排気ダクト163は、送風機(不図示)により吸引されており、筐体10bの内部空間100内で粉砕されて乾燥された粉体が気流とともに外部に排出される。
【0072】
上部筒部161の内部には、軸保持部162を有する。軸保持部162は、軸受Br4を介して、第2シャフト22bを回転可能に支持している。第2シャフト22bは、中心線が中心軸Cx2と重なるように支持される。
【0073】
<第1シャフト21b>
第1シャフト21bは、底部15の下面よりも下方に突出している。つまり、第1シャフト21bの下端部が筐体10bの外部に突出している。第1駆動部31bは、第1シャフト21bの下端部に取り付けられる第1プーリ311bと、第1ベルト312bと、不図示のモータを有する。モータの出力は、第1ベルト312bを介して第1プーリ311bに伝達されて、第1シャフト21bが回転される。
【0074】
図3に示すように、第1シャフト21bは、軸方向に離れた位置で、3個の軸受Br3に回転可能に支持されている。このように、軸方向に離れた位置で支持されることで、回転時に第1シャフト21bの中心線が中心軸Cx2からぶれにくい。これにより、第1シャフト21bの上端に取り付けられる第1粉体処理部41bの回転のばらつきを抑制することができ、第1粉体処理部41bが安定して粉体処理を実行できる。
【0075】
<第1粉体処理部41b>
ここで、第1粉体処理部41bについて説明する。第1粉体処理部41bは、粉砕機である。図3に示すように、第1粉体処理部41bは、粉砕ロータ411bと、複数のハンマー412bと、ライナー(不図示)を有する。粉砕ロータ411bは、内部空間100内部の下部に配置されており、第1シャフト21bの上端に固定されている。第1シャフト21bは、粉砕ロータ411bに設けられた凹部に圧入にて固定されるが、これに限定されない。例えば、ねじ止め、溶接、接着等、強固に固定できる固定方法を広く採用できる。また、キー溝及びキーを用いて確実に回り止めするようにしてもよい。
【0076】
ハンマー412bは、粉砕部材の一例である。ハンマー412bは、粉砕ロータ411bに固定されている。ハンマー412bの粉砕ロータ411bへの固定方法は、溶接、接着、ねじ止め等を挙げることができる。また、これらの固定方法以外にも、ハンマー412bを粉砕ロータ411bに強固に固定できる方法を広く採用することができる。ライナーは、筒部11bの内周面に固定される。
【0077】
なお、ハンマー412b及びライナーは、強度及び硬度が高く耐摩耗性に優れた材料、例えば、セラミック(アルミナ、ジルコニア等)、炭化タングステン、超硬合金、工具鋼等により形成される。また、耐摩耗性が高い材料は、一例であり、これらに限定されない。
【0078】
内部空間100には、第1粉体処理部41bの粉砕ロータ411bの下方に配置された気流流入部113から乾燥した熱風が流入している。熱風は、筒部11bの内面とシャフト支持部152の外面との間を上方に流れる。この熱風は、第1粉体処理部41bと内部空間100との隙間を通って流れる。このとき、第1粉体処理部41bで粉砕された原料は、熱風によって吹き上げられ、内部空間100内を上昇する間に、分散されて乾燥される。
【0079】
<第2シャフト22b>
第2シャフト22bは、上部筒部161の上端よりも上方に突出している。つまり、第2シャフト22bの上端部が上部筒部161の外部に突出している。第2駆動部32bは、第2シャフト22bの上端部に取り付けられる第2プーリ321bと、第2ベルト322bと、不図示のモータを有する。モータの出力は、第2ベルト322bを介して第2プーリ321bに伝達されて、第2シャフト22bが回転される。
【0080】
図3に示すように、第2シャフト22bは、軸方向に離れた位置で、軸受Br4に回転可能に支持されている。このように、軸方向に離れた位置で支持されることで、回転時に第2シャフト22bの中心線が中心軸Cx2からぶれにくい。これにより、第2シャフト22bの下端に取り付けられる第2粉体処理部42bの回転のばらつきを抑制することができ、第2粉体処理部42bが安定して粉体処理を実行できる。
【0081】
<第2粉体処理部42b>
ここで、第2粉体処理部42bの詳細について説明する。第2粉体処理部42bは、原料の分級を行う分級機である。第2粉体処理部42bは、円板部421bと、分級ブレード422bとを有する。円板部421bは、第2シャフト22bの下端部に固定される。円板部421bには、中央に第2シャフト22bを固定するための固定孔を有し、固定孔に第2シャフト22bが挿入されて、固定される。第2シャフト22bの固定孔への固定は、圧入による固定を挙げることができるが、これに限定されない。例えば、溶接、接着、溶着、ねじ込み等の方法で固定してもよい。第2シャフト22bの離脱が抑制される固定方法を広く採用することができる。また、キー及びキー溝を用いて、回り止めを行ってもよい。
【0082】
第2粉体処理部42bにおいて、分級ブレード422bは板状である。第2粉体処理部42bでは、複数の分級ブレード422bが、円板部421bの上面に周方向に並んで配置される。分級ブレード422bは、円板部421bの上面から軸方向に沿って上方に延びる。複数の分級ブレード422bは、周方向に投影面を有するように、周方向に等間隔で配置される。分級ブレード422bは、円板部421bに固定されている。
【0083】
分級ブレード422bの円板部421bへの固定方法は、溶接、溶着、接着、ねじ止め、かしめ等を挙げることができる。また、これら以外にも、分級ブレード422bを円板部421bに強固に固定できる固定方法を広く採用することができる。また、円板部421bと、分級ブレード422bと、を一体的に形成してもよい。
【0084】
第2シャフト22bの回転によって、第2粉体処理部42bが回転される。このとき、分級ブレード422bによって、空気が押しのけられ、内部空間100に、周方向に旋回する気流が発生する。第2粉体処理部42bでは、旋回する気流に乗って原料が旋回する。
【0085】
本実施形態の粉体処理装置Bの第2粉体処理部42bでは、分級ブレード422bが中心軸Cx2に沿って上方に延びるとともに径方向に拡がる面を有する平板状であるが、この構成に限定されない。例えば、中心軸Cx2に対して周方向に所定の角度傾いて配置されてもよい。また、分級ブレード422bの少なくとも、旋回方向の前方側の面が周方向に湾曲した面で形成されていてもよい。このとき、分級ブレード422b全体が湾曲した板状であってもよい。分級ブレード422bの形状は、上述のいずれかに限定されず、第2粉体処理部42bが旋回するときに、内部空間に周方向に旋回する気流を発生させることができる形状を広く採用することができる。
【0086】
上部筒部161において、軸保持部162には、シール部材が取り付けられている。シール部材を取り付けることで、第2シャフト22bと軸保持部162との隙間から、粉体、水分等の異物の進入を抑制することができる。
【0087】
<冷却部50b>
上述のとおり、粉体処理装置Bでは、気流流入部113から高温の熱風が流入する。気流流入部113の近傍には、シャフト支持部152と、シャフト支持部152に取り付けられた軸受Br3、軸受Br3を介してシャフト支持部152に支持される第1シャフト21bが配置される。つまり、粉体処理装置Bで粉体処理を行うとき、第1シャフト21b及び軸受Br3は、熱風により、第1シャフト21b及び軸受Br3は、昇温されやすい。その結果、第1シャフト21bは昇温によるたわみが発生しやすく、回転が不安定になりやすい。
【0088】
また、第1粉体処理部41bでは、塊体を粉砕するといった大きな力を必要とする作業が実行されるため、第1シャフト21bは、第2シャフト22bよりも大きなトルクで回転される。そのため、軸受Br3には、軸受Br4に比べて大きな力が付与され、その結果、高温になりやすい。
【0089】
そこで、本実施形態の粉体処理装置Bでは、冷却部50bで第1シャフト21b及び軸受Br3を冷却している。ここで、冷却部50bの詳細について説明する。図4は、冷却部50bの構造を示す概略拡大図である。図4では、冷却部50bの軸方向の中間部分を省略して図示している。図4に示すように冷却部50bは、図1及び図2に示す冷却部50と同様の構成を有する。そのため、冷却部50bの冷却部50と対応する部分を示す。
【0090】
冷却部50bは、第1シャフト21bに形成される。冷却部50bは、冷媒配管51と対応する冷媒配管51bと、連結管部52と対応する連結管部52bと、流体ジョイント55と対応する流体ジョイント55bと、を有する。そして、冷媒配管51bは、第1配管511と対応する第1配管511bと、第2配管512と対応する第2配管512bと、を有する。
【0091】
第2実施形態の粉体処理装置Bでは、第1シャフト21bは、上下方向に延びる。そのため、冷却部50bの冷媒配管51bの第1配管511b及び第2配管512bは、上下に延びる。そして、流体ジョイント55bは、第1シャフト21bの下端部に配置されており、流体ジョイント55bを介して、不図示の冷媒供給装置から供給される冷媒が、冷媒配管51bに供給される。
【0092】
流体ジョイント55bは、鉛直方向に延びる第1シャフト21bに取り付けられる流体ジョイント55bは、流体ジョイント55と実質上同じ構成を有する。そのため、流体ジョイント55bの各部の流体ジョイント55との対応を示し、詳細な説明は省略する。
【0093】
流体ジョイント55bは、冷媒供給部551と対応する冷媒供給部551bと、冷媒回収部552に対応する冷媒回収部552bと、注入スリーブ553に対応する注入スリーブ553bと、冷媒チャンバ554に対応する冷媒チャンバ554bと、を有する。
【0094】
<粉体処理装置Bの動作>
第2実施形態の粉体処理装置Bは以上示した構成を有する。次に、粉体処理装置Bによる粉体処理動作について説明する。
【0095】
上記構成の粉体処理装置Bの動作開始とともに、第1粉体処理部41b及び第2粉体処理部42bが回転する。原料投入部114のスクリューフィーダ115が回転されて、不図示のホッパ等から原料が引き出され、内部空間100に投入される。投入された原料は、水分を含むとともに粉体と塊体の混合物であり、粉砕ロータ411b上に落下する。
【0096】
粉体の原料は、粉砕ロータ411bの回転によって分散される。このとき、塊状の原料は、ハンマー412bとライナーとの相対移動により粉砕される。原料が第1粉体処理部41bで粉砕されて粉粒体が生成される。生成された粉粒体は気流流入部113からの熱風によって筒部11bとガイドリング116との間を上昇する。粉粒体は、上昇するときに熱風によって乾燥されて、第2粉体処理部42bに到達する。
【0097】
第2粉体処理部42bの回転では、内部空間100の上部では旋回気流が発生している。第2粉体処理部42bに到達した粉粒体には旋回気流により第2粉体処理部42bの回転中心から離れる方向の遠心力と、第2粉体処理部42bの回転中心に向かう方向の向心力とが働く。細かく粉砕されて乾燥されることで軽量化された粉体に作用する力は、遠心力よりも向心力が大きくなる。そのため、細かく粉砕されて乾燥された粉体は、第2粉体処理部42bの中心方向に移動する。
【0098】
第2粉体処理部42bの中心方向に移動した粉体は、不図示の送風機によって吸引され排気ダクト163から、外部に排出される。第2粉体処理部42bでは、一定の粒径以下で乾燥された粉体のみ排気ダクト163から外部に排出する、つまり、分級が行われる。
【0099】
一方、第1粉体処理部41bで十分に粉砕されていない又は十分に乾燥されていない粉粒体、換言すると、重い原料(以下、処理が不十分な原料と称する)には、向心力よりも遠心力の方が大きくなる。つまり、処理が不十分な原料は、第2粉体処理部42bの径方向外側に移動するとともにガイドリング116の内周面に沿って落下する。このとき、乾燥が不十分なだけの原料は水分の重さで落下した粉体であり、熱風によって乾燥されることで軽量化されて、筒部11bとガイドリング116との間を上方に移動する。一方、塊状の粒体等、処理が不十分な原料は、第1粉体処理部41bに移動する。処理が不十分な原料は第1粉体処理部41bで再度、粉砕、分散される。
【0100】
以上示したように、本実施形態にかかる粉体処理装置Bでは、原料を粉砕及び分散するとともに乾燥させ、乾燥した一定の粒径以下の粉体のみを外部に排出する。これにより、均一又は略均一な大きさの乾燥した粉体を製品として得ることができる。
【0101】
粉体処理装置Bでは、上述のように、粉体を処理しているとき、冷媒供給装置の圧縮機を動作させて圧縮された冷媒が冷媒供給部551bに供給される。なお、冷媒供給装置から供給される冷媒は、気流流入部113から流入される熱風の温度(例えば、600℃)よりも低い温度である。冷媒が第1配管511b及び第2配管512b内を流れるとき、第1シャフト21bの熱が冷媒に伝達される。つまり、冷媒配管51bを流れる冷媒によって第1シャフト21bの熱が奪われ、第1シャフト21bが冷却される。
【0102】
また、第1シャフト21bが冷却されることで、第1シャフト21bを回転可能に支持する軸受Br3の熱も冷媒に伝達される。これにより、軸受Br3が冷却される。これにより、第1シャフト21bの熱による変形を抑制でき、第1シャフト21bの回転時の振動を抑制することができる。また、軸受Br3の温度上昇を抑制することで、軸受Br3を滑らかに回転させることが可能である。これにより、第1粉体処理部41bによって、精度よく粉体処理することができる。
【0103】
冷却部50bでは、冷媒を外部に吐出する吐出部を省略している。しかしながら、吐出部が設けられていてもよい。気流流入部113から流入する熱風の流量に比べて、冷媒の流量は少ない場合が多い。そのため、吐出部を設けて冷媒を吐出する場合は、吐出部の開口を狭い隙間(例えば、第1シャフト21bとシャフト支持部152との隙間)に面するように形成することが好ましい。このようにすることで、冷媒の吐出量が少なくても圧力が高められ、冷媒によるシール効果を得ることができる。これにより、内部空間100で生成された粉粒体が軸受Br3に侵入することを抑制し、第1シャフト21bの滑らかな回転が長期間にわたり維持される。
【0104】
本実施形態にかかる粉体処理装置Bでは、冷却部50bが第1シャフト21bに備えられる構成としているが、これに限定されない。冷却部50bが第2シャフト22bに備えられてもよい。また、冷却部50bを第1シャフト21b及び第2シャフト22bの両方に備えられてもよい。
【0105】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態にかかる粉体処理装置Cの断面図である。粉体処理装置Cが実行する処理は、粉体処理装置Bと同じである。そして、粉体処理装置Cは、第1シャフト21c、第2シャフト22c、第1駆動部31c及び第2駆動部32cが異なる以外、第2実施形態にかかる粉体処理装置Bと同様の構成を有する。そのため、粉体処理装置Cの粉体処理装置Bと同様の部分には、同じ符号を付すとともに、実質上同じ部分の詳細な説明を省略する。なお、本実施形態にかかる粉体処理装置Cでは、粉体処理装置Bと異なり、第1シャフト21cが第2粉体処理部42cを駆動し、第2シャフト22cが第1粉体処理部41cを駆動する。
【0106】
<第1シャフト21c>
図5に示すように、第1シャフト21cは、円柱状であり、第2シャフト22cの内部に配置される。第1シャフト21cは、軸方向に離れた2か所で軸受Br5を介して第2シャフト22cに回転可能に支持される。また、第1シャフト21cの径方向外方を覆う第2シャフト22cは、軸受Br6を介してシャフト支持部152に回転可能に支持されている。このことから、第1シャフト21cは、筐体10cに対して中心軸Cx2を中心として回転可能に支持される。
【0107】
第1シャフト21cの下端部は、第2シャフト22cの下端部よりも下側に突出する。そして、第1シャフト21cの第2シャフト22cの下端部よりも下側に突出した部分には、第1プーリ311bに対応する第1プーリ311cが回り止めされつつ、固定されている。
【0108】
第1プーリ311cには、第1ベルト312bと対応する第1ベルト312cを介して不図示のモータからの回転力が伝達される。これにより、第1シャフト21c及び第1シャフト21cに固定された円板部421cが、中心軸Cx2周りに回転される。
【0109】
<第2シャフト22c>
第2シャフト22cは筒状である。後述のとおり、第2シャフト22cは、軸受Br6を介して、シャフト支持部152に回転可能に支持される。第2シャフト22cの上端には、粉砕ロータ411cが固定される。第2シャフト22cは、シャフト支持部152に軸方向に離れた位置で軸受Br6を介して回転可能に支持される。つまり、第2シャフト22cは、筐体10cに対して、中心軸Cx2を中心として回転可能に支持される。
【0110】
第2シャフト22cの下端部は、底部15の貫通孔151を貫通して底部15よりも下側に突出する。そして、第2シャフト22cの下端部には、第2プーリ321cが、第2シャフト22cに回り止めされつつ、固定されている。第2プーリ321cの固定方法としては、例えば、圧入、溶接、接着等を挙げることができるが、これに限定されない。また、確実に回り止めを行うために、キー及びキー溝を採用してもよい。第2シャフト22cの断面形状を円形以外の形状として、回り止めするようにしてもよい。
【0111】
第2プーリ321cには、第2ベルト322cを介して不図示のモータからの回転力が伝達される。これにより、第2シャフト22c及び第2シャフト22cに固定された粉砕ロータ411cが、中心軸Cx2周りに回転される。
【0112】
<上部筒部60>
上部筒部60は、粉体処理装置Bの上部筒部161と同様に、蓋部16に配置される。内部空間100で発生した旋回気流は、上部筒部60を介して外部に排出される。上部筒部60を介して排出される気流には、分級された粉体が含まれる。上部筒部60は、蓋部16と別体で形成されて、蓋部16に圧入にて固定される。しかしながら、上部筒部60の蓋部16への固定方法は、圧入に限定されない。上部筒部60の蓋部16への固定方法は、例えば、溶接、ねじ止め等、蓋部16と上部筒部60とを気密かつ確実に固定できる固定方法を広く採用することができる。
【0113】
<冷却部50c>
冷却部50cは、第2シャフト22cに形成されている。図6は、冷却部50cの構造を示す概略拡大図である。本実施形態の粉体処理装置Cの第2シャフト22cは、粉体処理装置Bの第1シャフト21bと、同様の構成を有している。そのため、本実施形態にかかる冷却部50cは、第2シャフト22cに形成されている。
【0114】
図6に示すように、冷却部50cは、冷媒配管51bに対応する冷媒配管51cと、連結管部52bと対応する連結管部52cと、吐出部53cと、流体ジョイント55bと対応する流体ジョイント55cと、を有する。
【0115】
冷媒配管51cは、第1配管511bと対応する第1配管511cと、第2配管512bと対応する第2配管512cとを有する。第1配管511c及び第2配管512cそれぞれの上端は、連結管部52cで連結されている。そして、連結管部52cは、径方向に延びる管体である。径方向の少なくとも一端は、第1シャフト21cの外周面に開口している。
【0116】
本実施形態の冷却部50cにおいて、連結管部52cは、第1シャフト21cを径方向に貫通している。連結管部52cの第1シャフト21cの外縁部につながる開口が吐出部53cである。なお、連結管部52cの、一方の端部のみ開口した構成であってもよい。この場合、一つの開口が吐出部53cである。連結管部52cを流れる冷媒の一部は、吐出部53cから外部に吐出される。
【0117】
図5図6に示すように、吐出部53cは、軸受Br5よりも粉体が処理される内部空間100に近い側に形成されている。内部空間100では、気流流入部113から流入した熱風が上昇する気流として流れているため、その気流に引っ張られ、吐出部53cから吐出された冷媒は、内部空間100に向かって流れる。そのため、内部空間100で作成された粉体が、軸受Br5に到達することを抑制できる。これにより、軸受Br5を滑らかに回転させることができる。
【0118】
ここで、冷媒の流れ及び冷媒による第1シャフト21c、第2シャフト22c、軸受Br5及び軸受Br6の冷却効果について説明する。
【0119】
上述のとおり、冷媒は、第1配管511c内を下から上に流れる。連結管部52cを介し、第2配管512cに流入する。連結管部52cでは、第2配管512cに分岐しており、第2配管512c又は吐出部53cに繋がる。そのため、冷媒の一部は、連結管部52cから吐出部53cに流れ外部に吐出される。冷媒の残りは、第2配管512cを上から下に流れて、冷媒チャンバ554cに流入する。
【0120】
冷媒は、粉体処理装置Cの内部の温度、特に、第1シャフト21c、第2シャフト22c、軸受Br5及び軸受Br6に比べて低温である。そのため、冷媒が、冷媒配管51cを流動するときに、周囲から熱を奪い、その結果として、第1シャフト21c及び軸受Br5が冷却される。これにより、第1シャフト21cの周囲の空気も冷却され、その影響で、第2シャフト22c及び軸受Br6も冷却される。また、吐出部53cから吐出される冷媒が、第2シャフト22cに吹き付けられる。周囲の温度よりも低い冷媒は、第2シャフト22cの内面に衝突し、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間を流れ、第2シャフト22cを冷却し、その結果、軸受Br6も冷却される。
【0121】
吐出部53cから吐出された冷媒は、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間を上方に流れる。第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間を流れる冷媒によって、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間の上端から粉体等の異物が、流入することを抑制できる。これにより、上側の軸受Br5への異物の侵入が抑制され、異物の進入による不具合を抑制できる。
【0122】
なお、軸受Br5への異物の進入を抑制するために、軸受Br5と吐出部53cとの間にシールを設けてもよい。このようにすることで、シールへの異物の進入が抑制される。これにより、長期間にわたりシールの気密性を維持することができ、長期間にわたって粉体処理装置Cを安定して運転することができる。
【0123】
シールによって、軸受Br5への異物の侵入を十分に抑制できる場合、吐出部53cを省略してもよい。また、流体ジョイント55cから冷媒配管51cに供給される冷媒のすべてを、吐出部53cから吐出するようにしてもよい。この場合、冷媒配管51cは、第1配管511cのみで形成されてもよいし、第2配管512cにも、冷媒供給部551cから冷媒を供給するようにしてもよい。このように、流体ジョイント55cから供給された冷媒の全てを吐出部53cから吐出する構成とすることで、軸受Br5への異物の侵入を抑制する効果を高めることができる。
【0124】
本発明にかかる粉体処理装置としては、例えば、中心軸が横方向(水平方向)に延びる第1実施形態の粉体処理装置A、中心軸が縦方向(鉛直方向)に延びる第2実施形態の粉体処理装置B及び中心軸が縦方向(鉛直方向)で同心に配置された2重シャフトの第3実施形態の粉体処理装置Cといった、3つのタイプを挙げることができる。なお、各タイプにおいて、実行できる粉体処理は、上述に限定されるものではない。
【0125】
これら3タイプの粉体処理装置において、冷却部には、種々の変形例が存在する。以下に、粉体処理装置に用いられる冷却部の変形例について説明する。なお、変形例によっては、全タイプの粉体処理装置に用いられる構成もあるが、粉体処理装置のシャフト構成に依存する構成もある。全タイプの粉体処理装置に用いられる構成については、粉体処理装置Aに採用されている状態で説明する。また、一部の構成でのみ採用可能な構成ついては、採用可能なタイプの粉体処理装置を明記するとともに、採用可能な粉体処理装置に採用されている状態で説明する。
【0126】
<第1変形例>
図7は、第1変形例の冷却部50dの中心軸Cxと直交する面で切断した概略断面図である。図7に示す冷却部50dは、粉体処理装置Aのシャフト部20に形成される。図7に示すように、冷却部50dは、冷媒配管51dが冷却部50の冷媒配管51と異なる。冷却部50dのこれ以外の構成については、冷却部50と同じ構成を有する。冷却部50dの冷却部50と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0127】
冷媒配管51では、軸方向から見て中央に配置された第1配管511dと、周囲に配置された複数個(ここでは、12個)の第2配管512dを有する。なお、第1配管511dの中心軸Cxと直交する断面の断面積は、第2配管512dの同じ断面の断面積の総和と略等しくてもよい。
【0128】
また、図8に示す冷却部50d2のように、第2配管512dが異なる径のピッチ円上に配置されてもよい。図8は、第1変形例の他の例の冷却部50d2の中心軸Cxと直交する面で切断した概略断面図である。なお、異なるピッチ円に配置される第2配管512dは、径方向に並んで配置されてもよいし、周方向にずれていてもよい。このように形成することで、第2配管512dの間の厚みを大きくすることができ、シャフト部20の剛性を高めることができる。
【0129】
また、異なるピッチ円に配置される第2配管512dの数が、異なっていてもよい。さらに、第2配管512dの断面積がピッチ円ごとに異なっていてもよい。
【0130】
第1配管511d及び第2配管512dは、中心軸Cxと平行でなくてもよい。例えば、第2配管512dが、中心軸Cx周りに旋回するらせん状であってもよい。このようにすることで、第2配管512dを長くでき、冷媒による冷却効率を高めることができる。また、第1配管511dの中心線が中心軸Cxに対して傾く、又は、波打つように配置されてもよい。このようにすることで、第1配管511dの長さを長くでき、冷媒による冷却効果を高めることができる。
【0131】
図9は、第1変形例の別例の冷却部50d3の中心軸と直交する面で切断した概略断面図である。図9に示すよう冷却部50d3では、複数の第1配管511dと、複数の第2配管512dとを有している。そして、複数の第1配管511d及び第2配管512dを、正方形状の格子の交点となるように配置している。このように配置することで、シャフト部20の内部に配管を均等に分散させて配置できるので、シャフト部20の剛性の低下を抑制できる。また、冷媒による冷却効果を分散できるため、冷却効率を高めることができる。
【0132】
図9に示す冷却部50d3では、第1配管511dと第2配管512dとが交互に並んで配置されているが、これに限定されない。例えば、温度が低い冷媒が流れる第1配管511dを外面に近いに配置するようにしてもよい。このようにすることで、冷却効率を高めることができる。なお、第1配管511d及び第2配管512dの配置は、正方形格子に限定されず、三角格子、六角形格子であってもよい。また、シャフト部20の断面に、配列される方法を広く採用することができる。なお、シャフト部20が回転体であることを考慮して、中心軸Cxを中心として、回転対称体であることが好ましい。
【0133】
図7図9に示す冷却部50d、50d2、50d3において、第1配管511d及び第2配管512dは断面円形であるが、多角形状であってもよい。例えば、径方向内側に突起を有する形状(図9の第2配管512d2参照)としてもよい。このようにすることで、第1配管511d及び第2配管512dの内面の断面積を増やすことができ、冷媒による冷却効率を高めることができる。
【0134】
<第2変形例>
図10は、第2変形例の冷却部50eの中心軸Cxと直交する面で切断した概略断面図である。図10に示すように、シャフト部20eが、第1筒部201eと、第2筒部202eと、複数個の接続柱部203eと、を有する。
【0135】
第1筒部201eは、中心軸Cxを中心とする筒体である。第1筒部201eの中央に軸方向に沿って延びる第1配管511eが形成されている。そして、第2筒部202eは、内径が第1筒部201eの外径よりも大きい。そして、第2筒部202eは、第1筒部201eの径方向外部を覆う。第2筒部202eと第1筒部201eとの間には、環状の隙間204eが形成されている。第1筒部201eと第2筒部202eとは、複数個(ここでは、4個)の接続柱部203eによって連結され、隙間204eが保持されている。隙間204eが第2配管512e、すなわち、冷媒配管51eの一つである。
【0136】
冷却部50eでは、第1筒部201eと第2筒部202eとを接続柱部203eで固定する構成であるため、製造が容易である。また、第1筒部201eの外径及び第2筒部202eの内径の少なくとも一方を変更することで、冷媒配管51eの第2配管512e断面積、すなわち、冷媒の流量を調整することが可能である。これにより、必要に応じた冷媒配管51eを有する冷却部50eを構成することができる。なお、隙間204eを第1配管511eとし、第1筒部201eに第2配管512eとしてもよい。
【0137】
なお、本実施形態において、接続柱部203eは、第1筒部201eと第2筒部202eとを強固に固定できる個数であれば、4個に限定されない。また、本変形例のシャフト部20eでは、第1筒部201e及び第2筒部202eの、2個の筒部を用いているが、さらに多くの筒部を有する構造であってもよい。
【0138】
また、軸方向に隣り合う接続柱部203eは、周方向にずれていてもよい。このようにすることで、隙間204eを流れる冷媒が接続柱部203eに衝突しやすい。これにより、冷媒による冷却効率を高めることができる。また、接続柱部203eは、軸方向に延びる板状であってもよい。この場合、シャフト部20eの冷媒が接触する面積を大きくすることができ、冷却効率を高めることができる。
【0139】
<第3変形例>
図11は、第3変形例の冷却部50fの中心軸Cxと直交する面で切断した概略断面図である。図12は、第3変形例の中心軸Cxを含む面で切断した概略断面図である。
【0140】
図11図12に示すように、シャフト部20fは、支持筒部1221fに軸受Br2を介して支持されている。このような、冷却部50fは、シャフト部20fを支持する支持筒部1221fに、冷媒配管51fと、連結管部52fと、吐出部53fとが形成される。
【0141】
冷媒配管51fは、軸方向に延びる第1配管511fと、軸方向に延びる第2配管512fとを有する。支持筒部1221fにおいて、第1配管511fと第2配管512fとは、周方向に交互に配置されている。周方向に隣り合う第1配管511fと第2配管512fとが対をなしている。つまり、本変形例の冷却部50fでは、3対の第1配管511fと第2配管512fとを有する。そして、連結管部52fは、対をなす第1配管511fと第2配管512fとを連結するように設けられる。そして、連結管部52fには、支持筒部1221fとシャフト部20fとの隙間に開口する吐出部53fが連結される。
【0142】
このような構成の冷却部50fでは、第1配管511f、連結管部52f、第2配管512fの順に冷媒が流れることで、支持筒部1221fが冷却される。支持筒部1221fが冷却されることで、支持筒部1221fと接触している軸受Br2及び軸受Br2と接触するシャフト部20fが冷却される。また、連結管部52fを流れる冷媒の一部は、吐出部53fからシャフト部20fと支持筒部1221fとの隙間に流れる。この隙間に流れる冷媒はシャフト部20f及び軸受Br2に直接接触し、直接冷却される。以上示したように、支持筒部1221fの温度が下がることによる間接的な冷却と、冷媒が接触することによる直接的な冷却によって、シャフト部20f及び軸受Br2が冷却される。これにより、シャフト部20f及び軸受Br2の温度上昇によるシャフト部20fの回転が不安定になることを抑制できる。
【0143】
このような構成の冷却部50fでは、冷媒配管51fは支持筒部1221fに配置される。そのため、流体ジョイントがロータリージョイントでなくてもよいため、冷却部50fの構成を簡略化できる。
【0144】
なお、第1配管511f及び第2配管512fの両方に冷媒を供給し、供給された冷媒の全量を、吐出部53fから吐出するようにしてもよい。また、冷媒配管51fとして、6個以上の配管を有してもよい。また、冷媒配管の配管は、中心軸Cxを基準としてらせん状に延びてもよいし、中心軸Cxと直交する断面が、円形以外の形状、多角形、楕円等であってもよい。
【0145】
<第4変形例>
図13は、第4変形例の冷却部50gの中心軸Cxと直交する面で切断した概略断面図である。図14は、第4変形例の中心軸Cxを含む面で切断した概略断面図である。図13図14に示すように、支持筒部1221gが、二重管構造になっていてもよい。つまり、支持筒部1221gが、内筒1222と、外筒1223とを有する。内筒1222と外筒1223とが、径方向に隙間を開けて配置され、支柱部1224にて支持される。
【0146】
内筒1222と外筒1223との隙間1225で周方向の支柱部1224で挟まれた部分が冷媒配管51gである。冷媒配管51gは、仕切り壁部510gで仕切られる。仕切り壁部510gで仕切られた一方が第1配管511gであり、他方が第2配管512gである。そして、第1配管511g及び第2配管512gそれぞれの上端が、連結管部52gによって連結される。連結管部52gには、吐出部53gが接続している。なお、仕切り壁部510gに代えて、支柱部1224を用いてもよい。
【0147】
このような、二重管構造の支持筒部1221gを用いても、第3変形例と同様に、シャフト部20g及び軸受Br2の冷却が可能である。
【0148】
<第5変形例>
図15は、第5変形例の冷却部50hの中心軸Cx2と直交する面で切断した概略断面図である。図16は、第5変形例の冷却部50hの中心軸Cx2を含む面で切断した概略断面図である。図15に示す冷却部50hは、第3実施形態の粉体処理装置Cに採用される。図15に示すように、冷却部50hは、第1シャフト21cの径方向外側を覆う第2シャフト22cに形成されている。
【0149】
図15図16に示すように、冷却部50hは、冷媒配管51hと、連結管部52hと、吐出部53hと、を有する。冷媒配管51hは、第1配管511hと、第2配管512hと、を有する。第1配管511h及び第2配管512hは、軸方向に延びる。なお、本変形例の第1配管511h及び第2配管512hは、中心軸Cx2と平行であるが、これに限定されない。
【0150】
例えば、中心軸Cx2に対して周方向に傾斜している、らせん状に形成されていてもよい。第1配管511h及び第2配管512hの双方がらせん状であってもよいし、一方がらせん状、他方が中心軸Cx2と平行であってもよい。さらには、両方らせん状であっても、らせんピッチが異なる構成であってもよい。
【0151】
冷媒配管51hでは、周方向に隣り合う第1配管511hと、第2配管512hとが、対をなしている。冷媒配管51hは、第1配管511hと第2配管512hの対を3対有する。3対の第1配管511hと第2配管512hの対は、周方向に配置されている。つまり、冷却部50hにおいて、第1配管511hと第2配管512hとは、周方向に交互に配置される。そして、対をなす第1配管511hと第2配管512hとの上端同士が、連結管部52hにより連結される。
【0152】
吐出部53hは、連結管部52hの周方向の中間部に配置される。吐出部53hは、連結管部52hと、外部とを繋ぐ配管である。図15図16に示すように、吐出部53hは、第2シャフト22cから、第1シャフト21cに向けて冷媒を吐出する第1吐出部531hと、シャフト支持部152に向けて冷媒を吐出する第2吐出部532hとを有する。
【0153】
第1吐出部531hから吐出された冷媒は、第1シャフト21cに衝突し、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの間を上方に流れる。これにより、第1シャフト21c及び軸受Br5が冷却される。第1吐出部531hから吐出された冷媒は、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間の上端から外部に流出する。そのため、第1シャフト21cと第2シャフト22cとの隙間の上端から異物が侵入しにくく、軸受Br5への異物の侵入が抑制される。
【0154】
同様に、第2吐出部532hから吐出された冷媒は、シャフト支持部152に衝突し、シャフト支持部152と第2シャフト22cとの間を上方に流れる。第2吐出部532hから吐出された冷媒は、シャフト支持部152と第2シャフト22cとの隙間の上端から外部に流出する。そのため、シャフト支持部152と第2シャフト22cとの隙間の上端から異物が侵入しにくく、軸受Br6への異物の侵入が抑制される。
【0155】
冷媒が第1配管511h及び第2配管512hを流れるとき、第2シャフト22cは冷媒によって直接冷却される。また、第2シャフト22cが冷却され、第2シャフト22cの温度が下がることで、第2シャフト22cと直接接触している軸受Br5及び軸受Br6も冷却される。さらに、第2シャフト22cの温度が下がることで、第1シャフト21cの周囲の温度も下がり、第1シャフト21cも冷却される。また、第1シャフト21cは、軸受Br5を介して第2シャフト22cと接続しているため、軸受Br5を介しても冷却される。
【0156】
このように、本変形例の冷却部50hを用いても、粉体処理装置Cを長期間にわたり安定して動作させることができる。なお、第1シャフト21cに、冷却部50cが形成されてもよい。さらには、冷却部50cに代えて、冷却部50d、50d2、50d3のいずれかが、形成されてもよい。
【0157】
<第6変形例>
図17は、第6変形例の冷却部50iの中心軸Cxを含む面で切断した概略断面図である。第6変形例の冷却部50iは、例えば、図1図2に示す冷却部50の第1配管511及び第2配管512の少なくとも一方の一部である。図17に示す冷却部50iは、第1配管511の一部である。
【0158】
図17に示すように、冷却部50iは、吹出管515と、減圧管516と、を有する。吹出管515は、軸と交差する方向の断面が円形である。吹出管515は断面積S1である。減圧管516も、軸と交差する方向の断面が円形である。減圧管516断面積S2である。断面積S2は、断面積S1よりも大きい。
【0159】
減圧管516の端部は、内フランジ部517を有し、内フランジ部517の径方向内端に吹出管515が接続している。つまり、吹出管515と減圧管516とは、内フランジ部517を介して接続されている。冷却部50iでは、吹出管515が減圧管516の下部に接続されており、吹出管515内を流れた冷媒が減圧管516に吹き出される。
【0160】
吹出管515の断面積S1は、減圧管516の断面積S2よりも小さく、吹出管515から減圧管516に冷媒が流入すると、冷媒の流動速度が低下する。つまり、冷媒は、吹出管515から減圧管516に流入するとき、減圧管516内で拡散され、膨張する。冷媒の膨張は断熱膨張であり、冷媒は膨張することで冷却(断熱冷却)されて温度が低下する。断面の大きさが急激に変化する部分を設けることで、断熱冷却により冷媒の温度を低下させ、冷却効率を高めることができる。なお、冷却部50iを用いる場合、冷媒は、断熱冷却されやすい気体又は気化しやすい液体であることが好ましい。
【0161】
上述のとおり吹出管515は、第1配管511の軸方向の中間部分に形成される。つまり、第1配管511の軸方向の中間部分に他の部分に比べて断面積が小さい吹出管515が形成される。吹出管515の入口は、断面積が徐々に小さくなる形状、いわゆる、絞り形状であってもよいし、オリフィスのような異なる断面積を直接組み合わせた形状であってもよい。また、減圧管516の出口は、なるべく急激に変化する形状であることが好ましい。このような構造とすることで、断熱膨張しやすくなり、冷媒の温度が低下しやすい。
【0162】
<第4実施形態>
図18は、第4実施形態の粉体処理装置Jの第1粉体処理部41j及び第2粉体処理部42jを拡大した断面図である。図18に示す粉体処理装置Jでは、第1粉体処理部41jの粉砕ロータ411j及び第2粉体処理部42jの円板部421jが、第3実施形態の粉体処理装置Cと異なるが、それ以外の点は、同じ構成である。そのため、粉体処理装置Jの粉体処理装置Cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細については省略する。
【0163】
図18に示すように、粉体処理装置Jの第2粉体処理部42jの円板部421jには、下面から軸方向下方に延びる筒部424を有する。筒部424は、中心軸Cxを中心とする円筒である。そして、第1粉体処理部41jの粉砕ロータ411jの上面には、筒部424と軸方向に重なる位置に、軸方向に凹む凹部413が形成されている。凹部413は、中心軸Cxを中心とする円環状である。
【0164】
そして、第2粉体処理部42jの筒部424の軸方向下方の先端部は、第1粉体処理部41jの凹部413の内部に配置される。さらに説明すると、筒部424の先端部は、凹部413とは接触しないように、凹部413の内部に配置される。このように、筒部424の先端部を凹部413に非接触状態で配置されることで筒部424と凹部413とで、ラビリンスシール構造が形成される。つまり、粉砕ロータ411jの上面、円板部421jの下面及び筒部424の内面とで空間Chが形成される。
【0165】
そして空間Chには、第1シャフト21jと第2シャフト22jとの隙間の上端部とが連通している。そして、隙間には吐出部53cから吐出された冷媒が流入しており、冷媒が空間Chに流入する。空間Chにおいて、冷媒は筒部424と凹部413との隙間から流出する。筒部424と凹部413との隙間がラビリンスシール構造になっていることで、隙間には冷媒が流入しにくい。そのため、空間Chは冷媒で満たされ、空間Ch内部の圧力が高くなる。このことから、筒部424と凹部413との隙間では、空間Chから外部に気流が発生する。その結果、外部の異物の空間Chへの進入が抑制され、軸受Br5への進入も抑制される。このような構成を有することで、粉体処理装置Jでは、異物の混入による、軸受Br5の回転精度の低下を抑制し、長期間にわたり安定して粉体処理を実行することができる。
【0166】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0167】
A、B、C、J 粉体処理装置
10、10b、10c 筐体
100 内部空間
101 開口
102 開口
11、11b 筒部
110 フランジ部
111 原料投入部
112 製品排出部
113 気流流入部
114 原料投入部
115 スクリューフィーダ
12 第1蓋部
121 蓋本体部
122 支持部
1221、1221f 支持筒部
1222 内筒
1223 外筒
1224 支柱部
1225 隙間
123 差込フランジ部
124 キャップ部
13 第2蓋部
131 蓋本体部
132 支持部
133 差込フランジ部
134 キャップ部
14 ジャケット部
15 底部
151 貫通孔
152 シャフト支持部
16 蓋部
161 上部筒部
162 軸保持部
163 排気ダクト
20、20e、20f、20g シャフト部
201e 第1筒部
202e 第2筒部
203e 接続柱部
204e 隙間
21b、21c、21e、21j 第1シャフト
22b、22c、22j 第2シャフト
30 駆動部
31、31b、31c 第1駆動部
311b、311c 第1プーリ
312b、312c 第1ベルト
32、32b、32c 第2駆動部
321b、321c 第2プーリ
322b、322c 第2ベルト
33 軸受部
40 粉体処理部
401 パドル
402 支柱部
403 フィン
41b、41j 第1粉体処理部
411b、411i、411j 粉砕ロータ
412b ハンマー
413 凹部
42b、42i、42j 第2粉体処理部
421b、421i、421j 円板部
422b 分級ブレード
424 筒部
50、50b、50c、50d、50d2、50d3、50e、50f、50g、50h、50i 冷却部
51、51b、51c、51d、51e、51f、51g、51h 冷媒配管
510g 仕切り壁部
511、511b、511c、511d、511e、511f、511g、511h 第1配管
512、512b、512c、512d、512e、512f、512g、512h 第2配管
513 開口
514 開口
515 吹出管
516 減圧管
517 内フランジ部
52、52b、52c、52f、52g、52h 連結管部
53、53c、53f、53g、53h 吐出部
531h 第1吐出部
532h 第2吐出部
55、55b、55c 流体ジョイント
551、551b、551c 冷媒供給部
552、552b 冷媒回収部
553、553b 注入スリーブ
554、554b、554c 冷媒チャンバ
60 上部筒部
61 冷媒配管
63 吐出部
1321 支持筒部
Br1、Br2、Br3、Br4、Br5、Br6 軸受
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18