(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024021770
(43)【公開日】2024-02-16
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20240208BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240208BHJP
【FI】
B29C64/393
B33Y50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124844
(22)【出願日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 茂
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AM20
4F213AR11
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
4F213WL95
(57)【要約】
【課題】複数の三次元造形装置を効率的に管理可能な技術を提供する。
【解決手段】複数の三次元造形装置と通信する制御装置が提供される。この制御装置は、時刻を表す時刻情報と、各三次元造形装置におけるモデルの造形時間を表す情報を含む稼働情報と、複数の三次元造形装置のうちの選択された三次元造形装置で使用されている材料の残量を表す残量情報と、を表示部に表示する表示制御部、を備え、表示制御部は、時刻情報に対応させて稼働情報を表示し、表示制御部は、指定されたスケール又は指定されたタイムゾーンで時刻情報を表示する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の三次元造形装置と通信する制御装置であって、
時刻を表す時刻情報と、各前記三次元造形装置におけるモデルの造形時間を表す情報を含む稼働情報と、複数の前記三次元造形装置のうちの選択された前記三次元造形装置で使用されている材料の残量を表す残量情報と、を表示部に表示する表示制御部、を備え、
前記表示制御部は、前記時刻情報に対応させて前記稼働情報を表示し、
前記表示制御部は、指定されたスケール又は指定されたタイムゾーンで前記時刻情報を表示する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記稼働情報に対応する前記モデルの形状を表すモデル情報を前記表示部に表示する、制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、複数の前記三次元造形装置のうちの選択された前記三次元造形装置で造形中の前記モデルの進捗度合を表す進捗情報を前記表示部に表示する、制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記稼働情報を調整して、前記三次元造形装置の造形終了時刻を調整するスケジュール調整部を有する、制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、
前記スケジュール調整部は、1の前記三次元造形装置における前記稼働情報と、他の前記三次元造形装置における前記稼働情報とに同一の前記ユーザー情報が含まれる場合に、1の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻と、他の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも短くなるように、前記稼働情報を調整する、制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記スケジュール調整部は、前記造形終了時刻を指定する時刻指定情報を取得し、指定された時刻に造形が終了するように、前記稼働情報を調整する、制御装置。
【請求項7】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、
前記スケジュール調整部は、前記ユーザー情報に対応するユーザーのスケジュールを表すスケジュール情報を取得し、前記ユーザーのスケジュールが空いている時間帯に造形が終了するように、前記稼働情報を調整する、制御装置。
【請求項8】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、
前記スケジュール調整部は、1の前記三次元造形装置における前記稼働情報に含まれる前記ユーザー情報と、他の前記三次元造形装置における前記稼働情報に含まれる前記ユーザー情報との間に予め定めた関係が存在する場合に、1の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻と、他の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも長くなるように、前記稼働情報を調整する、制御装置。
【請求項9】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記スケジュール調整部は、各前記三次元造形装置の設置場所を表す設置場所情報を取得し、前記設置場所情報に基づいて前記稼働情報を調整する、制御装置。
【請求項10】
請求項4に記載の制御装置であって、
少なくとも2つの前記三次元造形装置は、各々造形方式が異なっており、
前記スケジュール調整部は、特定の造形方式を指定する造形方式指定情報を受け付け、
前記スケジュール調整部は、前記造形方式指定情報を受け付けなかった場合、稼働していない前記三次元造形装置に前記モデルの造形を振り分ける、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、三次元モデルデータをスライスデータに変換するデータ変換装置が開示されている。このデータ変換装置は、造形装置が採用する造形法を特定可能な特性情報を取得し、複数の異なる変換処理の中から、取得した特性情報に応じて選択した変換処理によって三次元モデルデータをスライスデータに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、こうした三次元造形に関する技術分野において、複数の三次元造形装置を効率的に管理可能な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、複数の三次元造形装置と通信する制御装置が提供される。この制御装置は、時刻を表す時刻情報と、各前記三次元造形装置におけるモデルの造形時間を表す情報を含む稼働情報と、複数の前記三次元造形装置のうちの選択された前記三次元造形装置で使用されている材料の残量を表す残量情報と、を表示部に表示する表示制御部、を備え、前記表示制御部は、前記時刻情報に対応させて前記稼働情報を表示し、前記表示制御部は、指定されたスケール又は指定されたタイムゾーンで前記時刻情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態における三次元造形システムの概略構成を示す説明図。
【
図3】フラットスクリューの概略構成を示す斜視図。
【
図5】三次元造形装置が造形物を造形する様子を模式的に示す説明図。
【
図7】表示制御部によって表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【
図10】第2実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【
図11】第3実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【
図12】第4実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【
図13】第5実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【
図14】第6実施形態における三次元造形システムの概略構成を示す説明図。
【
図15】第6実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【
図16】第7実施形態における三次元造形システムの概略構成を示す説明図。
【
図17】第7実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における三次元造形システム10の概略構成を示す説明図である。三次元造形システム10は、複数の三次元造形装置100と、それらの三次元造形装置100と通信する制御装置400と、を含む。制御装置400と複数の三次元造形装置100とは、インターネットやLANなど、所定の通信回線を介して相互に通信可能である。三次元造形システム10は、例えば、工場や研究所、商業施設などの場所に設置される。本実施形態では、複数の三次元造形装置100及び制御装置400は、同一の場所に設置されている。なお、三次元造形装置100と制御装置400とは、同一の場所ではなく、離れた場所に配置されてもよい。
【0008】
図2は、三次元造形装置100の概略構成を示す説明図である。
図2には、互いに直交するX,Y,Z方向を示す矢印が示されている。X方向及びY方向は、水平面に平行な方向であり、Z方向は、鉛直上向きに沿った方向である。X,Y,Z方向を示す矢印は、他の図においても、図示の方向が
図2と対応するように適宜、図示してある。以下の説明において、方向の向きを特定する場合には、各図において矢印が指し示す方向を「+」、その反対の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用する。以下では、+Z方向のことを「上」、-Z方向のことを「下」ともいう。
【0009】
本実施形態の三次元造形装置100は、材料押出方式によって造形物を造形する装置である。三次元造形装置100は、三次元造形装置100の各部を制御するための制御部300を備えている。制御部300と制御装置400とは、相互に通信可能に接続されている。
【0010】
三次元造形装置100は、造形材料を生成して吐出する造形部110と、造形物の基台となる造形用のステージ210と、造形材料の吐出位置を制御する移動機構230とを備える。
【0011】
造形部110は、制御部300の制御下において、固体状態の材料を可塑化させた造形材料をステージ210上に吐出する。造形部110は、造形材料に転化される前の原材料の供給源である材料供給部20と、原材料を造形材料へと転化させる可塑化部30と、造形材料を吐出する吐出部60とを備える。
【0012】
材料供給部20は、可塑化部30に、原材料MRを供給する。材料供給部20は、例えば、原材料MRを収容するホッパーによって構成される。材料供給部20は、連通路22を介して、可塑化部30に接続されている。原材料MRは、ペレットや粉末等の形態で材料供給部20に投入される。原材料としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂材料が用いられる。
【0013】
可塑化部30は、材料供給部20から供給された原材料MRを可塑化させて流動性を発現させたペースト状の造形材料を生成し、吐出部60へと導く。本実施形態において「可塑化」とは 、溶融を含む概念であり、固体から流動性を有する状態に変化させることである。具体的には、ガラス転移が起こる材料の場合、可塑化とは、材料の温度をガラス転移点以上にすることである。ガラス転移が起こらない材料の場合、可塑化とは、材料の温度を融点以上にすることである。
【0014】
可塑化部30は、スクリューケース31と、駆動モーター32と、フラットスクリュー40と、バレル50と、を有する。フラットスクリュー40は、ローターあるいはスクロールとも呼ばれる。バレル50は、スクリュー対面部とも呼ばれる。
【0015】
図3は、フラットスクリュー40の下面48側の概略構成を示す斜視図である。
図3に示したフラットスクリュー40は、技術の理解を容易にするため、
図2に示した上面47と下面48との位置関係を、鉛直方向において逆向きとした状態で示されている。
図4は、バレル50の上面52側を示す概略平面図である。フラットスクリュー40は、その中心軸に沿った方向である軸線方向における長さが、軸線方向に垂直な方向における長さよりも小さい略円柱状を有する。フラットスクリュー40は、その回転中心となる回転軸RXがZ方向に平行になるように配置される。
【0016】
図2に示すように、フラットスクリュー40は、スクリューケース31内に収納されている。フラットスクリュー40の上面47は駆動モーター32に連結されており、フラットスクリュー40は、駆動モーター32が発生させる回転駆動力によって、スクリューケース31内で回転する。駆動モーター32は、制御部300の制御下において駆動する。なお、フラットスクリュー40は、減速機を介して駆動モーター32によって駆動されてもよい。
【0017】
図3に示すように、フラットスクリュー40の、回転軸RXと交差する面である下面48には、渦状の溝部42が形成されている。上述した材料供給部20の連通路22は、フラットスクリュー40の側面から、当該溝部42に連通する。本実施形態では、溝部42は、凸条部43によって隔てられて3本分形成されている。なお、溝部42の数は、3本に限られず、1本でもよいし、2本以上であってもよい。溝部42は、渦状に限らず、螺旋状あるいはインボリュート曲線状であってもよいし、中央部から外周に向かって弧を描くように延びる形状であってもよい。
【0018】
フラットスクリュー40の下面48は、バレル50の上面52に対面しており、フラットスクリュー40の下面48の溝部42と、バレル50の上面52との間には空間が形成される。フラットスクリュー40とバレル50との間のこの空間には、材料供給部20から
図3に示した材料流入口44を通じて原材料MRが供給される。
【0019】
図2に示すように、バレル50には、回転しているフラットスクリュー40の溝部42内に供給された原材料MRを加熱するためのバレルヒーター58が埋め込まれている。バレル50の中心には連通孔56が設けられている。
図4に示すように、バレル50の上面52には、連通孔56に接続され、連通孔56から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝54が形成されている。なお、案内溝54の一端は、連通孔56に接続されていなくてもよい。また、案内溝54は省略することも可能である。
【0020】
フラットスクリュー40の溝部42内に供給された原材料MRは、溝部42内において可塑化されながら、フラットスクリュー40の回転によって溝部42に沿って流動し、造形材料としてフラットスクリュー40の中央部46へと導かれる。中央部46に流入した流動性を発現しているペースト状の造形材料は、バレル50の中心に設けられた連通孔56を介して吐出部60に供給される。なお、造形材料では、造形材料を構成する全ての種類の物質が可塑化していなくてもよい。造形材料は、造形材料を構成する物質のうちの少なくとも一部の種類の物質が可塑化することによって、全体として流動性を有する状態に転化されていればよい。
【0021】
図2の吐出部60は、造形材料を吐出するノズル61と、フラットスクリュー40とノズル開口62との間に設けられた造形材料の流路65と、造形材料の吐出を制御する吐出制御部77を備える。
【0022】
ノズル61は、流路65を通じて、バレル50の連通孔56に接続されている。ノズル61は、可塑化部30において生成された造形材料を、先端のノズル開口62からステージ210に向かって吐出する。
【0023】
吐出制御部77は、流路65を開閉する吐出調整部70と、造形材料を吸引して一時的に貯留する吸引部75とを備える。
【0024】
吐出調整部70は、流路65内に設けられており、流路65内で回転することにより流路65の開度を変化させる。本実施形態において、吐出調整部70は、バタフライバルブによって構成されている。吐出調整部70は、制御部300による制御下において、第1駆動部74によって駆動される。第1駆動部74は、例えば、ステッピングモーターによって構成される。制御部300は、第1駆動部74を用いて、バタフライバルブの回転角度を制御することによって、可塑化部30からノズル61に流れる造形材料の流量、つまり、ノズル61から吐出される造形材料の吐出量を調整することができる。吐出調整部70は、造形材料の吐出量を調整可能であると共に、造形材料の流出のオン/オフを制御可能である。
【0025】
吸引部75は、流路65において吐出調整部70とノズル開口62との間に接続されている。吸引部75は、ノズル61からの造形材料の吐出停止時に、流路65中の造形材料を一時的に吸引することによって、造形材料がノズル開口62から糸を引くように垂れる尾引き現象を抑制する。本実施形態において、吸引部75は、プランジャーにより構成されている。吸引部75は、制御部300による制御下において、第2駆動部76によって駆動される。第2駆動部76は、例えば、ステッピングモーターや、ステッピングモーターの回転力をプランジャーの並進運動に変換するラックアンドピニオン機構等によって構成される。
【0026】
ステージ210は、ノズル61のノズル開口62に対向する位置に配置されている。第1実施形態では、ノズル61のノズル開口62に対向するステージ210の造形面211は、X,Y方向、すなわち水平方向に平行となるように配置される。ステージ210には、ステージ210上に吐出された造形材料が急激に冷却することを抑制するためのステージヒーター212が備えられている。ステージヒーター212は制御部300によって制御される。
【0027】
移動機構230は、制御部300の制御下において、ステージ210とノズル61との相対位置を変化させる。本実施形態では、ノズル61の位置が固定されており、移動機構230は、ステージ210を移動させる。移動機構230は、3つのモーターの駆動力によって、ステージ210をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーによって構成される。本明細書において、特に断らない限り、ノズル61の移動とは、ノズル61や吐出部60をステージ210に対して相対的に移動させることを意味する。
【0028】
なお、他の実施形態では、移動機構230によってステージ210を移動させる構成の代わりに、ステージ210の位置が固定された状態で、移動機構230がステージ210に対してノズル61を移動させる構成が採用されてもよい。また、移動機構230によってステージ210をZ方向に移動させ、ノズル61をX,Y方向に移動させる構成や、移動機構230によってステージ210をX,Y方向に移動させ、ノズル61をZ方向に移動させる構成が採用されてもよい。これらの構成であっても、ノズル61とステージ210との相対的な位置関係が変更可能である。
【0029】
制御部300は、三次元造形装置100全体の動作を制御する装置である。制御部300は、1つ、又は、複数のプロセッサー310と、主記憶装置や補助記憶装置からなる記憶部320と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成される。プロセッサー310は、記憶部320に記憶されたプログラムを実行することによって、記憶部320に記憶された造形データに従い、造形部110及び移動機構230を制御して、ステージ210上にモデルの造形を行う。なお、制御部300は、コンピューターによって構成される代わりに、回路を組み合わせた構成により実現されてもよい。
【0030】
図5は、三次元造形装置100が造形物を造形する様子を模式的に示す説明図である。三次元造形装置100では、上述したように、固体状態の原材料MRが可塑化されて造形材料MMが生成される。制御部300は、ステージ210の造形面211とノズル61との距離を保持したまま、ステージ210の造形面211に沿った方向に、ステージ210に対するノズル61の位置を変えながら、ノズル61から造形材料MMを吐出させる。ノズル61から吐出された造形材料MMは、ノズル61の移動方向に連続して堆積されていく。
【0031】
制御部300は、ノズル61の移動を繰り返して層MLを形成する。制御部300は、1つの層MLを形成した後、ステージ210に対するノズル61の位置を、Z方向に相対移動させる。そして、これまでに形成された層MLの上に、更に層MLを積み重ねることによって造形物を造形していく。
【0032】
制御部300は、例えば、一層分の層MLを完了した場合のノズル61のZ方向への移動や、各層で独立する複数の造形領域がある場合には、ノズル61からの造形材料の吐出を一時的に中断させることがある。この場合、吐出調整部70によって流路65を閉塞させて、ノズル開口62からの造形材料MMの吐出を停止させ、吸引部75によって、ノズル61内の造形材料を一時的に吸引する。制御部300は、ノズル61の位置を変更した後、吸引部75内の造形材料を排出しつつ吐出調整部70によって流路65を開くことによって、変更後のノズル61の位置から造形材料MMの堆積を再開させる。
【0033】
図6は、制御装置400の概略構成を示す説明図である。制御装置400は、CPU410とメモリー420と記憶装置430と通信インターフェイス440と入出力インターフェイス450とがバス460によって相互に接続されたコンピューターとして構成されている。入出力インターフェイス450には、キーボードやマウスなどの入力装置470と、液晶ディスプレイなどの表示部480とが接続されている。制御装置400は、通信インターフェイス440を介して、三次元造形装置100の制御部300に接続される。制御部300から制御装置400には、例えば、三次元造形装置100の材料供給部20に投入されている材料の残量を表す情報や、造形中のモデルの進捗を表す情報が送信される。制御装置400から制御部300には、例えば、制御装置400において造形時間の調整された造形データが送信される。
【0034】
CPU410は、記憶装置430に記憶されたプログラムを実行することによって、表示制御部411及びスケジュール調整部412として機能する。表示制御部411は、各三次元造形装置100における造形スケジュールを表示部480に一覧表示する。スケジュール調整部412は、後述する稼働情報を調整して、各三次元造形装置100の造形終了時刻を調整する。
【0035】
図7は、表示制御部411によって表示部480に表示される表示画面の一例を示す図である。表示制御部411は、時刻情報D1と、稼働情報D2と、残量情報D3とを表示部480に表示する。時刻情報D1は、時刻を表す情報である。稼働情報D2は、各三次元造形装置100におけるモデルの造形時間を表す情報を含む。モデルの造形時間は、造形開始時刻及び造形終了時刻を含む。本実施形態において、造形終了時刻とは、造形後のモデルの冷却が完了する時刻である。
図7には、稼働情報D2として、三次元造形装置100毎にモデルの造形に要する時間が帯状に表示され、その帯内に、モデルの名称が表示された例を示している。1つの稼働情報D2が、その三次元造形装置100における1つの印刷ジョブに相当する。残量情報D3は、複数の三次元造形装置100のうちの選択された三次元造形装置100で使用されている材料の残量を表す情報である。ユーザーは、表示画面の左側に表示された三次元造形装置100のリストから入力装置470を用いて任意の三次元造形装置100を選択できる。なお、本実施形態では、上記のように、造形終了時刻はモデルの冷却が完了する時刻であるが、造形終了時刻は、モデルの造形が完了した時刻であってもよい。
【0036】
表示制御部411は、時刻情報D1に対応させて稼働情報D2を表示する。つまり、表示制御部411は、共通した時間軸に沿って、時刻情報D1と稼働情報D2とを並べて表示する。ユーザーは、入力装置470を用いることにより、時刻情報D1及び稼働情報D2を、表示画面の左右方向に沿ってスクロール表示させることができる。また、
図7に示した表示画面では、時刻情報が表す時刻のタイムゾーンと、時刻のスケールとを指定可能となっている。ユーザーは、入力装置を用いて、タイムゾーンと、時刻のスケールとを指定することができる。タイムゾーンとは、共通の標準時を採用している地域全体のことである。時刻のスケールとは、画面上における時間軸の縮尺のことをいう。タイムゾーンが指定された場合、表示制御部411は、指定されたタイムゾーンに従って、時刻情報D1を表示する。また、時刻のスケールが変更された場合、表示制御部411は、時刻情報D1及び稼働情報D2の時間軸に沿った長さを拡大又は縮小する。タイムゾーンとスケールとは、いずれか一方のみが指定可能であってもよい。また、タイムゾーンとスケールとは、
図7に示した表示画面とは異なる画面でそれぞれ設定可能であってよい。
【0037】
本実施形態における表示制御部411は、更に、モデル情報D4と、進捗情報D5と、ユーザー情報D6とを表示部480に表示する。モデル情報D4とは、稼働情報D2に対応するモデルの形状を表す情報である。進捗情報D5とは、選択された三次元造形装置100で造形中のモデルの進捗度合いを表す情報である。ユーザー情報D6とは、稼働情報D2に対応するモデルのユーザーを表す情報であり、例えばユーザー毎に定められたID番号である。本実施形態において、モデル情報D4及びユーザー情報D6は、稼働情報D2に含まれる。つまり、本実施形態において、稼働情報D2には、モデルの造形時間を表す情報と、そのモデルのユーザーを表すユーザー情報D6と、そのモデルの形状を表すモデル情報D4とが含まれている。
【0038】
表示制御部411は、表示画面に表示された複数の稼働情報D2のうちのいずれかの稼働情報D2が入力装置470によって選択された場合に、その稼働情報D2に対応するモデルの形状をモデル情報D4として表示すると共に、その稼働情報D2に対応するモデルのユーザーをユーザー情報D6として表示する。また、表示制御部411は、表示画面の左側にリスト表示された複数の三次元造形装置100のうち、任意の三次元造形装置100が選択された場合に、その三次元造形装置100において造形中のモデルの進捗を表す情報を、進捗情報D5として表示する。なお、表示制御部411は、表示画面に表示された複数の稼働情報D2のうちのいずれかの稼働情報D2が入力装置470によって選択された場合に、その稼働情報D2の対応するモデルの進捗を表す進捗情報D5を表示してもよい。また、表示制御部411は、表示画面の左側にリスト表示された複数の三次元造形装置100のうち、任意の三次元造形装置100が選択された場合に、その三次元造形装置100において造形中のモデルの形状を、モデル情報D4として表示し、そのモデルのユーザーをユーザー情報D6として表示してもよい。
【0039】
表示制御部411は、
図7に示した時刻情報D1、稼働情報D2、残量情報D3、モデル情報D4、進捗情報D5、ユーザー情報D6の全てを表示する必要はない。例えば、残量情報D3、モデル情報D4、進捗情報D5、ユーザー情報D6のうちの少なくとも一つは表示されなくてもよい。
【0040】
図8は、制御装置400において実行されるスケジュール調整処理のフローチャートである。この処理は、制御装置400が、複数の三次元造形装置100におけるモデルの造形スケジュールを管理するための処理である。
【0041】
ステップS10において、制御装置400のスケジュール調整部412は、各三次元造形装置100で造形に用いられる造形データを取得する。造形データは、制御装置400の記憶部320から取得してもよいし、制御装置400にネットワークを介して接続された他の装置から取得してもよい。
【0042】
ステップS20において、スケジュール調整部412は、造形データ毎に稼働情報を調整する。
【0043】
図9は、ステップS20における稼働情報の調整方法を示す説明図である。本実施形態において、スケジュール調整部412は、各三次元造形装置100に対する造形後のメンテナンス時間を重複させないように、稼働情報を調整する。稼働情報には、モデルを造形するための造形時間と、造形後のモデルを冷却するための冷却時間とが含まれる。造形時間は、モデルの形状や層数、ノズル径等に応じて決定され、冷却時間は、モデルの形状や層数、造形材料の温度特性、可塑化温度等に応じて決定される。本実施形態では、冷却完了後に、一定の取出可能時間が確保され、その後に行われるメンテナンス時間が各三次元造形装置100で重複しないよう、三次元造形装置100における稼働情報、すなわち、造形開始時刻及び造形終了時刻が調整される。上述したように、造形時間と冷却時間とはモデルの形状等によって決定されるため、造形開始時刻は、造形終了時刻が調整されることによって自動的に調整される。なお、メンテナンスでは、例えば、三次元造形装置100の清掃や、材料の交換などの作業が行われる。
【0044】
図8のステップS30において、スケジュール調整部412は、調整された稼働情報に従って各三次元造形装置100の造形スケジュールを決定する。
【0045】
ステップS40において、スケジュール調整部412は、ステップS30において決定された造形スケジュールに従って造形データを各三次元造形装置100に転送する。こうすることで、
図9に示すスケジュールに従って、各三次元造形装置100において、モデルの造形が行われる。各三次元造形装置100において、モデルの造形が終了すると、ユーザーは、三次元造形装置100からそのモデルを取り出す。
【0046】
以上で説明した第1実施形態によれば、制御装置400によって表示部480に時刻情報D1、稼働情報D2、残量情報D3等が表示される。このうち、稼働情報D2は、時刻情報D1に対応して表示され、時刻情報D1は、指定されたスケール又は指定されたタイムゾーンで表示される。そのため、複数の三次元造形装置100を効率的に管理できる。
【0047】
また、本実施形態では、制御装置400は、時刻情報D1や稼働情報D2、残量情報D3に加えて、表示部480に、モデル情報D4や、進捗情報D5を表示する。そのため、ユーザーは、これらの情報を確認しながら各三次元造形装置100を管理できる。
【0048】
また、本実施形態では、各三次元造形装置100における造形後のメンテナンスの時間が重複しないように造形スケジュールが決定される。そのため、作業員が一人で複数の三次元造形装置100のメンテナンスを行う場合において、メンテナンス予定時間が重複することがない。そのため、複数の三次元造形装置100を効率的に稼働させることができる。
【0049】
B.第2実施形態:
図10は、第2実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。第1実施形態では、
図9に示したように、スケジュール調整部412は、造形後のメンテナンス時間を重複させないように稼働情報を調整する。これに対して、第2実施形態では、スケジュール調整部412は、互いに異なる稼働情報に同一のユーザー情報が含まれる場合に、各三次元造形装置100の造形終了時刻の間隔が予め定めた間隔よりも短くなるように、稼働情報を調整する。換言すれば、スケジュール調整部412は、1の三次元造形装置100における稼働情報と、他の三次元造形装置100における稼働情報とに同一のユーザー情報が含まれる場合に、1の三次元造形装置100の造形終了時刻と、他の三次元造形装置100の造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも短くなるように、稼働情報を調整する。予め定めた間隔とは、例えば、0~30分である。本実施形態では、この間隔をゼロとする。つまり、本実施形態では、同一ユーザーのモデルの造形終了時刻が一致するように稼働情報を調整する。
図10には、ユーザーAが、造形装置A~Dを用いて、複数のモデルを同時に造形するスケジュールを示している。スケジュール調整部412は、各三次元造形装置100における冷却完了時刻が同じ時刻になるように、各稼働情報の造形終了時刻を調整する。こうすることで、ユーザーは、複数の三次元造形装置100で造形されたモデルを効率的に取り出すことができる。なお、第2実施形態における三次元造形システム10の構成は、第1実施形態と同じである。
【0050】
C.第3実施形態:
図11は、第3実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。第1実施形態では、
図9に示したように、スケジュール調整部412は、造形後のメンテナンス時間を重複させないように稼働情報を調整する。これに対して、第3実施形態では、スケジュール調整部412は、ユーザーから、造形終了時刻を指定する時刻指定情報を入力装置470等によって取得し、指定した時刻に造形が終了するように稼働情報を調整する。第3実施形態では、
図11に示すように、同一ユーザーのモデルを複数の三次元造形装置100で造形する場合に、造形終了時刻が、ユーザーの指定した時刻に一致するように稼働情報を調整する。こうすることにより、ユーザーは、希望する時間にモデルを効率的に取り出すことができる。なお、ユーザーは、各三次元造形装置100における造形終了時刻を、それぞれ異なる時間に指定してもよい。時刻指定情報は、例えば、造形データに含まれていてもよい。なお、第3実施形態における三次元造形システム10の構成は、第1実施形態と同じである。
【0051】
D.第4実施形態:
図12は、第4実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。第1実施形態では、
図9に示したように、スケジュール調整部412は、造形後のメンテナンス時間を重複させないように稼働情報を調整する。これに対して、第4実施形態では、スケジュール調整部412は、ユーザーのスケジュールが空いている時間帯に造形が終了するように稼働情報を調整する。具体的には、スケジュール調整部412は、稼働情報に含まれるユーザー情報に対応するユーザーのスケジュール情報を、例えば、インターネット上で運営されているスケジュールサービスや、ユーザーが利用しているスケジュールソフトウェアから取得する。そして、スケジュール調整部412は、ユーザーのスケジュールが空いている時間帯を特定し、その時間帯に造形が終了するよう、造形終了時刻を決定する。こうすることにより、ユーザーは、例えば会議の合間など、隙間の時間にモデルを取り出すことができるので、効率的に業務を進めることができる。なお、第4実施形態における三次元造形システム10の構成は、第1実施形態と同じである。
【0052】
E.第5実施形態:
図13は、第5実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。第1実施形態では、
図9に示したように、スケジュール調整部412は、造形後のメンテナンス時間を重複させないように稼働情報を調整する。これに対して、第5実施形態では、スケジュール調整部412は、互いに異なる稼働情報に含まれるユーザー情報が予め定めた関係を有する場合に、各三次元造形装置100の造形終了時刻の間隔が予め定めた間隔よりも長くなるように、稼働情報を調整する。換言すれば、スケジュール調整部412は、1の三次元造形装置100における稼働情報に含まれるユーザー情報と、他の三次元造形装置100における稼働情報に含まれるユーザー情報との間に予め定めた関係が存在する場合に、1の三次元造形装置100の造形終了時刻と、他の三次元造形装置100の造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも長くなるように、稼働情報を調整する。具体的には、本実施形態では、スケジュール調整部412は、互いに異なる稼働情報に含まれるユーザー情報に対応するユーザーが、異なる組織又は会社に属している場合に、造形終了時刻の間隔が、1時間以上になるように稼働情報を調整する。こうすることにより、異なる組織又は会社に属しているユーザーのモデルの取出時間が重なることを抑制できるので、機密性の高いモデルの取り出し時に、第三者にモデルが視認されることを抑制できる。なお、「予め定めた関係」は、異なる組織又は会社に属するという関係に限らず、その他、例えば、異なるユーザーであるという関係であってもよい。なお、第5実施形態における三次元造形システム10の構成は、第1実施形態と同じである。
【0053】
F.第6実施形態:
図14は、第6実施形態における三次元造形システム10Fの概略構成を示す説明図である。第1実施形態では、各三次元造形装置100で造形されたモデルは、ユーザーによって取り出される。これに対して、第6実施形態では、各三次元造形装置100で造形されたモデルは、無人搬送車600によって取り出されて搬送される。無人搬送車600は、バッテリーと、バッテリーによって駆動される車輪とを備え、複数の三次元造形装置100が設置されたフロアを自律的に移動可能に構成されている。無人搬送車600には、複数の収容部が設けられており、それらの収容部には、それぞれ、各三次元造形装置100で造形されたモデルが収容可能となっている。
【0054】
図15は、第6実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。本実施形態では、スケジュール調整部412は、三次元造形装置100の設置場所を表す設置場所情報を取得し、その設置場所情報に基づいて稼働情報を調整する。設置場所情報は、例えば、制御装置400の記憶装置430に記憶されている。
図14に示す例では、無人搬送車600は、造形装置A、造形装置D、造形装置B、造形装置Cの順に最短経路で造形物の回収及び搬送を行う。そのため、スケジュール調整部412は、
図15に示すように、造形装置A、造形装置D、造形装置B、造形装置Cの順に造形が終了するようにそれらの三次元造形装置100に対応する稼働情報を調整する。こうすることにより、複数の三次元造形装置100によって造形されたモデルを無人搬送車600により効率的に回収できる。
【0055】
G.第7実施形態:
図16は、第7実施形態における三次元造形システム10Gの概略構成を示す説明図である。第1実施形態では、複数の三次元造形装置100が、同一の場所に設置されている。これに対して、第7実施形態では、複数の三次元造形装置100が、異なる地域に配置されており、ユーザーは、自宅や会社から、自動車や公共交通機関を利用して、各三次元造形装置100で造形されたモデルを回収する。
【0056】
図17は、第7実施形態における稼働情報の調整方法を示す説明図である。本実施形態においても、スケジュール調整部412は、第6実施形態と同様に、三次元造形装置100の設置場所を表す設置場所情報を取得し、設置場所情報に基づいて稼働情報を調整する。このとき、スケジュール調整部412は、各三次元造形装置100間の移動経路及び移動時間に応じて、各モデルの造形終了時間の間隔を調整する。こうすることで、ユーザーは、異なる地域に配置された三次元造形装置100によって造形されたモデルを効率的に回収できる。各三次元造形装置100間の移動経路及び移動距離は、例えば、インターネット上で運営されているナビゲーションサイトから取得することができる。
【0057】
H.他の実施形態:
(H1)上記各実施形態において、複数のうちの少なくとも2つの三次元造形装置100は、各々造形方式が異なっていてもよい。この場合、スケジュール調整部412は、ユーザーから、造形データごとに、特定の造形方式を指定する造形方式指定情報を、入力装置470を通じて受け付けてもよい。造形方式とは、例えば、材料押出方式、インクジェット方式や、DMD方式(Direct Metal Deposition)、バインダージェット方式等である。
【0058】
スケジュール調整部412は、ユーザーから造形方式指定情報を受け付けた場合に、その方式に対応する三次元造形装置100にその造形データを送信する。これに対して、スケジュール調整部412は、造形方式指定情報を受け付けなかった場合、稼働していない三次元造形装置100に、造形方式の指定されなかった造形データを送信してモデルの造形を振り分ける。こうすることにより、複数の三次元造形装置100の稼働率を高めることができる。なお、造形方式指定情報は、入力装置470によって受け付けるのではなく、例えば、造形データに含まれていてもよい。
【0059】
(H2)上記第3実施形態において、三次元造形装置100による三次元造形サービスを運営する事業者は、ユーザーによって造形終了時刻が指定された場合に、通常の料金よりも高額な料金をユーザーに請求してもよい。また、日中に造形終了時刻が指定された場合に割増料金とし、深夜に指定された場合には割引料金になるといった料金体系を採用してもよい。
【0060】
(H3)上記各実施形態において、表示制御部411は、制御装置400に接続された表示部480に限らず、制御装置400とネットワークを介して接続された他の装置に、
図7に示した表示画面を表示させてもよい。
【0061】
(H4)上記実施形態において、造形部110は、フラットスクリュー40によって材料を可塑化している。これに対して造形部110は、例えば、インラインスクリューを回転させることによって材料を可塑化するものであってもよい。また、造形部110は、フィラメント状の材料をヒーターで可塑化するものであってもよい。
【0062】
I.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0063】
(1)本開示の第1の形態によれば、複数の三次元造形装置と通信する制御装置が提供される。この制御装置は、時刻を表す時刻情報と、各前記三次元造形装置におけるモデルの造形時間を表す情報を含む稼働情報と、複数の前記三次元造形装置のうちの選択された前記三次元造形装置で使用されている材料の残量を表す残量情報と、を表示部に表示する表示制御部、を備え、前記表示制御部は、前記時刻情報に対応させて前記稼働情報を表示し、前記表示制御部は、指定されたスケール又は指定されたタイムゾーンで前記時刻情報を表示する。このような形態によれば、複数の三次元造形装置を効率的に管理できる。
【0064】
(2)上記形態において、前記表示制御部は、前記稼働情報に対応する前記モデルの形状を表すモデル情報を前記表示部に表示してもよい。このような形態であれば、モデルの形状を確認しながら三次元造形装置を管理できる。
【0065】
(3)上記形態において、前記表示制御部は、複数の前記三次元造形装置のうちの選択された前記三次元造形装置で造形中の前記モデルの進捗度合を表す進捗情報を前記表示部に表示してもよい。このような形態によれば、進捗度合いを確認しながら三次元造形装置を管理できる。
【0066】
(4)上記形態において、前記稼働情報を調整して、前記三次元造形装置の造形終了時刻を調整するスケジュール調整部を有してもよい。このような形態によれば、複数の三次元造形装置からの造形物の取出時間を効率的に管理できる。
【0067】
(5)上記形態において、前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、前記スケジュール調整部は、1の前記三次元造形装置における前記稼働情報と、他の前記三次元造形装置における前記稼働情報とに同一の前記ユーザー情報が含まれる場合に、1の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻と、他の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも短くなるように、前記稼働情報を調整してもよい。このような形態によれば、同一のユーザーが複数の三次元造形装置から効率的に造形物を取り出すことができる。
【0068】
(6)上記形態において、前記スケジュール調整部は、前記造形終了時刻を指定する時刻指定情報を取得し、指定された時刻に造形が終了するように、前記稼働情報を調整してもよい。このような形態によれば、造形物の取出時間を容易に管理できる。
【0069】
(7)上記形態において、前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、前記スケジュール調整部は、前記ユーザー情報に対応するユーザーのスケジュールを表すスケジュール情報を取得し、前記ユーザーのスケジュールが空いている時間帯に造形が終了するように前記稼働情報を調整してもよい。このような形態によれば、ユーザーの業務効率を高めることができる。
【0070】
(8)上記形態において、前記稼働情報は、ユーザー情報を含み、前記スケジュール調整部は、1の前記三次元造形装置における前記稼働情報に含まれる前記ユーザー情報と、他の前記三次元造形装置における前記稼働情報に含まれる前記ユーザー情報との間に予め定めた関係が存在する場合に、1の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻と、他の前記三次元造形装置の前記造形終了時刻との間隔が予め定めた間隔よりも長くなるように、前記稼働情報を調整してもよい。このような形態によれば、造形物の機密性を高めることができる。
【0071】
(9)上記形態において、前記スケジュール調整部は、各前記三次元造形装置の設置場所を表す設置場所情報を取得し、前記設置場所情報に基づいて前記稼働情報を調整してもよい。このような形態によれば、複数の三次元造形装置によって造形された造形物を効率的に回収できる。
【0072】
(10)上記形態において、少なくとも2つの前記三次元造形装置は、各々造形方式が異なっており、前記スケジュール調整部は、特定の造形方式を指定する造形方式指定情報を受け付け、前記スケジュール調整部は、前記造形方式指定情報を受け付けなかった場合、稼働していない前記三次元造形装置に前記モデルの造形を振り分けてもよい。このような形態によれば、複数の三次元造形装置の稼働率を高めることができる。
【0073】
本開示は、上述した制御装置に限らず、三次元造形システムや、コンピュータープログラム、コンピュータープログラムをコンピューターが読み取り可能に記録した一時的でない有形な記録媒体など、種々の態様によって実現することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
10…三次元造形システム、20…材料供給部、22…連通路、30…可塑化部、31…スクリューケース、32…駆動モーター、40…フラットスクリュー、42…溝部、43…凸条部、44…材料流入口、46…中央部、47…上面、48…下面、50…バレル、52…上面、54…案内溝、56…連通孔、58…バレルヒーター、60…吐出部、61…ノズル、62…ノズル開口、65…流路、70…吐出調整部、74…第1駆動部、75…吸引部、76…第2駆動部、77…吐出制御部、100…三次元造形装置、110…造形部、210…ステージ、211…造形面、212…ステージヒーター、230…移動機構、300…制御部、310…プロセッサー、320…記憶部、400…制御装置、410…CPU、411…表示制御部、412…スケジュール調整部、420…メモリー、430…記憶装置、440…通信インターフェイス、450…入出力インターフェイス、460…バス、470…入力装置、480…表示部、600…無人搬送車